みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

KBEAR Robinレビュー ※CCA C10 pro ND N10 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されたKBEAR Robinについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonではWTSUN Audio(@Naruto88814)で取り扱いがあります。

 

 

 

f:id:miineco106:20210808094241j:image

 

 

 

 

1. KBEAR Robinについて 

KBEAR Robinは片側5ドライバ、4BA+1DD構成で今年7月にリリースされました。KBEARブランドの新商品、中価格帯の多ドラハイブリッドモデルということで期待値が高いです。KBEARと云えば、以前レビューした1BA+1DDハイブリッドモデルのLARKの評価が高く、同じ低価格帯のKZ ZSN pro XやCCA CSN等の評価の高かったモデルとは一味違ったフラットな音質傾向で個人的にKZ ZSN pro XとCCA CSN及び、KBEAR LARKを押さえておけば使い分け可能であり、中華イヤホンの醍醐味を味わえると考えています。

KBEAR LARKは発売当時、低価格帯としてはやや高価な3,000円台の価格でしたが、付属品にイヤホンケースが付属したり、他の2,000円程度で購入できる商品とは違い、付属するイヤーピースとケーブルで十分満足できるところから、その音質も含め初めて中華イヤホンを購入する方にもお勧めしやすい商品であり、ブランドと云えます。

KBEAR Robinは販売価格が5,000円以上となり中価格帯となりますが、同価格帯には今年発売したモデルにKZ ZASやCCA CKXがあり、こちらは片側7BA+1DDと6BA+1DDとスペックもさることながら、販売価格も1,000円以上上がり、Robinよりも格上となりますので比較対象としては適切とは云えません。更にそれらは付属品が低価格帯のそれと同じであり、手持ちにイヤーピースやケーブルを所有している中華イヤホン中級者向けと云えますので、初めて購入する方にはやや敷居が高くなります。

そういう意味では前回レビューしたND N10や昨年のCCA C10 pro辺りが妥当なところと云えそうです。

尤も、数年前にKZ ZS10が4BA+1DD多ドラハイブリッド、旗艦モデルとして5,000円台で登場した時に驚かされましたが、現在多ドラハイブリッドの旗艦モデルは7BA+1DD構成と進化しており、以前レビューしたKZ ZASや同社ZAX及び、CCA CA16、CKXがその構成でもそれほど注目されない市場に変化しています。

そんな中、かつての旗艦モデル4BA+1DD多ドラハイブリッド構成と同じND N10が、3,000円で購入できる一方、KBEAR Robinが飽和気味の市場にどのような風を吹き込み、我々中華イヤホンファンにどんなインパクトを与えてくれるのか、楽しみで仕方がありません。

 

 

さて、以前も触れましたが昨年から続く中華多ドラハイブリッドモデルリリースの勢いは留まることを知らず、今年も中価格帯でCCA CKXとKZ ZASに加えこのKBEAR RobinとGeek Wold GK10と続き、低価格帯ではND N10が発売されています。まあ私のGeek Wold GK10はどこかを彷徨っているみたいですが(困)。特にGK10は1BA+2Piez+2DDの異なる三つのドライバ構成を早く試してみたいところです。

 

一言で多ドラハイブリッドと云っても価格による差はやはり存在しますので、U5Kを境に以下をエントリークラス。A5Kをミドルクラスとして、ハイクラスはA7Kとした場合に、単純にBAの数が増えれば音が良くなるとも云えず、寧ろつながりの悪さ、不自然さを感じる事があります。

そういう意味でKBEAR Robinは過去から続く搭載ドライバ数の増加競争、スペック至上主義から一歩身を引き、オーソドックスで且つ十分な4BA+1DDのドライバ構成の多ドラハイブリッドとすることで良い音を狙い実現しそれを安価に提供することができているのか。非常に気になる商品と云えそうです。

 

今回も比較対象として個人的に好きな音がするCCA C10 proを用意しています。C10 proはKZ系ブランドの中でもそれとは異なる派手さを抑えた音。具体的には「中低音域を豊かにしながら僅かに高音を抑えたバランス」です。KZは良くも悪くも高音と低音の強さを感じるバランスで整えています。そのため聴いていてノリの良さのあるドンシャリです。一方CCAは中低音域を重視し高音をやや抑える傾向があるため聴き疲れし難く聴いていて心地よさがある印象です。

もう一つはND N10です。N10はCCAの音に近いと感じていて、C10に近い音。C10 proはCCAの中ではKZに近い音ですので、これらを比較し相対評価も行うようにします。

そして、もう一社忘れてはいけないのはTrnです。最近は中高音を重視しており高音の方が明らかに強く、これは高音を強めにして高解像感を演出しているように感じます。低、中価格帯では個人的にこれは逆効果だと感じていて、Trnの主戦場と違い高価格帯で採用しているドライバは質が高く、上手くバランスを取ることができていますが、この価格帯のドライバでは単純にしつこい高音の印象となり、それはしつこい低音よりも人を選んでしまいます。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、バランスは大事というお話です。

 

いつも通り前置きが長くなりましたが、注目の中価格帯A5K多ドラハイブリッドモデル、KBEAR Robinを入手しましたので、先述の通り同じ4BA+1DDハイブリッドモデルのCCA C10 proとND N10との違いを含めながら、レビューを纏めていきたいと思います。

 

KBEAR Robinのスペックは先述の通り4BA+1DDとCCA C10 proやND N10とドライバ数が同じ(構成は異なります)です。Storeページの仕様を見る限り、搭載ドライバは中音から低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAはKBEAR-IF-Kシングル1基が高音から中音域を担当しステムノズル部に配置。KBEAR-HI-Bシングル3基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。RobinはBAを新型カスタマイズモデルを採用し更に実質高音域用を1基と中高音域用3基とすることで、高音域と中高音域の聴こえ方を調整したモデルと云えます。

比較対象のC10 proの搭載ドライバは低音域用に10mmデュアルマグネティックドライバを。高音域用のBAには定評がある30095シングル1基が担当しシェル内ダイナミックドライバ傍に並列配置。これまた定評のある50060シングル1基が中音域を担当しこちらも高音域用BA同様にダイナミックドライバ傍に並列に配置。中高音域をカスタムBAデュアル(2BA)1基、それぞれ30095と50060ベースのカスタマイズドBAの組合せで同様にDD傍に並列配置。低音域を前述のDD1基が担います。

ND N10の搭載ドライバは中低音域用のダイナミックドライバに10mm径の二重磁気ドライバを。BAは30095(30019とも書いてある?)シングル2基が高音域を担当しその内1基がステムノズル部に配置、もう1基はシェル内のダイナミックドライバに並列に配置。50060シングル2基が中音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。N10は高音域用のBAをステムノズルとシェル内部と配置を分けることで高音域と中高音域の聴こえ方を調整したモデルと云えます。

特にRobinとN10は意図する方向性が同じでありながらもそれぞれのアプローチの違いによる高音域への影響が気になります。

この辺りは実際に聴いてみない事には判りませんが。

 

次に、先述の通りRobinはステムノズル内に高音域用BAを1基配置し、中高音域用BA3基をダイナミックドライバに並列に配置した1BA+3BA+1DDの3way方式とは異なり、BAの各音域をクロスオーバーさせるのではなく4G Electronic(重ね合わせ包括する)技術を採用しています。

これに対し、C10 proは高、中、低音域を2BA+2BA+1DDとしたオーソドックスな3wayクロスオーバー方式。N10も同様です。

3wayクロスオーバー方式はこれまで世の中に送り出された中価格以下の多ドラハイブリッド中華イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となり、Robinが採用する4G Electronicのメリットとデメリットや、従来のクロスオーバーチューニングのポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

KBEAR Robinの納期は国内amazonのようにはいきません。AliExpressで購入の場合、発送からは約2週間と従来同様です。それでもまだAliExpressの中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. KBEAR Robin実機レビュー

それでは、早速KBEAR Robinの実機レビューを以下、まとめていきます。


f:id:miineco106:20210808094330j:image
f:id:miineco106:20210808094334j:image

パッケージングはLARKと同様にやや大きめの青を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。

裏面にはスペックを日英中文で記載されており低価格帯でよく見る共通デザインではない海外市場、特に日本を視野に入れた化粧箱です(通常は中文と英文のみ)。


f:id:miineco106:20210808094441j:image
f:id:miineco106:20210808094454j:image
f:id:miineco106:20210808094444j:image
f:id:miineco106:20210808094451j:image
f:id:miineco106:20210808094434j:image
f:id:miineco106:20210808094437j:image
f:id:miineco106:20210808094447j:image
f:id:miineco106:20210808094431j:image

スリーブを外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納され、その台座の周りに付属品の入った小箱があります。

その小箱にはイヤーピースやイヤホンケースが収納されています。

 

f:id:miineco106:20210808094520j:image

付属品は黒色イヤーピース、Mサイズがイヤホン本体取り付け済み。白色タイプのシリコンイヤーピースがS、M、L、3種の各2セットが付属、これは同じものが2セットとなるためその意図は不明。他にはケーブル、イヤホンケースです。A5Kの低価格帯としては最低限の付属品ですが、十分実用的な付属品は初めて購入する方でも満足できると思います。

 

f:id:miineco106:20210808094606j:image
f:id:miineco106:20210808094547j:image
f:id:miineco106:20210808094603j:image
f:id:miineco106:20210808094557j:image
f:id:miineco106:20210808094550j:image
f:id:miineco106:20210808094610j:image
f:id:miineco106:20210808094544j:image
f:id:miineco106:20210808094600j:image
f:id:miineco106:20210808094553j:image

ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに問題はありませんでした。まあ中華製品では偶に何かしらやらかす場合がありますが、今回はアタリ?(普通)ですね。綺麗に仕上げられていると思います。

カラーバリエーションは青色と黒色の2種で、イメージカラーは中国名青雀からも青の方が人気の様でしたが、今回は黒色にしました。


f:id:miineco106:20210808094638j:image

付属ケーブルは茶色の編込みタイプで、4芯4NOFCケーブルが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はTFZタイプ(2ピン)、KZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていてイヤホン側コネクタ部の破損が心配ですが、このTFZタイプはそれよりも安心感があります。リケーブルの際には通常の2ピンタイプでも問題はありません。まあ、私はKZ-Cタイプでも気にせず2ピン仕様を使っています。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的にやや絡まりやすいもののしなやかなものとなります。また、低価格帯とはいえ多ドラモデルに付属するケーブルとして力不足ではありますが、そのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルは普段使いも可能ですね。

 

f:id:miineco106:20210808094706j:image

 

※画像左からCCA C10 pro、KBEAR Robin、ND N10

f:id:miineco106:20210808094752j:image
f:id:miineco106:20210808094749j:image
f:id:miineco106:20210808094742j:image
f:id:miineco106:20210808094738j:image
f:id:miineco106:20210808094805j:image
f:id:miineco106:20210808094802j:image
f:id:miineco106:20210808094755j:image
f:id:miineco106:20210808094746j:image
f:id:miineco106:20210808094759j:image

RobinはC10 proやN10と同様にそれ程大柄ではないシェルでオーソドックスな造形で、N10には耳の耳甲介艇部への突起部があり一番厚みがあります。

三機種共にフェイスプレートは平面的。

装着感は一般的なカスタムIEM風デザインと同様に悪くありません。三機種共にステムノズルとフェイスプレートが金属でシェル本体が樹脂製です。重量は三機種ともほぼ同じ程度で耳への装着感は重さを感じ難く、イヤホン本体の重量による影響は殆ど感じません。

次にステムノズルは三機種共にやや長く太め。比較的C10 proは太さは同じですが、それよりもやや短く角度もやや起きています。RobinやN10は中華イヤホンでは一般的なサイズと云えます。そのため太さに影響するイヤーピースの圧迫感はやや感じます。また、人によってはイヤーピースの選択が通常と異なる場合があり、そのサイズ選びがシビアになってしまうかもしれません。逆に云えばイヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で大きな不満を感じることはないのではと思います。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていますが、Robinのフィルターが一番細目で音質への影響はありそうです。C10 proが穴が大きく一番粗目となりますが、とはいえシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

 

f:id:miineco106:20210808100252j:image
f:id:miineco106:20210808100255j:image

付属イヤーピースは軸長が一般的な白色タイプ、ノーマル形状、開口部大き目(右)と同じく黒色タイプ、ノーマル形状、開口部小さめ(左)の二種です。Mサイズのみ黒色が同梱されています。できれば白と黒のS、M、Lの2種セットにして欲しいですね。それでも個人的にこの付属のイヤピは傘にコシが有り、しっとりしていて装着感は悪くありません。

音質的には白がやや高音中音がクリアに聴こえるタイプ。黒が低音重視に感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸いにもこの付属イヤーピースでも私は上手く合わせられ、形状からは耳に浅めに蓋をするように装着しフィットし、音質的に白色を選択しています。

余談ですが、Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めで傘がやや硬めなこともあり、最近一周回ってなかなかフィットしない場合に重用しています。

この様に低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

なお片側5ドライバ、4BA+1DDの性能を活かすために付属ケーブルからKBEAR KBX4905ケーブル、8芯単結晶銅ケーブルへリケーブルしています。

 

f:id:miineco106:20210808094838j:image

このKBX4905ケーブルですが、amazonでは終売となっております。中華リケーブルとして価格が3,000円程度で購入でき、単結晶銅線を使用したケーブルとして安価でありながらもその価格帯の中でも安物感のない外観仕上げとなっています。

低価格帯はもとより、中価格帯U10000の中華イヤホンでは付属ケーブルでコストダウンする傾向にありリケーブルしてから本領発揮となっている現状では、リケーブルにも拘って選択できる中華ケーブルは非常にありがたいですね。

 

そんなわけで早速RobinにKBX4905をリケーブルしてみました。

統一感は高く決して安物に見えないと思いますし、見た目オーディオ的にも満足感が高いですね。

音質傾向は極端に味付けを行うタイプではありませんが、全域をすっきりとさせながらもやや中低音域がクッキリとして高音域も伸びやかに変化するため、イヤホン本体の性能を発揮させるタイプ。付属ケーブルも銅線を採用しており、相性は良いと思います。Robin以外にも付属ケーブルではその性能を発揮できない多ドラハイブリッドや複数BAモデル等に使用することですっきりとさせながら音をクッキリとしてくれるので、本来の音を楽しめると思います。

 

f:id:miineco106:20210808112410j:image

 

 

3. KBEAR Robin音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

f:id:miineco106:20210808112419j:image

今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかしと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※1※2)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※1:2021/07/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版(1115)で動作確認

※2:2021/07/22現在 android版Ver3.6.0正式版(1118)が配信開始

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。


miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それではZX507に直挿し4.4バランス接続で実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色 Mサイズ、KBEAR KBX4905ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「豊かな低音とクリアな中音の中低音寄りのドンシャリバランス。」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。

高音は煌びやかさ伸びやかさはありますが、華やかさは控えめ。その分刺さるような尖りを感じることはありません。

低音の量感は十分で強さもあり、キレや締まりは良好、ベースラインは追いやすいです。

重低音は沈み込みの深さを感じ強さがある。

中音は適度な華やかさがありますが、ボーカルの周りやや後に位置し邪魔することはありません。

そのボーカルはクリアで自然、位置も自然に感じます。

一言で云えば中低音寄りのフラットに近いバランス。

高音域は前に出るような主張はありませんが、伸びやかで音の消え入る様を感じます。一方で中低音域が相対的に豊かなためにかなり抑えられた印象を受けます。それでも高音域は音量自体は小さいものの実はしっかり鳴っていて中音域の音よりも僅かに前に出るような印象です。

もっと云えば、高音はシャリつくような華やかさはなく、上品に欲しい時に必要なだけ強調せずに自然に鳴らし、伸びと響きのある音を感じられます。

中音は高音よりも音量はありますが、過度の華やかさは無く、ボーカルの周りで引き立たせてくれます。音数が多い曲でもボーカルは演奏との重なりは抑えられていてクリアで見通しの良さを感じさせます。

そのボーカルは自然でクリアに耳に届き誇張の無い自然な暖かさと艶を感じられ、特に女性ボーカルのバラードで相性の良さを感じます。

低音は量感は多くありませんが、強さがあり芯のある音。音の強弱が感じやすく表現力は良い。中音と低音の間、中低音域にも凹みを感じず、豊かでなめらかな解像感の高い低音域に感じます。

Robinは高音は相対的に控えめに感じやすいものの、大きな音で存在感を示す音ではなく、煌びやかさ伸びやかさを十分に感じられ、それが自然なレベルで上手くまとめられています。しかし相対的に中音低音の印象が強く華やかさが控えめに感じられますが、決して地味でつまらない音ではなく寧ろ整った音として音楽を心地よく聴くことができる音色です。

 

※以前のCCA C10 proのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のND N10のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp


このバランスは以前レビューしたND N10と比較した時に音の傾向は似ていて、Robinの方が高音をもう少し上品に、低音はややすっきりと解像感のある音にした印象です。C10 proはそれらよりも高音域がはっきりと主張がありますが、同社C12やTrn V90sのようなやや高音域を尖らせすぎた感はありません。それらは高音域のバランスを上手く取った諄さやしつこさが無いようにまとめられています。この辺りは前述のBAの配置による違いと考えられます。

そしてC10 proと比較した場合、最も異なるのは中高音域です。C10 proはやはりC10の改良型でありその弱点を補った形で高音と中音域を強化しています。結果として高音、中音域が極端に強調されたドンシャリとなっています。N10はC10と同じ傾向でありながらも僅かに高音域を強くできておりますが、Robinと比較すれば高音域の粗さと低音域の大雑把さと、中音域の凹みを感じやすく、ドンシャリに感じられます。

 

次に、ZX507から据え置きでも聴いてみました。いつも通りDACTOPPING D10Sとヘッドホンアンプは今回同社A30 proの組み合わせです。いつもの同社L30でも良かったのですが、A30 proはヘッドホン出力端子に6.35ステレオ端子以外に4.4バランスプラグ及び、XLR4ピンバランスプラグ出力を備えています。尤も、これらの4.4バランスプラグ及び、XLR4ピンバランスプラグ出力端子はバランス出力ではなくアンバランス出力です。接続端子の利便性向上のためというのがメーカーの採用理由ですが、バランス出力対応と勘違いする方もいますのでやめた方が良いと思います。個人的には変換プラグを用いなくても済むので問題はないのですが。

Robinとの接続はKBX4905ケーブルが4.4プラグなので、4.4ヘッドホン出力端子に接続しています。ゲインはLowです。

結果はZX507でも4.4バランス出力により過不足ない高音と低音、見通しの良い中音とクリアなボーカルを楽しめましたが、相変わらずより良い音が聴こえます。

ZX507で聴いた時よりも高音はやや控えめな位置に下がり鳴りますが、音量的に物足りない音ではなく鳴らすべき音の強さと量でしっかりと鳴り、その音は伸びやかで解像感も高い音。

中音は分離感が向上し、ボーカルとの位置関係がしっかりとします。ボーカルの周りやや後ろで存在感を示し決して前に出すぎる無粋はありません。

低音はZX507でも締まった音でしたが、締まり強さが増し、キレの良い音で音の強弱を感じられる解像感のある音を聴かせてくれます。

これらの違いはやはり据え置きの駆動力とノイズの減少がイヤホンのポテンシャルを十分に引き出せていると考えます。

尤も、ZX507は今回4.4バランスでの評価でしたが、据え置きはアンバランスでの評価です。それでも据え置きではアンバランスでもしっかりとした音場を感じられますので、興味のある方はご検討ください。

 

そのためCA16よりもZAXの音の傾向が好きという方にはもの足りないつまらない音と。その代わりC10の音が好きだけどもう少しだけ解像感が欲しい方。CA16の音の傾向が好きだけど中低音をもう少し抑えたい方には好評となるのではないでしょうか。

もっと云えば、CCAの系譜が好きな方に試して欲しいお勧めできるモデルと云えそうですね。

 

まとめとして、KBEAR RobinはKBEARらしい何処かを極端に誇張せずフラットな音域の音づくりを踏襲したLARKの音の系譜と云えます。ですが、LARKでは中高音寄りでしたが、Robinでは中低音寄りの音となっています。

そのためCCAの音よりもKZの音の傾向が好きという方にはもの足りないつまらない音と。CCAの音が好きだけどもう少しだけ華やかさを感じたい方には好評となるのではないでしょうか。

 

 

蛇足となりますが、以前のレビューでも触れている通り、中華イヤホンの単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

中音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

低音   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro (質感の順)

ボーカル Robin ≧ N10 ≧ C10 pro 

音場   Robin ≧ N10 ≧ C10 pro 

 

 

4. KBEAR Robinの総評

KBEAR RobinはKBEARらしさのあるフラットで上品な音を奏でてくれ雰囲気の良さと小気味良さを両立できる懐の深さもある音質傾向のイヤホンとまとめました。

そしてこれを5,000円程度で購入できますので、初めての中華多ドラハイブリッドにお勧めできます。

現時点では中華中価格帯U10000多ドラハイブリッドイヤホンではKZ ZASとCCA CKXを押さえておき、A5000多ドラハイブリッドではこのKBEAR Robinを押さえておけば使い分けも可能ですし、十分楽しめそうです。しかしながら、今年上半期の宿題Geek Wold GK10が控えています(はよ届け)。中華イヤホンの興味は尽きることはありませんね(病気)。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年8月7日)はAliExpressや国内amazonで発売されており、AliExpressでは5,000円程度で購入可能。一方amazonでは5,000円後半と僅かに高くなります。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

Robin
以下、ケーブルKBX4905、付属イヤピ M使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

C10 pro
以下、ケーブルT4、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

 

N10
以下、ケーブルHi8、イヤピSedna EarFit MS使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、中華ヘッドホンアンプ等、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ