みぃねこの備忘録

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TIN HIFI T3レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のKinboofi KBF MX2やPaiaudio DM1同様に中価格帯で発売されたTIN HIFI T3についてレビューをまとめたいと思います。

今回はMassdropから購入しています。

AliExpressや国内amazonでも取り扱いがあります。(2019年5月3日現在)

 

 

TIN HIFI T3は同社のT2、T2 Proに続くモデルで1BA+1DDドライバ構成のモデルです。同社は以前TIN Audioという社名(ブランド?)としてT2、T2 Proを販売していましたがこのT3を発売する頃に現在のTIN HIFIに変更し販売しているようです。

T3の前のT2、T2 Proは2DDのドライバ構成で低音強調と思いきや中高音重視の音質傾向でT2を以前所有していてボーカルの表現力が素晴らしいイヤホンで女性ボーカル曲を好んで聴くみぃねこも好きな音質傾向でしたがそのシェルの形状からストレートで使用するにもシュア掛けするにも装着感に難があり、フォームタイプのイヤピ一択でそれによって耳に固定する個人的にかなり難儀なモデルでなかなか手が伸びず使わないコレクションアイテム化していたため、思うこともありT3購入をきっかけに手放してしまいました。

そしてT2 ProですがT2の改良型としてネットの評価も高そうでしたが購入には至りませんでした。理由は単純にT2と同じシェル形状だったからです。こちらもその装着感に苦労することが目に見えていたからですね。上級者の方々はシェルを左右入れ替えて使用することでシュア掛けしやすくする工夫をしているようですので、もしもT2、T2 Proをお使いで装着感に苦労されている方はお試しくださいね。

そんな音は良いが初心者を寄せ付けない玄人限定と云わんばかりのT2、T2 Proから進化したT3が登場し、先代のT2系と異なる仕様となっています。違いは先述の通り搭載されるドライバが2DDから1BA+1DDとなりBAにはKnowlesが採用されています。加えてシュア掛けしにくかったシェル形状が(漸く)変更となりT2で左右入れ替えて使用していた苦労が嘘のようにそれがデフォルトとなりました。

音作りに不安が無く、装着感も改善されたとなれば1BA+1DDコレクターとしては購入しない選択は「ナシ」ですからね。

そんな訳で晴れてTIN HIFIの1BA+1DDモデルとしてT3を入手しレビューを書いている次第ですが、Paiaudio DM1同様にレビュー公開順が入手した順番と違くね?というご指摘は、、(以下略)。

 

T3は以前レビューしたKBF MX2やPaiaudio DM1同様に中価格帯ですが、特にDM1とは価格帯がA5K~U10Kとなるため直接の競合相手と云えます。そのため今回はA10KのMX2や競合するDM1との音質傾向にどのような違いがあるのか気になるところですね。

 

T3の納期としては1月末頃にオーダーし3月上旬の発送予定より数日早く発送されました。発送されてからは2週間ほどで届きましたが何せこれより先にオーダーしていたT2Gの発送予定が遅れに遅れて頼んだ事を忘れていたくらいだったため、当初T3の発送通知をT2Gの発送と勘違いしていて届いたT3をみて「???」となったくらいです。個人的には懲り懲りでもう使わないかなってレベルですが、無事に届いて一安心したところでまた何かdropしようかなと考えているところです(アホ)。

 

そんな訳で、Massdropは一般的にAliExpressよりも安く購入できる場合があり更に国内で購入するよりもかなり安いが届くのにもかなり日数が掛かることです。一方AliExpressで購入すると心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)ですが、幸いMassdropでは不良品はメーカーの品質に依存する訳でその心配は少ないもののなにより届くのがAliExpress以上に日数がかかるということです。それでもMassdropやAliExpressでは国内で発売前の商品を入手できたり国内より(物によりますがかなり)安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
TIN HIFI T3のスペックはA5K~U10Kの中価格帯中華イヤホンでは珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。先日のPaiaudio DM1のレビューの際にも触れていますが昨年夏頃はA5000前後の中価格帯では2BA+2DDのKZ ZS6オマージュモデルに勢いがありましたが昨年末以降このドライバ構成の新商品は殆ど発売されず、4BA+1DDや5BAのモデルが中心となってきています。そんな中での1BA+1DDとドライバ数では見劣りするモデルですからメーカーの自信が窺えますよね。

実際ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させ3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなる傾向がありどの音域を重視するかによって音質に影響がでやすく2ドライバが不利となります。3ドライバ以上の構成なら中音域専用にドライバを一つ担当させることができますからね。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でT3が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、BAにKnowlesを採用する構成がMX2と同様です。これは期待したくなりますよね。

 

それでは、早速TIN HIFI T3のレビューを以下、まとめていきます。



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パッケージングは白箱を基調とし天面に中身が見える小窓付きの化粧箱です。

 

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外箱を開けて内箱を取り出すと外箱の白と異なり青い内箱で中心に小窓がありイヤホン本体が見えるブックケース?の様な凝った造りです。

 

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その内箱を本を開くように開けようとすると上蓋が一体化されていて、開いた内箱の内装が白地ベースにイヤホン本体をしっかりと固定し収納されています。

開封しながらこれイヤホンの箱だよね?と疑うほどの一見してイヤホンの箱とは思いつかないようなお洒落な化粧箱です。この辺りはT2でも同様の化粧箱でしたが低価格帯とは違い所有欲を満たしてくれますね。

 

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付属品はイヤホンが収納された内装を取り出すと箱の底にあります。

 

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イヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セットとフォームタイプMサイズが本体取付け済みともう1セット、ケーブル、ケーブル取付済みのケーブルバンドです。ケースやケーブルクリップ等はありません。化粧箱にコストかけすぎかなと邪推しながらも音質に関係しない余計な付属品はいらないとう潔さとも受け取れますが、中価格帯なのでロゴ入りケース等を付属させて充実させた方が購買層に訴えかけやすいような気もします。


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ビルドクオリティですが、このT3は非常に綺麗な仕上りで金属切削技術の高さを感じます。工作機械、もっと云えばNC旋盤のプログラムさえ一度組んでしまえば誰がオペレーターでも変わらない時代なんでしょうね。尤もそれを支えたのが日本の技術者というお話は有名ですが機会があれば書きたいですね(需要無い?)。

 

閑話休題。特徴的なデザインですがT2同様に現物は中国製を感じさせない丁寧な造りです。最近は本当に品質が上がっているんだなと実感しますし流石の中価格帯でしょうか、安心して購入できるのではと思います。

カラーバリエーションは選択できず1カラーのみとなっています。


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付属ケーブルはT2に付属する4芯の細いタイプと異なり採用されたプラグやmmcxコネクタ及び8芯等、コストがかかっていることが分かります。これだけでもかなりの音質向上が見込めますよね。凡そ中価格帯でも付属ケーブルはコストカットの対象になりやすく最低限のものが付属していたりしますがT3では寧ろここにコストを掛けてきたかと感心します。ケーブルは白(銀?)と黄色(金?)の線材色のミックス線で取り回しも良い編込みタイプで先述した通りmmcxコネクタ仕様です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは中価格帯でも交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できますし少し派手目ではありますが本体の金属感と相まって質感が高く嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通りT2とは異なりケーブルを接続するコネクタ部の位置が変更になりシュア掛けがT2よりしやすくなっています。T2ではストレートでも使用できるようにチューブ加工は無くユーザーに委ねる形でしたがT3はシュア掛け前提となります。

シェルの中に収められるドライバは基本的に円筒型内部にBAとDDを収められその金属製ボディにはベントが数か所設けられていて籠りを抑える効果が期待できます。

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シェル本体は金属のため比較的重量はありますがDM1等と比較してもほぼ同じくらいです。ただしT2からはシュア掛けしやすくなり装着感が改善されたとはいえそのウィークポイントは相変わらずでイヤピでしっかりと固定させるためには付属のシリコンタイプではフィット感も音質的にもしっくりこないため手持ちのイヤピを色々試しましたが結局困ったときのAET06でしっかりと耳に収めるられ音質的にも納得することができました。個人的に付属のフォームタイプ及び手持ちのフォームタイプは低音域に量感が増しますが高音域の良さをスポイルすると感じている為に使いたくなかったのでホッとしています。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回のMX2、DM1同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET06 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音がすっきりクリアでT2ほど高音域に癖がなく聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)はい。これがT2を手放した最大の理由です。
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや広めで音の分離感は普通からやや良好です。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で曲によってやや遠く感じます。
低音は量感は少なめで広がりも控えめですが締りとキレがあり芯を感じます。重低音の表現力として沈み込みはそれ程ありませんが十分に感じられます。ベースラインはやや弱めですがしかっりと追えます。
高音は煌びやかさと伸びを感じますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありませんが、前に出すぎる程ではない絶妙のバランスです。シンバルは低価格帯のシャンではなくシャ~ンとちゃんと聴こえます。左右でパンした際の音の響きも十分に感じることができます。

中音はすっきりクリアで凹みは感じず特にボーカルは音の中心にいて自然ななめらかさと伸びやかさに加え艶があります。

傾向として一言で云えば中高音寄りのややドンシャリと感じます。

これは先日レビューしたMX2やDM1のややドンシャリとは異なる傾向です。MX2は中低音寄りのややドンシャリでDM1は高音低音が主張する分かりやすい音作りのややドンシャリでした。

この様にT3の音作りはMX2のような最近の低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、DDで高音中音低音域の全てをカバーさせBAには超高音~高音に専念させ主張を控えめにしつながりを良くしたうえで低音域を相対的に強調させ特徴を持たせるチューニングでしたが、これらとは少し異なる印象です。やはり最近の中価格帯同様にバランスを重視したチューニングというのを感じられます(もちろんMX2はそれを高いレベルで実現しており低価格帯のそれとはレベルが違いますので誤解なきようお願いします)。

それ故にMX2やDM1より低音の主張は少ない反面、広がりすぎて中音域をマスクするようなことのない質感の高い低音に感じられます。一方中高音域はBAのみではなくDDでもカバーしているようで自然なつながりとボーカルのなめらかさがあり高音の煌びやかさをBAで持たせた中高音域寄りでありながら刺さりを抑えたすっきりクリアで心地よく聴きやすくなっていて女性ボーカル曲を聴くのにぴったりな感じがします。(出逢った頃のように/高木さん)

そのため先日レビューしたMX2やDM1とは音質傾向が異なり特にDM1とはその狙いが異なると云えます。そしてMX2も中高音がクリアではありますが派手さがあり女性ボーカル曲との相性はT3程ではなくリスニング寄りと云えますね。

 

まとめとしてT3は同じ1BA+1DDのモデルの中価格帯のA5000~U10000の中でも上位の仕上がりと云えそうなモデルでありとにかく女性ボーカルをすっきりクリアに聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方中高音域の派手さや低音の主張を求める方からは評価が分かれることになりそうです。


さてTIN HIFI T3は最近の中価格帯中華イヤホンの中でもの高中低音域をバランス良く女性ボーカルを雰囲気良く表現できるイヤホンでその装着感に問題が無ければ現時点で最もお勧めとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになりお蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA5K-U10K以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで7,000円半ばでAliExpressでも6,000円半ば程度で購入できるようですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格帯と違い少々価格が上がり中価格帯の実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実の国内amazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressや届くまでに日数がかかりますがMassdropでの購入も検討してみてくださいね。

 

T3

以下、付属ケーブル、イヤピAET06 M使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (装着感OKで女性Vo中心に聴くなら★5)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。1BA+1DDの中価格中華イヤホンとしてはこれが3個目となります。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ