こんにちは。
今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、中価格A10000帯で発売されたシングルダイナミックドライバ(1DD)モデルのDunu Kima Classicについてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonのHiFiGoで取扱があります。
US amazonでも取扱があります。
AliExpressでも取扱があります。
HiFiGoサイトはコチラ↓
DUNU Kima Classic DLC Diaphragm Dynamic Driver IEMshifigo.com
- 1. Dunu Kima Classicについて
- 2. Dunu Kima Classic実機レビュー
- 3. Dunu Kima Classic音質レビュー
- 4. Dunu Kima Classicの総評
- あとがき
1. Dunu Kima Classicについて
Dunu Kima Classicは中価格A10000-U20000帯中華イヤホンのシングルダイナミックドライバモデルとして今年5月に新発売されました。
Dunuは中華オーディオ機器製造メーカー、TopSoundElectronics社のコンシューマー向けブランドです。同社はこれまで有名オーディオメーカーのOEM/ODM事業をメインとしていましたが、近年は自社ブランドのグローバル展開をきっかけにそのブランドを確立させています。同社はそのブランドの使命を次のように語っています。「常にオーディオの最先端にあり、最も要求の厳しいオーディオファンに愛されるプレミアムなインイヤーを造ること。」です。
日本市場では2011年以降に代理店による販売展開がされDunuは音質の良いブランドとして定評があります。その商品ラインナップには旗艦モデルのZEN ProやミドルレンジモデルのSA6 mkIIやEST112等は同社の代表作と云え、中華イヤホンファン注目のブランドの一つと云えます。
Dunu Kima Classicは販売価格が約15,000円と前述の代表作と比べ、非常に競争の激しい100ドル前後のボリュームゾーンのモデルとなります。これまではDunuを高級イヤホンメーカーとして手が出し難かったユーザーにも手を出しやすい競争力の高い価格と云えそうです。
さて、Dunu Kima ClassicはベースとなったオリジナルのDunu Kimaに対して、Dunuの新たな解釈として生まれました。オリジナルのKimaに加えて登場したクラシックバージョンのサウンドは、よりポップミュージックに適したものとしています。それらの主な違いは、クラシックバージョンはオリジナルと同様にクリーンで透明な音域をそのままに、低域がより強調され、高域も強化されているのが特徴です。オリジナルとクラシックバージョンはドライバ構成等のハードウェア構成やその造形を変えずにサウンドチューニングと新たなバージョンを示すシェルカラー、アッシュグレーを採用したDunuの可能性を楽しませてくれる新しいモデルと云えます。
オリジナルKimaとKima Classicの違いは以下の通りです。
- シェルカラーはKimaのシルバーグレーに対し、KIma Classicのアッシュグレー。また、KIma Classicの付属ケーブルはシェルカラーに合わせて濃い色に変更。
- ドライバ等のハードウェア構成はKimaとKima Classicは同じですが、サウンドスタイルは異なります。オリジナルのKimaは「高音、中音、低音域の周波数がバランスよく配分された暖かく聴きやすい音」に対し、Kima Classicは「低域と高域の存在感を増しながらより鮮明で立体的なサウンドは、ポップスに最適」です。
- オリジナルのKimaとKima Classicのシェルは高密度合金を使用。Kima Classicのシェルにはその表面をサンドブラスト加工を施し、繊細な手触りと優れた質感を実現しています。
- シェル本体に連動し付属ケーブルの被膜をカラーチェンジ。更に被膜にマッチしたプラグとスプリッター等がKima Classicの商品性を高めています。
続いて、Dunu Kima Classicのスペックを見ていきます。先述の通りシングルダイナミックドライバ(1DD)のシンプルな構成のモデルです。そのダイナミックドライバにはDLC振動板を採用。N52NdFeBマグネットや共振抑制デュアルチャンバーのダイナミックドライバをマイクロコントロールエアフロー設計のシェル内部に収め音質の最適化を図っています。更に高純度単結晶銅銀メッキケーブルを採用しKima Classicはクリーンで透明感の高い音を実現しています。
オリジナルKimaとKima ClassicはDLC(Diamond Like Carbon)ダイヤフラムの10mm径ダイナミックドライバを採用していますが、そのサウンドチューニングが異なります。メーカー発表のf特からもオリジナルKimaに対し、Kima Classicの方が低音域と高音域が持ち上がっていることが分かります。
次にシェルの内部キャビティにはマイクロコントロールエアフロー設計をフロント&リアチャンバーに採用。強力なダイナミックドライバの音をエアフローチャンバーによって最適化。Dunuの狙う意図通りの音響空間を確保しています。
更に付属イヤーピースにはDunuの新型シリコンイヤーピースにより、クリーンで透明感のある音質と装着感を得られます。
最後に付属ケーブルです。高純度の単結晶銅(OCC)の銀メッキ線材を編込み線とした4芯OCC銀メッキケーブルを採用しています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしているところもありますが、高品質ケーブルを採用しDunuの音質への拘りを窺えます。
※宜しければ過去記事もご参考ください
Dunu Kima Classicの納期として今回HiFiGoでオーダー、1週間強で届きました。現在(2023/5/19)国内amazonでも本国発送扱いとなっています。昨今、HiFiGoやAliExpressで購入した本国発送の場合でも以前の様な感染症の影響で遅延は少なくほぼ回復したと云えます。尤も、万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかるのが、海外通販のリスクです。
そんな訳で一般的に海外通販での購入は国内通販で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが偶に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットがありましたが、最近では円安でその恩恵も受け難く、国内では入手できない商品を早く手に入れる事がメリットと云えます。それらを天秤にかけた場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. Dunu Kima Classic実機レビュー
それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは白を基調としたイヤホンのイラストが目を引くスリーブタイプの化粧箱です。日本国内市場を意識したハイレゾロゴもあります。
スリーブを外すと黒を基調とした内箱はメーカー名が表記されているのみのシンプルなもの。
内箱の蓋を開けると黒地の内装にイヤホンが収められています。まあ、それよりも内箱の下側にある鮮やかなカラーのイヤホンケースの方が目につきますが。
イヤホンの台座を取り出すと黒地の小箱が箱の底にあり、ケーブルが収納されています。
イヤホンケースにはイヤーピース他、付属品が収納されています。このイヤホンケースはマチがあるため開口に制限があります。これは好みによると思いますが、不意に全開となり落下させることを防ぐ意味では有用となります。
付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種3セット。そのイヤーピースは1セットはDunuのCandy Eartips。もう1セットはDunuの新型円柱型シリコンイヤーピース、S&S(Stage & Studio) Eartipsです。他にはケーブル、ケーブルバンド、イヤホンケース、6.35mmステレオ変換プラグ、クリーニングブラシ、クリーニングクロスです。中価格A10,000-U20000帯として十分満足できる付属品となります。
※メーカー名入りのイヤホンケース。鮮やかなカラーは個人的に好みです。
※クリーニングブラシ(汎用品?)
※3.5mmステレオミニプラグから6.35mmステレオプラグへのメーカー名入り変換プラグ
※メーカー名入りのクリーニングクロス
次にイヤホン本体を見ていきます。
ビルドクオリティは中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせません。綺麗に仕上がっています。シェルはサンドブラスト処理とアッシュグレーカラーにより質感の高さを感じられます。ステムノズルには真鍮に金メッキしたものを採用しており、イヤホン本体へのワンポイント的アクセントがより高級感を演出しています。
カラーバリエーションはアッシュグレーのみ。こちらはオリジナルのKimaがシルバーカラーを採用しており、一目でわかる差別化を兼ねています。
次にケーブルをみていきます。
付属ケーブルは先述の通り高純度の4芯単結晶銅線(OCC)を銀メッキ線とした編込み線としたものを採用。プレイヤー側プラグはI字、イヤホン側はフラット2ピン仕様、イヤホン側コネクタの極性は上がプラスです。スプリッタ部にはメーカー名が入り、ケーブルスライダーを備える等、Kima Classicのために造られたケーブルとなり、付属するケーブルバンドにもメーカー名入りです。
この付属ケーブルはケーブル被覆のゴム質がやや強めで引っ掛かりがあります。そのため少々絡まり易いものの、しなやかさがあり耳への装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側にはシュア掛け用にチューブで癖付けされ、中価格帯に付属するケーブルの中でも悪い印象はありません。アッシュグレーカラー(やや茶色より?)被覆のケーブルはアッシュグレーカラーのシェル本体ともマッチしています。
参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、私はこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。
続いて他機種とのサイズ感や造形の比較です。
※画像左からSeeAudio x Z Reviews Rinko、Dunu Kima Classic、7Hz LEGATO
Dunu Kima Classicは比較的オーソドックスなシェルの造形です。そのシェルのサイズはコンパクトと云えます。Rinkoとの比較では同じ程度のコンパクトさですが、LEGATOとの比較ではそのコンパクトさが際立ちます。
Kima Classicはオール金属シェル本体ですが、耳への装着感の良さもありそれほど重量は感じません。Rinkoは樹脂と金属のハイブリッドマテリアルとなり3機種の中では一番軽量となりますし、LEGATOは同じオール金属シェルで大柄のためKima Classicよりも重量を感じます。
ステムノズルの長さや太さと角度はKima ClassicとRinkoはやや短く、一般的な太さ。角度は起きています。LEGATOはそれと比べ長く、太さがあり角度はそれよりもやや寝ています。ステムノズルには金属フィルタがあり、Kima ClassicとRinkoはダストフィルタ機能として。LEGATOは外側金属フィルタですが、内側に繊維フィルタがあるためそれとは異なり音質に影響があるタイプです。
そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからは両機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
なお、装着感はステムノズルの長さや太さに影響がありますので、イヤーピースのフィッティングは重要となります。
最後に付属イヤーピースです。
Kima Classicには3種類のシリコンイヤーピースが付属しています。注目は先述の通り、DunuのCandy Eartipsと、Dunuの新型円柱型シリコンイヤーピース、S&S(Stage & Studio) Eartipsです。
DunuのKima Classicの音質への拘りを感じられます。それはCandy EartipsとS&S Eartipsの音質への影響を表すf特から分かります。
Candy Eartipsは10k-15kの帯域のピークを持ち上げる効果があります。
S&S EartipsもCandy Eartipsと同様ですが、Candy Eartipsが一部の帯域への限定的な効果に対し、S&S Eartipsは2k以上の帯域を全体的に持ち上げます。
Candy EartipsとS&S Eartipsは共に高音域を強調してくれるイヤーピースと云えそうです。これはオリジナルのKimaに対しKima Classicが低音域と高音域を強調したサウンドにマッチする傾向でありDunuの意図を感じられます。
付属タイプを色々と試してみましたが、Candy Eartipsが個人的にしっくりきました。全体の音域の中でも低音がそれ程目立たずに高音域を綺麗に繊細に聴かせてくれる印象です。S&S Eartipsはやや高音域が強調され過ぎに感じ、黒傘タイプは最も低音域を強調する印象です。音質的には好みにもよると思いますが、個人的にはCandy Eartipsが一番バランスが良く、耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。
低、中価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のDunuオリジナルイヤピで上手くフィットしました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感はもとより音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えない他社製へ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. Dunu Kima Classic音質レビュー
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホはSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。
UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。
そのため、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5はモニターライクながらも決してつまらない音ではなく、リスニングでも使えて万能と考えています。
Shanling UP5をUSB-DACとして使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。
より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。
Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。
USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。
Shanling UA2は以下を参考ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属Candy Eartips Mサイズ、付属ケーブルです。
箱出しで聴いてみた第一印象は「しっかりとした低音域と鮮やかな中高音域のドンシャリ」でした。
箱だしでは高音域に対し低音域がやや量感多めに感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音は適度な量感になり高音域とのバランスが良くなりました。
音場
空間の広さはそれ程を感じませんが、狭くはない普通の印象。前後は奥行を感じられますが、左右の広さはそこそこ。立体感は感じられます。
高音域
煌びやかさがあり響きも良好です。上までの伸びやかさを感じ、存在感のある華やかさのある高音域です。悪く云えばシャンシャン、シャリシャリと騒がしさを感じる様な主張の強さを感じられる音は下品な強く前にでる音ではなく、鮮やかな音。小さな音は爽やかに響き、ごちゃつきを感じない分離の良い音はやや演出感を感じるものの解像感も高い心地の良いもの。
中音域
華やかに鳴りますが、ごちゃつきを感じ難い整った音。音が真ん中に集まる団子感や音が重なるゴチャつきを感じない立体感を感じられる鳴り方。音に広がりのある響きの良い音です。ボーカルはクリアで近め。声音は自然でニュートラル。息遣いを感じられ声の揺らぎを感じ易い生々しさを感じられます。
低音域
量感は適度で響きや広がりを感じられ、音階や強弱といった低音域の解像感も良好。音の広がりや響きの良さがありますが、緩さの無い適度に締まった音はやや強めの出音に感じられるものの不自然に誇張した音ではないしっかりとした低音を感じる事ができます。ベースラインは追いやすく、ボーカルよりも前に出るような主張ではなく自然な量。重低音は沈み込みは深く、強さと広がりがあり、不足を感じません。
出音のバランス
一言で云えばやや中高音寄りのドンシャリ。高音域は明るく鮮やかにしっかりと感じられます。低音はやや強めに感じますが、高音域をマスクする様なドンが強い鳴り方ではないバランスの丁度良いドンシャリは心地良く、ハーマンターゲット近似のやや低音を持ち上げた音。低価格帯のそれは低音を犠牲にして整えている印象ですが、流石の中価格帯と云えます。
高音の煌びやかさはクリアで見通しの良い音場に響きが良く、音の大小を違和感なく感じ取ることができ、音の消え入る様も感じられる繊細さもあります。華やかで明るい音は鮮やかに明朗に耳に届きますが、これはクリアで透明感のある背景が寄与しています。出音は必要な時に必要な量を鳴らし、不快な音にならない程度の鳴り方は1DD機としてレベルの高い音だと思います。一方で複数BA機の高音域の様に音のシャワーを浴びたい方にはやや物足りなさを感じられるかもしれません。
中音は凹みを感じ難く、ボーカルは近い位置から聴かせてくれます。楽器の音がボーカルの周りから少し離れやや後ろ辺りに位置し奥行を感じられるものの、空間はその分広さを感じ難い。それでも音の距離感に違和感を感じられず、高音域同様に華やかさのある音は音の重なりやごちゃごちゃしている印象はありません。整った音は空間に鮮やかに聴こえ心地良さのある鳴り方です。
ボーカルはクリアで透明感のある空間に存在し聴きやすく、周りの音や高音や低音に埋もれません。近い位置から聴こえる声色も自然で息遣いを感じられ生々しく感じられます。平井堅の独特の声音も宇多田ヒカルもリアルに再現してくれます。
低音は量感よりも響きや広がりが重視されている印象です。それでも緩さを感じない曲調によって締まりも感じられ懐の深さを感じられます。その曲が表現したい低音域というか聴かせ所をちゃんと聴かせてくれる表現力の高さを感じます。そのため解像感は高く、曲の良さを感じ取りやすいです。
重低音は沈み込みは深く、強さのある音はただ強く大きな音で鳴らす下品な音ではない表現力の豊かな音。冗長さのない広がりと響き。適度な量感の重低音は低音域の質感の高さを感じられます。
Kima Classicは音楽を純粋に楽しめる出音であり、高音と中音域のクリアで透明感の高さが聴きやすく、低音域の質感の高い出音のバランスの良い音。何処かの音域を誇張しただ強調しているだけのドンシャリとはレベルの違う上質な音を聴かせてくれます。一方で中高音域の解像感を重視される方には低音域が強すぎると感じられると思います。
他機種との比較として、先ず7Hz LEGATOとの比較ではLEGATOは中低音に厚みのある重厚サウンドが特徴です。単純な低音ホンではなく、高音域もしっかりと鳴る中低音寄りのドンシャリサウンドバランスとなりますが、LEGATOの方が中低音域に厚みがあります。高音域はLEGATOの強めのスパイスは解像感よりも味付けを重視したものという印象でありKima Classicの方が一枚上手の印象です。
次にRinkoとの比較ではkima Classic同様にドンシャリの出音は音楽を純粋に楽しめる音。狙う方向性が同じなのだという印象です。単純な強さではRinkoの方に分がありますし、高音域の質感は僅かにRinkoが有利という印象です。そういう意味では1DDモデルのKima Classicが遜色の無い音を実現していることに脱帽です。愉しさはRinkoの方がやや有利という印象も、中高音域のクリアで透明感のある音場に映えるボーカルはKima Classicが有利でしょうか。
※以前のレビューもご参考ください
まとめるとDunu Kima Classicのドンシャリは過度な低音域ではなく、明るく鮮やかな高音域が心地良い、ボーカルをクリアに聴く事ができる音造りは非常に聴きやすい、バランスの良い音を聴かせてくれます。日本国内では中高音域がクリアで高音が上の上まで伸びる音が人気ですが、海外では人気のある音造りとの中間に位置する音と云えそうです。Dunuの製品は日本国内でも普通に流通していますが、高級ラインだけでしょ?という思い込みを捨てて、中価格帯でもDunuの音を楽しめる商品であり、価格帯では文句なく高音質という評価と云えます。
一方で中華イヤホンに強ドンシャリバランスを求める方や中高音域のクリアさと解像感を重視し低音は要らない、邪魔という方には評価が分かれてしまうかもしれません。
高音 Rinko ≧ Kima Classic ≧ LEGATO (出音はLEGATO)
中音 Rinko ≧ Kima Classic ≧ LEGATO (出音はLEGATO)
低音 Rinko ≧ LEGATO ≧ Kima Classic (出音はLEGATO)
ボーカル Kima Classic ≧ Rinko ≧ LEGATO (質感の順)
4. Dunu Kima Classicの総評
Dunu Kima Classicは同社エントリーハイラインのラインナップとなりますが、その音質は真面目に造り込まれており、高音質モデルと云えます。中高音域のクリアで透明感のある空間にボーカルが映える。地に足の着いた低音域がそれを邪魔しないドンシャリの王道でありながら上質さを兼ね備えた音質は価格帯でもトップクラスと云えそうです。今回比較したモデルはどれも複数ドライバ機であり、1DDのKima Classicがそれに対し遜色の無い音を奏でる事がそれを証明していると云えます。
一方で低音域を充実させた音造りは一般層には受けが良く海外でも高評価となりそうな音質傾向ではありますが、日本国内のポータブルオーディオファンには高音域中心の解像感重視の音が好まれる傾向があり、評価は分かれそうです。
最後に、今回は今年5月に発売された中価格A10000-U20000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年5月19日)はHiFiGoで14,000円台で販売し、国内amazonでは本国発送扱いの14,000円台となっていますが今日現在(2023年5月19日)10%offクーポンがありますので気になる方はお早めに。海外通販で購入する場合、HiFiGoの発送は早く届くのも早い印象があります。これまでの中華イヤホンの中では手頃な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっておりますので、中価格帯中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、新製品を少しでも早く(安く)手に入れたい方はHiFiGoでの購入も検討してみてくださいね。
Kima Classic
以下、付属ケーブル、イヤピ 付属Candy Eartips M、DAC UP5使用
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
Rinko
以下、付属ケーブル、イヤピ Sedna EarFit Short MS、DAC UP5使用
高音★★★★★
中音★★★★☆ (Vo★5)
低音★★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
LEGATO
以下、付属ケーブル、イヤピ 付属白傘 M-、DAC UP5使用
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがき
今回はいつもの中華イヤホンの中価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。
また、気になる商品が出ればチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ