こんにちは。
今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、中価格A10000-U20000帯で発売された2FPD+2BA+1DDモデルのCelest PhoenixCallについてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonのHiFiGoで取り扱いがあります。
AliExpressでも取扱があります。
HiFiGoのサイトはコチラ↓
Kinera Celest Phoenixcall 1DD+2BA+2 Micro Planar Drivers IEMshifigo.com
- 1. Celest PhoenixCall について
- 2. Celest PhoenixCall 実機レビュー
- 3. Celest PhoenixCall 音質レビュー
- 4. Celest PhoenixCall の総評
- あとがき
1. Celest PhoenixCall について
Celestは中華オーディオメーカー、Kineraのサブブランドです。Celestと云えば、以前SPD(Square Planar Driver)を1基搭載したPandamonをレビューしています。そのCelestは他にもA5000帯で1BA+1PDハイブリッドモデルのGumiho(九尾)をラインナップしており、それらで採用された平面磁気駆動(PD)はSquare Planar Driver(SPD)と、他社とは異なるドライバが話題になりました。それもその筈。イヤホンでは円形のドライバが多く採用されているのに対し、このSPDは名前の通り四角形のドライバであり当時インパクトがありました。更にPD搭載モデルがA5000という安価な販売価格が注目されました。
そのCelestから今回新たに登場したのが、2FPD+2BA+1DDのPhoenixCallです。所謂多ドラモデルとなりますが、一般的なバランスドアーマチュア(BA)とダイナミックドライバ(DD)のハイブリッドドライバ構成に加え、Flat Panel Driver(FPD)を採用。異なる3種のドライバで構成された特別なイヤホンと云えます。
さて、Celest PhoenixCallのスペックですが、先述の通り3種のドライバを搭載した多ドラハイブリッドドライバモデルです。1DDには7mm径ダイナミックドライバを採用。低音域を担います。2つのBAには中音域を担うカスタマイズBAを1基と中高音域を担うカスタマイズBAを1基採用。高音域は超高音域までの広いレンジをカバーする6mm径FPDを2基搭載。このFPDはマイクロプレーナードライバとなり、このFPDがCelest PhoenixCallの最大の特徴と云えます。
PhoenixCallは3種の異なるドライバにより優れたオーディオ性能を得ることに成功しています。全体的に明るいサウンドは、深みのある弾力のある低音を持ち、より穏やかで自然なサウンドです。ミッドレンジはソリッドで自然なサウンドを持ち、高周波はクリアで明るくクリーンです。サウンドステージは広々として自然で、滑らかなボーカルと強い解像度で、快適な音楽体験を提供します。
メーカー発表のf特は非常にフラットな特性を示していますが、実際に聴いてみると大人しいモニターサウンドではない臨場感を感じられながらもクリアなサウンドを届けてくれます。
シェル本体はオール樹脂製です。フェースプレートには古代中国の神話「山と海の伝説」の伝説的なシーンをモチーフに描かれたプレートが封入され、光の反射で鮮やかに彩ります。シェル内部には樹脂が封入されており各ドライバに繋がる音導管が確認できます。シェルカラーはクリアと青紫の二種があり高級感のあるデザインとなっています。
最後に付属ケーブルです。高級線材を採用した5N8芯高純度銅線を銀メッキした編込み線は、明瞭さと透明性が高く音をクリアに伝えます。また、リケーブル可能とし、お好みのケーブルに交換することで、より多くの音への変化を楽しむことができます。更に、1本あたりが太めの1mm線材は程良い堅さがありながらもしなやかで取り回しの良いケーブルとなっています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしている場合がありますが、PhoenixCallではそんな心配はありません。そのためバランス接続を試したい方以外はリケーブルする必要を感じません。
※宜しければ以前のレビューもご参考ください
PhoenixCallの納期としては現在(2023/9/9)国内amazonで取扱があり、Prime扱いのため当日発送、翌日配達と安心です。HiFiGoやAliExpressでオーダーした場合でも現在はかなり安定しており、10日前後で届くと思います。ほぼ平時に戻った印象です。尤も従来の平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。
そんな訳で一般的にAliExpressや海外サイトでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。
まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. Celest PhoenixCall 実機レビュー
それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは紫を基調とした観音開きタイプの中箱です。表面にはFP同様に中国神話をモチーフした鳥群のイラストが描かれており、箱中央部に製品名のPhoenixCallの記載があります。
箱を開けると黒を基調とした内装にイヤホンが収納されています。
箱の下側に付属品が収納された小箱が収められています。
付属品はシリコンイヤーピースタイプのS、M、Lの3種が2セットとイヤホンに取り付けられていたSサイズのイヤピが1組。他にはケーブルとケーブルバンド、イヤホンケース、ブックチャームです。中価格A10000-U20000帯として必要十分なものが揃った付属品となります。
Celestの刻印が入ったイヤホンケースはハードタイプでイヤホンをしっかりと保護してくれます。
二羽の鳥をモチーフしたブックチャームが付属。
次に本体を見ていきます。
シェルの造形は丸みを帯びたオーソドックスなカスタムIEM風のもの。シェルは一般的な大きさですが、厚みがあるためにやや大きく感じます。実際には耳へ収まる部分がコンパクトになっており装着感は良好です。樹脂製シェルは見た目よりも重量感がありますが、耳への装着時はその装着感の良さから重さをそれ程感じません。
フェイスプレートには先述の通り中国神話を模したデザインが施されており、シェルが紫と青の二色を左右で使い分けています。特徴的なフェイスプレートデザインと美麗な本体のイヤホンは他の人とは違うものを求める人には良さそうです。
肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの中価格帯として綺麗に仕上っており、シェルの合わせ面は判らないです。
カラーバリエーションはクリアと紫青の二色展開です。今回は紫青を選択しています。
続いてケーブルです。
付属ケーブルは先述の通り高品質5N8芯高純度銅線に銀メッキを施した編込み線です。シェルのカラーによって付属するケーブルの被覆のカラーが変わります。クリアには白色が。紫青にはそれに合わせて紫青の被覆線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側はフラット2ピン仕様。極性はKZ系と同様に上側がプラスです。この付属ケーブルはやや堅さがありますが、意外としなやかさがあります。また、タッチノイズを感じにくく、肝心の耳への装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側にはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に取り回しは悪くありませんので、バランス接続をしたい方以外は音質的にもそのまま使用できます。
参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。
次に他機種との造形の比較です。
※画像左からCelest PhoenixCall、LETSHUOER S12 Pro
Celest PhoenixCallとLETSHUOER S12 Proの外観の比較として、サイズ感はPhoenixCallがやや大きく見えます。PhoenixCallのシェルに厚みがありますのでそう見えますし、実際にも体積は大きいです。とはいえPhoenixCallも一般的には普通のサイズの部類になると思いますので、寧ろS12 Proがコンパクトと云えると思います。
ステムノズルの長さと太さ、角度ですが、長さはPhoenixCallが長く、太さはPhoenixCallがやや太くなります。角度はどちらもやや起きています。
PhoenixCallはS12 Proと比べやや大きくなりますが、PhoenixCallはオーソドックスな造形の見た目通り耳への収まりが良く装着感は良好です。
ケーブルを接続するイヤホン側のコネクタ部はどちらもフラット2ピンです。リケーブルの際は通常の2ピンコネクタを選択しておけばそれほど気にする必要はないと思います。
シェルの材質は、PhoenixCallはオール樹脂製。S12 Proはオール金属製のためこちらの方がやや重量感があります。PhoenixCallはシェル内部に樹脂が充填されており重量感はありますが、造形がオーソドックスのため、耳への装着感が良く、重さをそれほど感じないレベルです。寧ろ耳への装着感はステムノズルの太さに影響を受けやすくPhoenixCallはやや太めのためイヤピ選びは通常よりもやや小さいサイズ感で良いと思います。
ステムノズル部には全てにフィルターがあります。PhoenixCallは音導管の先、ステムノズル内側にフィルタがあります。どちらも異物混入による故障を防ぐ事ができます。
二機種共にシェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
なお、前述の通りPhoenixCallはステムノズルがやや太めですので小さめのイヤーピースを選択し装着することで圧迫感は少なくなります。そのため付属イヤーピースで耳の奥に栓をするように耳に密着させ装着するとフィットしました。そのため付属のシリコンイヤーピースで上手くフィットする事ができれば音質的にも必要十分だと思います。
最後にイヤーピースを見てみます。
付属のシリコンイヤーピースは黒傘黒軸のやや背が低く傘が幅広形状と一般的な白傘白軸の裾野が弾丸タイプとイヤホンに装着済みの白傘赤軸弾丸形状イヤピがSサイズ1組の3種です。他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的な形状は選択肢が増えますので安心です。
付属黒イヤピは音質的にはダイレクトに音を届けてくれ、やや低音がしっかりとするタイプの印象です。白イヤピ2種は中高音をクリアにして僅かに低音を弱めてタイトにさせ全体のバランスをやや腰高にしてくれる印象です。その白イヤピの赤軸タイプは某イヤピのオマージュ品の様子。白軸タイプよりも傘の材質がしっとりしていてより装着感が良い印象です。黒イヤピは耳に浅めに栓をする装着に。白イヤピは耳奥へ挿入し栓をするように耳へ密着させることで私はフィットしました。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。
幸い付属イヤーピースで私はフィッティングが上手くいきました。また、白傘赤軸イヤピの方が装着感が良く感じましたので、そのまま初期装着の付属白傘赤軸Sサイズを使用しています。
低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピで上手くフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. Celest PhoenixCall 音質レビュー
いよいよ音質についてまとめていきます。
昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホはSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。
UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。
昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。
Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。
より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。
Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。
USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。
Shanling UA2は以下を参考ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属白傘赤軸イヤーピース Sサイズ、付属ケーブルです。
箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音に厚みがある音。高音は華やかで低音はしっかりと鳴るやや中高音寄りのドンシャリバランス」です。
箱出しでは低音が膨らみボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は落ち着き、高音とのバランスが取れた音という印象です。
音場
やや広めから広めの印象。前後は奥行を感じ、左右は広さを感じられます。奥行きを感じられ立体感もあります。空間は広さもあり音の立体感を感じます。
高音域
華やかさのある印象を持ちます。過不足のない煌びやかさは上までの伸びやかさを感じられますが、響きや余韻はそこそこ。明るく存在感がある華やかさはあるものの、無駄に騒がしいと感じるような常に前に出る様な感じではない繊細さも兼ね備えた鳴り方。そのため刺さりや尖りは感じません。解像感は良好ですが、解像感に全振りする様な刺々しさはありませんので、爽やかに描写してくれます。
中音域
明るい華やかさがありますが、真ん中に音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきは感じません。音が整理された鳴り方です。音の立ち上がりも良く解像感も感じられ明朗に描写します。ボーカルはクリアで僅かに近い位置から自然でニュートラルな声色の印象です。
低音域
量感は適度で響きや広がりも感じられますが、大きく強く鳴らす誤魔化すような鳴らし方ではありません。音階や強弱といった低音域の解像感は悪くありません。ベースラインは追いやすくその機嫌を窺う様な気難しさはありません。より分かり易く感じられますが、ボーカルよりも前に出るような不自然さはありません。重低音は沈み込みは深さがあり、力強さがありますので過不足を感じません。
出音のバランス
一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリ。中高音域は明るく明朗に鳴らしてくれます。低音は適度な量感ですが、力強さがあり過不足は感じません。出音のバランスが良い音と云えます。
高音は明るく華やかに鳴り、上の上までの伸びやかさはありますが、響きや余韻がそれ程多くはないので適度な華やかさに感じられる場合があります。それでも明るさは十分で上までの伸びやかさがあるため、寸止め感はありません。一方で高音域の谷がありそれが過度な響きを抑えており、結果それほど多くないという原因の様な気がしますが、誇張の少ない高音域は不自然さを感じない耳触りの良い音。超高音域まで伸びやかになめらかに鳴り、小さな音も感じ取れます。解像感や描写は良好で、爽やかに小さな音や鮮明に大きな音を鳴らし、高音の出力バランスを上手く調整し整えられている印象です。
中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルは僅かに近い位置にあり楽器の音はその周りに位置しています。中音の域の下の方に厚みがある音は分離も良く整った音は解像感も悪くありません。
ボーカルは僅かに近い位置からクリアに聴く事ができます。周りの音や高音や低音にも埋もれることはありません。声色は自然で息遣いを感じられ艶も感じられます。そのため女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声を楽しめますし、アップテンポな曲でも伸びやかさを感じられます。
低音の量感は適度で響きや広がりも適度に感じられます。響きよりも一発の力強さに重きを置いた音は音階や強弱の描写も感じ易く、解像感と雰囲気の良さを両立しています。
重低音は沈み込みは深く、力強さを感じられる音。それは低価格帯でよくあるただ強く大きく鳴らす音ではありません。
他機種との比較としてLETSHUOER S12 Proと比較した場合、一言で云えば中高音寄りの弱ドンシャリと同じ傾向という印象です。S12 Proの出音は高音と低音が不自然な強調感もなく、それに埋もれない中音が華やかに鳴る。全域のバランスはフラットに近い強調感の少ない音。地味な音ではなく明るさのある音。派手過ぎず、地味過ぎない丁度良い音でした。また、特長はやはり広い空間を感じる音場です。左右や奥行きのある音は描写が確かで、あくまでも自然な強さで音を奏でます。それと比較すれば中高音域の空気感はやや分が悪い印象ですが、低音は負けていませんし、そもそもS12 ProはPhoenixCallよりもやや上の価格A20000帯です。全体としてPhoenixCallはかなり肉薄していると思います。尤も中高音域の解像感を重視した場合にはS12 Proが一枚上手です。
次に現在はやや下の価格帯となりますが、比較対象としてTrn Kirinとの比較です。
中価格A10000-U20000帯の平面磁気駆動(PD)モデルの一つです。14.5mm径のPDをシングルで搭載したモデルとなります。
Kirinの音質はPDの特徴を体感できる普通に良い音がするイヤホンです。整った出音は近しいと感じましたが、違いはやはり音場。空間の広さや立体感はPhoenixCallが上手。どちらも全音域をバランス良く聴かせてくれ、出音や音色は普通に音質の良いイヤホンです。どちらも過度に強調するところが無く自然に鳴らしながら、解像感の高い音を聴かせてくれますが、PhoenixCallの方が高音域のレンジが広く、低音域の解像感も良いです。
※過去レビューも参考ください
まとめるとPhoenixCallは多ドラのメリットを活かした広いレンジと各音域の解像感を得ながらそのデメリットであるごちゃつきを抑えた整った音とした高音質と云えます。中高音域寄りの弱ドンシャリは高音域は上までの伸びとあくまでも自然な強さで鳴らし、中低音域を厚めに鳴らす音造りは万人が受け入れやすい音です。そいて同価格帯では間違いなく高音質と云え個人的に好きな音です。
一方で従来のような中華イヤホンの強ドンシャリの音が好きな方には評価が分かれてしまうかもしれません。
高音 S12 Pro ≧ PhoenixCall ≧ Kirin (質感の順)
中音 S12 Pro ≧ PhoenixCall ≧ Kirin (質感の順)
低音 PhoenixCall ≧ S12 Pro ≧ Kirin (質感の順)
ボーカル S12 Pro ≧ PhoenixCall ≧ Kirin (質感の順)
※価格帯が異なる為、参考程度に
4. Celest PhoenixCall の総評
Celest PhoenixCallはKineraのサブブランドとしてかなり特殊というか尖った製品を世に送り出している印象です。その中でもPhoenixCallは音質的にもかなり評価が高くなりそうな気がします。価格帯では間違いなく高音質と云えますし、その中でも上位に入ると思います。個人的に普通に高音質のイヤホンとしてお勧めできます。メーカー発表のf特では極端にフラットなものでしたが、実際に聴いてみれば非常にバランスの良い音質は音楽を楽しく聴く事ができる良いイヤホンと評価できます。
最後に、今回は中価格A10000-U20000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年9月9日)は国内amazonやHiFiGo、AliExpress等で18,000円台で発売されており、価格差が殆どありません。それ故に昨今の円安からは国内amazonでの購入が安心感があってお勧めです。HiFiGoやAliExpressでは本国発送は勿論のこと、納期が掛かりますし、万が一の際には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はHiFiGoやAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
PhoenixCall
以下、付属ケーブル、付属白傘赤軸イヤピ S、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★★
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
S12 Pro
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
Kirin
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、Referenceノズル、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★☆
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがき
今回は中華イヤホンの中価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ