みぃねこの備忘録

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Shanling UA5レビュー

こんにちは。

今回も中華イヤホンレビュー編をお休みし、今年4月28日に発売されたUSB-DACアンプのShanling UA5についてまとめたいと思います。

Shanling UA5は国内代理店(株)MUSINの直販サイトを始め、国内amazonのHeyListen取り扱いやイヤホン&ヘッドホン専門店のeイヤホン店頭や同社WEB本店、有名家電量販店等で取扱があります。

 

www.heylisten.jp

 

 

www.e-earphone.jp

 

musinltd.com

 

 

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1. Shanling UA5とは 

1.1. Shanlingとは

以前Shanling UP5のレビュー時にも触れましたが「Shanling(シャンリン)」は中国のオーディオメーカーです。近年はDAP(デジタルオーディオプレイヤー)に力を入れており小型DAPShanling Q1やエントリーモデルのM3X。ミドルクラスのM6 Ver21とミドルハイクラスのM6 Pro Ver21。ハイクラスのM8の上位に新たに旗艦モデルM9を加え、更にM8に代わるM7を発表したポータブルオーディオファンの中でも注目されているメーカーです。特に海外のDAPメーカーでは韓国のAstell&Kernや中国のCayin、iBasso、FiiO、HiByと各社犇く中、Shanlingは音質に定評がありコストパフォーマンスの良い製品を世に送り出しています。

※以前のShanling UP5レビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

1.2. Shanling UA5って何?

Shanling UA5は以前レビューしたUA2、UP5と同様にスマホで音楽を聴く際にイヤホンをスマホ直挿しで聴くよりも高音質で聴く事ができるUSB-DACアンプ機器となります(UP5は正確にはbluetoothレシーバーですがDAC機能付き)。具体的に説明すると普段スマホApple Music等の音楽を聴く際にスマホに付属している有線イヤホン等を使われていると思います。一般的なスマホと有線イヤホンの接続方法はイヤホンのステレオミニプラグをスマホのイヤフォンジャックに直挿し接続しますが、これをスマホのUSB C端子にShanling UA5をUSB Cケーブルで接続。そのShanling UA5のイヤフォンジャックにイヤホンのステレオミニプラグを接続します。

 

  • 通常の直挿し

  スマホ → イヤホン

から、

  • USB-DAC接続

  スマホ → UA5 → イヤホン

 

と、スマホとイヤホンの間にUA5を挟み込み「中継」しShanling UA5を外部DACアンプとして使用することで、スマホにイヤホンを直挿しで聴くよりも音楽を高音質で楽しむ事ができます。

尤も、最近のスマホはイヤフォンジャックの無い機種が増えており、bluetooth接続のイヤホンが主流になりつつあります。bluetooth接続のイヤホンも最近は高音質で音楽を聴く事ができますし、何よりも「ケーブルレス」という身軽さが最大のメリットですが、イヤホンケーブルのある有線接続は同価格比で無線接続イヤホンよりも高音質で音楽を聴く事ができるのは周知の事実です。そのため、例えば通勤時には身軽なbluetooth接続イヤホンで楽しみ、カフェや自宅等のゆっくりと腰を据えて音楽に浸りたい時などはUSB-DACアンプを使うといったシーンに合わせた選択が大切と云えます。

つまり、自宅等でゆっくり音楽に浸りたい時にDAPには手が届かないけど、スマホで音楽を高音質で聴きたいというニーズをこのShanling UA5は満たしてくれます。

 

さて、最近はスマホで音楽を聴く方の多くが音楽配信サブスクリプションサービスを利用していると思います。私もスマホApple Musicをメインに。amazon musicはPCをメインにスマホでも利用しロスレスハイレゾ音質で楽しんでいます。一方、手持ちのCDをリッピングしたロスレス音楽ファイルやダウンロード購入したハイレゾ音楽ファイルを高音質で聴きたい場合はPCやandroidスマホが使いやすく「使い分け」をしています。

私はiPhoneをメインにしていますが、先述の手持ちの音楽ファイルを高音質で聴きたい場合にはそれらに一歩譲りますのでandroidスマホをサブで所有しています。とは云えApple Music等のサブスクをロスレスハイレゾ音質で利用する場合にはiPhoneでも問題はなくShanling UA5等の外部DACアンプを使用することで対応できます。もちろんandroidスマホならば、それらは心配する必要はありません。

余談ですが、UA5の赤色モデルがGWに極少量を店舗限定販売し、6/17にeイヤホン仙台店OPEN時にも少量販売したレアモデルとなります。正規品ではほぼ入手不可ですが、どうしても赤色モデルが欲しい方はAliExpressやHiFiGo等で購入するしかなさそうです。

 

HiFiGo

SHANLING UA5 Portable USB DAC Headphone Amplifierhifigo.com

 

※以前のShanling UA2レビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

1.3. Shanling UA5の仕様

Shanling UA5の機能詳細は後述するとして、先ずは仕様をチェックしてみます。

メーカーは

と銘打っており、主なポイントは以下の通りです(メーカーHP抜粋)。

 

  • OLEDディスプレイ
  • ハイブリッド電源システム
  • ES9038Q2M デュアルDAC
  • RT6863 デュアルOPAMP
  • 同軸デジタル出力対応
  • 最大出力:211mW@32Ω
  • 3.5mm + 4.4mm バランス出力
  • 超低ノイズフロア設計
  • FPGA テクノロジー

 

指先でコントロール クイック・レスポンス

マットな光沢感のあるボディに収まった一際目を引く金色のボリュームホイールは、これまでのUA シリーズでは行えなかった製品単体でのハードウェア・ボリュームコントロールや設定の変更を可能とします。

またOLEDディスプレイは音量やゲイン、再生中ファイルのサンプリングレートといった情報を確認するのに便利です。

 

ハイブリッド電源システム コンパクトながらHi-Fi 志向

UA5 の電源モードはUSB 給電によって動作する『パススルーモード』と、Shanling がUA5 のために開発した『ハイブリッドモード』の二系統から選ぶことが可能です。

ハイブリッドモードではUSB 端子からの給電とは別に、内蔵する220mAh のバッテリーを使用してアナログ部に給電を行うことによって「よりピュアで力強い」高音質を実現します。

ただし、ハイブリッドモードでの連続動作はバッテリー容量の都合により最大で6 時間前後となります。

 

  • パススルーモード

これまでのUA シリーズと同じく、接続したデバイスからの給電によってのみ動作します。

 

  • ハイブリッドモード

UA5 の動作管理や液晶画面、FPGA といったデジタル部には接続したデバイスからの給電を利用。

DAC やアンプといったアナログ部には内蔵するバッテリーを電源として利用します。動作時間は最大で「6 時間 前後」です。

 

※バッテリー残量が低下すると電源モードは自動的に『パススルーモード』に切り替わり、USB 給電からバッテリーの充電を行う状態になります。

バッテリーが50%まで充電されると、再度『ハイブリッドモード』を有効にすることができます。

※バッテリーを充電するためには『充電設定』を有効にする必要があります。

AC アダプタに接続して充電を行う場合、30 分前後で最大まで充電することができます。(推奨電力:5V / 2A)

基本的にスマホに接続し充電設定をONにしていれば充電されますが、UA5単体で付属ケーブルにUSB-Aアダプタを接続し手持ちのUSB充電器に接続しても可能です。使い終わったら充電しておけば困ることはないと思います。

 

ES9038Q2M デュアルDAC

DAC チップに「暖かみのある表現」を得意とする「ES9038Q2M」をデュアル構成で採用し「768kHz/32bit PCM」「 22.4MHzDSD」のネイティブ再生に対応。

また進化した回路設計により、音質を向上させながらも低消費電力と低発熱性を両立しています。

 

RT6863 デュアル AMP

独立したアンプチップとして「RT6863」を二つ採用することで、これまで以上に深みのあるディテール表現とダイナミックレンジの広さ、そして力強いインパクトの再現を可能にしました。

 

FPGA テクノロジー

Shanling 自社開発の「FPGA テクノロジー」と高精度の「水晶発振器」を使用して、クロックの管理と安定した信号伝送を行います。

滲みがなく連続性に優れた音描写を可能とし、アダプタ製品に付きまとう遅延の問題を効果的に抑制します。

 

三系統の出力インターフェース

シングルエンド接続用、所謂イヤフォンジャックの「3.5mm 端子」に加え、ハイグレードなポータブルオーディオ製品で広く普及する「4.4mm 端子」をバランス接続用に搭載。

バランス接続時の出力は最大で「211mW@32Ω」と非常に強力で、これまでのUA シリーズでは扱いの難しかった機器でもドライブすることが可能になりました。

また3.5mm 端子を利用した「SPDIF モード(同軸デジタル出力)」を備えるため、UA5 を利用すればスマートデバイスを据置のオーディオ機器へと簡単に接続できるようになります。

 

アプリとの連携

Shanlingが提供する「Eddict Player」アプリをスマホ等にインストールし、UA5をUSB接続することで、UA5ファームVer、音量、ゲイン、DACのシングル/デュアル切替、DACデジタルフィルタ、左右チャンネルバランス、SPDIF出力、ディスプレイ消灯時間、充電オン/オフ、画面の向き、電源モードの設定等が可能です。これらはUA5本体でも設定可能ですが、ディスプレイの輝度のみUA5本体でのみ設定可能です。

※2022/06/5現在、android OS 向け「Eddict Player」アプリで確認

 

LCDの表示

DACのシングル/デュアル設定、音量やバッテリー残量、アンプゲイン設定の状態を確認可能です。

音楽再生中は再生するファイルのサンプリングレートを表示します。

 

 

小さな媒体に外部DACアンプで求められる機能を詰め込んでいるのは凄いです。

次に、Shanling UA5の主なスペックは以下の通り(メーカーHP抜粋)。

 

基本スペック

  • 本体サイズ:68 x 27 x 13.5(mm)
  • 重さ 29g
  • DACチップ:ESS ES9038Q2Mデュアル
  • PCM 32bit/768kHzサポート、DSD512(22.4MHz)サポート
  • デジタルフィルタ:7種サポート
  • ゲイン設定:2段階(High / Low)
  • 出力端子:3.5mmステレオミニ(シングルエンド)、4.4mm バランス
  • 最大連続再生時間:6時間(シングルエンド) / 3時間(バランス)
  • バッテリー容量: 220mAh

シングルエンド出力

  • 出力レベル:137mW@32Ω
  • 周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
  • THD+N:0.0005%@32Ω (A 特性@ 1V)
  • ダイナミックレンジ:120dB@32Ω (A 特性)
  • クロストーク:77dB@32Ω
  • S/N 比:121dB@32Ω (A 特性)
  • 出力インピーダンス:<0.8Ω

バランス出力

  • 出力レベル:211mW@32Ω
  • 周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
  • THD+N:0.0005%@32Ω (A 特性@ 1V)
  • ダイナミックレンジ:122dB@32Ω (A 特性)
  • クロストーク:110dB@32Ω
  • S/N 比:119dB@32Ω (A 特性)
  • 出力インピーダンス:<1.6Ω

 

音質に係わる仕様をみる限り少なくともエントリーモデルのDAPに勝るとも劣らない性能を持っていると云えそうです。

また、Shanlingファンの方はご存じの同社ミドルクラスモデルDAPM6 Ver21の音質に拘るスペックに迫るほどです。

以前UP5のレビューでも触れた通り、これは考え方や用途次第です。M6 Ver21はDAPですのでイヤホンがあればそれだけで音楽を聴く事ができますが、UA5はイヤホンの他にスマホが必要になります。その為スマホのバッテリー残量が気になる方はM6 Ver21があればそれだけで完結しますので選択肢として有力になります。一方UA5はスマホDAPを2台持ちして荷物を増やしたくない方や音楽を聴く用途で専用のDAP用意するのは気が引ける方の選択肢として有力と云えます。まあM6 Ver21は約6万円、UA5は約3万円ですからね。

もう少し補足すると、10万円前後迄のDAPの絶対性能は価格に比例し相関があります。例えば、エントリークラス(~5万円)のDAPは独自OSを搭載していてもその出来が悪く操作感が悪かったり、android OSを搭載していてもSoCの性能が低くメモリも少ないので、スマホの様な操作感は望めません。同社のM3Xではandroid 7.1、SnapDragon 430、メモリ 2Gです。これはベンチマークではiPhone6にすら届いていないことになります。つまり、今時の2万円以下で購入できる格安スマホでもandroid10、SnapDragon 660、メモリ6Gが主流になりつつある今、操作感はもっさりとして劣りますし最新のスマホをお使いの方にはストレスを感じると思います。

もちろんそれが気にならない方もいらっしゃると思いますので、エントリーモデルのDAPか今時の格安スマホにUA5なのかは用途に合わせてご検討いただき、くれぐれもご自身で店頭等にてお試しいただいた上で納得して購入ください。

因みにShanling等を取り扱う国内代理店のMUSINではレンタルサービス(2022/6/5現在)も行っております。会員登録がとレンタル料が必要には成りますが、レンタルサービス利用後にポイントバックがあり、実際に試して気に入った場合にそのポイントを使って購入することができます。なお詳しい情報は同社HPにてご確認ください。

 

www.heylisten.jp

 

さて、ここからは技術的な話になりますが、UA5は32bit/768kHz PCMとDSD512(22.4MHz)ファイルの再生をサポートしています。残念なのは同社UP5では対応していたMQA 16xファイルの再生はサポート外となります。それでも手持ちのロッシー(圧縮)だけでなく、ロスレスハイレゾ音楽ファイル及び、DSDファイルの再生が可能ですので困ることはないと思います。また、昨今のサブスクリプション音楽配信サービスのApple Musicやamazon musicハイレゾロスレス)音楽データ(24bit/48kHz以上)の再生にも対応しています。もちろん手持ちのCDから非圧縮でリッピングした場合、16bit/44.1kHzのロスレス音楽ファイルとして再生可能なため、CD音質のまま聴く事ができます。

分かり易く区別すれば殆ど全ての音楽ファイル形式の再生が可能であり、例えばiTunesで購入したロッシーのAAC-LC(iPhoneで再生可能な圧縮された320kbpsの16bit/44.1kHz)ファイルや、mora等で購入したAAC-LCファイルやFLAC形式ファイル等のロスレス(16bit/44.1kHz)やハイレゾ音楽ファイル(24bit/48kHz以上)に対応していますので、手持ちの音楽ファイル財産をそれらが持つ本来の性能でそのまま再生することが可能となります。

尤も、iPhone等のiOSモバイル機器単体では標準再生アプリApple Musicで手持ちの音楽ファイルを再生できるのは現在(2022/06/18)もAAC-LCファイルの再生までとなっています。もしも手持ちのロスレスハイレゾ音楽ファイルを24bit/48kHzを超えて再生したい場合には別途NePLAYER等の音楽再生アプリを使い、UP5を接続することで可能になります。

 

それでもよくわからないという方のために、論より証拠。iPhone SE2のamazon musicを使って試してみます。amazon musicはunlimited(従来のHD会員)有料会員です。

amazon musicアプリはVer10.11.1で検証しています。

 

※UA5をUSB-DACとして接続し再生

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UA5をUSB-DACとして接続した場合の表示です。ハイレゾ楽曲24bit/96kHzが端末の性能に制限されず24bit/96kHzで再生されています。

詳しくは後述しますが、端末の性能が24bit/192kHzまで対応しているので、音源通り24bit/96kHzで再生できています。

 

※UA5を取り外して再生

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UA5を取り外してiPhone単体で再生した場合の表示です。再生中の音質が24bit/96kHzと表示されていますが、端末の性能が24bit/48kHzに制限されていますので再生中の音質が24bit/96kHzと表示されていても24bit/48kHzの音質に制限され再生されていることになります。折角音源が24bit/96kHzなのに勿体ないですね。

ここで注意いただきたいのは再生中の音質が24bit/96kHzと表示されていますが、amazon musicアプリの仕様上、上限が端末の性能に制限されるという事です。

元々、iPhone SE2やiPad Air4は端末性能が24bit/48kHzまで対応しています。つまり、iPhoneでは付属のLightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを接続することでamazon musicを24bit/48kHzまでのハイレゾ音楽データの再生が可能になります。iPad Air4の場合は別売のUSB-C-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを使用すれば可能になりますが、音源が24bit/48kHzを超える音源は端末性能に依存していますので、例えば音源が24bit/96kHzのハイレゾ音楽データは24bit/48kHzにダウンサンプリングされて再生します。

「言っている意味がよくわからない」、「いや、面倒…」という方は、iOS端末に単純にUA5を接続し標準アプリ、Apple Musicでロスレス配信サービスを利用すればiPhone等でもサブスクの(ハイレゾロスレス配信サービスの音を楽しむことができます。

Apple Musicアプリの設定は以下記事内、2.2.項をご参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

 

2. Shanling UA5の実機レビュー

それではShanling UA5の実機レビューをしていきます。

 

2.1. UA5の実機&パッケージ

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黒を基調としたパッケージは金?銀?の線で描かれた商品本体イラストがシックで高級感のある化粧箱です。

箱の裏面にはスペックが記載されています。

 

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箱を開けると黒スポンジの内装にメーカーロゴがプリントされた台紙が張り付けられており光の反射で浮かび上がります。内装はUA5をしっかりと固定していて輸送中の傷や破損を防いでいます。

 

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内装を取り出すと仕切り蓋がありそれを開けると箱の底に付属品が収納されています。

 

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付属品はUA5本体、USB C-USB Cケーブル、USB A変換コネクタ、HiResシール、取説類です。取説には中国語、英語、日本語の記載があります。

 

それではUA5本体を見てみます。

今回は国内限定数台の赤モデルです。通常は黒モデルの販売となります。

 

※限定の赤モデルはダイヤルの金が特に映える外観です

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※一般的なUSBメモリとShanling UP5とのサイズ感
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UA5はUP5同様に入力側端子はUSB Cを採用。ケーブル交換が可能です。

※UA5左から3.5mmフォンアウト、4.4mmバランス
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UA5はShanling UP5に対し僅かに薄く、UA2に比べると約2倍の厚みとなります。UA5本体の質感は梨地調の光沢のある表面でUP5のやや傷の目立ちやすい仕上げとは異なりUA2の上位モデルと一目でわかる外観です。気になる方は別売りのケースを使用すると傷防止に役立ちます。

サイズ感としてはUSB-DACの各社製品と比べやや大きめです。

 

※付属USB CをUSB A変換するコネクタ

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UA2やUP5に付属しているものと同様にコネクタ部にメーカーロゴが印字されています。USB A変換はPCとの接続に使用します。

付属のUSB Cケーブルはコネクタ部含め全長約110mmと丁度良い長さのケーブルです。短すぎず、長すぎず、使い勝手は悪くありません。

 

2.1.1. Lightning-USB Cケーブル

付属品ではUSB C端子との接続を想定してUSB C-USB Cケーブルのみです。初回販売品購入特典としてiPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブルがおまけで付きます。私は今回の入手の際に協力いただいた友人にプレゼントしていますので、以前UA2に付属したLightning-USB Cケーブルが使用できますが、既に初回販売分は売り切れている様子ですので、iPhoneでも使えるサードパーティー製ケーブルを紹介します。

 

サードパーティ製のiPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブル

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※付属USBケーブルとほぼ同じ全長ですが、L字コネクタの分ゆとりがあります
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iPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブルに「ddHiFi MFi06 Lightning to USB Type C データケーブル」が使用できます。型番が二種ありますが、その違いはMFi06Sはストレートコネクタ、MFi06はL字コネクタです。

 

ja.aliexpress.com

 

私はamazonから購入しましたが、残念ながら現在は販売していないようです。AliExpressではまだ販売していますのでどうしてもこれが必要な方はご検討ください。販売価格3,000円程度と少々値が張りますが、コネクタがL字タイプなので使いやすいです。

 

2.2. UA5iPad Air4(第四世代)の接続

先ずはiPadからです。iPad Air4(第四世代)はProシリーズ同様にUSB C端子です。付属のUSB Cケーブルがそのまま使用できます。

始めに付属のUSB C-USB Cケーブルの一端をUA5本体のUSB C端子に接続し、もう一端をiPadのUSB C端子に接続します。

次にイヤホンを接続します。今回は以前レビューしたBQEYZ Autumnを使用します。手持ちのAutumnは通常の3.5mmステレオミニプラグではなく4.4mmバランスプラグ仕様ですので、UA5の4.4mmバランスジャックに接続します。手持ちのイヤホンが3.5mmステレオミニプラグの場合はUA5の3.5mmヘッドフォン(ステレオミニ)ジャックの方に接続します。

最後にiPadApple Musicアプリ(iOS15.4.1)を起動します。ちなみにApple Musicの有料会員の場合を想定しており、アプリの(ハイレゾロスレス設定済みを想定していますので、ご容赦ください。※本記事1.3.項最後の過去記事を参照

UA5とiPad Air4を接続してApple Musicを聴く注意点としてはアプリの設定で「ドルビーアトモス」はオフにして下さい。ドルビーアトモス対応の楽曲の場合、「ロスレス」が正しく表示されない事があります。

次に、音量はApple Musicでは最大値に固定。音量はUA5で調整することで音質を損なわずに聴く事ができます。ただし、必ずこの音量設定はUA5と接続した状態で行ってください。UA5を未接続の状態で設定すると爆音で耳を傷めてしまいます。爆音が心配になりますが、UA5を外すと普段の音量に自動的に戻ります。それでも心配な方は音量は何をするときでも最小値から徐々に上げる事を徹底してください。

 

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接続自体は難しいことは無く、順番を守っていれば問題なく認識されます。こういうところでストレスフリーというのは良いことです。amazon等で数多ある同様の商品ではそもそも認識しない。認識するけどコツが有る。そのコツを見つけるのに試行錯誤が必要等があったりしますので、UA5は国内代理店取扱いの正規品であればサポートもありますし安心して購入できる商品と云えます。

 

※音源は176.4kHz、UA5のLCDに176.4kと表示
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※音源は96kHz、UA5のLCDに96kと表示
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※音源は48kHz、UA5のLCDに48kと表示
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※音源は44.1kHz、UA5のLCDに48kと表示
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Apple Musicで聴きたい音楽を選択した際に「再生」キーの上に「(ハイレゾロスレス」と表示がありますので、そこをタップすると音源の音質が分かります。

 

 ハイレゾロスレス・・・ここが24bit/48kHzを超えていればハイレゾロスレス音源

 ロスレス・・・ここが24bit/48kHz以下であればロスレス音源

 表示なし・・・(確認できませんが)ロッシー(圧縮)音源

 

確認した限りではアプリの設定を(ハイレゾロスレス再生可能にしていればロスレス以上の音源を楽しめる事になります。

また、例えばアプリ上で44.1kHzと表示される曲はUA5でも44.1kHzと表示されています。176.4kHzも同じです。UA5ではApple Musicアプリから出力されたものをそのまま再生できています。

そして何よりもUA5をUSB-DACとして利用することで端末に依存する24bit/48kHz以下の制約を回避することができ、(ハイレゾロスレス音質で聴くことができています。

逆に云えば、再生音質をハイレゾロスレスに拘らずロスレスで十分なのであればiPhone付属の3.5mmヘッドフォンジャックアダプタで用は足りる事になります。

 

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なお、ダウンロード購入の場合、ロッシー音源でも16bit/44.1kHzとなりますので、その場合は320kbps以下がロッシーです。CD音質は同じ16bit/44.1kHzでも1000kbps前後となりますので誤解の無いようにお願いします。 

 

2.3. UA5とSony Xperia 5 IIの接続

次に、androidスマホXperia 5 IIで試してみます。android 11、SnapDragon 865、メモリ 8GのSonyの一世代前のモデルです(1 IVも発売されましたし、もう少しで5 IVも発表されるかもしれません。そうなったら二世代前…、うぅ新しいのが欲しい。)。

接続手順は2.2.項のiPad同様です。

 

2.3.1. Apple Musicアプリで試す

UA5の接続後にandroid用のApple Musicアプリ(Ver3.10.0)を起動します。

 

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iPad同様に接続自体に難しいことはありません。UA5を5 IIに接続するだけで認識してくれます。

 

※音源は176.4kHz、UA5のLCDに192kと表示

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※音源は96kHz、UA5のLCDに96kと表示
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※音源は48kHz、UA5のLCDに48kと表示
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※音源は44.1kHz、UA5のLCDに48kと表示
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android用のApple Musicアプリの画面、UIはiPadと大きく変わったところはありません。

そしてiPad同様に「再生」キーの上の「(ハイレゾロスレス」表示がありますので、そこをタップし音質のチェックをします。

アプリでは176.4kHz表示していますがUA5では192k表示です。また、iPad同様にアプリが44.1kHzなのにUA5では48k表示となっています。音源48kや96kは一致しています。

これはandroidApple Musicアプリの仕様又はandroidスマホの仕様と考えますが、(ハイレゾロスレスがロッシーにダウンサンプリングされているわけでもなく、ロッシーがロスレスロスレスハイレゾロスレスにアップサンプリングされているわけではありませんので、(ハイレゾロスレス音質で聴く事が出来ていると云えます。

 

2.3.2. amazon musicアプリで試す

次にamazon musicアプリ(Ver17.15.6)も試してみます。

 

※音源は48kHz、UA5のLCDに192kと表示

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※音源は96kHz、UA5のLCDに192kと表示

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※音源は192kHz、UA5のLCDに192kと表示

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※音源は44.1kHz、UA5のLCDに192kと表示

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amazon musicで聴きたい音楽を選択した際に曲名の上に黄色い文字で「ULTRA HD」または「HD」と表示がありますので、そこをタップすると現在の音質が分かります。

 

 音質・・・ここが24bit/48kHz以上であればハイレゾ音質

 端末の性能・・・ここが当該端末の再生可能なファイルの音質の最大値

 現在・・・ここが実際に再生できている音質

 Codec・・・ここが再生中のデータ形式

 

通常は端末の性能が配信されている音源の音質よりも高くなります(あくまでも端末の性能に依存)。例えば音源(音質の値)がハイレゾ音楽データ24bit/96kHzで端末の性能の値と現在の音質の値が同じであれば、「ちゃんと」ハイレゾ音質で聴くことができています。

また、そもそも先述の「ULTRA HD」表示ではない、「HD」表示される配信楽曲はCD音質(16bit/44.1kHz 1000kbps前後)となります。 

実際にアプリで表示される(音源の)音質と(再生している)現在(の音質)は一致しており、これはiOSamazon musicアプリとは挙動が異なりandroid用アプリの方が正しい動きをしている様に見えます。しかし、UA5の表示は全ての曲でアプリの端末の性能と一致した値192kを表示していますので、実際に再生している値が現在の値の筈なのに、再生できる最大値を出力しているようです。

amazon musicアプリのこの仕様だけは本当に理解に苦しみます。そういう意味ではアプリからの出力が正しく機能しているのはiPhone等のiOS端末のApple Musicアプリのみと云えそうです。androidApple Musicアプリは44.1kHzが48kHzや176.4kHzが192kHzと一部の音源では異なりますが、準じていると云えます。

まあ、amazon musicが端末の性能最大値にアップサンプリングして出力しているのかどうか分かりませんし、音源がハイレゾ音質ならばそれはハイレゾで聴く事が出来ています。問題はCD品質のHD音源がハイレゾ相当にアップサンプリングされているのかどうかよくわからないですし、従来のロッシーで配信されていたころに比べ高音質で音楽を楽しめるのは有難いですね。

個人的にはそういう仕様が不明なところもありamazon musicはPCオーディオ用として作業中BGMとして活用しています。それならSpotifyの方が便利という指摘には「仰る通り」でございます。

 

2.3.3. サードパーティー製の再生アプリで試す

更に他の再生アプリとしてUAPP(USB Audio Player PRO)アプリ(Ver6.0.7.6)で手持ちのハイレゾ音源をSDカードに入れて再生できるのか?を試してみました。

 

※音源はCDをFLACリッピングした44.1kHz、UA5のLCDに44.1kと表示

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※音源はFLAC、48kHz、UA5のLCDに48kと表示
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※音源はFLAC、96kHz、UA5のLCDに96kと表示
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※音源はFLAC、192kHz、UA5のLCDに192kと表示
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結果は音源通りにUA5は表示しました。44.1kは44.1kに。192kは192kと期待通りの結果に一安心です。

これで少なくても5 IIとUA5では問題なく手持ちのハイレゾ音源を音質を損なうことなく再生できることが分かりました。

なお、2.2.項で触れた通りCDをFLACリッピングした「気分上々↑↑」は16bit/44.1kHz 1071kbpsとなっています。

 

2.3.4. UA5接続時の注意点

最後にandroidスマホXperia 5 IIでUP5をUSB-DACとして使用する場合の注意点を以下記載します。記事は5 IIで検証していますが、android 11のスマホならば独自のandroidカスタムOSを除き同じ考え方です。

 

通常の音量調整とは異なる

5 IIにUA5を接続した場合、5 IIの音量出力「メディアの音量」を最大値に固定してください。

音量調整はその代わり、UA5本体にあるボリュームダイヤルで調整できます。

 設定メニュー > 音設定 > メディアの音量

で音量を最大値に固定します。

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実際には最大値でなくても構いませんが、UA5のボリュームを上げる必要がありますので、5 IIの方である程度上げておくと、UA5で微調整しやすいです。

またこの設定は、必ず5 IIとUA5を接続した状態で行ってください。5 IIがUA5を接続した場合の初期値として記憶してくれます。5 II単独で行うと爆音で耳を傷める可能性があります。

 

UA5接続時の挙動

インストールしているアプリによってUA5を5 IIに接続した直後に表示されますが、その時は基本的にキャンセルで構いません。実際にアプリを使うために起動した際、再度確認されます。

 

※UAPPアプリを起動した画面

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例えばUAPPをインストールしている場合、UA5を接続した状態でUAPPアプリを起動するとUA5へのアクセス許可をするかどうかを確認するメッセージが表示されます。UA5をUSB-DACとして接続したままUAPPアプリで再生する場合は、基本的に「OK」を選択してください。誤ってキャンセルを選択した場合は一度5 IIからUA5を外し、改めてUA5を接続してください。改めて確認メッセージが表示されます。

 

2.4. UA5とiPhone SE2(第二世代)の接続

最後にiPhoneとの接続です。

私のiPhoneはSE2ですのでLightning端子です。USB-DACのレビューで毎度のことですが、そろそろ独自規格のLightning端子を廃止して欲しいと切に願います。

というのもLightning端子が厄介でMFI認証という壁に加え、他にも制限が存在している為にサードパーティー製品は対応を謳っていても実際に使ってみないと分からないというのが現状です。今回はddHiFiのLightning-USB Cケーブルが使えましたので早速使っていきます。※本記事2.1.1.項参照

接続の手順を以下説明します。基本的にiPadと一緒ですが接続に使うケーブルが変わります。

 

始めにLightning-USB CケーブルのUSB C側をUA5本体のUSB C端子に接続し、Lightning側をiPhoneのLightning端子に接続します。

次にiPad同様にUA5にイヤホンを接続します。

最後にiPhoneApple Musicアプリ(iOS15.4.1)を起動します。

 

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接続に難しいところはありませんし、サードパーティ製Lightning-USB Cケーブルで問題なくUA5を認識しています。

 

※音源は176.4kHz、UA5のLCDに176.4kと表示

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※音源は96kHz、UA5のLCDに96kと表示
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※音源は48kHz、UA5のLCDに48kと表示
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※音源は44.1kHz、UA5のLCDに44.1kと表示
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動作確認の結果はiPadと同じです。

アプリで音源が44.1k表示のものはUA5では44.1k表示となり、確認した限り音源通りに出力され再生できています。

 

なお、iPhoneiPadiOS端末の注意点があります。

音量が小さすぎる又は大きすぎる等の音量調整がうまくいかない場合、以下の設定をお試しください。

 設定 > ミュージック > オーディオ項【音量を自動調整】

の「オン」「オフ」を試してください。

 

※画像は「音量を自動調整」がオン。「ドルビーアトモス」はオフ。

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私はiPhoneでもiPadでも「オン」の方が音量が調整しやすかったです。

個々の設定により変わるかもしれませんが、困ったときにお試しください。

 

2.5. Shanling Eddict Playerアプリとの連携

androidスマホのみとなりますが、Shanling UA5の設定を管理できる「Shanling Eddict Player」アプリと連携することができます。androidスマホとUA5を付属のUSB Cケーブルで接続しアプリを起動し、アンプのゲイン設定やDACのデジタルフィルターを選択することができ、一度設定してしまえばUA5に記憶されます。

尤も、UA5本体でも設定が行えますので、特に不満が無ければアプリを使わず、UA5をそのまま使用することもできます。UA5の設定を変更してみたいけど本体では分かりにくい方はアプリの方が直感的に操作できて分かり易いのでお試しください。

 

先ず、google play storeから「Shanling Eddict Player」アプリ(Ver2.0.1)をインストールします。

インストール後、UA5とスマホを付属のUSB Cケーブルで接続しアプリを起動後、アプリ画面の指示に従い進めます。

※Shanling UA2記事執筆時はアプリが日本語表記対応していませんでしたが、Ver2.0.1では日本語表記に対応しています。

 

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起動したアプリの初期設定を行います。

アプリ左上の「三」をタップします。


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メニューが表示されますので、「USBデバイスコントロール」をタップ(選択)します。


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UA5が接続されていると橙色の文字で「接続されています」と表示されます。

「UA5」をタップします。


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アプリがUA5へのアクセス許可を求めるメッセージが表示しますので「OK」をタップします。


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接続しているUA5のステータスが表示されます。

アプリ画面を下にスクロールすると他の項目も確認できます。


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最後までスクロールした画面です。

 

アプリのステータス画面では設定したい項目を選択し、各項目を設定できます。基本的にUA5本体でも設定確認と変更ができますので、無理にアプリを使用する必要はありません。

注意点はアプリで設定できない項目があります。「画面の輝度」です。これはUA5本体でのみの設定可能となります。

 

ちなみに個人的なお勧めの設定は以下の通りです。

  • 利得(ゲイン):Low
  • Single and double DAC:Dual
  • デジタルフィルタ:Hybrid fast roll-off
  • 充電:off
  • アンペア電源モード:ハイブリッドモード

非常にノイズの少ない背景の黒いクリアな音を楽しめます。

注意点はUA5本体のバッテリーが50%以下の時は「充電」をONにして充電する必要があることぐらいです。体感では1時間も使うとバッテリー残量が半分近くになるので、結構頻繁に充電する必要がありますが、充電時間は15-20分程度で満充電になるので、ちょっとした休憩時間にするとよいと思います。私は充電をスマホから給電ではなく別途USB充電器を用いています。

設定項目の説明は以下の通りですが、基本的にお好みで設定して問題ないと思います。

  • 利得(ゲイン):出力の強さの切り替え。イヤホンの能率等によりますがお好みでどうぞ。
  • Single and double DACDACの稼働をシングルかデュアルか選択。折角なのでデュアルをお勧めします。シングルの方がバッテリー持ちは良いです。
  • デジタルフィルタ:DACデジタルフィルタを7種から選択。お好みでどうぞ。
  • 充電:本体バッテリーへの充電のオン/オフ切替。一般的にオフの方がノイズレスです。
  • アンペア電源モード:ハイブリッドモードは本体のバッテリーから給電することで一般的なUSB給電のUSB DACよりもノイズレスです。
  • チャンネルバランス:左右の音量差を調整。余程のことが無ければ「0」のままにしてください。

 

それでは次項ではいよいよUA5の音質を確認してみます。

 

 

3. Shanling UA5の音質レビュー

前項までにUA5とiPad/iPhone及びXperia 5 IIとの接続テストと、アプリによるUA5の設定を行いました。

ここからは実際にUA5を使って音質がどのように変化するのかを試してみたいと思います。

今回はandroidスマホSony Xperia 5 IIで試してみます。

イヤホンはBQEYZ Autumnを使い、再生アプリはUAPPを用います。

 

3.1. Xperia 5 IIに直挿しの音質

 

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先述の通り、イヤホンはBQEYZ Autumnを。再生アプリはUAPPを用い5 IIのヘッドフォンジャックに4.4>3.5変換を用いて直挿し接続します。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

イヤピはSedna EarFit Mサイズ、付属4.4mmバランスケーブルを3.5mmアンバランス変換。Autumnの音質調整フィルタはNORMALです。

以前UP5のレビューの通り、Xperia 5 IIはSonyが音にも拘ったスマホという謳い文句に納得させられるものです。

高音ははっきりと鳴らし、低音はほど良い量感で鳴る。中音はボーカルを聴きやすく前面に出しながらも演奏がしっかりと聴こえます。使用したイヤホンがAutumnという解像感の良いものだったこともあり「普通に満足しちゃうだろうな、コレは」という印象です。

 

3.2. UA5を使用した音質

それではXperia 5 IIにUP5をUSB-DACとして接続し実際に聴いてみます。UA5は2.5.項の個人的お勧め設定にしています。

ソースは同様に宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSedna EarFit Mサイズ、付属4.4mmバランスケーブルをUA5の4.4mmバランスジャックに接続。Autumnの音質調整フィルタはNORMALです。

先に聴いた5 IIの直挿しとは一聴して違いを感じます。SN比の良さからくる背景の黒さはUA2やUP5よりも感じられ、高音はUA2同様に華やかで伸びやか。中音は5 IIでは真ん中に集まりごちゃつきましたが、音場が広く音の分離も良く聴きやすい。低音は不自然に強調されていないもののUA2より強く、UP5よりもリスニング寄りの鳴り方。5 IIでは量感があっても軽く感じた低音が、UA5では強さがあり芯のある音です。高音は綺麗に広がりますが強調感は無く、自然で解像感の高さを感じます。5 II直挿しとの比較は勝負にならない程の違いを感じます。

 

5 IIとUA5の比較として、UA5を通して聴いた音場はやや広めから広め。前後左右の空間の広さを感じられます。5 II直挿しで聴いたときに十分と感じられた音場は実は狭く音が中心に集まっていたのだと気づかされます。

高音はUA5では華やかさがあり煌びやかで響きの良さを感じます。上の上までの伸びやかを感じ、十分な華やかさと存在感はなめらかで尖りは感じません。5 II直挿しで聴いたときも華やかさはありますが、伸びはそれほど感じないもののアタック感はあり派手な印象を受けます。

低音はUA5では量感がありながら、芯が感じられ締りとキレは良好。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みは深く、強さもあります。5 II直挿しでは控えめに感じた低音は軽く広がりも少なく感じます。単純にスマホでは出力が足りていないという事だと思います。

中音はUA5が高音同様に響きが良く華やかさがありますが、団子感やゴチャつきを感じない分離感の良い音。一つ一つの音が伸びやかに消え入る様を感じ易く、解像感が高い音です。

ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれます。背景の黒さと相まってクリアで聴きやすく、若干ドライ気味ですが瑞々しく女性ボーカルのバラードでは艶を感じます。5 II直挿しのみで聴いたときの華やかさはごちゃついた音だったと気が付きます。

5 II直挿しはSonyの音。グルーブ感のあるドンシャリですが、UA5は一言で云えば漆黒の中でやや中低音寄りフラットに近いリスニングサウンドという印象です。

 

さて、UA5を通して聴いたAutumnですが、基本的にAutumnの良さ、特長を伸ばしている印象です。

高音は煌びやかさは十分で響きのある華やかさは僅かに前に出るような主張がありますが、誇張は抑えられた感じ。超高音は伸びやかでレンジの広さを感じられます。それでいて不快に感じる尖りとは無縁で、小さな音でもしっかりと耳に届き埋もれることは無く、他の音を邪魔しない爽やで清々しい音。決して強い音だけ強調され前に出るようにシャンシャン鳴らすのではなく誇張を抑えた自然に近い強さで鳴り演出感はありません。全体のバランスを崩していない自然な音は1DDとして非常に質の高い高音を届けてくれます。

中音は凹みを殆ど感じず、楽器の音はボーカルの周りから少し離れやや後ろ辺りに位置し適度に華やかに鳴りますが、その音は統制され見通し良く鳴ります。分離の良さを感じられます。ボーカルは自然な位置から曲によってやや近めでクリアで聴きやすく、高音や低音に埋もれません。

ボーカルは僅かにドライ気味なものの息遣いを感じられ不自然さは無く、瑞々しさを感じられます。Autumnでは女性ボーカルのバラードは相性の悪さがありますが、それでも艶のある声を楽しめます。

低音は量感は控えめに抑えられていますが、必要十分な広がりや響きを感じます。寧ろ響きよりも芯のある締りの良い音はキレの良さと相まって小気味良い音。音の強さ、音の強弱や音階の掴みやすさを重視した解像感の高い音を感じられますが、雰囲気の良さよりも音を聴き分ける感じでしょうか。中高音寄りのフラット寄りのイヤホンとしては適度な低音に抑えられています。

重低音は沈み込みは深く、芯のある強さを感じられ小気味良さがあります。低音域は高音中音をリズミカルに下支えするキレの良さは高音中音の煌びやかで響きの良い音をマスクすることなく音の強弱を感じられると思います。

総合的には圧倒的に5 II直挿しよりもUA5を通して聴くAutumnが高音質です。UA5の音質傾向がAutumnの音質傾向と相性が良いのも理由の一つです。実際にこの音を聴いてしまうとスマホ直挿しで満足していた方もドングルタイプのUSB-DACの検討若しくはDAPを検討してしまうかもしれません。そのぐらいのインパクトを感じます。

 

次に気になるUA2やUP5とのUA5の音質傾向の違いですが、先ずUP5も高音も低音も演出感が少なく自然に鳴らします。高音は綺麗に聴こえますが、UA5に比べると高音の更に高い音域までの伸びやかさは無く、華やかさも控えめです。悪く云えば地味。ですが、UP5はモニターライクなリスニングサウンドですし、UA5はリスニングサウンドでありながら背景の黒さと解像感の高い音はハイレベルな音と云えます。

低音は脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありませんし、音の強弱を掴みやすい質感の良い音ですが、UA5と比べるとやはり地味。なんていうかそのままの音で「ドン」と鳴るUP5に対し、UA5は「ドゥオォン」と云う若干脚色されているような気もしますが、欲しいときに欲しいだけ鳴るUA5の方が音楽を聴いている高揚感があります。

中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好ながら淡々と鳴らすUP5に対し、UA5では同様に広がる音場と音の分離感が良く、解像感も良好で華やかに聴こえます。

ボーカルはクリアですが淡々と聴こえるUP5に対し、UA5では艶とハリのある声を感じられます。UP5がエントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質ならば、UA5はそれを超えてしまい、ライバルはミドルクラスと云えそうです。

一方、UA2は価格帯で今でも十分な性能を持ちお勧めできる商品です。事実上UA5の下位モデルとなりますが、発売当時ドングルUSB-DACに懐疑的だった私もその音の良さに脱帽しました。基本的にはUA2とUA5の音質傾向は近く、強いて云えばUA5の方が低音が強め。加えて、UA5にはハイブリッドモードがあり、これが圧倒的なノイズレス、漆黒の空間を生み出し高音質です。UA5のパススルーモードではUA2とほぼ同等の印象ですが、UA5には本体で音量調整が可能となりますのでUA2がやや分が悪いと云えます。

実際に使ってみてUA2やUP5とUA5の違いを簡単に云えば、UP5は音をそのままに淡々と鳴らしフラットに近いバランスでモニターライク寄り。UA2は価格帯でトップクラスと云えるリスニングサウンド。UA5はUA2で不便だった音量調整が可能となり、ハイブリッドモードによる高音質化した上位機種と云えます。

それぞれ価格がUA2が約11,000円、UP5が約22,000円、UA5が約33,000円とUA2比2倍と3倍となります。どれが一番良い音かと云えばUA5と即答しますが、「良い音を得るための必要金額」所謂コスパの高いUA2と本業はbluetoothレシーバーのUP5は多機能という事で、どれが一概に優れているとは云えませんね。

 

 

4. Shanling UA5のまとめ

さて、Shanling UA5はドングルタイプのUSB-DACとしてはやや大きめとなりますが、バッテリーを搭載しハイブリッドモードで使用することでミドルクラスDAPと遜色無い音をスマホサブスクリプション音楽配信サービスや手持ちのハイレゾ音源を良い音で手軽に楽しめことができるとまとめました。

そしてUA5はUA2の上位機種として価格は3倍となりますが、LCDディスプレイ搭載により使い勝手やその音質について満足できる商品と云えそうです。

最後に、今回もいつもとは違う趣で商品レビューをまとめてみました。今回も中華USB-DACアンプというDAP要らずのスマホで十分音楽を楽しみたいニーズへの一助になれば幸いです。

現在(2022年6月17日)は代理店直販サイトやamazonECサイト、国内家電量販店店頭等でも発売されており、30,000円を少し超える価格で購入可能です。機能に対し安価な実売価格は十分満足できる内容となっていると思いますので、この商品を検討している方は保証の面からも安心確実な国内正規代理店取扱品の購入を検討してみてください。円安の影響を抑えてくれている代理店様には今後も魅力的な商品の取り扱いを期待し、楽しみにしております。

 

 

あとがき  

あとがきとして、今回は以前の同カテゴリ商品同様に中華製のUSB-DACアンプの活用をiPadiPhoneでどのように使うことができるのか。特にサブスクで活用できるのか。それをどの様に使うのかをまとめてみました。これを読んでくださる方が何故このサイトにたどり着いたのか?を重視してまとめてみました。尤もこの記事は自己満足の域を出るものではありませんが、皆さんが少しでも参考になれば幸いです。

一方、個人的には低価格中華イヤホン熱が下がっており、記事の執筆頻度が下がっております。中華イヤホンメーカーには商売重視も良いですが、真摯に受け止めていただければ幸いです。そしてやはり魅力的な商品開発やそのスピードはこれからも楽しみにしています。

今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンや、中華DAC及びヘッドホンアンプにも挑戦していきたいと考えています。気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ