みぃねこの備忘録

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Rose Technics QuietSea レビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、中価格A5000帯で発売された1DDモデルのRose Technics QuietSeaについてレビューをまとめたいと思います。

 

国内amazonのHiFiGoで取り扱いがあります。

 

US.Amazonコチラを。

 

AliExpressはコチラを。

 

HiFiGoのサイトはコチラを↓

Rose Technics QuietSea Wired Dynamic IEMs In-Ear Monitorshifigo.com

 

 

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1. Rose Technics QuietSea について 

Rose Technicsは中華のオーディオブランドです。2015年10月に設立された新興ブランドでROSEブランドの製品設計、製造を行っていて「大胆なデザイン」、「より良いチューニングの追及」、「オリジナルの技術開発」をブランドコンセプトとしたコストパフォーマンスに優れた製品を発売しています。

Roseと云えば、BR5 mk2が有名です。BR5 mk2は5つのバランスドアーマチュアを搭載した複数BAドライバモデルです。木目フェイスプレートにクリアシェルを採用した綺麗な造形のモデルです。もちろん音質も中高音のクリアさとフラットで美麗で爽快な音を聴かせてくれる高音質モデルでした。国内では正規代理店によりイヤホン専門店等でも購入できるため中華イヤホンは視聴ができないという問題をクリアし、その音質はポータブルオーディオファンからも高評価を得ていました。販売価格は国内正規品が3万円後半と高価というところがややネックでした。

さて、Roseから今回U10000のQuietSeaが登場しました。これまで中心だった中価格帯以上の複数BAドライバモデルや多ドラハイブリッドドライバモデルでは流石に価格帯を下げる事ができませんでしたが、A5000-U10000帯のアンダー中価格帯にシングルダイナミックドライバモデルを投入してきました。実はRoseはU5K帯にAURA EVOというモデルも発売しており、同ブランドの中では一番安価なエントリーモデルとなりますが、所謂エントリーグレードという域を出ないもの。今回のQuietSeaはそれよりも上位の位置づけとなりますが、良いものを安価に届けようとする同社の拘りを感じさせるモデルと云えそうです。

 

QuietSeaの特徴は以下の通りです。

 

  • 改良された自己開発トポロジーダイヤフラムを採用した金メッキ真鍮素材のデュアルチャンバードライバユニット
  • 従来の可動コイルダイヤフラムと比較して、ナノ材料の堆積によりマイクロトポロジーを最適化。分割振動を大幅に低減し歪みは0.1% 未満。
  • 新世代の自社開発1.5テスラ磁気フラックス密度ユニットにより強力なアンプを必須としない
  • 5軸CNC精密加工の亜鉛合金製音響室は気流と振動を制御し正確にそして存在感を再現するできるように調整および最適化
  • 同価格帯では例を見ない5N4撚り線単結晶銅線の高品質ケーブル
  • 高品質の金メッキmmcxコネクタは耐久性が向上

 

スペックを詳しく見ていきます。

 

金メッキ真鍮素材のデュアルチャンバーに10mm径ダイナミックドライバユニットを組合せた設計です。 このドライバは、独自開発されたトポロジーダイヤフラムを採用しており、分割振動を大幅に低減し、歪みを限りなく小さく抑えることでクリーンなサウンドを実現しています。

また、このカスタム10mm径ダイナミックドライバユニットは強力な磁気設計を備えた設計です。ドライバの設計パラメーターは気流の制御と、より正確で活気のあるサウンドを生み出すように調整し最適化しています。1.5テスラを超える強い磁力により、ドライバの駆動を容易にしています。

 

QuietSeaは採用したダイナミックドライバが最大の特徴と云えますが、実はシェルの材質にも拘り、高品質の亜鉛合金素材を採用し、高精度の5軸CNC機械加工機による切削加工により製造されています。そのシェル内部には整流を調整し優れたサウンドバランスを得ることに成功しています。

また、特徴的な楕円形ステムノズルとコンパクトなシェルデザインは、人間工学に基づいた造形としています。

 

最後に付属ケーブルです。QuietSeaの付属ケーブルは5N4撚り線単結晶銅線です。その線材は高価であり、価格帯では例を見ない高品質ケーブルです。

 

※宜しければ以前のレビューもご参考ください

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Rose Technics QuietSeaの納期としては現在(2023/10/28)国内amazonのPrime扱いで取り扱いがあります。当日発送、翌日配達は非常に便利です。HiFiGoやAliExpressでオーダーした場合でも現在は安定していますので、AliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月です。尤も万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressや海外サイトでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。

まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. Rose Technics QuietSea 実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは黒を基調としたやや大柄タイプの箱です。表面にはイヤホン名が中央部に大きく刻印されています。

 

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外箱から内箱を取り出すと黒を基調とした内箱の中央にイヤホン名が印字されています。

 

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内箱の上蓋を開けると黒地の内装に内装にイヤホンと付属品が収納されています。

 

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付属品のイヤホンケースを開けるとケーブルとイヤーピース等が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースタイプのS、M、Lの3種が1セット。他にはケーブルとケーブルバンド、リムーバー、イヤホンケースです。中価格A5000帯として一通り揃った付属品となります。個人的にはイヤーピースは特殊形状なので音質傾向違いがもう1セット欲しいかなと。

 

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メーカー名の入ったイヤホンケースはハードケースタイプでイヤホンをしっかりと保護してくれます。

 

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某社のMMCX ASSISTと同様のケーブルとイヤホン本体を分離する器具(リムーバー)が付属します。

 

次に本体を見ていきます。

 

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シェルの造形はオーソドックスなIEMタイプ。シェルはコンパクトですが、特徴的な楕円形ステムノズルが装着感に影響がありそうです。ステムノズル側は金属製、シェル本体が樹脂製、フェイスプレートが金属製のマルチマテリアルのハイブリッド構造でありながら軽量であり重量はそれ程感じません。コンパクトなシェルは耳への装着感も良く重さを感じません。

肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの中価格A5000帯として非常に綺麗に仕上っています。

カラーバリエーションはグレーとシルバーの2種。プラグサイズを3.5mmと4.4mmバランスプラグで選択可能です。今回はグレー、3.5mmを選びました。

さて、ikkoとの共同開発されたシェルは同社OH2のシェルデザインが採用されています。特徴的な楕円ステムノズルや三角おむすび型の造形は当にそれと云えます。

内部音響室がikkoと同様かどうかは残念ながら不明ですが、同社の商品説明からはそれを踏襲しているような内容に感じられますが、真偽不明。

※参考画像:IKKO OPAL OH2

 

続いてケーブルです。

 

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付属ケーブルは先述の通り高品質5N4撚り線単結晶銅線です。価格帯的には宝の持ち腐れとも思える様な高品質ケーブルはメーカがこの線材でなければならなかったと拘りを感じさせます。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側はmmcx仕様。この付属ケーブルの被覆はナイロンメッシュ製でさらさらした手触りが高級線材と理解させてくれます。線材は手触りも良く引っ掛かり等は皆無。高級線材の宿命ですが、太めの線材となりますのでしなやかさにはやや難がありますが肝心の耳への装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側はシュア掛けで使うようにチューブで癖付けされています。前述の通り全体的に取り回しは悪くありませんので、ケーブルは細めでしなやかさ重視の方以外はそのまま使用することをお勧めします。

また、先述の通り付属ケーブルは3.5mmステレオミニ、4.4mmバランスプラグの2種が選択できます。今回は3.5mmステレオミニを選択しています。

次に他機種との造形の比較です。

 

※画像左からRose Technics QuietSea、TiNHiFi C3

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QuietSeaとTiNHiFi C3の外観の比較として、サイズ感は圧倒的にQuietSeaの方がコンパクトと云えると思います。それでもC3も決して大きいわけではないので、そのコンパクトさが際立つと思います。

ステムノズルの長さと太さ、角度ですが、長さはQuietSeaが長め。太さはQuietSeaが細め。角度はQuietSeaがやや寝ています。

シェルの材質は、C3がオール樹脂仕様ですが重量感はほぼ同じです。

QuietSeaは一般的なIEMに対し、C3はCIEM寄り。QuietSeaはそのコンパクトさが目立ちますし、何よりもその造形から耳への収まりが良く装着感は良好です。寧ろ耳への装着時はシェルが耳に嵌まる形であり、ステムノズルがやや長めイヤピ選びは通常のサイズよりもやや大きめの方が良いと思います。

ケーブルを接続するイヤホン側のコネクタ部はどちらもmmcxです。リケーブルの際はmmcxコネクタを選択しておけば問題ありません。

ステムノズル部には全てにフィルターがあります。QuietSeaはシンプルな金属フィルタですが、C3は音質調整フィルタとなります。

二機種共にシュア掛けで使用するタイプ。シュア掛けが苦手な方には注意が必要です。

なお、前述の通りQuietSeaはステムノズルが楕円形です。付属のイヤーピース以外を使用する場合、軸の柔らかいものがお勧めです。個人的には付属のLサイズでも良いのですがacoustune AEX50 Mサイズが上手くフィットして気に入っています。

イヤーピースは最適なものを選び実際に装着した際に圧迫感が少ないものを選ぶ必要があります。

 

最後にイヤーピースを見てみます。


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付属のシリコンイヤーピースは楕円形ステムノズルに合わせて傘と軸が楕円形の特殊形状タイプとなります。これはikko OH2でもそうでしたが、付属品以外の選択肢を大きく狭めてしまうため個人的には困ったもの。付属イヤピは全体的に柔らかく傘にコシが無いこと。MサイズとLサイズの差が大きく、その中間が欲しいのに…と、サイズ幅が極端なタイプです。付属Mサイズでは音が少し抜け気味になるため、いつもより大きめのLサイズで耳の奥に栓をするように装着しています。幸い傘が柔らかいため何とかなっている状態なので、常用にはAEX50 Mサイズを使うと思います。

付属イヤピは中高音をクリアにしてくれる印象です。耳への装着時はいつもより大きめのサイズのイヤピを耳奥へ挿入し栓をするように耳へ密着させることで私はフィットしました。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

一応付属イヤーピースのLサイズで私はフィッティングができましたが、長時間は無理そうです。

低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピでなんとかフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. Rose Technics QuietSea 音質レビュー

いよいよ音質についてまとめていきます。

 

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昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

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より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

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Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。

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USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属 Lサイズ、付属ケーブルで聴いてみます。

箱出しで聴いてみた第一印象は「バランスの良い鳴り方。中高音がはっきりと鳴り、低音もしっかりと鳴る音。ボーカルもクリアに聴こえます。やや中高音寄りの弱ドンシャリバランス」です。

箱出しでは高音に荒々しさを感じましたが、鳴らし込み後は、高音が落ち着き低音の強さとバランスが取れた音という印象です。

 

音場

普通からやや広めの印象。前後に奥行を感じられ、左右に広さを感じられます。奥行きも感じられるので立体感のある、空間の広さを感じられます。

 

高音域

全体的に明るく華やかにやや強調感のある鳴りかたですが、刺さりは無く嫌な感じはありません。過不足を感じる事はありませんが上までの伸びやかさはそれ程感じないものの、響きや余韻は適度。必要以上に前に出る出しゃばった鳴り方ではありません。存在感は感じられますが、兎に角元気に騒がしいと感じるような痛々しい感じではありません。やや強調感のある鳴り方は分離と解像感は良好なものの何方かと云えば明朗さを重視した音。

 

中音域

高音域同様に華やかさがありますが、音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきは抑えられ整理されて鳴り方ます。音の立ち上がりは良好で解像感も悪くありません。クリアな中音域を明るく鳴らします。ボーカルはクリアで自然からやや近い位置から僅かにドライな声色の印象です。

 

低音域

量感は抑えられ響きや広がりもそれ程感じませんが、芯のある音は強さを感じます。音階や強弱といった低音域の解像感はそこそこ程度ですが、ベースラインは追いやすくボーカルよりも前に出るような不自然さはありません。重低音は沈み込みはそれ程深さがありませんが、強さがありますので十分な低音という印象です。

 

出音のバランス

一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリバランス。高音域は明るくやや強調感のある印象ですが不自然な強さではありません。低音は量感は抑え気味ですが、僅かに膨らむ中に適度な締まりがあり緩さを感じる様な音ではありません。中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルはやや近いためW字の出音の印象。全体ではやや中高音寄りながらも中低音に厚みがありクリアで明朗な音を聴かせてくれる出音のバランスです。

 

QuietSeaの音質傾向は、やや高音を華やかに鳴らしながら低音もしっかりと主張させるリスニングサウンドバランスです。中高音の響きや余韻は適度に感じられ華やかに明るく明朗に鳴りますが、やや誇張された印象です。それでも不快で耳障りのない丁度良い強調感と感じられると思います。そのため解像感が高いという印象はそれほど持ちませんが、分離は良好でごちゃつきを感じない整理された音です。例えば遠くで小さく鳴る音は大きな音にかき消されることも無く聴こえます。やや強調された音がそのように感じさせているのだと思います。

中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルが比較的前に出ていることと楽器の音はその周りに位置して鳴ることから華やかさは十分に感じられ分離も良く整った音は過不足を感じません。

そのボーカルはやや近い位置からクリアに聴く事ができます。周りの音や高音や低音にも埋もれることはありません。声色は僅かにドライに感じますが、不思議だったりざらつく事もありません。そのためバラードなどでしっとりとした艶のある声といよりはアップテンポな曲の方が相性の良さを感じます。

低音域は量感をやや抑えた音です。その分響きや広がりは適度という印象ですが、芯がやや大きめの音。やや膨らみますがそれでもボワつく低音とは異なり芯の強さがありますので不足はありません。中高音重視の方にはやや多いと感じるかもしれませんが、それでも中高音域を邪魔するような低音ではありません。

重低音は沈み込みはそれ程深くありませんが、十分な強さを感じられる音。深く響く様な重低音とはいきませんが、不足を感じる様な音ではありません。

 

他機種との比較としてTiNHiFi C3は中低音域を充実させながら高音域を自然に鳴らす音造りでした。見通しの良いクリアな中高音を持つやや中低音重視傾向ながらも高音も適度な強さで鳴らし音楽を小気味よく聴かせてくれます。

C3よりも高中音域の主張を感じますが、不自然に強調されている訳でもなく、適度な印象。低音域はQuietSeaよりもC3の方が量感はあり、中音域に厚みがあります。そのため全体としては似ている傾向ながらもQuietSeaの方がよりリスニングに寄った傾向の印象です。

QuietSeaとC3の音質傾向は中高音寄りと中低音寄りと異なりますが、C3の音は高音域がQuietSeaと比べ一音一音を強めに鳴らすことで不足感を補っているように感じます。一方中低音域はC3に分があります。

そのため、QuietSeaは全体のバランスとしてまとまっており、C3のややピラミッド型のバランスとは異なり正統派弱ドンシャリと云えそうです。

 

※過去レビューも参考ください

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まとめるとRose Technics QuietSeaはやや中高音域寄りのリスニングサウンドであり、解像感よりも音楽を聴く楽しさを感じられる音作りは、所謂のハーマン近似の音と云えそうです。

正直、ハズレの無いハーマンターゲットの音作りは海外では人気の出やすい音造りですし、日本国内のポータブルオーディオファンは中高音寄りフラットが人気が高い市場ですので、個人的には一般ユーザーにお勧めしたい商品です。

一方で従来の中華イヤホンの強ドンシャリの音が好きな方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   CADENZA ≧ QuietSea ≧ C3 

中音   QuietSea ≧ C3 ≧ CADENZA

低音   C3 ≧ QuietSea ≧ CADENZA

ボーカル C3 ≧ QuietSea ≧ CADENZA

 

 

4. Rose Technics QuietSea の総評

Rose Technics QuietSeaは高音低音のバランスの良いリスニングサウンドとまとめました。やはりRose Technicsは高音質モデルを造るのが上手いメーカーと云えます。A5000-U10000クラスという価格帯の中ではトップクラスのサウンドモデルと云えそうです。QuietSeaの各音域をしっかりと聴かせてくれる音は一般ユーザー層には受けが良いと思いますし、海外では高評価となる音質傾向です。一方、日本国内のマニアには中高音重視の音が好まれている現状からは、個人的に有線イヤホンで良い音を探している方にお勧めしたいモデルとなります。シンプルに高音質を楽しめるイヤホンです。

 

最後に、今回は中価格A5000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年10月28日)は国内amazonやAliExpress等で7,000円台で発売されております。それ故に昨今の円安からは国内amazonでの購入が安心感があってお勧めです。AliExpressでは本国発送は勿論のこと、納期が掛かりますしその入手性には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

QuietSea

以下、付属ケーブル、付属イヤピ LDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

OH2

以下、付属ケーブル、付属シリコンイヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★  

※☆0.5、★1.0

 

C3

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

CADENZA

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (硬質な音)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回は中華イヤホンの中価格U10000帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ