みぃねこの備忘録

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CCZ Melodyレビュー ※KZ ZSN pro X、CCZ Emeraldとの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルのCCZ Melodyについてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのWTSUN Audio(@Naruto88814)から購入しました。

 

 

WTSUN Audio楽天市場店と合わせて先行販売しています。

 

 

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. CCZ Melodyについて 

CCZ Melodyは前回レビューした同社Emeraldの兄弟機で、低価格帯の中華イヤホンではポピュラーな1BA+1DDハイブリッド機です。Melodyは今年8月頭に兄弟機のEmeraldと同時発売され、どちらも同社Coffee Bean DC-1のシングルダイナミック機がベースにBAが追加されているモデルです。

CCZは新進のブランドとなりますが、先ず中価格帯でCCZ Plumeという商品を発売しています。こちらもWTSUN Audioで取り扱いがあり、4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルの販売価格20,000円強と桁が一つ多い高級路線です。

一方でCCZ MelodyはEmeraldと低価格帯の兄弟機ということで1BA+1DDハイブリッドモデルとなっています。それらは販売開始こそ同じでしたが、MelodyはAliExpressのWooeasy Earphonesで同時期に取り扱いが始まり、Emeraldは日本のamazon及び楽天市場のWTSUN  Audioで先行販売という日本のユーザーを意識した展開となっています。

それら兄弟機の音質傾向は互いに特徴を持たせていて、どちらもCoffee Beanの高音を補強したドンシャリ。一聴したMelodyは高音抑え目の中低域重視のピラミッド型ドンシャリ。Emeraldは前回レビューした通り、高音もしっかりと鳴らす王道のドンシャリです。この兄弟機はシェルの材質やカラバリ等を変更した単なるバリエーションモデルではなく、ちゃんとキャラクターを持たせていることに感心します。

 

さて、今回も前回に引き続き1BA+1DDハイブリッドモデルのレビューです。つまり前回同様に「実家にいるような安心感」を勝手に感じながら進めていきます。

尤も、今回はMelodyとEmeraldの兄弟機対決…もとい、キャラクターの違いを中心にまとめようと思いポチっていますので、仕方がありません。だって兄弟機なんて、ズルい。買うに決まってんじゃないですかぁ(アホ)。

 

いつも通りの前置きはさておき、今回も実家にいるような安心感、お馴染みの低価格帯中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドモデル、CCZ Melodyのレビューとなります。そして今回はEmeraldとのキャラ違いと最早迷ったらコレというKZ ZSN pro Xの二機種と比較してみます。

 

CCZ Melodyは低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルです。高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担い、ダイナミックドライバ(DD)1基が中音から低音域までを担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となります。

尤も、そのチューニング技術は数年前に比べればかなり進化してきており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。

ですが、初期ZSTの頃の1,000円ちょっとという圧倒的コスパからはやや高価になり、現在は2,000~3,000円と国内メーカーのエントリーモデルと同等となってきていています。それでも十分にコスパは良いのですが、一般の方が3,000円「も」出して買うのはやっぱり国内有名メーカー又は、海外有名メーカーというオチなんですが。視聴できればもっと売れると思うんですよねぇ…たぶん。

 

CCZ Melodyのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルで、BAはシェル内DD傍に並列で配置しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの二重磁気ドライバを採用。イヤホン本体はシェル本体とフェイスプレートが樹脂製、ステムノズルが金属製となりKZ ZSN pro XやCCZ Emeraldとは異なります。MelodyとEmeraldの違いの一つ目となります。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCZ Melodyの納期として今回も国内amazonですので当日発送、翌日配達です。AliExpressではこのようにはいきません。昨今、AliExpressで購入した際は感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向と云えます。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCZ Melody実機レビュー 

それでは、早速CCZ Melodyの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調とした縁に黒色のアクセントがある小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、その下側に小箱が。

台座を取り外すと箱の底にイヤーピースが。小箱にはケーブルが収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U3K、実売2,000円後半の低価格帯として必要最低限の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられ、寧ろKZ EDXよりもシェルの合わせ面等が綺麗に仕上がっています。

Coffee Bean及び、Emerald同様にMelodyもシェルには耳甲介艇への安定感を得られる耳ウィングが装備されています。

カラーバリエーションは黒色とクリア色があり、今回は黒色を選択しています。

 

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付属ケーブルは4芯4N無酸素銅線(OFC)、黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでCCZロゴ入り、イヤホン側はTFZタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。最近のKZ等に付属するケーブルと同等でやや絡まり易いものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中ではそれ程悪い印象はありません。そのためそのまま使用できますし黒色ケーブルは落ち着いた色味からは、シェル本体に囚われずに普段使いでは気になりません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKZ ZSN pro X、CCZ Melody、CCZ Emerald 

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CCZ MelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xの外観の比較として、三機種のサイズ感はほぼ同じ。MelodyとEmeraldは耳ウィングがあるのでやや大きく見えます。

MelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xはシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。MelodyとEmeraldは耳ウィングによってよりカスタムIEM風の造形です。

三機種共にステムノズルは金属製。EmeraldとZSN pro Xのフェィスプレートは金属製です。

重量はEmeraidが僅かに重さを感じますが、耳ウィングによって耳への収まりが良く、装着時には殆ど差が分からないレベルで、三機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さはMelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xはやや太目です。

次に、ステムノズル角度はMelodyとEmerald、KZ ZSN pro Xについてはほぼ同じ。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてMelodyとEmeraldのフィルターはZSN pro Xの丸穴と違い、音質に影響がありそうな所謂細目フィルタータイプ。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りMelodyはステムノズルは太目であり、太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすくなりますので、イヤーピースのフィッティングは重要です。

 

※付属のイヤーピース
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※イヤーピース比較、左がMelody付属、右がEmerald付属
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付属イヤーピースはEmeraidやCoffee Beanと同形状です。傘の頂点開口部に段差がありメーカーではパテントイヤーピースと命名しています。形状がEmeraid付属と同じでしたが、色が異なります。Melody付属は黒、Emeraid付属はクリアブラックです。何れもCoffee Bean付属とは異なり、個人的に感じたイヤーピースの傘がパサパサ、ペラフニャが改善されています。MelodyとEmerald付属のものは傘は適度のしっとり感とコシが有り遮音性も十分に感じます。

音質的にはEmeraid付属よりもMelody付属の方が低音に厚みが出るタイプのようですが、開口部が大きく高音にも影響は少ないようです。

この付属イヤーピースでは私は耳に浅めに蓋をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. CCZ Melody音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「量感を感じる低音と厚みのある中音。出しゃばらない高音のピラミッドバランス」でした。

箱出しでは低音に膨らみと、高音域の物足りなさを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は高音が伸び、低音に落ち着きがでできたように感じられます。

音場は広くも狭くもなく普通。

高音は煌びやかさと華やかさは適度に感じられ、主張はやや弱め。シャリつくような刺さりはありません。

低音は量感があり、広がりと響きがあります。その分締りとキレは適度。ベースラインはしっかり追えます。重低音は沈み込みも深く強さも有る。

中音は適度な華やかさは適度で、やや下の方に厚みがあります。反対に上の方は多少ゴチャつきを感じます。ボーカルはクリアでやや近い位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によって近く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

高音は煌びやかさと華やかさは前に出るような主張は無いものの、伸びやかさはあります。とはいえ超高音までの伸びはあまり感じず、不快に感じる尖りも無く、必要な時に必要なだけなる印象です。これはCoffee Beanよりも強く、EmeraldやZSN pro Xよりは控えめです。低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると、CCA CSNのような高音域を強調しない音づくりの印象ですが、強すぎる高音は尖りや刺さりとの表裏一体、一長一短です。

中音は凹みは僅かで殆ど感じませんが、楽器の音はボーカルの周り、僅かに後ろに位置し華やかに鳴り、多少の重なりを感じますが、ボーカルをマスクする程ではありません。ボーカルはクリアで僅かに暖かみがあり聴きやすいですが、低音に僅かに重なりも感じます。

全体的に中音と低音域及び、その間の中低音域に厚みのある鳴り方で、高音は前に出るような派手さはありませんが、必要な時に必要なだけ鳴らす中低音域中心の心地良い音です。その分音数が多いハードな曲では中音低音の音が重なり、ごちゃつく感じがありますが、バラードでは雰囲気の良さを感じられます。

そのボーカルは自然で僅かに暖かみを感じ、しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性の良さを感じられます。

真骨頂である低音はCoffee Beanよりも演出感を押さえ適度に広がり響きがある音。そして強さもあり、締りとキレはCoffee Beanと同様に感じます。重低音は沈み込みは深く強さがあり、音楽を雰囲気良く聴くことができます。

高音の煌びやかさは常に前にでる、しゃしゃり出るウザさは無く心地良さがあります。中音は華やかさは適度です。しかし音の重なりをやや感じるため、音数が多い曲ではごちゃごちゃした印象もありますが、雰囲気のある低音が音を下支えし中音の華やかさと高音の弁えた鳴らし方は、ボーカルに熱量を感じ聴き応えも感じます。これはEmeraldの小気味良さとは違う、Melodyの雰囲気の良さを感じます。


さて、CCZ Melodyはこれまでレビューした1BA+1DDハイブリッドモデルの音の傾向ではCCAが近く、CSNのような中低音重視の音。とはいえ中音域の質感はややCSNがやや上手。KBEARの様なクールな中音域とも違います。尤も、音の雰囲気はKZ ZSNのドンシャリをイメージしてもらい、それよりも高音はしっかりしていて低音にも強さがある音と感じます。

補足すれば、ZSNの音の正統進化がCSNとするならば、Melodyはそれに近く、Emeraldの元気で派手な音はKZ寄りの音。つまり、MelodyがCCAの音、EmeraldがKZの音に近いと云えば伝わりやすいでしょうか。

もちろんMelodyやEmeraldの音はKBEAR LARKのようにフラットに近い僅かにドンシャリの音。中音域を聴かせてくれ誇張の無い音とは違います。

その為、一聴して高音中音の解像感を感じやすいのはEmeraldになると思います。一方でMelodyは一聴すると低音強めの低音ホンと感じるかもしれませんが、Melodyの真骨頂はボーカルです。不快感の無い高音域と適度な華やかさの中音。そして雰囲気のある低音が、音楽を聴くことの楽しさを、忘れかけた音楽を楽しさを思い出させてくれる。そんなイヤホンの本来の役割を実現した形なのかもしれません。

 

ふと考えるのはCCZ Coffee BeanにただBAを追加しただけでなく、MelodyとEmeraldの様に兄弟機として特徴を持たせて同時発売するというのは中々できる事ではなく、これを狙い通りとするのならば、それは末恐ろしいという事です。侮れませんね。

 

次に、今回の比較対象としてKZ ZSN pro Xとの違いをピックアップ。Emeraldについては先述の通りですので割愛します。

先ずZSN pro XとEmeraldは同じ中高音寄りで、Melodyは中低音寄りです。流石にMelodyとは音のつくり方が違いますが、Emeraldは低音を重視した小気味良さに雰囲気もある音。低音域の強弱、解像感が特徴です。ZSN pro Xは高音域の上の方まで伸びの良さがあり、中音域はMelodyやEmeraldよりも整理された音の印象です。

その為、演奏中心に聴きたい場合やバンドサウンドにはZSN pro Xの方が心地良く感じると思います。

MelodyやEmeraldの中音域はそれと比較した場合にごちゃ付を感じられます。一方でボーカルの聴きやすさではMelodyが一枚上手。それらに比べると暖かさを感じられ熱量を感じますので、Coffee Beanの良さである雰囲気の良さを感じられ、アップテンポの曲でもZSN pro Xよりもボーカルに粗さを感じません。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のCCZ Emeraldのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとCCZ MelodyはCoffee Beanの低音の響きとボーカルの熱量、雰囲気の良さを踏襲し、Coffee Beanでは物足りなかった高音域をBAによって必要な量を鳴らすことで相対的には抑えられていますが、十分に存在感のある音としています。そしてCoffee Beanの特徴である質感の高い低音域を持った中低音寄りのイヤホンです。高音は適度に鳴り低音は強さがある音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを多少感じるものの、熱量のあるボーカルは聴きやすく、しっとりとしたバラード等で相性の良さを感じられそうです。そして1BA+1DDハイブリッドモデルの良さを感じられるピラミッドバランスのドンシャリは、低音の質を求める方やボーカルを楽しみたい方の選択肢の一つとなりそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスが好きという方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZSN pro X ≧ Emerald ≧ Melody (強さの順)

中音   ZSN pro X ≧ Melody ≧ Emerald (整っている順)

低音   Melody ≧ Emerald ≧ ZSN pro X (質感の順)

ボーカル Melody ≧ Emerald ≧ ZSN pro X (質感の順)

 

 

4. CCZ Melodyの総評

CCZ MelodyはEmerald同様に最近の1BA+1DDハイブリッドモデルの中でも低音域の質感が高くCoffee Beanで感じられた高音域の物足りなさを改善した雰囲気ののある音を聴かせてくれる中低音寄りの音とまとめました。

これまでにレビューしてきた1BA+1DDハイブリッドモデルと比較しても特徴の感じられるピラミッドバランスのドンシャリモデルという印象です。

そういう意味でMelodyとEmeraldは中華イヤホンの醍醐味を感じられる商品であり、実家のような安心感を求める方へはEmeraldをお勧めし、国内有名メーカーの低価格帯の音を求める方にMelodyをお勧めできます。

 

最後に、今回は国内amazonで今月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年8月21日)はAliExpressで2,000円台で販売し、国内amazon及び楽天市場では3,000円前後の価格で販売しています。一方AliExpressでオーダーした場合の入手性は現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Melody

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (ボーカル重視の方に)  

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (演奏重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

Emerald

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (低音重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。通算36個目のレビューとなります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。溜まってきている多ドラハイブリッドモデルにもそろそろ手を付けていますが、順番は入手順ではないことをご了承ください。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ