みぃねこの備忘録

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TINHiFi T2 EVOレビュー ※TINHiFi T3、T4との比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー、1BA+1DDハイブリッドモデルではなく、中価格帯で発売されたシングルダイナミックモデルのTINHiFi T2 EVOについてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのNiceHCK Audio Store(@hckexin,@NiceHCK_Audio)等で取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも本国発送となりますが取扱があります。

 

 

 

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1. TINHiFi T2 EVOについて 

TINHiFiと云えば、古参の中華イヤホンファンには名の知れた存在で、以前はTIN AUDIOというブランド名でした。数年前にブランド名変更でTINHiFiとなりましたが、これまでも音質の良さと質感の高いイヤホンを世に送り出しています。

それらは中価格帯A5K-U20Kがメインとなりますが、一番らしさを味わえるのが「T2」シリーズです。T2シリーズはまだTIN AUDIO時代に最初期型のT2に始まり、T2 PRO、TINHiFiに変わってT2 PLUSと続き、今回T2 EVOと4代目となります。TINHiFiにはT2シリーズの他に、T3、T4、T5、P1、P2シリーズとラインナップがありますが、そのラインナップはシリーズ毎に個性があり、T3はKnowles製1BA+1DDハイブリッド、T4はCNT(カーボンナノチューブ)ドライバの1DD、T5はDOC(DLC overcoat)ドライバの1DD、P1は10mm径平面駆動型ドライバの1PD、P2シリーズは先ずP2が第二世代12mm径平面駆動型ドライバの1PD、P2 PLUSがP2を踏襲しながら改良した同社旗艦モデルとなり、それらとは販売価格が跳ね上がり高価格帯に。実売がP2がA35K、P2 PLUSがA69Kとなります。

その中でもT2シリーズはA5Kで販売され、TINHiFiの中でもエントリーモデルとなりますが、個人的に最もTINHiFiを楽しめるゾーンという印象です。その理由として、5,000円台という手を出しやすい価格と、同社の音質傾向を体感できる音づくり。更にT2とT2 PROが他のラインナップとは違い6mmと10mmの径の違うダイナミックドライバを直列に配置した2DD仕様という珍しい構成であるのに対し、T2 PLUSではナノ純ニッケル亜鉛合金ダイヤフラムの1DD。そして今回のT2 EVOではカーボン分子複合ダイヤフラムの1DDを採用するなど、試行錯誤を続けている謂わばTINHiFiの技術の見せ場と云えます。それらは闇雲に行っている訳ではなく、しっかりと時間を掛けてコストを抑えながらも上位モデルとなるT4やT5に匹敵する音を実現する為にドライバ構成や異なる素材をダイヤフラムに採用するなど、進化し続けるTINHiFiの姿勢を感じますし、同価格帯の多ドラハイブリッドモデルとは「音質」へのアプローチの仕方が異なり、その「音質」はやはり違うと云えます。

 

TINHiFiの音と云えば、中高音が透き通り天井の高い伸びやか。その分低音は控えめながらも芯のある音で、一言で云えば中高音重視の音となります。それを決定づけたのはやはりT2やT2 PROと云えますが、上位のT3もKnowles製BAにより低価格帯の中華イヤホン、1BA+1DDモデルとは異なりが高音域はがさつさの無いなめらかな音が特徴です。しかし、同じT2シリーズの中でもT2 PLUSは少々趣が異なり、それまでの中高音重視、特に高音域の天井の高さのある音ではなく、高音をやや抑え気味にし低音域をしっかりと鳴らす明確なドンシャリ傾向となりました。T2やT2 PROがややマニア向けの尖った音質傾向だったこともあり、T2 PLUSが万人受けする音質傾向だったことは以前レビューした際にも触れていますが、TINHiFiのT2 PLUSの実力を認められたのか国内大手イヤホン&ヘッドホンでも取扱が始まり、従来のAliExpressやamazonでのみ取り扱いというマニア向け商品から大きく舵を切った商品と云えます。そしてその後は、同社旗艦モデルP2及びP2 PLUSというP2シリーズも販売し、TINHiFiブランドを一般層へも広く知らしめることになったのは記憶に新しく、今後の同社の展開に目が離せません。

生憎、P1までは以前レビューしておりギリギリフォローできていますが、P2シリーズはちょっと手が出ないですね(悲)。だって30,000円以上出すなら他の国内外有名メーカーが手に入る価格帯です。そりゃあ躊躇します。

中華イヤホンに求めるものって「コストパフォーマンス」ですし、「この音が5,000円で!?」とか、「10,000円でこんなに良い音が聴けるの!?」が醍醐味ですから、ねぇ。

 

そういう意味ではT4は販売価格A10Kのモデルとなり同社のミドルローラインですが、音質傾向としては中高音寄りは変わらず、ややドンシャリ。T2シリーズやT3等のエントリーラインとの違いは高解像感の音を楽しめ、ちゃんとTINHiFiの音として成り立っている所。透き通る高音はT2やT2 PROやT3には敵いませんが、低音域の表現力はT4の方が上位モデルあることを感じさせてくれます。尤も、TINHiFiは比較的音量が取りにくく、アンプ部の出力がしっかりとしたDAPの方が本領を発揮してくれる「マニア向け」であり、スマホ直挿しで聴く場合と印象が変わってしまう危うさもあります。

 

T2 EVOのシェル本体はT2シリーズの中でT2 PLUSのみ丸みのある造形で、T2やT2 PRO同様の角のある造形です。素材にはシリーズ全てにアルミニウム合金を採用。EVOにはその素材がアップグレードをしているそうですが、詳細は不明。見た目では分かりません。また、シェルの造形と云えばTINHiFi、というよりTIN AUDIO時代のT2及び、T2 PLUSはケーブルのコネクタ位置がシュア掛けの際に違和感があり上下逆だったらよかったのにというもの。T3以降はシェル掛けの際に違和感のないコネクタ位置となりましたが、T2 EVOでも踏襲されているので装着時の違和感がありません。

 

TINHiFi T2 EVOは今年8月に中価格帯の中華イヤホンとしてシングルダイナミックドライバ(1DD)モデルとして発売されました。

中価格帯A5Kの中華イヤホンではポピュラーな多ドラハイブリッドモデルと異なり、高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバが。ダイナミックドライバ(DD)が中音から低音域を担うように各音域を分担することなくフルレンジ対応となります。

もちろん音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。それをコストの制限のある中価格帯でも同様になりますが、先述のダイヤフラムの素材と同社の定評のあるチューニングよって高音質を実現しています。

尤も、A5Kという中価格帯ともなれば、国内メーカーの同価格帯も気になってきますし、やはりそれらよりもコストパフォーマンスが高いのが前提です。final E3000が買える価格ですから。

それはさておき。このT2 EVOが中価格帯中華イヤホン多ドラハイブリッドモデルや、同社T3及び、T4との比較、その違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

TINHiFi T2 EVOのスペックですが先述の通り高・中・低音域をフルレンジで鳴らすダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側シングルドライバ構成です。

そのダイナミックドライバの素材にはカーボン分子複合ダイヤフラムを採用。

イヤホン本体にはアルミニウム合金を。一体型ステムノズルにも同じ金属を採用しています。

そして大切なのはこれまでレビューした中価格帯中華多ドラハイブリッドイヤホンの様な各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングは不要で、シングルドライバのシンプルなチューニングが可能なため、音質にも不安がありませんね。

 

TINHiFi T2 EVOの納期として今回AliExpressで購入し中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきません。今回はオーダーから2週間程度で届きました。昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますし国内は佐川急便が請け負っていますので、地域によっては従来の日本郵政よりも早く届くかもしれません。まあ、物流の安定化はまだ先というところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. TINHiFi T2 EVO実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはいつものTINHiFiの化粧箱です。白を基調とした小箱は従来のT2シリーズと変わりません。横長タイプの化粧箱です。
箱の表にはTINHiFiロゴとモデル名があります。

 

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外箱を外すと白地の箱。その箱の上蓋を外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが白色タイプのS、M、Lの3種が計2セットとフォームタイプのMサイズ?が1セット。その内、シリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルとケーブルバンド、イヤホンポーチです。A5K、実売5,000円台の中価格帯として十分な付属品となります。

 

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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせません。流石のTINHiFiです。とはいえ中華イヤホンは近年レベルアップを感じられます。カラーバリエーションは銀色(金属色)のみ。

 

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付属ケーブルはTINHiFiで付属するいつもの白色(シルバー?)ケーブルに似た5n、8芯銀メッキ銅線の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側はmmcx仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まり難く、しなやかなものとなり中価格帯に付属するケーブルの中でも過不足ない高品質の印象。この付属ケーブルをそのまま使用できますし白色ケーブルは派手さを抑えており、シェル本体の色が銀色(金属色)な為、それと相まって高級感があります。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

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※画像左からTiNHiFi T3、T2 EVO、T4 

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TINHiFi T2 EVOとT3、T4の外観の比較として、サイズ感はT4が一番小ぶり。次にT3。T2 EVOはT2シリーズでほぼ共通(コネクタ部の位置は違う)です。これらの造形は基本的に似ていますが、フェイスプレートに一番特徴があるのはT4の航空機エンジン風。T2 EVOには左右の見分け用の赤と青が刺し色されています。何れもmmcxタイプのコネクタとなっています。

TINHiFiのTシリーズ(2、3、4)は円筒シェルがデザインのベースになっていて、耳への収まり、装着感はシェルが金属製でありながらも実際には重さを感じずに良好です。

シェルの材質は、先述の通りオール金属製。

重量は三機種共にほぼ同じで、耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感はイヤーピース次第となりますが、悪くありません。ステムノズルの太さもほぼ同じでやや太め。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防ぐと同時に、音への効果もあります。T3、T4は変化の大きい目が細かい真にフィルター。T2 EVOのフィルターはそれに比べると粗目ですが、低価格帯のフィルターに比べるとちゃんと?フィルターしています。

シェル本体の形状からは三機種共に耳から下にそのまま垂らすストレートでも使用は可能ですが、付属ケーブルがシュア掛け前提となりますので、その場合はリケーブルする等の対応が必要ですので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りT2 EVOはステムノズルは比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響があり圧迫感を感じやすく、その影響が感じやすいため、イヤーピースのタイプで上手く調節する必要があります。

 

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付属イヤーピースは従来のT2シリーズにも付属する白色タイプです。個人的にこのシリコンイヤーピースは傘が少々コシが無く、耳から抜け気味で装着感がイマイチに感じました。

付属イヤーピースは音質的にはやや高音中音がしっかりとするタイプに感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

生憎この付属イヤーピースでは私は上手く合わせられず、手持ちのAET07 M-サイズを耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低・中価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のイヤピ白色では満足出来なかったため早々に交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. TINHiFi T2 EVO音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 M-サイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音が主張する中高音寄りのTINHiFiらしい音」です。

箱出しではやや高音にざらつきを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は高音のシャリつきは落ち着きなめらかに。低音もしっかりと鳴るようになり、高音低音のバランスが良くなったように感じます。

音場は普通からやや広く感じ、曲によっては広く感じます。

高音は煌びやかで伸びやかさがあり天井は高く、十分な華やかさを感じられ存在感がありますが、不快な刺さりは抑えられています。

低音は抑え気味。量感は少ないものの芯がある音。その分締りとキレは良好。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みはそこまで深くありませんが、強さが有り十分。

中音は適度な華やかさがありますが、過度な主張はなくゴチャつきも少なく感じます。ボーカルはドライ寄り。クリアで自然な位置から聴かせてくれ聴きやすい。

一言で云えば中高音寄りのフラットに近い僅かにドンシャリ

高音は煌びやかさがあり伸びも感じられ、華やかさは前に前にとしゃしゃり出るような主張ではないので嫌な感じは無く、演出感は抑えられ超高音までの伸びも感じられます。だからと云って不快に感じる尖りはなく、ボーカルを邪魔することはありません。

中音はやや凹みを感じますが、楽器の音はボーカルの周りやや後ろ辺りに位置し華やかに鳴ります。ボーカルはクリアで聴きやすく、高音や低音に埋もれずに聴くことができます。高音同様に小さな音や強めの音も団子になり難く、分離良く鳴らします。

全体的にみれば高音と中音域が目立ちますが、抑え気味に感じる低音も芯のある音が小気味よくなりますので、低音重視の方以外は不足感は感じずに音楽を楽しめる音は何よりもTINHiFiの音、世界観を楽しめます。

ボーカルはドライ気味なものの息遣いを感じられ不自然さを感じ難いですが、しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性というか部の悪さは感じられます。

低音は量感は抑えられています。そのため広がりや響きは感じ難く雰囲気よりも小気味良さがあります。繰り返しになりますが、これもTINHiFiの、いやT2の音であり真骨頂です。それでも初期のT2やT2 PRO程高音に振り切っていないので、丁度良いバランスの低音を感じられます。そのため、やはり響きというよりも芯のある音で締りとキレによる小気味良さと強さに振った中高音寄りのイヤホンとしては適度な低音のため、それに慣れた方ではそれでも多すぎると感じるかもしれませんが、このぐらいは無いと物足りないと個人的には感じます。

重低音は沈み込みはそれほど深さがありませんが、強さがあり不足を感じません。低音が高音中音を邪魔しない弁えたバランスと高音中音の煌びやかさ華やかさのあるバランスの良さはフラットに近い印象を受けますが、やはり僅かにドンシャリに分類されるのだろうと感じます。TINHiFiが〇イヤホンでも取り扱われる訳ですね(もちろん国内代理店の存在が一番大きい)。

 

このバランスは以前レビューした同社T3やT4と傾向は同じです。

それらと比較した場合、先ずT3はT2やT2 PROの中高音重視、低音は添えるだけの2DDの内、DDの一つをBAに変えた音。そのためDDの高音とBAの高音の差としてより超高音の伸びやかさを感じられます。T2 EVOも超高音は表現してくれますが、T3には及びません。しかしT3は低音がT2 EVOよりも抑えられており、出力の弱いスマホDAPなどでは低音を感じ難い偏った音に聴こえます。これは中高音を邪魔しないために低音を抑え気味にせざるを得なかった結果だと思いますが、T2やT2 PROの系譜はT3がしっかりと守っていると云えます。

次に、T4はT2 PLUSが下位互換と云えるような音質であり、T4の解像感を1、2枚落ちした印象でしたが、T2 EVOがその座を奪ったと云えます。そもそもT2 PLUSはTINHiFiには珍しい高音低音をはっきりと鳴らす明確なドンシャリでしたので、今回のT2 EVOがT4の正統な系譜と云えそうです。尤も、絶対的な解像感はT4が上ですが、音のバランスはほぼT4。T2 EVOが僅かに低音抑え気味の中高音寄りとも云えますが、これもDAP等の上流次第ですし、環境によって印象が異なるかもしれません。

 

余談ですが、TINHiFiの音はT2やT2 PROの音は本当のマニア向けなんだろうなという印象で、正直苦手な音でした。それでも個人的にはT4の音は好みで、T2 PLUSはなんか違うというもの。それを今回T2 EVOが個人的なTINHiFiの音の呪縛を払拭してくれた、そんな気持ちになりました。

 

※以前のTINHiFi T3のレビューもご参考ください miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のTINHiFi T4のレビューもご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとTINHiFi T2 EVOは従来のTINHiFiの音を踏襲した見通しの良いクリアな中高音の中高音重視傾向ながらも低音も適度な強さで鳴らし音楽を小気味よく聴かせてくれるイヤホンとなります。高音中音は華やかでも見通し良く、低音は抑え気味ながらも芯があり強さのある音。中音域はこの価格帯でよくあるごちゃ付きを抑えクリアでドライ気味のボーカルは聴きやすい音質傾向は真にTINHiFiの音と云え、同価格帯の多ドラハイブリッドが苦手な方にお勧めと云えそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求め、演奏をノリ良く聴きたい方には、もの足りなさを感じ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   T4 ≧ T3 ≧ T2 EVO

中音   T4 ≧ T3 ≧ T2 EVO

低音   T4 ≧ T2 EVO ≧ T3

ボーカル T3 ≧ T4 ≧ T2 EVO

 

 

4. TINHiFi T2 EVOの総評

TINHiFi T2 EVOはやはりTINHiFiの音を踏襲していましたが、これまで物足りなかった低音域を自社の音を崩さずにバランス良く仕上げたモデルとまとめました。

同社のT4との比較では価格の違いに起因する部の悪さはありましたが、A5Kという価格からは他の中華イヤホン、とりわけ多ドラハイブリッドとの比較では寧ろ高評価と云えそうです。

国内〇イヤホンでも一部機種の取扱があるTINHiFiの音を体験してみるのも一興かもしれません。

そういう意味では中華イヤホンは「コスパ重視」の方へお勧めできますが、中華イヤホンに特徴を求め検討されている方には注意が必要な商品ですね。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年9月25日)はAliExpressや国内amazon(本国発送)でも発売されており、AliExpressでは5,000円台の価格で入手可能です。一方amazonでは本国発送の5,000円半ばの価格と、AliExpressの方が僅かに安価に入手できますが、その入手性には現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでprimeでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

T2 EVO

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M-使用、DAP ZX507
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

T3

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ 

※☆0.5、★1.0

 

T4
以下、付属ケーブル、付属イヤピシリコン白 M使用、DAP ZX507
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく、中価格帯の中華イヤホンの新商品のレビューとなりました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。現在、未レビュー品が少々溜まってきていてお蔵入りに戦々恐々です(困)。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

CCA NRAレビュー ※KZ ZSN pro X、KBEAR LARKとの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルではなく、1EST+1DDハイブリッドモデルのCCA NRAについてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのCCA Official Store等で取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでは一時期本国発送で取扱がありましたが、現在は販売していないようです(2021/09/18)。

例のクラウドファンディングが終了し国内amazonでもprime扱いが復活しています(2021/10/14)。※2021/10/14追記

 

 

 

 

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1. CCA NRAについて 

CCA NRAは言わずと知れたKZ系の派生ブランド、CCAのニューモデルです。販売価格がU3000の低価格帯モデルです。この価格帯は個人的に注目しており、これまでも1DD、シングルダイナミックモデルや1BA+1DDハイブリッドモデルを中心にレビューを行ってきました。市場の動向としては昨年のKZ EDXから始まったU1000、シングルダイナミックモデルが今年前半のトレンドモデルとなりましたが、そんな折に今年の注目株の一つとなる、静電ドライバを採用したモデルとして、1EST+1DDハイブリッドモデルのCCA NRAが登場しました。

中華イヤホンの静電ドライバと云えば、以前発売していたSHUOER TAPEを思い出しますが、あちらは中価格帯A10000のモデルで終売。現在はSHUOER TAPE Proが後継機として販売されていますが、販売価格15,000円と静電ドライバ(EST)を採用しているモデルはやはり高価です。

ところが、今回低価格帯の2,000円半ば程度で1EST+1DDハイブリッドモデルを試すことができる、CCA NRAが登場した訳です。そりゃあ、もう、買うよね?とオーダーしていました。

 

CCA NRAに採用したESTは6.8mm径の低電圧タイプです(メーカー資料)。こちらは中華オリジナルというか特殊な使い方とも云え、少ない電力で駆動させることができるものの、対応できる音域が狭くなります。

一方、高級機で採用しているESTは駆動するのに高電力が必要ですが、その分広い音域を対応が可能となっています。これがドライバのコストに加え、低価格帯に採用されにくい理由の一つです。

次に、NRAは低価格帯のモデルにESTを搭載し注目を集めていますが、実はそれだけではありません。新型のダイナミックドライバ(DD)が採用されています。従来の10mm径デュアルマグネティック(二重磁気)ドライバから、10mm径トリプルマグネティック(三重磁気)に進化したダイナミックドライバが採用されています。

二重磁気ドライバではキレの良い芯のある音を聴かせてくれましたが、三重磁気ドライバは一体どの様な音を聴かせてくれるのか?静電ドライバの中・高音域と同様に楽しみです。

 

さて、近年の低価格中華イヤホンは1BA+1DDハイブリッドが定番化していたところに、前述の通り昨年KZが1DDモデル、EDXをリリース以降CCAやTrnも発売しBAに頼らない1DDトレンドモデルを投入してきました。その結果は以前の各社低価格1DDトレンドモデルのレビューでも触れた通り、低価格帯の限界を感じる音と云うのが正直なところ。もちろん1,000円に満たないという販売価格からは十分健闘しており、価格帯として十分に良い音と云えますし、そこに間違いはありません。

それもその筈、敢えてBAを搭載しないシングルドライバの1DDモデルは従来の1BA+1DDハイブリッドモデルのBAを取り払ったダイナミックドライバのみの1DDモデルと云える中低音寄りの音質傾向となっており、Trn MT1の中高音寄りの音は最近のTrnの音でやや変わり種。そういう意味ではKZ EDXを含め価格帯に係わらず自社の音を真摯に追及していると云えるかもしれません。この一点はKZとTrnには信念を感じられます。

そして、一周回ってやはり1BA+1DDハイブリッドが低価格帯では最適解なのかなと感じさせられたのも事実です。低価格帯U1000ではそもそもドライバにコストを掛けられない。そのドライバも高級機の様な音域を上から下までワイドレンジに鳴らすことができない性能の限界。だからこその得意な音域をBAとDDで分担しましょうという発想は理にかなっているのだと。

しかし、1BA+1DDハイブリッドモデルが飽和気味で食傷気味なのも事実です。そりゃあ各社が1年ごとに新商品を出している訳ですので、そうなります。それに加えてここ1,2年で発売された1BA+1DDハイブリッドモデルでは「ハズレ」が無い。いや本当に音が破綻することなく鳴らすモデルばかりです。それに比べると正直3年前ぐらいまでの〇Zなんて酷い音だと思います。あの尖った高音が良い音なんて…とても…。まあ、それだけ今の音が安定しているからこそ感じるのかもしれません。少なくてもその頃は同価格帯での国内有名メーカー品では体験できない音でしたので。だって国内有名メーカーはそのころは「重低音シリーズ」ですもんねぇ。

 

そんな飽和市場への一手として、このCCA NRAが発売され、市場活性化の一手となるのか。従来の低価格帯中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルは高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担い、ダイナミックドライバ(DD)1基が中音から低音域を担います。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適とされていましたが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。それをNRAではESTを採用し高音から中高音域を担います。

もちろんドライバの種類や質だけでなくチューニングも重要です。高音から中高音域のESTと中音から低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となります。

中華のチューニング技術は数年前に比べ進化しており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。そこにこのNRAがどう食い込んでくるのか、期待が高まります。

 

CCA NRAのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用をバランスドアーマチュアドライバ(BA)ではなく、ESTを1基採用し高音から中高音域を。中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルです。

ダイナミックドライバは直径10mmの三重磁気ドライバを採用。ESTには6.8mm径低電圧タイプを採用しています。

イヤホン本体にはステムノズルがシェル本体と一体型の樹脂製。フェイスプレートが金属製を採用しています。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホン同様にESTとDDの各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要です。

NRAでもESTとDDを搭載し、二つのドライバが担う音域のクロスオーバーチューニングが重要です。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCA NRAの納期として今回AliExpressで購入し中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきません。今回はオーダーから一月強で届きました。実は配送で少々トラブルがあり、中国税関でFailとなり一旦セラーに返品処理されてしまいました。呑気なセラーは私からのその旨問い合わせで再送してくれたんですが、正直自国の税関もPassできない落ち度のあるセラーからはキャンセルしたかったのですが。まあここからは二度と購入しないので、勉強代です。

昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCA NRA実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはいつものCCAの白を基調としたシンプルな小箱でスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがKZ系のかまぼこ型軸短白色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U3K、実売2,500円の低価格帯として必要最低限の付属品となります。

 

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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられます。カラーバリエーションは緑色のみ。

 

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付属ケーブルは従来のKZ系で付属するタイプではない白色(シルバー?)の4芯銀メッキ銅線の2本並列タイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでイヤホン側はKZ-Cタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的にやや絡まりやすいものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも高品質の印象。とはいえそのまま使用できますし白色ケーブルはやや派手さはありますが、シェル本体の色が今回クリアな為、それと相まって綺麗な印象を持ちます。個人的にはケーブルの被膜は黒色の方が合わせやすくて好きですね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

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※画像左からKZ ZSN pro X、CCA NRA、KBEAR LARK 

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CCA NRAとKZ ZSN pro X、KBEAR LARKの外観の比較として、サイズ感はほぼ同じ。造形も似ています。三機種ともオーソドックスな造形なため、耳への収まり、装着感は余程耳の小さい方でない限り問題ないと思います。

CCA NRAとKZ ZSN pro XはKZ-Cタイプ、KBEAR LARKはTFZタイプのコネクタとなっています。

シェルの材質は、CCA NRAのステムノズルとシェル本体が樹脂製でフェイスプレートが金属に対し、KZ ZSN pro X、KBEAR LARKはステムノズルとフェイスプレートが金属製でシェル本体が樹脂製です。

重量は三機種共にほぼ同じで、耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感は悪くありませんが、ステムノズルはNRAがやや細め、ZSN pro XとKBEAR LARKはステムノズル内にBAを配置することもあり太めです。角度はNRAが三機種の中でやや起きています。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防ぐと同時に、音への変化が期待できます。一番変化をつけているのはLARKで目が細かい真にフィルター調。そしてNRA、ZSN pro Xのフィルターの順に目が大きくなります。

そして、シェル本体の形状からは三機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りNRAはステムノズルは比較的細目です。太いステムノズルの場合は装着感に影響があり、圧迫感を感じやすくなりますが、NRAではその影響が感じ難いため、イヤーピースのサイズで比較的容易に調節できます。

 

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付属イヤーピースはKZ系に付属するかまぼこ型軸短タイプの白色タイプです。個人的にこの付属イヤピは傘にコシが無くフニャフニャしていて装着感がイマイチに感じる事が多いです。これならば最近のKZ溝有白色タイプの方がまだ使えます。

付属イヤピは音質的には高音中音をクリアにして低音控えめにするタイプに感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

生憎、この付属イヤーピースでは上手く合わせることができませんでした。そのため、中華イヤホン、恐らくTrnに付属していたノーマル形状の白色イヤーピース(Trn付属黒傘赤軸の白版)に交換し、耳奥やや浅めに栓をするように装着しフィットしました。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回も付属のイヤピ白色ではイマイチだったのが残念でした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. CCA NRA音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはTrn付属白色Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「やや主張のある低音と澄んだ高音域に前面に出る中音域」です。

箱出しではやや低音に主張を感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が落ち着き締まったキレの良い音に。相対的に高音中音がクリアに感じます。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は適度な煌びやかさと伸びやかさは華やかさがあり存在感がありますが、刺さりを感じるような鋭さは抑えられています。

低音は適度な量感があり芯が感じられ締りとキレは良好。ベースラインは追いやすく曲によって目立ちます。重低音は沈み込みはそれ程深くありませんが強さが有ります。

中音は華やかでありながらゴチャつきを感じません。ボーカルは自然な位置からやや近くに感じ、クリアに聴かせてくれ聴きやすい。

一言で云えば中高音寄りのややドンシャリ

高音は煌びやかで伸びも良く、音の消え入る様を感じられますが、決して前に出るような主張がなく、かと言って控えめという事ではなく、自然で演出感は抑えられています。超高音までの伸びも自然で綺麗に伸びる印象です。BAの高音域で感じるような不快な尖りはなく、中音域やボーカルを邪魔しない弁えた音。これはTrnの様な解像感を高めるためにシャリつくぎりぎりの高音域ではなく、シャリつきを全く感じない統制され整った音です。

中音は1BA+1DDハイブリモデルで感じる凹みはなく、寧ろ凸を感じますが、それは相対的に見ればの話。楽器の音はボーカルの周りやや後ろ辺りに位置し華やかに鳴り小さな音の消える様を感じられる解像感と分離感は良好です。

ボーカルはややドライ気味なものの息遣いを感じられ自然な感じ。バラードなどのしっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性というか部の悪さは感じられるものの、悪くありません。

低音は適度な量感に抑えられています。そのため広がりや響きはそれ程感じません。それでも三重磁気ドライバのお陰なのか、芯の強さとキレの良さは特筆もの。元々KZ系の二重磁気ドライバでもその良さがありましたが、三重磁気に進化したことでその良さが強調されている印象です。その分、重低音は強さはありますが、沈み込みは少し抑え気味。これは三重磁気ドライバの性質というよりは中音域の下の方と低音域とのバランスを取った結果と推察しています。

結果として、CCAとしていつも通りどこかの音域に尖ったところを持たせずにバランス良くまとめた音だと思います。

 

次に、KZ ZSN pro XやKBEAR LARKとの違いですが、ZSN pro XやLARKはNRAと同じ中高音寄りとなりますが、その性質は異なります。NRAは中音が印象的な弱ドンシャリ。LARKがフラットに近いややドンシャリ。ZSN pro Xはそれらよりもドンシャリ感のあるKZらしい音。個人的にNRAはTrnが目指している音の完成形、高音や中音域をクリアに解像感を重視したTrnの傾向を感じます。

そして、一番の違いは高音域です。ZSN pro Xは云う迄もなく、強めの音。とにかくしっかりと鳴らす反面、シャリつきを感じる事があります。それでもKZのこのクラス歴代の最高峰です。LARKは兎に角フラットに近い音のバランスを感じさせる音。そのため適度に抑えられた音は華やかさはあっても上の上まで伸びるようなことはありません。それらをNRAはESTによって、煌びやかで伸びやかな音を決して前に出すことなく実現しています。

次に中音域です。ZSN pro XやLARKは1BA+1DDハイブリモデルであり凹みを感じます。それでもLARKは凹みが少なく僅かに抑えられていますが、NRAは凸に感じますし、そのリッチで整理された音はLARKでも敵いません。

最後に低音ですが、強さや沈み込みの深さだけならばZSN pro Xですが、それよりも芯がありキレの良さはNRAの新型ダイナミックドライバの真骨頂でしょう。小気味良さはNRAの一人勝ちです。もちろん低音域は音楽を雰囲気良く聴かせられるかどうかを左右します。そのため、NRAはその対極にいると云えるかもしれません。

尤も、CCAとしては従来の路線とも異なる音であり、これまでの雰囲気路線とは異なるKZ寄りの音のC12やC10 Proもありましたので、変わり種、若しくは意欲作なのかもしれません。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

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※以前のKBEAR LARKのレビューもご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとCCA NRAは中音重視ながら高音は上品に、低音も小気味よく鳴らし音楽を心地よく聴かせてくれるイヤホンと云えます。高音中音は華やかで見通し良く、低音は芯がありキレの良い音。中音域は低価格帯では特筆の分離と解像感は整理され、ボーカルはクリアで聴きやすい音質傾向は従来のCCAの音とは少々異なりますが、従来の1BA+1DDハイブリッドモデルとは違う魅力のあるモデルと云えそうです。

尤も個人的には中音域はもう少し抑え気味でも良い気がしますし、改善の余地がありそうです。

それでもリスニング用途として小気味良い聴いていて楽しいバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求め、演奏メインで聴きたい方には、もの足りなさを感じ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZSN pro X ≧ LARK ≧ NRA (出音の強さ) 

中音   NRA ≧ LARK ≧ ZSN pro X (出音の強さ)

低音   ZSN pro X ≧ NRA ≧ LARK (出音の強さ)

ボーカル NRA ≧ LARK ≧ ZSN pro X (質感の順)

 

 

4. CCA NRAの総評

CCA NRAは従来のCCAの音とは異なりましたが、これまでの1BA+1DDハイブリッドモデルでは物足りなかった中音域を改善及び音を整理し、高音域も強く出すことで解像感を演出しない自然な解像感が魅力のバランス良く仕上げたモデルとまとめました。

飽和気味の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデル群からの新たな一手としてESTを採用した意欲作は、先ずはCCAからというところでしょうか。KZもEST搭載機をZEXを発表し近日発売予定という事もあり、非常に楽しみです。

そういう意味では「新しいものが好き」な方へお勧めできますが、中華イヤホンの強ドンシャリを求め検討されている方には注意が必要な商品です。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。記事公開当時(2021年9月18日)はAliExpressでの取り扱いのみ。その少し前まで国内amazon(本国発送)でも発売されていましたが、確認できませんでした。後日分かったのはクラファンで期限付き独占販売のために一時的に取り扱いができなかったようです。それについては色々な想いもありますが、それは封印しておきます。まあ呆れていますけど。

尤も、現在(2021/10/14)はAliExpressでは2,000円半ばの価格で入手可能で、国内amazonでも一時取り扱い無しでしたが、10月11日のクラファン独占販売期限が過ぎた現在は取り扱いが復活し2,000円台後半で購入可能です。

そのためAliExpressの方が僅かに安価に入手できますが、その入手性には現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでprimeでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

※2021/10/14追記&修正

 

NRA

以下、付属ケーブル、Trn付属白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (ボーカル重視の方★4)

※☆0.51.0

  

LARK

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (重低音重視の方★4)

※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンでない、1EST+1DDハイブリッドモデルの新商品のレビューとなります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも扱っていきます。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2021/10/14追記及び修正

 

GK GS10レビュー ※CCA C10 pro ND N10 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として低価格帯で発売されたGK GS10についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのKZ Official SHOPから購入しています。

 

 

AliExpressでも取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. GK GS10について 

GK GS10は低価格帯で今年7月に発売された片側5ドライバ、4BA+1DD構成の多ドラハイブリッドモデルの新商品です。低価格帯の多ドラハイブリッドモデルとしては4BA+1DD構成は珍しく、数年前に発売された商品の在庫処分特価品ではありましたが、新発売でありながらamazonでU3000は驚異的と云えます。

そもそもGKって?という話ではありますが、以前レビューしたGeek Wold GK10やND N10の今年の新興ブランド群の一つです。それら同様にGKブランドも調べましたがよく分からず仕舞い。KZの製造工場という噂もあります。まあ、いつも通りその辺の細かいことは抜きにして進めていきます。

4BA+1DDの多ドラハイブリッドと云えば、KZ ZS10を思い出します。2018年に発売されたKZの当時旗艦モデルでA5000で購入できると界隈に衝撃を与えたモデルでした。それも今は昔。最新の中華多ドラハイブリッドと云えば、KZ ZASの7BA+1DDの片側8ドライバが多ドラハイブリッドモデルの旗艦モデルです。

その為、4BA+1DD多ドラハイブリ構成では目新しさはがなく、中華イヤホンのスペック競争の渦中ではインパクトが弱いのも事実です。そもそも新興ブランドのGKでは知名度も低く、購入者が少ない様子でしたが、ええ、まあ凸った訳です。だって本国発送とはいえ、私が購入した時点ではAliExpressよりも安価だったんです。2,000円前半でした。最早その価格では実質「無料」と云えるお買い得な商品、ハズレてもネタにできますし。

 

それはさておき、前述の通り今年は中華多ドラハイブリッドの4BA+1DDモデルが豊作です。現在のスペック競争渦中からはエントリークラスとなる片側5ドライバ、4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルは昨年のCCA C10 proが。今年はND N10とKBEAR Robinが発売。他にもオーソドックスな4BA+1DD多ドラハイブリとは異なりGeek Wold GK10はこちらも片側5ドライバですが、1BA+2Piez+2DDのピエゾドライバと素材とサイズが異なるダイナミックドライバを搭載し登場しました。

何れもamazonではA5000で販売されていますが、AliExpressではCCA C10 proが昨年発売という事もありA3000で購入可能、ND N10も同様です。KBEAR RobinとGeek Wold GK10が発売時A5000と今回のGK GS10の直接のライバルはND N10と云えそうです。

 

さて、GK GS10は一聴してKZともCCAとも異なる音づくりと感じます。

KZの王道のドンシャリ程ではありませんが、何方かと云えばやはりドンシャリ傾向。ではCCAの大人しい音かと云えば、それとも異なる華やかさは派手過ぎない音。もちろんCCAでもC12やC10 proのようにKZ寄りのモデルもありますが。GS10は実に丁度良い音がします。

これは久しぶりに個人的低中価格A5000多ドラハイブリッドモデルのベストバイに成り得るのか?とても楽しみにしています。

 

前置きが長くなりましたが、低価格帯A3000多ドラハイブリッドモデル、GK GS10を同じ4BA+1DDモデルのND N10とCCA C10 proとの違いを含めながら、レビューを纏めていきます。

 

GK GS10はオーソドックスなシェルデザインが採用されていて、C10 proやN10と同様の造形です。シェル本体は樹脂製でフェイスプレートとステムノズルが金属という構成も同様です。肝心の耳への収まりはオーソドックスなカスタムIEM風デザインにより良好でC10 proやN10で問題ない方は苦労することは無いと思います。

 

GK GS10のスペックは先述の通り4BA+1DDと数年前までは旗艦モデルの構成となります。搭載ドライバは低音域用のダイナミックドライバに10mm径のデュアルマグネティックドライバを。BAは30095シングル2基が高音域を担当しシェル内部のダイナミックドライバ傍に並列配置。50060シングル、2基が中音域を担当しその内1基がダイナミックドライバに並列に配置。もう1基はステムノズル内に配置しており、これまでのKZやCCA等で採用例の無い組合せとなります。

比較対象のC10 proの搭載ドライバは低音域用に10mmデュアルマグネティックドライバを。高音域用のBAには定評がある30095シングル1基が担当しシェル内ダイナミックドライバ傍に並列配置。これまた定評のある50060シングル1基が中音域を担当しこちらも高音域用BA同様にダイナミックドライバ傍に並列に配置。中高音域をカスタムBAデュアル(2BA)1基、それぞれ30095と50060ベースのカスタマイズドBAの組合せで同様にDD傍に並列配置。低音域を前述のDD1基が担います。

ND N10の搭載ドライバは中低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAは30095(30019とも書いてある?)シングル2基が高音域を担当しその内1基がステムノズル部に配置、もう1基はシェル内のダイナミックドライバに並列に配置。30060シングル2基が中音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。

GS10、C10 pro、N10の三機種共にドライバ構成とその配置が異なる真に比較対象として最適と考えています。

余談ですがStoreページと私の手元のC10 proを比べると、もしかして初期型と現行品はBAの配置と構成が変わっているような気がします。ステム内にBAを配置している記述もあれば、全てのBAをシェル内に配置している記述も。手元のものは全てシェル内です。そのため説明文は手元のものを記載しています。

 

次に、先述の通りGS10はステムノズル内に中音域用BAを1基配置し、同じ中音域用BA1基をダイナミックドライバに並列に配置。高音域用BA2基も同じく並列配置した、高、中、低音域の3way方式を採用しています。

これに対し、C10 proはBAを全てシェル内のDDに並列に配置し、実質高音用30095と中音用50060を組合わせ、配置を工夫した高、中、低音域の3way方式。

N10はGS10同様にステムノズル内に高音用BAを1基配置し、中音用BAを2基と高音用1基をDDに並列配置した割とオーソドックスな高、中、低音域の3way方式です。それでも、数年前まではステムノズル内に高音域BAを2基配置していて攻撃的な高音域が味わえていたころに比べると、音質的にもその進化を感じられますね。

とはいえ、3wayや4wayが重要というよりもこれまで世の中に送り出された低中価格多ドラハイブリッド中イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となります。このチューニングポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

GK GS10の納期は今回購入は国内amazonでしたがマケプレで本国発送のため、流石の国内amazonのようにはいきません。AliExpressで購入と同様に発送からは数週間と従来よりも時間が掛かりました。やはりまだAliExpress同様に中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、それなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。それでもamazonであればマケプレ保証で余程でない限り泣き寝入りはありませんのでそこは安心です。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

  

2. GK GS10実機レビュー

それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは低価格帯でよくみるシンプルな白を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。

裏面にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されています。その内装を取り外すと箱の底にはケーブル等の付属品が入っています。

 

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付属品はKZ系に付属する溝有黒色シリコンイヤーピース、S、M、L、3種各1セットと溝無黒色シリコンイヤーピースMサイズ1組が付属します。その内、溝無黒色シリコンイヤピMサイズがイヤホン本体取付け済みで、他にはケーブルです。U5K、A3Kの低価格帯としては最低限の付属品ですが、個人的にこれまで同様本体にコスト全振りは嫌いではありません。


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ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに問題はありませんでした。綺麗に仕上げられていると思います。

カラーバリエーションは銀色と黒色の2種で、今回は黒色にしました。


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付属ケーブルは数年前のKZ系に付属する茶色の編込みタイプで、4芯銅線が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はKZ-Cタイプ(2ピン)、もちろんKZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていますのでリケーブルの際には注意が必要です。私は気にせず2ピン仕様を使っています。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的にやや絡まり易いいもののしなやかなものとなります。また、低価格帯に付属するケーブルとして力不足ではありますが、そのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルは普段使いも可能ですね。

 

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※画像左からCCA C10 pro、GK GS10、ND N10

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GS10はC10 proやN10同様にそれ程大柄ではないシェルはオーソドックスなカスタムIEMの造形です。

GS10のフェイスプレートはC10 proやN10同様に平面的。加えてステムノズルとフェイスプレートが金属でシェル本体が樹脂製も同じで、重量はほぼ変わらず。耳への装着感は重さを殆ど感じません。

次にステムノズルはS機種共にやや長く太め。C10 proはステムノズル部がやや短く感じます。他も同様にステムノズルの太さに影響するイヤーピースの圧迫感はやや感じ、人によってはイヤーピースの選択がシビアになってしまうかもしれません。逆に云えばイヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で不満を感じることはないのではと思います。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていてシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、GS10はステムノズルがやや長く太めのため、耳へは付属のイヤーピースでは軸が短く耳に本体を収め耳穴奥に栓をする装着となりますが、私の耳ではどうしても耳から抜けてしまい、音が軽く抜け気味となりました。

 

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付属イヤーピースはKZ系に付属するいつもの溝有黒色タイプ(左)と溝無黒色タイプ(右)の二種です。個人的にこの付属のイヤピは傘がやや硬めでコシがあるものの、パサパサしていて装着感がイマイチに感じます。

音質的には決して悪くはないのですが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

残念ながらこの付属イヤーピースでは私は上手く合わせられず、形状からは耳の奥に栓をするように装着も、大き目で浅めに装着もフィットしませんでした。

そのため、手持ちに交換。いつものAET07を試し耳奥に栓をするように装着し、フィットし音質的にも満足できました。

余談ですが、Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めで傘がやや硬めなこともあり、最近一周回ってなかなかフィットしない場合に重用しています。

この様に低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

なお片側5ドライバ、4BA+1DDの性能を活かすために付属ケーブルからKBF4773ケーブル、8芯銀メッキ銅線へリケーブルしています。

 

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このKBF4773ケーブルですが、味付けの少ないケーブルとして愛用しています。が、残念ながら現在は終売です。発売当時価格が3,000円前後、今なら2,000円を切る価格帯のJSHiFiのZB8ケーブル等も良さそうです。

また、今回使用するケーブルは2.5mmバランスプラグ仕様なので、4.4プラグへ変換し使用します。

 

 

このJSHiFi ZHXは変換バリエーションが多く、一通り揃っています。線材も銀メッキ単結晶銅線材と高級線材を使用しながらも安価に設定された販売価格は助かります。愛用している変換ケーブルの一つです。

 

一方KBF4773ケーブルも音質傾向は極端に味付けを行うタイプではなく、イヤホン本体の性能を発揮させるタイプ。付属ケーブルと比較し僅かに低音域がすっきりする傾向はありますが、中高音域を伸ばしてくれますので、付属ケーブルではその性能を発揮できない多ドラハイブリッドや複数BAモデル等に使用することで本来の音を楽しめると思います。

 

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3. GK GS10音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかしと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして

勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。


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それではZX507に直挿し4.4バランス接続で実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 M-サイズ、KBF4773ケーブルを2.5→4.4変換です。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音と中音と低音のどこかを極端に強調していないバランス。やや中高音寄りの弱ドンシャリ」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。

高音は煌びやかさ華やかさが適度で、刺さりや尖りを感じることはありません。

低音の量感は適度で強さもあり、キレや締まりは良好、ベースラインは追いやすいです。

重低音は沈み込みの深さを感じ十分な強さがある。

中音は適度な華やかさがありますが、ボーカルの周りやや後に位置し邪魔することはありません。

そのボーカルはクリアでややドライ寄りですが、自然な位置に感じます。

一言で云えば中高音寄りの弱ドンシャリのバランス。

高音域は常に前に出るような主張はありませんが、中低音域もそれほど主張をすることが無いため、控えめな印象は受けないと思います。やや遠くで高音域が鳴っている印象がありますが、実はしっかりしていて中音域よりも前に出るような主張はありません。必要十分な存在感はあるのにしつこくない、丁度良さを感じます。

中音は高音よりも華やかさを感じますが、ボーカルが埋もれずにその周りでしっかりと鳴ります。それでも音数が多い曲ではボーカルが演奏との重なりを殆ど感じないので分離は悪くありません。

そのボーカルは自然位置でクリアな聴きやすさを感じます。声質がややドライに聴こえるため、女性ボーカルのバラードでは相性を感じるかもしれません。

低音は適度な量感で強さがあり芯がある音。加えて音の強弱、分離は悪くありません。

GS10は高音と中音の間、中高音域に凹みを感じず、自然な中・高音域を表現している印象です。

高音は前に出るような主張はありませんが、必要な時に必要なだけ鳴らし、過度なアクセントを加えない心地良さを感じます。低音も芯のある音がキレが良く鳴り、中音域をマスクすることもありません。中音域は華やかですがごちゃつくこともなく、分離良く鳴り相対的に一番音がでている印象です。それでも高音、中音、低音域は何処かを強調していないので、フラットな印象を受けますし、決して地味な音ではないのですが。従来のドンシャリとは少し違う、高音は所謂喧しさがなく、シャリシャリする様な音数や量感でお茶を濁さず、低音は適度。ここだけ聞くとでつまらない音に感じるかもしれませんが、音数や量感で誤魔化そうとしない実は誇張のない自然な音なのかもしれません。この自然な誇張の少ない音色は聴きやすく上手いバランスだと思います。

 

※以前のCCA C10 proのレビューもご参考ください

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※以前のND N10のレビューもご参考ください

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GS10のバランスは以前レビューしたCCA C10 proの音の傾向が「ザ・ドンシャリ」とすれば、それとは異なるフラット寄り傾向。ND N10の音の傾向が中低音寄りのドンシャリとすれば、それとは異なる中高音寄りの弱ドンシャリ傾向と云えそうです。

そして個別にみていくと、GS10に対しC10 proの方が高音が強め、刺さることはありませんが、中音と同程度前に出ます。対してN10の高音は鳴らすべき時に前に出て鳴るもののそこまでのしつこさを感じませんが、GS10よりは出ているように感じるかもしれません。

低音はGS10に対して強さとキレ、芯のある傾向はC10 proと同程度、ややC10 proの方が強め。対してN10は強さと深さ、響きのある音。

中音はGS10に対しC10 proがややごちゃつきを感じます。対してN10は低音寄りのためにそれらがドライであるのとは異なる暖かさ。GS10はそれらよりも整理された音が聴くことができます。

ボーカルはGS10とC10 proのややドライに対し、N10の自然な暖かさを感じます。

もちろんそれぞれに良さはあるのであくまでも音の傾向として、です。

N10の音は個人的にはC10の音が好きなので、それに似たブラッシュアップした音として好きなのですが、GS10の中音が整理された高音、低音に誇張の無い聴きやすい音は好きなので、これは迷いますね。

 

そのため今回の比較対象の中では三者三様の良さがあり、個人的にはGS10がややリードかなと。もしも中低音寄りのボーカル重視ならばN10でしょうし、中高音寄りの誇張の少ない弱ドンシャリが好みの方にはGS10となります。C10 proはKZでは派手すぎるのでもう少し抑えた音を求める方にハマる音だと思います。

もっと云えば、1本で済ませたい方にはGS10がお勧めできるモデルと云えそうですね。

 

まとめとして、GK GS10はKZやCCAの系譜の音ではなく、強いて云えばKBEARかなと。それでもKBEARは最近Robinでその系譜の音で魅せてくれていて、それともちょっと違う。今書いていてひらめいたのはKZ ZASですね。もちろん音の華やかさがZASの方が上ですし、薄味のZASと云えば伝わりますか。

 

蛇足ですが、以前のレビューでも触れていますが中華イヤホンの単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   C10 pro ≧ N10 ≧ GS10 (単純な強さの順)

中音   GS10 ≧ N10 ≧ C10 pro (整った音の順)

低音   N10 ≧ C10 pro ≧ GS10 (単純な強さの順)

ボーカル N10 ≧ GS10 ≧ C10 pro

音場   GS10 ≧ N10 ≧ C10 pro

 

 

4. GK GS10の総評

GK GS10は誇張の少ない音で聴きやすさのある中高音寄りのバランスの良いイヤホンとまとめました。

そして販売価格U3000という、最近の中価格帯多ドラハイブリッドモデルにも引けを取らないモデルは、あれもこれもではなくどれか一本買うならばこれをお勧めする商品と云えます。

 

最後に、今回は国内amazonとAliExpressで発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年9月11日)はAliExpressやamazon(prime)で発売されており、AliExpressで2,000円台。一方amazonではprime扱いの2,000円台半ばと価格差が無く、amazonでの購入がお勧めです。一方AliExpressでも安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

GS10
以下、ケーブルKBF4773、イヤピAET07 M-使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

C10 pro
以下、ケーブルT4、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

 

N10
以下、ケーブルHi8、イヤピSedna EarFit MS使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

あとがきとして、今回はいつもの低価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンをご紹介していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Geek Wold GK10レビュー ※KBEAR Robin KZ ZAS 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されたGeek Wold GK10についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのPenon Audio Storeから購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもHiFiGoで取り扱いがあります。

 

 

 

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1. Geek Wold GK10について 

Geek Wold GK10は片側5ドライバ、1BA+2Piez+2DD構成で今年6月にリリースされました。海外のレビューサイトでも発売当時Geek Woldは新しいブランドということ。GK10というモデルがピエゾドライバを搭載していて、評判が良い事をリサーチ済みでしたが、海外で好評なモデルが日本でも好評とならないこともあり、当初スルーしていました。しかし、界隈で購入した先人たちの好評さから興味を持ち、ちょっと調べてみましたがよく分からなかったのです。まあ中価格帯の多ドラハイブリッドモデルの新商品という事に間違いないようですし、最近ではKBEAR RobinやND N10等の4BA+1DDモデルも5,000円程度で購入できるモデルが好評でしたので、それとの比較用に購入した次第です。

GK10はピエゾドライバ搭載に注目が集まりますが、実はそれだけではなく色々と挑戦したモデルと云えます。

それは先ず搭載ドライバにピエゾドライバを2基搭載していること。次にダイナミックドライバを直径と素材の異なる2基を搭載。そしてバランスドアーマチュアを1基の片側5ドライバです。

次に、シェルの造形が特徴的でフェイスプレートは木製でハートとシックにしたいのかポップにしたいのか。ハート形故にイメージを持ちやすく武骨なデザインとは違いイヤホンをアクセサリーの一つとしてファッションのアクセントにもできます。

最後にパッケージが簡素。届いたときに不具合を疑いました。一見化粧箱の外側スリーブをつけ忘れたのかと。しかし、他に購入されている方も同じ様でしたので、これが正しいのでしょうけど、ちょっとどうなのこれという印象です。その分、中身にコストを掛けてますよってことなのかもしれませんが、…ねぇ。

そんな挑戦的なモデル、GK10の最も特徴的なピエゾドライバは、某セラーオリジナルモデルのNX7シリーズやSENFER DT6にも搭載されています。とはいえNX7シリーズは中価格帯A10Kモデルですし、DT6は低価格帯U5Kモデルとなりますので、直接比較対象とはなりませんが。

例に挙げた通り以前からピエゾドライバを採用しているイヤホンがありましたが、採用例は多くありません。技術的なのかコストなのか事実は分かりませんが、簡単に採用できるほど浸透している訳ではなさそうです。これまでにピエゾドライバを搭載したイヤホンを聴いた限り、その音質は高音域が透き通り超高音域まで伸びる印象があります。それ故に低音域の強さとのバランスがバランスドアーマチュアよりも取り難くく各社の苦労が感じられます。それでも高音域のなめらかさや超高音域までの伸びの良さを得たい場合にはピエゾドライバが有利であり、メーカーは使いたくなるのでしょうね。

現在中華イヤホンの雄KZの中価格帯U10K多ドラハイブリッドの旗艦モデルは7BA+1DD構成に進化し、以前レビューしたKZ ZASや同社ZAX及び、CCA CA16が同じ構成となりますが、それほど注目されない市場に変化しています。

そんな中、4BA+1DD多ドラハイブリッドと同じ片側5ドライバでありながらも2ピエゾドライバと直径の異なる2種のダイナミックドライバ及びBAの構成としたGeek Wold GK10が5,000円と飽和気味の中価格帯A5K市場に新しい風を吹き込んでくれそうな、そんな期待をしてしまいます。

 

さて、以前も触れましたが昨年から続く中華多ドラハイブリッドモデルリリースの勢いは留まることを知らず、今年も中価格帯でCCA CKXとKZ ZASやKBEAR Robinに加えこのGeek Wold GK10と続いています。低価格帯ではND N10やGK GS10が発売されていてGK GS10も入手済みです。少しそれますが、個人的にGKブランドに注目していて、GSTも入手済みですので、追々ご紹介していきたいと考えています。

閑話休題

多ドラハイブリッドと云っても価格による差は感じます。それはU5Kを境に以下をエントリークラス。A5Kをミドルクラスとして、ハイクラスはA7Kとした場合に、単純にBAの数が増えれば音が良くなるとも云えず、寧ろつながりの悪さ、不自然さを感じる事があります。

そういう意味で今年はKBEAR Robin等が過去から続く搭載ドライバ数の増加競争、スペック至上主義から一歩身を引き、オーソドックスで且つ必要十分な4BA+1DDのドライバ構成の多ドラハイブリッドモデルが良い音を狙い実現していて、更に安価に提供することができています。その中で彗星の如く現れたGeek Wold GK10は新たな多ドラハイブリッドモデルとして非常に気になる商品と云えそうです。

 

今回は比較対象としてKBEAR RobinとKZ ZASを用意しています。KBEAR RobinはKZブランドとは異なる音づくりでそれらの明るく派手なドンシャリとは一線を画すフラットな音を聴かせてくれます。具体的には「中音を凹ませずに高音と低音域を強調しない全音域のバランスを整えた音」です。一方、KZは良くも悪くも高音と低音の強さを感じるバランスで整えていますが、今年発売されたZASは従来のKZとは違う音が楽しめます。そのため従来のKZの聴いていてノリの良いドンシャリが好きな方には評価が分かれるかもしれません。

余談ですが、中価格帯の中華イヤホンでもう一社忘れてはいけないのはTrnです。最近のTrnは中高音を重視しており高音の方が明らかに強いバランスです。これは高音を強めにして高解像感を演出しているように感じます。個人的に低、中価格帯でこれは逆効果だと考えています。Trnの主戦場と違い高価格帯で採用しているドライバは質が高く、上手くバランスを取ることができていますが、この価格帯のドライバでは単純にしつこい高音の印象となり、それはしつこい低音よりも人を選んでしまいます。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。もちろんそういった音の傾向が好きな方には魅力的な商品の一つと云えますが。

 

いつも通り前置きが長くなりましたが、注目の中価格帯A5K多ドラハイブリッドモデル、Geek Wold GK10を入手しましたので、先述の通り4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルのKBEAR RobinとKZ ZASとの違いを含めながら、レビューを纏めていきたいと思います。

 

Geek Wold GK10のスペックは先述の通り1BA+2Piez+2DDです。Storeページの仕様を見る限り、搭載ドライバは中音域と低音域用のダイナミックドライバ2基がそれぞれ中音域用の7mm径複ラフェンダイアフラムと低音域用8mm径チタンコートダイヤフラムを。BAはシングル1基が高音域を担当。ピエゾドライバ2基が超高音域を担当しています。GK10はピエゾドライバを採用し高音域の更に上、超高音域までをカバーし低音域用ダイナミックドライバで低音域だけでなく、更にその下の超低音域のワイドレンジを意図したモデルと云えます。

KBEAR Robinのスペックは先述の通り4BA+1DDです。搭載ドライバは中音から低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAはKBEAR-IF-Kシングル1基が高音から中音域を担当しステムノズル部に配置。KBEAR-HI-Bシングル3基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。RobinはBAを新型カスタマイズモデルを採用し更に実質高音域用を1基と中高音域用3基とすることで、高音域と中高音域の聴こえ方を調整したモデルです。

KZ ZASのスペックは先述の通り片側7BA+1DDです。搭載ドライバは中低音域用のダイナミックドライバに10mm径二重磁気ダイナミックドライバを。BAは30019シングル1基が高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置。50024sデュアル(2BA)3基が中高音域を担当し、こちらもダイナミックドライバに並列に配置。特筆はこれまでKZでは頑なにステムノズル内に配置したBAが今回は全てシェル内部、ダイナミックドライバに並列配置です。

GK10が従来のBA中心で中・高音域を担うオーソドックスな構成とは異なっているのが分かります。特にワイドレンジへの対応が気になります。

まあ、この辺りは実際に聴いてみない事には判りませんが。

 

次に、先述の通りGK10は超高音域用Piezを2基、高音域用BAを1基、中音域用DDを1基、低音域用DD1基の2Piez+1BA+1DD+1DDの4way方式です。

これに対し、Robinはステムノズル内に高音域用BAを1基配置し、中高音域用BA3基をダイナミックドライバに並列に配置した1BA+3BA+1DDの3way方式を発展させBAの各音域をクロスオーバーさせるのではなく4G Electronic(重ね合わせ包括する)技術を採用しています。

ZASではBAを新世代に変えるとともに、更に搭載位置もシェル内部のダイナミックドライバに並列と変化させ1BA+6BA+1DDとZSX(C12)世代の3Way方式を踏襲しています。

3wayクロスオーバー方式はこれまで世の中に送り出された中価格以下の多ドラハイブリッド中華イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となり、オーソドックスでありながらも4wayのGK10が従来のクロスオーバーチューニングのポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

さて、Geek Wold GK10の納期は国内amazonのようにはいきません。AliExpressで購入の場合、発送からは約2週間と従来同様です。それでもまだAliExpressの中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. Geek Wold GK10実機レビュー

それでは、早速Geek Wold GK10の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは簡素。化粧箱というよりもキットケースという風貌の上蓋は中身が見えるクリアカバーと白箱です。

裏面にはスペックを英文で記載したラベルシールが貼付されており低価格帯でもここまで簡素な商品箱は見かけません。

 

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クリアカバーの上蓋を外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、その台座の上側にイヤーピースが収められています。

その内装を取り外すと箱の底にはケーブルとイヤーピースやイヤホンポーチが収納されています。

 

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付属品は黒色イヤーピース、S、M、Lサイズ、その内Mサイズがイヤホン本体取り付け済み。黒色クリアタイプのシリコンイヤーピースがS、M、Lサイズの2種2セットが付属。他にはケーブル、イヤホンポーチです。A5Kの低価格帯としては必要十分な付属品ですが、実用的な付属品は初めて購入する方でも満足できると思います。

 

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ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに問題はありませんでした。まあ中華製品では偶に何かしらやらかす場合がありますけど、今回はケーブルの2ピンがイヤホンのコネクタに硬くて挿入し難い以外は綺麗に仕上げられていると思います。GK10の特徴としてフェイスプレートが木製と木目による個体差があります。

カラーバリエーションはフェイスプレートに違いにより青、赤、緑、黒と豊富です。購入の際は赤しか在庫が無く赤色にしました。


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付属ケーブルは白色の編込みタイプで、8芯銀メッキ銅ケーブルが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側コネクタはコネクタ部の凸が低い2ピンタイプ、KZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていてイヤホン側コネクタ部の破損が心配ですが、この従来のタイプは安心感があります。もちろんリケーブルの際には通常の2ピンタイプで問題はありません。安心して通常2ピン仕様を使えます。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的にしなやかなものとなります。また、中価格帯の多ドラモデルに付属するケーブルとして十分なクオリティと云え、そのまま使用できますしポップなシェルデザインに加え、綺麗な被膜の色合いのケーブルは普段使いでも気になりません。

 

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※画像左からKBEAR Robin、GeeK Wold GK10、KZ ZAS

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GK10はRobinと同様にそれ程大柄ではないシェルとそのポップなデザインとは裏腹に耳への収まりが良く、Robinのオーソドックスな造形や、ZASのカスタムIEM風と遜色のない装着感が得られます。

GK10のフェイスプレートはRobin同様に平面的ですが、前述の通りハート形。ZASのラウンドのあるタイプとは違います。

装着感は先述の通り一般的なカスタムIEM風デザインと同様に悪くありません。GK10のみステムノズルがシェル一体型の樹脂製、フェイスプレートが木製です。他の2機種がそれらが金属製でシェル本体が樹脂製です。重量はGK10が一番軽量ですが、他の2機種も耳への装着感は重さを感じ難く、イヤホン本体の重量による影響は殆ど感じません。

次にステムノズルはGK10がやや短く太め。Robinがやや長く太め。ZASがやや短く細目となり、角度がGK10とRobinがほぼ同じ。ZASは角度がやや起きています。Robinが中華イヤホンでは一般的なものと云え、GK10やZASはマイノリティと云えます。そのためGK10はステムノズルの太さに影響するイヤーピースの圧迫感はやや感じます。また、人によってはイヤーピースの選択が通常と異なる場合があり、そのサイズ選びがシビアになってしまうかもしれません。逆に云えばイヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で大きな不満を感じることはないのではと思います。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていますが、GK10は目が細かく数も少なめ。Robinのフィルターが一番細目で数が多いです。ZASのタイプは音質への影響はありそうなもの。とはいえシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

 

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付属イヤーピースは黒色タイプが軸長は一般的で傘が下まで広がる形状、開口部小さ目(左)と、黒クリア色タイプ、ノーマル形状、開口部大きめ(右)の二種です。例えるなら黒色タイプがS〇NY ハイブリッドイヤーピースに似たもの。黒クリア色は中華イヤホンに付属するタイプです。この付属の黒色イヤピは傘にコシが有り、しっとりしていて装着感は悪くありませんし、黒クリア色タイプも傘にコシがあり、ややカサカサするものの装着感は悪くありません。

音質的には黒クリアがやや高音中音がクリアに聴こえるタイプ。黒が中低音に厚みを感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

この付属黒色タイプのイヤーピースでは私は上手く合わせられられず、黒クリアのノーマル形状で耳にやや浅めに蓋をするように装着しフィットしましたが、音質的には黒色の方が好みだったので、手持ちからfinal Eタイプを選択しています。

余談ですが、Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めで傘がやや硬めなこともあり、最近一周回ってなかなかフィットしない場合に重用しています。

この様に低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. Geek Wold GK10音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかしと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。


miineco106.hatenadiary.jp

 

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それではZX507に直挿し3.5アンバランス接続で実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはfinal Eタイプ Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「豊かな低音とクリアな中・高音のドンシャリ」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。それ程広さは感じません。

高音は煌びやかさ伸びやかさはありますが、華やかさは適度。伸びやかさがありながらも刺さるような尖りを感じることはありません。

低音の量感は適度で強さもあり、キレや締まりは良好、ベースラインは追いやすいです。

重低音は沈み込みの深さをそれ程感じませんが、強さがある。

中音は適度な華やかさがありますが、ボーカルの周りやや離れた場所に位置し邪魔することはありません。

そのボーカルはクリアで自然な声、自然な位置から曲によってやや離れた位置に感じます。

一言で云えば中高音寄りのドンシャリ

高音域は前に出るような主張はありませんが、伸びやかで音の消え入る様を感じられます。その高音域は音量自体は大きくはないのですが、澄んだ高音域は小さい音もしっかりと届けてくれ音の輪郭を掴みやすく解像感は高い印象です。

もっと云えば、高音域は高音の上、超高音域までなめらかでクールに鳴らし響きますが、シャリつくような華やかさではなく、上品に必要なだけ強調せずに自然に鳴らし、伸びと響きのある音を感じられます。

中音域は高音よりも音量はありますが、こちらも過度の華やかさは無く、暖かさを感じ、ボーカルは音数が多い曲でも演奏の重なりは抑えられていてクリアで見通しの良く解像感の高さと分離の良さを感じさせます。

そのボーカルは自然でクリアに耳に届き誇張の無い自然な暖かさと艶を感じられますが、中音域の暖かさの反面、僅かに曇りを感じるのと位置がやや遠く感じます。

低音は量感はそれ程多くなく適度ですが、強さがあり芯のある音。音の強弱が感じられ輪郭の分かる表現力の高い音。ただ強く鳴ったり、ただ響くだけの音ではない解像感のある低音です。

GK10は高音と中音の見通しが良いものの高音はクールに、中音と低音は暖かさのある音は相対的に高音域が控えめに感じられますが、派手に誇張し存在感を示す音ではなく、煌びやかで伸びやかに綺麗な音を感じられる自然な音に上手くまとめられています。低音域も同様に大きく強く響く音ではない音の輪郭を掴みやすい質の高い音です。しかしボーカルがやや遠く、僅かに曇りを感じられ位置もやや遠く感じられます。全体的に地味でつまらない音ではなく派手過ぎず丁寧に音を鳴らしてくれ音楽に浸ることができる音色です。

 

※以前のKBEAR Robinのレビューもご参考ください

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このバランスは以前レビューしたKZ ZASと比較した時に音の傾向は似ていて、ZASの方が中音に上品な華やかさがあり、ボーカルが前にでて演奏の位置がそれの周りやや後ろに感じられます。中音域の音の厚みと低音域の強さはZASの方が良いものの、高音域はGK10と感じます。

そしてRobinはフラットな音の傾向でありますが、高音域の主張はそれらに比べ相対的にRobinの方が出ているように感じます。中音域も華やかさではRobinですが、見通しの良さはGK10と一長一短。低音域の強さはRobinも質感はGK10と感じます。

GK10はやはりそれらと比較し最も異なるのは高音域です。GK10のピエゾとBAによる超高音~高音域はなめらかさがあり、この価格帯のBAでは強さは出せてもなめらかさはピエゾに分があります。また中音域のDDにGK10はグラフェンドライバによるキレの良い音で解像感のある音を実現しており、BAの繊細な音を複数基を束ねそれを狙う音づくりはこの価格帯では限界があります。尤もこれが高級機で採用されるBAであればまた評価は違うのかもしれません。低音域では強さは二重磁気ドライバに分がありますが、チタンコートドライバの解像感の高い音は甲乙つけがたいです。

そういう意味でもZASの中音域に肉薄するGK10。高音域はGK10の真骨頂。低音域はZASに肉薄する。惜しい点としてはボーカルですね。薄く曇った印象とやや遠い位置が、ボーカル曲との相性を感じてしまいます。もちろんこれは中価格帯で比較していればそれ程ネガティブなものではありません。

 

次に、ZX507から据え置きでも聴いてみました。いつも通りDACTOPPING D10Sとヘッドホンアンプは同社L30の組合せです。

GK10との接続は付属ケーブルが3.5プラグなので、6.35ヘッドホン出力端子に変換プラグを通して接続しています。ゲインはLowです。

結果はZX507の3.5アンバランス出力よりも過不足ない低音、伸びやかな高音と見通しの良い中音はクリアなボーカルを楽しめましたが、やはりボーカルは曇り、位置が遠く変わらず。ZX507で聴いた時よりも低音域の解像感は高くなり、心地よさを感じます。

全体的に定位感が向上した印象で中音域はすっきりとし、特に高音域と低音域では音質が向上していると感じられますが、ボーカルも改善するものの解消される程ではなく流石にこれが限界なのかもしれません。

今回は、ZX507も3.5アンバランスと、据え置きもアンバランスでの評価です。それでも据え置きではしっかりとした音場を感じられしたので、興味のある方はご検討ください。

 

最後にリケーブルを試してみました。使用したケーブルはKBX4904、2ピン2.5mmバランス仕様です。ZX507に4.4変換を使用し接続しています。

このケーブルは純銀4芯線で中・高音域の伸びと見通しの良さ、低音が締まる傾向があり、GK10の音質で「もう少しこうだったら良いのに」という傾向に良い変化を期待して選択しています。

結果は期待した中・高音域は伸びやかに、低音域は締まりが良好に変化しましたが、肝心のボーカルの曇りは少なくなるものの、やはり解消とまではいきませんでした。

 

まとめとして、Geek Wold GK10はピエゾドライバによる澄んでなめらかな高音と中音と低音の解像感のある音は心地良い音と云えます。ですが、ボーカルに曇りを感じられことで聴く音楽によって相性の良し悪しがある音となっています。

そのためボーカル曲を聴きたい方には注意が必要となります。

 

蛇足となりますが、以前のレビューでも触れている通り、中華イヤホンの単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   GK10 ≧ ZAS ≧ Robin (質感の順)

中音   ZAS ≧ GK10 ≧ Robin (質感の順)

低音   ZAS ≧ GK10 ≧ Robin (質感の順)

ボーカル ZAS ≧ Robin ≧ GK10 

音場   ZAS ≧ Robin ≧ GK10 

 

 

4. Geek Wold GK10の総評

Geek Wold GK10はピエゾドライバの高音域と解像感の高い中音低音が小気味良さを味わえるイヤホンとまとめました。

そしてこれを5,000円程度で購入でき、中華多ドラハイブリッドのBAとピエゾドライバの音の違いを楽しめます。

現時点では中華中価格帯U10000多ドラハイブリッドイヤホンではKZ ZASとCCA CKXを押さえておき、A5000多ドラハイブリッドではこのKBEAR Robinを押さえておけば使い分けも可能ですし、十分楽しめそうです。本当、中華イヤホンは楽しいですね(病気)。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年9月4日)はAliExpressや国内amazonで発売されており、AliExpressでは5,000円程度で購入可能。一方amazonでは5,000円半ばと僅かに高くなります。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

GK10
以下、付属ケーブル、イヤピfinal Eタイプ M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★☆  
※☆0.5、★1.0

 

ZAS
以下、付属ケーブル、イヤピKBEAR 07 M-使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

Robin
以下、ケーブルKBX4905、付属イヤピ M使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、中華ヘッドホンアンプ等、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

CCZ Melodyレビュー ※KZ ZSN pro X、CCZ Emeraldとの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルのCCZ Melodyについてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのWTSUN Audio(@Naruto88814)から購入しました。

 

 

WTSUN Audio楽天市場店と合わせて先行販売しています。

 

 

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. CCZ Melodyについて 

CCZ Melodyは前回レビューした同社Emeraldの兄弟機で、低価格帯の中華イヤホンではポピュラーな1BA+1DDハイブリッド機です。Melodyは今年8月頭に兄弟機のEmeraldと同時発売され、どちらも同社Coffee Bean DC-1のシングルダイナミック機がベースにBAが追加されているモデルです。

CCZは新進のブランドとなりますが、先ず中価格帯でCCZ Plumeという商品を発売しています。こちらもWTSUN Audioで取り扱いがあり、4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルの販売価格20,000円強と桁が一つ多い高級路線です。

一方でCCZ MelodyはEmeraldと低価格帯の兄弟機ということで1BA+1DDハイブリッドモデルとなっています。それらは販売開始こそ同じでしたが、MelodyはAliExpressのWooeasy Earphonesで同時期に取り扱いが始まり、Emeraldは日本のamazon及び楽天市場のWTSUN  Audioで先行販売という日本のユーザーを意識した展開となっています。

それら兄弟機の音質傾向は互いに特徴を持たせていて、どちらもCoffee Beanの高音を補強したドンシャリ。一聴したMelodyは高音抑え目の中低域重視のピラミッド型ドンシャリ。Emeraldは前回レビューした通り、高音もしっかりと鳴らす王道のドンシャリです。この兄弟機はシェルの材質やカラバリ等を変更した単なるバリエーションモデルではなく、ちゃんとキャラクターを持たせていることに感心します。

 

さて、今回も前回に引き続き1BA+1DDハイブリッドモデルのレビューです。つまり前回同様に「実家にいるような安心感」を勝手に感じながら進めていきます。

尤も、今回はMelodyとEmeraldの兄弟機対決…もとい、キャラクターの違いを中心にまとめようと思いポチっていますので、仕方がありません。だって兄弟機なんて、ズルい。買うに決まってんじゃないですかぁ(アホ)。

 

いつも通りの前置きはさておき、今回も実家にいるような安心感、お馴染みの低価格帯中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドモデル、CCZ Melodyのレビューとなります。そして今回はEmeraldとのキャラ違いと最早迷ったらコレというKZ ZSN pro Xの二機種と比較してみます。

 

CCZ Melodyは低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルです。高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担い、ダイナミックドライバ(DD)1基が中音から低音域までを担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となります。

尤も、そのチューニング技術は数年前に比べればかなり進化してきており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。

ですが、初期ZSTの頃の1,000円ちょっとという圧倒的コスパからはやや高価になり、現在は2,000~3,000円と国内メーカーのエントリーモデルと同等となってきていています。それでも十分にコスパは良いのですが、一般の方が3,000円「も」出して買うのはやっぱり国内有名メーカー又は、海外有名メーカーというオチなんですが。視聴できればもっと売れると思うんですよねぇ…たぶん。

 

CCZ Melodyのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルで、BAはシェル内DD傍に並列で配置しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの二重磁気ドライバを採用。イヤホン本体はシェル本体とフェイスプレートが樹脂製、ステムノズルが金属製となりKZ ZSN pro XやCCZ Emeraldとは異なります。MelodyとEmeraldの違いの一つ目となります。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCZ Melodyの納期として今回も国内amazonですので当日発送、翌日配達です。AliExpressではこのようにはいきません。昨今、AliExpressで購入した際は感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向と云えます。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCZ Melody実機レビュー 

それでは、早速CCZ Melodyの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調とした縁に黒色のアクセントがある小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、その下側に小箱が。

台座を取り外すと箱の底にイヤーピースが。小箱にはケーブルが収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U3K、実売2,000円後半の低価格帯として必要最低限の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられ、寧ろKZ EDXよりもシェルの合わせ面等が綺麗に仕上がっています。

Coffee Bean及び、Emerald同様にMelodyもシェルには耳甲介艇への安定感を得られる耳ウィングが装備されています。

カラーバリエーションは黒色とクリア色があり、今回は黒色を選択しています。

 

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付属ケーブルは4芯4N無酸素銅線(OFC)、黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでCCZロゴ入り、イヤホン側はTFZタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。最近のKZ等に付属するケーブルと同等でやや絡まり易いものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中ではそれ程悪い印象はありません。そのためそのまま使用できますし黒色ケーブルは落ち着いた色味からは、シェル本体に囚われずに普段使いでは気になりません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKZ ZSN pro X、CCZ Melody、CCZ Emerald 

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CCZ MelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xの外観の比較として、三機種のサイズ感はほぼ同じ。MelodyとEmeraldは耳ウィングがあるのでやや大きく見えます。

MelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xはシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。MelodyとEmeraldは耳ウィングによってよりカスタムIEM風の造形です。

三機種共にステムノズルは金属製。EmeraldとZSN pro Xのフェィスプレートは金属製です。

重量はEmeraidが僅かに重さを感じますが、耳ウィングによって耳への収まりが良く、装着時には殆ど差が分からないレベルで、三機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さはMelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xはやや太目です。

次に、ステムノズル角度はMelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xについてはほぼ同じ。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてMelodyとEmeraldのフィルターはZSN pro Xの丸穴と違い、音質に影響がありそうな所謂細目フィルタータイプ。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りMelodyはステムノズルは太目であり、太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすくなりますので、イヤーピースのフィッティングは重要です。

 

※付属のイヤーピース
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※イヤーピース比較、左がMelody付属、右がEmerald付属
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付属イヤーピースはEmeraidやCoffee Beanと同形状です。傘の頂点開口部に段差がありメーカーではパテントイヤーピースと命名しています。形状がEmeraid付属と同じでしたが、色が異なります。Melody付属は黒、Emeraid付属はクリアブラックです。何れもCoffee Bean付属とは異なり、個人的に感じたイヤーピースの傘がパサパサ、ペラフニャが改善されています。MelodyとEmerald付属のものは傘は適度のしっとり感とコシが有り遮音性も十分に感じます。

音質的にはEmeraid付属よりもMelody付属の方が低音に厚みが出るタイプのようですが、開口部が大きく高音にも影響は少ないようです。

この付属イヤーピースでは私は耳に浅めに蓋をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. CCZ Melody音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「量感を感じる低音と厚みのある中音。出しゃばらない高音のピラミッドバランス」でした。

箱出しでは低音に膨らみと、高音域の物足りなさを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は高音が伸び、低音に落ち着きがでできたように感じられます。

音場は広くも狭くもなく普通。

高音は煌びやかさと華やかさは適度に感じられ、主張はやや弱め。シャリつくような刺さりはありません。

低音は量感があり、広がりと響きがあります。その分締りとキレは適度。ベースラインはしっかり追えます。重低音は沈み込みも深く強さも有る。

中音は適度な華やかさは適度で、やや下の方に厚みがあります。反対に上の方は多少ゴチャつきを感じます。ボーカルはクリアでやや近い位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によって近く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

高音は煌びやかさと華やかさは前に出るような主張は無いものの、伸びやかさはあります。とはいえ超高音までの伸びはあまり感じず、不快に感じる尖りも無く、必要な時に必要なだけなる印象です。これはCoffee Beanよりも強く、EmeraldやZSN pro Xよりは控えめです。低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると、CCA CSNのような高音域を強調しない音づくりの印象ですが、強すぎる高音は尖りや刺さりとの表裏一体、一長一短です。

中音は凹みは僅かで殆ど感じませんが、楽器の音はボーカルの周り、僅かに後ろに位置し華やかに鳴り、多少の重なりを感じますが、ボーカルをマスクする程ではありません。ボーカルはクリアで僅かに暖かみがあり聴きやすいですが、低音に僅かに重なりも感じます。

全体的に中音と低音域及び、その間の中低音域に厚みのある鳴り方で、高音は前に出るような派手さはありませんが、必要な時に必要なだけ鳴らす中低音域中心の心地良い音です。その分音数が多いハードな曲では中音低音の音が重なり、ごちゃつく感じがありますが、バラードでは雰囲気の良さを感じられます。

そのボーカルは自然で僅かに暖かみを感じ、しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性の良さを感じられます。

真骨頂である低音はCoffee Beanよりも演出感を押さえ適度に広がり響きがある音。そして強さもあり、締りとキレはCoffee Beanと同様に感じます。重低音は沈み込みは深く強さがあり、音楽を雰囲気良く聴くことができます。

高音の煌びやかさは常に前にでる、しゃしゃり出るウザさは無く心地良さがあります。中音は華やかさは適度です。しかし音の重なりをやや感じるため、音数が多い曲ではごちゃごちゃした印象もありますが、雰囲気のある低音が音を下支えし中音の華やかさと高音の弁えた鳴らし方は、ボーカルに熱量を感じ聴き応えも感じます。これはEmeraldの小気味良さとは違う、Melodyの雰囲気の良さを感じます。


さて、CCZ Melodyはこれまでレビューした1BA+1DDハイブリッドモデルの音の傾向ではCCAが近く、CSNのような中低音重視の音。とはいえ中音域の質感はややCSNがやや上手。KBEARの様なクールな中音域とも違います。尤も、音の雰囲気はKZ ZSNのドンシャリをイメージしてもらい、それよりも高音はしっかりしていて低音にも強さがある音と感じます。

補足すれば、ZSNの音の正統進化がCSNとするならば、Melodyはそれに近く、Emeraldの元気で派手な音はKZ寄りの音。つまり、MelodyがCCAの音、EmeraldがKZの音に近いと云えば伝わりやすいでしょうか。

もちろんMelodyやEmeraldの音はKBEAR LARKのようにフラットに近い僅かにドンシャリの音。中音域を聴かせてくれ誇張の無い音とは違います。

その為、一聴して高音中音の解像感を感じやすいのはEmeraldになると思います。一方でMelodyは一聴すると低音強めの低音ホンと感じるかもしれませんが、Melodyの真骨頂はボーカルです。不快感の無い高音域と適度な華やかさの中音。そして雰囲気のある低音が、音楽を聴くことの楽しさを、忘れかけた音楽を楽しさを思い出させてくれる。そんなイヤホンの本来の役割を実現した形なのかもしれません。

 

ふと考えるのはCCZ Coffee BeanにただBAを追加しただけでなく、MelodyとEmeraldの様に兄弟機として特徴を持たせて同時発売するというのは中々できる事ではなく、これを狙い通りとするのならば、それは末恐ろしいという事です。侮れませんね。

 

次に、今回の比較対象としてKZ ZSN pro Xとの違いをピックアップ。Emeraldについては先述の通りですので割愛します。

先ずZSN pro XとEmeraldは同じ中高音寄りで、Melodyは中低音寄りです。流石にMelodyとは音のつくり方が違いますが、Emeraldは低音を重視した小気味良さに雰囲気もある音。低音域の強弱、解像感が特徴です。ZSN pro Xは高音域の上の方まで伸びの良さがあり、中音域はMelodyやEmeraldよりも整理された音の印象です。

その為、演奏中心に聴きたい場合やバンドサウンドにはZSN pro Xの方が心地良く感じると思います。

MelodyやEmeraldの中音域はそれと比較した場合にごちゃ付を感じられます。一方でボーカルの聴きやすさではMelodyが一枚上手。それらに比べると暖かさを感じられ熱量を感じますので、Coffee Beanの良さである雰囲気の良さを感じられ、アップテンポの曲でもZSN pro Xよりもボーカルに粗さを感じません。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

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※以前のCCZ Emeraldのレビューもご参考ください

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まとめるとCCZ MelodyはCoffee Beanの低音の響きとボーカルの熱量、雰囲気の良さを踏襲し、Coffee Beanでは物足りなかった高音域をBAによって必要な量を鳴らすことで相対的には抑えられていますが、十分に存在感のある音としています。そしてCoffee Beanの特徴である質感の高い低音域を持った中低音寄りのイヤホンです。高音は適度に鳴り低音は強さがある音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを多少感じるものの、熱量のあるボーカルは聴きやすく、しっとりとしたバラード等で相性の良さを感じられそうです。そして1BA+1DDハイブリッドモデルの良さを感じられるピラミッドバランスのドンシャリは、低音の質を求める方やボーカルを楽しみたい方の選択肢の一つとなりそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスが好きという方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZSN pro X ≧ Emerald ≧ Melody (強さの順)

中音   ZSN pro X ≧ Melody ≧ Emerald (整っている順)

低音   Melody ≧ Emerald ≧ ZSN pro X (質感の順)

ボーカル Melody ≧ Emerald ≧ ZSN pro X (質感の順)

 

 

4. CCZ Melodyの総評

CCZ MelodyはEmerald同様に最近の1BA+1DDハイブリッドモデルの中でも低音域の質感が高くCoffee Beanで感じられた高音域の物足りなさを改善した雰囲気ののある音を聴かせてくれる中低音寄りの音とまとめました。

これまでにレビューしてきた1BA+1DDハイブリッドモデルと比較しても特徴の感じられるピラミッドバランスのドンシャリモデルという印象です。

そういう意味でMelodyとEmeraldは中華イヤホンの醍醐味を感じられる商品であり、実家のような安心感を求める方へはEmeraldをお勧めし、国内有名メーカーの低価格帯の音を求める方にMelodyをお勧めできます。

 

最後に、今回は国内amazonで今月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年8月21日)はAliExpressで2,000円台で販売し、国内amazon及び楽天市場では3,000円前後の価格で販売しています。一方AliExpressでオーダーした場合の入手性は現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Melody

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (ボーカル重視の方に)  

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (演奏重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

Emerald

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (低音重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。通算36個目のレビューとなります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。溜まってきている多ドラハイブリッドモデルにもそろそろ手を付けていますが、順番は入手順ではないことをご了承ください。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

CCZ Emeraldレビュー ※KZ ZSN pro X、CCA CSNとの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルのCCZ Emeraldについてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのWTSUN Audio(@Naruto88814)から購入しました。

 

 

WTSUN Audio楽天市場店と合わせて先行販売しています。

 

 

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)では未だ取り扱いが無いようです。(2021/08/14現在)も取り扱いが開始しました。※

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. CCZ Emeraldについて 

CCZ Emeraldは以前レビューした同社Coffee Bean DC-1がシングルダイナミック機であったのに対し、低価格帯の中華イヤホンではポピュラーな1BA+1DDハイブリッド機です。Emeraldは今年8月頭に兄弟機のMelodyと同時発売されています。

CCZは新進のブランドとなりますが、中華イヤホンファンには馴染みのある販社オリジナルブランドの展開は良くある話ですので、中華イヤホンの新しいブランドと理解していただければと思います。以前も紹介しましたが、CCZは先ず中価格帯でCCZ Plumeという商品を発売しています。こちらもWTSUN Audioでの取り扱いで、4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルの販売価格20,000円強と桁が一つ多い高級路線です。

一方、CCZ EmeraldとMelodyは低価格帯の兄弟機ということで1BA+1DDハイブリッド機です。販売開始こそ同時期でしたが、MelodyはAliExpressで早々に取り扱いが始まったものの、Emeraldは日本先行販売であり、WTSUN Audioの楽天市場店とamazonのEasy系セラーでのみ販売しています(2021/08/14現在)。

気になる音質傾向はそれぞれ特徴を持たせているようで、ネットの評判ではEmeraldはCoffee Beanの高音補強されたバランス型ドンシャリ。MelodyはEmeraldよりも高音抑え目のピラミッド型ドンシャリとのこと。今回はEmeraldのみですが、両者の違いも試してみたいところです。

 

さて、今回は1BA+1DDハイブリッド機のレビューとなりますが、なんだろうこの実家にいる安心感。やはりこれぐらいが丁度良いのかもしれません。それもその筈。今年は1DDトレンドモデルのレビューが多く、昨年のKZ EDXを皮切りに、KBEAR KS1、Trn MT1、CCA CA2、Trn CS1、CCZ Coffee Beanと6機種を行いましたが、何れも一言で云えば「BAがあれば…」です。実は1DDトレンドモデル比較用にQKZ VK4を入手していて単機レビュー後に、全機種比較をまとめようと企画していましたが「ボツ」としました。だって、レベルが違うんです、VK4は。VK4を褒めるだけのレビューに需要は無いです、はい。VK4はいつかTFZ MLEとの比較レビューでまとめたいと思います。

とはいえ以前のレビューで触れましたが、お浚いとして。1DDモデルのEDXやMT1はBA無でもメーカーの音として楽しめるモデルとなっていましたが、それ以外は前述の感想が正直なところです。そのEDXもドンシャリに頼った粗さを感じますし、MT1は高音中音を重視し過ぎて低音が蔑ろ。勿論、それらは1,000円未満の販売価格に対し、健闘していると思います。低価格帯で使用するドライバの質の限界なのでしょうね。価格に対しては十分に良い音なんですけど、何かしっくりしない気がします。

このモヤモヤはいったい何なんだ、と思っているところにCCZ Emeraldの発売です。先述の「実家にいる安心感」を感じたかったのだと納得した時には既にポチった後でした。

これはもう仕方がありませんよね(笑)

 

いつも通り前置きが長くなりましたが、今回は実家にいる安心感、見慣れた光景通りの低価格帯中華イヤホン1BA+1DDハイブリッド機、CCZ Emeraldのレビューとなりますが、これまた安心感のあるKZ ZSN pro XとCCA CSNというキャラの違う二機種との違いが気になります。

CCZ Emeraldは低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルです。高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担い、ダイナミックドライバ(DD)1基が中音から低音域までを担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となります。

尤も、そのチューニング技術は数年前に比べればかなり進化してきており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。

ですが、初期ZSTの頃の1,000円ちょっとという圧倒的コスパからはやや高価になり、現在は2,000~3,000円と国内メーカーのエントリーモデルと同等となってきていています。それでも十分にコスパは良いのですが、一般層が買うのかと云えば?疑問符が付きます。

 

CCZ Emeraldのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルで、BAはシェル内DD傍に並列に配置しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの二重磁気ドライバを採用。イヤホン本体はシェル本体が樹脂製、ステムノズルとフェイズプレートが金属製となりKZ ZSN pro XやCCA CSNと同様です。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCZ Emeraldの納期として今回は国内amazonですので当日発送、翌日配達です。AliExpressではこのようにはいきません。昨今、AliExpressで購入した際は感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCZ Emerald実機レビュー 

それでは、早速CCZ Emeraldの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調とした縁に緑色のアクセントがある小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、その下側に小箱が。

台座を取り外すと箱の底にイヤーピースが。小箱にはケーブルが収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U3K、実売2,000円後半の低価格帯として必要最低限の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられ、寧ろKZ EDXよりもシェルの合わせ面等が綺麗に仕上がっています。

Coffee Beanもそうですが、Emeraldにもシェルに耳甲介艇への安定感を得られる耳ウィングが装備されています。

カラーバリエーションは緑色と青色があり、今回はEmeraldという事で緑色を選択しています。

 

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付属ケーブルは4芯4N無酸素銅線(OFC)、黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでCCZロゴ入り、イヤホン側はTFZタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。最近のKZ等に付属するケーブルと同等でやや絡まり易いものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中ではそれ程悪い印象はありません。そのためそのまま使用できますし黒色ケーブルは落ち着いた色味からは、シェル本体に囚われずに普段使いでは気になりません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKZ ZSN pro X、CCZ Emerald、CCA CSN 

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CCZ EmeraldとKZ ZSN pro X、CCA CSNの外観の比較として、EmeraldとZSN pro Xのサイズ感はほぼ同じ。CSNはそれらよりも大柄となります。

EmeraldとKZ ZSN pro Xはシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。CSNはよりカスタムIEMに近い造形です。

三機種共にステムノズルとフェイスプレートは金属製。

重量はCSNが僅かに重さを感じますが、その造形から耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さはEmeraldとKZ ZSN pro Xはやや太目、CSNが細目です。

余談ですが、以前Coffee Beanのレビュー時に邪推した件、国内amazonの商品ページ画像にステムノズルとシェル内部にBAらしき画像があるものが使われていて、1BA+1DDハイブリッド機の登場をお話しています。これ当たりましたね。

次に、ステムノズル角度にEmeraldとKZ ZSN pro Xついてはほぼ同じ。CSNはそれらよりも起きています。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてEmeraldとCSNのフィルターはZSN pro Xの丸穴と違い、音質に影響がありそうな所謂フィルタータイプ。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りEmeraldはステムノズルは太目であり、太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすくなりますので、イヤーピースのフィッティングは重要です。


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付属イヤーピースはCoffee Beanと同形状です。傘の頂点開口部に段差がありメーカではパテントイヤーピースと命名しています。形状がCoffee Beanと同じという事であまり期待していませんでしたが、Emeraldに付属しているものとは微妙に異なるのか、鮮度が高いのか、Coffee Beanで個人的に感じたイヤーピースの傘がパサパサ、ペラフニャが改善されています。傘は適度のしっとり感とコシが有り遮音性も十分に感じます。

音質的には低音がしっかりするタイプのようですが、開口部が大きく高音をスポイルすることもなさそうです。

この付属イヤーピースで私は耳に浅めに蓋をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. CCZ Emerald音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「量感を感じる低音としっかりと鳴る高音域の強ドンシャリ」でした。

箱出しでは低音に膨らみと、高音域のシャリつき感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は高音と低音が落ち着きでできたように感じられます。

音場は広くも狭くもなく普通。

高音は煌びやかさと華やかさは感じられ、主張はやや強め。それでもシャリつくような刺さりは適度に抑えられています。

低音は量感がありますが、広がりと響きは程々。その分締りとキレは良好。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みは深く強さも有る。

中音は適度な華やかさがありますが、主張は強くなく多少ゴチャつきを感じます。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によってやや近く感じます。

一言で云えば中高音寄りのドンシャリ

高音は煌びやかさと華やかさはやや前に出るような主張がありますが、超高音までの伸びはあまり感じない。良く云えば不快に感じる尖りはなく、ボーカルに彩りを与えています。これはCCA CSNよりも強く、ZSN pro Xよりは抑えています。KZを始めとする低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると、同等か僅かに弱目の印象ですが、尖りが無く丁度良い。

中音は凹みを感じますが、楽器の音はボーカルの周りから僅かに後ろ、近くに位置し華やかに鳴り、多少の重なりを感じますが、ボーカルをマスクする程ではありません。ボーカルは比較的クリアで聴きやすさいですが、高音、低音に僅かに重なりも感じます。

全体的に高音中音域がしっかりと鳴り、低音に強さのあるノリの良い音です。その分音数が多いハードな曲では中音の音が重なり、ごちゃつく感じがありますが、演奏をノリ良く聴くことができます。

そのボーカルは自然な僅かにドライ気味に感じる一方、息遣いを感じられます。しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性を感じるかもしれません。

低音はCoffee Beanより量感は抑えられていますが、適度に広がり響きがある音。そして強さがあります。代わりに締りとキレはCoffee Beanよりも良好に感じます。重低音は沈み込みは深く強さがあり、音楽を小気味良く聴くことができます。

高音の煌びやかさは心地よく、中音の華やかさは音の重なりとのトレードオフとなるかもしれませんが、小気味良い低音が下支えする中高音の華やかさは、ボーカルも十分に聴きやすくこれまでにレビューした1BA+1DDハイブリッドモデルの中でも引けを取らない小気味良いドンシャリと云えそうです。


さて、CCZ Emeraldはこれまでレビューした1BA+1DDハイブリッドモデルの音の傾向ではKZ系が近く、以前のTrnにも似ていますが、中音域の質感がKBEARやCCAとは異なる印象です。特に音の雰囲気はKZ EDXのドンシャリをイメージしてもらい、その高音と低音をしっかりと鳴らす音と感じます。

補足すれば、EDXと同様にEmeraldも元気で派手な音はKZの音のそれであり、CSNの中低音寄りながらも聴かせ所をわきまえたバランスはとは異なります。そしてZSN pro XのKZの明るく派手なドンシャリなのに中音域を疎かにしていないバランスとも異なる、王道のドンシャリと云えば伝わるでしょうか。

もちろんKBEAR LARKのようにフラットに近い僅かにドンシャリの音。中音域を聴かせてくれ誇張の無い音とも違います。

それでもEmeraldは一聴して数年前のKZに通じる音でありながらもそれらと比較した場合に決して劣ることのない、寧ろ小気味良さはドンシャリのあるべき姿なのかもしれません。

 

CCZ EmeraldはCoffee BeanにBAを追加しただけでなく、高音の強さと低音の質を調整したバランスの良いドンシャリは、1DDトレンドモデルには届かないそれを実現する、やはり高音の伸びや華やかさが1BA+1DDハイブリッドモデルだよね、と再評価できました。もちろん1DDには1BA+1DDハイブリッドと違い高音域と中低音域の繋がりに不自然なところを感じず、それを高音の音数や音圧で誤魔化すことによる高音域の過度な演出による不自然さはなく、あくまでも自然な音を楽しめますし、何方も違って何方も良いですね。

 

次に、今回の比較対象としてKZ ZSN pro XやCCA CSNとの違いをピックアップ。

ZSN pro XとEmeraldは同じ中高音寄りで、CSNは中低音寄りです。ではZSN pro XとEmeraldは傾向が同じであるものの同じ音かと云えばそれは違います。Emeraldは低音を重視した小気味良さに雰囲気もある音。低音域の強弱、解像感はZSN pro Xにはない特徴と云えます。一方高音域はZSN pro Xと比べた場合、上の方までの伸びは弱くなりますが、その分耳に優しい。一番の違いは中音域です。これはZSN pro Xの方が整理された音の印象です。

次にCSNとEmeraldはCoffee Bean同様にベースラインがしっかり感じられます。しっかりとした存在感は強めですが、国産低音イヤホンを謳うモデルよりも不自然な強調感は無く心地良さを感じる音。質感は悪くありません。高音はEmeraldの方がややはっきり鳴らしています。

CCZ Emeraldの中音域はそれらと比較した場合にごちゃ付がありますが、十分にも感じられます。特にボーカルの聴きやすさではそれらに比べると暖かさも感じられますが、基本的にドライのため、Coffee Beanの様な雰囲気の良さは抑えられています。それでもアップテンポの曲ではZSN pro Xよりもボーカルの粗さを感じません。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のCCA CSNのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとCCZ EmeraldはCoffee Beanの低音の響きとボーカルの熱量、雰囲気の良さを高音域のBAによって華やかさを得ることで相対的に抑えられましたが、十分に質感の高い低音域を持った中高音寄りのイヤホンです。高音はしっかりと鳴り低音は強さがある音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを多少感じるものの、自然な位置で唄うボーカルは聴きやすく、アニソン等で相性の良さを感じられそうです。そして従来の1BA+1DDハイブリッドモデルの良さを感じられるバランスの良いドンシャリは、低音の質を求め高音にも華やかさを求める方へ選択肢が増えたと云えます。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスはやや苦手という方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZSN pro X ≧ Emerald ≧ CSN (強さの順)

中音   CSN ≧ ZSN pro X ≧ Emerald (整っている順)

低音   Emerald ≧ CSN ≧ ZSN pro X (質感の順)

ボーカル Emerald ≧ CSN ≧ ZSN pro X (質感の順)

 

 

4. CCZ Emeraldの総評

CCZ Emeraldは最近の1BA+1DDハイブリッドモデルの中でも低音域の質感が高くCoffee Beanで感じられた高音域の物足りなさを改善した小気味良い音を聴かせてくれる中高音寄りの音とまとめました。

これまでにレビューしてきた1BA+1DDハイブリッドモデルと比較しても特徴の感じられるバランスの良いドンシャリモデルという印象です。

そういう意味で中華イヤホンの醍醐味を感じられる商品であり、実家のような安心感を求める方へお勧めできますが、中華イヤホンに個性を求め検討されている方には注意が必要な商品ですね。

 

最後に、今回は国内amazonで今月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年8月14日)はAliExpressでは見当たらずAliExpressで2,000円台で販売開始し(※)、国内amazon及び楽天市場では3,000円前後の価格で販売しています。一方今後AliExpressでも販売開始した際には恐らくその方が安価に入手できると思いますが、未だ取り扱いもなくオーダーした場合の入手性にも現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Emerald

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (低音重視の方に)  

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (演奏重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

CSN

以下、付属ケーブル、何かの付属白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★

※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。通算35個目のレビューとなります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。溜まってきている多ドラハイブリッドモデルにもそろそろ手を付けていきますが、順番は入手順ではないことをご了承ください。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2021/08/17 AliExpress取り扱い開始

 

KBEAR Robinレビュー ※CCA C10 pro ND N10 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されたKBEAR Robinについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonではWTSUN Audio(@Naruto88814)で取り扱いがあります。

 

 

 

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1. KBEAR Robinについて 

KBEAR Robinは片側5ドライバ、4BA+1DD構成で今年7月にリリースされました。KBEARブランドの新商品、中価格帯の多ドラハイブリッドモデルということで期待値が高いです。KBEARと云えば、以前レビューした1BA+1DDハイブリッドモデルのLARKの評価が高く、同じ低価格帯のKZ ZSN pro XやCCA CSN等の評価の高かったモデルとは一味違ったフラットな音質傾向で個人的にKZ ZSN pro XとCCA CSN及び、KBEAR LARKを押さえておけば使い分け可能であり、中華イヤホンの醍醐味を味わえると考えています。

KBEAR LARKは発売当時、低価格帯としてはやや高価な3,000円台の価格でしたが、付属品にイヤホンケースが付属したり、他の2,000円程度で購入できる商品とは違い、付属するイヤーピースとケーブルで十分満足できるところから、その音質も含め初めて中華イヤホンを購入する方にもお勧めしやすい商品であり、ブランドと云えます。

KBEAR Robinは販売価格が5,000円以上となり中価格帯となりますが、同価格帯には今年発売したモデルにKZ ZASやCCA CKXがあり、こちらは片側7BA+1DDと6BA+1DDとスペックもさることながら、販売価格も1,000円以上上がり、Robinよりも格上となりますので比較対象としては適切とは云えません。更にそれらは付属品が低価格帯のそれと同じであり、手持ちにイヤーピースやケーブルを所有している中華イヤホン中級者向けと云えますので、初めて購入する方にはやや敷居が高くなります。

そういう意味では前回レビューしたND N10や昨年のCCA C10 pro辺りが妥当なところと云えそうです。

尤も、数年前にKZ ZS10が4BA+1DD多ドラハイブリッド、旗艦モデルとして5,000円台で登場した時に驚かされましたが、現在多ドラハイブリッドの旗艦モデルは7BA+1DD構成と進化しており、以前レビューしたKZ ZASや同社ZAX及び、CCA CA16、CKXがその構成でもそれほど注目されない市場に変化しています。

そんな中、かつての旗艦モデル4BA+1DD多ドラハイブリッド構成と同じND N10が、3,000円で購入できる一方、KBEAR Robinが飽和気味の市場にどのような風を吹き込み、我々中華イヤホンファンにどんなインパクトを与えてくれるのか、楽しみで仕方がありません。

 

 

さて、以前も触れましたが昨年から続く中華多ドラハイブリッドモデルリリースの勢いは留まることを知らず、今年も中価格帯でCCA CKXとKZ ZASに加えこのKBEAR RobinとGeek Wold GK10と続き、低価格帯ではND N10が発売されています。まあ私のGeek Wold GK10はどこかを彷徨っているみたいですが(困)。特にGK10は1BA+2Piez+2DDの異なる三つのドライバ構成を早く試してみたいところです。

 

一言で多ドラハイブリッドと云っても価格による差はやはり存在しますので、U5Kを境に以下をエントリークラス。A5Kをミドルクラスとして、ハイクラスはA7Kとした場合に、単純にBAの数が増えれば音が良くなるとも云えず、寧ろつながりの悪さ、不自然さを感じる事があります。

そういう意味でKBEAR Robinは過去から続く搭載ドライバ数の増加競争、スペック至上主義から一歩身を引き、オーソドックスで且つ十分な4BA+1DDのドライバ構成の多ドラハイブリッドとすることで良い音を狙い実現しそれを安価に提供することができているのか。非常に気になる商品と云えそうです。

 

今回も比較対象として個人的に好きな音がするCCA C10 proを用意しています。C10 proはKZ系ブランドの中でもそれとは異なる派手さを抑えた音。具体的には「中低音域を豊かにしながら僅かに高音を抑えたバランス」です。KZは良くも悪くも高音と低音の強さを感じるバランスで整えています。そのため聴いていてノリの良さのあるドンシャリです。一方CCAは中低音域を重視し高音をやや抑える傾向があるため聴き疲れし難く聴いていて心地よさがある印象です。

もう一つはND N10です。N10はCCAの音に近いと感じていて、C10に近い音。C10 proはCCAの中ではKZに近い音ですので、これらを比較し相対評価も行うようにします。

そして、もう一社忘れてはいけないのはTrnです。最近は中高音を重視しており高音の方が明らかに強く、これは高音を強めにして高解像感を演出しているように感じます。低、中価格帯では個人的にこれは逆効果だと感じていて、Trnの主戦場と違い高価格帯で採用しているドライバは質が高く、上手くバランスを取ることができていますが、この価格帯のドライバでは単純にしつこい高音の印象となり、それはしつこい低音よりも人を選んでしまいます。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、バランスは大事というお話です。

 

いつも通り前置きが長くなりましたが、注目の中価格帯A5K多ドラハイブリッドモデル、KBEAR Robinを入手しましたので、先述の通り同じ4BA+1DDハイブリッドモデルのCCA C10 proとND N10との違いを含めながら、レビューを纏めていきたいと思います。

 

KBEAR Robinのスペックは先述の通り4BA+1DDとCCA C10 proやND N10とドライバ数が同じ(構成は異なります)です。Storeページの仕様を見る限り、搭載ドライバは中音から低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAはKBEAR-IF-Kシングル1基が高音から中音域を担当しステムノズル部に配置。KBEAR-HI-Bシングル3基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。RobinはBAを新型カスタマイズモデルを採用し更に実質高音域用を1基と中高音域用3基とすることで、高音域と中高音域の聴こえ方を調整したモデルと云えます。

比較対象のC10 proの搭載ドライバは低音域用に10mmデュアルマグネティックドライバを。高音域用のBAには定評がある30095シングル1基が担当しシェル内ダイナミックドライバ傍に並列配置。これまた定評のある50060シングル1基が中音域を担当しこちらも高音域用BA同様にダイナミックドライバ傍に並列に配置。中高音域をカスタムBAデュアル(2BA)1基、それぞれ30095と50060ベースのカスタマイズドBAの組合せで同様にDD傍に並列配置。低音域を前述のDD1基が担います。

ND N10の搭載ドライバは中低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAは30095(30019とも書いてある?)シングル2基が高音域を担当しその内1基がステムノズル部に配置、もう1基はシェル内のダイナミックドライバに並列に配置。50060シングル2基が中音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。N10は高音域用のBAをステムノズルとシェル内部と配置を分けることで高音域と中高音域の聴こえ方を調整したモデルと云えます。

特にRobinとN10は意図する方向性が同じでありながらもそれぞれのアプローチの違いによる高音域への影響が気になります。

この辺りは実際に聴いてみない事には判りませんが。

 

次に、先述の通りRobinはステムノズル内に高音域用BAを1基配置し、中高音域用BA3基をダイナミックドライバに並列に配置した1BA+3BA+1DDの3way方式とは異なり、BAの各音域をクロスオーバーさせるのではなく4G Electronic(重ね合わせ包括する)技術を採用しています。

これに対し、C10 proは高、中、低音域を2BA+2BA+1DDとしたオーソドックスな3wayクロスオーバー方式。N10も同様です。

3wayクロスオーバー方式はこれまで世の中に送り出された中価格以下の多ドラハイブリッド中華イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となり、Robinが採用する4G Electronicのメリットとデメリットや、従来のクロスオーバーチューニングのポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

KBEAR Robinの納期は国内amazonのようにはいきません。AliExpressで購入の場合、発送からは約2週間と従来同様です。それでもまだAliExpressの中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. KBEAR Robin実機レビュー

それでは、早速KBEAR Robinの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはLARKと同様にやや大きめの青を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。

裏面にはスペックを日英中文で記載されており低価格帯でよく見る共通デザインではない海外市場、特に日本を視野に入れた化粧箱です(通常は中文と英文のみ)。


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スリーブを外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納され、その台座の周りに付属品の入った小箱があります。

その小箱にはイヤーピースやイヤホンケースが収納されています。

 

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付属品は黒色イヤーピース、Mサイズがイヤホン本体取り付け済み。白色タイプのシリコンイヤーピースがS、M、L、3種の各2セットが付属、これは同じものが2セットとなるためその意図は不明。他にはケーブル、イヤホンケースです。A5Kの低価格帯としては最低限の付属品ですが、十分実用的な付属品は初めて購入する方でも満足できると思います。

 

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ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに問題はありませんでした。まあ中華製品では偶に何かしらやらかす場合がありますが、今回はアタリ?(普通)ですね。綺麗に仕上げられていると思います。

カラーバリエーションは青色と黒色の2種で、イメージカラーは中国名青雀からも青の方が人気の様でしたが、今回は黒色にしました。


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付属ケーブルは茶色の編込みタイプで、4芯4NOFCケーブルが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はTFZタイプ(2ピン)、KZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていてイヤホン側コネクタ部の破損が心配ですが、このTFZタイプはそれよりも安心感があります。リケーブルの際には通常の2ピンタイプでも問題はありません。まあ、私はKZ-Cタイプでも気にせず2ピン仕様を使っています。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的にやや絡まりやすいもののしなやかなものとなります。また、低価格帯とはいえ多ドラモデルに付属するケーブルとして力不足ではありますが、そのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルは普段使いも可能ですね。

 

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※画像左からCCA C10 pro、KBEAR Robin、ND N10

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RobinはC10 proやN10と同様にそれ程大柄ではないシェルでオーソドックスな造形で、N10には耳の耳甲介艇部への突起部があり一番厚みがあります。

三機種共にフェイスプレートは平面的。

装着感は一般的なカスタムIEM風デザインと同様に悪くありません。三機種共にステムノズルとフェイスプレートが金属でシェル本体が樹脂製です。重量は三機種ともほぼ同じ程度で耳への装着感は重さを感じ難く、イヤホン本体の重量による影響は殆ど感じません。

次にステムノズルは三機種共にやや長く太め。比較的C10 proは太さは同じですが、それよりもやや短く角度もやや起きています。RobinやN10は中華イヤホンでは一般的なサイズと云えます。そのため太さに影響するイヤーピースの圧迫感はやや感じます。また、人によってはイヤーピースの選択が通常と異なる場合があり、そのサイズ選びがシビアになってしまうかもしれません。逆に云えばイヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で大きな不満を感じることはないのではと思います。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていますが、Robinのフィルターが一番細目で音質への影響はありそうです。C10 proが穴が大きく一番粗目となりますが、とはいえシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

 

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付属イヤーピースは軸長が一般的な白色タイプ、ノーマル形状、開口部大き目(右)と同じく黒色タイプ、ノーマル形状、開口部小さめ(左)の二種です。Mサイズのみ黒色が同梱されています。できれば白と黒のS、M、Lの2種セットにして欲しいですね。それでも個人的にこの付属のイヤピは傘にコシが有り、しっとりしていて装着感は悪くありません。

音質的には白がやや高音中音がクリアに聴こえるタイプ。黒が低音重視に感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸いにもこの付属イヤーピースでも私は上手く合わせられ、形状からは耳に浅めに蓋をするように装着しフィットし、音質的に白色を選択しています。

余談ですが、Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めで傘がやや硬めなこともあり、最近一周回ってなかなかフィットしない場合に重用しています。

この様に低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

なお片側5ドライバ、4BA+1DDの性能を活かすために付属ケーブルからKBEAR KBX4905ケーブル、8芯単結晶銅ケーブルへリケーブルしています。

 

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このKBX4905ケーブルですが、amazonでは終売となっております。中華リケーブルとして価格が3,000円程度で購入でき、単結晶銅線を使用したケーブルとして安価でありながらもその価格帯の中でも安物感のない外観仕上げとなっています。

低価格帯はもとより、中価格帯U10000の中華イヤホンでは付属ケーブルでコストダウンする傾向にありリケーブルしてから本領発揮となっている現状では、リケーブルにも拘って選択できる中華ケーブルは非常にありがたいですね。

 

そんなわけで早速RobinにKBX4905をリケーブルしてみました。

統一感は高く決して安物に見えないと思いますし、見た目オーディオ的にも満足感が高いですね。

音質傾向は極端に味付けを行うタイプではありませんが、全域をすっきりとさせながらもやや中低音域がクッキリとして高音域も伸びやかに変化するため、イヤホン本体の性能を発揮させるタイプ。付属ケーブルも銅線を採用しており、相性は良いと思います。Robin以外にも付属ケーブルではその性能を発揮できない多ドラハイブリッドや複数BAモデル等に使用することですっきりとさせながら音をクッキリとしてくれるので、本来の音を楽しめると思います。

 

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3. KBEAR Robin音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかしと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。


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それではZX507に直挿し4.4バランス接続で実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色 Mサイズ、KBEAR KBX4905ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「豊かな低音とクリアな中音の中低音寄りのドンシャリバランス。」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。

高音は煌びやかさ伸びやかさはありますが、華やかさは控えめ。その分刺さるような尖りを感じることはありません。

低音の量感は十分で強さもあり、キレや締まりは良好、ベースラインは追いやすいです。

重低音は沈み込みの深さを感じ強さがある。

中音は適度な華やかさがありますが、ボーカルの周りやや後に位置し邪魔することはありません。

そのボーカルはクリアで自然、位置も自然に感じます。

一言で云えば中低音寄りのフラットに近いバランス。

高音域は前に出るような主張はありませんが、伸びやかで音の消え入る様を感じます。一方で中低音域が相対的に豊かなためにかなり抑えられた印象を受けます。それでも高音域は音量自体は小さいものの実はしっかり鳴っていて中音域の音よりも僅かに前に出るような印象です。

もっと云えば、高音はシャリつくような華やかさはなく、上品に欲しい時に必要なだけ強調せずに自然に鳴らし、伸びと響きのある音を感じられます。

中音は高音よりも音量はありますが、過度の華やかさは無く、ボーカルの周りで引き立たせてくれます。音数が多い曲でもボーカルは演奏との重なりは抑えられていてクリアで見通しの良さを感じさせます。

そのボーカルは自然でクリアに耳に届き誇張の無い自然な暖かさと艶を感じられ、特に女性ボーカルのバラードで相性の良さを感じます。

低音は量感は多くありませんが、強さがあり芯のある音。音の強弱が感じやすく表現力は良い。中音と低音の間、中低音域にも凹みを感じず、豊かでなめらかな解像感の高い低音域に感じます。

Robinは高音は相対的に控えめに感じやすいものの、大きな音で存在感を示す音ではなく、煌びやかさ伸びやかさを十分に感じられ、それが自然なレベルで上手くまとめられています。しかし相対的に中音低音の印象が強く華やかさが控えめに感じられますが、決して地味でつまらない音ではなく寧ろ整った音として音楽を心地よく聴くことができる音色です。

 

※以前のCCA C10 proのレビューもご参考ください

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※以前のND N10のレビューもご参考ください

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このバランスは以前レビューしたND N10と比較した時に音の傾向は似ていて、Robinの方が高音をもう少し上品に、低音はややすっきりと解像感のある音にした印象です。C10 proはそれらよりも高音域がはっきりと主張がありますが、同社C12やTrn V90sのようなやや高音域を尖らせすぎた感はありません。それらは高音域のバランスを上手く取った諄さやしつこさが無いようにまとめられています。この辺りは前述のBAの配置による違いと考えられます。

そしてC10 proと比較した場合、最も異なるのは中高音域です。C10 proはやはりC10の改良型でありその弱点を補った形で高音と中音域を強化しています。結果として高音、中音域が極端に強調されたドンシャリとなっています。N10はC10と同じ傾向でありながらも僅かに高音域を強くできておりますが、Robinと比較すれば高音域の粗さと低音域の大雑把さと、中音域の凹みを感じやすく、ドンシャリに感じられます。

 

次に、ZX507から据え置きでも聴いてみました。いつも通りDACTOPPING D10Sとヘッドホンアンプは今回同社A30 proの組み合わせです。いつもの同社L30でも良かったのですが、A30 proはヘッドホン出力端子に6.35ステレオ端子以外に4.4バランスプラグ及び、XLR4ピンバランスプラグ出力を備えています。尤も、これらの4.4バランスプラグ及び、XLR4ピンバランスプラグ出力端子はバランス出力ではなくアンバランス出力です。接続端子の利便性向上のためというのがメーカーの採用理由ですが、バランス出力対応と勘違いする方もいますのでやめた方が良いと思います。個人的には変換プラグを用いなくても済むので問題はないのですが。

Robinとの接続はKBX4905ケーブルが4.4プラグなので、4.4ヘッドホン出力端子に接続しています。ゲインはLowです。

結果はZX507でも4.4バランス出力により過不足ない高音と低音、見通しの良い中音とクリアなボーカルを楽しめましたが、相変わらずより良い音が聴こえます。

ZX507で聴いた時よりも高音はやや控えめな位置に下がり鳴りますが、音量的に物足りない音ではなく鳴らすべき音の強さと量でしっかりと鳴り、その音は伸びやかで解像感も高い音。

中音は分離感が向上し、ボーカルとの位置関係がしっかりとします。ボーカルの周りやや後ろで存在感を示し決して前に出すぎる無粋はありません。

低音はZX507でも締まった音でしたが、締まり強さが増し、キレの良い音で音の強弱を感じられる解像感のある音を聴かせてくれます。

これらの違いはやはり据え置きの駆動力とノイズの減少がイヤホンのポテンシャルを十分に引き出せていると考えます。

尤も、ZX507は今回4.4バランスでの評価でしたが、据え置きはアンバランスでの評価です。それでも据え置きではアンバランスでもしっかりとした音場を感じられますので、興味のある方はご検討ください。

 

そのためCA16よりもZAXの音の傾向が好きという方にはもの足りないつまらない音と。その代わりC10の音が好きだけどもう少しだけ解像感が欲しい方。CA16の音の傾向が好きだけど中低音をもう少し抑えたい方には好評となるのではないでしょうか。

もっと云えば、CCAの系譜が好きな方に試して欲しいお勧めできるモデルと云えそうですね。

 

まとめとして、KBEAR RobinはKBEARらしい何処かを極端に誇張せずフラットな音域の音づくりを踏襲したLARKの音の系譜と云えます。ですが、LARKでは中高音寄りでしたが、Robinでは中低音寄りの音となっています。

そのためCCAの音よりもKZの音の傾向が好きという方にはもの足りないつまらない音と。CCAの音が好きだけどもう少しだけ華やかさを感じたい方には好評となるのではないでしょうか。

 

 

蛇足となりますが、以前のレビューでも触れている通り、中華イヤホンの単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

中音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

低音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

ボーカル Robin ≧ N10 ≧ C10 pro 

音場   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro 

 

 

4. KBEAR Robinの総評

KBEAR RobinはKBEARらしさのあるフラットで上品な音を奏でてくれ雰囲気の良さと小気味良さを両立できる懐の深さもある音質傾向のイヤホンとまとめました。

そしてこれを5,000円程度で購入できますので、初めての中華多ドラハイブリッドにお勧めできます。

現時点では中華中価格帯U10000多ドラハイブリッドイヤホンではKZ ZASとCCA CKXを押さえておき、A5000多ドラハイブリッドではこのKBEAR Robinを押さえておけば使い分けも可能ですし、十分楽しめそうです。しかしながら、今年上半期の宿題Geek Wold GK10が控えています(はよ届け)。中華イヤホンの興味は尽きることはありませんね(病気)。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年8月7日)はAliExpressや国内amazonで発売されており、AliExpressでは5,000円程度で購入可能。一方amazonでは5,000円後半と僅かに高くなります。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

Robin
以下、ケーブルKBX4905、付属イヤピ M使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

C10 pro
以下、ケーブルT4、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

 

N10
以下、ケーブルHi8、イヤピSedna EarFit MS使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、中華ヘッドホンアンプ等、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ