こんにちは。
今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、低価格U5000帯で発売された5BA+2DD多ドラハイブリッドモデルのTRN ST7についてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonで取り扱いがあります。
AliExpressでも取扱があります。
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TRN ST7 2DD+5BA Hybrid In-Ear Earphoneshifigo.com
1. TRN ST7 について
Trn ST7は低価格U5000帯中華イヤホンの多ドラモデルとして今年5月に登場しました。
Trnの多ドラモデルでは、以前レビューしたVX Proが片側8BA+1DD多ドラハイブリッドモデルの発売当時10000円を超える価格でしたが、今回のST7は片側5BA+2DD多ドラハイブリッドモデルながら5000円以下の販売価格という価格破壊モデル。中華イヤホンの真骨頂と云える製品が登場しました。
というのもVX Pro発売当時の2021年頃、多ドラハイブリッドモデルや複数BAドライバモデルが軒並み10000円前後と価格が上昇しており、中華イヤホンの楽しさがの一つ「この価格でこのドライバ構成のモデルが購入できる」が失われ、インターバルの短いスパンで搭載ドライバの数を増やした似たようなドライバ構成のモデルを投入し価格もドライバの数に比例して上がっていく市場となっていました。敏感なユーザーはそれに辟易し、市場離れが静かに進み衰退していくことを一人のユーザーとして危惧しておりました。従来の中華イヤホンA5000帯やU5000帯の低価格ながらも音質も光るものがある侮れないモデルが多数あった市場とは確実に変わりつつあると感じていました。
もちろんメーカーも市場の活性化をはかるために多ドラハイブリッドモデルや複数BAドライバモデル開発から新しいドライバの採用と新素材ダイヤフラムの探求に舵を切り、平面磁気駆動ドライバや新素材のダイヤフラムを採用したダイナミックドライバを搭載したシングルドライバモデルが多く登場しました。その一方で今度は多ドラハイブリッドモデルや複数BAドライバモデルが殆ど発売されないという何とも極端な対応は「売れたものが正義」という中華の市場原理に正直な対応と云えました。
そして現在。価格帯が当時に比べ上昇したまま安定し低価格帯はほぼシングルダイナミックドライバモデルが中心です。5年ほど前は低価格帯は2000円で1BA+1DDハイブリッドモデルが選び放題の市場がここまで変わる。尤も今でも1BA+1DDハイブリッドモデルは数は少ないけどありますが、価格は3000円を超えています…。もうあの頃には戻らない。円安を恨みます。
閑話休題。市場動向という前置きはさておき。その市場に現れたのがTrn ST7です。先述の通り5BA+2DD多ドラハイブリッドモデルでありながら本国では3000円。国内では4000円という販売価格です。もちろん価格に見合った製品外観のチープさはどうしても感じますが、価格を考慮すると妥当と思いますし、何よりも音が良い。U5000帯の1DDモデルとは格の違いを肌で感じます。最初に結論を書きます。こんな事滅多にありません。過去の100件のレビューの中でも3つもないはず(多分)。
では、改めて。Trn ST7はお勧めです。ですが、リケーブルすると本領発揮しますので、同社のRedchainがお勧めです。二つ合わせて買って5000円以下(AliExpress価格)です。※2024/10/19現在、AliExpressのchoiceで二つ合わせて3300円です!
さて、Trn ST7のスペックですが、先述の通りバランスドアーマチュア(BA)ドライバ5基とダイナミックドライバ(DD)を2基、異なる径のドライバを搭載する多ドラハイブリッドモデルです。BAは三種類を搭載。超高域用30019が一基。高域用30095が二基。中高音域用50060が二基と音域毎に担うBAを変えています。ダイナミックドライバは10mm径LCPダイヤフラムのダイナミックドライバを一基と6mm径ダイナミックドライバを一基の計二基を同軸配置し搭載。6mm径DDが中低域用。10mm径DDが低域用です。
ドライバ構成の近いところでは同社ST5が4BA+1DD構成で高域用BAドライバには30095シングル二基を採用。中域用BAドライバは50060シングル二基を採用し、中高音~中音域を担当。低域用のダイナミックドライバに10mm径ベリリウムコート振動膜を採用し、中低音~低音域を担当。高音域用BAはステムノズル内に配置し、中音域用BAと低音域DDを全てシェル内部に配置していました。
ST7では高域用30095シングル二基をステムノズル内に同じく配置。超高域用30019シングル一基と中高域用50060シングル二基をシェル内のDD横に配置しています。DDはST5では当時流行していたベリリウムコートダイヤフラムの1DDに対し、異径DDの二基を搭載。特に10mm径DDのダイヤフラムには現在流行のLCPが採用されています。このあたりからもDDの新素材ダイヤフラムが探求されていることが窺えます。
最新ST7のLCPダイヤフラムのダイナミックドライバは、質感の高い低域とキレの良い音を備えます。加えて超高域BA一基をシェル内に配置することで耳障りな音を抑制しつつ、高域の上までの伸びを感じられ、全域でバランスの取れたサウンドとなっています。
前述の通りST7は全域でバランスの取れたサウンドとなっています。
メーカー発表のf特からは全体的に高域寄りのU字サウンドを示しており、多ドラハイブリッドモデルの強みであるBAドライバを活かした高音域寄りチューニングと窺えます。実際に聴いてみてもやはりドンシャリという印象を受けますが、単に高域と低域が強調されたリスニングサウンドではない音像を感じやすい描写のしっかりとしたサウンドを届けてくれます。
ただし、付属のケーブルではやや音が薄く感じられ特に高域があっさりとした音。良く云えば繊細に聴かせてくれますが、低域もLCPダイヤフラムの10mmDDの質感の高い音はそれほど期待できません。今回のST7ではRedchainにリケーブル済みの音としてご承知ください。
シェル本体は樹脂製、フェイスプレートも樹脂。ステムノズルに金属製が組み合わされています。
シェル内にはDDユニットとその側にBAを配置。高域用BAドライバ二基はステムノズル内に配置しコンパクトなシェル本体を実現。またシェル本体には樹脂材を採用し軽量化することで軽量なシェルによる快適なフィット感を確保することに成功しています。
最後に付属ケーブルです。比較的細めの4芯銀メッキ銅線は取り扱いがし易く、イヤホン側はKZ-Cタイプ2ピンを採用しリケーブル可能としています。リケーブルの場合は通常の2ピンタイプでも可能となりますが、二本のピンで固定する形となる為、耐久性の面からはQDC又はKZ-Cタイプのコネクタを採用したケーブルを選択する方が良いでしょう。
なお、商品購入時に3.5mmステレオミニプラグとマイク付き3.5mmステレオミニプラグ及び、タイプCコネクタが選択できます。
中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしている場合がありますが、ST7もそれに該当すると言えるでしょう。そのため、バランス接続を試したい方は前述のRedchainがプラグ交換可能となりますし、1000円台と安価なため、本体価格とのバランスを考慮しお勧めです。
※宜しければ以前のレビューもご参考ください
TRN ST7の納期としては現在(2024/10/19)国内amazonに在庫有。AliExpressやHiFiGoでオーダーした場合は一週間前後で届くと思います。最近では中国からの発送は進化しており、早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月です。
しかし、万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。
そんな訳で一般的にAliExpressや海外サイトでの購入は国内で購入した場合より安いというメリットがありますが、反面届くのに少し日数が掛かること。不具合時の対応に英語は必須となるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。
まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. TRN ST7 実機レビュー
それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは薄い青と白を基調としたスリーブタイプの小箱です。表面にはイヤホンイラストがプリントされており、メーカー名とイヤホン名の記載があります。
低価格中華イヤホンでよくあるパッケージにはコストは掛けません。
スリーブを白地の内装にイヤホンが収納されています。
内装を外すと箱の底には付属品が収められています。
付属品はシリコンイヤーピースタイプSML3種の1セットとTRNオリジナルイヤピMサイズ、他にはケーブルです。低価格U5000帯として必要最低限のものが揃った付属品となります。
次に本体を見ていきます。
シェルの造形は同社ST2等でも使用されているもの。シェルは厚みが抑えられておりカスタムIEM風のデザインです。シェルの厚み抑えられているため耳へ収まる部分が薄く耳甲介艇の突起がありますが耳に上手く収まるので装着感も良好です。フェイスプレートは本体カバー同様に樹脂のフェイスプレートが組み合わされておりシンプルです。シェル本体の透明樹脂が内部のドライバを視認できる構造は趣味性が高くメカニカルを求める気持ちを刺激します。ステムノズルは金属製ですがオール樹脂素材のシェルは軽量で耳への装着時はその装着感の良さからも重さを感じません。
ステムノズルは一般的にやや太め。ノズル部にはフィルターがあり異物混入による故障を防ぐ事ができます。
肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの低価格帯と馬鹿にできないほど綺麗に仕上っており、シェルの合わせ面も上位モデル同様に綺麗です。
カラーバリエーションは白、黒の二色展開。加えて3.5mmステレオミニプラグのマイク有り無しとUSBタイプCを選択できます。今回は黒のマイク無しを選びました。
続いてケーブルです。
付属ケーブルは先述の通り4芯銀メッキ銅線の編込みタイプです。ケーブルの被覆カラーは白(銀)色と綺麗な色合いで、被覆の外側がクリア線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はKZ-Cタイプ2ピン仕様。極性は上側がプラスです。
この付属ケーブルは比較的細め。しなやかで取り回しに苦労することはありません。また、タッチノイズは多少感じるものの肝心の装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側にはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に取り回しは良く使い勝手も悪くないため、バランス接続をしたい方以外はそのままでも十分楽しめると思いますが、リケーブルすることで本来の姿を魅せてくれるため、個人的にはリケーブル推奨です。
参考までにこの付属ケーブルのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。
最後にイヤーピースを見てみます。
付属のシリコンイヤーピースはTRN Tips Mサイズ1セットと白色のS、M、Lの3サイズ1セット。白色イヤピは弾丸形状と同社オリジナルTRN Tipsはやや背が低いもの。
ST7は他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的なステムノズル形状は選択肢が増えますので安心です。
付属白タイプは音質的には中高音をクリアにして僅かに低音を弱めてタイトにさせ全体のバランスをやや腰高にしてくれる印象です。このMサイズを耳の奥に栓をする装着でフィットしました。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。肝心のTRN TipsはMサイズが私にはやや小さいため使えないのが残念です。
幸い付属白色タイプのイヤーピースで私はフィッティングが上手くいきましたが、音質的にもメーカーの意図する印象ですので、そのまま付属の白色 Mサイズを使用しています。
ST7のステムノズルは一般的にやや太めのためイヤピ選びは通常よりもやや小さいサイズ感で良いと思います。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. TRN ST7 音質レビュー
いよいよ音質についてまとめていきます。
今年4月から再生環境を更新しました。スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行うことは変わりませんが、USB-DACにはFiiO KA17を用います。これまではUSB-DACにShanling UP5を組み合わせていましたが、それを刷新します。スマホは変わらずSony Xperia 5 IIを用います。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。FiiO KA17は同社のドングルタイプ最新USB-DACです。
KA17の音質傾向ですが、THXアンプを採用し中高音はくっきりはっきりと音像を描く解像感は高く、中低音は暖かみがある。これまでの同社のTHXアンプを搭載した機種とは異なる印象の個人的に好きな鳴り方です。
KiiO KA17のUSB-DACとして使用した音質が気になる方は以前の「FiiO KA17 レビュー」をご覧ください。
以前使用していたUSB-DACとしてShanling UP5もご参考ください。
より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。
Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。
USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。
Shanling UA2は以下を参考ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属白色イヤーピース Mサイズ、付属ケーブルです。
箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音寄りだが中低音も疎かにしない音。高音は華やかで低音はしっかりと鳴る中高音寄りのドンシャリバランス」です。
箱出しでは低音が膨らみボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は落ち着き、高音とのバランスが取れた音という印象です。
音場
普通の印象。前後に奥行と左右の広さを感じられます。奥行きは左右程ほどありませんが立体的な印象です。空間は広さを感じられ窮屈な印象はありません。
高音域
華やかさを感じられます。華やかに鳴り煌びやかさ余韻もありますが、上までの伸びやかさはそこそこに感じます。響きや余韻がある明るい音がしますので存在感のある華やかな音。ただ単に明るく騒がしく感じるような鳴り方ではありませんが、繊細に細やかな音を丁寧に鳴らす。一方で線が細い印象があり刺さりや尖りは感じませんがやや薄い音に感じられます。解像感は良く描写は正確に感じられます。
中音域
凹みのある中音域は高音と低音域より薄く、厚みのあるそれらとは華やかさはあるものの濃さが不足気味。やや真ん中に音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきは感じられませんので、多ドラハイブリッドの中でも良好と云えます。音の分離は悪くなく線の細さを感じられますが、中低音域を6mmDDが上手くカバーしていると感じます。音の立ち上がりは良好でキレの良い音を楽しめます。ボーカルはクリアでやや近い位置から寒色の声色を聴かせてくれます。
低音域
量感は適度で響きや広がりはそれほどありません。大きく強く鳴らし音圧で誤魔化すように鳴らす事はなく適度に鳴らします。音階や強弱といった低音域の解像感は感じられます。ベースラインは追いやすく、ボーカルよりも前にでて邪魔するような不躾さはありません。重低音は沈み込みはそれほど深くありませんが、力強さがありますので力不足を感じません。
出音のバランス
一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリ。中高音域は明るく華やかにクリアで繊細に鳴らしますが響きはもう少し。低音は適度な量感で力強さがあり不足は感じません。派手なバランスの音ではなく聴き易い出音のバランスは素直に良い音と云えます。
高音は明るく華やかになりますが、やや線の細さを感じます。線の細さは解像感や描写を繊細に感じられるものの物足りなさもあります。とはいえ残念な感じではなく多ドラのを良いところを感じられます。上までの伸びやかさはそれ程感じられず、響きや余韻が少し物足りない印象もありますが、キンキンシャンシャンと鳴らしていた数年前のBAの使い方よりも好印象です。これは近年のTRN全般に云えることであり、好みが分かれるかもしれません。過度な華やかさではなく聴き手が音楽を楽しく聴くために十分な鳴り方は高音域の誇張による強調感を感じさせない音に上手くまとめられているという印象です。過度に強調した誇張の強い音は一聴して「愉しさ」を感じますが、直ぐに聴き辛い音になってしまいます。
中音は凹みを感じます。ハイブリッドの弱点ではあります。それでもボーカルはやや近い位置にあり楽器の音はその周りに適度な位置にあり分離は良好。その分薄く線の細いハイブリッドモデルの中音域という印象。中音域の下の方に厚みがある音はその薄さをフォローしてくれており、一体感は感じられます。
ボーカルはやや近い位置からクリアに聴く事ができます。演奏の音にも埋もれることはありませんが声色は寒色寄りで息遣いを感じられます。そのため女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声は分が悪いですが、アップテンポな曲では明快に聴かせてくれます。
低音の量感は適度に抑えられています。響きや広がりも感じられますが、ほどほど。深く広がる伸びはありません。一発の力強さはありますが、音階や強弱の描写を重視した音なのかもしれません。
重低音は沈み込みはそれほど深くありませんが、力強さを感じられる音。従来の低価格帯でよくあるただ強く大きく鳴らす音ではなく、低音域の質感を重視した音です。
一言で云えば繊細な音を鳴らすTRNの最近の音であり評判の良い音という印象です。
そのためST7の線の細さをリケーブルで補うことにします。
同社のRedchainケーブルにリケーブルしてST7は化けます。
先ず4.4mmバランスプラグで聴いてみます。
全体の音のバランスは大きく変わりませんが、高音域の線の細さは改善し、より描写をクリアにはっきりとしてくれます。響きは消え入る様を感じられるようになり伸びやかに感じます。流石に上までの伸びは変わりませんが。
低音域は締まりタイトでリズミカルな音の解像感が上がりますので、音楽の質感の向上を感じます。また、低音域の上の方と中低音域の下の方が持ち上がり音に厚みがでてきます。
中音域は凹みをやや持ち上げて音に厚みがでてきますので、全体的に良い音なんだけど物足りない気がした印象は一変します。
※過去レビューも参考ください
まとめるとTRN ST7はオリジナルのままでも同社の良い音は感じられます。しかし何か物足りないという違和感をRedchainにリケーブルすることで完全体としてST7の良い音を楽しませてくれるようになります。
リケーブルしたST7は中高音域寄りの弱ドンシャリは低音もしっかりと鳴らし高音域はハイブリッドらしい明るい音を鳴らす、音楽的であり聴いていて楽しい音です。それなら最初からRedchainは付属してくれとなりますが、ラインナップ上は致し方が無いのかもしれません。結論は同価格帯で最も推せる高音質モデルと云えます。
一方で従来のような中華イヤホンの強ドンシャリの音が好きな方や中高音重視、低音は邪魔という方には評価が分かれてしまうかもしれません。
高音 VX Pro ≧ ST7 ≧ ST5 (質感の順)
中音 VX Pro ≧ ST7 ≧ ST5 (質感の順)
低音 VX Pro ≧ ST7 ≧ ST5 (質感の順)
ボーカル VX Pro ≧ ST7 ≧ ST5 (質感の順)
※終売、価格帯違いのため参考程度に。ST7リケーブル無の評価
4. TRN ST7 の総評
TRN ST7は同社の安定の高音質モデルと云えます。もちろん価格帯での評価となりますし、実際にはリケーブルすることで同社上位モデルと遜色の無い評価と云えます。このST7は音楽を楽しむための高音質イヤホンと云えます。もちろん同価格帯では間違いなく高音質。同社Redchainにリケーブルすれば同社旗艦多ドラハイブリッドモデルと遜色の無い、高音質を体験できます。相変わらずTRNは製品を上手くまとめてきますね。個人的に高音質のイヤホンとしてお勧めです。
最後に、今回は低価格U5000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2024年10月19日)は国内amazonでは4,000円台。HiFiGoやAliExpress等で3,000円以下で発売されており、現在は海外購入が安価です。それでもHiFiGoやAliExpressの本国発送は納期が掛かりますし、万が一の際には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
ST7
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC KA17
高音★★★★
中音★★★★
低音★★★☆
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
ST7 + Redchain
以下、Redchainケーブル4.4、付属白イヤピ M使用、DAC KA17
高音★★★★☆
中音★★★★☆
低音★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
ST5
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M、DAC UP5
高音★★★★☆
中音★★★★☆
低音★★★★☆
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
VX Pro
以下、付属ケーブル、付属赤軸黒傘イヤピ M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (高音好きの方)
※☆0.5、★1.0
あとがき
今回は中華イヤホンの低価格帯の商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ