みぃねこの備忘録

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Celest Relentless レビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、中価格A20000-U30000帯で登場した6BA+1DDの多ドラハイブリッドバモデルのCelest Relentlessについてレビューをまとめたいと思います。

 

 

国内amazonのHiFiGoで取扱があります。

https://amazon.co.jp/dp/B0D321TXJT/celest+relentless/

 

AliExpressでも取扱があります。

http://aliexpress.com/item/3256806766668199.html

 

HiFiGoのサイトはコチラ

Kinera Celest Relentless 1DD+6BA Hybrid In-Ear Monitorshifigo.com

 

 

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1. Celest Relentless について 

CelestはKineraのサブブランドとして、中華イヤホン界に新風を吹き込んでいる注目のブランドです。そのCelestは各製品を物語に見立てたコンセプトを持ち、最新の「Relentless」では、中国のファンタジー文学「山海景」、山海の古典を由来にデザインとチューニングのテーマとする製品の「商品性」に拘っているブランドと云えます。

そして、今回Celestの製品説明として以下の通り。

 

片側7個のドライバーを装備した初のフラッグシップレベルのハイブリッドIEMを企画しました。7個のドライバには6個のバランスドアーマチュアドライバと1個のダイナミックドライバを搭載し、深みのあるインパクトのある低音、クリアな中音域に優れた高音域の伸びを持つバランスの取れた音色を備えているのがCelest Relentlessです。Celest Relentlessはユーザーへリスニング体験の高みを感じてもらうためのモデルです。また、3Dプリントにより製造されたシェルは手描きのフェイスプレートを特徴とする優れたルックスに、前述の通りマルチドライバハイブリッドセットアップによる素晴らしいサウンドを詰め込みました。新しくて新鮮なサウンドをお試しください。

 

上記のCelestの製品コンセプトからはブランド初の6BA-1DD多ドラハイブリッドモデルへの自信を窺えます。肝心の発売時期は明日5月13日、約170ドルで発売予定とのこと。これは期待値が上がってしまいます。

 

 

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さて、Celest Relentlessのスペックですが先述の通り6BA+1DD多ドラハイブリッドモデルです。

中音域と低音域は8mm径ダイナミックドライバにCelestのカスタマイズ品を採用。中高音域には2基のCelestカスタム29689バランスドアーマチュアドライバを採用。高音域は4基のCelestカスタム10012バランスドアーマチュアドライバを採用しています。このドライバセットは全体的なサウンドバランスを整えた組合せであり、中音域のクリアで鮮明なボーカルと、高音域の並外れた楽器のディテールを備えた、速くて深みのある低音のレスポンスを実現しています。

また、ドライバ選択と組合せだけでなく、専任のアコースティックエンジニアチームにより、Celest Relentlessは豊かな音色のパワフルなサウンドを実現しています。Relentlessの低音域は豊かなレイヤーによるハーモニーと素早いリバウンドを備えたインパクトのある低音レスポンスを備えています。中音域は正確にレスポンスし楽器やボーカルに最適に再現しています。中高音域は鮮明でクリア、かつ高解像度を実現。そして、高音域は滑らかで繊細な表現力が魅力です。全ての音域で絶妙なバランスを実現し、豊かで温かみのある音色と濃密な雰囲気も備えたチューニングにより、純粋なハイレゾオーディオ体験を実感できる、とあります。実際に聴いてみた感想もその説明に偽りのない印象を受けますし全ての音域の出音にバランスの良さを感じます。

 

※Relentless のf特(メーカーHP抜粋)

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以前レビュー同様にメーカー発表のf特を引用します。

グラフからは低域20Hzに最大ピークがあり、高域2k過ぎの最大ピークから振り幅を小さく緩やかに右肩下がりのピークを13kまで維持しています。音域全体でみるとf特は凹傾向ではありますが、中音域の凹みの少ない高音域寄りのフラット傾向であることがわかります。

 

※PhoenixCall のf特(メーカーHP抜粋)

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参考に同社PhoenixCallのf特です。PhoenixCallは3種のドライバを搭載した多ドラハイブリッドドライバモデルです。1DDには7mm径ダイナミックドライバを採用。低音域を担います。2つのBAには中音域を担うカスタマイズBAを1基と中高音域を担うカスタマイズBAを1基採用。高音域は超高音域までの広いレンジをカバーする6mm径FPDを2基搭載。このFPDはマイクロプレーナードライバとなり、このFPDがCelest PhoenixCallの最大の特徴と云えます。

PhoenixCallではやや中音域に凹みがありますが、全域フラットのf特です。特に高音域は1kを過ぎてから40kまでほぼフラット。10kで僅かに落ち込みますが低音域がら高音域まで横一直線となっています。ここまでのf特は珍しいです。

 

※Plutus Beast のf特(メーカーHP抜粋)

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次に同社Plutus Beastのグラフです。2k過ぎの最大ピークを4kまで維持し、そこからやや下がったのちに8kと9kの間にピークがあり、10k付近からは右下がりになっています。音域全体でみるとf特は凹傾向ではありますが、中音域の凹みの少ない高音域寄りのフラット傾向であることがわかります。

Relentlessの高域は上下振れ幅は小さく一般的なf特のPlutus Beastは似た傾向。それらに対しちょっと異端な例のPhoenixCall。それでもRelentlessでは高音域をPhoenixCall同様に複数のBAがPlutus Beastの様に高域の落込みを抑えていることが窺えます。

 

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Celestは、中国のプレミアム3DプリントサービスプロバイダーであるHeyGearsと提携し、様々な耳の形を研究、高精度でシェルを設計しました。シェルの材質には肌に優しい高品質の樹脂素材を採用し構成しています。特徴的なフェイスプレートデザインは熟練したアーティストによる手描きのスケッチがエキサイティングな外観を造っています。「Relentless」のフェイスプレートは、Relentlessの羽根と東シナ海の波を描いた複雑で高精度の模様となっています。

 

最後に付属ケーブルです。プラグ交換可能な5N銀メッキ銅線の高品質ケーブルを採用し、3.5mmと4.4mmの交換用プラグが付属しています。Celestの付属ケーブルは高品質線材を採用し音質バランスを整えています。

 

※以前のレビューもご参考ください

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Celest Relentlessの納期として今回HiFiGoで1か月以上前に先行オーダー。発送通知から1週間強で届きました。現在(2024/5/11)は国内amazonやAliExpress、HiFiGoサイト等で販売ページが準備されています。昨今、HiFiGoやAliExpressで購入した本国発送の場合でも以前の様な感染症の影響で遅延は少なく回復したと云えます。尤も、万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかるのが、海外通販のリスクです。

そんな訳で一般的に海外通販での購入は国内通販で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが偶に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットがありましたが、最近では円安でその恩恵も受け難く、国内では入手できない商品を早く手に入れる事がメリットと云えます。それらを天秤にかけた場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. Celest Relentless 実機レビュー 

それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは青色を基調とし波をイメージする躍動感のあるもの。箱の表には商品名を印刷したスリーブタイプの化粧箱です。
箱の裏にはイヤホンスペック等が記載されています。

 

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スリーブを外すと青色の内箱の上蓋に銀色の商品名があり、内箱の上蓋を開けると黒地の台座にイヤホンとイヤホンケースが収納されています。

 

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イヤホンケースには付属品が収納されています。

 

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付属品は2種のシリコンイヤーピースS、M、Lが2セットとフォームタイプがLとMサイズ。ケーブル、交換用プラグ、イヤホンケース、クリーニングブラシ、ブックチャームです。中価格A20000-U30000帯として必要十分な付属品となります。

 

※イヤホンケース
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※クリーニングブラシ

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※ブックチャーム

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ブックチャームは中国神話の鳥と海の波をモチーフとしたもの。

 

次にイヤホン本体を見ていきます。

 

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Relentlessのシェルはオール樹脂製です。フェイスプレートは黒ベースに白で海の波の水泡をイメージした綺麗なもの。イヤホンの造形はシンプルですが、厚みがありながらもそれを感じさせないコンパクトなシェルとなっています。オール樹脂製のシェルは軽量なことも相まって装着感は良好です。

ビルドクオリティには問題を感じられず、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせません。低価格帯でよくあるシェルの合わせ面等のズレや隙間は無く中価格帯は流石に綺麗な仕上りです。

また、ステムノズル部には金属フィルタがあります。音質に影響があるタイプではなさそうですが、異物の混入等による故障を防いでくれます。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、装着感はステムノズルの長さや太さに影響がありますので、イヤーピースのフィッティングは重要となります。

カラーバリエーションは黒のみです。

 

次にケーブルをみていきます。

 

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付属ケーブルは5N8芯銀メッキ銅線の編込み線のホワイトカラー被覆です。プレイヤー側コネクタはI字タイプのプラグ交換仕様。イヤホン側はフラット2ピン仕様。極性はKZと同じ上側がプラスです。この付属ケーブルは被膜に銀色ラメが含まれており綺麗なケーブルです。タッチノイズは殆ど感じませんし、肝心の耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。8芯のためやや堅さはありますが十分にしなやかなものとなり取り回しは悪くありません。

 

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Relentlessの付属ケーブルはプラグ交換仕様となっており、標準で3.5mmステレオミニプラグが装着されています。手持ちの再生環境に応じ4.4mmバランスプラグタイプに交換して使用できます。今回のレビューでは4.4mmバランスプラグタイプに交換しています。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、私はこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

最後に付属イヤーピースです。

 

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付属イヤーピースは3種。シリコンイヤーピースはCelestでお馴染みの音質の好みで使い分け可能な2種のタイプが付属しています。黒傘赤軸はバランスタイプ。黒傘黒軸は軸短め傘低めの開口部が大きいもの。こちらはボーカル等の中音域をくっきりとさせるタイプです。残り1種はフォームタイプです。こちらは耳への密閉度がシリコンタイプよりも高く、低音域が強まります。

音質的には好みにもよると思いますが、赤軸タイプのバランスが個人的にはしっくりきました。この赤軸イヤーピースを私は耳の奥に浅めに蓋をするように装着しフィットしました。

低価格帯等ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属の赤軸イヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感はもとより音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えない他社製へ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. Celest Relentless 音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今年4月から再生環境を更新しました。スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行うことは変わりませんが、USB-DACにはFiiO KA17を用います。これまではUSB-DACにShanling UP5を組み合わせていましたが、それを刷新します。スマホは変わらずSony Xperia 5 IIを用います。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。FiiO  KA17は同社のドングルタイプ最新USB-DACです。

KA17の音質傾向ですが、THXアンプを採用し中高音はくっきりはっきりと音像を描く解像感は高く、中低音は暖かみがある。これまでの同社のTHXアンプを搭載した機種とは異なる印象の個人的に好きな鳴り方です。

KiiO KA17のUSB-DACとして使用した音質が気になる方は以前の「FiiO KA17 レビュー」をご覧ください。

 

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以前使用していたUSB-DACとしてShanling UP5もご参考ください。

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より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

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Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。

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USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属黒傘赤軸 Mサイズ、付属ケーブル4.4mmプラグです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音はしっかりと感じられ、高音域は華やかに明るく鳴らす。やや高音域の出音が強めの全音域でしっかりと鳴らす音」でした。音量はやや取りにくく普段よりもややボリュームを上げる必要があります。

箱だしでは高音域にやや鋭さがあり低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音は落ち着き高音域も落ち着いた印象です。

 

音場

普通からやや広い。前後の奥行と左右の空間に広さを感じられ立体的な印象です。

 

高音域

明るく華やかに鳴ります。煌めきのある響きが良い鳴り方です。他の音域よりもやや強めの印象を受けますが、耳障りな騒々しさではなく適度な誇張感。それが煌びやかで響きの良さを感じさせてくれ好印象。超高音域までの伸びも感じられますが不快な高音域の刺さりや尖りを感じない整った音は存在感があり物足りなさはありません。悪く云えばやや誇張した高音域。音像の描写は鮮明で音の消え際も感じ易く、解像感は高くくっきりはっきりした音像を描写は確かです。一方でどちらかと云えばエッジの尖った縁取りをクッキリとした音と云うよりはシャープに綺麗に描く印象。繊細な表現力が秀逸で線はやや細く感じられますが、音の消えゆく様を掴みやすいため、美麗な音という印象です。

 

中音域

空間は広さを感じられ、立体感のある音場は好印象。その空間には高音域同様に明るく華やかに鳴り多ドラの音数の多さが空間で渋滞していないため、音が重ならずに整理されており分離感の良い印象です。低価格帯の複数ドライバを詰め込んだモデルでは音が重なり中心に集まる団子感や音がゴチャつく事が多いですが、Relentlessではそんな心配は無用です。寧ろ、分離の良さにより整理された中音域はシングルドライバの高級モデルの様に自然な印象です。特に華やかに鳴らす強さと小さな音を繊細に表現するという難しいことを両立する表現力に脱帽です。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ、僅かにドライ気味なものの息遣いや熱っぽさを感じられます。

 

低音域

量感は適度で必要十分。過度に強調していない弾力の感じられる適度な音。広がりは程々なため余韻はそこそこですが、雰囲気の良ある音は聴いていて物足りなさはありません。芯の強さのある音は中高音をマスクせずに適切な強さで響き他の音域を邪魔しません。音の強弱や音階の表現と描写は良好で解像感の高い音。ベースラインは追いやすく、前に出すぎる事はありませんので邪魔になりません。重低音の沈み込みは深さは不足はなく音の強さがありますので必要十分な音。

 

出音のバランス

一言で云えば明るく華やかな中高音寄りの弱ドンシャリ。出音はやや中高音が強めの印象ですが全音域の出音のバランスは良い。

 

高音の華やかさはやや強めの印象を受けますが、中高音域との間によくある落ち込みも無く響きの良い音は爽快に鳴らしてくれます。複数ドライバらしく音数が多く華やかな出音は過度な強調感ではなく、音を聴き分けられる事ができる分離の良さに加え解像感も高い。

中音は華やかで凹みを感じない。縦横の空間を立体的に感じられます。楽器の音はボーカルの周りで横と後ろに離れた位置にあります。中音域の音は統制され空間の見通しも良くクリアです。音の描写力は良好で分離の良い音は多ドラの音数の多い音を整った音で楽しめます。

ボーカルは自然な位置から聴きやすく、高音や低音の音に埋もれません。中音に重なり聴き難くなることはありません。声色は僅かにドライ気味ですがブレスを感じられる息遣いや熱のこもった歌声などリアルさがある印象です。

低音は適度な量感です芯の強さを感じます。広がりと余韻も楽しめますがレスポンスの良さもあり解像感も良好です。弾む低音は雰囲気も良く躍動感を感じられます。芯の強い音は解像感も高く、音楽を心地よく下支えしてくれます。雰囲気の良い曲でもタイトなキレの良い躍動感のある曲でもどちらでにも対応できる鳴り方はアップテンポな曲でもバラードでも相性の良さを発揮します。

重低音は沈み込みの深さは不足はありませんが、強さがありますので十分。明るく華やかに鳴る高音中音域に強さのある低音は音楽を楽しく聴く事ができます。

 

他機種との比較としてPhoenixCallは多ドラのメリットを活かした広いレンジと各音域の解像感を得ながらそのデメリットであるごちゃつきを抑えた整った音。中高音域寄りの弱ドンシャリは高音域は上までの伸びとあくまでも自然な強さで鳴らし、中低音域を厚めに鳴らす音造りはバランスの良い音です。Relentlessと同クラスモデルと云え音質傾向こそ似ていますが、高音域と中高音域の解像感と音楽性を両立した音はRelentlessの多ドラモデルの分離感に軍配が挙がります。現在はやや古いモデルとなったPhoenixCallは価格帯が下がってきており現在でも十分に通用する音は寧ろお得なのかもしれません。

次にPlutus Beastとの比較ではPlutus Beatsの方がドンシャリ感が強い印象を持ちます。それでも高音中音の華やかさ煌びやかさRelentlessの方が華やかさがありそれも分離の良さ解像感の高さがあります。低音はPlutus Beastの方が弾力がありますが、解像感はRelentlessの方が上手でありRelentlessのフラッグシップクラスというメーカーの説明には納得せざるを得ません。価格帯が異なる為、致し方が無いと云えます。それでも物足りなさの無い高音と低音に整った中音域のPlutus Beatsはその価格帯では十分魅力的と云えます。

 

まとめるとRelentlessは複数ドライバの弱点を抑えその優位性を活かした音作りにより何処かの音域だけを強調しておらず全音域の出音のバランスの良い適度なドンシャリは間違いなく高音質。安心感のある音質傾向はやや誇張された印象のある中高音も不自然さはなくあくまでも丁度良い出音。低音の躍動感とのバランスが良好でアップテンポな曲でもバラードでもバンドサウンドでも極端な相性の悪さを感じません。一方で解像感は高いですがモニターサウンドとは異なり音楽性の高い印象です。

なお、Plutus Beatsはリスニング用途としてのドンシャリの良さであり、解像感重視の音質傾向ではありませので何を重視するかによって評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   Relentless ≧ PhoenixCall ≧ Plutus Beats (質感の順)

中音   Relentless ≧ PhoenixCall ≧ Plutus Beats (質感の順)

低音   PhoenixCall ≧ Relentless ≧ Plutus Beats (質感の順)

ボーカル Relentless ≧ PhoenixCall ≧ Plutus Beats (質感の順)

※価格帯や発売時期が異なりますので参考として

 

 

4. Celest Relentless の総評

Celest Relentlessは複数ドライバの優位性を活かし分離感と解像感の高い音楽性の高いサウンドが特徴と云えます。その音楽性の高いサウンド全音域の出音のバランスの良いドンシャリサウンドであり高音質と云えメーカーの自信の高さを裏付ける結果となりました。それでもRelentlessの高音質サウンドはレベルの高い音を中華イヤホンというカテゴリの中では安価な価格で実現しており、手ごろな価格で音楽性を重視したい方にはお勧めのモデルと云えます。

 

最後に、今回は中価格A20000-U30000帯の中華イヤホンの紹介となりました。明日(2024年5月13日)からHiFiGoで通常販売となりますが、20,000円台半ばが予想されます。国内amazonでも同時に取り扱い開始予定となっていますが本国発送が見込まれますので国内amazon倉庫に入庫後がおススメ。海外通販でもHiFiGoの発送は早く届くのも早い印象があります。これまでの中華イヤホンの中では手頃な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっておりますので、中価格帯中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、新製品を少しでも早く(安く)手に入れたい方はHiFiGoでの購入も検討してみてくださいね。

 

Relentless

以下、付属ケーブル4.4プラグ、付属赤軸イヤピ MDAC KA17
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0 

 

PhoenixCall

以下、付属ケーブル、付属白傘赤軸イヤピ SDAC KA17※1
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0 

※1 DAC変更して再評価

 

Plutus Beats

以下、付属ケーブル、付属赤軸イヤピ M使用、DAC KA17
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★★
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はいつもの中華イヤホンの中価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ