みぃねこの備忘録

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Technics EAH-AZ80レビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンではなく、日本の老舗ブランドTechnicsの左右独立型完全ワイヤレス(Ture Wireless Stereo。以下TWS)イヤホン、EAH-AZ80のレビューをまとめたいと思います。

国内有名メーカーの商品なので国内大手イヤホン専門店や家電量販店の各店頭及び、WEBサイト並びにamazon等のECサイトでも購入可能です。

 

 

www.e-earphone.jp

 

以下、メーカーHP

jp.technics.com

 

 

 

 

1. Technics EAH-AZ80について 

1.1. Technicsとは

Technicsはパナソニック(旧・松下電器産業)の高級音響機器向けブランドです。パナソニックは業務用電気産業機器や白物家電のテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの生活家電を製造販売している日本の老舗電気メーカーです。

そのTechnicsから今年6月に左右独立型完全ワイヤレス(以下TWS)イヤホンの新型として発売されたのが、EAH-AZ80です。TechnicsブランドではこれまでEAH-AZ70に続き、EAH-AZ60が同社のTWSイヤホン旗艦モデルでした。そしてEAH-AZ60発売から約2年後の今年6月に新たな旗艦モデルEAH-AZ80が登場しました。今回EAH-AZ80の発売と同時にラインナップが変更され、旗艦モデルEAH-AZ80に加え、EAH-AZ60M2が発売されています。モデルナンバーからはEAH-AZ60の後継機はこのEAH-AZ60M2となり、更にトップエンドモデルとしてEAH-AZ80が登場した事になります。

EAH-AZ80ではEAH-AZ60M2とは異なるセールスポイントがあり、装着感を改善したコンチャフィット形状の採用と、新素材のアルミ振動板を採用。注目はこのアルミ振動板です。これにはTechnicsの有線イヤホンハイエンドモデル EAH-TZ700に採用したアルミ振動板が採用されており、そのドライバの技術がフィードバックされ新開発されたものです。従来のEAH-AZ60でも完成度の高い高音質を得られていましたが、それを上回ることを期待させます。

参考にEAH-AZ60M2は従来のEAH-AZ60のマーケットからの不満点をフィードバックし改良型と云えます。それは価格は据え置き新たにワイヤレス充電の採用と3台マルチポイント対応しました。前作EAH-AZ60が20,000円台後半で購入できるTWSとして音質に加えガジェットとしても完成度が高く他社をリードしていましたが、M2へ機能をアップグレードさせ同価格帯では敵無しと云えそうです。

さて、EAH-AZ80は発売から約1ヵ月経過し、メーカー初出荷分が一度完売した為にメーカー在庫なし、流通在庫のみとなったようです。従来のEAH-AZ60ユーザーの買い替え需要と新しもの好きのユーザー需要が一段落すれば在庫状況も落ち着くとは思いますが、近年の世界的な電子部品不足の状況では再生産時期は未定。実際に電子機器のモノづくりを生業にするメーカーは苦境が続いています。特に趣味の世界で使用する様な電子機器は初期生産分の後、次ロット生産の数か月先、または目途が立たない事も多く、以前と違い今は欲しいものは新発売と同時に購入することが大切です。

余談ですが、台湾の電子部品製造メーカーTS〇Cが米国のスマートフォン製造販売メーカーやPCのCPUメーカーのチップ製造をしている訳ですが、そのT〇やイン〇ルのチップを供給できていないために世界的に製造が遅れています。このチップは国内の正規ルートでは在庫が少ないかそもそも入手できない状況なのに、中国では容易に見つかります。勿論偽物も相変わらず流通しているようですが、それでも容易に購入できる事実は何を意味しているのか?台湾を日本の友好国と考えるのは早計なのかもしれません。特にビジネスにおいては、です。

閑話休題

Technicsの新しいTWSイヤホンのラインナップですが、先述の通り旗艦モデルのEAH-AZ80と同時にミドルモデルのEAH-AZ60M2を新発売しました。これらは従来のEAH-AZ60の価格帯が旗艦モデルからミドルモデルとなり約27,000円と据え置き。新たな旗艦モデルEAH-AZ80が約36,000円と価格帯が上がりました。そのためスタンダードモデルとしてEAH-AZ40はラインナップ残されています。こちらはEAH-AZ60M2に対し無線接続コーデックがSBCとAACのみ。加えてアクティブノイズキャンセリング(以下ANC)機能は無く、アンビエント機能(外音取込機能。他メーカーで云う「ヒアスルー」)のみと機能は抑えられています。その分、販売価格がEAH-AZ60M2の約27,000円に対し、約15,000円と半額と手が出しやすく、白物家電メーカーのブランドらしい一般ユーザーのボリュームゾーンを抑えたモデル棲み分けによりラインナップが完成したと云えそうです。

それでは、次にEAH-AZ80の特徴をみていきます。

 

1.2. Technics EAH-AZ80の特徴

Technics EAH-AZ80は2年の時を経て同社AZ60の次世代ハイクラスモデルとして登場しました。「コードには縛られたくない。でも、音質にもこだわりたい。その相反する想いに応える、テクニクスの完全ワイヤレスAZ80。デジタル処理を最小限に抑え、解像度の高いクリアな音を実現。ワイヤレスとは思えない高純度のサウンドを、あなたの耳へ。」と謳っています。

それではその特徴を以下まとめてみます。

 

ワイヤレスで、ここまでクリアな音

テクニクスが60年近く培った音響技術と、先進テクノロジーが高次元で結晶。
低域から高域まで、澄み切ったサウンドをあらゆるシーンで自由に楽しめる。独自の音響構造により臨場感溢れるリアルな高音質を実現。

  • 新素材のアルミ振動板&10mm径大口径ドライバーによる圧倒的な臨場感があなたを包み込む。
  • 音響構造として「アコースティックコントロールチャンバー」、「ハーモナイザー」を採用。空気の流れまで緻密にコントロール。音の広がり・奥行きまでリアルに再現する。
  • EQブロックの処理をシンプル化。音質の劣化を防ぎ、本来の音に近づける

 

業界最高クラスのノイズキャンセリング性能

  • デジタルとアナログのデュアル制御で、ノイズを最適に処理。
    自然で違和感のない音を、長時間楽しめる。
  • デュアルハイブリッドノイズキャンセリング(※ANC)
  • 2つのアンビエント機能(※ヒアスルー)に対応

  - トランスペアレントモード

  - アテンションモード

 

装着感にもこだわった高品位なデザイン

  • 人間工学が導き出した独自の形状。耳への負担を減らしながら、より安定した装着が可能なコンチャフィット形状を採用。ずっと装着したままでも心地よく、快適な装着感を実現。
  • イヤーピースによる保持に加え、耳穴の周囲のくぼみであるコンチャ(耳甲介)にフィットするコンチャフィット形状による優れたフィット感を追求
  • 7つのサイズから選べるイヤーピースを付属
  • コンパクトで質の高いデザインは質感の高いデザイン
  • 環境に配慮したデザインのパッケージング

 

切替操作不要で3台までの機器を使い分けられる3台マルチポイントに対応

  • マルチポイント(アカウントやID登録等不要で3つの機器との接続を自動切換え)
  • マルチペアリング(登録機器最大10台)

 

よりクリアな声を相手に届ける。進化した独自の通話音声処理技術
「JustMyVoice™」テクノロジー

  • 「JustMyVoice」テクノロジー搭載
  • ノイズ低減と複数のマイクで声をクリアにするビームフォーミング技術
  • 左右合計8つのマイクを内蔵
  • 不快な風切り音を抑えるラビリンス構造

 

バッテリーの確認、モードの状態の確認、各種設定が行えるアプリ「Technics Audio Connect」に対応

  • 電源オフボタンの新設などさらに使いやすさを充実
  • お好みに合わせて音質やタッチセンサーのカスタマイズが可能
  • 「ヘッドホンを探す」機能
  • 「JustMyVoice」テクノロジーの通話音声をアプリで事前に確認

 

その他の特長

  • ワイヤレス充電「Qi」に対応
  • 音声アシスタント、Amazon Alexaに対応
  • Google Fast Pair 対応
  • Swift Pair対応
  • イヤホンを外すと、音楽も一時停止になる装着センサー
  • 突然の雨でも使用できる防滴仕様IPX4相当
  • イヤホン本体のタッチ操作でマイクのミュートが可能
  • さらに、便利な使い方「片耳使い」

 

(以上、メーカーHP抜粋)

 

Technics EAH-AZ80は同社のTWSイヤホン旗艦モデルらしく高機能、高音質となっています。同価格帯の他社製品と比較した場合にも見劣りする様なところもありません。それでもEAH-AZ80は先述の通り、先代のEAH-AZ60から機能に大きな変化はありません。ワイヤレス充電と3台マルチポイントは追加されたものの一般的には大幅なアップグレードとは云えず、マーケットインのブラッシュアップに留まっています。しかし、EAH-AZ80は旗艦モデルです。価格帯も上がったのにそれでは困ります。EAH-AZ80はやはりTWSイヤホンとしての本領を発揮させるべく高音質化を図ったモデルという認識です。具体的には新素材アルミ振動板を採用した10mm径ダイナミックドライバの採用により、解像感と躍動感がEAH-AZ60よりも大きく向上しています。

また、個人的にEAH-AZ80には無線コーデック「LDAC」を継続採用しており、ハイレゾ音源をTWSイヤホンでもハイレゾ相当で手軽に聴く事ができます。現在はTWSイヤホンの音質を左右する機能として無視できない「無線コーデック」をSonyが開発したLDACを採用してでも音に拘ったメーカーの強い意志を感じます。簡単に云えば「LDAC」は「SBC」などの一般的な無線コーデックの約3倍もの情報量を持ち、最大24bit/96kHzのハイレゾ音質の楽曲データをほぼハイレゾ相当で伝送が可能となります。Sonyの開発した無線コーデック「LDAC」はこれまで主流だった「aptX」や「AAC」「SBC」よりもデータ伝送量が多く、その結果、従来よりも高音質で音楽を聴く事ができます。

少し技術的な話をすれば、「LDAC」は最大24bit/96kHz、最大990kbpsに対応しています。それに対し、SBCでは最大16bit/48kHz、最大328kbpsと伝送量が劣ります。そのため、AAC-LC(320kbps)のような圧縮された楽曲データを聴く場合には折角のLDACの優位性は感じられませんが、ロスレス楽曲(16bit/44.1kHz、1,000kbps)やハイレゾ楽曲(24bit/96kHz、4,000kbps)ではほぼ有線イヤホンで聴いているような音質を感じられます。

つまり、EAH-AZ80は、TWSイヤホンでもTechnicsの名に恥じないTWS旗艦モデルとして、無線接続でも高音質で音楽を聴く事ができるように有線イヤホンで培った音響技術を惜しみなく投入し、現在の無線コーデックの最高峰のLDACに対応させることで無線接続でもハイレゾ音源をハイレゾ相当で楽しむことができます。更にTWSに求められるガジェット機能は従来機からアップグレードされ他社に遜色が無く弱点の無い商品と云えます。

 

1.3. Technics EAH-AZ80のスペック

次にEAH-AZ80のスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(Technics商品ページ抜粋)

  EAH-AZ80 EAH-AZ60 国内S社
ドライバ

10mm径ダイナミックドライバ
アルミダイヤフラム

8mm径ダイナミックドライバ
バイオセルロースダイヤフラム
6mm径ダイナミックドライバ
高音質化技術 - - DSEE Extreme

Bluetooth

バージョン

5.3 Class 1 5.2 Class 1 5.2 Class 1
コーデック SBC、AAC、LDAC SBC、AAC、LDAC SBC、AAC、LDAC

ノイズ

キャンセル

〇ANC / 〇ヒアスルー 〇ANC / 〇ヒアスルー 〇ANC / 〇ヒアスルー

マルチ

ポイント

〇3台 〇2台 〇2台
360 Reality Audio - -
アプリ対応

連続再生

時間

イヤホン:
最大7時間(NCオン) / 最大7.5時間(NCオフ)
充電ケース:
最大24時間(NCオン) / 最大25時間(NCオフ)
イヤホン:
最大7時間(NCオン) / 最大7.5時間(NCオフ)
充電ケース:
最大24時間(NCオン) / 最大25時間(NCオフ)
イヤホン:
最大8時間(NCオン) / 最大12時間(NCオフ)
充電ケース:
最大24時間(NCオン) / 最大36時間(NCオフ)
防水 イヤホン本体:IPX4 イヤホン本体:IPX4 イヤホン本体:IPX4
満充電時間 イヤホン:約2.0時間
ケース:約2.5時間
イヤホン&ケース:約3.0時間
イヤホン:約2.0時間
ケース:約2.5時間
イヤホン&ケース:約3.5時間
イヤホン:1.5時間
ケース:約3時間
充電時間 15分充電で70分使用可能 15分充電で70分使用可能 5分充電で60分使用可能

ワイヤレス

充電

-

イヤホン

重量

イヤホン:7.0g
ケース:50g
イヤホン:7.0g
ケース:45g
イヤホン:7.3g
ケース:41g

 

参考にこれまでの同社旗艦モデルEAH-AZ60と国内メーカーS社のLDAC対応TWSイヤホンのスペックを併記してみました。

三つの機種はスペック上、ほぼ同じ。音質に拘るところでは無線コーデックはLDACと同じです。異なるのは搭載するドライバサイズや振動板の素材が違います。

音質以外の機能性、所謂ガジェット性能はEAH-AZ60が今となってはやや見劣りする程度で有線イヤホンとは違うTWSイヤホン市場のニーズに対応していると云えます。

販売価格ではEAH-AZ80の約36,000円(公式ストア)に対し、国内S社は約36,000円(公式ストア)とほぼ同じ。とはいえ国内S社は発売から2年が経過し公式ストアクーポンで約27,000円と安価で購入できます。これはEAH-AZ60M2とほぼ同じ価格帯です。実売価格でも新発売のEAH-AZ80やEAH-AZ60M2は値下がりはほぼありませんが、国内S社は25,000円前後となります。機能面では大きな差が無いため、価格面では国内S社が優位ですが、そろそろ新型が発売されるという噂がありますので悩ましいです。

さて、この価格帯は各社がTWSイヤホンのハイクラスモデルを投入しており、競争が激しい市場です。そしてTWSイヤホンとしての「高音質」に加え、ガジェット機能も高い商品に人気が集まっています。

EAH-AZ80は先代のEAH-AZ60から音質を強化したモデルという位置づけであり、「商品性」も高く、肝心の「音質」をさらに強化した商品として、正統進化したと云えます。アプリ連携を含めガジェット性能は国内S社と互角。違いは国内S社が360 Reality Audioや同社のDSEE Extreme(圧縮音源のアップスケーリング技術)による高音質化技術はやはり他社との差別化ができていると云えます。それをTechnicsは国内S社のソフト面からのアプローチではなく同社の有線イヤホンで培った高音質化技術をハード面からアプローチすることで差別化を図っています。

そして、TWSイヤホンは無線接続の安定性が重要です。EAH-AZ80は最新のTWSとしてBluetoothバージョン5.3 Class1を採用し省電力と接続安定性が高くなります。androidスマホのLDAC音質優先で接続した場合、リビングにスマホを置きその部屋(LDK)の中でイヤホンを装着したまま動き回っても接続は安定していましたが、壁を隔てた部屋間の移動では途切れることがありました。その為、マルチポイント接続を無効にしたところ、ほぼ途切れなくなりました。屋外での使用では流石に接続優先に設定。大きなハブ駅構内等では偶に途切れることがありましたが、安定しており実用十分の通信品質と云えます。しかし、同じ条件で国内S社のLDAC接続可能のTWSでは音質優先部屋間の移動でも問題は無かったのでスマホとの相性があるのかもしれません。

次に使用可能時間です。連続再生時間はANCオン/オフや接続コーデックにより変化します。そのため公称よりはやや短めとなりますが、出かける前にフル充電しておけば平日の通勤のお供に問題はありませんし、最新のTWSとして十分な使用時間となります。尤もこれは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。

最後に待機時間や充電時間です。実際に約一ヵ月使ってみた印象として充電時間はほぼスペック通りと感じましたが、私の環境では音楽再生が僅かに短く感じるものの、ほぼスペック通りという印象です。とはいえ、家で動画を観たり通勤往復でも十分ですし、会社についたら充電してしまえば不都合を感じる事はないと思います。これは他のメーカーでも云えることですが、実際のメーカー公称時間とユーザーの実行時間として問題なく、十分満足できると云えます。

 

Sony Xperia 5 IIの設定>音設定メニュー画面

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EAH-AZ80に限った話ではありませんが、初めて接続したTWSの音量が大きすぎる場合があります。その場合ですが、androidの設定>音設定メニュー、メディアの音量を調整し本体の音量調節ボリューム調整で予め下げておくことをお勧めします。また、通常Bluetooth接続機器とスマホ本体の音量調整は連動しており機種によっては1メモリの調整幅で大きくなり過ぎたり、小さくなり過ぎたりと音量調整で困ることがあります。これに対応できるのが前述の「メディアの音量」調整です。ポイントはスマホ本体のボタンではなく「メディアの音量」バーを「スワイプ」で調整し好みの音量に微調整し、それ以降はイヤホン本体で音量調整をします。

 

EAH-AZ80の充電は付属のケーブルをケースのUSB タイプC端子を接続し市販のUSB-A充電器で行います。

イヤホン本体の充電残量の確認はケース本体のLEDの点灯により確認できますが、より分かり易いのはスマホ本体での確認です。

以下、androidスマホの場合です。

 

Sony Xperia 5 IIの設定>機器接続メニュー画面

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androidスマホではBluetoothメニューの接続デバイス一覧に現在接続している機器が表示されますが、その中でバッテリー残量の確認ができます。

 

ケースの充電残量はケース正面のLEDにより充電ステータスで分かります。

ケースの蓋を開けた時、LEDが残量に応じて点灯します。

  • 残量なし・・・LEDが消灯(無点灯)
  • 残量少ない・・・LEDが赤色点灯(約3秒)
  • 残量中程度・・・LEDが黄色点灯(約3秒)
  • 残量十分・・・LEDが緑色点灯(約3秒)

 

次にケースの充電中はケース正面のLEDにより充電ステータスが分かります。

充電中はLEDが残量に応じて点灯します。

  • 残量少ない・・・LEDが赤色点滅
  • 残量中程度・・・LEDが黄色点滅
  • 残量十分・・・LEDが緑色点滅
  • 満充電・・・LED消灯

 

イヤホンの充電中はイヤホン状態を示すLEDにより充電ステータスが分かります。

充電中はケースの蓋を開けた時、LEDが充電ステータスに応じて点灯します。

  • 充電中・・・LEDが赤色点灯
  • 満充電・・・LED消灯

 

購入後、最初に満充電にします。充電が完了したらいよいよandroidスマホとのペアリングです。基本的に取説通りで問題なくペアリングを行えます。

次項ではandroidスマホを例にペアリング方法を説明します。

 

1.4. androidスマホとLDACでのペアリング方法

Xperia 5 II、android 12で検証済

基本的に難しいことはありません。以下の手順でペアリングを行います。

  • 最初にandroid OSの開発者向けオプションを有効にする。
  • androidスマホBluetoothを有効にする。
  • 充電ケースからEAH-AZ80、イヤホン左右をケースから取り出す。
  • androidスマホの設定>機器接続>新しい機器とペア設定するメニューを選択すると接続機器のリストに「EAH-AZ80」が表示されますのでそれを選択するとペア設定完了です。
  • 2回目以降は自動的に接続します。自動的に接続しない場合は以前接続した機器リストに「EAH-AZ80」が表示されていますのでそれを選択する。
  • メディアデバイスが「EAH-AZ80」を表示していれば接続完了です。

androidスマホの画面右上のBluetoothマークが表示されれば完了。

※後述(1.5.項)しますが、LDAC接続するには最初にアプリ側でLDAC接続を「ON」にする必要があります(初期設定は「off」)。また、必要に応じ最初に開発者向けオプションでBluetoothオーディオコーデック、LDACを選択後、接続品質を選択してください。

 

※LDACでペアリング成功した確認

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※開発者向けオプションのBluetoothオーディオコーデックがLDACになっていることを確認

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基本的に一度ペアリングすると接続機器リストに表示されますので次回以降はEAH-AZ80をケースから取り出す(電源を入れる)と自動的に接続します。

自動的に接続できない場合は前述の以前接続した機器リストから選択してください。

上手くいかない場合、一度androidスマホからEAH-AZ80の接続の登録を削除して最初から実施しなおしてみてください。

 

次にアプリとの連携です。

ここでもandroidスマホを例に操作方法を説明します。

 

1.5. Technics Audio Connectアプリとの連携

Google play Storeから「Technics Audio Connect」アプリをスマホにダウンロードしインストールします。

次にEAH-AZ80をスマホと接続後、アプリを起動しアプリのメッセージに従い設定すれば完了です。

以下、アプリVer3.0.2で検証しています。

 

※イヤホンに装着しているイヤーピースは同社EAH-AZ60と共用の別売品。本体色が白(銀)の付属品です。

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※アプリのホームタブ画面

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※外音タブ画面。ANCやアンビエントの切り替えや効き具合を調整できます。

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サウンドタブ画面。プリセットされたイコライジングで音の変化を楽しめます。デフォルトは「ダイレクト(イコライジングoff)」です。

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※設定タブ画面。色々な設定が可能です

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下にスクロールすると操作系のカスタマイズメニューがあります。LDAC対応のTWSをLDACで接続するための設定やマルチポイント接続を有効にする設定を必要に応じ行います。

 

※設定タブ画面を下スクロールした画面。「接続」メニューがあります。

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メニューから「接続モード」を選択します。


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音質優先をチェックし、LDACをONにします。

また、マルチポイントの設定も同様に行います。接続メニューの「マルチポイント」を選択します。

 

※「マルチポイント」メニューを選択した画面

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LDAC接続の音質優先の場合はマルチポイント接続を「無効」とし1台のみの接続にします。AZ80の売りとして3台のマルチポイント接続がありますが、LDACでの接続はできません。LDACのベストエフォート接続であれば2台のマルチポイント接続が可能です。用途に応じて選択してください。私は音質と接続安定性を重視しマルチポイント無効で使っています。

 

全体的にアプリの出来は良く、直感的に選択できます。音楽再生や機能のON/OFFはイヤホン本体で操作できますので不便はありませんが、現在の設定内容の確認や接続コーデックを確認できますし、何よりも操作系のカスタマイズが可能となっているのは便利です。

 

1.6. イヤホン本体の操作方法

Xperia 5 IIとペアリング済で検証

  • androidスマホBluetoothを有効にする。
  • EAH-AZ80をケースから取り出し自動的にペアリングモードに移行し接続開始。
  • androidスマホの画面右上にBluetoothマークが表示されれば接続完了。
  • androidスマホでミュージックアプリを起動し聴きたい曲を選択し再生する。
  • イヤホン右側/左側の何方かを1回タッチで再生停止。もう一度1回タッチすれば再生します。基本的に1回タッチ毎に再生/停止を繰り返します。
  • 再生停止中にイヤホン右側を素早く2回タッチすると次の曲へ進みます。
  • 再生停止中にイヤホン右側を素早く3回タッチすると前の曲に戻ります。
  • 再生中にイヤホン右側を素早く2回タッチすると次の曲へ進みます。
  • 再生中にイヤホン右側を素早く3回タッチすると曲の頭に戻ります。
  • 再生中/停止中にイヤホン左側を素早く3回タッチで音量アップ。
  • 再生中/停止中にイヤホン左側を素早く2回タッチで音量ダウン。
  • 着信中にイヤホン左右の何れかを1回タッチで通話開始。
  • 通話中にイヤホン左右の何方かを2秒長タッチすると通話終了。
  • 着信中にイヤホン左右の何方かを2秒長タッチすると着信拒否。
  • 通話中にイヤホン右側を素早く2回タッチすると通話ミュート。ミュート中に素早く2回タッチで解除。
  • 通話中にイヤホン右側を素早く3回タッチすると通話ノイズレベル切替。
  • 再生中/停止中にイヤホン右側を2秒長タッチするとノイズキャンセリングアンビエント(ヒアスルー)切替。
  • 再生中/停止中にイヤホン左側を2秒長タッチするとスマホのアシスタント機能オン。(あらかじめスマホ側でアシスタント機能を有効にしておく必要があります)
  • 使い終わったらケースに戻すとイヤホンの電源がオフになります。
  • androidスマホとの接続が解除される(androidスマホの画面の接続ステータスが消える)。
  • androidスマホBluetoothをオフにする。
 

プレイヤーをandroidスマホとした場合の音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。基本的に他のandroid搭載DAPでも操作方法は同じです。(接続する機種によって一部機能が対応していない場合があります)

最近のTWSは音楽再生等の機能操作を全てコントロールできますし、ハイクラTWSでは当たり前の機能です。数年前までのTWSでは音量調整ができない、曲送り、曲戻しができない等の操作機能制限があったり、タッチ操作の感度(反応)が悪いなんて機種もありましたが、EAH-AZ80はその点に不満はありません。

タッチ感度は良く反応も良好なので初めてTWSを使う方にも安心です。注意点としては各社のTWSの操作方法が異なり統一されていないので、他にも所有している場合にEAH-AZ80はイヤホン左右に割り当てられた機能、タッチ回数が比較的分かり易くなっていますが、スマホに取説の操作方法を画像で持っておくか、Web取説をブックマークにしておくことをお勧めします。

なお、国内S社のTWS同様にEAH-AZ80もアプリで操作方法を確認できますし、左右の操作方法をカスタマイズできます。加えてANCの効きも調整できる等、ガジェット性能は優秀です。

 

まとめると先代EAH-AZ60同様にEAH-AZ80の接続は簡単でスムース。イヤホン本体ですべての音楽再生機能操作も行え、本体タッチ操作は先代と同じですので、EAH-AZ60ユーザーは操作に迷うことはありません。アプリも直感的に操作ができ実用的。そして、何よりもEAH-AZ80は先代EAH-AZ60よりも音質に磨きがかかっています。正直ハイクラスの中でもトップクラスです。尤も外音をシャットダウンするANCでは国内S社TWSに一歩譲りますが、外音を取り込めるヒアスルー機能は自然でかなり優秀。個人的には音は好みなので手持ちのTWSの中でも一番のお気に入りです。他社のハイクラスモデルにはガジェット性能を売りにしたり、音質特化したりと「そうじゃない感」の商品も多く、TWSイヤホンとして「本物」と云えるかもしれません。

 

最後にイヤホンのリセット方法も説明しておきます。

何故にリセット?と思われるかもしれませんが、実はよく検索されている「ワード」だったりします。

 

1.7. イヤホンのリセット方法

  1. 両方のイヤホン(LとR)を充電ケースに入れて、15分程度充電する
  2. イヤホン(R)を充電ケースから取り出して右耳に装着する
  3. イヤホン(R)の起動音が聞こえたらすぐにタッチセンサー(R)をタッチしたままにする(アナウンスが聞こえても指を離さない)
  4. イヤホン(R)からペアリング音(メロディー)が聞こえたらタッチセンサー(R)から指を離す。約10秒間タッチしていてもペアリング音が聞こえない場合は、手順1からやり直してください。
  5. 再度、タッチセンサー(R)を完了のアナウンスが聞こえるまでタッチしたままにする。イヤホン(R)から「完了しました」のアナウンスが聞こえたらイヤホン(R)の初期化は完了です
  6. イヤホン(R)を充電ケースに戻す
  7. イヤホン(L)も同様に上記の手順2~6を行う
  8. リセットが完了し出荷時の状態に戻ったイヤホンは記憶されているペアリング情報も削除されています。そのため、スマホ等に残っている登録を削除し、再度ペアリング登録を行います。

 

動作がおかしいなと思ったらスマホから登録を削除してイヤホン本体をリセットを先ずお試しください。

因みに、これは技術者目線の余談です。EAH-AZ80に限りませんが、初期化と同様に大切なのはTWSのバッテリー残量をあらかじめandroidスマホ画面で確認しておくことです。

  • TWSの充電が少なくなった際に直ぐに充電をする。
  • 充電が20%以下にならないように管理する。
  • 過放電は絶対にダメ!

これは過放電はバッテリー劣化を早め寿命を短くしてしまうからです。特にTWSに搭載されるバッテリーは容量が小さく、愛機は長く大切に使いたいものです。

 

 

2. Technics EAH-AZ80の実機について 

それでは、EAH-AZ80の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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化粧箱の表面にはイヤホンイラストのあるTechnicsブランドを前面に出したスリーブタイプのパッケージです。

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スリーブを外すと黒地の小箱にTechnicsの文字がワンポイントであるシックなもの。

 

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上蓋を開けると黒地の内装にイヤホンとイヤーピースが収納されたケースがあります。


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イヤホンと付属品を取り出すと箱の底に取説や充電ケーブルが収納されています。

 

※イヤーピースの収納されたケース

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イヤーピースの収納されたケースはサイズの確認もし易いのに無駄のないパッケージングです。国内メーカーのSDGsを意識したパッケージングに無駄は無く商品保護と機能性を両立しています。こういうところは日本が海外に誇れる優れた技術の一つです。

次にパッケージの中身です。

 

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付属品はイヤーピースがXS1、XS2、S1、S2、M、L、XLの7種1セットでMサイズが本体取付け済み。他にはUSBタイプC-タイプA充電ケーブルです。必要十分の付属品です。

注目はXSとSサイズは二種類ありANCの効果に違いがあるようです。

取扱説明書は安心の日本語。多くの家電がWEB取説がスタンダードになっている昨今、勿論WEB取説にも対応。商品に付属する紙は最低限です。

それでは実際にイヤホンを見てみましょう。

先ずはケースから。

 

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ビルドクオリティは安心の国内企業です。カラーバリエーションは黒色と白(銀)色の二種類です。

付属品のイヤーピースは本体色に合わせて黒には黒イヤピ。白には白イヤピが付属します。黒または白イヤピが欲しい方はPanasonic Storeで購入可能です。

次にイヤホン本体です。

 

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イヤホン本体はTWSとして比較的小柄となります。他社のTWS同様に耳へはイヤーピースで保持するタイプとなりますので、イヤーピース合わせは重要になります。

シェル本体は樹脂製で軽量に仕上げています。ステムノズルにはフィルターがあり異物の混入による故障を防げます。

先代のEAH-AZ80からシェルの造形が変わりコンチャフィット形状を採用したシェル本体は装着感は良好です。従来のEAH-AZ60ではイヤーピース頼りだった耳への固定はコンチャフィットによりイヤホン本体でもしっかりと耳へ装着し固定できるようになっています。尤もイヤーピースのフィット感も重要です。付属の7サイズで上手く合わない事はないと思いますが、もしも合わない場合は普段使用しているメーカーのもので軸が長いものでなければ問題なくケースに仕舞えると思います。

 

※左からXS2、XS1、S2、S、M、L、XL

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※付属Mサイズ。傘と軸が素材が異なる。イヤピース内部にフィルタがあるタイプ。

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付属イヤーピースは先代のEAH-AZ60に付属するタイプと同じです。EAH-AZ80付属イヤピはそれと共用となります。

付属のイヤピで音質的には問題を感じませんし、寧ろバランスが良いのですが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸いなことに私はこの付属イヤーピースで耳の奥に浅めに栓をするように装着し、上手くフィットできましたが、個人的にイヤホンの見た目にも拘りたいので私はPanasonic StoreでEAH-AZ60用白イヤピMサイズを購入し使用しています。

TWSイヤホンではイヤピが最も重要です。上手くフィットできないと装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

それではEAH-AZ80と他社製品との比較をしてみます。

先ずはケースから。

 

※上からSony WF-1000XM4、Technics EAH-AZ80、Technics EAH-AZ60

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EAH-AZ80のケース蓋表面はヘアライン処理が施されておりケースの高級感を演出し、使用感を感じる微細な傷を目立たなくする効果が期待できます。

 

※左からTechnics EAH-AZ60、Technics EAH-AZ80、Sony WF-1000XM4

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EAH-AZ60の方が大きく見えるかもしれませんが、三機種の体積はほぼ一緒といった方が正解だと思います。

 

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次にイヤホン本体です。

 

※左からTechnics EAH-AZ60、Technics EAH-AZ80、Sony WF-1000XM4

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EAH-AZ80の方がコンパクトに見えますが、シェルに厚みがあります。EAH-AZ60はしずく型の造形のため大きく見えます。WF-1000XM4も最近のTWSとしてはやや大きめですが十分コンパクトの部類です。

三機種の重量はほぼ変わらないですが、EAH-AZ80とEAH-AZ60が僅かに軽量です。ただし耳への装着時にはその重さの差を殆ど感じません。

次にステムノズルはEAH-AZ80とEAH-AZ60は短く太め。その為、ステムノズルの長さには軸の長いタイプとの相性が良いです。そのため付属のイヤーピースとの相性は良いと云えますが、傘の裾野よりも長いタイプはケースに入らなくなります。これは他社のTWSも同様ですが、イヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えると云えます。尤も耳の小さな女性や子供でも付属のXS、Sサイズは各2種類、計4種ありますので、殆どの方で不満を感じることはないのではと思います。

また、この三機種共にステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていますし、EAH-AZ80付属イヤピ内にもフィルタがあります。これによりシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができます。

 

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3. Technics EAH-AZ80の音質について 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はandroidスマホSony Xperia 5 II、Bluetooth コーデック LDAC接続(音質優先)、マルチポイント無効(音質優先)です。

 

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実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはEAH-AZ80 本体白色に付属する白色イヤーピース Mサイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音はしっかりと鳴る。高音は爽やかに響き、解像感を感じられる整った音。ボーカルは自然で聴きやすい」でした。

一先ず鳴らし込みを兼ねて数週間聴きこみました。鳴らし込み後は、高音域が落ち着き低音域の解像感が増した印象です。特に低音域は解像感が高く中高音域を邪魔しない。全体的にクリアな音で高音低音の出音のバランスが良い音になりました。

 

音場

広くも狭くもない普通の広さ。左右に広さを感じますが奥行きはそれ程感じません。安価なTWSに良くある音圧を感じるドンシャリとは異なり、整ったバランスの良い音が空間に響く音。

 

高音域

煌びやかさがあり華やかさがありますが、主張の強い鳴り方ではなく解像感の高い音。中低音に埋もれる事は無く爽やかに広がる音はシャリつきが抑えられた丁寧な音。尖りや刺さりは感じません。

 

中音域

凹みを感じ難く、左右の広さを感じられ見通しの良いクリアな空間を感じられます。奥行きはそれ程感じませんが、近い音と遠い音が共存しても違和感を感じません。華やかに鳴る空間は音がごちゃつかず整理されており解像感が高くクリアです。

ボーカルは暖かさを感じられ艶やかさもあり自然な位置からクリアに聴こえます。

 

低音域

低音はしっかりとした強さのある音。量感はそれ程多くありませんし響きも抑えられていますが、音の輪郭と強弱を感じられる解像感の高い音。音圧で誤魔化した良くあるTWSの低音とは違う質の高い音。ベースラインは追いやすい。重低音の沈み込みはそれ程深さがあませんが、TWSとしては芯の強のある音。

 

出音のバランス

一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリからフラットに近い出音のバランス。

 

先代のEAH-AZ60同様に高中音域がクリアです。高音域はEAH-AZ60よりもくっきりと鳴りますが、シャリつくような音とは異なり粒立ちの良く解像感の高い音は爽やかに響きも良く、見通しの良い音。音の立ち上がりや音の消え入る様を感じやすくなっています。

中音域は左右に広さを感じられ鮮やかで華やかさのある音。音の輪郭や強弱を掴みやすく解像感が高い音は演奏とボーカルとの分離も良い。音重なり団子になるようなことはなく、ボーカルがはっきりと聴こえます。

低音は量感はそれ程多く感じませんが、適度に広がり解像感の高い音。音の強弱や輪郭が掴みやすいく質の高い低音は緩さを感じません。安価なTWSモデルによくある圧倒的な音圧の強さのある低音ではありませんが、物足りなさを感じる事はありません。

EAH-AZ80ではTechnicsの云う「ワイヤレスでここまでクリアな音」が実現されており、先代EAH-AZ60の音を正統進化されているという印象です。EAH-AZ60のクリアな音は今でも通用するレベルの高い音という認識ですが、EAH-AZ80を聴いた後では大人しい音というか、少し物足りない音に感じてしまいます。それはEAH-AZ80の中高音域の鮮明な音と低音域の臨場感の高い音と比べてしまうと致し方が無いのかもしれません。その位EAH-AZ80の音は先代EAH-AZ60の音を正統進化させた印象を受けます。

TWSイヤホンでこの音質で音楽を聴く事ができるのは凄いことだと思います。

 

※宜しければ過去の記事もご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

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EAH-AZ80を聴いてみるとやはり音楽は低音域が重要なのだと考えさせられます。質の高い低音域が中高音域をしっかりと支えることで音全体を見渡すことができ、その空間を想像し掴みやすくしてくれます。ただ強く量感たっぷりに鳴らすのが質が悪いとは云いませんが、その様な低音域は高音域に曇りを感じたり中音域に籠りを感じたりする原因になりやすいため、結果として高音域も強めに鳴らすドンシャリの出音となります。EAH-AZ80では低音域は解像感を重視した適度な強さは高音域を見通し良く中音域もすっきりと聴かせてくれますので、音の重なりや塊に感じ難く解像感の高い音を楽しめます。

尤もこれはLDAC接続でのお話です。iPhoneではやはりコーデックによる差は明らかです。AAC接続では上までの伸びはなく中音は真ん中に集まり音はやや平面的に聴こえ中高音の繊細さや低音の表現力は下がりEAH-AZ80の魅力が薄れる印象です。例えば、有線イヤホンとワイヤレスイヤホンで同じ曲を聴いたときにワイヤレスイヤホンの音が薄く線の細さを感じられますが、androidスマホのLDAC接続であればそれを感じ難く、有線イヤホンで聴いているような音の濃さを感じられます。あくまでもお勧めはLDACで接続できる機器との組合せとなります。

 

次に、SonyのLDAC接続に対応したTWSイヤホン、WF-1000XM4をLDACの音質優先で接続し比較した場合、全体的な音に遜色ありませんが、そもそもWF-1000XM4はSonyの音。基本ドンシャリでグルーブ感のある音。音楽を楽しく聴くという目的に沿った音は音質の良し悪しではなく、メーカーの音づくりと前置きし理解した上で、強いて云えばEAH-AZ60の方が分析的に聴かせてくれる音。EAH-ZA80はその中間ややEAH-AZ60寄りだと思います。

WF-1000XM4はEAH-AZ80よりも強い低音としっかりと鳴る高音は安価なTWSイヤホンの様に決して雑に鳴らす訳ではなく、音楽をノリ良く聴くことができ、心地良く楽しませてくれる音であり、分かりやすく高音質と云えますので、TWSイヤホンとしてどちらが高音質なのかは個人の嗜好に委ねる部分です。どちらも高音質と断言できます。

 

まとめると、EAH-AZ80は中音≧高音≧低音のフラットに近いバランスですが結構くっきりとクリアに鳴らしてくれます。先代EAH-AZ60は中音≧高音≧低音のフラットに近いバランスはハーマンターゲットに近く、クリアで低音抑えめの印象。WF-1000XM4は低音≧高音≧中音のドンシャリバランスとそれらの音質傾向には特徴があり、それぞれ違うと云えます。

この違いは従来のAACやaptXよりもLDACによるデータ転送量の多さにより、それらよりも高音質で音楽を楽しめ、レンジの広さと音の濃さをはっきりと感じられます。LDACが24bitに対応しているアドバンテージは大きく、LDAC非対応の安価なTWSイヤホンよりも明らかに高音質で聴く事ができると云えます。

 

 

4. Technics EAH-AZ80の総評 

Technics EAH-AZ80は先代EAH-AZ60をより音楽的に正統進化させながら先代のクリアな音質を踏襲した音質傾向は高音質と云えます。そして、スマホで音楽を楽しむならばガジェット性能が高く商品性が高いものというニーズに応えられる同価格帯の中でもお勧めの商品とまとめました。音にも拘り、ガジェット性能も満足できるのは現時点でこれが一番と云えるかもしれません。

 

最後に、今回は高価格帯30,000円台後半の高音質&高機能の実用的TWSイヤホンの紹介となりました。現在(2023年7月15日)は約36,000円でイヤホン専門店等、有名家電量販店通販サイトなどでも販売していますが品薄状態ということもあり、迷っているなら予約した方が良いかもしれません。TWSイヤホンの本物を購入したい方やTWSでも音質に妥協したくないし、ガジェット性能も妥協したくない方は安心確実なイヤホン専門店での視聴を是非よろしくお願いします。きっと聴いたら気に入って購入(予約)してしまいますよ。

 

EAH-AZ80

以下、イヤピ付属 Mサイズ(別売り白)androidスマホ、LDAC音質優先
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (LDAC環境の無い方★4)

※☆0.51.0

 

EAH-AZ60

以下、イヤピ付属 Mサイズ(別売り白)androidスマホ、LDAC音質優先
高音★★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (LDAC環境の無い方★4)

※☆0.51.0

 

国内S社

以下、イヤピSedna Earfit short MSサイズandroidスマホ、LDAC音質優先
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (ANC性能重視の方★5)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はTWSイヤホンのハイクラスモデルのレビューをしてみました。TWSイヤホンで手軽に良い音が聴く事ができる商品が増えてきました。しかし今回の商品は音質も良くガジェット性能も高く品質に間違いのない国内メーカーですのでやはり高価となります。折角購入するのだから良いものを買いたいですし、各メーカーのハイクラスモデルが実は一番売れるというのも分かります。でも前提はandroidスマホを持っている方なのですよねぇ。リンゴのマークのPro2よりは1万円以上安価なのですが、iPhoneユーザーならそれの方が間違いないと思いますけど。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

みぃねこ