みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

TRI Starseaレビュー

こんにちは。

新年を迎え二週間が過ぎようとしています。

本年もよろしくお願いいたします。

今年の一発目は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されているTRI Starseaについてレビューをまとめたいと思います。

今回は昨年末、AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)のtwiter企画で当選しており、本来は年末最後に公開するつもりで執筆もちょっとゴタゴタで仕上げられずに年を越してしまいました。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520X)でも取扱があります。

 

 

 

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1. TRI Starseaについて 

TRI Starseaは中価格帯A10000-U20000の多ドラハイブリッドモデルです。TRIブランドと云えば一昨年発売されたTRI i3やi4の評価が高く、特にi3は当初数量限定モデルでしたが、その後追加生産され発売から1年以上経過もその人気は高く、中価格帯では定番機種と云える商品となっています。

そのTRIブランドの最新機種としてこのStarseaは昨年秋頃に発売されましたが、こちらも発売当初からその綺麗なシェルと音質調整スイッチ(SW)が搭載された商品として話題となりました。尤も話題先行だけでなく先行入手組の音質の評判も良く、TRIブランドの地に足がついた安定した音質傾向が多くの中華イヤホンファンを魅了しじわじわ人気が上昇していると云えそうです。

そんなStarseaを運良くゲットできましたので今回のレビューに至ったという訳です。実際昨年末に続けて当たった時には別のセラーでしたが、「大丈夫か、コレ?」と心配になりました。まあこれまで数年間ず~っと外れてきましたし、確率論的にはあり得る話ですし、折角の幸運を受けさせていただいた次第です。

 

さて、TRI Starseaは2BA+1DDのドライバ構成で販売価格が15,000円と、中価格帯の中華多ドラハイブリッドモデルの他モデルと比較しスペック上で目を引くようなモデルではありません。knowles製BA採用や音質調整SW付と云えばまあそうなのですが、昨年末にKZが片側10BAの複数BA機や片側7BA+1DDの多ドラハイブリッド機を10000円以下で発売している為、インパクトに欠けます。いや寧ろ中華イヤホンはコスパでしょ?という層には全く刺さらない地味な商品と云えるのかもしれません。

しかし、先述の通りTRIブランドのイヤホンの音質には以前レビューしたi4でも感じた堅実さがあり、個人的に低価格帯の多ドラや複数BA機にはまだまだ中価格帯のモデルとの差があるように感じていて、低価格帯の足し算と中価格帯以上の引き算の音のつくり込みが違う。もっと云えば考え方が違うのだろうなと。まあ簡単にいえばそれが「コスパ」という一言にまとめられるのかなと考えております。

とはいえ、TRI Starseaは低価格帯のモデルとはやはりレベルの違う音を聴かせてくれますし、聴いてみなければ判らないのが中華イヤホンの醍醐味でもあり、これが沼という事なのでしょうね。

それでも沼の住民の一人として、これだけは云えます。TRI StarseaはKZ系やTRN等の低価格帯とはモノが違う。そしてTRI Starseaは同社i3とは違う音質傾向のシンプルに良い音を奏でるスタンダードモデルと云え、比較するならばやはり同じ価格帯のBQEYZ spring1でしょうか。非常に楽しみです。

 

※中価格帯BQEYZ spring1やKZ ZAXの過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

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いつも通り前置きが長くなりましたが、中価格帯A10000-U20000の多ドラハイブリッドモデル、TRI Starseaを運よく入手しましたので、同価格帯のBQEYZ spring1との違いを中心にレビューを纏めていきたいと思います。

 

TRI StarseaはカスタムIEM風デザインが採用されていて、BQEYZ spring1のオーソドックスなデザインとはやや異なります。シェルもStarseaの樹脂製とspring1は金属製となっており、両方ステムノズルには金属が採用されています。サイズ感はspring1よりも一回り程大きくなりますが、カスタムIEM風の造形であり樹脂製シェルは軽量のため肝心の耳への収まりは悪くなく、余程のことがない限り苦労することは無いと思います。それらはステムノズルを除く樹脂製シェルが音質傾向にどのようなアクセントをつけられているのか気になります。

 

Starseaのスペックは先述の通り、片側2BA+1DDドライバ構成ですが、2基のBAの内、1基にknowles製ED29689を採用しています。搭載ドライバは低域用ドライバに8mm径のsilicon crystal biological daiphragm(複合素材振動板)を採用した新型ダイナミックドライバです。BAにはカスタマイズBAのTRI-HI-Aシングル1基が採用され高音域を担当しシェル内部に配置。knowles製ED29689シングル1基が採用され高音・中音・低音域のフルレンジを担当しこちらもシェル内部に配置。それらのドライバはシェル内部への樹脂封入により音導管が造形されステムノズルへ伸びています。シェルの側面には樹脂封入よる音の籠りを防ぐために抜け穴が設けられています。

この辺りは実際に聴いてみたところ、多ドラハイブリッドモデルとして十分な音の濃さと音場の広さが感じられ、低価格帯のそれとは異なり上品な華やかさを感じられ期待感が高まります。

 

次に、先述の通りTRI Starseaには音質調整用のスイッチが搭載されています。こちらは2つのディップスイッチ(SW)をシェル側面に配置しデフォルトは両方offです。

ディップスイッチ1(SW1)とディップスイッチ2(SW2)は以下のようにon/offすることで音質傾向を調整できます。

 

パターン SW1 SW2 音質傾向
1 off off 原音の再現を重視
2 on on 音楽バランスを重視
3 off on ボーカルを重視
4 on off 低音域を重視

 

後述しますが、この様にTRI Starseaでは音質傾向調整SWにより4種の音質へ調整することができ、デフォルトから好みの音質傾向3種に調整することができます。

Starseaはスペックだけ見れば片側3ドライバ、2BA+1DDモデルと中華イヤホン中価格帯A10000-U20000として物足りなさを感じられるかもしれませんが、実際には搭載するBAの一部にknowles製BAを採用し、音質傾向調整SWと遊べる要素もありなかなか楽しませてくれそうです。

そして何よりもTRIブランドの地に足がついた音質傾向は1BA+1BA+1DDの高音、高中低音、低音域のknowles製フルレンジBAを中心とした高音・低音補完3way方式とスペック上の良いとこどりするドライバ構成としてきました。これはもうアイデアが流石といえますし、TRI Audioの意欲作と云えそうですね。

とは云え、通常の3way多ドラハイブリッドでも難しい各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングを上手くできるのかが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

TRI Starseaの納期は本国発送でしたが流石の国内amazonのFBA。セラーの発送連絡から約10日でした。昨年はCOVID-19の影響でAliExpressの中国本土からの発送は航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約2週間。平時は10日から2週間。遅いと3週間でしたが、それなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。この辺りは当日発送、翌日配達に加えprime扱いなら保証も安心の国内amazonとは勝手が違います。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

  

 

2. TRI Starsea実機レビュー

それでは、早速TRI Starseaの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは流石中価格帯、低価格帯のそれとは異なります。イヤホン本体同様に青(紫)を基調とした豪華なスリーブタイプの化粧箱です。


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スリーブを外すと黒色の箱が。その黒箱を開けると黒地の内装の台座にイヤホン等が収納されています。そして付属品が豊富の豪華さには購入し手にした時の喜びが増しますね。

 

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イヤホンが収納された台座の上側にはイヤホンケースが入った箱が。そのイヤホンケースを空けるとケーブル等の付属品入っています。

 

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付属品はトニカク豊富。シリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各3セットに加えフォームタイプMサイズ?が赤黒2種の2セット付属します。その内、シリコンイヤピMサイズ黒がイヤホン本体取付け済みで、他にはケーブル、クロス、SW用ピン、イヤホンケースです。A10K-U20Kの中価格帯として十分な付属品です。


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ビルドクオリティですが、TRI Starseaは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石の中価格帯は安心して購入でき、お勧めできると思います。

カラーバリエーションは青紫色のみですが、青にも紫にも角度によって違う表情を見せてくれるStarseaはその名の通り綺麗なシェルです。


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付属ケーブルは白(銀?)色の編込み銀メッキ銅線タイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様のKZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていますがこちらは通常の2ピンでリケーブルが可能ですね。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感は悪くありませんし、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。また、中価格帯に付属するケーブルとして十分な印象があり、そのまま使用できますし青紫のシェルとケーブルがその綺麗さを増し、一体感がありますので普段使いも可能ですね。

 

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※画像左からCCA CA16、TRI Starsea、BQEYZ spring1
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Starseaは先述の通りspring1より一回り大きくCCA CA16よりも一回り小さくなります。KZ ZAXやTrn V90Sよりも僅かにコンパクトなシェルとなりますが、本体に厚みがありますので体感ではほぼ変わらないです。

Starseaは特徴的なフェイスプレートが星空や深海を想像され他にはないインパクトを持っています。しかし実はカスタムIEM風の造形により装着感へ好影響を与えています。なによりもStarseaはシェル本体が樹脂製により重量が軽めというのが大きいですね。StarseaはカスタムIEM風のシェルの造形から耳への装着感は多少個人差を感じ、人を選ぶかもしれません。特に耳の小さな女性や子供では、不満を感じるかもしれません。

次にステムノズルはCA16同様にStarseaは細め。spring1やZAXのように太めのためにそれが影響するイヤーピースの圧迫感は感じません。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていてシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

最後に、シェル本体の形状や付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

Starseaはステムノズルが細めのため耳へは付属のイヤーピースでも装着感は悪くないのですが、少々音が軽く抜け気味となったため色々試してみましたが、いつものAET07ではなくスパイラルドット MSに交換し耳奥に栓をするように装着した形がみぃねこは一番しっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. TRI Starsea音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿しアンバランス接続です。

前回同様に中価格帯はZX507を基準としてレビューを行います。もちろんShanling Q1やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いを比較しました。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはスパイラルドット MSサイズ。付属ケーブルを使用し、SWはデフォルト(全off)です。

箱出して聴いてみた第一印象は「音の濃さがある整った中音域と刺さらない高音域。適度な低音域が心地よい」でした。

こちらも箱出し直後は低音にややボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。

高音は華やかさと煌びやかさがあり響きも良好です。強弱や小さな音も聴き分けられ、刺さりは感じない。

低音は量感十分で強さがありキレも良く締まりがある。ベースラインは追いやすい。

重低音の沈み込みの深さはそれ程ではありませんが十分な強さがあります。

中音は音の濃さを感じますが高音同様に小さな音や強弱を掴み易く解像感は良好。

ボーカルはクリアで滑らか。僅かにドライ気味ですが、自然な位置に感じます。

一言で云えば中高音寄りでややドンシャリに近いバランス。

補足すると、中音域は凹みを感じず、高音域や低音域は主張が強くない為に中音域の音の濃さを楽しめます。

もっと云えば、高音はシャリつくような華やかさではありませんが、十分な存在感を示し伸びの良さと響きの良さを感じます。

中音は音の濃さを感じられ響きが良く分離の良さが感じられ解像感も良好ですが、音数が多い曲ではボーカルと演奏が僅かに埋もれることがあります。そのボーカルはクリアで聴きやすく滑らかさがありますが音数が多い曲ではその良さがやや失われます。ただしバラードでは女性ボーカルとの相性は良くすっきりクリアに聴こえます。

低音は適度な量感ですが、芯がある強さが曲を下支えし心地良さを感じます。それ故に曲によっては中高音の華やかさが目立ち、物足りなく感じてしまうかもしれません。低音の解像感は良好で音の強弱は十分に掴め、質は良く所謂量感でお茶を濁してはいません。一聴すると低音のメリハリから低音域重視に感じますが、フラットに近いややドンシャリは、煌びやかで華やかな中高音域とリズミカルながらも低音域を強調させずにバランス良く表現し上手くまとめていると思います。

 
このバランスは以前レビューしたBQEYZ spring1の解像感の高い高音・中音をしっかりとした低音が支える音とは似て非なるものと云えそうです。というのもspring1は7層ピエゾによる滑らかで解像感の高い音を実現していますが、Starseaではknowles製フルレンジBAによってハイブリッドの弱点である各音域のつながりを自然に実現しています。

目指すところは同じだったのかもしれませんが、spring1の解像感を重視した音と自然ななめらかな音を実現したStarseaとはやはり違うと感じます。

二つの機種は非常にレベルの高いところでの話であり、もちろんKZ ZAXと比較するのは酷でしょうね。強いて云えばZAXはspring1寄りの考え方なのでしょう。

シャープで解像感の高いspring1と自然でなめらかなStarsea。どちらの音も間違いなく良い音と云えますが、ハイブリッドの音、低音がしっかりとしているのに高音・中音をマスクせずに華やかさを感じられる音。それが不自然と感じられる方もいらっしゃると思います。Starseaはそんな不自然さを感じ難い。上手くバランスを取った音と云えそうです。

今回spring1との比較になりましたが、spring2はボーカル表現が良いという評判ですので、そちらと比べた場合にはまた違った印象になるのかもしれませんね。

 

次に音質調整SWの効果ですが、残念ながら劇的な変化がある訳ではありません。

SW全offのデフォルトから全onへ変更した場合、音のメリハリが感じられデフォルトよりもドンシャリを感じられます。

一方ボーカル重視(SW1:off、SW2:on)の場合はより中音域が聴きやすくなりますが、多少不自然に盛った印象。

低音重視(SW1:on、SW2:off)の場合、中音と低音の間が前てベースラインが明瞭に出ますが、深く沈み込む低音とまではなりません。

個人的にはデフォルトが一番Starseaの良さを感じられる印象です。

 

TRI Starseaは低価格帯のようなやんちゃなドンシャリではなく、かなり明るい優等生として中音域の音の濃さがあるまとまった音質傾向と感じ、同じTRIブランドではi3程の尖がった個性は無いかもしれませんが、中価格帯の中で間違いないモデルと云えそうですね。

尤も、粗を探せば「定位」にやや不自然さを感じたりする場合がありますが、それでもこの価格帯やこのクラスのモデルにそれを厳密に求める方は野暮ってもんです。お持ちの国内外の有名老舗メーカー商品でお楽しみくださいますと幸いです。

 

まとめとして、TRI Starseaは好評だった同社i3とは狙う音質が異なるモデルと云えますが、どこかの音域を強調せずにバランスの良い音。間違いの無い音を聴かせてくれる中華多ドラハイブリッドモデルの、価格帯A10000-U20000の中でもお勧めのモデルだと云えますね。

 

蛇足ですが、以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

  

高音   spring1 ≧ Starsea ≧ CA16

中音   spring1 ≧ Starsea ≧ CA16

低音   Starsea ≧ spring1 ≧ CA16 (質感の順。量感はCA16が多い)

ボーカル Starsea ≧ spring1 ≧ CA16 

音場   spring1 ≧ Starsea ≧ CA16

 

 

4. TRI Starseaの総評

さて、TRI Starseaは中音域の音の濃さと各音域のつながりのなめらかさがあるフラットバランス寄りのややドンシャリは、これまでの中華中価格帯の多ドラハイブリッドとは異なる高音質イヤホンとまとめました。

そして付属品の豪華さはこれだけで完結できますし、中価格帯の中華イヤホンを初めて選ぶ際にその一本に相応しい一本としてお勧めできますし、ポピュラーなドンシャリイヤホンからの買い替えにもお勧めできます。

 

最後に、今回はAliExpressで昨年秋頃に発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年1月10日)はAliExpressやamazonで発売されており、AliExpressで12,000円程度で購入可能。フォロワー割やセールでは11,000円程度で入手可能です。一方amazonでは15,000円ですが、現在(2021年1月10日)クーポンで12,000円で購入可能なようですが在庫少…。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

Starsea
以下、SWデフォルト、付属ケーブル、イヤピ スパイラルドット MS、DAP ZX507
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

  

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンのレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Trm V90Sレビュー ※KZ ZAX CCA C12 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されているTrn V90Sについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのTRN Promo Discount Store(@TrnDiscount)のtwiter抽選企画で当選しています。twiterを始めて数年経ちますが初めて(まともなものが)当たりました(失礼)。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取扱がありますが、本国発送となっています。

 

 

 

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1. Trn V90Sについて 

Trn V90Sは昨年レビューしたCCA C12やKZ ZSXと同じ5BA+1DDの片側6ドライバを搭載する多ドラハイブリッドモデルです。今年は既にKZ系ブランドからCCA CA16やKZ ZAXの7BA+1DDの旗艦多ドラハイブリッドモデルが登場しレビューしていますが、Trn社もVXを同時期に発売しています。このVXは6BA+1DDの旗艦多ドラハイブリッドモデルとして登場しており、本ブログでもレビューしています。

その後、発売したこのV90Sはモデルナンバーから当初昨年発売したV90の後継機として中華で良くある「S」モデルとしてチューニング変更をして登場したと思いきや、実はBAドライバを1基増やして5BA+1DD多ドラハイブリッドモデルとしての登場でした。

ドライバ構成では昨年のC12やZSXが既に5BA+1DD多ドラハイブリッドモデルを発売しておりインパクトに欠けること。同社が先に旗艦多ドラハイブリッドモデルVXを6BA+1DDで発売していること。止めはKZ系で今年CA16とZAXが7BA+1DDのハイブリッドモデルを発売していることから発売当初殆ど話題に挙がりませんでした。

そのため購入者も少ない様子で、ネット上でも殆ど購入報告がありませんでした。そりゃあ先に7BA+1DDのCA16やZAXを。或いは6BA+1DDのVXを購入した方達はVXの尖ったな評価に対して、ZAXの好評さもあり態々同社の下位スペックの多ドラハイブリモデルに興味を示さないのも仕方がありません。

発売当初は6,000円台の価格も早々に4,000円前後の価格となり、AliExpressセールでは公式セラーが2,000円という投げ売りっぷり。今回はTrn社の惨敗と云えそうです。

先代のV90はC12やZSXのBAが1基多い格上スペックモデルと互角に戦えていたのですが、今年のCA16とZAXに対してはVXでも敵わない、そんな印象を個人的に感じています。

そんな不遇のV90Sも今回twiter企画で当選し入手できましたので、折角なのでレビューをしていこうと考えた次第です。

 

さて、今年は中華多ドラハイブリッドモデルが豊作となりました。エントリーモデルでは片側4BA+1DDのCCA C10 proが。ミドルクラスとして片側5BA+1DDのCVJ CSNとTrn V90Sが。ハイエンドとして片側6BA+1DDのTrn VXと、片側7BA+1DDのCCA CA16とZAXが発売されています。また、オールBAの複数BAモデルも片側5BAのKZ ASFや片側10BAのKZ ASXに加え、先日発表された片側8BAのCCA CS16と気になる製品が新発売された事になります。…皆さん忘れていませんか、今年前半はCOVID-19によって経済が麻痺していたんです。世界の工場、中国が止まっていたんです。しかし、中国のスピードは本当に凄い。働き方改革も大事だけど、他社に後れを取ってしまったらそれこそ失業の恐れがあって、最悪無収入ですよ。日本、いやもっとコアに云えば企業はCOVID-19の混乱から政府のいう「働き方改革」とセットで考えるなんて風潮がありますが、そもそも働き方改革って生産性を損ねず(労働力を変わらず搾取し)に競争力を維持(働いていない時間は対価をカット)する都合の良さが見え隠れしています。電通が典型ですね。

どうも中小企業のトップは横並び体質が多いように感じます。大手がやり始め、中小が追従する。親会社、大口取引先の意向を受けての対応なのでしょうけど。

未だ「労使」の「使」が強い日本では先進諸外国の様な「個」が尊重され「自己責任」や「成果主義」の文化が根付くには「親方日の丸」の文化、もっと云えば経済対策が公共工事なんていう昭和の対策が変わらない限り難しいのではないでしょうか。昭和の生き残りが権力を誇示する政治家達が変わらない限り利権やなんやらで変わらない。変えられない。

いつからこの国はこんな国に成り下がったのでしょう。

悲しいことですがそれでも、私達は働かねばなりません。それは生きるために。そして未来を紡ぐために。だけど、それには自己犠牲なんて1ミリも考えなくても良いんです。誰かがやらなければなんて考えなくても良いです。それを考えるのはこれを読んでいる貴方ではなく、貴方の何倍もお金を貰っている政治家や経営者の責任、いや義務です。悲しいことですが一般人の私たちは人生の限りある時間を消費しその対価を得ているだけにすぎません。それがライフワークバランスでありそれの本質だと私は思います。

 

閑話休題

このV90SはV90の後継機として、それの改良型を想像していましたが、一聴して「そっちですかぁ」と落胆しました。というのも少し先に発売されたTrn VXの音に近く、昨年発売したTrn V90とは異なる音に感じたためです。KZ系は良くも悪くもその系譜の音というものを感じますが、V90SではV90の良さを捨て去り、VX寄りの音に寄せています。

個人的にV90Sは同社の今年発売モデルTrn STMやVXと同じ傾向の音づくりに感じます。

具体的には「ちょっと高音が強いバランス」です。KZ系のハイブリモデルは良くも悪くも高音と低音の強さのバランスが整っていて、やや低音が強いバランスです。そのため聴いていて心地よさのあるドンシャリです。一方最近のTrnは高音の方が明らかに強い。推測の域を出ませんが高音を強めにして解像感を演出しているのであれば、逆効果だと感じます。例えば女性ボーカルを聴かせたい場合に中高音を凹ませずにはっきりさせる場合がありますが、これはそうでもないです。単純にしつこい高音はしつこい低音よりも人を選ぶと思います。

 

とはいえ、昨年のZSXやC12以降中価格U10000の多ドラハイブリッドモデルが実に半年以上発売されておりませんでした。それが今年後半は各社怒涛のラッシュです。その波に乗れとばかりにTrnの新商品、多ドラハイブリッドイヤホンはそれでも魅力的に見えます。

だって、昨年もKZ ZSXやCCA C12の陰に隠れたTrn V90の後継機、V90Sが5BA+1DDとしてパワーアップして登場した訳ですから。

 

※KZ ZAXやCCA C12の過去記事もよろしければご参考ください

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いつも通り前置きが長くなりましたが、期待の中価格帯多ドラハイブリッドモデル、Trn V90Sを入手しましたので、昨年の注目モデルで5BA+1DDモデルのCCA C12と7BA+1DDモデルのKZ ZAXとの違いを含めながら、レビューを纏めていきたいと思います。

 

Trn V90SはカスタムIEM風のデザインが採用されていて、KZ ZAXやCCA C12のオーソドックスなデザインとは異なります。シェル本体はオール金属製とZAXやC12のフェイスプレートとステムノズルが金属でシェル本体は樹脂製とは異なります。サイズ感はV90Sがフェイスプレートが大きいためにやや大きく見えますが、ほぼZAXやC12と同じです。肝心の耳への収まりはカスタムIEM風デザインにより良好で、ZAXやC12で問題ない方は苦労することは無いと思います。そしてオール金属製シェルが特にC12との音質傾向とどのような違いがあるのか気になります。

 

Trn V90Sのスペックは先述の通りCCA12とドライバ数が同じですが、その構成が異なります。搭載ドライバは低音域用のダイナミックドライバにVXと同様の10mm径のデュアルマグネティックダイナミックドライバを。BAはV90同様に30019シングル2基が高音域を担当しステムノズル部に配置。同じくV90で採用した50060デュアル(2BA)1基とシングル1基が中音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しています。単純にV90の構成からダイナミックドライバをVX同様の新型デュアルマグネティックダイナミックドライバに変更し、中音域用のBA、50060を1基増やしたと云えます。

ZAXの搭載ドライバは低域用ドライバをCA16同様に7mmデュアルマグネティックを採用した新型ダイナミックドライバで、C12の10mmから小型化されています。BAは定評がある30095シングル1基が高音域を担当しCA16と異なりZSX同様にステムノズル部に配置。新開発50024デュアル(2BA)2基が中高音域を担当しこちらはCA16同様にダイナミックドライバに並列に配置。更にCA16と異なり中音域用に30019シングル(1BA)2基がダイナミックドライバに並列配置され、低音域を前述のDD1基が担います。

C12の片側5BA+1DDドライバ構成は低域用ドライバを10mmデュアルマグネティックドライバを採用しています。BAには定評がある30095シングル1基が高音域を担当しステムノズル部に配置。こちらも定評のある50060デュアル(2BA)2基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しており、中音域重視が窺えます。そのC12が高音域30095シングル1基に中音域50060デュアル(2BA)を2基とDD1基の構成で、V90Sの高音域30019シングル2基に中音域50060デュアル(2BA)1基と同シングル1基の計3基とDD1基の構成からはV90Sの方がBAの搭載数から高音域をより重視していると推察できます。

特にそれぞれの高音域に採用したBAが30019と30095という違いも見逃せません。

この辺りは実際に聴いてみない事には判りませんが、V90Sへの期待感が高まります。

 

次に、先述の通りKZ ZAXは片側8ドライバ、7BA+1DDモデルで搭載するBAの種類が増え、一部異なるとともに、更に搭載位置も工夫されています。ZAXではC12の様にステムノズル内に1基配置しています。V90Sが、高、中、低音域を2BA+3BA+1DDの3way方式。C12が高、中、低音域を1BA+4BA+1DDの3way方式としていたものをZAXでは1BA+4BA+2BA+1DDの高、中高、中、低音域の4way方式と更にスペック上理想的なドライバ構成です。

とはいえ、3wayや4wayとこれまで世の中に送り出された中価格多ドラハイブリッド中イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となります。このチューニングポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

Trn V90Sの納期は流石の国内amazonのようにはいきません。AliExpressのセールに重なりながらも約2週間と従来同様の、いやむしろ早めと云えそうです。それでもまだAliExpressの中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

  

2. Trn V90S実機レビュー

それでは、早速Trn V90Sの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはいつものTrnのシンプルなスリーブタイプで白を基調とした化粧箱です。


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外箱のスリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されています。

イヤホンが収納された台座の下側にはケーブル等の付属品が入っています。

 

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付属品はいつものTrnの低・中価格帯商品と同様のシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セットが付属します。その内、シリコンイヤピMサイズがイヤホン本体取付け済みで、他にはケーブルです。A5K-U10Kの中価格帯としては少々寂しい付属品ですが、個人的にこれまで同様本体にコスト全振りは嫌いではありません。


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ビルドクオリティですが、Trn製品を購入した際に音よりも先ず中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りを心配します。今年購入した製品でも何かしらやらかしますが、今回はアタリでした。綺麗に仕上げられていると思います。しかし、ネット上の評判ではやはり色々とあったようですね…。

カラーバリエーションは赤色と黒色の2種で、今回は赤色にしました。

 

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付属ケーブルは最新のTrnに付属する茶色の編込みタイプで、4芯単結晶銅線(OCC)タイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでメーカーロゴがさりげなくあります。イヤホン側はKZ-Cタイプ(2ピン)、もちろんKZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていますのでリケーブルの際には注意が必要です。私は気にせず2ピン仕様を使っています。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。また、中価格帯に付属するケーブルとして力不足の印象があるものの、そのまま使用できますし落ち着いた色合いの本体とケーブルとの一体感があり普段使いも可能ですね。

 

※画像左からCCA C12、Trn V90S、KZ ZAX
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V90SはV90同様に丸みがありカスタムIEM風の造形で、C12やZAXの方がシェルの造形がシンプルで本体の厚みがあるため、コンパクトに見えます。まあ、実際にはやや小さい程度ですね。

V90SはV90の丸みのあったフェイスプレートとは異なりVXにのように平面的です。装着感はカスタムIEM風の造形が好影響を与えていますし、実際装着感は良好です。C12やZAXではステムノズルとフェイスプレートが金属でシェル本体が樹脂製ですが、オール金属製のため重量は比較的重めとなります。それでもV90Sのオール金属製シェルはそれらよりも重量感がありますが、耳への装着感は軽く、重量の影響はあまり感じません。そのため人を選ばずに使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で不満を感じることはないのではと思います。

次にステムノズルはV90Sはやや短く細め。ZAXやC12が太く長く感じますが、中華イヤホンでは一般的なサイズです。そのため太さに影響するイヤーピースの圧迫感は感じません。ただし、ステムノズルの角度が一番寝ていて、人によってはイヤーピースの選択がシビアになってしまうかもしれません。(後述しますが実際結構苦労しました。)

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていてシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

最後にV90Sはステムノズルがやや細く短め。更にやや寝ているため耳へは付属のイヤーピースでも装着感は悪くないのですが、少々音が軽く抜け気味となったため、いつものAET07も試しましたが上手くいかず、ディープマウントやフォームタイプも試しました。そして最終的にSedna EarFit Mに交換しやや浅めに蓋をするように装着した形が一番バランスが良くしっくりきました。Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めでありV90Sのステムノズルが短めの場合に丁度良くなります。

低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

なお片側6ドライバ、5BA+1DDの性能を活かすために付属ケーブルからTrn T4、8芯OCC線へリケーブルしています。

 

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3. Trn V90S音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿しアンバランス接続です。

前回同様に中価格帯はZX507を基準としてレビューを行います。もちろんShanling Q1やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いを比較しました。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSedna EraFit Mサイズ、Trn T4ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音がシャキッとした高音中音域が華やかな音色のややドンシャリバランス。」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。

高音ははっきりとしていて煌びやかさ華やかさがあり響きが特徴的です。刺さるか刺さらないかのギリギリの強さが、曲によって尖りを感じる場合があります。

低音は量感は適度ですが、強さを感じます。キレや締まりは適度、ベースラインは適度です。

重低音は沈み込みの深さを感じ十分な強さがある。

中音は高音同様に華やかさがありますが、高音域程の強さはありません。

ボーカルはクリアでドライ気味ですが、自然な位置に感じます。

一言で云えば中高音寄りのドンシャリに近いバランス。

補足すると、高音域は一番主張があり低音域が相対的に控えめに感じます。それでも低音域はしっかりしていて高音や中音域よりも前に出るような主張ではないため、高音域が一歩前に感じられます。

もっと云えば、高音はシャリつくような華やかさで存在感を示し、伸びと響きのある音を感じられます。

中音は凹みを感じますが、華やかさがありボーカルのやや後ろの周りに位置し邪魔をしません。音数が多い曲ではボーカルに演奏の重なりをやや感じますが、それに埋もれることはなくクリアに聴こえます。そのボーカルはクリアで聴きやすく息遣いを感じられます。ただしバラードではドライ気味なため女性ボーカルとの相性を感じられる事があるかもしれません。

低音は適度な量感で強さがありますが、やや緩さを感じます。それでもTrnの低音は弾むような低音の傾向でそれをV90では感じましたが、かなり抑えられておりその反面量感は控えめに感じます。KZ系の低音には芯が感じられますが、このあたりは嗜好の違いとしてご参考程度に。

低音は高音に比べ前に出るような主張は控えめながらも曲を十分に下支えしており心地良さを感じますが、それ故に曲によっては中高音の華やかさが目立ち、物足りなく感じてしまうかもしれません。それでも低音は所謂量感でお茶を濁してはいませんので、一聴すると低音は控えめに感じ逆ピラミッドの印象となってしまいそうですが、量感で誤魔化そうとしない低音域は十分な強さがあり、華やかさのある高音と中音域で、やや高音強めのドンシャリに上手くまとめていると思います。

 
このバランスは以前レビューした5BA+1DDのCCA C12やKZ ZSXと比較した時に音の傾向はそのどちらでもなく、ZSXの音場の広さにC12の高音の強さと同社Trn VXの低音を改善した音。またはCCA C12の音場を広くして中音域を控えめにし、ボーカルを適度な位置にして低音を控えめにした音と云えそうです。

そして最新の7BA+1DDのCA16やZAXと比較した場合、異なるのは中低音域で特に暖かさを感じる音のCA16とは正反対の音づくりで、傾向が近いZAXにも音の広がりとシャープさには及ばず。加えて最も異なるのはその解像感です。一段下の印象です。

次に6BA+1DDの同社Trn VXと比較した場合、VXで感じた高音中音域の分離や解像感は特徴的で、一方では音に違和感を覚えましたが、V90Sではそれが無く、従来通りの多ドラハイブリッドの音であり良くまとまっていると思います。

また、一番の比較対象であるC12やZSXと最も異なるのは解像感で、中音域を厚くしたドライバ構成のC12やZSXでは中高音域の凹みを抑えられていますが、V90Sではその凹みを感じます。そのためボーカルは聴きやすいものの、よくあるドンシャリの中音域に留まった感があります。更に低音域では中高音の解像感を得るために量感を抑えた結果、高音域の強さが目立つ印象に。そういう意味ではやはり同社VXの改良型と云え、前作V90の後継機でありながらVXのフィードバックモデルと云えそうですね。

 

そのためC12よりもZSXの音が好きだけどもう少しだけ高音に鋭さと低音の主張が少ない音を探している方や兎に角多ドラで中高音寄りのバランスの音を求めている方には好評となるのではないでしょうか。

一方CCAの系譜でC10やCA16の様な大人しくも繊細さのある音が好きな方には違和感を感じてしまうかもしれません。

 

次に、ケーブルをT4からYYX4745へ交換。16芯銀メッキOFC線、2.5バランスです。

何故に?という事ですが、3.5mmアンバランス接続では少しパワー不足を感じたという、まあ思いつきです。

DAPには同じくZX507を使用しましたが、YYX4745の2.5バランスプラグに4.4変換を使用しています。

結果、これは正解でした。高音と低音の主張のバランスが良くなり、高音の主張が適度になり、低音は量感が増え解像感が増し、音の強弱が聴き分けられます。ボーカルを邪魔せずに演奏が一歩後ろその周りにいる。かなり好印象です。

尤も、ZX507はZX300からアンバランスが強化されたと云っても、やはりバランス接続の方が音が良いということも影響していると考えます。

さて、V90Sは再生環境を選ぶようです。もしもスマホ直挿しやエントリークラスDAP等のアンバランス接続で聴いていて高音が強すぎると感じた場合にはポータブルアンプを使用したり、ミドルクラスDAPのバランス接続にすることで、バランスの良い本来の音を楽しめそうですね。

 

まとめとして、Trn V90SはKZ系の音とは異なりKZの後追いではなく新しいTrn系の音を目指し試行錯誤している、そんな印象を受けました。その理由として昨年までの分かりやすいドンシャリとは異なる今年の音づくりを感じられるからです。

ですが、このV90Sは再生環境によってかなり印象が違う音になるため、これだけで満足する音ではないというのはやはりマニア向けと云えます。一般層にもKZ ZSTが売れたのはスマホで音楽を聴くのに1,000円のイヤホンが凄い!だったからですよね。

邪推かもしれませんが、Trnは国内外有名メーカーのハイエンドモデルの音に寄せた音を目指しているのかもしれませんね。個人的にはその完成にはまだまだ時間が掛かりそう、そんな気がしますし、完成したとしても10万円の中華イヤホンには手を出さないと思います。中華イヤホンには純粋にコスパを求めますし、それを楽しみたいので。

 

蛇足ですが、以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   V90S ≧ C12 ≧ ZAX (単純な強さの順)

中音   ZAX ≧ C12 > V90S

低音   C12 ≧ ZAX > V90S (単純な強さの順)

ボーカル C12 ≧ ZAX > V90S

音場   ZAX ≧ V90S ≧ C12

 

 

4. Trn V90Sの総評

さて、Trn V90Sは高音域をややフォーカスし高音と中音域に華やかさのある中高音寄りのドンシャリイヤホンとまとめました。

そして従来からの中華イヤホンファンにも安心のドンシャリはライバル機とは異なる傾向を楽しめる一本として楽しめる一本となっています。

もっと云えばKZやCCAとのライバルとして不足の無い商品でありますが、既にZAXやCA16が発売されており、今更感があります。去年の暮れ又は今年の初めに発売していれば、ZSXやC12のライバル機としてお勧めできる存在になったのではと個人的に思う次第です。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年11月23日)はAliExpressやamazon(中国発送)で発売されており、一足先にAliExpressで4,000円台で購入可能。ブラックフライデーでは2,000円で入手可能です(これは本当にその値段でセールするかわかりませんけど)。一方amazonではまだprime扱いはなく6,000円前後を想定しています。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

V90S
以下、ケーブルT4、イヤピSedna EarFit M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (低音好き★4)
※☆0.5、★1.0

 

C12
以下、ケーブルYYX4761、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

ZAX
以下、ケーブルT4、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0 

 

V90S ※参考
以下、ケーブルYYX4745、イヤピSedna EarFit M使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0

 

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

final VR3000レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をお休みし国内メーカー、finalから発売されたゲームやVR動画の音声に特化したイヤホンとして発売されたVR3000についてレビューをまとめたいと思います。

発表と同時にメーカー直販ページで予約し無事に発売日に入手できましたが、現在は2時予約受付と販売在庫がない様子です(2020/12/5現在)。

以下メーカー直販ページです。

 

final-audio-design-directshop.com

 

勿論、国内イヤホン&ヘッドホン専門店大手で取り扱いがあります。

 

www.e-earphone.jp

 

 

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1. final VR3000について 

finalブランドは2007年に設立したS'NEXT社のオリジナルブランドとしてEシリーズ等のヒット商品を生み出し販売しています。そのfinalブランドにはイヤホンやヘッドホンのハイエンド機からエントリー機と幅広くラインナップがあり、前述のEシリーズ、E2000やE3000は5,000円以下の予算で選ぶならば最初に聴いてほしい外せない商品として定番化しておりますが、このEシリーズに2年前E1000というエントリー機が追加されました。

E1000が誕生した経緯も同社のこだわりが感じられ、マーケットとしてもそれは正解であったことは記憶に新しく私も本ブログでレビューしています。

 

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そしてE1000発売から半年強後、今度はE500を発売しています。

そのモデルナンバーからE1000よりも更にエントリー?ではなく、VR動画やゲームに特化したイヤホンとしての登場です。これには正直驚きました。E1000よりも更に安価でありながら特定のコンテンツに向けた製品の発売。確かに巷ではASMRが話題となりましたし、youtube等で動画視聴が当たり前の時代です。もうTVは地上波を観るハードではなく、ゲーム、youtubeNetflix等のコンテンツを楽しむ端末の一つでしかなくなっています。

そういう意味ではやはりE500の潜在的ニーズがあったことは間違いなく、発売から早々に販売数を伸ばしました。他社もゲーム用等と銘打ち販売していましたが、その価格の安さも追い風になったのは間違いないでしょう。かくいう私も初めに1本買った後、追加で1本、また1本と結局3本持っています。

E500の凄さはやはり音楽を聴いてもボーカルの映える音というところも見逃せませんが、動画視聴時の音声が聴きやすくしているところです。そして画面に映っている人の声や音は勿論ですが、画面外の存在の音、人の声や効果音がまるで自分が画面の中にいるように感じられる定位の良さです。特にバイノーラル録音された音源を聴くと第三者視点の仮想空間から現実の世界に自分が居る様な錯覚を感じられます。

個人的には主にスプラトゥーン2というゲームで使っていますが、動画同様に定位の良さが気に入っています。

そんなE500の上位モデルとして今回VR3000が新発売されたとなれば、即予約するのは仕方がないですよね。

 

VR3000ですが執筆時点で初回入荷分は完売のようで、次回は12月下旬頃のようです。1本8,000円のイヤホンが売り切れって凄いことです。だって一般的に音楽を楽しむ殆どの方はスマホに付属しているイヤホンを使っているようにそれには拘りがないものです。それが壊れた時や無くした時などに変わりのものを購入しようとして、「良い音がしますよ」って紹介しても「価格8,000円です」ってところで「高い!」「他にはないの?もっと安いやつ」となるのが一般的な反応です。

そこで前述のfinal Eシリーズ、E2000やE3000が定番として売れる訳ですね。

というのも、大きく分けてPOPSにはE2000が4,000円。クラシックにはE3000が5,000円。イヤホンに4,000円以上は…という方にはE1000が3,000円と盤石のラインナップです。そしてゲームや動画にはE500が2,000円と破格。

ではVR3000はどこがターゲットなのかというと、やはりEシリーズで興味を持った一般層に対して「もっと(用途に合った)良い音がするものは無いの?」という要求を満たす製品群としてEシリーズフラッグシップのE5000やE4000もありますが、最新のAシリーズ、A3000やA4000と、このVR3000と云えると思います。

そしてE5000の予算を出せる方にはBシリーズも視野に入ってきますね。Bシリーズは特に聴きたい音楽に合わせた音質を得られますし、何よりも使用しているドライバーがE、Aシリーズのダイナミックドライバーと異なりバランスドアーマチュアを採用(B1のみダイナミック型とバランスドアーマチュア型のハイブリッド)しており解像感の高い繊細な音を聴かせてくれます。

話が少しそれましたが、finalのイヤホンラインナップも簡単に説明したところで、本題のVR3000について深堀します。

 

VR3000は前述したVR動画やゲーミングイヤホンとしてのE500の実質的な上位モデルです。実はこのE500とVR3000の間にもう一つEVA2020というコラボモデルでありながら3Dイヤホンを謳う商品があります。

当初E500のコラボ版と予測していましたが、実際に手元に届いたものはシェルがE1000の形状に近く、聴いてみると確かにE1000の音とは異なりE500の音。もっと云えばE500をもう少し空間表現を広くしたモデルでしたが、その差は大きくなくE500を持っていれば買替はコラボ先のファンでもない限り不要かなという印象です。

そのため、今回のVR3000はEVA2020の二の舞ではなく、実質的な上位モデルとしてシェル形状や新型ダイナミックドライバーをA4000やA3000同様に採用。A4000、A3000ではケーブルを2ピンでリケーブル可能としていますが、VR3000ではマイク付きのリケーブル不可モデルとしたシーンに合わせた商品としています。もちろん価格との兼ね合いもあったでしょうし、マイク有り無しモデルの併売等も検討された筈ですが、それでも8,000円を切る価格という事にイヤホンマニアとしても特にゲーム好きとしても敬意を表したいと思います。勿論一般購買層からすれば「高っ」ってなりますけど。

 

さて、VR3000はシングルダイナミックドライバを搭載しリケーブルこそ不可ですが、ゲーミング通話や昨今のWEB会議等でも使用できるマイク付きイヤホンです。

これまでのE500というかEシリーズやEVA2020はオーソドックスな円筒型シェルでしたが、VR3000は先述の通りAやBシリーズ同様に耳掛け式、所謂シュア掛けモデルですので装着安定性は高く長時間の使用も楽ですね。

 

 

2. final VR3000実機レビュー 

それでは、早速final VR3000の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはEシリーズ同様の化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストがプリントされ、裏にはスペックが記載されています。


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箱を開けると透明プラの台座にイヤホンや付属品等が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがSS、S、M、L、LLの5種各1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み、他にはイヤーフック、収納ポーチです。国内中価格A5K-U10K帯としては必要十分の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、流石の国内メーカーです。安定しています。勿論万が一瑕疵があっても初期不良で直ぐに交換してもらえます。またイヤーピースはサイズ及び左右を見分けやすいように軸が色分けされています。シェルのカラーバリエーションはありません。


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ケーブルは黒色のストレートタイプで左右イヤホンの分岐部にはスライダーのあるE500等でも採用されているリケーブル不可タイプといえば伝わりやすいですかね。ケーブルはマイク付きですのでプレイヤー側プラグは4極仕様でL字タイプです。このケーブルは耳への装着性や使用感は悪くないですが、タッチノイズが多少ありますのでシュア掛け用で使用することで抑えられます。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり質感が高く黒色ケーブルの落ち着いた色あいは普段使いでも気にならないですね。

このシュア掛けを安定させる為にイヤーフックが付属しており、このイヤーフックはロック機構付きでズレが無く、安定した装着感を得られるようになっています。どうしても耳に上手く掛けられない場合に、イヤーフックを使用してみてください。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができます。

 

※画像左からA4000、A3000、VR3000

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※画像左からE500、EVA2020、VR3000

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VR3000はAシリーズ系のシェルの造形で2ピンコネクタが採用されております。勿論Eシリーズとは全く異なるシェルの造形です。

個人的にはE500の円筒型はサッと装着できて使い勝手が良かったのですが、イヤーピースで固定する装着であり手元のコントローラーのジャイロ操作中にズレてしまい装着が安定しないことが難点でした。VR3000はこれをシュア掛けもそうですが、シェルの造形により接触面積を限定する形状によりイヤーピースとシュア掛け、更にカスタマイズしたかのような装着感によって激しいコントローラー操作によるズレを防いでくれます。

また、ステムノズルにはメッシュフィルターがあり異物の内部侵入を防ぐことができ故障リスクを下げられます。

注意点としては、シェル本体の形状はシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方はVR3000やAシリーズ、Bシリーズなどで試着をしてみてください。

なお、VR3000は付属final Eタイプ Mサイズで奥に栓をするように装着する形でしっくりきました。中華イヤホンでは付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じる事が多いのですが、アフターマーケットのイヤーピースとしても装着感の評価が高いfinal Eタイプは流石です。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)。

 

 

3. final VR3000音質レビュー

それではいよいよVR3000の音質についてまとめていきます。

今回の再生環境は任天堂switchをモニターへHDMI出力しモニターのヘッドフォン出力へ直挿し(アンバランス接続)です。

これまでのようにDAPを基準としたレビューとは異なりますので、ご容赦ください。

 

通常の低価格帯イヤホンのレビュー等でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

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それでは実際にスプラトゥーン2をプレイしてみます。

先述の通りイヤピはfinal Eタイプ Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しでプレイしてみた第一印象は「中低音域がクリアで聴きやすく、特に定位がしっかりしている。」でした。

E500よりも低音域がはっきり聴こえますが、膨らむ低音ではなく締まった音。中音はインクの射撃音が聴き取りやすく、何処から撃っているのかを掴みやすい。特に背後の音を背後にいると感じられる定位は驚きを隠せませんでした。

音場はやや広く、スプラトゥーン2のように広く高低差のあるステージでの索敵がし易い印象です。

その理由として、これまでE500でも十分に感じていた定位がVR3000では別物のようにはっきりとしていて、例えばE500では横から聴こえた射撃音が、本当は自分の斜め後ろにいるという位の差があります。

もっと云えば、通常正面での撃ち合いを避け横や背後から攻撃がセオリーですが、それを想定した場合、仮に自分が気が付いていない敵が自分の横から攻撃してきた際に画面に映りこまない敵の位置をその射撃音で特定することが容易になります。

これはとても重要なことで、「大体あの辺にいる」から「そこに居る」となり、「近づいてきている」「離れてきている」という従来のE500の情報量では「横の辺りから射撃音が聴こえるから横から来る」と判断するところを、VR3000では「斜め後ろから来る」と認識することができます。また、高低差はもっと顕著でE500では「前から来る」「後ろから来る」と判断したものが「前方の高台から降りて来る」「背後の台下から登ってくる」というように具体的な位置の特定をし易いのです。

勿論上手いプレイヤーはそれをプレイ経験の多さやセンスで予測することでカバーできますが、私の様な凡人には中々真似できません。「来る!」と思って弾幕を張っても「あれ?居ないのか」となり無駄弾でインクを消費している間に、横や背後から倒される。こんな経験を皆さんもあるのではないでしょうか。

これを防ぎ、上手いプレイヤーに近づくためには定位が重要なのです。

実際にプレイしていると分かりますが、シューターは正面を直線的に対応せざるを得ない状況の中でダイナモローラーの様な横にも広い範囲に弾幕を張ることができません。これらはブキの特性による相性調整などもある訳で、何度もブキ調整が入ってきましたが、結局のところ今回も最後は長射程有利の環境となってしまいました。下がりながら相手の射程外を維持し広い範囲に弾幕を張ることができるのはスプラトゥーン2では圧倒的に有利ですから。

そんな環境下でも短射程ブキの優位性を保つためにはプレイヤーも武器を纏う必要があるのは言うまでもありません。その一つの答えがVR3000だと云えます。

また、VR3000ではイカ潜伏による移動音も聴きやすく、移動の波打ちに加えその音が聴こえますので、潜伏索敵を怠らなければどこに潜んでいるのかを掴みやすくなります。潜伏索敵は本当に大切で上手いプレイヤー程、これを怠りませんし最も特徴的なのは不利な状況で単騎突っ込むプレイをしません。中盤を抑え込まれた不利な状況からは仲間の復帰とスペシャルが溜まるのを待ち、その間敵の位置を把握しその時を静かに待ち打開をします。稀に単騎突入で連キルし打開をするプレイヤーも居りますが、バーサーカー(SEED風に)か、X帯上位のサブ垢の人くらいです。凡人がまねできるものではありません。

尤も、上手いプレイヤーはボム等の破裂音に紛れて移動をしてきますので、それだけでは勝てるプレイヤーにはなれませんが。

トニカク、索敵が上手になるためにはそれをしやすくするのが上手いプレイヤーに近づき、勝てるプレイヤーになる為の近道に成り得ますので、普通のイヤホン、ヘッドホンでは得られない定位の良さをVR3000で纏う。これが勝てるプレイヤーへの近道ですね。

 

次にVR動画でもテストしてみました。

同社の直販サイト内にある動画を再生し試聴してみましたが、E500との違いは一言で云えば臨場感です。

自分がモニターの画像を自分の目の前に広がっている、まるでその場所にいるかのような感覚がありますし、リアルな仮想空間を体験できると云えるのではないでしょうか。

気になった方は是非VR3000を入手して、これまで使っていたイヤホンとVR3000を使い比べてみてくださいね。


一方で残念ながら「8,000円もするイヤホンなので音楽にもイケるだろう」とはなりません。音楽的にはボーカル帯域が聴きやすくなってはいますし相性が良い曲もあるのですが、これはやはりゲーミングイヤホンです。特定の用途に特化したイヤホンです。個人的には以前レビューした同社E1000の方が音楽的には良くできていると感じます。8,000円が2,000円に負けるわけないだろうと思われるのも無理はありません。しかし、E1000との比較ならば納得できなくても、E2000やE3000との比較ではどうでしょうか。5,000円以下のイヤホンで聴く音楽の方がバランスが良く聴いていて楽しいという評価になるのではないでしょうか。何事もバランスが大事なんですよね。

 

まとめるとVR3000は中・低音域の聴きやすさと定位の良さがありバイノーラル音声やゲームプレイではその本領を発揮する。用途特化型イヤホンとまとめました。実際にyoutubeNetflixなどでの動画視聴は捗りますし、長時間使用でも疲れにくいのが魅力です。

個人的にはスプラトゥーン2で使ってほしいイヤホンの本命としてお勧めです。

尤も一般的な音楽鑑賞では値段的にやや分が悪く、つまらない音と感じ評価が分かれてしまいそうです。

  

 

4. final VR3000の総評 

VR3000はfinalの新モデルとしてAシリーズ A4000やA3000の兄弟機とも云えますが、実際にはE500やEVA2020の上位モデルとして、トニカクVR動画やゲーミングに用途特化したイヤホンといえ、同列には語ることのできない戦略的な商品です。Razerのゲーミングイヤホンと競合する価格帯でもあり、昨今のeスポーツを支える定番ギアに成り得る、そんな未来が見えます。
 

最後に、今回は現在(2020年12月5日)市場在庫無しという売れ行きで二次予約を受け付けている状態と初動は最高の滑り出しです。一方で特化型イヤホンはそれ故にニッチな市場とも云えます。とはいえこれまでのゲーミングイヤホンと比較した時に決して劣ることのない品質は、その音質を含めクオリティは高く十分満足できる内容となっていますのでゲーミングイヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方はメーカー直販サイトや専門店などで予約して確実に入手できるようにしてみてくださいね。

 

あとがきとして、今回はいつもの中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく国内メーカーの新商品をレビューしてみました。日々進化を魅せる中華イヤホンに負けられない。そんな国内メーカーの意地に魅せられて記事をまとめてみました。

一方中華イヤホンのこれからも非常に楽しみにしています。今後も低価格?を中心に複数BA機や多ドラハイブリッド中華イヤホン等にも挑戦してきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

KBEAR LARKレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として低価格帯で発売されたKBEAR  LARKについてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもWTSUN Audio(@Zhuo520x)で取扱があります。

 

 

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1. KBEAR LARKについて 

KBEAR LARKはKBEARブランドの1BA+1DDハイブリッド最新モデルです。先日のKZ ZSN pro Xに続き低価格1BA+1DDハイブリッドモデルの紹介となります。前回KZ ZSN Pro Xを真打と紹介し2020年はこれ以上は無いだろうと予想していました。なのに、KBEARがやってくれました。はい、それがKBEAR LARKです。

KBEARは今年、低価格中華1BA+1DDハイブリッドモデルのKS2を発売しそちらも安定した音質が好評を得ておりますが、このLARKはKS2をより洗練した音づくりで魅了してくれます。

KBEARの音づくりはハズレの無い安定安心の音。その音づくりは適度な高音域と低音域に支えられた聴きやすい中音域が、そう感じさせてくれるのだと考えています。だからと云ってつまらない大人しい音なのかと云えばそれは違いあくまでも適度。この適度だからこその一聴して「あぁ音が良いな」と感じられるのだと思います。

一方、KZ社は以前のレビューでも触れた通り中華イヤホンファンには説明不要なトップブランドです。これまでに数多の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルを発売し、このブログでも紹介させていただきましたが、そのKZ社の代名詞はやはり「高音低音が元気で派手なドンシャリ」と云えます。

しかし、今年のKZは新しく「X」シリーズを展開しており、ZSN pro XやZST Xで新しいKZの音を「らしさ」を残しつつ、これまでとは違うKZを期待させ、それを裏切らないモデルとなっています。

実際に聴き比べればKBEAR LARKとZSN pro Xは狙う音が異なるのだろうという事を感じられ、同価格帯の他ブランドの低価格中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドモデルとしてどちらも頭一つ抜けていると感じます。

 

そのKBEAR LARKはKS2に続き発売され、そのKS2がバランスが破綻していないややドンシャリという音質傾向でしたが、ややもすれば凡庸なややドンシャリでした。というのも中音域はすっきしりし聴きやすさはありますが、やはり高音低音がしっかりした音づくりの為、低価格中華の数多のモデルに埋もれてしまいます。バランスが良い音なんですけどその分インパクトが足りないという長く愛される要素があるものの中華イヤホンはそのインターバルの短さから定番となるには至らず。メーカーもそれを意識したのか、LARKではKS2からの進化を窺えます。

箱出し一聴した瞬間から「これは違う」と感じられるインパクトがあります。

具体的には音質レビューの項で後述するとして、高中音域がすっきりとした明瞭な音。特に中音域、ボーカルが明朗な印象です。

もうインパクトがない(失礼)モデルとは言わせない。そんなメーカーの強い気持ちを感じられる音質傾向はバランスの良さはそのままに完成度の高さを感じられる音を聴かせてくれます。

 

そんな不遇のKS2の後継機として、登場したLARKは従来の安心安定だけではなくインパクトを与えてくれるKBEARの意欲作と云えそうですね。

 

というわけで今年7つ目の低価格1BA+1DDハイブリッドモデル、KBEAR LARKを同社KS2やKZ ZSN pro Xとの違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

KBEAR LARKのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルです。2つのドライバはダイナミックドライバには新型の直径10mmドライバを採用し中・低音域用に。BAにはカスタマイズBAを高音域用として搭載しています。

イヤホン本体はLARKのシェル本体が樹脂製。フェイスプレートとステムノズルが金属製と同様。KS2のステムノズルをン除く樹脂製シェルとは異なり、ドライバのハイブリッド構成と共にシェル素材のハイブリッド構成という低価格帯のスタンダードです。

以前ステムノズルの素材が金属製と樹脂製との違いによって音質傾向への影響をこれまでレビューした経験から、それが高音域に現れると感じていますが、多くの低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンでは高音域を担当するBAドライバがステムノズルの中に配置されており、音道管を使用していない為、高音域の伸びや響きに影響があると経験則で捉えています。

とはいえ最も大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

KBEAR LARKの納期としては今回AliExpressで購入し中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきません。今回もオーダーから数週間で届きました。昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. KBEAR LARK実機レビュー 

それでは、早速KBEAR LARKの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは従来のKBEARのシンプルなデザインの小箱とは異なりやや大きめのスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと黒地の内箱が。内箱は黒地の内装の台座にイヤホンが収納され、傍の黒い小箱に付属品が収納されています。その黒い小箱にはそれぞれイヤーピースとケーブルやイヤホンケース等の付属品が入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプと白色タイプのS、M、Lの3種が計2セットと、黒色タイプのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み。他にはケーブルとイヤホンケースです。U5K、実売3,000円以下の低価格帯としては豪華な付属品となります。またケーブルは後述しますが、KS2に付属の従来の銅線タイプから銀メッキ銅線のアップグレードケーブル相当に変更されています。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところはなく、近年のレベルアップを感じられ、ZSN pro X同様に綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションは黒色と緑色と紫色があり、今回は紫色を選択しています。


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付属ケーブルは先述の通りKBEARの従来の4芯銅線からアップグレードケーブル相当の銀(白)色の編込みタイプ、ケーブルスライダー付きで4芯銀メッキ銅線の線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はTFZタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも質感が高くそのまま使用できますし銀(白)色ケーブルはやや派手なところもありますが、シェルの金色と相まって普段使いでは少々目立ちますね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKS2、LARK、ZSN pro X 
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LARKとKS2、ZSN pro Xの外観の比較として、サイズはほぼ同じ。シェルの造形はLARKとKS2は同様で、ZSN pro Xが異なります。LARKがKS2の改良版であることが窺えます。

LARKとZSN Pro Xはステムノズルとフェイスプレートが金属製でフェイスプレートのデザインは異なります。こうなるとKS2のステムノズルを除く樹脂製シェルが一番軽量です。それでも耳への装着時には殆ど気にならないレベルの差でしかなく、3機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さは3機種共にやや太め、角度も3機種とも同じとなります。

そのため耳への装着時には3機種共に装着感は良好ですね。

また、ステムノズルは全て金属製、もちろん全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げますので安心ですね。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りLARKはステムノズルは比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響があり、付属の黒色、白色イヤーピース共にMサイズを耳に浅めに蓋をするように装着する形がしっくりきました。

 

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そして付属イヤーピースでも音質に違いが感じられます。

黒色は傘が白よりも柔らかく、音質は中低音寄りで高音域と中音域の間、高中音域がすっきりし中音域と低音域の間が前に出ます。そのためボーカルは普通の位置でやや中音域に重なりを感じられますが、落ち着いた音色に感じます。

白色は傘が黒よりもやや硬く、音質は中高音寄りで高音域と中音域がすっきりくっきりとした分離感の良い音に。その分ボーカルはクリアでやや近く、低音域もやや弱く感じられかまぼこ型に近い音色の印象になります。

装着位置は両方変わらず、サイズも同じですのでイヤーピースの影響と云えます。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のイヤピ白色で十分と感じられそれを使用しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. KBEAR LARK音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling M0をメインに基準としてレビューを行ってきましたが、前回同様にQ1にて行います。以前Shanling M0とFiiO M5の比較や、M0とiPhone6sの比較を行っており、それぞれの違いもありますが、今後は新型のSHANLING Q1で比較しますので、ご容赦ください。

M0とQ1はDACやアンプ等の主要のスペックには変わりがありませんが、聴き比べるとQ1はM0よりも低音が豊かに感じます。どちらもバッテリー駆動なのでM0よりもQ1の方が容量が増え電源供給に余裕があるからなのかもしれませんね。

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色Mサイズ、付属銀メッキ銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高中音域がくっきりとし中音域がクリアな出音でややかまぼこ型のバランス。ボーカルが聴きやすい音。」でした。

箱だしではやや低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

 

音場は広くも狭くもない普通。

高音は煌びやかさがあり華やかさがあるが、刺さりは感じない。

低音は適度な量感があり芯が感じられ締りとキレがある。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みはそれほど深さを感じないが強さはある。

中音は適度な華やかさはゴチャつかず分離感が良くすっきりしている。ボーカルはクリアでやや近く自然な位置から聴かせてくれ、曲によってやや近く感じ聴きやすい。

一言で云えば中高音寄りのかまぼこ型に近いややドンシャリ

高音は低音域に埋もれない存在感のある煌びやかさと適度な華やかさがありますが、超高音までの伸びは感じないものの不快に感じる尖りはありません。

中音は凹みを感じず、楽器の音がボーカルのやや後ろその周りで埋もれずに聴く事ができます。ボーカルはクリアで聴きやすくやや前に感じられ、高音低音に埋もれません。

中音域の音に適度に華やかで心地良く、音数が多いハードな曲でも音の重なりは少なめ。それでいてちゃんとボーカルを引き立てている印象です。

ボーカルはバラード等ではやや近く感じ、アップテンポの曲ではややドライ気味ですが楽しく聴けます。そのためしっとりとした雰囲気を楽しみたい場合に多少相性を感じるかもしれません。

低音は適度な量感があり、決して弱くなくしっかりしておりますが、支配的ではなく不足のない十分な量と芯のある音で締りとキレがあり強さがあります。重低音は十分な強さがあるものの深く沈み込む程ではありません。それでもこの低音がクリアな高音中音を適度な強さで支えることでKBEARらしさであるバランスが破綻していない音を聴かせてくれている印象です。

 
これは以前レビューしたZSN pro Xのドンシャリとは異なる音ではあります。そういう意味ではZSN pro XはKZの生命線である高音と低音を疎かにせずに聴きやすい音色がKS2の上位互換といえ、寧ろ従来のKBEARらしい音に近い音かもしれません。一方LARKはKZの音に寄せた訳ではなく、従来の適度な高音低音域に加え中音域をすっきりクリアに聴かせる音色を進化させた結果がこのかまぼこ型に近いややドンシャリというと云えるのかもしれません。その結果超高音域と重低音が多少犠牲になっているとも云えますね。

いずれにせよLARKの音質傾向は低価格帯のポピュラーなドンシャリとは一線画す音と言う印象です。

 

※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

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※以前のKBEAR KS2のレビューもご参考ください

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LARKは勿論KS2の中低音中心の音と異なるバランスです。特にKS2の方が低音域の量感が多く重低音は深さがあります。そのため、こちらの方が好きという方もおりますので一概にどちらが良い音とは云えませんが、少なくてもどちらも中音域を疎かにしていないKBEARの音と云えますし、LARKはより中音域が繊細に聴くことができます。

そしてKZ ZSN pro Xは全体のバランスが良く何でも対応できる優等生ですが、LARKの中音域には一歩及ばず。恐らくZSN pro Xは高音域と中音域の間を凹ませずにピークを持ってくることで従来のKZの強ドンシャリとは異なる中音域を疎かにしない聴きやすいドンシャリと、LARKが高音と低音を抑え気味にするも決して疎かにしたわけではなく中音域の聴きやすさを重視した音質傾向はメーカーの音づくりを如実に表した結果なのかも知れませんね。

LARKの音づくりは多ドラハイブリッドや複数BA機ではポピュラーなチューニングですが、従来の1BA+1DDハイブリッド機ではKZ ZSN pro Xの音がポピュラーだと思います。それ故にLARKの音質傾向はあまり例を見ないですね。

 
まとめるとLARKは中・高音域は煌びやかさ華やかさは適度な存在感を示しますが尖りは無く、低音域は重低音は適度でも強さと締まり、キレのある存在感は心地良く、けして出しゃばらない。中音域は音の華やかさ分離の良さとボーカルの聴きやすさを感じられる完成度の高さはZSN pro Xとリスニング用途として二強と云える低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンです。

尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求める演奏メインで聴きたい方には、少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまいそうです。

 

高音   ZSN Pro X ≧ LARK ≧ KS2 

中音   LARK ≧ ZSN Pro X ≧ KS2

低音   ZSN pro X ≧ LARK ≧ KS2 (量感はKS2が一番)

ボーカル LARK ≧ ZSN pro X ≧ KS2

 

 

4. KBEAR LARKの総評

さて、KBEAR LARKは中音域を重視しボーカルを聴くのに適したイヤホンであり、ドンシャリイヤホンと一線を画すイヤホンとまとめました。

そして付属品の豪華でこれだけで完結できるところからも初めて選ぶ中華イヤホンの一本に相応しく、もちろん従来からの中華イヤホンファンにもドンシャリとは異なる傾向を楽しめる一本としてお勧めできます。

もっと云えばLARKとZSN pro Xの二本を抑えれば今年発売した低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンは不要かもしれないと個人的な印象です。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年11月7日)はAliExpressやamazonで発売されており、一足先にAliExpressで3,000円台で発売され、プレオーダーやフォロワー割によって2,000円台半ばの価格で入手可能です。一方amazonではprime扱いの3,000を切る価格と、AliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

LARK

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAP Q1
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★★ (重低音重視の方★4)

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAP Q1
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★★ (ボーカル重視の方★4)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。これで通算31個目です。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

MEMT R1レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をお休みし低価格帯で発売されているMEMT R1についてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのHiFiHear Audio(@Qianqian_HRcase)から購入しましたが、現在は取り扱いが無いようです(2020/11/3現在)。

以下商品ページにレビューが残っています。

 

 

AliExpressでも取扱いのあるセラーがありますが、取扱いの数は少ない様子。

 

ja.aliexpress.com

 

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1. MEMT R1について 

MEMT R1ですが、そのブランドを調べてみたところあまり情報がなく詳細が分からないマイナーブランドのようです。MEMTで検索すればインナーイヤー型のイヤホンがヒットし、スマホの付属イヤホン代替え需要を狙う商品ばかり。それでもそのインナーイヤー型は結構評判が良いようで、そちらもちょっと気になります。

そして今回のR1は結局良く分からないままでしたので、同社のオリジナルというよりは何処かのOEM製品なのかもしれませんね。

さて、MEMT R1はシングルダイナミックドライバと思いきや、直列に2つのドライバを搭載するデュアルダイナミックドライバを搭載するイヤホンです。中華イヤホンの低価格帯と云えば、1BA+1DDハイブリッドモデルがポピュラーでありKZ ZSN Pro X等が音質含めその代表モデルと云っても過言ではないと思います。それもその筈、各社挙って1BA+1DDハイブリッドモデルを投入しており、本当の激戦区。いや、新陳代謝の激しい市場と云えます。

そんな中にそれとは異なる2DD構成のはやはり気になる存在であり、もっと云えばその綺麗な樹脂シェルは左右の色を変えており、カスタムIEMの様なシェルの造形も魅力的。

はい、今回は完全にパケ買いです。

当初1DDだと思っていましたから。ところが冒頭のMEMTを調べているうちに、2DDなのこれ!?と。

まあ、いつも通りの適当さが偶然見つけた原石に喜ぶ滑稽さは、俯瞰してみればなんと愚かなさまでしょうね。

 

というわけでいつもの中華低価格1BA+1DDハイブリッドモデルとは異なる2DD、デュアルダイナミックドライバモデルを手に入れましたので、これまでにレビューしたKZ EDX(1DDモデル)や Trn IM2(シェルの造形が似ている)との違いを交えながら、MEMT R1のレビューを纏めていきたいと思います。

 

R1のスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルとは異なり、片側デュアルダイナミックドライバモデルです。

2つのダイナミックドライバの詳細も不明ですが、出音は素直な音がして結構良い音を奏でてくれたのには驚きました。

※この時点で奇をてらった製品ではないと考えを改め本気モードへ。

 

イヤホン本体はKZ EDX同様のオール樹脂製。Trn IM2はステムノズルが金属製となります。R1はオール樹脂製といってもEDXのような大量生産を意識したシェルとは異なる製法となりますので、それなりにコストは掛かっていますね。

 

次に音質への影響ですが、以前ステムノズルの素材が金属製と樹脂製との違いによって音質傾向への影響をこれまでレビューした経験から、それが高音域に現れると感じています。多くの低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンでは高音域を担当するBAドライバをステムノズルの中に配置し、音道管を使用せずに開放型としている為、高音域の伸びや響きに影響があると経験則で捉えています。

R1では樹脂シェルのステムノズル直下に直列デュアルダイナミックドライバを配置していますが、これがかなり考えられていてドライバのステム側に凸のカバーが取り付けられていてその凸の先端が出口となりステムノズル開口部に徐々に広がりを持たせたトンネルのような構造にしています。つまりR1ではこれが音道管の役割をしていることになり、音道管をそもそも使用していない低価格帯のハイブリッドモデルのスタンダードな仕様とは異なります(Trn IM2は音道管を採用)。

これがR1の音づくりにどのような影響をもたらしているのか気になりますね。

 

MEMT R1の納期としては国内amazonからの発送という事もあり、当日発送、翌日配達と流石の国内amazonです。(いろいろ問題もありますが)日本の物流の雄に変わりはありませんね。AliExpressの物流もまだまだ感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきません。最近はシンガポールではなく台湾経由となっていたり。それでも平時程ではありませんが回復してきているのを実感します。尤も平時であればAliExpressでも早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. MEMT R1実機レビュー 

それでは、早速MEMT R1の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはKZやTrn社のシンプルな箱とは異なるカラフルで鮮やかなデザインのスリーブタイプ化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストがプリントされ、裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座を取り出すとケーブルが。付属品は箱の下側に収められ、イヤーピースや収納ポーチが入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み、他にはケーブル、収納ポーチです。U5Kの低価格帯としては必要十分の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、数年前までと比べると安定してきていると思います。非常に綺麗なシェルです。イヤホン右が赤色、左が青色となり左右も見わけもし易いです。カラーバリエーションはなし。


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付属ケーブルは黒色の編込みタイプでTrn社の付属ケーブルっぽいといえば伝わりやすいですかね。付属するケーブルはマイク付きですのでプレイヤー側コネクタはL字タイプの4極仕様です。イヤホン側はKZタイプC、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも質感が高くそのまま使用できますし黒色ケーブルは落ち着いた色あいは普段使いでも気にならないですね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けは結構癖があり、どうしても耳に上手く掛けられない場合に、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

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※画像左からIM2、R1、EDX

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R1とEDX及び、IM2の外観の比較として、R1とIM2のサイズ感はほぼ同じ。シェルの造形もほぼ同様です。尤も、IM2はステムノズルが金属。イヤホン側コネクタもKZ-Cタイプではないものですが、ベースのシェルの造形は同じものと考えられます。他メーカーでもこれだけ造形が一致するのはやはりOEMなのか、汎用シェルなのかなと。

IM2のステムノズルが金属という事以外、R1とEDXはオール樹脂製シェルとなりますが、EDXのオール樹脂製が一番軽量です。R1やIM2を含めそれでも耳への装着時には殆ど気にならないレベルの差でしかなく、3機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さはIM2が意外にもやや細め。これは低価格ハイブリモデルの中でも音道管を採用していることから細くすることができていると云えます。角度はEDXが一番寝ていますが、耳への装着時には3機種共に装着感は比較的良好です。

また、ステムノズルも三機種全て先端にメッシュフィルターがあり異物の内部侵入を防ぐことができます。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、R1のステムノズルが比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響がありますが、付属のイヤーピースは思ったよりも低音が抜け気味。仕方ないのでfinal Eタイプ TWS用Mサイズを浅めに蓋をするように装着する形でしっくりきました。低価格帯では付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じる事が多いのでお気に入りイヤピを用意されると良いと思います。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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そして付属ケーブルはマイク付きという事もあり、以前購入した中華イヤホンのおまけで頂いた銀メッキ銅線へリケーブルしました。恐らくKZのアップグレードケーブルかと。

流石にマイク付きケーブルの4極プラグをDAPに接続したくありませんので。

例えばFiiO X3IIIはマイク付きケーブル対応ですが、…ねぇ。

 
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イヤホン赤青とケーブルの白(銀?)色がそれぞれ綺麗ですね。

 

 

3. MEMT R1音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling M0やFiiO X3markIII(以下X3III)を基準としてレビューを行ってきましたが、前回同様にQ1にて行います。これまでにShanling M0とFiiO M5の比較や、M0とiPhone6sの比較を行っており、X3IIIへ移行も考えましたが、初心に帰りSHANLING Q1で比較しますので、ご容赦ください。

M0とQ1はDACやアンプ等の主要のスペックには変わりがありませんが、聴き比べるとQ1はM0よりも低音が豊かに感じます。どちらもバッテリー駆動なのでM0よりもQ1の方が容量が増え電源供給に余裕があるからなのかもしれませんね。

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはfinal Eタイプ TWS用Mサイズ、銀メッキ銅線にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「自然な出音でバランスの良いややドンシャリ。ボーカルは聴きやすく、クリアで聴きやすい音。」でした。

箱だしではやや低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は煌びやかさがありますが華やかさは適度。刺さりは感じません。

低音は適度な量感がありながら締りとキレは十分。ベースラインも追いやすい。

重低音は沈み込みは深さを感じ十分な強さがあります。

中音は華やかさがあり小さい音も聴き取れます。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ、曲によってやや近く感じ聴きやすい。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

もっと云えば、高音は低音域に埋もれない煌びやかさは存在感がありしつこくない華やかさは尖りを上手く抑えられていて、刺激的で聴きにくさを感じることはありません。

中音は演奏の音は重なりをやや感じますが、小さな音を埋もれずに聴く事ができます。ボーカルはクリアで聴きやすく高音低音に埋もれずに暖かく生々しさがあります。

中低音域を中心に高音がそれを引き立てる音は決して地味ではなく、寧ろ適度な華やかさが心地良く音楽を楽しめる印象です。惜しいのは音数が多いハードな曲で音の重なりを感じてしまいう場合があります。

ボーカルは暖かみを感じ伸びやかで生々しさを感じられ、バラード等の相性は良いものの、ハードな曲ではやや粗く感じられる事も。ポップスなどのアップテンポの曲では楽しく聴けますし、基本的にしっとりとした曲の雰囲気を楽しみたい場合に相性が良さそうです。

低音は適度な量感のため主張を強く感じませんが、それでも控えめという事もなくしっかりと感じられます。不足のない十分な量は締りとキレもあり適度な強さがある低音です。重低音は深く深く沈み込み響く低音ではありませんが十分。この適度な低音がクリアな高音中音を支え、中低音寄りのバランスの良い音を聴かせてくれている印象です。

 
これは以前レビューしたEDXのドンシャリと同じ傾向でありますが、もっとEDXは寒色寄りですので異なる音。ZSNをもっとマイルドにした音と云えば伝わりやすいでしょうか。高音は主張しすぎず適度に煌びやかに。低音は量感に頼らずしっかりと中高音を支えたドンシャリ。中音域をクリアに聴かせる、中音を重視した聴きやすい音であり、低価格帯のポピュラーなドンシャリとは違う音と言う印象です。

勿論IM2とは全然違う音。IM2はR1やEDXと比べれば、ザ・ドンシャリですから。

 

まとめるとR1は中・高音域は煌びやかさがあり適度な華やかさは出しゃばらず、低音域は主張しすぎず締まりとキレのある音で中高音を下支えする。中音域は華やかさの中にボーカルが暖かい聴きやすさを感じられるバランスは1BA+1DDハイブリッドとは異なる音で、低価格1BA+1DDハイブリッドの音が苦手な方に一度聴いてほしい音と云えそうです。

尤もこの中低音寄りのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求める演奏メインで聴きたい方には、もの足りないと感じ評価が分かれてしまいそうです。

 

高音   IM2 ≧ R1 ≧ EDX

中音   R1 ≧ EDX ≧ IM2

低音   R1 ≧ IM2 ≧ EDX (量感はIM2が一番) 

ボーカル R1 ≧ IM2 ≧ EDX

 

上記は比較対象がフェアではありませんので参考程度に。 

 

 

4. MEMT R1の総評 

MEMT R1はトニカク綺麗なシェルが目を引きますが、音もバランスも良い本当の優等生タイプです。中華イヤホンといえば高音シャンシャン、低音ドンドンの強ドンシャリを想像される方が多いと思いますが、このMEMT R1はあくまでも音源に対して自然な音を聴かせてくれます。
BAの刺さりとのトレードオフによる高音域の伸びはありませんし、中音をマスクするような重低音もありません。ハッキリ言って地味です。
それでもこのMEMT R1の音質は多くの音楽ファンを満足させられるのではないでしょうか。

 

最後に、今回は現在(2020年11月3日)AliExpressでは販売されており、AliExpressでは2,000円台の価格で。一方amazonでは取扱いが無くなっており、復活するのかわかりません。AliExpressでは安価に入手できますが、その入手性には特に現在難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

R1

以下、銀メッキ銅線ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★☆ 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回はいつもの中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく2DDの商品レビューをしてみました。日々進化を魅せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみにしています。今後も低価格?を中心に複数BA機や多ドラハイブリッド中華イヤホン等にも挑戦してきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

AUSOUNDS AU-FLEX ANCレビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンではなく、米国AUSOUNDS(オーサウンズ)ブランドのワイヤレスイヤホン、AU-FLEX ANCのレビューをまとめたいと思います。

今回代理店であるコペックジャパン様よりお声がけいただきました。

AU-FLEX ANCは国内のイヤホン専門店家電量販店楽天市場等の国内販売サイトやメーカー直販サイトで購入することができます。

 

 

※メーカー直販サイト

ja.ausounds.com

 

 

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1. AUSOUNDS AU-FLEX ANCについて 

AUSOUNDS AU-FLEX ANCはその名前の通りアクティブノイズキャンセリングを搭載したネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンです。この商品は他にも特徴がありますが後述するとして、先ずはAUSOUNDSブランドについてです。

AUSOUNDSは最先端の技術と優れたサウンドを備えた米国のオーディオブランドで、欧米有名メーカー各社の研究開発で培った経験をもった開発チームが造った、プレミアムオーディオブランドです。その製品はオーディオ製品としてのパフォーマンスとデザインに優れており数々の賞を受賞している注目株のブランドです。(HP抜粋)

また、同社の企業理念、「こだわり」の一つに品質管理が挙げられ、それと同時にオーディオとしてのサウンドに絶対の自信を窺わせます。

かくいう私もAUSOUNDSブランドを知らず、このAU-FLEX ANCのようなネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンは国内有名メーカーぐらいしか試していませんので、今回の商品は非常に楽しみです。

AU-FLEX ANCは先述の通りネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンです。最近はワイヤレスイヤホンでもイヤホンの左右がケーブルで繋がっていない左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の人気が高く、同社でもAU-Stream ANCがラインナップにありますし、しっかりとユーザーニーズに対応しています。

そんな中で敢えてネックバンドタイプのAU-FLEX ANCを選んだのには三つ理由があるのです。それは無線コーデックにLDACが採用されていることと、イヤホンにドライバを二基搭載する片側デュアルドライバもさることながら、その内一基が平面駆動型ドライバを採用。もう一基にはダイナミックドライバというデュアルハイブリッドドライバ採用モデルとして珍しい構成となっていたからです。

現在販売されているデュアルハイブリッドモデルでポピュラーなのはバランスドアーマーチュア型(BA)ドライバとダイナミックドライバ(DD)を搭載する1BA+1DDハイブリッドモデルですが、AU-FLEX ANCでは平面駆動型ドライバ(PD)とダイナミックドライバの1PD+1DDハイブリッドモデルとなります。

これまでに平面駆動型ドライバを採用した有線イヤホンのレビューをしておりますが、それは1PDモデルです。PDはその特性から非常に中高音域の解像感の高い音数が多い曲でも破綻せずに粒立ちの良いシャープな音色を聴かせてくれます。しかし、イヤホン用の小径PDでは音の帯域幅は狭く、PDのみのシングルドライバではやはり高音域を重視すれば低音域がもの足りない。低音域を重視すれば高音域がもの足りずという音作りの難しさがありました。

それを片側デュアルドライバとし、もう一基のダイナミックドライバが補うことで妥協の無い音を目指したAUSOUNDSブランドの「こだわり」が感じられます。

次に、個人的に一番気に入っているのはBluetooth(無線)コーデックにLDACが採用されていることです。

LDACとは難しいことを抜きにして簡単にいえば、無線接続でもハイレゾ相当で音楽を楽しめる、Sonyが開発した無線コーデックで、従来のSBC、AAC、apt-Xでは再現しきれなかった音を聴くことができます。スマホでは同社Xperiaシリーズ(全ての機種ではありません)やウォークマン(デジタルオーディオプレイヤー)が対応しています。

同様にワイヤレスでハイレゾ相当の音楽を楽しめる無線コーデックにapt-X HDもありますが、AU-FLEX ANCでは非対応となっており、androidスマホユーザーはLDAC非対応の機種の場合、SBCでの接続となります。一方iPhoneユーザーはSBCよりも高音質のAACでの接続が可能です。こちらはLDACのハイレゾ相当には敵いませんが、iPhoneの端末性能としてBluetooth接続はかなり優秀なので接続品質に困ることはないと思います。

尤も私は普段からSonyのデジタルオーディオプレイヤー(DAP:Digtal Audio Playerの略)、ウォークマンNW-ZX507を愛用しており、これは勿論LDACに対応していますので、非常に相性が良いですね。

そして最後の三つ目。皆さんが一番気になるであろうアクティブノイズキャンセル(ANC)が搭載されています。

これはもう昨今のトレンドみたいなもので、ワイヤレスイヤホン自体が数年前に比べ低価格化と高機能化が進みガジェットへシフトしている向きがあります。その流れに沿って行けば高機能化の一つにアクティブノイズキャンセリングは欠かせない機能の一つといえ、ヘッドホンやネックバンドタイプのイヤホンに加えTWSの高級機で採用が進んでいます。

つまり、今人気のTWSとの優位性としてLDAC対応の商品は無いこと。平面駆動型を搭載するデュアルハイブリッドモデルが無いこと。アクティブノイズキャンセリングを搭載していること。この三つの内、二つまではTWSでも備えている商品がありますが、AU-FLEX ANCはネックバンドタイプのモデルとなりますが、全てを備えており、TWSよりも頭一つ、いや二つ抜けていてイヤホンとして最も重要な音楽を高音質で楽しむことができるという優位性をもっており、AUSOUNDSの企業理念を具現化した先進技術を投入し、求める音質に妥協をしていない商品と云えますね。

 

※平面駆動の音が気になる方は以前の記事も併せてご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※apt-X HDの音が気になる方は以前の記事も併せえてご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

さて、先述の通りAU-FLEX ANCはTWSの利便性には敵わないものの、本来の高音質で音楽を楽しめて且つDAPとの有線接続の煩わしさがないワイヤレスイヤホンです。

そして、apt-Xには非対応ながらもスマホで音楽を楽しむユーザーに対応しています。特にiPhoneには相性が良く、LDAC対応androidスマホもあります。より高音質で音楽を楽しみたい方にはSonyを始めとするLDAC対応DAPがお勧めとなります。

尤も私はiPhoneユーザーですので、困ることはありませんが、古いandroidスマホユーザーにとっては少々残念なところになります。

  
前置きはこのぐらいにして、それではAU-FLEX ANCのスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(AUSOUNDS商品ページ抜粋)

  AU-FLEX ANC 国内S社
低音域ドライバ 10mmダイナミックドライバ 1基 -
中音低音域ドライバ - 9mmダイナミックドライバ 1基
高音中音域ドライバ 8mm平面駆動型ドライバ 1基 -
高音域ドライバ - バランスドアーマチュア 1基
再生周波数帯域 20Hz-20kHz 3Hz-40kH
Bluetoothバージョン 5.0 5.0
コーデック SBC、AAC、LDAC SBC、AAC、LDAC
ノイズキャンセル
ヒアスルー
連続再生時間 15時間/ANC 10時間 15時間/ANC 10時間
防水 IPX5 -
満充電時間 約1.5時間 約3.5時間
充電時間 15分充電で90分使用可能 10分充電で80分使用可能
イヤホン重量 約38g 約58g

 

参考に国内メーカーS社のネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンのスペックを併記してみました。

二つの機種はスペック上、搭載するドライバの内、主に高音域を担当するドライバが異なります。国内S社は1BA+1DDハイブリッドモデル。AU-FLEX ANCは1PD+1DDハイブリッドモデルとなりますが、それ以外は非常に似ています。

実売価格では国内S社の31,000円に対し、AU-FLEX ANCの24,000円と2割以上安価になります。この価格帯では本当に安価で希少価値のある機種と云え、それを考慮すると圧倒的なコストパフォーマンスと云えると思います。

ただAU-FLEX ANCは国内S社商品に対し後発商品ですのでスペックが同等なのであれば、もう少し安価な方がインパクトがありますしジェネリック医薬品のようにお勧めしやすいですね。

 

AU-FLEX ANCはBluetoothバージョン5.0を採用し省電力と接続安定性が高く、NW-ZX507でLDAC音質優先(990kbps)で接続した場合に稀にプチノイズがありますが、通信は安定していてリビングにZX507を置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることはありませんでした。屋外での使用では流石に都内駅構内等で途切れることがありましたが、接続優先(330kbps)であれば殆ど途切れることはありませんでした。同様にiPhoneでも試しましたが、こちらはAAC接続ということもあり接続は安定し殆ど途切れはありません。iPhone端末のBluetooth接続性能の高さの恩恵を受けれらます。余談ですが、国内S社のノイキャンTWSとZX507のAAC接続でも殆ど途切れることはなく、通信品質は安定しています。

また、連続再生時間は特にこれはTWSと違いネックバンドタイプの強みである搭載バッテリー容量を大きくできることからその恩恵を十分に感じられます。まあ公称よりはやや短めとなりますが、TWSと比較になりません。尤もこれは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。

次に待機時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象として充電時間はほぼスペック通りと感じましたが、私の環境では待機時間は兎も角、音楽再生はやや短く感じました。スペックの8割程度ですね。とは言え、家で映画を観たり通勤往復でも十分ですし、会社についたら充電してしまえば実用上問題ないです。実際のところメーカー公称時間とユーザーの実行時間として、これは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えます。

 

次に他のDAPでも試してみました。

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Shanling Q1でもAAC接続の他、実はLDAC接続を使用できます。ただし経験上少々難がある認識で、やはり先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありました。ですが、Q1の独自OSがワイヤレスとの使い勝手が良く、本体の音量調節ボリュームとは別に「Bluetoothヘッドセット」の音量調整が可能です。AU-FLEX ANCとDAP本体の音量調整は連動しており機種によっては1メモリの調整幅で大きくなり過ぎたり、小さくなり過ぎたりと音量調整で困ることがあります。これに対応できるのが前述の「Bluetoothヘッドセット」の音量調整です。残念ながらandroid OSのZX507にはこの機能はありませんでした。

 

AU-FLEX ANCの充電はUSB タイプC端子を接続し市販のUSB-A充電器で行います。

惜しいのはイヤホン本体の充電残量を確認できないところです。


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ただし、iPhone等のiOSと接続した際に画面右上の充電残量の左にある接続ステータスでヘッドホンマークの隣に充電残量バーが表示されますし、iPhoneウィジェットで充電残量を確認できます。

充電状態はネックアーム部右側の操作スイッチがあるケースの上側LEDにより充電ステータスが分かります。

 

※充電中は緑色点滅します。緑色点灯で充電完了。 

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充電が完了しいよいよDAPiPhoneとのペアリングです。基本的に取説通りで問題なくペアリングを行えますが、言語は英語です。しかし英語かぁと心配することなかれ、日本語のクイックスタートガイドが付属していますので困ることはありません。嬉しい配慮ですね。

 

■LDACでのペアリング方法(ZX507 android9 Ver3.00.07で検証済)

  • 最初にandroid OSの開発者向けオプションを有効にする。
  • Bluetooth接続をLDAC音質優先を選択する。
  • ZX507のBluetoothを有効にする。
  • AU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッ♪と鳴るまで長押しする(ペアリング開始)。※初めに電源ONのピポッ♪と鳴りますので、そのまま押し続けてください。
  • ZX507の設定-接続済みの端末-新しいデバイスとペア設定する、を選択する。
  • リストに「AU-FLEX ANC」が表示されるのでそれを選択する。
  • ZX507の画面右上バッテリー残量表示の左のBluetoothマークの両サイドに小さな点が付けば完了。

※最初に開発者向けオプションでBluetoothオーディオコーデックをLDACを選択

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※ペアリング済みの画面表示
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一度ペアリングすると以前接続されたデバイスに表示されますので次回以降はAU-FLEX ANCの電源を入れると自動的に接続します。

自動的に接続できない場合は前述のリストから選択してください。

 

※LDAC接続ならお気に入りのハイレゾ音源をハイレゾ相当で楽しめます

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次にiPhoneとのAAC接続です。 

■初回ペアリング方法(iPhone iOS14.0.1で検証済)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • AU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッ♪と鳴るまで長押しする(ペアリング開始)。※初めに電源ONのピポッ♪と鳴りますので、そのまま押し続けてください。
  • iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「AU-FLEX ANC」が表示されるのでそれを選択する。
  • iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。

※ペアリングが成功している画面表示

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※ミュージックプレイヤーアプリにAU-FLEX ANCと表示されます。 

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これだけです。

注意点としては、

初めにプレイヤー側、ZX507(DAP)又はiPhoneBluetoothを有効にしてください。

そのあとAU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッと鳴るまで長押ししてペアリングモードにしてください。

この手順が重要です。

上手くいかない場合、一度ZX507(DAP)及び、iPhoneからAU-FLEX ANCの接続の登録を削除して再度初めから実施してみてください。ペアリングが完了している場合、2回目以降はiPhoneBluetoothをONにしてからAU-FLEX ANCの電源を入れてペアリングモードにすれば自動的に接続します。上手く接続しない場合はZX507(DAP)及び、iPhoneBluetooth設定画面から「AU-FLEX ANC」を選択してください。

 

 

■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • AU-FLEX ANCの電源を入れペアリングモードにすると接続開始。
  • iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでれば接続完了。
  • iPhone標準のミュージックアプリを起動し聴きたい曲を選択し再生する。
  • ネックアーム右側操作スイッチ(以下操作スイッチ)の「・」を1回押すと再生/停止する。
  • 再生停止中に操作スイッチの「-」を長押しすると前の曲に戻る。
  • 再生停止中に操作スイッチの「+」を長押しすると次の曲に進む。
  • 再生中に操作スイッチの「-」を長押しすると再生中の曲の頭に戻る。これを繰り返すと前の曲に戻る。
  • 再生中に操作スイッチの「+」を長押しすると次の曲に進む。
  • 再生中/停止中に操作スイッチの「+」を1回押すと音量Up。
  • 再生中/停止中に操作スイッチの「-」を1回押すと音量Down。
  • 再生中/停止中に操作スイッチの「ANC」を1回押すとノイズキャンセル(以下ノイキャン)ON。1回押すたびに「ノイキャンON」→「ヒアスルーON」→「ノイキャンOFF」変化します。※毎回電源ON時はノイキャンOFFになります。
  • 再生中/停止中に操作スイッチの「・」を2回押すとSriを呼び出し。
  • 着信中に操作スイッチの「・」を1回押すと通話開始。通話中に操作スイッチの「・」を1回押すと通話終了。
  • 着信中に操作スイッチの「・」を1秒長押しすると着信拒否。
  • (電源OFFの状態で)「・」を3秒ほど長押しすると電源ON(ピポッ♪)。
  • (電源ONの状態で)「・」を5秒ほど長押しすると電源OFF(ポピッ♪)。
  • (電源ONの状態で)「・」を3秒ほど長押しするとペアリングモード(ピピッ♪)。
  • 使い終わったら電源OFFにする。
  • iPhoneとの接続が解除される(iPhone画面の接続ステータスが消える)。
  • AU-FLEX ANCのバッテリー残量をあらかじめiPhone画面で確認しておくこと。充電が少なければAU-FLEX ANCの充電をする。充電が20%以下にならないように管理する。※過放電はバッテリーの寿命を短くします。
 

プレイヤーをiPhoneとした場合の音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。基本的に他のDAPandroidスマホでも操作方法は同じです。

ネックバンドタイプの強みとして音楽再生等の機能操作を全てコントロールできることが挙げられます。TWSでは音量調整ができない、曲送り、曲戻しができない等の機能操作制限があったりしますし、物理ボタンではなくタッチ操作の場合、感度(反応)が悪い、そのくせにリダイヤルなんていらない機能もあったり・・・。その点、AU-FLEX ANCは完璧ですね。

初めて使う方でも自然に使えるレベルですので、これはかなりポイントが高いです。 

もちろんTWSと云えばやはりケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入り接続が完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れて接続が解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻す事で完了する手軽さがあります。そこはネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要となりますからね。

 

さて、ここまでアクティブノイズキャンセルにはあまり触れていませんが、メーカーサイトにあるノイキャンONとOFFのf特比較をみるとほぼ差がない。どこかの帯域が極端に上がったり下がったりしていません。そしてやや低音が盛り上がっているようにみえますが、フラットな特性といえます。

実際に再生中にノイキャンをONとOFFで切り替えてみましたが確かに違いを感じられず、強いて云うならば中音域がやや籠る感じです。本当に聴感上僅かな違いです。イヤピ交換の方が分かりやすいレベルです。もっと云えばリケーブルした時の違い程度です。流石にこれは例えが悪いですけど。

実際国内S社と比べた場合には国内S社の方が効きが良いと感じますが、必要十分な実用レベルですし国内S社のTWSのノイキャンと同等以上と感じます。

失礼ながら思っていた以上にAU-FLEX ANCの良さを感じています。

 

まとめるとAU-FLEX ANCの接続はトニカク簡単でスムース。すべての機能操作も行え、違和感なく使えます。

そして、外音をシャットダウンするアクティブノイズキャンセルや外音を取り込めるヒアスルー機能もある優れモノということです。 

 

 

2. AUSOUNDS AU-FLEX ANC実機について 

それでは、早速AU-FLEX ANCの実機レビューを以下、まとめていきます。

 

※国内販売用のスリーブはもちろん日本語表記。ANCが目を引きます。

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※裏面にはイヤホンのメカニズム解説が。そしてLDAC対応を示すマーク。
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※世界共通の内箱です。世界マーケットを意識したパッケージングに無駄はなし。

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※考え抜かれた無駄のないパッケージ。
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※付属品ごとに小箱に収納
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トニカク無駄のないパッケージングは外側を白箱で統一し内箱の中を黒箱と隙の無い収納方法はレベルの違いを感じます。高級品を手にした実感が湧きますね。

 

次にパッケージの中身を。

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※充電用USBケーブルは卓上では必要十分の長さ
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※布製ポーチが付属。実売価格からは専用ハードケースを付属して欲しいかな。

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付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットで更にMサイズが本体取付け済み。Mサイズが都合2セットです。他にはUSBタイプC-タイプA充電ケーブルとイヤホン収納ポーチです。必要十分の付属品ですね。

特徴的だったのはイヤーピースが最近のTWSの付属品同様に軸が短く傘が長い特殊なタイプが付属。所謂TWSタイプですね。

取扱説明書が付属していますが英語表記となります。まあ何となく読めますし問題は無いのですが、親切なのはクイックスタートガイドが日本語です。個人的に家電さえもWEB取説がスタンダードになっている昨今では商品に付属する紙はクイックスタートガイドとPL法対策の注意ガイド、サポートへ誘導するQRコードで十分だと思いますので、この辺りも上手いなぁと感心しました。

それでも万が一の際は国内代理店のサポートがありますので問題ないと思います。

 

それでは実際にイヤホンを見てみましょう。

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ビルドクオリティは文句のつけようがなく、最早粗探しですのでやめました。この辺りも企業理念に沿っていると思います。以前購入した中華ネックバンドタイプの商品ではUSB充電口と端子にズレがある不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。カラーバリエーションは銀色の単色です。

イヤホン本体はカスタムIEM風の造形でケーブルはシュア掛けです。そのため他のTWS同様に耳へはイヤーピースで保持し収めるタイプとなりますので、イヤーピース合わせは重要になります。

 

フェイスプレートにマグネットを内蔵

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これが地味に便利。ちょっとイヤホンを外してもネックバンドタイプではそのままぶら下げられる両手がふさがらないメリットがありますが、更にイヤホン左右をくっつけておくことで落下防止と絡まり防止に一役あります。

そして実はこれ、もっと便利な機能が隠されていました。再生中に不意にイヤホン左右を外すケースってあると思います。その時イヤホン左右をくっつけると再生が停止します。そして離すと再生が再開します。

凄くないですかコレ。

TWSでは耳から外すと再生が停止するという良くある機能ですが、もう一度耳に装着しても再生再開しませんよね?

ユーザーニーズを良く理解していると思います。見事です(拍手)。

 

シェル本体はアルミニウム金属製で軽量に仕上げており、高級感があります。もちろんステムノズルにはメッシュフィルターがあり異物の混入による故障を防げます。

シェル本体の形状もカスタムIEM風で丸みを帯びており装着感は悪くありませんが、耳への装着は付属品イヤーピースでは音質的に抜けてくる感じがありましたので最近発売されたFinal タイプE 完全ワイヤレス用 Mサイズを使用し耳に浅めに蓋をする装着がしっくりきました。個人的にのタイプE TWS用は耳が痛くならない、装着感が最高です。

しかしAU-FLEX ANCの特徴でもあるPDの解像感が少し丸くなる気がしたので、再度変更。最終的にSedna Earfit Mサイズを選択し耳に浅めに蓋をするように装着すると解像感を損なわず、寧ろよりクリアに聴こえるようになりました。ですが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。SednaEarfitは傘の柔らかいLightやTWS用の軸の短いshortもありますが、今回はノーマルでOKです。

この音が抜けてくる感覚は付属イヤピではどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じる場合がありますので、是非自身に合ったモノをご使用ください。

 

 

3. AUSOUNDS AU-FLEX ANC音質について 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSony NW-ZX507、Bluetooth コーデックLDAC接続です。

 

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実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはSedna Earfit Mサイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音がしっかりとしていながらも高中音域の解像感が良くボーカルが聴きやすい」でした。

音場は普通から曲によってやや広めで音の分離感は良好。
低音は量感こそそれ程多くは無いが強さがあり締りとキレは良好。音の強弱も感じられる。ベースラインも追いやすい。重低音の沈み込みの深さがあり、ワイヤレスとしてはかなりしっかりとした強さのある低音域です。
高音は煌びやかさがあり華やかさも十分。中低音に埋もれることもなく伸びやかでしっかりと主張しますが尖りはなく刺さりも感じません。

中音は凹みを感じず、広さを感じ見通しの良さとクリアさの中に華やかさもあります。特に解像感が良好ですっきりと聴きやすい。

ボーカルは自然な位置から曲によってやや近くクリアに聴こえます。

一言で云えばやや中低音寄りのボーカルが聴きやすいほぼフラットです。

もう少し補足すると、高中音域特に中音域は解像感が良く粒立ちの良いシャープでキレの良さがあり、演奏が映えます。高音も十分な解像感がありますが中音域のそれとは違い僅かに控えめ。それでもシンバルなどの音はシャーーンと伸び、音の強弱も効き分けることができます。音が立体的に感じられるとはこういうことなのでしょうね。

そして低音は専用にDDを積んだ甲斐があったということ。やはり音楽は低音域が上の音域を支えることでリズムというか全体の風景を俯瞰できるようになります。もちろんただ量感があるとか重低音がドーーンとくるとかではなく、欲しいだけの低音をしっかりと強弱として再現してくれる。バンド音楽でドラムの音が弱かったら寂しいでしょ?これはそれがありません。ボーカルやギターが主役ではなく全員が主役です。これでバンド内の格差も生まれませんね(笑)。

特に電子音の楽曲との相性が良いですが、バンドサウンドにも相性が良いですし、何でもこなせる万能タイプですね。

尤もこれはLDAC接続でのお話。

SHANLING Q1のLDACも試しましたが、DAPの差でしょうか少し平面的に聴こえます。

またiPhoneAACでは中高音の繊細さや重低音及び低音の表現力は一段以上下がります。それでもワイヤレスの音の薄さは抑えられており、ハイレゾにこだわりの無い方が聴く分にはいつもの音楽で「聴こえ無かった音が聴こえる!」という新たな発見を楽しめるのではないでしょうか。

 

また、国内S社のネックバンドタイプと比較した場合にはあちらの方が高音は高いところまで聴こえ華やかさは上手です。中音はすっきりとさせるために少しボーカルの後ろで鳴る印象。低音はこちらよりも強めに感じ、所謂ドンシャリです。それでもそれらの違いはあくまでも聴感上の感覚であり嗜好の類です。それらの音色の違いは人によって受ける印象が異なるのは当然ですし、どちらも良い音がするのは間違いありませんので、誤解なきようお願いします。

で、何方が好きかって?

私はWI-1000XM2を所有しています。

だからこそ言えます。

WI-1000XM2を所有していなかったら先にAU-FLEX ANCを買っていたと思います。

これじゃだめですか?

…出会った順番が恋愛において重要になると聞いたことがあります。それと一緒です。

この人と決めたら添い遂げましょうよ。…余程の理由がない限り。

まあ、これダメな思考ですね。…反省します。

 

まとめは真面目に。

AU-FLEX ANCは中音≧低音≧高音と国内S社の低音≧高音≧中音の関係とはやはり違うと云えそうです。それは流石に国内S社の1BA+1DDとAU-FLEX ANCの1PD+1DDのドライバ構成では奏でる音が異なるのは当然と云えばそれまでですが。

 

 

4.  AUSOUNDS AU-FLEX ANCの総評 

AUSOUNDS AU-FLEX ANCはスマホで音楽を楽しんでいる、特にiPhoneユーザーに話題のANC搭載機の選択肢を広げられ、有力な候補となる商品とまとめました。

 

最後に、今回は高価格帯20,000円以上の高機能で実力派ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2020年10月24日)は24,000円でイヤホン専門店等、有名家電量販店通販サイトなどでも販売しています。ワイヤレスイヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なイヤホン専門店での視聴を是非よろしくお願いします。聴いたら欲しくなりますけど、ね。

 

AU-FLEX ANC

以下、イヤピSedna Earfit MサイズDAP ZX507、LDAC音質優先
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (LDAC環境ある方★5)

※☆0.51.0

 

国内S社

以下、イヤピSedna Earfit short MSサイズDAP ZX507、LDAC音質優先
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (S〇nyの音が好きな方★5)

※☆0.51.0

 

※2020/11/1追記

余談ですが、AU-FLEX ANCには収納ポーチが付属しています。ですが、やはりハードケースで安心して持ち運びたいと思うのは人の常。

そこでamazonで購入してみました。

 

 

Slim Fablicのタイプです。内側が柔らかいファブリック素材で外側がハードケースですので、鞄の中で重なってもイヤホンを守ってくれます。

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※蓋部内側面に充電用ケーブル等を収納可能。

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※固定用バンドが便利。イヤホンは中央部に収納できます。
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※厚さ外寸30mm少し軸が長めのイヤーピースを装着しても問題ありません。
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これで安心して持ち運べるようになりました。

 

あとがきとして、今回はネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンをレビューしてみました。これまで知らなかった世界を知ることができ、また広がりました。この機会を与えてくださったコペックジャパン様にこの場をお借りしお礼を申し上げます。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2020/11/1追記

AU-FLEX ANCに収納ハードケース導入。

 

 

BLON BL-03レビュー

こんにちは。

今回は中華イヤホンのシングルドライバモデルのレビュー編として低価格帯で発売されているBLON BL-03についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から購入しています。

 

www.amazon.co.jp

 

AliExpressではWooeasy Earphones Store(@hulang9078)に取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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1.  BLON BL-03について 

BLON BL-03は以前レビューしたBL-05の兄弟機ですが、そのデザイン故に好き嫌いが分かれるモデルとなっていました。そのBL-03に新色として今回紫色が追加されました。

BLON BL-03はそのデザインから購入を見送っていましたが、BL-05が好きな音だったためいつか購入しようと考えておりました。

個人的にはBL-05が好きな音だったためにBL-03は期待値の高い商品です。BL-03はBL-05のカーボンナノチューブ(以下CNT)振動板と同様にCNTドライバを採用したシングルダイナミックドライバモデルです。他にCNTドライバ採用モデルは以前TIN HiFi T4をレビューしていますが、販売価格がA10,000円とその半額以下で購入できるBL-05はCNTドライバを試したい方に。そして更に安価にCNTドライバを試したい方にはBL-03はお求めやすい価格と云えそうです。

最近は比較的安価にCNTドライバを採用している製品が増えており、以前BL-05のレビューでも触れましたが、素材の特徴としてなのか低価格帯としてチューニングの限界なのか判りませんが、低音は控えめとしながらも中高音の解像感は良好なものが多い印象です。それでもA10000で販売されているT4は中高音の解像感に加え低音は量感こそ控えめでもしっかりとした芯がある全域のバランスが良い音質傾向でしたので、やはりチューニング次第なのかもしれません。

CNTドライバは振動板がナノレベルで非常に薄く反応の良さが売りですが、カーボンダイヤフラムはそれよりも厚みがあるドライバとなります。とはいえ、カーボン素材の反応の良さや硬質でキレのある音が期待できます。

そして、これまで同じ素材のカーボンが主となるCNTドライバを搭載した機種のレビューではCNTドライバが軽量でイヤホンには最適且つ、剛性の高さから硬質でシャープな、そして反応が良いドライバという傾向があります。

その素性の良いCNTドライバに採用することでどうしても販売価格は高価となってしまいますが、それを中価格帯A5,000-U10,000で。もっと云えばこのBL-03、5,000円以下の商品に採用するという国内外有名メーカーでは真似できない価格破壊的な商品であり流石の中華イヤホンといえますね。

 

※CNTやDLC及び、平面磁気型ドライバの技術的な解説は以前同様にどうしても知りたい方はgoogle先生で検索してみてくださいね。だってそれを長々と書いても興味がない方はつまらなくて読む気にならないと思いますし結局音は如何なんだよって方が殆どではないかと思いますので。

 

さて、このBLON BL-03はBL-05の価格5,000円台よりも安価な販売価格となっています。BL-03がAliExpressでは3,000円前後。国内amazonで4,000円前後と比較的安価であり、CNTドライバ搭載モデルのエントリー機として非常に手が出しやすい価格と云えます。

一聴してBL-03はやはりCNTドライバの素性の良さを感じられ「良い商品は誰かに伝えたい」という想いが募ります。それぐらいBLON BL-03はBL-05同様に潜在能力の高さを魅せてくれています。勿論、音質は嗜好による好き嫌いが良し悪しとなるのが現実であり、理想は数値化による可視化ですが、どうしても味覚と一緒で「甘い・辛い・苦い」という主要素は説明しやすく伝えやすいですが「どれくらい」という絶対評価に繋がる客観的要素が乏しく個人の主観によるものになってしまいます。

音質の良し悪しは味覚同様に極端に「美味しい」or「不味い」同様の括りでは差異が出にくいものの「もっと○○だったら良いのに」という個人の嗜好による主観的要素が反映されます。もっと云えばその主観もこれまでに聴いたことがある音を基準に相対評価で認識されてしまいますので、可能であれば試聴でも良いので色々な音を聴いてみてご自身の好みを確定させ、ご自分の嗜好に近い方のレビューを参考にされるようにすることで、ハズレを引く確率を下げるリスクマネジメントも大切だと考えます。

元々この備忘録は一般的な国内及び海外有名メーカーではないけど良い音を聴かせてくれるらしい商品を試聴ができなくて二の足を踏んでいる方の背中を押してあげることができるように始めていますので、万人受けするものをお探しの方には特にご参考頂けるのではと自負しております。

そして、なによりも国内及び海外有名メーカーに勝るとも劣らない(かもしれない)中華イヤホンの楽しさを伝えていけたら幸いです。まあ、いつもの言い訳ですね。はい、なんやかんやで沼の住民の一人ということでございます(笑)。

 

※BLON BL-05の過去記事もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳でCNTドライバを搭載したBLON BL-03と同社BL-05との違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

BLON BL-03もBL-05同様にオール金属製のシェルが採用されています。デザインはBL-05とは異なる造形ですが、よりシュア掛けしやすくそれよりもコンパクトなシェルは耳への収まりも良好です。ステムノズルは細め。そのため、使用するイヤーピースで困ることはなさそうですし装着感はBL-05よりも比較的良好となりそうです。

 

BL-03のスペックは先述の通りBL-05の第二世代10mmCNTドライバではない第一世代?CNTドライバとなりますが、同じ10mmサイズのドライバを搭載しています。付属するケーブルは4芯銅線を使用し、3.5mmプラグには金メッキ処理のものを採用しています。

そして、BL-03は片側に1ドライバとシングルダイナミックドライバの特徴を活かし、多ドラの様な複雑なクロスオーバーはありません。シンプルで実績があるドライバ構成は安定した音を奏でられるアドバンテージがあります。それはこれまでレビューしてきた低価格中華ハイブリッドイヤホンとは異なり1ドライバ故の自然なつながりのある音が期待できるからです。複数のドライバを搭載した場合、各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングという難題があり低価格帯では特にこの辺りを派手な音づくりにすることで誤魔化した商品も多くあります。もちろんBL-03は1ドライバとはいえCNTドライバの持つ素性の良さを活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

BLON BL-03の納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。現在もAliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約2週間。平時なら1週間から2週間程度。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2.BLON BL-03実機レビュー 

それでは、早速BLON BL-03の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調としたどこかのブランドに似ているシンプルな白箱化粧箱です。


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箱の透明な上蓋箱を外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されていて、イヤホン台座の下側に小箱があります。

 

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その小箱にはイヤーピース、ケーブル、イヤホンポーチが収納されています。

 

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低価格帯U5,000としては凝った化粧箱で、付属品もイヤーピースが複数とポーチがあり必要十分と云ったところです。

 

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付属品のイヤーピースはシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種1セットと形状の違うシリコンタイプのSとM?が1セットの計2セットが付属します。シリコンイヤピは口径と傘の材質、形状が異なりそれぞれフィッティングを好みで選択が可能です。

ケーブルは耐久性が高いのものが付属しており、U5,000円の低価格帯として十分な付属品ですが、イヤピ交換とリケーブルはした方が良さそうですので、気になりませんね。


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ビルドクオリティですが、BLON BL-03は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。安心して購入できると思います。

なお、カラーバリエーションはガンメタと、銀色及び、追加された紫色の三種類です。


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付属ケーブルは4芯銅線材を使用した黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はカバー付き2ピンコネクタで極性はTFZっぽい形状で上がプラスです。この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。気になるのはイヤホン側が凸2ピンメスでケーブル側が凹2ピンオスと専用設計は勘合性も良く強度も増しますがリケーブルの選択が悩みどころです。また、耳への装着性はシュア掛けの癖付けのアールが大きく個人的にはイマイチです。

個人的に低価格帯U5Kの商品に付属するケーブルとしてはまずまずの感は否めず、そのまま使用することもできますが、個人的にはリケーブルをしようと思います。

 

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先述の通りBL-03のシェルデザインはBL-05とは異なる造形、デザインですが、丸みを帯びたBL-03に対し、平面的なBL-05となります。また、装着感は良好でステムノズルも細めのため、余程のことがない限り問題なく装着できそうな印象ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

勿論ステムノズルの先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますが、シュア掛けが苦手な方は注意が必要ですね。

上記の通りBL-03は耳への装着感は良好も、付属のシリコンイヤーピースでは音質的に低音が抜ける感じとなり今一つだったことから、SEDNA EarfitのMサイズで耳へは浅めに蓋をする感じで装着し音質的にもみぃねこはしっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くあり、手持ちのイヤピに頼りましたが、まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

 

3.  BLON BL-03音質レビュー 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

いつもの低価格帯通りにSHANLING Q1にてレビューを行います。

もちろんiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や特に低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

特に低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSEDNA Earfit Mサイズ。ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音高音の音に繊細さを感じられ低音は量感こそ控えめだがしっかりとしている。」でした。
こちらも箱出し直後は低音が控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は普通で横にやや広め。

高音は適度な煌びやかさがあり小さな音も聴き分けられ繊細さを感じます。尖りや刺さりは感じません。

低音は量感は控えめながらも芯があり音がしっかりしています。ベースラインも追いやすく心地よさを感じられます。

重低音はそれほど沈み込みを感じ無いが十分な強さは感じられる。

中音は高音同様に小さな音や強弱を掴み易く解像感は良好。ボーカルはややドライもクリアでやや前に位置するが、演奏がそれよりも一歩下がっていて聴きやすさがあります。

一言で云えばやや中高音寄りのドンシャリ

もっと云えば、高音は存在感があり見通しの良さがあるがでしゃばらず、繊細で強弱を感じられます。

中音は高音よりも描写が良く解像感は良好でボーカルを邪魔しない。そのボーカルはクリアで聴きやすく高音低音や中音の演奏に埋もれない、ボーカルを中心に聴きやすいバランスです。

低音は量感こそ控えめですが、芯があり音がしっかりしています。重低音は十分な強さがありますが、沈み込みはそれ程深さは無いように感じます。

この中高音に繊細さがありやや中高音寄りのバランスはBL-05とも通じる部分がありますが、一番の違いは低音域の印象です。

BL-05は中高音寄りで中高音に繊細さがあり低音の強弱も感じられる音でしたが、BL-03は中低音寄りで中高音の繊細さはBL-05に一歩譲りますがボーカルは聴きやすく、低音のしっかりとした強さはBL-05よりも良好です。

そのため解像感を重視して中高音をすっきりとそして繊細さを感じたい方はBL-05の方が好印象かもしれません。一方このBL-03は分りやすい音質の良さを感じやすく、中高音寄りでありながらも低音域をしっかりとした音にすることによって、スマホ付属イヤホン等からのステップアップとしても違いを感じやすくなっています。

とはいえ、BL-03はBL-05よりも安価でありBLONラインナップの中で兄弟機の弟機として分かりやすい設定の商品と云え、シンプルに良い音を聴くことができるモデルと云えそうです。尤もBL-03の音作りの傾向が好みかどうかによって評価が分かれると思いますが、どこかを強調し破綻させずに整えられた中高音寄りの一聴してバランスの良い音と感じられると思います。

 

まとめとして、BLON BL-03は低価格帯U5Kの中華イヤホンでは珍しい1DDモデルとシンプルな構成でありながらCNTドライバを採用し価格を抑えた同社の代表作で、繊細な中高音としっかりとした低音は大きく外すことのない、十分満足できるモデルと云えそうです。

 

折角なのでDAPSONY NW-ZX507に変更して聴いてみます。 

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その結果、平面的だった音場に立体感を感じられるようになり、低音の量感が増え音の強弱が掴み易くなり解像感も良好になりました。加えて中高音の響きも良くなった印象です。これは単純にDAPの差ともいえますが、逆に云えばそれだけ伸びしろがあるとも云えるのではないでしょうか。

個人的にはそれなりのDAPを使用する又は、ポタアンを挟む等、再生環境に左右されやすい面は初心者向けとしては少々敷居が高いかもしれません。

 

最後に、以前のレビューでも何度か触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

以下は参考。価格帯が異なりますので。

  

高音   BL-05 ≧ BL-03    

中音   BL-05 ≧ BL-03  

低音   BL-03 ≧ BL-05  

ボーカル BL-03 ≧ BL-05 

音場   BL-05 ≧ BL-03

 

今回は国内amazonで5,000円以下で購入できる低価格帯U5K中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年10月10日)amazonで4,000円前後で絶賛取り扱い中。AliExpressでは有名セラーのフォロワー割で2,000円半ばと安価ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でもお手頃な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものを購入したいと考えていて気になった方は安心確実なamazon。新商品を国内発売前に少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

以下、付属ケーブル、Earfit M使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

以下、付属ケーブル、Earfit M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★★    
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

BL-05
以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

  

あとがきとして、個人的に1DDの中華イヤホンはオーソドックスに良い音を聴かせてくれるという興味深い結果でした。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ