こんにちは。
今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、低価格U5000帯で発売された1BA+1PDハイブリッドモデルのTrn XuanWu(玄武)についてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonのHiFiGoで取扱があります。
HiFiGoサイトはコチラ↓
TRN Xuanwu 10mm Square Planar Driver + 1BA Hybrid In-Ear Monitors IEMshifigo.com
1. Trn XuanWuについて
Trn XuanWu(玄武)は低価格U5000帯中華イヤホンの多ドラハイブリッドモデルとして昨年11月に新発売されました。
Trnといえば低価格帯のドンシャリサウンドのモデルを中心に発売し当時市場のトップランナー、KZのライバルとして鎬を削っていましたが、近年のKZのやらかしによる失速とTrnの音質重視のビジネスモデル変更が功を奏し、現在は他社に一目置かれる存在となり、我々中華イヤホンファンから注目されています。何の業界でも実直さは大切ということなのかもしれません。
近年Trnが発売したイヤホンは何れも「普通に音が良い」モデルという評価が定着しており、以前レビューした多ドラハイブリッドのVX Proや平面磁気駆動ドライバのKirinは中価格A10000帯のモデルとして他社に遜色のない音質は販売価格に対してコストパフォーマンスの高いモデルという評価です。同様に中価格A5000帯の4BA+1DD多ドラハイブリッドモデル ST5も近年では大人しいスペックながら最近のTrnの勢いそのままに評価が高いモデルとなっています。
そんなTrnが昨年最後に発売したXuanWu(玄武)は昨年のトレンドである平面磁気駆動ドライバを採用し、更にBAを搭載した1BA+1PDハイブリッドモデルという「中華イヤホンファンを理解している」モデルを登場させました。これは注目せざるをえないですよね。
1BA+1PDハイブリッドモデルと云えばCelest Gumiho(九尾)が記憶に新しいですが、そのGumihoで採用された平面磁気駆動(PD)はSquare Planar Driver(SPD)という従来とは異なったドライバだったことと、BAとSPDのデュアルドライバだったこと話題になりました。一般的なドライバの円形ですが、SPDは四角形のドライバです。加えて、PDドライバモデルが6,000円台と安価な販売価格が評判になりました。その後同社はこのSPDを改良した第二世代SPDを一基搭載したモデル、Pandamonを昨年末発売しています。このPandamonについては以前レビューしていますので、宜しければご参考ください。
※Xuanwuのf特(メーカーHP抜粋)
以前レビューしたPandamon同様にメーカー発表のf特を引用します。グラフからはやや高音域寄りにピークがあり、2k付近に最大ピークがあります。そこからは高音域に掛けてやや右下がりに振れ幅も大きめに上下しています。音域全体を見ると中音域が凹むよくあるドンシャリサウンドのf特性となっています。
※Pandamonのf特(メーカーHP抜粋)
次に比較としてCelest Pandamonのグラフからはやや高音域寄りにピークがあり、2kを少し超えたところに最大ピークがあります。そこからは高音域に掛けてやや右下がりに振れ幅も大きめに上下しています。音域全体でみるとf特は凹傾向ではありますが、中音域の凹みの少ない高音域寄りのフラット傾向であることがわかります。
実際にPandamonを聴いてみると高音と低音がしっかりと鳴る弱ドンシャリ傾向のサウンドです。
※Trn Kirinのf特(メーカーHP抜粋)
Pandamonのf特をみて思いつくのはTrn Kirinです。価格帯は一クラス上となりますが、Kirinのf特とPandamonのf特は全体的に同傾向の印象です。
実際に聴き比べてみると全体の印象は似ていますが、高音域の繊細さと低音域の質感は流石の中価格A15000-U20000帯モデルと云えます。全体では高音やや強めのフラット寄りのドンシャリです。解像感の高い高音域は華やかでありながらしつこさの無い繊細な音は耳障りが無く、一クラス上の音質を感じられます。
以前のレビューでも考察した通り、f特は出音の参考にはなりますがそれで音質が分る訳ではなく聴いてみて音質を評価することが一番だと個人的に考えています。そういう意味ではTrn XuanWuがどのような音を聴かせてくれるのか?楽しみです。
さて、Trn XuanWuのスペックですが昨年の中華イヤホンのトレンドの一つ、平面磁気駆動ドライバとバランスドアーマチュア(BA)各一基を片側に合計二基搭載したデュアルドライバ構成のモデルです。所謂1BA+1PDハイブリッドモデルとなります。BAにはTrnのカスタマイズドBAを採用し高音域を担います。中音~低音域にはKirinの平面磁気駆動ドライバ、直径14.5mmの円形ドライバとは異なる10mm x 10mmの四角形のSPDドライバを採用しています。
複数ドライバ機で最も大事なことですが、異なる種類や複数のドライバを搭載するモデルでは各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要です。低価格帯はもとより、中価格帯のモデルでも曲によってつながりにやや不自然さを感じる場合があります。前述の通りXuanWuはBAとSPDを採用しておりますが、実質的にはSPDがフルレンジを担い、BAが高音域を補完する構成です。そのためやや高音域につながりの不自然さを感じられる事があるのが気になります。
次にイヤホン本体にはステムノズルが金属製。シェル本体に樹脂製、フェイスプレートにはアルミニウム合金を採用し高級感のある外観としています。
最後に付属ケーブルです。高品質銀メッキ無酸素銅(OFC)線の編込み線を採用。元々中華ケーブルメーカーの利点を活かしたものとなっています。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしているところもありますが、付属として必要十分な高品質線材を採用しています。
※宜しければ平面駆動ドライバの搭載モデルの過去記事もご参考ください
Trn XuanWuの納期として今回HiFiGoでオーダー、1週間強で届きました。現在(2023/1/14)は国内amazonでもPrime扱いとなっています。昨今、HiFiGoやAliExpressで購入した本国発送の場合でも以前の様な感染症の影響で遅延は少なくほぼ回復したと云えます。尤も、万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかるのが、海外通販のリスクです。
そんな訳で一般的に海外通販での購入は国内通販で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが偶に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットがありましたが、最近では円安でその恩恵も受け難く、国内では入手できない商品を早く手に入れる事がメリットと云えます。それらを天秤にかけた場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. Trn XuanWu実機レビュー
それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは黒を基調とした商品名とイヤホンイラストがプリントされたスリーブタイプの化粧箱です。
スリーブを外すと内箱の黒地の台座にイヤホンが収納されています。
下側には付属品が収納されています。
付属品は2種のシリコンイヤーピースS、M、Lの2セットに加えTrn新型イヤーピースT-earのMサイズ黒軸1ペアの計3種。ケーブル、ケーブルバンドです。低価格U5000帯として十分な付属品となります。
次にイヤホン本体を見ていきます。
ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせません。低価格帯でよくあるシェルの合わせ面等のズレや隙間は無く綺麗に仕上がっています。
カラーバリエーションは黒色のみ。
次にケーブルをみていきます。
付属ケーブルは4芯銀メッキ無酸素銅(OFC)線材の編込み線のシルバー(白?)カラーです。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はQDCタイプのKZ-C 2ピン仕様。極性はKZと同じ極性の上側がプラスです。この付属ケーブルは被膜に多少引っ掛かりがありますが、タッチノイズは殆ど感じません。肝心の耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に柔らかくしなやかなものとなり取り回しは悪くありません。
参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、私はこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。
続いて他機種とのサイズ感や造形の比較です。
※画像左からCCA PLA13、XuanWu、Celest Pandamon
XuanWuは比較的オーソドックスな造形です。Pandamonが特徴的な造形のため、PLA13の一般的な造形と少し異なりますがサイズ感は厚みがあるPLA13の方が大きく見えてしまいます。Pandamonはコンパクトと云えます。XuanWuは一般的なイヤホンと殆ど同じ。PLA13はシェルの厚みがあります。XuanWuは比較的軽量となり、装着時にはその装着感の良さもあり殆ど重量を感じません。
また、XuanWuはステムノズルが金属で、PLA13はステムノズル一体型樹脂シェルです。フェイスプレートもXuanWuとPLA13は金属製となります。
ステムノズルの長さや太さと角度はXuanWuとPLA13がほぼ同じ。Pandamonが太くやや短め。角度はやや起きています。
また、ステムノズル部には三機種全てにフィルターがあり異物混入による故障を防げます。XuanWuは繊維フィルタを採用しPLA13同様のタイプ。Pandamonの金属フィルタと異なり音質に影響があるタイプです。
そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからは三機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
なお、装着感はステムノズルの長さや太さに影響がありますので、イヤーピースのフィッティングは重要となります。
最後に付属イヤーピースです。
付属イヤーピースは音質の好みで使い分け可能な3種のタイプです。注目は新型T-earイヤピです。某メーカーのイヤピを彷彿させるもの。傘はしっとりと柔らかい中にコシもありフィット感は良好です。音質的には高音域をやや減衰させるタイプです。
黒傘はく高音と低音をしっかりさせるバランスタイプ。白傘は開口部が大きく、中高音域をクリアにするタイプです。
音質的には好みにもよると思いますが、白傘タイプが個人的にはしっくりきました。このイヤーピースを私は耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。
低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感はもとより音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えない他社製へ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. Trn XuanWu音質レビュー
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホはSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。
UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。
昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。
Shanling UP5をUSB-DACとして使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。
より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。
USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。
Shanling UA2は以下を参考ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属白 Mサイズ、付属ケーブルです。
箱出しで聴いてみた第一印象は「癖のある高音域は華やかで明るく派手に鳴らす。平面駆動らしい中音域としっかりと鳴る低音域のドンシャリ」でした。
箱だしでは高音域にやや荒さと膨らむ低音は緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音は締まった音になり高音域も荒さが落ち着きました。
音場
普通の広さ。前後の奥行はそれ程を感じません。左右の空間もそれほど広さを感じません。
高音域
煌びやかで明るい華やかな鳴り方は、必要以上に華やかさを感じるような鳴り方です。想像よりも刺さるギリギリのキンキンと鳴る感じは、高音好きには刺さるのかもしれません。誇張された煌びやかさは響きや余韻を楽しむというよりは、瞬発的なキレの良い音。超高音域までの伸びはそれ程ありませんが、かなり攻めた高音域であり刺さりや尖りを感じることがあります。その分存在感は抜群です。悪く云えば描写よりも音圧で勝負している音。良く云えば高音域を余すことなく表現する為にギリギリを攻めたシャープな音。高音域のBAが仕事をしていることが分かり易い音です。ゆったりとした音数の少ない曲では小さな音も拾ってくれる印象ですが、繊細に鳴らすというよりは大雑把に鳴らしている音は、細やかな音を描写するのは得意ではない印象です。
中音域
空間は広さを感じられず、普通からやや狭い印象です。広さを感じない空間に華やかに鳴る音は、平面磁気駆動ドライバの特徴を感じられ複数ドライバのような音数の多さを再現しています。しかし複数ドライバでよくある音が重なり中心に集まる団子感や音がゴチャつかずに、分離の良さは感じます。高音域よりも解像感のある音の大小を適切に描写してくれます。ボーカルはクリアで近い位置から聴かせてくれ、ややドライ気味なものの息遣いを身近に感じられます。
低音域
量感は適度に抑えられ、余韻を楽しむような広がりはありませんが、タイトな面白みのない音ではありません。適度に強さのある芯を感じられる締まった音。全体的な印象として締りとキレは良好で音の強弱や音階を淡々と描写します。ベースラインは追えますが、前に出すぎる事はありません。重低音の沈み込みはそれほど深さを感じませんが、芯の強さを感じる音。
出音のバランス
一言で云えば華やかで明るい中高音寄りの弱ドンシャリ。出音は高音の主張が強く低音は適度に強さがあるので万人受けし難いバランスです。高音強調の弱ドンシャリバランスという印象です。
高音の華やかさは少々やり過ぎの感じの印象ですが、低音はTrnの得意な中高音域をマスクしない見通しの良さを確保した締まりのあるタイトに鳴るバランス。やはり高音域が誇張された印象を受け、不自然さを感じます。確かに多少誇張することで高音は煌びやかで響きも良く華やかに明るく鳴り解像感を高く感じてしまいますが、不自然な金属の響きだけが耳に残ります。Pandamonの高音がXuanWuに比べると地味な音に聞こえてしまうかもしれませんが、僅かに誇張したバランスが解像感と音楽性を両立させており「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と昔の人は言っています。
それでもゆったりとした音数の少ない曲では小さな音をかき消さずに描写してくれますが音圧は強め。超高音までの伸びももう少しといったところ。強めの音で尖り刺さりを感じられるバランスは長時間のリスニングに影響を与えます。そのため解像感の高さよりも音楽性を重視した音という印象です。
一方中音は高音域よりも落ち着いた華やかさが心地良い。凹みを感じ難くボーカルと楽器の音はやや後ろ辺りの離れた位置に感じられますが、曲によって平面的に感じられます。中音域の音は統制されており、空間の見通しも良くクリアです。音の描写力は良好で解像感の高い分離の良い音を感じられます。
ボーカルは近い位置からクリアで聴きやすく、高音や低音の音に埋もれません。中音に重なり、かき消されることはありません。声色はややドライ気味なものの息遣いを感じますので、ボーカルを中心に聴きやすい反面、しっとりとした曲との相性は感じます。
低音は量感は適度に抑えられ、締まりのあるタイトな鳴り方のため余韻を楽しむような広がりはあまり感じません。締りの良い音はキレも良い鳴り方でなんでもこなす万能な低音域はアップテンポな曲から低音はバラードなどのしっとりとした雰囲気の良い曲との相性も悪くはありません。中高音寄りの弱ドンシャリの出音は決して低音を犠牲にしていません。
重低音は沈み込みはそれほど深くありませんが、芯のある強さがあります。明るく華やかに鳴る高音中音域をキレの良い低音は音楽を楽しく聴く事ができます。
Pandamonとの比較では中音低音の音は似ていて、高音域が強調された華やかさがあり、低音域はほぼ同じ。価格帯が上のクラスのKirinとは全く性質が異なる低価格帯によくある元気で明るいサウンドバランスはPLA13の高音域を少々やり過ぎにし、音場は狭めにボーカルを前に出した音質傾向と云う印象です。正直SPDのみのPandamonの方が高音域中心に低音域も適度に聴かせることでバランスの良い音づくりという印象です。そういう意味でXuanWuはTrn V90Sを思い出すTrn系のドンシャリサウンドと云えそうです。一方、Pandamonでも採用されている平面磁気駆動ドライバSPDは従来の円形PDよりも荒さがあるのは印象でBAではなくPiezドライバだったら?という想いが生まれています。Hook-Xはそういう構成ですから。
とはいえ、ポジティブな面として中音域では平面駆動らしい繊細な音を奏でてくれます。一方でやや線が細くなる部分もあり、響きもそこまで感じません。TrnのSPDは分りませんが、Celest Gumihoは第二世代SPDで全音域を満遍なく鳴らせるようにしているらしいので、恐らくGumihoと同様世代のドライバなのかもしれません。
※以前のCCA PLA13のレビューもご参考ください
まとめるとTrn XuanWuはBAとSPDのハイブリッド構成を採用することで平面磁気駆動ドライバ搭載モデルのエントリー機として安価に平面磁気駆動ドライバを試してみたい方や平面磁気駆動ドライバのみでは高音域が物足りない方にハマるかもしれません。その音質傾向は高音域が強調された中高音寄りの明るい華やかな弱ドンシャリサウンドは高音好きへのTrnの回答かもしれません。
XuanWuで採用されたSPDはPandamonで採用された第二世代SPDとは異なりそうです。そういう意味では安価なSPDの改良型が昨年のトレンドである平面磁気駆動ドライバを引き続き継続していくのかもしれません。
なお、XuanWuはリスニング用途としてのバランスであり音楽を分析的に聴きたい方には評価が分かれてしまうかもしれません。
高音 XuanWu ≧ Pandamon ≧ PLA13 (出音の強さ)
中音 PLA13 ≧ Pandamon ≧ XuanWu (出音の強さ)
低音 Pandamon ≧ PLA13 ≧ XuanWu (出音の強さ)
ボーカル XuanWu ≧ Pandamon ≧ PLA13 (出音の強さ)
4. Trn XuanWuの総評
Trn XuanWuはBAとSPDのハイブリッドドライバ構成によりSPDのみでは不足する高音域を補う意図を感じられる音質は少々やり過ぎた印象もありますが、従来の平面磁気駆動ドライバを安価に置き換えるSPDの登場により新たな技術が生まれるそんな期待をさせてくれました。今後SPDの完成度が上がることで低価格帯でも複数ドライバに頼らずに高音質を実現してくれる日もそう遠くないのかもしれません。
XuanWuは高音域強調の中高音寄り弱ドンシャリは高音好きにハマるかもしれない音質傾向であり、そういう意味でTrnらしさを垣間見せてくれましたが、後継機に期待したいと思います。
最後に、今回は今年12月に発売された低価格U5000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年1月14日)はHiFiGoで3,000円台後半で販売し、国内amazonではPrime扱いの5,000円台となっています。海外通販でもHiFiGoの発送は早く届くのも早い印象があります。これまでの中華イヤホンの中では手頃な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっておりますので、低価格帯中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、新製品を少しでも早く(安く)手に入れたい方はHiFiGoでの購入も検討してみてくださいね。
XuanWu
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★☆
音場★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (高音強調が苦手の方★4)
※☆0.5、★1.0
Pandamon
以下、付属ケーブル、付属赤軸イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★☆
音場★★★★☆
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
PLA13
以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★☆
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
Kirin
以下、付属ケーブル4.4mm、付属白イヤピ M使用、Referenceノズル、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★☆
音場★★★★★
分離★★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがき
今回はいつもの中華イヤホンの低価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ