みぃねこの備忘録

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CCA CSNレビュー ※KZ ZSN pro X、KBEAR LARKの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として低価格帯で発売されたCCA CSNについてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのCCA Official Store(@StoreCca)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも本国発送ですが取り扱いがあるようです。

 

 

 

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1. CCA CSNについて 

CCA CSNはCCA社の低価格帯モデルの新商品です。CSNと云えば昨年CVJ CSNという中価格帯5BA+1DD多ドラハイブリッドモデルをレビューしましたが、それとは全く違う低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルです。CCAからCA4以来久しぶりとなる低価格帯の1BA+1DDハイブリッドモデルの登場となります。

このCCA社はKZ社とも関係が深いようで中価格帯では多ドラハイブリッドや複数BAモデルを双方が音質傾向の違いはあれどほぼ同時期に発売するフォローアップモデルとして中華イヤホンファンを楽しませてくれています。そんなCCAが低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルを実に2年振りにCSNを発売する訳ですが、その間KZは昨年ZST X、ZSN pro Xとこれまでの集大成とも云える完成度の高いモデルを発売しています。CSNはもう低価格1BA+1DDハイブリッドモデルを止めてしまったのかなと残念に思っていました。ところが、忘れたころに、です。

CCAの低価格1BA+1DDハイブリモデルと云えば2018年のC04、2019年のCA4に続く3作目。C04はAliExpressでも見かけませんし、ディスコンかもしれません。CCAはKZと違いそのラインナップは少なく、(発売当時)中価格帯の多ドラハイブリッドモデルと比べると年一機種くらいの発売ペースです。ですが、2年振り。昨年発売していないのはCOVID-19の影響により売れ筋の中価格帯ハイブリモデル発売を優先したためではないかと推測します。実際、世界各国で20年度の停滞感は深刻ですし、国内も例に漏れず秋口から少しづつ後れを取り戻そうとするものの各社事業計画の後ろ倒しや選択と集中という変更を余儀なくされています。

そういう意味で昨年日の目を浴びることができなかった(のかもしれない)CCA CSNはKZのZST XやZSN pro Xの完成度の高さからも満を持しての登場とも云えますし、非常に期待感の高いモデルと云えますね。

 

さて、これまで個人的には低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルではKZ ZSN pro XとKBEAR LARKをお勧めしています。

ZSN pro XではKZの高音低音が元気で派手なドンシャリという「らしさ」を残しつつ、聴きやすさがある音質傾向に対し、KBEAR LARKは適度な高音域と低音域に支えられた聴きやすい中音域。決してつまらない大人しい音ではない適度なKBEARの音質傾向とそのそれぞれに良さがある両モデルはそれらの属する群からそれぞれ頭一つ抜けた二強とも云える二機種です。しかし今年1Qの低価格帯のベストは間違いなくTrn TA1と云え、以前レビューした通り、出しゃばらない高音域は適度で響きの良があり、低音域は低音はやや膨らむものの十分な強さで心地良く中高音をマスクしない。中音域は暖かみのあるボーカルは聴きやすく、演奏はボーカルを引き立て出しゃばらない音質傾向であり、国内amazonで予算5,000円以内であればお勧めできるモデルです。そのあたりの価格帯の国内有名メーカーに負けていません。尤もだからといってTA1がKZ ZSN pro XやKBEAR LARKとは同列に比較はできません。こちらは国内amazonで3,000以下ですので、ねぇ。

 

それはさておき、CCA CSNがKZ ZSN pro XやKBEAR LARKの二強に割って入ることができるのか?中華イヤホンファン、いや、低価格帯の中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドモデルを30機種以上聴いてきたマニアの一人として試さずにはいられない訳です。

そしてCCAが2年振りに市場に投入したCSNを中華イヤホン低価格1BA+1DDハイブリッドモデル、KZ ZSN pro XやKBEAR LARKとの違いも含めながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

CCA CSNのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯でポピュラーな高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルです。BAには定番の30095ベースにカスタマイズされたバランスドアーマーチュア型ドライバ1基を採用し高音域を。ダイナミックドライバ(DD)1基が中・低音域を担当しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの二重磁気ドライバを採用。これは以前レビューしたKZ DQ6と同型。バランスドアーマーチュアは他の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルとは異なりステムノズル内ではなくシェル内にダイナミックドライバと並列に配置。

イヤホン本体はシェル本体が樹脂製。フェイスプレートとステムノズルが金属製とZSN pro XやLARKのシェル素材のハイブリッド構成と同様です。

以前よりステムノズルの素材が金属製と樹脂製との違いによって音質傾向への影響をこれまでレビューした経験から、それが高音域に現れると感じていますが、多くの低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンでは高音域を担当するBAドライバがステムノズルの中に配置されており、音道管を使用していない為、高音域の伸びや響きに影響があると経験則で捉えています。

つまりCSNはバランスドアーマチュアがステムノズル内ではなくシェル本体内にダイナミックドライバと並列に配置されていることから従来とは異なる音質傾向となっていると推測できます。

とはいえ最も大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCA CSNの納期として今回はAliExpressで購入しており流石に国内amazonの当日発送翌日配達とはいきません。AliExpressでの購入では昨年から続く感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等の代替ルートが確立しつつあります。一方で相変わらず航空便の減便により輸送各社の苦労は続いています。物流各社の企業努力には頭が下がりますし、早期に物流が安定化することを切に願います。尤も平時であってもAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCA CSN実機レビュー 

それでは、早速CCA CSNの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはいつものCCAのシンプルなデザインの小箱、スリーブタイプの化粧箱です。
スリーブの表にはイヤホン画像が。裏には仕様が記載されていてこれまでの低価格帯と同様です。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。


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付属品はシリコンイヤーピースが白色ノーマルタイプのS、M、Lの3種が計1セットと、白色かまぼこタイプのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み。他にはケーブルです。U2K、国内実売3,000円以下の低価格帯として最低限の付属品となります。

 

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次にビルドクオリティですが、近年の中華イヤホンは特に心配することもなく綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションはグレーと青色があり、今回は青色にしました。

 

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付属ケーブルはKZ/CCAの最新モデルに付属する従来のアップグレードケーブル相当の銀(白)色の編込みタイプ、4芯銀メッキ銅線の線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はKZ-C、2ピン仕様、上側がプラス極性です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感はそれほど悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に多少の絡まりやすさはあるもののしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとしては最低限の質感ですが、そのまま使用できます。銀(白)色ケーブルはやや派手な見た目も、シェル本体の色と相まって普段使いでは青は綺麗な。グレーはアクセントとしてマッチするかもしれませんね。個人的には「無問題」ですけど。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

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※画像左からKBEAR LARK、KZ ZSN pro X、CCA CSN、KZ DQ6  
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CSNと似ているDQ6とも比較してみます。

CSNの外観の比較として、サイズ感はCSNが一回り大きく感じますが、その造形からは装着時にほぼ気になりません。シェルの造形は比較的形状が近いDQ6よりも厚みがありオーソドックスなZSN pro XやLARKに対し、よりカスタムIEMっぽさのある造形です。また、同じカスタムIEM風とはいえオーソドックスなLARKやZSN pro Xとは異なります。

CSNは前述の通りシェル本体が樹脂製でステムノズルとフェイスプレートが金属製とハイブリッド素材のため比較的重量は軽くなります。LARKやZSN Pro X、DQ6も同様です。重量はその大きさからややCSNが重さを感じますが、その造形から耳への装着時には殆ど気にならないレベルのであり、装着感は悪くありません。ステムノズルの太さはCSNとDQ6が細め。LARKやZSN pro Xは太めと対照的です。これはBA(DQ6は小径2DD)の配置によるもので、角度はLARKやZSN Pro Xがやや寝ているのに対し、CSNとDQ6はそれらに比べ起きています。

また、これらの機種全てのステムノズル先端部にはメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げますので安心ですね。

そして、シェル本体の形状と全ての機種の付属ケーブルはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方には注意が必要です。

なお、先述の通りCSNはステムノズルは比較的細めです。太いステムノズルは装着感に影響があり、イヤーピースによっては圧迫感を感じやすいですが、細めの場合にはイヤーピースの大きさが重要ですので、しっかりとご自身に合ったフィッティングが大切です。付属の白色ノーマル(以下画像左)、白色かまぼこ(以下画像中)イヤーピース共にMサイズを耳奥に栓をするように装着する形が良さそうです。


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この付属イヤーピースはノーマルタイプが開口部が大きく、かまぼこタイプはやや開口部が小さくなっています。

どちらも軸が短く、より耳奥に装着しダイレクトに音を届けることを想定している様ですが、どちらも傘がふにゃふにゃのため、しっかりと装着するのが難しく、交換必須と云えそうです。

付属イヤーピースは個人的にどうしても合いませんでした。従来通りですが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティング重視で選択されると良いと思います。私は今回も何かの中華イヤホンの付属の白色イヤーピースMサイズを耳の奥に栓をするように装着してしっくりきました。

※KZやCCAの溝有白ではない普通のタイプを使用しています

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は久しぶりに全然ダメでした。通常は付属のイヤピで十分と感じられればそれを使用しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

※何かの中華イヤホン付属イヤピに交換しています

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3. CCA CSN音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY ZX507、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling Q1を基準としてレビューを行ってきましたが、先日のKZ DQ6のレビューの中でDAPによる音質差を今更ながら感じ、イヤホンのレビューとしてより正確に伝えることを優先しようと考えました。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかしと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、何よりもBluetooth接続も安定していますので強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

 

 

さて、低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色Mサイズ、付属銀メッキ銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音がしっかりと感じるものの中・高音はすっきりとしてクリアな音でボーカルが聴きやすい音。」でした。

箱だしではやや低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は煌びやかさがあり伸びやかで華やかさは適度、刺さりは感じません。

低音は適度な量感があり芯が感じられ締りとキレがある。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みはそれほど深さを感じないが強さはある。

中音は適度な華やかさがあり、音数の多い曲ではややゴチャつきを感じます。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ、曲によってやや近く感じ聴きやすい。

一言で云えば中低音寄りのややドンシャリ

高音は低音域に埋もれない煌びやかさと適度な華やかさがあり、響きの良さも感じられます。良くある不快に感じる尖りはありません。これはKZ等の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると大人しい印象を持ちますが、しっかりと必要なところでは出します。

中音は凹みを感じられず、高音域同様に華やかさは適度に抑えられています。また、楽器の音がボーカルの周りやや後ろに位置し華やかに鳴ります。そのボーカルは他の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデル同様にややドライ気味ですが、クリアで聴きやすく、高音低音に埋もれません。

全体的にみて中・高音域は華やかさをやや抑えた音で、音数が多いハードな曲ではやや音の重なりを感じるものの団子感は少なく感じます。高音域は煌びやかさは十分も華やかさは適度にすることで派手さを抑え、中音域の演奏をボーカルの周りやや後ろでしっかり聴くことができ、よくあるやり過ぎな演出感は皆無です。

ボーカルはバラード等ではやや近く感じ、アップテンポの曲ではややドライ気味ですが楽しく聴けます。そのためしっとりとした雰囲気を楽しみたい場合に多少相性を感じるかもしれません。

低音は適度な量感があり、決して弱くなくしっかりしておりますが、不足のない十分な量と芯のある音で締りとキレがあり強さがあります。重低音は十分な強さがあるものの深く沈み込む程ではありません。この低音がクリアですっきりとした高音中音を適度な強さで支えることでCCAらしさの大人の音を聴かせてくれている印象です。

 
これらは以前レビューしたKBEAR LARKやZSN pro Xの低価格帯のドンシャリとは異なる音です。ZSN pro XやLARKの中・高音の方が余程派手に感じられますし、低音はそれらの方に芯がある印象です。

また、LARKは中高音寄りのバランスです。CSNの方が低音域の量感や響きの良さがあります。一方LARKは中音域を疎かにしていないKBEARの音。

次に、KZ ZSN pro Xは全体のバランスが良く何でも対応できる優等生。従来のKZの強ドンシャリとは異なる中音域を疎かにしない聴きやすいドンシャリ

CSNはどちらかと云えばLARKに近いまとまった音ですが、LARK程の中音域重視ではなく、ボーカル中心に演奏が周りを固めた中音域。そして高音域も同様に必要な時に必要なだけと出しゃばらせない音。低音も響きや余韻を重視した音であり、従来の中華イヤホンのドンシャリバランスを真っ向から否定したような音に感じます。

そして実は一番似たような音質傾向としてTrn TA1を思い出します。本記事冒頭21年1Q低価格帯のベストとして触れましたし、あちらはKnowles製BAがその良さを創っていると考えていました。実際高音域の伸びやかさは現状の中華BAでは敵いません。しかし、それだけではない、そんなことを考えさせられる程「音質傾向」となれば「同じ」と答えられます。う~ん、実に興味深いですよね。

 

CCA CSNは従来のCCAの立ち位置であるKZのフォローアップモデルの印象を変える、新しい方向性を示してくれたのかもしれませんね。

いずれにせよCSNの音質傾向はこれまでの低価格帯のポピュラーなドンシャリとは一線を画す音であり、KZ ZSN pro XとKBEAR LARKの二強に加わり三強として新たな世界を広げてくれるのではないか、そんなことを考えさせられます。

でも、まあ、尤も個人的に好きな音質傾向という想いが少し強いのかもしれません。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

  

※以前のKBEAR LARKのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

  

まとめるとCCA CSNは高音域は煌びやかさは適度で華やかさは控えめながらも、必要な時には十分な存在感を示し、低音域は十分な強さでクリアな中高音を下支えし心地良さがある。中音域はボーカルは聴きやすく、演奏はボーカルの周りやや後ろで引き立て役に徹し決して出しゃばらない音質傾向は低価格中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドモデルがいよいよ国内メーカーと戦える時が来たと云えそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求める演奏メインで聴きたい方には、刺激が足りないと感じられ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZSN Pro X ≧ CSN ≧ LARK 

中音   LARK ≧ CSN ≧ ZSN Pro X

低音   ZSN pro X ≧ CSN ≧ LARK 

ボーカル CSN ≧ LARK ≧ ZSN pro X

  

 

 

4. CCA CSNの総評

さて、CCA CSNはこれまでのCSNの低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルの中で最もお勧めできるイヤホンであり、同価格帯国内メーカとも勝負できるイヤホンとまとめました。

しかしながら、付属品のイヤーピースは再考の余地あり。一般層でも手軽に買える時代はまだ先のようです。それでもその販売価格は国内amazonで2,000円台。そしてAliExpressでは1,000円台となり中華イヤホンのコスパの良さを味わえ、十分満足できる一本となりそうです。

そういう意味では他にもイヤホンをお持ちで初めて中華イヤホンに挑戦する方や、中華イヤホンはやっぱりコスパ重視で購入を検討されている方にはお勧めと云えそうな商品です。

 

最後に、今回はAliExpressで購入した低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年4月10日)はAliExpressやamazonで発売されており、AliExpressで1,000円を少し超える価格で入手可能です。一方amazonではprime扱いの3,000円を僅か切る価格と、AliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

CSN

以下、付属ケーブル、何かの付属白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

 

LARK

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (重低音重視の方★4)

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (ボーカル重視の方★4)

※☆0.51.0

 

 

あとがきとして、今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホン、通算33個目の新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ