みぃねこの備忘録

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TiNHiFi C3 レビュー

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、中価格A5000-U10000帯で発売された1DDモデルのTiNHiFi C3についてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのLinsoul Audio(@Luke32344614)で取り扱いがあります。

 

 

AliExpressでも取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

Linsoul Audioの直販サイトはコチラ

TINHIFI C3www.linsoul.com

 

 

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1. TiNHiFi C3について 

前回のC2のレビューでも触れた通り、TiNHiFiは中国のオーディオメーカーです。初期はTiN Audioという名称でしたが、数年前に現在のTiNHiFiという名称に変更しています。初期のTiN Audioの頃に発売したT2やT2 Pro及び、T3は、高音域特化の見通しの良いクリアな高音が特徴的な音質傾向でしたが、その後のT2 plusやT3 plusでは一変。音楽的なバランスの良い万人に受ける音質は多くの中華イヤホンファンからも支持され、音質に定評のあるメーカーとしてその地位を固めています。

これまでにTiNHiFiの製品を複数レビューをしてきましたが、それらはどれも高音質と云え特に先述のT2やT3シリーズのplusモデルに加え、その後登場したT2 Evo等は価格に対する音質の良さはコストパフォーマンスの高い製品です。

そのTiNHiFiからT2シリーズとは異なる展開として新たにCシリーズが登場し、C2とC3を発売しています。前回レビューしたC2はT2シリーズ同様に金属シェルを採用していますが、C3は最新T3シリーズ、T3 plus同様に樹脂シェルを採用しており、C2とC3に有意差を与えていることを窺わせます。それはT2 plusとT3 plusの関係にも現れており、どちらも初期の高音域特化からは離れた全音域でバランス良く鳴らす音質傾向としながらも金属シェルによる高音域の響きを活かした寒色寄りのT2 plusに対し、T3 plusでは樹脂シェルによって金属音の過度な響きを抑え、中低音域を豊かにした暖かみのある音とシリーズによって音質傾向を変えていることを窺えます。そしてC2がT2 plusと近しい音造りであること。C3を一聴した時にT3 plusと同じ傾向となっている印象を受けたことから、TiNHiFiがそれを意図してモデル毎に音づくりをしていると推察しています。

さて、今回はTiNHiFiの最新Cシリーズ、第二弾としてC3を入手しましたので、C2や同クラスのCADENZAとの比較を含めながら記事をまとめます。

 

TiNHiFi C3のスペックですが、シンプルなシングルダイナミックドライバ(1DD)モデルです。C3のダイナミックドライバには10mm径の複合素材のダイヤフラム(振動膜)に加え、強力な磁気コイルを採用しています。その複合素材の振動膜には今年のトレンドの一つである薄膜液晶ポリマー(LCP)層とポリウレタン(PU)層を二重複合構築した物を採用しています。この複合素材振動膜は、一つの素材の振動膜を使用したダイナミックドライバのような音の均一性を保ちながら、複数ドライバを搭載したモデルのような快活な音色が特徴となります。そして、強力な磁気コイルN52とデュアルキャビティによりレスポンスの良さと力強い音を実現することで、複数ドライバと遜色のないポテンシャルを持つダイナミックドライバとなります。

以前のレビューでも触れましたが、今年のトレンドとなった薄膜LCP振動膜採用のダイナミックドライバはキレの良い解像感の高い音が特徴です。しかし、やや低音域が軽くなる印象があり、それをPUとの二重複合層とすることで、しっかりとした低音を得ることができる高特性ダイナミックドライバと云えます。

次にシェル本体はオール樹脂製です。同社は創業当時から金属シェルモデルを得意としてきましたが、T3 plusでは一転、樹脂シェルが採用され、このC3でも樹脂シェルが採用されています。フェイスプレートにはカーボン調のデザインが施され、樹脂シェルの軽い装着感が特徴です。

音質チューニングを突き詰めればシェルの材質による音への影響は無視できません。金属製シェルは高音域の響き、反響が樹脂に比べて大きくなります。響きの美しさは金属が一枚上手ですが、良い事だけではなく、反響が強くなることで不自然な残響音となる場合があります。一方樹脂製シェルでは高音域の響きが吸収されてしまう傾向があり、金属シェルと同じ音圧を得るためには高音域の減衰を考慮しやや強めに鳴らす必要があります。加えて、音導管の有無も重要でこのバランスを含めたチューニングは難しく、TiNHiFiの技術力の証明となりそうです。

最後に付属ケーブルです。高品質銀メッキ銅線は1本が極細線を束ね1芯とし4芯撚線ケーブルです。イヤホン側接続コネクタ部には0.78mmの金メッキ2ピンを採用した中価格帯中華イヤホンとして質の高いケーブルです。更に、4芯撚線ケーブルはしなやかで取り回しの良いケーブルとなっています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしている場合がありますが、C3ではバランス接続を試したい方以外はリケーブルする必要を感じません。

 

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※宜しければ以前のレビューもご参考ください

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TiNHiFi C3の納期としては現在(2022/12/24)国内amazonでPrime扱いですので当日発送、翌日配達で直ぐに届きます。私の場合は本国発送でしたが、AliExpressでオーダーした場合と同様に感染症の影響は回復傾向であり国内で佐川急便に委託される輸送の場合はかなり安定しており、10日前後で届きました。ほぼ平時に戻った印象です。尤も従来の平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。

まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. TiNHiFi C3実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調とした小箱タイプ。表面にはメーカーロゴと商品名のみというシンプルなもの。

 

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上蓋を開けるとグレーの内装にイヤホンが収められています。

内装の下側には付属品の入った小箱が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースタイプのS、M、Lの3種が2セット。他にはケーブルとケーブルバンドです。中価格A5000帯として必要最低限なものが揃った付属品となります。

 

次に本体を見ていきます。

 

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シェルの造形は丸みを帯びたカスタムIEM風のもの。シェルは比較的コンパクトですが、厚みがあり耳甲介艇の突起のある造形となります。この突起は個人差がありそうですが、樹脂シェルの軽さも相まって装着感は良好と云えます。フェイスプレートにはカーボンデザインが施され、その中央にメーカーロゴがある比較的シンプルなデザインは普段使いに重宝しそうです。

肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの中価格A5000帯として綺麗な仕上りでありシェルの合わせ面も綺麗に揃っています。

カラーバリエーションは黒のみです。

続いてケーブルです。

 

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付属ケーブルは先述の通り高品質4芯銀メッキ銅線を撚線としたもの。価格帯的にはかなりケーブルにコストを掛けたものと云えます。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側はフラット2ピン仕様の極性はKZ系と同様に上側がプラスです。この付属ケーブルはしなやかでタッチノイズを感じにくく、肝心の耳への装着性や使用感は悪くない。シュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的にしなやかで取り回しは悪くありません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

次に他機種との造形の比較です。

 

※画像左からTiNHiFi C2、TiNHiFi C3、KiwiEars CADENZA

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C3とC2、CADENZAの外観の比較として、サイズ感はC3がCADENZAよりも僅かに大きくC2が一番コンパクト。シェルの厚みはCADENZAの方がやや厚みがあります。C2がコンパクトなためにC3が大きいと誤解されそうですが、一般的には十分コンパクトな部類になると思います。

ステムノズルの長さと太さ、角度ですが、長さはこの中ではC2が長くC3とCADENZAがほぼ同じ。角度は三機種がほぼ同じ。太さはC2がこの中では細くなりますが、一般的にはやや太めの部類。CADENZAが一番太く、それらの中間がC3です。

C3はこの中ではそのコンパクトさが目立ちませんが、一般的なサイズ感のCADENZAと比較しても決して大きいという事はありませんし、オーソドックスな造形と云えます。何よりも意外と耳への収まりが良く装着感は良好です。

イヤホンとケーブルを接続するコネクタにはC3とCADENZAはフラット2ピン。C2は埋め込み式2ピンでリケーブルの際はコネクタ部の長さに注意が必要です。

シェルの材質は、C3とCADENZAはオール樹脂製。C2はオール金属製となります。

重量はオール金属C2にやや重量を感じます。C3とCADENZAはこの中では比較的軽量です。とはいえ、C2は思ったよりも耳への装着感が良く、それほど重さを感じないレベルです。寧ろ耳への装着感はステムノズルの太さに影響を受けやすくC3とCADENZAは太めと云えますのでイヤピ選びは重要です。

ステムノズル部には全てにフィルターがあります。C3はメッシュフィルタなので他の機種よりも音質への影響のあるタイプと云え、他は異物混入による故障を防ぐタイプの様です。

三機種共にシェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りC3はステムノズルがやや太めなものの、実際の装着感は悪くなく、付属イヤーピースで耳の奥に栓をするように耳に密着させ装着する想定の様子。付属のシリコンイヤーピースで上手くフィットする事ができれば音質的にも必要十分だと思います。

 

最後にイヤーピースを見てみます。


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付属のシリコンイヤーピースはC2と同じ黒色の一般的な形状の丸穴径、傘の裾野が弾丸タイプ。他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的な形状は選択肢が増えますので安心です。

付属イヤピは音質的にはダイレクトに音を届けてくれ、やや低音がしっかりとするタイプの印象です。軸はやや短めとなりますので耳への装着時はイヤピを耳奥へ挿入し耳へ密着させることを想定している様です。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸い付属イヤーピースで私はフィッティングが上手くいきましたしし、低音が逃げる事もありませんでしたので、そのまま付属を使用しています。

低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピで上手くフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. TiNHiFi C3音質レビュー

いよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

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より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

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USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属イヤーピース Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音に厚みのある全体的に華やかな音。高音はやや抑えられ低音はしっかりと鳴る音。やや中低音寄りのドンシャリバランス」です。

箱出しでは低音にボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は締まり、バランスの良い音という印象です。

 

音場

普通からやや広め。前後はやや奥行があり、左右にやや広さを感じられ、立体感を感じられますが、空間の広さはそれ程感じません。

 

高音域

煌びやかさはありますが響きは抑え気味。上までの伸びやかさはそれ程感じらませんが、十分な存在感があります。華やかに鳴りますが、騒がしさを感じるような常に前に出る、行き過ぎた感じはない適度なもの。最近の中華イヤホンの傾向と同じ様に刺さりや尖りは感じません。解像感も良好ですが、鮮明さはそれ程感じない。

 

中音域

華やかさがある鳴り方ですが、音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきを感じ難く立体感のある鳴り方。音の立ち上がりは良く解像感も良好です。ボーカルはクリアで僅かに近い位置。声音は自然でニュートラルな印象です。

 

低音域

量感は適度で響きや広がりも感じられますが、諄さもなく音階や強弱といった低音域の解像感は良好。ベースラインは追いやすく、ボーカルよりも前に出るような不自然さはありません。重低音は沈み込みは深く、強さがありますので過不足はありません。

 

出音のバランス

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ。高音域はやや暗めながらも必要な量をしっかりと鳴らす音。低音は適度で過不足のない鳴り方は出音のバランスが良い音。今年のトレンドの一つ、ハーマンターゲット近似の音。

 

高音の煌びやかさは十分に感じられますが、響きは抑え気味。そのため華やかさはありますがしつこさは感じない。どちらかと云えばやや暗めに聴かせてくれます。それでも必要な時に必要な量を鳴らし不足を感じる事はありませんが、中華イヤホンの明るい高音域に慣れた方には不足に感じられるかもしれません。演出感の少ない不快なシャリつきもない綺麗な鳴り方は耳心地の良い音。超高音までの伸びやかさはなめらかさはありますが、中低音域の音圧にやや隠れ気味。そのため不快に感じる刺さりや尖りは感じません。小さな音でも感じ取れるものの鮮明さはそれ程感じませんので解像感や描写はやや丸みを感じられますが、それが全体とのバランスを整えています。

中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルが僅かに近い位置に対し楽器の音はその周りから少し離れやや後ろ辺りに位置し奥行を感じられます。厚みのある華やかさがありますが、その音は整って聴こえ解像感は良好です。

ボーカルは僅かに近い位置からクリアで聴きやすく、周りの音や高音や低音にも埋もれません。声色は自然で息遣いを感じられ艶を感じられます。そのため女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声を楽しめますし、アップテンポな曲でも伸びやかさを感じられます。

低音の量感は適度で響きや広がりを感じられます。一方で締まりのある音は、音階や強弱を感じ取れる、解像感と雰囲気の良さを感じられるバランスを整えた音。締まりのある音は音階や音の強弱を誇張せずに描写してくれます。そのため雰囲気の良い曲でも低音がだらしなく鳴るようなことはありません。

重低音は沈み込みは深く、強さを感じられる音。低価格帯でよくあるただ強く鳴らす音ではありません。適度な低音域は中音域に厚みを持たせてくれます。

 

同社のC2と比較した場合、C2の方が高中音域の主張を感じます。超高音域の伸びも同様です。一方、低音域はC3の方がしっかりと鳴らし、中音域に厚みがあります。そのため全体とのバランスを考慮すればC2が寒色傾向でC3が暖色傾向という印象です。同社のラインアップではC2がT2 Plusの系譜と云え、C3はT3 plusの流れを汲む系譜と云えそうです。

C2の弱ドンシャリに対し、C3も弱ドンシャリと云えますが、音色が寒色と暖色傾向という違いがあります。特に中低音域の厚みはC3の聴きどころであり、最も「らしさ」を感じられますので、やはりオールドファンからはTiNHiFiらしい寒色傾向のC2の方が好きという方は多そうです。それでもC3の音質は過去のTiNHiFiの音を知らない方にとって厚みのある音は、適度な高音と中低音域に充実感のある音は高音質モデルという印象を持つと思います。C3はTiNHiFiのラインナップの中でも万人向けを重視したモデルとして好評を得る事ができそうです。

 

次にCADENZAとの比較では、CADENZAがやや中高音寄りのドンシャリです。以外にも低音がしっかりとした音は、高音域は鮮明にしっかりと鳴らし、中音域を華やかに彩らせた高中音域を聴かせる硬質な音です。そのためC3の高音域をやや暗めに鳴らし中低音域を厚めに充実感のある音とは真逆の音と云えると思います。

 

※過去レビューも参考ください

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まとめるとTiNHiFi C3の弱ドンシャリはやや高音域をやや暗めに鳴らしながらも中低音域を充実させた音造りが万人受けしやすい音。特に海外では人気の出やすい音造りが日本国内では新陳代謝の激しくライバルの多い価格帯でやや苦戦しそうな印象ですが、価格帯では間違いなく高音質という評価と云えます。

一方で従来のTiNHiFiの音が好きな方には聴いていて楽しいドンシャリバランスと云えるため評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   CADENZA ≧ C2 ≧ C3 

中音   C3 ≧ CADENZA ≧ C2

低音   C3 ≧ CADENZA ≧ C2

ボーカル C3 ≧ CADENZA ≧ C2

 

 

4. TiNHiFi C3の総評

TiNHiFi C3は同社のA5000帯モデルとして、従来の同社の音ではない普通に高音質のイヤホンです。T2シリーズの初期の高音域特化モデルというマニア向けから一変しています。C3の中低音域を充実させた音造りは一般層には受けが良いと思います。特に海外では高評価となりそうな音質傾向は日本国内のマニアには高音域中心の音が好まれる傾向があり、評価は分かれそうです。それ故にこのC3はが普通に高音質と云えますしバランスの良い音を聴かせてくれ音楽を楽しく聴く事ができます。

 

最後に、今回は中価格A5000-U10000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2022年12月24日)は国内amazonやAliExpress等で発売されております。それ故に昨今の円安からは国内amazonでの購入が安心感があってお勧めです。AliExpressでは本国発送は勿論のこと、納期が掛かりますしその入手性には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

C3

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

CADENZA

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (硬質な音)

※☆0.51.0

 

C2

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (なめらかな音)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく、中価格A5K-U10K帯中華1DDイヤホンの商品のレビューとなりました。日々進化を見せる中華イヤホンはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ