みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

TKZK OURANOS レビュー

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、中価格A5000-U10000帯で発売された1DDモデルのTKZK OURANOSについてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのLinsoul Audio(@Luke32344614)で取り扱いがあります。

 

 

AliExpressでも取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

Linsoul Audioの直販サイトはコチラ

TKZK Ouranoswww.linsoul.com

 

 

f:id:miineco106:20230122114514j:image

 

 

 

 

1. TKZK OURANOSについて 

TKZKは中国のオーディオメーカーTiNHiFiのサブブランドです。TiNHiFiと云えば、初期のT2やT2 Pro及び、T3は見通しの良いクリアな高音が特徴的な高音域特化の音質傾向が好きな人にはハマるイヤホンだったのに対し、その後発売したT2 plusやT3 plusに加え、以前レビューしたC3では一変して音楽的なバランスの良い音質のイヤホンを世に送り出しています。その音質は良い意味で普通でありながら、堅実な音質傾向が多くの中華イヤホンファンから支持され、音質に定評のあるメーカーとして現在の地位を確立しています。

そのTiNHiFiのサブブランドとして近年TKZKブランドからWaveを発売。1BA+1DDハイブリッドモデルはTiNHiFi T3の金属シェルに対し、Waveは樹脂シェルモデルと棲み分けされていました。そして今回TKZKからOURANOSが登場。先日のTiNHiFi C3同様にシングルダイナミックドライバ搭載の樹脂シェルモデルとなりますが、採用されているダイナミックドライバが異なります。このドライバ違いがメインとサブブランドの棲み分けであることは間違いないと思いますが、一体どんな違いを魅せてくれるのか。今回TiNHiFiのサブブランド、TKZK OURANOSを入手しましたので、C3や同クラスのCADENZAとの比較を含めながら記事をまとめたいと思います。

 

TKZK OURANOSのスペックですが、シンプルなシングルダイナミックドライバ(1DD)モデルです。メインブランドのC3のダイナミックドライバには10mm径の薄膜液晶ポリマー(LCP)とポリウレタン(PU)の複合素材のダイヤフラム(振動膜)を採用していますが、OURANOSでは10mm径のカーボンナノチューブ(CNT)ダイヤフラムを採用しています。何れも強力な磁気コイルN52とデュアルキャビティを採用しており、OURANOSとC3はダイヤフラム違いのダイナミックドライバを採用しています。

次にOURANOSのシェル本体はオール樹脂製です。TINHiFiでは金属シェルモデルを得意としてきましたが、近年は樹脂シェルも採用されておりC3では樹脂シェルが採用されています。OURANOSのフェイスプレートにはローズゴールドカーボンファイバーパネルデザインを採用。C3のカーボン調のデザインが地味に見えてくる不思議な感覚。何れも3Dプリント造形と樹脂シェルによる軽い装着感が得られます。

以前にも述べましたが、音質チューニングを突き詰めればシェルの材質による音への影響は無視できません。金属製シェルは高音域の響き、反響が樹脂に比べて大きくなります。響きの美しさは金属が一枚上手ですが、良い事だけではなく、反響が強くなることで不自然な残響音となる場合があります。一方樹脂製シェルでは高音域の響きが吸収されてしまう傾向があり、金属シェルと同じ音圧を得るためには高音域の減衰を考慮しやや強めに鳴らす必要があります。加えて、音導管の有無も重要でこのバランスを含めたチューニングはメーカーの技術力の証明と云えます。

最後に付属ケーブルです。OURANOSのケーブルには高品質銀メッキ銅線を採用しています。イヤホン側接続コネクタ部には0.78mmの金メッキ2ピンを採用した中価格帯中華イヤホンとして十分質の高いケーブルです。更に、PVC被覆の線材はほど良い堅さがありながらしなやかで取り回しの良いケーブルとなっています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしている場合がありますが、OURANOSではバランス接続を試したい方以外はリケーブルする必要を感じません。

 

※宜しければ以前のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

TKZK OURANOSの納期としては現在(2023/1/25)国内amazonでも取扱がありますが、本国発送扱いですのでPrime扱いの様に当日発送、翌日配達とはいきません。私の場合も本国発送でしたが、AliExpressでオーダーした場合と同様に感染症の影響は回復傾向であり国内で佐川急便に委託される輸送の場合はかなり安定しており、10日前後で届きました。ほぼ平時に戻った印象です。尤も従来の平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressや海外サイトでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。

まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. TKZK OURANOS実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

f:id:miineco106:20230122114634j:image

パッケージングは白を基調としたシンプルな小箱でスリーブタイプ。表面にはメーカーロゴと商品名のみというシンプルなもの。

 

f:id:miineco106:20230122114714j:image

スリーブを外すと黒を基調とした内箱は貴金属の化粧箱の様なちょっと高級感があります。

 

f:id:miineco106:20230122114739j:image
f:id:miineco106:20230122114742j:image

内箱の上蓋を開けると黒地の内装にイヤホンが収納されています。

 

f:id:miineco106:20230122114745j:image

内装を取り外すとその下に白地の小箱があります。


f:id:miineco106:20230122114748j:image

小箱には付属品が収納されています。

 

f:id:miineco106:20230122114834j:image

付属品はシリコンイヤーピースタイプのS、M、Lの3種が2セット。他にはケーブルとケーブルバンド、イヤホンポーチです。中価格A5000帯として必要最低限なものが揃った付属品となります。

 

f:id:miineco106:20230122114837j:image

光沢のあるイヤホンポーチは綺麗です。

 

次に本体を見ていきます。

 

f:id:miineco106:20230122114954j:image
f:id:miineco106:20230122114957j:image
f:id:miineco106:20230122114959j:image
f:id:miineco106:20230122115002j:image
f:id:miineco106:20230122115005j:image
f:id:miineco106:20230122115008j:image
f:id:miineco106:20230122115011j:image
f:id:miineco106:20230122115013j:image
f:id:miineco106:20230122115016j:image

シェルの造形は丸みを帯びたカスタムIEM風のもの。シェルは比較的コンパクトですが、厚みがあり耳甲介艇の突起のある造形となります。この突起は個人差がありそうですが、樹脂シェルの軽さも相まって装着感は良好と云えます。

フェイスプレートには先述の通りローズゴールドカーボンファイバーパネルデザインが施され、凝ったデザインと云えます。特徴的なフェイスプレートデザインが施されたイヤホンは他の人とは違うものを求める人には良さそうです。

肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの中価格A5000帯として綺麗な仕上りでありシェルの合わせ面も綺麗に揃っています。

カラーバリエーションは黒のみです。

続いてケーブルです。

 

f:id:miineco106:20230122115046j:image
付属ケーブルは先述の通り高品質4芯銀メッキ銅線を撚線としたもの。価格帯的には十分にケーブルにコストを掛けたものと云えます。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側はフラット2ピン仕様の極性はKZ系と同様に上側がプラスです。この付属ケーブルはやや硬さがありますが、十分なしなやかさがあります。また、タッチノイズを感じにくく、肝心の耳への装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側にはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に取り回しは悪くありませんので、そのまま使用しても不都合を感じる事はないと思います。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

次に他機種との造形の比較です。

 

※画像左からTiNHiFi C3、TKZK OURANOS、KiwiEars CADENZA

f:id:miineco106:20230122115115j:image
f:id:miineco106:20230122115118j:image
f:id:miineco106:20230122115121j:image
f:id:miineco106:20230122115124j:image
f:id:miineco106:20230122115127j:image
f:id:miineco106:20230122115130j:image
f:id:miineco106:20230122115133j:image
f:id:miineco106:20230122115135j:image
f:id:miineco106:20230122115138j:image

OURANOSとC3、CADENZAの外観の比較として、サイズ感はOURANOSとC3がほぼ同じ。というか同じシェルです。OURANOSとC3の違いはステムノズルです。C3のオール樹脂に対し、OURANOSは金属となります。OURANOSやC3はCADENZAよりも僅かに大きくなりますが、CADENZAはシェルの厚みがあるものの一回り小さく見えます。とはいえOURANOSは一般的には十分コンパクトな部類になると思います。

ステムノズルの長さと太さ、角度ですが、長さはこの中ではOURANOSが僅かに長くC3とCADENZAがほぼ同じ。角度は三機種がほぼ同じ。太さはOURANOSとC3がこの中では細くなりますが、一般的にはやや太めの部類。CADENZAが一番太くなります。

OURANOSはC3と同サイズ感であり、この中ではそのコンパクトさが目立ちませんが、一般的なサイズ感のCADENZAと比較しても決して大きいという事はありませんし、オーソドックスな造形と云えます。何よりもその造形からは意外と耳への収まりが良く装着感は良好です。

イヤホンとケーブルを接続するコネクタにはOURANOSとC3、CADENZAのすべてフラット2ピンのため、リケーブルの際はそれほど気にする必要はありません。

シェルの材質は、C3とCADENZAはオール樹脂製。OURANOSは前述の通りステムノズルが金属製、シェルは樹脂製となります。

重量は三機種共に軽量です。軽量と造形が相まって耳への装着感が良く、重さを感じないレベルです。寧ろ耳への装着感はステムノズルの太さに影響を受けやすく三機種共に太めと云えますのでイヤピ選びは重要です。

ステムノズル部には全てにフィルターがあります。OURANOSとCADENZAは金属フィルタですが、C3はメッシュフィルタなので他の機種よりも音質への影響のあるタイプと云えます。それに対し、OURANOSとCADENZAは異物混入による故障を防ぐタイプの様です。

三機種共にシェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りOURANOSはステムノズルがやや太めなものの、実際の装着感は悪くなく、付属イヤーピースで耳にやや浅めに栓をするように耳に密着させ装着するとフィットしました。あまり奥に入れると逆に低音が抜けて軽くなってしまいました。そのため付属のシリコンイヤーピースで上手くフィットする事ができれば音質的にも必要十分だと思います。

 

最後にイヤーピースを見てみます。


f:id:miineco106:20230122115206j:image
f:id:miineco106:20230122115210j:image
f:id:miineco106:20230122115212j:image
f:id:miineco106:20230122115215j:image
f:id:miineco106:20230122115218j:image

付属のシリコンイヤーピースはC3と同じ黒傘黒軸の一般的な形状の丸穴径、傘の裾野が弾丸タイプとグレー傘赤軸の黒軸イヤピと同形状の2種です。他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的な形状は選択肢が増えますので安心です。

付属黒イヤピは音質的にはダイレクトに音を届けてくれ、やや低音がしっかりとするタイプの印象です。グレーイヤピは僅かに低音を弱めて全体のバランスをやや腰高にしてくれる印象です。どちらのイヤピも軸はやや短めとなりますので耳への装着時はイヤピを耳奥へ挿入するよりはやや浅めに栓をするように耳へ密着させることで私はフィットしました。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸い付属イヤーピースで私はフィッティングが上手くいきました。また、グレーイヤピの方がバランスが良く感じましたので、そのまま付属グレーを使用しています。

低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピで上手くフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

f:id:miineco106:20230122115247j:image

 

 

3. TKZK OURANOS音質レビュー

いよいよ音質についてまとめていきます。

 

f:id:miineco106:20230122115305j:image

昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属グレー傘赤軸イヤーピース Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音に厚みがあり華やかさのある音。高音はやや抑えられ低音はしっかりと鳴る音。やや中低音寄りのドンシャリバランス」です。

箱出しでは低音が膨らみボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は締まり、高音とのバランスが取れた音という印象です。

 

音場

普通からやや広め。前後はやや奥行がある印象。左右はやや広さを感じられ、立体感を感じられるものの、空間の広さはそれ程感じません。

 

高音域

適度な煌びやかさは響きが抑えめであり少々物足りなさがあります。上までの伸びやかさはそれ程感じらませんが、適度な存在感があります。華やかさはありますが、騒がしいと感じる事はなく出しゃばった感じはないあくまでも適度な鳴り方。中華イヤホンでよくある高音が常に前に出るようなことはありません。そのため刺さりや尖りは感じません。解像感も良好ですが、特筆する様なものではなく、鮮明さもそれ程感じません。

 

中音域

華やかさはありますが、やや離れた位置から聴こえる印象があります。その分音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきを感じ難く立体感のある鳴り方です。音の立ち上がりは良好で解像感も悪くありませんが、何方かと云えば明朗に鳴らします。ボーカルはクリアで僅かに近い位置から声音も自然でニュートラルな印象です。

 

低音域

量感は適度で響きや広がりも感じられますが、強さで誤魔化す鳴り方ではなく音階や強弱といった低音域の解像感は良好です。ベースラインは追いやすいのにボーカルよりも前に出るような不自然さはありません。重低音は沈み込みは深く、強さがありますので過不足はありません。

 

出音のバランス

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ。高音域はやや暗い印象がありますが自然な量をちゃんと鳴らしてくれます。低音は適度な量感で過不足はありません。出音のバランスが良くピラミッドバランスという印象。最近の中華イヤホンの流行りのハーマンターゲット近似の音。

 

高音の煌びやかさは必要十分に感じられますが、響きは抑え気味。そのため華やかさはあるものの何方かと云えば暗めの高音域となりますが、その分しつこさは感じません。それでも必要な時に自然な量で鳴らし不足を感じる事はありません。中華イヤホンの明るい高音域に慣れた方にはもの足りなさを感じられるかもしれません。演出感はなく不快なシャリつきがありませんので、自然な鳴り方は耳触りの良い音。超高音までの伸びやかさはそれほどなく、寸止まり感をやや感じられる事がありますが、なめらかさはあります。小さな音でも感じ取れますが鮮明さはそれ程感じませんので解像感や描写はやや丸みを感じられますが、寧ろ全体とのバランスを整えられている印象です。

中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルは僅かに近い位置にあり楽器の音はその周りから少し離れやや後ろ辺りに位置していて奥行を感じられます。厚みのある中低音域は華やかさがあり分離も良く整った音は解像感も悪くありません。

ボーカルは僅かに近くクリアに聴く事ができます。周りの音や高音や低音にも埋もれることはありません。声色は自然で息遣いを感じられ艶も感じられます。そのため女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声を楽しめますし、アップテンポな曲でも伸びやかさを感じられます。

低音の量感は適度で響きや広がりは適度に感じられます。一方で締まりのある音は、音階や強弱を描写してくれ掴みやすく、解像感と雰囲気の良さを感じられる整った音。締まりのある音は小気味良く誇張せずに描写します。

重低音は沈み込みは深く、強さを感じられる音。低価格帯でよくあるただ強く鳴らす音ではありません。適度な低音域は中音域の下の方に厚みを持たせてくれます。

 

同社のC3と比較した場合、ほぼ同じ音質傾向という印象です。OURANOSの方がやや高中音域の主張を感じます。超高音域の伸びも同等です。一方、低音域はC3の方がややしっかりと鳴らす印象ですが、イヤピの影響かもしれません。中音域の厚みは同様ですが、C3の方が僅かに厚みを感じますし、中高音の解像感はC3の方がやや良好。全体のバランスはどちらも暖色傾向という印象ですが、OURANOSの方が僅かに重心が高い印象です。OURANOSとC3はダイヤフラムの違いで若干の味付けが違うこと。中高音の解像感に違いがある印象です。サブブランドとしてのポジションを理解しやすく、T3 plusやC3の系譜と云えそうです。

OURANOSもC3も弱ドンシャリと云え、音色が暖色傾向という音質傾向は違いが殆ど感じられないかもしれませんが、中高音域の解像感はC3に分があり、低音域もC3の方が厚みがあるためよりドンシャリに感じられ、それがC3の聴きどころです。一方でOURANOSはサブブランドとしての若干のチューニング違いを楽しめます。それはC3よりもフラット寄りにすることで「同社らしさ」を感じられますので、以前のTiNHiFiらしさを捨て難い方にはOURANOSの方が好きという方も一定数いらっしゃるかもしれません。

 

次にCADENZAとの比較では、CADENZAがやや中高音寄りのドンシャリです。以外にも低音がしっかりとした音は、高音域は鮮明にしっかりと鳴らし、中音域を華やかに彩らせた高中音域を聴かせる硬質な音です。そのためOURANOSの高音域をやや暗めに鳴らし中低音域を厚めに充実させた音とは真逆の音と云えます。

 

※過去レビューも参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとTKZK OURANOSはTiNHiFi C3と同傾向の音質傾向であり、若干のアクセント違いのある弱ドンシャリは高音域は自然に鳴らし中低音域を厚めに鳴らす音造りが万人受けしやすい音であり、聴きやすさが特徴と云えます。海外では人気の出やすい音造りなのですが日本国内のポータブルオーディオファンは中高音寄りフラットが人気が高いこともあり新陳代謝の激しくライバルの多い価格帯ではやや苦戦しそうな印象です。それでも同価格帯では間違いなく高音質という評価であり個人的には好きな音と云えます。

一方で従来のTiNHiFiの音が好きな方には中低音寄りのドンシャリバランスと云えるため評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   CADENZA ≧ C3 ≧ OURANOS 

中音   OURANOS ≧ C3 ≧ CADENZA

低音   C3 ≧ OURANOS ≧ CADENZA

ボーカル OURANOS ≧ C3 ≧ CADENZA

 

 

4. TKZK OURANOSの総評

TKZK OURANOSはTiNHiFiのサブブランドとして同社のC3の若干のチューニング違いモデルとしても楽しめます。またA5000帯モデルとして、最近の同社ラインナップ同様にの普通に高音質のイヤホンと云えます。C3同様に中低音域を厚めに充実させた音造りは一般層には受けが良いと思いますし、海外では高評価となりそうな音質傾向は日本国内のマニアには高音域中心の音が好まれる傾向があり、C3同様に評価は分かれそうです。それでもOURANOSは普通に高音質と云えますしバランスの良い音質は音楽を楽しく聴く事ができる良いイヤホンと云えます。

 

最後に、今回は中価格A5000-U10000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2022年12月24日)は国内amazonやAliExpress等で発売されております。それ故に昨今の円安からは国内amazonでの購入が安心感があってお勧めです。AliExpressでは本国発送は勿論のこと、納期が掛かりますしその入手性には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

OURANOS

以下、付属ケーブル、付属グレー赤軸イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

C3

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

CADENZA

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (硬質な音)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく、中価格A5K-U10K帯中華1DDイヤホンの商品のレビューとなりました。日々進化を見せる中華イヤホンはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ