みぃねこの備忘録

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FiiO M5 と SHANLING M0 を比較

こんにちは。

2020年の2月がもう終わろうとしています。世間ではコロナウィルスによる市中感染が取り上げれられ、相変わらず中国は生産が滞り、物流は麻痺し世界の経済への影響は大きく損失はかなりのものとなりそうな様相です。ミクロな視点では我々中華オーディオファンは春節前後の新作発売等、全く動きがなく話題に飢えており、やはり停滞していると感じます。。

そんな先行き不透明な暗い状況ではありますが、悲観してばかりもいられないので、前を向いていこうと考えていまして、今回はいつもの中華イヤホンではなく中華デジタルオーディオプレイヤー(以下DAP)を取り上げてみたいと思います。

以前レビューしたSHANLING M0は当ブログの中で、いまでもアクセス数が安定していて、スマホに代わる小型DAPのニーズは高いと感じております。その小型DAPとしてSHANLING M0の独壇場に昨年FiiO からM0を意識した、というよりぶつけてきた小型DAPのFiiO M5が発売されました。

このFiiO M5はサイズ感だけでなく独自OSの操作感などもSHANLING M0を強く意識した製品となっており、発売当初から気になっておりました。それもその筈、当ブログではメインの中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンのレビュー時に使用するDAPとしてSHANLING M0を採用しており、ブログ当初はiPhone SE(6S)を使用していましたが、DAPとしてはスマホより上という評価で再生環境をスマホからM0へ更新した経緯があります。

そのM0のライバルとして、M5が後発の有利さを発揮しM0に取って代われる存在なのか?実際に購入して色々試してみた結果をまとめてみたいと思います。

 

※SHANLING M0のレビューもご参考ください 

miineco106.hatenadiary.jp

 

M0のレビューでも触れましたが、イヤホンとDAPには少なからず相性があると経験から感じています。そのため音質傾向はM5がM0やiPhone SE(6S)とかけ離れない機種であるかどうかも重要な要素となります。

小型DAPスマホと2台持ち運用を可能とする条件として 

  • 購入価格1.5万円以下(2万円前後及び超えるクラスはスペックの差が大きい)
  • Bluetooth接続可能なこと(AACまたはaptXは最低限クリア)
  • 有線接続可能なこと(3.5mmプラグ)
  • 持ち運びが苦にならない大きさ/重さであること(携帯と2個持ちで苦にならない)
  • 音楽データ管理が簡単にできること(内部/外部ストレージ)
以上5つを前提とし、もちろんFiiO M5はそれをクリアできています。
操作性はM5はM0同様にタッチパネル操作メインと音量調整等の物理キー操作でM0は音量調整がダイヤルキーという違いのみです。本体の大きさ、画面の大きさ、重量はほぼ同じとなります。
FiiO M5のスペック(抜粋)
  • 1.54インチタッチスクリーン(モーションジェスチャー対応)
  • DACチップAK4377採用
  • Bluetooth4.2対応(受信LDAC/aptX HD/aptX/AAC/SBC。送信LDAC/aptX/SBC)
  • トランスミッター/レシーバー機能
  • 主要なオーディオフォーマットに対応(ハイレゾ対応)
  • PCM最大384kHz/32bit、DSD64/DSD128をサポート(ファイル形式MP3/OGC/AAC/AIFF/APE/FLAC/ALAC/WAV/DSD/ISO等) 
  • microSDカード(最大2TB)対応(注:内部ストレージ無)
  • USB-C接続によるDACトランスポート機能(別売OTGケーブルが必要)
  • 連続再生13.5時間(待機時間は約22日間)
  • 本体サイズW43.5 x H42 x D13.7 mm 重量約38g
  • 販売参考価格 約11,600円(amazon内、国内正規販売、2020/2/23現在)
  • 表示画面向き回転可能(腕時計)
  • 歩数計(ヘルスケア)
  • 録音機能(ボイスレコーダー
詳細はメーカーサイトまたは他の方のレビューを参考にしていただけますと間違いがないと思いますが、恐らく抜粋したスペックで十分に比較できると思います。
 
※M5とM0の大きさを比較
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画面サイズは同じ1.54インチ。外寸はほぼ同じ大きさですがM5の方がM0よりも縦が小さく、横が大きく、高さが0.2mm大きく、重量は同じとなります。一見すると正方形に近いM5と縦長長方形のM0という違いですね。
画面の綺麗さはM0の方が温かみがある色彩で、M5は寒色寄り。画質はM0の方が解像度が良い印象です。
 
次に実際にM5を使ってみた感想として
 
操作感
  • 独自OSではあるがiOS同様の直感的な操作が可能でM0に寄せている。
  • OS言語は日本語選択可能。翻訳が微妙で「???」となる場面もあるかもしれませんが、意味は伝わります。
  • M0同様にフリックの感覚は敏感で慣れが必要。どちらも流石にiOSには敵わないしケースを装着すると右フリックの使い難さが増します。
  • タップで選択の際、反応が良すぎて誤反応しやすい。また、M0同様に右へフリックで戻る機能がありますが、M5は少々鈍感。M0はメインメニューに戻るが長くタップでできますし操作感は上。
  • プレイリスト作成は最低限のレベルで可能。登録したい曲を選択し再生画面から登録するのでちょっと面倒。

取説は最低限の対応。国内代理店による正規販売ならばサポート等も活用できます(敢えて多くは語りません)。この辺りは海外製品という事もあり、自己責任というか自分で試して解決できるような方や、それを楽しめる方でないと、少々面倒なことになりかねません。基本的にそれらを不安な方は国内メーカーのSONY等を選ばれる方が安全安心確実です。

 
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※アルバムアートも映ります
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※無線ペアリングは左ホスト(接続済み表示)としてください。理由は後述。
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※左接続済み、右接続失敗表示ですがこれでペアリングできています。
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※接続したコーデック表示は画面右上Bluetoothマークと音量マークの間に「A」と表示
 A表示は「aptX」の意味
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※FiiO純正腕時計ケースのフィッティングは良好。画面OFFから復帰時に表示されます
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※アルバムアートの解像度は悪く少しぼやけた印象。
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FiiOの純正腕時計ケースの問題点は無線接続前提となるところ。ケースが本体全体を覆うため有線ジャックが隠れてしまいます。
そのため別のケースも試してみました。
dd製のケースです。こちらは有線ジャックが隠れませんが、バンドが長短2種付属し腕時計として使ったり、ランニングのお供にアームバンドケースとして使ったり使用するシーンに応じて選択できます。
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※有線接続した図
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※この画面の「ハート」マークをタップしてプレイリスト(お気に入り)へ登録
 
多様性
  • Bluetooth4.2に対応し無線接続を高音質のaptXやLDACで送信できます。ワイヤレス環境でも高音質で音楽を聴くことが可能。
  • 純正オプションのケースを使用し腕時計として活用ができます。ただし有線接続不可、aptX、LDACのみ。AAC不可のため、iPhoneユーザーで手持ちのTWS等のコーデックがAAC(含むSBC)のみの場合はその恩恵を受けられません。
  • スマホ等から音楽をBluetoothで送信してレシーバー(受信)としてお気に入りの有線イヤホンで音楽を聴くことが可能。受信ではAACに対応しているのでiPhoneユーザーも安心です。
  • PCへUSB接続しUSB-DACとして使用可能。別途OTGケーブルを用意しUSBオーディオ出力しDACポタアン等に接続可能。
  • 曲データ管理はPCから単純にSDカードに音楽データをコピーすればOKです。本体表示やプレイリスト等にこだわりたいところですが、私は諦めていますので「FiiO M5 m3u8」等で検索し他の方の詳しい方法が載っているブログを参考にしてみてください。
  • 歩数計ボイスレコーダーとしても使えるようですが、試していません。
LDACは手持ちのWH-1000XM3で確認し接続OKでした。SONYのワイヤレスヘッドホン等を持っている方には(グレードにもよりますが)ウォークマンよりも安価でコンパクトですし、多様性もありますので、そのグレードによっては安価に高音質なワイヤレス環境が整いますのでお勧めできます。
 
それでは肝心の音質に違いについてまとめます。
 
音質傾向(SHANLING M0との比較)
 
比較で使用したイヤホンは
  • Trn ST1
先日レビューしたST1を使用しています。結論から云えば、音楽を楽しく聴きたい方はFiiO M5を。スマホとの差別化を重視する方はSHANLING M0となりそうです。

 

SHANLING M0

  • 低音は強く締りがあり深さがある。
  • 高音はキレがありしっかりと描写する。
  • 中音は音の描写が良くボーカルに暖かさを感じながらも淡々と伝わる。
  • まとめとして音の描写が明朗で締りのある音。極端な脚色をしない音。

 

対して

FiiO M5

  • 低音は量感と広がりがあり響きが良い。
  • 高音は伸びがあり響きの良さがある。
  • 中音は響きが良くボーカルに艶やかさがある。
  • まとめとして雰囲気が良く聴いていて心地良さを感じる音。

 

M0とM5の音場は共に普通程度ですが、解像感はM0がやや上もM5が極端に劣っている訳ではなくiPhone6s直挿しよりも良好に感じ、それはiPhone6sでは高音と低音を強調していて聴いていて楽しいのですが、中音はやや籠りというか音がマスクされたような感じでクリアさはM0やM5が良好に感じます。

加えて、M0の方は出力に余裕がある分、聴こえる音にもゆとりを感じられます。

音質傾向は採用したDACの違いによる差という印象もあり、明朗な音のM0と雰囲気が良い音のM5。

もっと云えば、M0は音の輪郭にシャープさがあり、M5は音の伸びや広がりを重視していてiPhoneの音からはグレードアップ感を感じやすいかもしれませんね。反面、同じような音に感じる部分もあり、敢えて別の音質傾向を選択するというのもDAPに何を求めるのかによって違いはあり面白いところですね。

そのため、音質的には好みで選んでいただいて、何方を選んでもスマホ直挿しからは十分満足できるのではないでしょうか。

 

※SHANLING M5とTrn ST1の過去レビューはこちら
 
 
以下参考として

FiiO X3mkⅢとTrn ST1

  • 高中低音の全域で解像感が高くメリハリがある音
  • ボーカルはクリアで伸びを感じ心地よく聴こえる
  • 低域は強さと量感があり締りも十分でベースラインをしっかりと追える
  • 高音はより煌びやかさ伸びやかさがある
現在はFiiO M9にその座を譲ったX3mkⅢですが、DAPのエントリークラスやiphoneと比較して、今でも十分に良い音であり通用するDAPと云え、後継のM9は音がすっきりし淡々と鳴らすドライな印象がありますので、それよりも音は好きという方がいらっしゃるのにも納得です。

 

さて、使用するプレイヤーによるイヤホンの音質の比較結果は

  • FiiO M5とSHANLING M0の音質傾向が異なる
  • FiiO M5とiPhone 6sの音の方向性は似ているが音質はM5が上
  • 高音域の解像感はM0の方が良好もM5の方が伸びがある
  • 中音域はM0の方が解像感が高くクリアに聴こえ、M5は雰囲気が良い
  • 低音域はM0の方が解像感が高く音を追いやすいが、量感はM5の方が多い

と簡単にまとめてみました。

 

音質の比較結果と機能性を総合した商品価値から考察するとFiiO M5は後発故の有利さを活かし使用するシーンに合わせてプラスワンの機能を持たせ、音質はスマホ以上を確保していますが、後発の利点である先駆者の課題をクリアできていない事。機能性も売りの腕時計型DAPによる無線接続機能がAAC送信に対応していない事がマイナスと惜しい。早急なファームウェアアップデートに期待したい。
一方先駆者であるSHANLING M0は本来の小型DAPとして機能のブラッシュアップをファームウェアアップデートによって幾度となく重ねることで商品価値を上げており今後のアップデートも期待できそうです。そして何よりもこちらはAAC送信可能なため既存iPhoneユーザーを取り込みやすく、日本市場を「わかっている」感があります。
見せかけのユーザーサポートではない、本当のマーケティングをFiiOには望みたいところです。
 
 
まとめとして、もしも今iPhoneユーザーで通勤通学や余暇に音楽を聴いて楽しんでいる方がもう少し良い音で聴いてみたい。でもiPhoneと同じような大きさで2台持ちは嵩張るし面倒かなと考えているのならばSHANLING M0をお勧めします。
一方で現在スマホandroidの方が同じような理由で小型DAPを選ぶならばFiiO M5を腕時計として活用するのも面白いのではないでしょうか。
 
あとがきとして、今回SHANLING M0に対抗する製品としてFiiO M5に手を出してしまいました。結果は、まあ、あれなんですが、決してFiiOが全然ダメという事ではなく、みぃねこには合わなかったということですので、「DAPに何を求めるか」によって評価が大きく変わる魅力的な商品であることは間違いないのでくれぐれも誤解されないようにお願いします。
懲りずに今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
 
※2021/02/20 誤字等修正