みぃねこの備忘録

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BLON x HBB Z300 レビュー

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、低価格U5000帯で発売された1DDモデルのBLON x HBB Z300についてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのLinsoul Audio(@Luke32344614)で取り扱いがあります。

 

 

AliExpressでも取扱があります。

ja.aliexpress.com

 

Linsoul Audioの直販サイトはコチラ

BLON X HBB Z300www.linsoul.com

 

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1. BLON x HBB Z300について 

BLONは中国の数多あるオーディオブランドの一つです。BLONと云えば、以前BL-03やBL-01をレビューしています。どちらも音楽的にバランスの良い音質のイヤホンでありBLONは高音質の商品を多く世に送り出しています。その音質はリスニングサウンドに優れており、良い意味で普通でありながら、堅実な音質傾向が特に海外の中華イヤホンファンから支持され、音質に定評のあるメーカーとして注目されています。

そのBLONから新製品のBLON x HBB Z300が発売されました。BLON x HBB Z300はその名にある通り、海外有名レビュアー「HBB」とのコラボレーションモデルとして、HBB氏の音質監修に基づきチューニングされています。

またBLON x HBB Z300にはHBB氏のチューニングのみではなく、以下の特徴が挙げられます。

  • 優れたオーディオ性能を実現する最先端の10mmシリコンダイアフラムを採用
  • 耐久性の高い18K金メッキ亜鉛合金シェルを採用し、竜を模したFPデザイン
  • リケーブル可能な4芯高純度銅ケーブルを採用し、優れた透明度と透明性を実現

最近の中華イヤホンは海外有名レビュアーとのコラボレーションが盛んにおこなわれています。面白いのは各レビュアーの嗜好がやはりそこにはあるという事です。とはいえベースにあるのはハーマンターゲットカーブです。それをベースにベースとなった商品の特性を活かすこと。レビュアーの嗜好というスパイスを加えたコラボレーションモデルは多くの場合で成功しています。つまり、このBLON x HBB Z300も期待値が高くなるという訳ですね。

 

さて、BLON x HBB Z300のスペックですが、シンプルなシングルダイナミックドライバ(1DD)モデルです。DDのダイヤフラムには最先端の10mmシリコンダイアフラムを採用し、優れたオーディオ性能を得ることに成功しています。この珍しいダイヤフラムは臨場感があり音を正確に表現しクリアで自然なサウンドを提供できます。

そして、強さと柔らかさの両立し同時に実現するように設計されており、そのバランスが取れた音は解像感を備えたサウンドを生み出します。鮮明さと豊かさの兼ね備えたバランスにより、高音から低音までの細部のニュアンスを正確に描写するサウンドを提供できるとメーカーは謳っています。

次にシェル本体はオール金属製です。18K金メッキ亜鉛合金で造られたシェル本体は耐久性があり、洗練されたデザインを採用しています。竜を模したフェイスプレート(FP)にオーソドックスなシェルの造形はモダンであり優雅さと風情を感じられる外観としています。特に金メッキのシェルカラーは優雅さと高級感のあるデザインとなっています。

最後に付属ケーブルです。Z300のケーブルには高級線材を採用し耐久性にも拘っています。4芯高純度銅線の編込み線は、明瞭さと透明性が高く音の全てを高い精度で伝えます。また、リケーブル可能とし、お好みのケーブルに交換することで、より多くの音への可能性と変化を楽しむことができます。更に、1本あたりが太めの線材は程良い堅さがありながらもしなやかで取り回しの良いケーブルとなっています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしている場合がありますが、Z300をプロデュースするにあたりHBBの拘りが垣間見えます。そのためBLON x HBB Z300ではバランス接続を試したい方以外はリケーブルする必要を感じません。

 

※宜しければ以前のレビューもご参考ください

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BLON x HBB Z300の納期としては現在(2023/5/4)国内amazonでも取扱がありますが、本国発送扱いですのでPrime扱いの様に当日発送、翌日配達とはいきません。私の場合も本国発送でしたが、AliExpressでオーダーした場合と同様にかなり安定しており、10日前後で届きました。ほぼ平時に戻った印象です。尤も従来の平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressや海外サイトでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。

まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. BLON x HBB Z300実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調としたシンプルなスリーブタイプの小箱です。表面にはFP同様に竜を模したイラストが中央部に大きくプリントされており、左上にはHBBコラボレートを示すHBBのロゴがあります。

 

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スリーブを外すと白を基調とした内装にイヤホンが収納されています。

 

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内装を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースタイプのS、M、Lの3種が2セット。他にはケーブルとイヤホンポーチです。低価格U5000帯として必要十分なものが揃った付属品となります。

 

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BLONのロゴの入ったイヤホンポーチはBLONの他の製品にも付属するものと同じです。

 

次に本体を見ていきます。

 

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シェルの造形はオーソドックスなカスタムIEM風のもの。シェルは比較的コンパクトですが、厚みがあるためやや大きく感じますが、実際にはコンパクトな部類と云えます。金属製シェルは重量感がありますが、耳への装着時はその装着感の良さから重さをそれ程感じません。

フェイスプレートには先述の通り竜を模したデザインが施されており、シェルの金メッキにより煌びやかなデザインと云えます。特徴的なフェイスプレートデザインと金色の本体のイヤホンは他の人とは違うものを求める人には良さそうです。

肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの低価格U5000帯として綺麗に仕上っており、シェルの合わせ面も綺麗に揃っています。

カラーバリエーションはゴールドとダークブルーの二色です。今回は勿論ゴールドを選択しています。

続いてケーブルです。

 

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付属ケーブルは先述の通り高品質4芯高純度銅線を編込み線としたもの。価格帯的にかなりケーブルにコストを掛けたものと云えます。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側は特殊2ピン仕様。QDCやTFZとも異なる四角形のコネクタ形状の2ピンです。極性はKZ系と同様に上側がプラスです。この付属ケーブルはやや堅さがありますが、意外としなやかさがあります。また、タッチノイズを感じにくく、肝心の耳への装着性や使用感は悪くありません。イヤホン側にはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に取り回しは悪くありませんので、バランス接続をしたい方以外は音質的にもそのまま使用することでBLON x HBB Z300らしさを感じられると思います。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

次に他機種との造形の比較です。

 

※画像左からKiwiEars CADENZA、BLON x HBB Z300、TiNHiFi C3

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BLON x HBB Z300とC3、CADENZAの外観の比較として、サイズ感はC3がやや大きく、CADENZAとZ300はほぼ同じ。CADENZAの方がコンパクトに見えますが、シェルに厚みがありますので体積はほぼ同じです。とはいえC3も一般的には十分コンパクトな部類になると思いますので、Z300はコンパクトと云えると思います。

ステムノズルの長さと太さ、角度ですが、長さはこの中ではZ300が僅かに長く、次いでCADENZA。C3が一番短くなります。太さはCADENZAが一番太く、次いでC3。Z300は一番細くなりますが、一般的な太さと云えます。角度はCADENZAが一番起きていて、次いでZ300、C3の順に寝ています。

Z300とCADENZAはほぼ同じサイズ感であり、この中ではそのコンパクトさが目立ちませんが、一般的なサイズ感のC3と比較してもやや小さい程度。その中でもZ300は特にオーソドックスな造形と云えます。何よりもその造形の見た目通り耳への収まりが良く装着感は良好です。

ケーブルを接続するイヤホン側のコネクタ部はC3とCADENZAはフラット2ピンですが、Z300は先述の通り特殊形状です。とはいえ、リケーブルの際は通常の2ピンコネクタを選択しておけばそれほど気にする必要はないと思います。

シェルの材質は、C3とCADENZAはオール樹脂製。Z300は先述の通りオール金属製のためやや重量感があります。

重量はZ300がやや重さを感じますが、造形がオーソドックスのため、耳への装着感が良く、重さをそれほど感じないレベルです。寧ろ耳への装着感はステムノズルの太さに影響を受けやすくZ300は一般的な太さのためイヤピ選びは通常のサイズ感で良いと思います。

ステムノズル部には全てにフィルターがあります。全て金属フィルタですが、Z300とC3はメッシュフィルタなので他の機種よりも音質への影響のあるタイプと云えます。それに対し、CADENZAは異物混入による故障を防ぐタイプの様です。

三機種共にシェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、前述の通りZ300はステムノズルが一般的な太さですので実際に装着した際にも圧迫感は少なく、付属イヤーピースで耳の奥にやや浅めに栓をするように耳に密着させ装着するとフィットしました。そのため付属のシリコンイヤーピースで上手くフィットする事ができれば音質的にも必要十分だと思います。

 

最後にイヤーピースを見てみます。


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付属のシリコンイヤーピースはC3と同じ黒傘黒軸の一般的な形状の丸穴径、傘の裾野が弾丸タイプと白傘イヤピの同形状の2種です。他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的な形状は選択肢が増えますので安心です。

付属黒イヤピは音質的にはダイレクトに音を届けてくれ、やや低音がしっかりとするタイプの印象です。白イヤピは中高音をクリアにして僅かに低音を弱めてタイトにさせ全体のバランスをやや腰高にしてくれる印象です。どちらのイヤピも軸は傘の裾野よりやや短めとなりますので耳への装着時はイヤピを耳奥へ挿入しやや浅めに栓をするように耳へ密着させることで私はフィットしました。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸い付属イヤーピースで私はフィッティングが上手くいきました。また、白イヤピの方がバランスが良く感じましたので、そのまま付属白Mサイズを使用しています。

低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピで上手くフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. BLON x HBB Z300音質レビュー

いよいよ音質についてまとめていきます。

 

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昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

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より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

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Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。

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USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白傘イヤーピース Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音に厚みがあり華やかさのある音。高音は華やかで低音はしっかりと鳴る音。やや中低音寄りのドンシャリバランス」です。

箱出しでは低音が膨らみボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は締まり、高音とのバランスが取れた音という印象です。

 

音場

普通の広さという印象。前後はそれほど奥行を感じませんが、左右はやや広さを感じられます。奥行きをそれ程感じないこともあり立体感はそこそこ。空間の広さもそれ程感じません。

 

高音域

適度な華やかさは抑えめな印象を持ちますが、必要な時に必要なだけ鳴り過不足はありません。上までの伸びやかさはそれ程感じらませんが、響きや余韻はありますので適度な存在感があります。華やかさはあるものの、無駄に騒がしいと感じるような常に前に出る様な感じはないあくまでも適度な鳴り方。低価格帯の中華BA搭載機でよくある高音が常に前に出るようなことはありません。そのため刺さりや尖りは感じません。解像感は良好ですが、特筆する程ではなく、鮮明さも程々。

 

中音域

華やかさがありますが、音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきを感じ難く整理された鳴り方です。音の立ち上がりは良好で解像感も悪くありませんし明朗に鳴らします。ボーカルはクリアで僅かに近い位置から自然でニュートラルな声色の印象です。

 

低音域

量感は適度で響きや広がりも感じられますが、強さで誤魔化す鳴り方ではなく音階や強弱といった低音域の解像感は良好です。ベースラインは追いやすくボーカルよりも前に出るような不自然さはありません。重低音は沈み込みは深さがあり、強さがありますので過不足を感じません。

 

出音のバランス

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ。高音域はどちらかと云えば暗い印象となりますが自然な量で自然な強さで鳴らしてくれます。低音は適度な量感で過不足はありません。出音のバランスが良く最近の中華イヤホンの流行りのハーマンターゲット近似の音と云えます。

 

高音の華やかさは適度な強さで必要十分に感じられます。響きや余韻も感じられます。適度な華やかさはありますが何方かと云えば暗めの高音域のために低価格帯のBAに慣れた方には明るさが足りずもの足りなさを感じられるかもしれません。それでも、誇張の少ない高音域は自然な強さで鳴り不自然さを感じることはありません。演出感の少ない自然な鳴り方は耳触りが良いものの、超高音域までの伸びやかさはそれほどありませんが、なめらかに鳴り、小さな音も感じ取れます。解像感や描写は悪くありませんが、鮮明という程ではなく、やや丸みを帯びた音。全体の出音のバランスを調整し整えられている印象です。

中音は僅かに凹みを感じますが、ボーカルは自然な位置にあり楽器の音はその周りに位置しています。厚みのある中低音域は華やかさがあり分離も良く整った音は解像感も悪くありません。

ボーカルは僅かに近い位置からクリアに聴く事ができます。周りの音や高音や低音にも埋もれることはありません。声色は自然で息遣いを感じられ艶も感じられます。そのため女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声を楽しめますし、アップテンポな曲でも伸びやかさを感じられます。

低音の量感は適度で響きや広がりも適度に感じられます。その一方、締まりのある音は、スピード感のある曲にも対応する懐の深さがあります。音階や強弱の描写も掴みやすく、解像感と雰囲気の良さを感じられる整った音。

重低音は沈み込みは適度に深く、強さを感じられる音。低価格帯でよくあるただ強く大きく鳴らす音ではありません。適度な低音域は中音域の下の方にも厚みを持たせてくれます。

 

他機種との比較としてTiNHiFi C3と比較した場合、中低音寄りのほぼ同じ音質傾向という印象です。Z300の方がやや高中音域の主張を感じます。超高音域の伸びも同等です。低音域はC3の方がややしっかりと鳴らす印象ですが、イヤピの影響かもしれません。中音域の厚みは同様ですが、C3の方が僅かに厚みを感じますし、中高音の解像感はZ300の方がやや良好。全体のバランスはどちらも暖色傾向という印象ですが、Z300の方が僅かに重心が高い印象です。これもイヤピの影響かもしれません。

次にCADENZAとの比較では、CADENZAがやや中高音寄りのドンシャリです。以外にも低音がしっかりとした音は、高音域は鮮明にしっかりと鳴らし、中音域を華やかに彩らせた高中音域を聴かせる硬質な音です。そのためZ300の高音域をやや暗めに鳴らす中低音域を厚めに充実させた音とは真逆の音と云えます。

最後にもう一つ。HBB氏のコラボモデル、Khanとの比較です。狙う方向性は同じですが、KhanとZ300の違いは高音域です。分かり易く違うのは低音域の強さですが、高音域の描写力はZ300の方に分があります。低音域は圧倒的な強さのKhanに対し、適度なZ300というもの。Khanの音は好きな人にはハマる音ですし、Z300は万人に受け入れやすい音です。

 

※過去レビューも参考ください

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まとめるとBLON x HBB Z300はTiNHiFi C3と同傾向の音質傾向であり、高音域に若干のアクセント違いのある弱ドンシャリです。高音域は自然に鳴らし中低音域を厚めに鳴らす音造りが万人が受け入れやすい音でありながら、各音域の聴かせ所をちゃんと聴かせてくれるのが特徴と云えます。ハズレの無いハーマンターゲットの音作りは海外では人気の出やすい音造りなのですが日本国内のポータブルオーディオファンは中高音寄りフラットが人気が高い市場ではやや苦戦しそうな印象です。それでも同価格帯では間違いなく高音質と云え個人的には好きな音です。

一方で従来の低価格帯中華イヤホンの強ドンシャリの音が好きな方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   CADENZA ≧ Z300 ≧ C3 

中音   Z300 ≧ C3 ≧ CADENZA

低音   C3 ≧ Z300 ≧ CADENZA

ボーカル Z300 ≧ C3 ≧ CADENZA

 

 

4. BLON x HBB Z300の総評

BLON x HBB Z300はHBB氏が音質を監修したコラボレーションモデルとして間違いなく高音質と云えます。価格帯で見ればU5000クラスの中でも上位に入ると云え、普通に高音質のイヤホンとしてお勧めできます。中低音域を厚めに充実させた音作りながらも各音域の聴かせ所を間違わない音は一般層には受けが良いと思いますし、海外では高評価となりそうな音質傾向です。一方で日本国内のマニアには高音域中心の音が好まれる傾向があり、評価は分かれそうです。個人的にはそれでもBLON x HBB Z300は普通に高音質と云えますしバランスの良い音質は音楽を楽しく聴く事ができる良いイヤホンと評価しています。

 

最後に、今回は低価格U5000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年5月4日)は国内amazonやAliExpress等で発売されております。それ故に昨今の円安からは国内amazonでの購入が安心感があってお勧めです。AliExpressでは本国発送は勿論のこと、納期が掛かりますしその入手性には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンでちょっとよいものを検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Z300

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

C3

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.51.0

 

CADENZA

以下、付属ケーブル、付属イヤピ MDAC UP5
高音★★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (硬質な音)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回は中華イヤホンの低価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ