みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

KB EAR KB06レビュー

こんにちは。

今回は、いや今度こそいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をお届けする予定でしたが、(何度目の?)予定を変更して先日発売されたKB EAR KB06についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

 

AliExpressのKBEAR Store(@KBEAR40383392)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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KB EAR KB06は以前レビューしたKB EAR F1やKB10と同じKB EARシリーズの中でも価格が3,000円台とKB EARシリーズの低価格帯へのラインナップ拡充と云えそうです。

KB06のドライバ構成は2BA+1DDのハイブリッドとなり、KB EARシリーズでは初のバランスドアーマーチュア型とダイナミックドライバ型ドライバの多ドラハイブリッドモデルですが、そのインパクトは薄く先に発売されている1BAのF1や5BAのKB10程の盛り上がりがない静かな滑り出しとなっています。

そのため今回はスルーを決め込むつもりでいたのですが、発売早々購入された方の上々の評判から俄然興味が沸き、今回遅れ馳せながら購入した次第で、やはりこの沼は簡単には抜けられないようです。

 

KB06ですが低価格帯の中でも3,000円台と競合製品の多い価格帯の中でも最新型といえる位置づけです。というのも例えば手持ちではKZ ZSRやED16は同じ2BA+1DDドライバの構成ですが昨年1Q頃までに発売されたモデルですし、NICEHCK P3は昨年4Q頃の発売で、同じくRevoNext RX8Sも届いたのが年が明けて1月となっています。実は今年1QにTrn V30も発売されレビューしていますが、先日久しぶりに使おうとしたら壊れてしまい捨てました。悲しい思い出ですね。そして昔の人は安物買いの銭失いと良く云ったものですが、それでもめげずに低価格帯を中心に買い漁っていきたいと思います(アホ)。

そんな訳でKB06ですが箱出しで試聴してみれば低音はしっかりしているし、中高音は嫌なシャリつきもなくクリアでこれまでのただただ派手な中華イヤホンとは異なりバランスの良さを感じます。これは先述した手持ちの2BA+1DD機との比較が気になりますよね。そして素性の良さ感じさせるKB06は低価格帯の定番商品としてお勧めできるモデルになりそうな予感がします。

 

KB06のスペックは先述の通り2BA+1DDのモデルです。搭載するドライバはそれぞれバランスドアーマーチュアは30095が高音域を1基で担当。50060が中音域を1基で担当しダイナミックドライバが中低音域を担当しているようです。この構成はKZ ZSRやED16と同様ですのでその進化を感じられます。

そして2BA+1DDということでそれぞれのドライバが各音域を担っています。多ドラハイブリッドや複数BA搭載機では各音域のクロスオーバーが重要です。これが不自然だと変に強調された音域ができたり音が重なりごちゃごちゃしたりと不自然な音になるのですが、このチューニング技術が各メーカーの見せどころとなりますよね。そしてこのチューニング次第でKB06が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、今回も冒頭で書いちゃった通りハズレではありませんね。

 

KB EAR KB06の納期としてはいつも通りの当日配送、翌日配達でした。流石のamazon様ですね。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば現在のAliExpressとの価格差なら保証も考慮し日本のamazonで購入する方が良いと思います。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速KB EAR KB06の製品レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調としたスリーブタイプですシンプルなタイプの化粧箱です。
スリーブ表にはイヤホンがプリントされ、裏にはスペック等が記載されています。

 

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スリーブを開けるとイヤホン本体が白の台座に収納されていてその台座を取り出すと箱の中に付属品等が収納されています。

 

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付属品はイヤーピースが3種付属し、他にはケーブルです。低価格帯3K前後の必要最低限の付属品となります。


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ビルドクオリティですが、KB06は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。カラーバリエーションは黒と緑(商品説明はシアン)の2種ですね。今回みぃねこは緑を選択しています。

 

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ケーブルは茶色の編込みされた線材が採用されていてイヤホン側コネクタには最近のKZ AS16やCCA A10、KB EAR KB10で採用されているQDCタイプ(極性は異なる)で、プレイヤー側コネクタはI字タイプです。個人的にこのタイプはイヤホンとしっかり固定できるので低価格帯では嬉しいのですが、中価格帯で採用されるとリケーブルするとコネクタ部が心もとなくちょっと困りものですね。また、このケーブルはシュア掛け前提のチューブ加工がされていますが、使用感は悪くなく耳掛けでの装着感も良好です。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますが低価格帯のケーブルとして十分な機能と品質を備えていてそのまま使用できますし、普段使いでも困ることはないと思います。

 

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シェル本体は他の2BA+1DDイヤホンと比較しかなりコンパクトにまとまっています。先述したZSRが一番大きく、次いでRX8S、P3の順となりこの中では一番小さいですね。KB06は先述の通り非常にコンパクトなシェルのため殆どの方には耳への収まりは良く装着感は良好そうですが、みぃねこの耳の形との相性が悪く付属のイヤーピースはもちろんのこと、定番のAET07や困ったときのAET06もダメとなり完全ワイヤレス用に購入していたSpinFit CP360で何とかなりましたが、AZLA SEDNA EARFITがTFZ専用として持っていることを思い出し、耳に浅めに蓋をする形が一番しっくりきました。CP360も良かったのですが、個人的に装着にコツが必要なためいつもしっくりくる場所を探して装着するのが面倒ですので簡単に装着できるSEDNA EARFITで気軽に装着できるようになって一安心です。(この辺りは個人差があると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSHANLING M0、直挿しです。

これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんiPhone6sでも十分に鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通り付属ケーブルにイヤーピースをSEDNA EARFIT Mで使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音中音低音のバランスが良くボーカルが聴きやすく不自然に強調された音域を感じない」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後から非常にバランス良く鳴ってはいますが今回も先に鳴らし込みを行いました。

鳴らし込み後は箱出し同様に音場は普通から横にやや広く感じます。

低音の量感は十分で適度な広がりがありながら適度な締まりもありキレも良好です。

重低音は必要十分に沈み込み力強さも感じます。ベースラインも追いやすくDDが中音と低音の間の中低音域を上手くカバーできていると感じます。

高音は煌びやかさが十分で存在感がありながら刺さりを感じずすっきりしている。

中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで存在感があります。

ボーカルは自然でやや近めに位置し、曲によってより近く感じ中音に埋もれず聴きやすいです。

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリですが、高音中音低音がバランスが良く心地よく聴くことができるのでリスニング用途に向いている印象です。


例えるならKZならZSRとED16のいいとこ取りした音。もっと云えばそれらを超えていて最新型にチューニングされた音。つまりそれらを知っている方にはそれくらいの違いを感じられる音質でしょうか。

個人的には近いところでRevoNext RX8sを挙げたいですね。

RX8sは高音がもう少し華やかで中音がすっきりしていてKB06とは厳密には異なりますし、違うアプローチと云えますが。そしてボーカルはKB06の方が上と感じます。

加えて同じ2BA+1DDのNICEHCK P3は中音域に特化していますので、それらとは全く違うアプローチでありKB06とは全く異なります。


まとめるとKB06は高音域は出しゃばらず控えめながら存在感を示しインパクトを与える。低音域は存在感があり低音強調の曲では本領を発揮します。中音域は華やかさを感じられ高音低音に埋もれない、聴いていて心地よい音質傾向で、低価格帯の中でもリスニング用に購入するなら最適で低価格中華イヤホン2BA+1DDの本命と云えるかもしれませんね。


尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには強ドンシャリを求めるという方には少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまうかも知れません。

 

このKB06は冒頭で触れた通り低価格帯の定番モデルになりそうな、そんな完成度の高さを感じられるモデルと云えそうです。

 
最後に、今回は3,000円半ばで購入できる低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年8月10日)はamazonで3,000円台半ばで。AliExpressでは表示価格3,000円に対しフォロワー割等でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますのでインナーイヤー型の低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

KB06

以下、付属ケーブル、イヤーピースSEDNA ERAFIT MDAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★   (ボーカル聴きやすい)  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★ (RX8Sとお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回も予定を変更して低価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。RNの新作も届いていますので次回こそはあの1BA+1DDを。そして複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンは今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

 

 

NICEHCK ME80レビュー スプラトゥーン2にもお勧め

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をまたまた一休みし予定を変更して先日発売されたNICEHCK ME80についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのNICEHCK(新@NiceHCK_Audio,旧@hckexin)から先日のamazonプライムセールの際に購入しています。

 

 

AliExpressのNiceHCK Audio Store(新@NiceHCK_Audio,旧@hckexin)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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NICEHCK ME80は先日のAliExpressセールの際、同社の福袋として発売されていて当初はインナーイヤー型ということもありスルーしていましたが、購入された方の評判が良さそうだったため気になっていました。そして先日amazonでも取り扱いが始まり結局購入してしまった次第です。相変わらずのアホさ加減に少々嫌になりますね。

そんなことよりME80ですが、普段はカナル型ばかり使用していてインナーイヤー型はiPhone4の付属品以来で購入するのは人生2本目です。そのiPhone付属品もiPhoneを5s、SE、6、6s、8と使ってきましたが、ずっと4の付属品を使っていました。その理由は簡単で、そもそもイヤホンを必要とせず使っていなかったんですよね。今はそりゃあもう沼にハマり続けて抜け出せそうもありませんw

という訳で今回はインナーイヤー型を食わず嫌いせずに挑戦してゆこうという企画ものとなります。

ME80ですが低価格帯の中でもU2,000円と正直こんなに安くて音質は如何なの?って正直不安がありましたが、届いて聴いてみて自分が恥ずかしくなりました。インナーイヤー型ってこんなに音が良いの、と。

インナーイヤー型はカナル型と異なり密閉性というか遮音性が低く、どうしても低音が弱く相対的に高音が目立ち、しかもシャリシャリしている印象がありました。はい、iPhone4の付属品レベルの経験しかないみぃねこはそう思い込んでいたのです。付属品以外で購入したのはこちらも中華セラー某社の福袋販売で購入したもの。こちらも低音は控えめで中高音はクリアでしたがシャリ感があり、やっぱりカナル型だよねと再認識していました。

ところがですよ、このME80ときたら低音はしっかりしているし、中高音は嫌なシャリつきもなくクリアで国産低価格帯の3,000円前後カナル型といい勝負。いや、正直勝っているものの方が多いかもしれないと思わせる衝撃を受けました。これまでにも同社からインナーイヤー型のEB2というセラーオリジナルモデルが発売されており、こちらも評価が高く、同社のインナーイヤー型は今回のME80によってハズレのない商品として定着しそうですね。

 

ME80のスペックはシンプルな1DDモデルです。搭載するダイナミックドライバはかなり大きく、15.4mmとなります。ドライバのメーカー等型番も不明ですが肝心なのは音質ですので、今回も通常通り細かい話は抜きで進めますが、これだけ大きなドライバを搭載するとイヤホン本体も大きくなりそうですが、意外に小さくコンパクトにまとめられています。一般的なインナーイヤー型は円錐形ですが流石にME80は円柱形にまとめられています。

そして1DDということですべての音域を担当していますので多ドラハイブリッドや複数BA搭載機のような各音域のクロスオーバーに癖は無く、自然な音を聴かせてくれそうです。ですが、実際はシンプルが故のチューニング技術の難しさがあり、見せどころとなりますね。このチューニング次第でME80が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます、、、が、冒頭で書いちゃった通りハズレではありませんね。

 

NICEHCK ME80の納期としてはプライムセール中にも拘わらず翌日配送でした。ちょっと嬉しい誤算ですね。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば流石の日本の物流をリードするamazon様というところでしょうか。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速NICEHCK ME80のレビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはNICEHCKのセラーオリジナルデザインの白箱でシンプルなタイプの化粧箱です。
表にはイヤホンがプリントされ、裏にはスペック等が記載されています。


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箱を開けるとポーチが入っていてそのポーチの中にイヤホンと付属品等が収納されています。


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付属品はイヤーパッドが3種付属し、他にはケーブルバンド、ケーブルストッパ、イヤホン等が収納されていたイヤホンポーチです。低価格帯U3K、もっと云えば2,000円以下としては十分な付属品となります。


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ビルドクオリティですが、ME80は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。カラーバリエーションは黒(商品説明はグレー)のみですね。

 

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ケーブル交換不可の銀色(白?)のツイストされた線材を透明チューブで保護されたタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプです。個人的にケーブルバンドも付属しているのがちょっと嬉しいですね。このケーブルは使用感は悪くなく耳からストレートに垂らしたり、シュア掛けしたりと自由度が高く、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますが低価格帯のケーブルとして十分な機能と品質を備えていますし、普段使いでも困ることはないと思います。


シェル本体は先述の通り円柱形上で比較的大きく見えますが、一般的なインナーイヤー型同様に装着感は悪くありませんが、ストレートで使用した場合に思ったより低音が抜け気味でその分高音がシャリつく印象がありましたので試しにシュア掛けしてみたらこれがみぃねこには正解で音質的にしっくりきましたので、個人的にシュア掛けで使用する事をお勧めします。(この辺りは個人差があると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSHANLING M0、直挿しです。

これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんiPhone6sでも十分に鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤーパッド無し、シュア掛けで使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「開放感が高く中高音が適度に主張しながら低音も疎かにされておらず聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が弱く、高音域が強く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い高音の尖りが丸くなり低音少し元気になりバランスが良くなったと感じました。

鳴らし込み後は音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通ですが、曲によって高音域と中音域の間の中高音域の音にやや重なりというか分離の悪さを感じます。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で自然に感じクリアに聴かせてくれます。
低音域はインナーイヤー型として量感は十分に感じられますがやや緩めでベースラインはそれほど強くありませんが追えます。
高音域は煌びやかさがあり低音に埋もれることはありません。

中音域は凹まずに華やかさを感じられボーカルが高音低音に埋もれることがないバランスです。

一言で云えば中低音寄りの弱ドンシャリで全体的にすっきりとした音質傾向ですが高音の華やかさから少し派手な印象を持たれる方もいるかもしれません。

例えるなら最近の低価格帯1BA+1DDモデルの大人しめのモデルの印象に近いとなりますが、流石に低音域の強さはそれほどでもありませんのでご注意を。とはいえ、カナル型が苦手な方に一度試して貰いたいインナーイヤー型モデルと云えそうですね。

このME80は同社のEB2等に代表されるインナーイヤー型の低価格の定番モデルになりそうな、そんな完成度の高さを感じられるモデルと云えそうです。

 

また折角なのでインナーイヤー型の気軽に使い倒せる特徴を有効活用する為に以前ゲーム用としてレビューしたNICEHCKで取り扱いのあるEZAUDIO D4同様にスプラトゥーン2で使用してみました。

 

※気になる方は以前の記事も参考にしてみてください
miineco106.hatenadiary.jp

 

以前レビューした通り、スプラトゥーンでは中高音域をクリアに聞き取れることが重要です。その条件を僅か1,000円でD4はクリアしているコスパの良さがありましたが、ME80は2,000円と価格が倍になりますがその上をいきますね。スプラトゥーン2は先日ラストフェスが開催されましたがその時もサーモンランをプレイしているほどのバイト中毒者です。そんなバイト勢のみぃねこがME80に太鼓判を押します。その理由として、モグラが自分の視界外から迫ってくる音ってプレイした方は分かると思いますが目の前にシャケが溢れている時に急に現れて絶望する。でもME80なら視野外から迫る音を聞き取れます。D4ではこの辺りは少し弱く、ガチマなら問題ないですが、サーモンをプレイするにはME80の方がお勧めと云えますね。そしてガチマでもME80はお勧めですので、高価なゲーミングヘッドホンに手を出す前に試してみても損はしないと思います。

 
最後に、今回は2,000円以下で購入できる低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年8月2日)はamazonで300円OFFクーポンがあり1,000円台後半で。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますのでインナーイヤー型の低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

ME80

以下、イヤーパッドなし、シュア掛けDAP M0
高音★★★ 
中音★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (スプラ用★5)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回も予定を変更してインナーイヤー型の低価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。次回こそはあの1BA+1DD鳥氏を。そして複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンは今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019/08/03 誤記修正

 

 

Nex Audio Nex Q70レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし先日発売されたNex Q70についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いにて中華イヤホン販売を展開しているNex Audio(@NexAudio)から購入しました。

 

 

Nex Q70は以前レビューしたTWS X19と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続し、更にイヤホンの左右がケーブルで繋がれていない左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。

左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンはこれまでにも発売されていましたが今年に入り安価でありながら実用性能が十分なモデルが発売され前回レビューしたX19もその一例と云えます。

実際、昨年くらいまでは安価なものは使用時間や無線性能等の実用性能で不十分なものが多く、やはり実用性能に比例して高価になることと、種類も少なく選択肢が少ないのが現状で、比較的安価に手に入るのが左右がケーブルで繋がったネックバンドタイプでした。こちらは価格も2,000円台程度から実用性能も十分なものを選択することができますが、その価格差は小さく最早完全ワイヤレスタイプの時代と云っても過言ではありませんね。

かくいうみぃねこは前回レビューしたX19を平日は通勤時に使用し、更に休日には取敢えず鞄にいれて持ち出すというお気に入りぶりで、もうイヤホン左右が繋がったネックバンドタイプには戻れそうもありません。

※気になる方は以前の記事も併せてご参考ください

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんなとき、このNex Q70がX19よりも高性能チップを搭載し発売されたことを知り、X19よりも価格帯は少し上になりますが完全ワイヤレスの進化を試してみたくなるいつもの悪い癖がでちゃうのも仕方がないですよね(笑)。 

 

Nex Q70の納期は国内amazon倉庫からの発送でしたのでオーダーから数日で届きました。このあたりは安心確実の国内amazonというところですね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
それではNex Q70のスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(amazon当該ページ抜粋)

  • ダイナミックドライバ 1基(左右各1基)
  • Bluetoothバージョン 5.0
  • プロファイル HSP/HFP/A2DP/AVRCP
  • 通信距離 約10m
  • QCC3020チップ搭載
  • コーデック apt-X、AAC、SBC
  • IPX7防水仕様
  • 本体バッテリー容量 55mAh
  • ケースバッテリー容量 360mAh
  • 待機時間 約15時間
  • 音楽再生 約8時間
  • イヤホン本体重量 片側約4.5g
  • ケース重量 約60g
  • イヤホンサイズ 約50x17x25mm
  • ケースサイズ 約75x36x36mm

 

Nex Q70は5,000円以上10,000円未満の中価格完全ワイヤレス中華イヤホンの殆どで採用されている1DDのシンプルなドライバ構成です。

Bluetoothはバージョン5.0を採用し通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用では駅構内等でも殆ど途切れることなく6、7時間程度の連続使用ができましたが公証よりはやや短め。これは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。

尤もiPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができますのでSBC接続時より高音質で音楽を聴くことができましたが、他のBluetoothイヤホンはShanling M0等でaptX接続を使用していますが、経験上先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありますのでAACで接続できるiPhoneとの親和性は高いですね。

加えて実用的で嬉しいのは少々の雨の日でも全く気にせず、そしてスペック上はシャワーを浴びながらでも使用できる防水仕様です。

使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象としてはほぼスペック通りといえますが、私の環境では音楽再生は少し短く7時間程度といったところでした。家で映画を観たり通勤往復でも十分ですが、会社についたらケースに入れれば自動的に充電されますので問題ないです。実際のところメーカー公証時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えますね。

イヤホンの充電はケースに入れると始まります。Q70ではX19よりバッテリー容量が増えていますが、こちらは使用した時間にもよりますが数分から数十分程度で完了します。

ケースの充電は残量によりますが1時間から3時間かからない程度で完了しますし、一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから3回充電できました。そしてX19では少し残念だったケースの充電残量はQ70ではケースのLEDにより残量が分かります。これはQ70のメリットの一つですね。

更にもう一つ。ケースの充電はUSBタイプCが採用されていますので、利便性が向上しています。充電は一般的なUSBタイプの5V1A仕様が適合していますので、携帯用の充電器やPC等で充電可能です。

 

イヤホン本体はりんごマークのメーカー同様に本体から棒状に伸びていますが比較的コンパクトになっておりX19の様に耳の中に収めるというよりは耳に引っ掛けるタイプのため耳の小さな女性やお子様にもイヤーピースを合わせられれば使用することができそうです。もちろん複数BAドライバ搭載のイヤホン等よりコンパクトになっていますので、それほど問題に感じないと思います。

 

■初回ペアリング方法(iPhone iOS12.2で検証済)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • (充電済みの)イヤホン右をケースから取り出す。(右がホストです)
  • 続いて(充電済みの)イヤホン左をケースから取り出す。
  • iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「Q70 R」と「Q70 L」が表示されるので「Q70 R」を選択する。
  • iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。

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これだけです。

初めにiPhoneBluetoothを有効にしてください。

イヤホン右が親機(ホスト)です。

この2つが重要です。

上手くいかない場合、一度iPhoneからQ70の接続を設定を削除して再度初めから実施してみてください。2回目以降は自動的に接続します。

 

■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケースから取り出すとペアリング開始。
  • iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
  • iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
  • イヤホン本体を2回タップすると再生停止する。(左右どちらでも)
  • 再生停止中に本体を2タップすると再生開始。(左右どちらでも)
  • 再生中に本体を2回タップすると再生停止。(左右どちらでも)
  • 再生中に右本体を連続3回タップすると曲の頭に戻る
  • 再生中/停止中に左本体を連続3回タップすると次の曲に進む
  • 再生停止中に右本体を連続3回タップすると前の曲に戻る
  • 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
  • ペアリングが解除される。
  • ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。

音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。

少し惜しいのは音量調整がイヤホン本体からできないことですね。X19ではこれが可能でしたので少し残念です。

またX19では物理スイッチでしたがQ70はよくあるタッチ式のもので操作感に慣れが必要です。スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配です。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配ですね。

 

操作の反応は少々ラグがありますので一呼吸置くくらいでOKです。これも他のモデルと同じレベルですので最初は戸惑うかもしれませんが慣れれば問題ないですね。

特筆すべきはやはりケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。ネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。

 

イヤホンの充電中はイヤホンが赤点灯

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イヤホン充電完了後、消灯
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イヤホン充電中のケースは一番外側の左右がそれぞれを示し赤点灯。その際真ん中の3つも点灯し、ケースの充電残量を示します。

イヤホン充電完了後は消灯します。

※画像は左用イヤホンは充電完了。右イヤホンが充電中。(ケースの位置が向かって左が右イヤホンです)

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ケース充電中は左右を除く真ん中の3つが点灯し充電状態を示します。

充電完了すると全て消灯します。

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※以下追加修正

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当初amazonの販売ページでは無線コーデックはAAC、SBC対応とされていましたが何気なくFiiO M9に接続したところapt-X対応を確認できましたので追記しておきます。(遅くなりました)

現在は販売ページもapt-X対応と修正されています。

 

それでは、早速Nex Q70の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白箱を基調としたシンプルなタイプです。
箱の表にはQ70の文字が。裏にはスペックが記載されています。無駄な装飾のない化粧箱ですね。

 

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付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはUSBタイプC-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。

もちろん取扱説明書が付属していますが英語表記と中国語のみで日本語はありません。図解もありますしamazon当該ページに使用方法の説明もありますので余程のことがない限り困ることはないと思いますし、万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。


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※イヤーピースはSpinFit C360 Sサイズ装着


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ビルドクオリティですが、このNex Q70は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品では残念ながら不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。カラーバリエーションは黒のみですが、屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。

 

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付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのUSBC-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けもできますしね。

 

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X19と同様にシェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状も丸みを帯びており棒状が気にはなりますが角がある訳ではないので装着感は悪くありません。


次に耳への装着は付属品イヤーピースMサイズ(一般的なものよりかなり小さい)では音質的に抜けてくる感じがありましたのでSpinFit C360 Sサイズを使用し、いつもより小さめのイヤーピースで奥の方に入れるようにするとみぃねこはしっくりきましたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この音が抜けてくる感覚は付属イヤピをLサイズにしてみたりしましたがどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じました。

 

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加えて、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズでアフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう方がいるようです。

諦める前に一度SpinFit C360を試してみてください。同社が完全ワイヤレスイヤホン用として販売しているだけのことはあり試す価値はあります。

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。

実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはSpinFitC360 Sサイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域がクリアでボーカルが聴きやすく低音の解像感が高い」でした。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通も高音域ではやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感は十分にあり締りとキレは普通でベースラインは追えます。重低音の沈み込みはやや浅めから普通で余韻も控えめですが、先述した低音の強弱や高低の音が聴き分けられる分離感の良さが特徴的です。聴いていて心地よさを感じます。
高音は煌びやかさは控えめで曲によって中低音にやや埋もれるように感じることがありますが必要十分。

中音はとにかく見通しが良く高音や低音に埋もれることはありません。

ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなくクリアに聴こえます。

一言で云えばやや中低音寄りで聴き疲れのない弱ドンシャリです。

低音は比較的主張がありますが強くはなく寧ろ全体のバランスでみると丁度良い感じ。高音は控えめで十分煌びやかさはありますが刺さりとは無縁で聴きやすく上手くまとめている印象です。

その分中音が相対的に強いかというとそうでもなく寧ろボーカルは自然な位置からクリアで聴きやすいため中音域がメインと云えます。

傾向として中音≧低音>高音の関係で弱ドンシャリでありながら中音域はとても聴きやすく、そして心地よく音楽を聴くことができるバランスです。

5,000円以上10,000円未満の中価格ワイヤレスイヤホンとしてこれは上位に入る音質ではないでしょうか。

如何しても無線接続ではその性質上高音低音域の超高音や重低音がカットされてしまいますし、上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いのは当たり前。でも先述した性質上の問題は変わりません。

つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、必要十分と感じられるのであれば安価に越したことはありませんよね。

もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか手が出にくいですし、そもそも比べてはいけないですよね。

そのため、このNex Q70は低中価格帯の完全ワイヤレスモデルの中でも音質を謳い文句にすることも可能な実力を持ち、中低音寄りの心地よい聴きやすさを備えたコスパの良いモデルと云えそうですね。

 
さてNex Q70は最新の低中価格帯の中華完全ワイヤレスイヤホンの中でも特にコスパが良くiPhoneユーザー最もお勧めできる商品とまとめました。

手持ちのお蔵入りイヤホンはさておき、次回こそは1BA+1DDイヤホンをレビューしたいですが、来週はまた別のイヤホンが届く予定です(かなりのアホ)。これらの商品を1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は5,000円以上10,000円未満で買える中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2019年7月26日)amazonで取り扱いがあり5,000円半ば程度で購入できるようです。AliExpressでは取り扱いを確認できていませんがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Q70

以下、イヤピSpinFit C360 Sサイズ使用、DAP iPhone8
高音★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (完全ワイヤレスの利便性でと音質の総合力で)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは2つ目となります。最新技術を低価格で投入し日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019年9月23日追記修正…無線コーデックapt-X対応とその旨追記

NICEHCK NX7レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をまたまた一休みし予定を変更して先日発売されたNICEHCK NX7についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのNICEHCK(新@NiceHCK_Audio,旧@hckexin)から先日のamazonプライムセールの際に購入しています。

 

 

AliExpressのNiceHCK Audio Store(新@NiceHCK_Audio,旧@hckexin)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

NICEHCK NX7は最近のA5000-U10000の中価格帯を象徴する4BA+2DD+1CTの多ドラハイブリッドモデルです。このドライバ構成がこの価格帯で購入できることが中華イヤホンは本当に凄いことですし恐ろしくもありますね。

気になるドライバ構成ですが2DDは複合カーボンナノチューブダイナミックドライバ(長ぇよw)。1CTはセラミック振動板ドライバ。4BAはお馴染みのバランスドアーマーチュアドライバと同社が得意とする変態(最大級の賛辞)ドライバ構成シリーズとなります。

これまでにも同社からN3やF3というセラーオリジナルモデルが発売されており、それぞれに特徴がありました。例えばN3は2DD+1CTと今回のNX7の4BA無モデルや、F3の1BA+1DD+1平面磁気ドライバというマニアの好奇心を擽るモデルを発売しており、もちろんその毒牙にみぃねこは侵されており購入しております。

そんなみぃねこがこのNX7の発売を知り当然即ポチといきたいところをずっと耐えておりましたが、twiter上の評判の良さそうなツイートを見てしまい結局またもやその毒牙の餌食となりました。(アホ)

 

このNX7は最近ではKZ ZS10 Proの4BA+1DDやKB EAR KB10の5BAシリーズと価格帯が近く、若干NX7が発売間もないために高価となりますがそれでも1,000円程度の違いと同じ中価格帯で競合するモデルと云えそうです。

実際ZS10 Proのドライバ構成にDDを一つ加え更にCTを1基搭載しており、それらによって音質傾向がどのように違いがでるのかとても気になります。

勝手な予想では低音が強くそして芳醇で超高音域も伸びやかな上から下まで音域を広くカバーしていると思っていましたが、ネットの評判は好意的なものから否定的なものまで様々でした。特に低音は2DDの筈ですが賛否あり、控えめという意見がありましたが、いざ届いて聴いてみると全然そんなことはなく、寧ろ最近レビューしたCCA A10よりしっかりした低音でしたので、ほっとしています。もちろんA10はBAの低音ですし、そもそもDDの低音とは質が異なりますので当然と云えば当然ですよね。

  

さてNX7はドライバ構成から多ドラハイブリッドと考えられますので比較対象はKZ ZS10 ProとCCA C10の両者4BA+1DDドライバのモデルと比較したいと思います。

その理由として先ずシェル本体の形状です。後ほど画像で比較しますがとても似ています。加えてNX7の本体が樹脂でフェイスプレートが金属、ステムノズルが金属という構成はZS10 Proと同じでC10はステムノズルが樹脂という違いのため、ある意味これまでの常識だったモデルと次世代スタンダードを狙うモデルとの比較という隠れたテーマ(隠せていない)でまとめてみます。

 

NX7のスペックは冒頭触れた通り4BA+2DD+1CTの多ドラハイブリッドモデルです。搭載した各ドライバのメーカー等型番も不明ですが肝心なのは音質ですので、今回は通常通り細かい話は抜きで進めます。それにしても片側7ドライバを搭載するとは、、結構コストが掛かっているモデルと云えそうですね。

そして4BAが中高音、2DDが低音、1CTが超高音を担当しこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でNX7が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

NICEHCK NX7の納期としてはプライムセール中にも拘わらず翌日配送でした。ちょっと嬉しい誤算ですね。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば流石の日本の物流をリードするamazon様というところでしょうか。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速NICEHCK NX7のレビューを以下、まとめていきます。

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パッケージングはNICEHCKのセラーオリジナルデザインの白箱でスリーブタイプの化粧箱です。
スリーブの表にはイヤホンがプリントされ、裏にはスペック等が記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され固定されています。下側のこの小箱にケーブルやその他付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種2セットが付属し、イヤピの軸の色が異なります。黒色軸Mサイズが本体取付け済みで、他にはケーブル、イヤホンポーチです。A5K-U10Kの中価格帯としては十分な付属品となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでシンプルな付属品には好感を持ちますね。


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ビルドクオリティですが、NX7は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石に中価格帯ともなれば安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは黒と深緑(青色)があり、今回は深緑を選択しています。


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付属ケーブルは茶色の編込みタイプでZS10 Pro等に付属するタイプに似ているものが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様です。個人的にケーブルバンドも付属しているのがちょっと嬉しいですね。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますが低価格帯に付属するケーブルと同様なのはドライバにコストを掛けすぎた反動でしょうか。それでも付属ケーブルでも機能は必要十分でそのまま使用できますし目立たず普段使いには丁度良さそうですね。

 

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シェル本体は先述の通りZS10 ProやC10と似ていて恐らく製造工場が一緒なのかなと推測しますが真偽は不明です。

そしてステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状はシュア掛け前提となりますが、ステムノズルが少し短い?ため装着感には個人差がありそうですね。

 

※左からZS10 Pro、NX7、C10
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画像で確認する限りかなり似ていますが多少の違いがあります。ステムノズルは太さがありますがやや短いため、耳へは普段より大きめのイヤーピースでやや浅めに蓋をするように装着するか、普段よりやや小さめイヤーピースを奥に装着する形となりますがみぃねこは前回同様に付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じたこと。奥への装着が本来の音と感じましたのでイヤピを丸七長楽青に交換して装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「少し高音域に尖りを感じるものの低音も十分に感じられる中高音寄りのバランス」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音はやや控えめで高音に尖りを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

鳴らし込み後は、中高音域の分離が良く解像感が良い。

音場は狭くも広くもなく普通。

低音の量感は十分で、締まりを感じキレもある。重低音も沈み込みを感じベースラインは追えます。

高音は煌びやかさ華やかさが十分で存在感がありますが、曲によってやや刺さりを感じる場合があります。

中音は華やかに音数が多いながらもクリアでボーカルの周りで存在感があります。

ボーカルは自然で近くも遠くもない普通に位置し曲によってやや近く感じます。

一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリでしょうか。

中高音域の明快さを好む方には印象が良さそうですね。

特に超高音域の煌めきはCTの面目躍如でしょうか。

2DDの低音域はテンポがいい曲では低音の締まりとキレの良さがその実力を発揮しますが、量感がそれほど多くないために物足りなさを感じる方もいるかもしれません。しかしバラードなどのスローな曲では中高音をきっちりと支えられる懐の深さがあります。

これは同じNICEHCKのM6も2DDでしたが、こちらは圧倒的な低音の強さを感じられますがNX7ではそこまでではないようです。

そして同社のCT搭載モデルとして先述したN3はこのNX7の4BAが無いモデルでありこの関係を例えるならLZのA6とA6miniの関係に近い印象があり、4BAのないA6miniでは中音域がとにかくすっきりしていて聴き疲れはありませんが、一方で物足りなさを感じるという相反する悩みがあり、予算が許すならA6を購入すべきというのが個人的な評価で、当に同じ評価をしてしまいますね。

更に云えばNX7は超高音域が存在感を示し、中高音域は華やかさがあり存在感を十二分に示しながらも決してバランスが破綻しているわけではなく、それは低音域が中高音に比べ相対的に控えめに聴こえますが必要以上に前にでず中高音域をしっかりと下支えをしていることが大きいですね。

つまりZS10 ProやC10とは異なり、あくまでもN3の改善版としてNX7が生み出されたと考えられますよね。実際N3は聴いていて優しく心地よく感じますがやや物足りない。それへの回答としてこのNX7が登場したと云えるのではないでしょうか。

そしてこれまでの中華イヤホンのアプローチ同様に多ドラ化による足し算で解像感を演出し、一見するとその変態ドライバ構成によって中華イヤホンマニアの心を鷲掴みにできるイヤホンではないかと考えます。

 

まとめるとNICEHCK NX7は特徴的な超高音域と華やかさのある中高音域を質実剛健の低音域が支えることでA5K-U10Kの中価格帯の中華イヤホンの中であまり例をみない画期的なモデルと云えるのではないでしょうか。

 

尤もこのバランスは中華イヤホンの強ドンシャリが苦手な方からは評価が分かれることになるかも知れませんね。


最後に、今回は5,000円前後から10,000円以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年7月24日)はamazonで10%OFFクーポンがあり7,000円台で。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

NX7

以下、付属ケーブル、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (高音好きの方★5)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回も予定を変更して多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Yinyoo V6レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を予定していましたが、予定を変更して先日発売されたYinyoo V6についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から先日のamazonプライムセールの際に購入しています。

 

 

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

  

Yinyoo V6は昨年発売された同社V2の上位モデルとして開発中の情報がありましたが、V2発売から遅れること半年、ついに登場した2BA+1DDの多ドラハイブリッドモデルです。当時の情報では同じシリーズで1BA+1DDのV4というモデルもありましたが、そちらは未だのようですね。

このV6は同シリーズV2と同じ米国製ダイナミックドライバ1基に加え2BAを搭載していて、V2の音質傾向がかなり中低音寄りでしたが、BAによって高音域を補いそのバランスを改良しているモデルと云えそうです。

V2の音質傾向も個人的には好みではありましたが、もう少し高音も欲しいと感じていてV2にBAが1基搭載されたV4の発売を密かに心待ちにしておりました。そんな時にこのV6が発売されましたが中華イヤホンファンからはあまり食いつきが良くない様子で、みぃねこもBA搭載は興味がありましたが2BAで且つ、予想より高価だったために手をだせずにいました。

そんな折に年に一度のamazonプライムセールが開催されお手頃価格となっていたこともあり、「ブルーの媒体ってかっこいいよね」、「しかもセールで安いし」と意味不明な言い訳を自身にしながらポチっています。

最早病気としか言いようのない我ながら呆れる次第です。

とはいえ折角手に入れた待望のモデルです。V2との違いを交えながら、V6のレビューを纏めていきたいと思います。

 

さてV2とV6の違いとして先ず目につくのがシェル本体のカラーです。V2は素材色の銀色でV6は鮮やかな青色。これだけでもインパクトのある違いですが付属するケーブルもV6の方が上質な銀メッキケーブルを採用されているようです。加えてV2のストレートでも使用できる仕様からV6はシュア掛けが前提の耳掛け部にチューブ有の仕様です。

スペックはV2が米国製ダイナミックドライバを1基のみ搭載しているのに対し、V6はV2と同じダイナミックドライバ1基に加えKnowles製BAを2基搭載しています。このKnowles 30017はデュアルBAのため、2基というカウントのようです。そして搭載しているドライバをみても結構なコストが掛かっているモデルと云えそうですね。

そのためV2のDD1基とは異なりV6は2BA+1DDとこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でV2に対しV6がどのように進化したのか。また「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

Yinyoo V6の納期としてはプライムセール中ということもありいつもなら翌日配送のところオーダーして中1日かかりました。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば気にならないレベルですね。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速Yinyoo V6のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはYinyooのセラーオリジナルデザインの青箱で質感の高い化粧箱です。
箱の表にはセラーロゴが銀色で高級感を演出しています。


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上蓋を外すと黒地の内装の台座にイヤホンケースが収納され固定されています。このイヤホンケースを開けるとイヤホン本体とケーブル、その他付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種2セットと白イヤピSサイズが本体取付け済みで、他にはケーブル、イヤホンケースです。A15K-U20Kの中価格帯としては簡素な、でも必要十分な付属品となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでこの潔さは好感を持ちますね。


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ビルドクオリティですが、V6はV2と同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石に中価格帯ともなれば安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは青色のみです。


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付属ケーブルは銀色のツイストタイプでV2の細めのより線よりしっかりした線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとは異なりそのまま使用できますし銀色ケーブルが丁度良いアクセントになりそうですね。

 

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シェル本体は先述の通りV2とV6は全く同じでモデルによってカラーが異なる差別化がはかられています。残根なのは青色が欲しいと思ったらV6しか選択肢がないことですかね。シェルはオール金属製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状はV2とは異なりシュア掛け前提となりますので、ストレートで使用したい場合はリケーブルで対応できますがシェル形状は以前レビューしたTIN HIFI T3等に近く独特の形状のため装着感は個人差がありそうですね。

 

※左からV2、V6
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V2とV6は何から何まで同じですね。ステムノズルは太さがあるため、耳へはやや浅めに蓋をするように装着する形となりますがみぃねこは前回同様に付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じましたのでイヤピをいつものAET07に交換して装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象はV2とは異なり「各音域のバランスが良くボーカルが聴きやすく不自然に強調した音域が無い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音はやや控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

中音域の分離が良く解像感が良い。特に低音域のキレは優秀。

音場は横にやや広め。

低音の量感は普通からやや多めで適度な響きがあり、締まりを感じキレは優秀で重低音も沈み込み十分で適度に響き強さも感じベースラインは追いやすい。

高音は煌びやかさ華やかさ伸びが十分で存在感がありますが、刺さりは感じずすっきりしています。

中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで存在感があり、ボーカルは自然でやや近め。曲によって近く感じます。特筆すべきはボーカルの雰囲気の良さですね。

一言で云えばフラットからやや中低音寄りの弱ドンシャリでしょうか。

率直にかなり良いと思います。

テンポがいい曲では低音の締まりとキレの良さがその実力を発揮しバラードでは中音のクリアさがボーカルを雰囲気良く聴かせてくれる。どんな曲にも対応できる懐の深さを感じます。

これはV2の1DDが同じドライバを使用しその初期型が結構中低音寄りでした。個人的にこれにBAがあれば良いのにと感じていたので2BAを追加したV6がここまでバランスが良くなるのかと驚きを隠せないですね。

更に云えば高音域は出しゃばらず存在感を示し華やかに花を添えていて、低音域は素性の良い米国製ドライバが必要以上に前にでず中高音域をしっかりと下支えをし、中音域は解像感が良く高音低音に埋もれずその名の通り音の中心を描き聴かせてくれる。

聴いていて心地よく再生する曲を選ばない優等生と云えるのではないでしょうか。

これまでの中華イヤホンは多ドラ化による足し算で解像感を演出してきましたが、このV6ではついに必要最小限の2BA+1DDで実現できています。

それはV6の搭載ドライバが2BAはknowlesのデュアルBA。DDは米国製DDとそれぞれのドライバの素性の良さもさることながらチューニングの上手さも要因の一つと感じますね。

まとめるとYinyoo  V6は必要以上に主張しない高音と低音がクリアで見通しの良い中音域を支えることで中価格帯以下の中華イヤホンではあまり例をみないバランスの良さを実現した画期的なモデルと云えるのではないでしょうか。


惜しむらくはV2の登場後、矢継ぎ早にこのV6を展開することができていればもっと話題になりその実力で現在の勢力図が変わっていたかもしれませんね。

尤もこのバランスの良さは中華イヤホンには強ドンシャリを求めるという方には少しもの足りなく感じるかも知れません。


最後に、今回は15,000円前後から20,000円以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年7月21日)はamazonで10%OFFクーポンがあり15,000円台で。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも高価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

V6

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (D2B4、TOPAZとお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は予定を変更して多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Paiaudio PLIISEN121レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のTIN HIFI T3同様に中価格帯で発売されたPaiaudio PLIISEN121についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのShenzhen Paiaudio Technology(@PaiaudioSZ)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

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国内amazonでは取り扱いが無いようです。(2019年7月14日現在)

 

Paiaudio PLIISEN121は以前レビューした同社DM1と同様同様にの1BA+1DDドライバ構成のモデルです。先日のAliExpressのセールの際に同社の製品はDM1の音質からハズレを引くことはないだろうと同社ショップ内を物色していて、その時見つけたのがこのPLIISEN121です。

実はDM1を購入した際、2BA+1DDドライバ構成のDM2の存在を知っていましたが、流石に初めての購入で検索してもなかなか情報のない15KのDM2に突撃する勇気がなく、その半分のDM1を選択していました。今回勝手に憧れていたDM2と同様の樹脂シェルの1BA+1DDモデルを見つけ価格も手頃なことから購入に踏み切っった次第です。

PLIISEN121も相変わらず検索しても情報はありませんでしたが、DM1も低価格帯とは異なりどこか尖った音質ではなく爽快で軽快なドンシャリで良い意味で安定したバランスの良いドンシャリだったので、先述の通り良く調べもせずにポチり芸を発揮しています。

ところが、これが届いてみて一聴したところDM1より好みで、寧ろこれで良いよね。もう低中価格買い漁る必要はないよね。と、納得している自分がそこに居ました。

そのぐらいの衝撃と個人的に求めている音の方向性が一致したものに巡り合えたという安堵が中華イヤホンへの興味を失くしかけたほど物欲が落ち着いてしまい、このレビューも下書きはかなり前に終わっていましたが、これが最後かも知れないという気持ちとで葛藤し、数週間間を空けて漸く記事を纏めています。

 

そんな訳でPaiaudioの正体不明(失礼)の1BA+1DDモデル、第二弾としてPLIISEN121を入手し複雑な想いを抱えながらではありますがレビューを書いている次第ですが、レビューを書くモチベーションに最近入手した同じ中価格中華1BA+1DDイヤホンが思いのほか良かったのでそれとの比較を少しだけ交えながら進めていきますね。

 

PLIISEN121は同社DM1やTIN HIFI T3との違いが気になりますが、先ほど触れたKinboofiの新ブランド製品、TRI i4が価格も同じであり、PLIISEN121が樹脂シェルに対しTRI i4は金属シェルと比較対象には持って来いなので、次回はPLIISEN121とT3とTRI  i4との比較でまとめたいと思いますが、今回は先ずはPLIISEN121の単体レビューとしたいと思いますのでご了承ください。(これが漸く書くつもりになった理由です)

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余談ですが今回もPaiaudioからのご厚意で購入特典として、銀メッキリケーブルを戴きました。これを私は勝手リピーター特典と呼んでいます。(思うつぼ)

 

PLIISEN121の納期としては6月中旬にオーダーし11日間ほどで届きました。輸送がチャイナポストだったことを考慮すれば普通程度といえます。これまでの経験上チャイナポストだった時は2週間前後で届きますし、最近は10日もあれば届いていて思っていたよりも早く無事に届いていますので一安心です。

 

そのため一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
Paiaudio PLIISEN121のスペックは10,000円未満の中価格帯中華イヤホンでは珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。最近は5,000円以上15,000円未満の中価格帯でも新商品が発売されていますが1年前は2BA+2DDのKZ ZS6オマージュモデルばかり発売されていた状況を考えると流行というのは移り変わりが激しいく、最近は4BA+1DDや4BA+2DD、5BA、6BA更には8BAと多ドラモデルが中心となってきています。そんな中敢えての1BA+1DDモデルですからその仕上がりがとても気になります。

実際ドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でPLIISEN121が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、実はこの構成が一番チューニングしやすいのかもしれませんね。

 

それでは、早速Paiaudio PLIISEN121のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはDM1の樹脂の透明ケースとは異なりよくある紙製の箱。黒地をベースにその名の通り π (PAI)のマークが特徴的なスリーブタイプ。

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スリーブを取り外し中箱を開けるとケースの蓋を開けると内装に黒地のスポンジでイヤホンが2個が収納されしっかりと固定されています。

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付属品はイヤホンが収納された内装を取り出すと箱の底にあります。


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付属品はイヤーピースが白のシリコンS、M、Lの3種1セットと黒のイヤピがMとSの2種1セットで白色のMサイズが本体取付け済み。そして本体取り付け済みのケーブルと布製ケース、ケーブルストッパです(画像で気づかれた方もいると思いますが黒イヤピがMサイズだけ3個。Sが1個と流石に梱包ミスでしょうね)。流石の中価格帯で布製ではありますがケース等が付属しています。付属品にもコストをかける中価格帯の面目は保てていますね。


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ビルドクオリティですが、このPLIISEN121は低価格帯で心配されるような不安を感じさせない丁寧な造りです。最近は低価格帯でも各所の仕上りに雑なところが無くなってきましたが流石の中価格帯でしょうか、安心して購入できるのではと感じています(付属品のミスはありましたが)。カラーバリエーションは選択できませんが、左右でフェイスプレートが白と黒で異なっているコンビカラーのみとなっています(右が黒、非左が白です)。


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付属ケーブルはDM1で付属するものと同じで暗い茶色の編込みタイプでmmcxコネクタ仕様です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯で交換前提の質感の悪いケーブルとは異なりそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。


シェル本体は先述の通り樹脂製となりステムノズルは金属です。所謂カスタムIEM風のシェルデザインとなっておりフェイスプレート以外は透明なクリア樹脂で封入されていて内部のBAとDDを確認できます。装着感は流石のIEM風のため良さそうです。


シェル本体は樹脂製ですが内部も封入されているため比較的重量はありますがMX2等と比較してもほぼ同じ。ステムは細くなっていて普段より耳奥に収める又は、普段より大きめのイヤピでしっかりと耳に収める必要があります。どちらの方法も試しましたがみぃねこは付属品白Mサイズを耳奥に収める方が耳への装着感及び音質が本来のものにできました。

低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回のT3やMX2同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像感を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属品白 Mサイズ、付属品ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音の主張が強めだが中高音域はすっきりしていて聴きやすい」、もっと云えば「非常に好みの音」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し強すぎてやや籠りを感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

鳴らし込み後は低音域が適度に締まり分離も良くなりました。

音場は広くも狭くもなく普通ですがやや横に広めで音の分離感は普通からやや良好です。
低音の量感は多めで弾むような響きがありながら適度な締りとキレもあり芯を感じます。バスドラムの強さと深い沈み込みが感じられ適度に響き、ベースラインはしかっりと追えます。
高音は煌びやかさは十分で存在感を示しますが前に前にと出るような感じはなく、刺さりも感じませんし低音に埋もれることはありません。シンバル等は低価格帯のシャンではなくシャ~ンと伸びも感じ、すっきりクリアに音の響きを感じることができます。

中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで一歩後ろから存在感を示すことでボーカルを際立たせるバランスです。

ボーカルは自然で近くも遠くも無く普通にですが曲によってやや近く感じ、女性ボーカルではやや艶を感じられます。

一言で云えば中低音寄りのややドンシャリと感じます。

これを例えるならFINAL E3000の高音と低音の主張を強くした印象で、特に低音は重低音の表現力が良い音。その分中音域にやや籠りを感じるかもしれませんし、ここが唯一E3000よりもネガティブな印象を受けそうです。尤もポジティブな印象として高音も低音も単純にE3000よりただ強く主張させたというよりはE3000のもう少しあれば良かったのにを具現化したといえば伝わりやすいでしょうか。

 

このPLIISEN121はこれまでの中華イヤホンのドンシャリこそ至宝を単純なドンシャリではなく心地良いのに聴きやすいFINALの音作りに近いものを感じさせる進化した一つの形と云えるかもしれませんね。

とはいえFINALのようなより繊細な中音域とはやはり異なるためあくまでも「同じ」ではなく「近い」ということは念を押しておきますね。

 

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最後に、購入時にギフトで頂いた銀メッキケーブルに交換してみましてが高音域の伸びが若干良くなり、低音域の響きがやや落ち着きを見せたように感じました。この辺りは好みの範疇で味付けとしてリケーブルを色々試してみるのも面白そうですね。

まとめとしてPLIISEN121中価格帯A5000~U15000の中でも1BA+1DDながら上位の仕上がりと云えそうなモデルであり安心してお勧めできるモデルといえそうです。一方高音の派手さや低音を求める方には物足りないという評価となり、評価は判れそうですね。個人的にはとても好みの音質傾向なのでお気に入りの一本となりますね。


さてPaiaudio PLIISEN121は最近の中価格帯中華イヤホンの多ドラや複数BAモデルの中でも最小のドライバ構成によって高中低音域を心地よいバランスで上手く表現できるイヤホンとまとめました。

手持ちでは届いたばかりのTRI i4があり、これを次回まとめたいと思いますが既にお蔵入りしたイヤホンをいつか1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA5K-U15K以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでは取り扱いが無くAliExpressでのみ7,000円半ば程度で購入できるようですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格帯と違い中価格中華イヤホンの実売価格では、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

PLIISEN121

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (個人的に★5) 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。1BA+1DDの中価格中華イヤホンとしてはこれが4個目となります。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

KB EAR KB10レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をお休みして先日発売されたKB EAR KB10についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもWTSUN Audio(@Zhuo520x)にて取り扱いが始まっています(2019年6月28日現在)

 

 

KB EAR KB10は前回比較レビューしたCCA A10とTRIPOWIN TP10及びKZ AS10と同じ複数BA搭載の5BAドライバ構成です。その比較レビューではAS10とA10及びTP10の違いや進化をまとめていますが、端的に云えばAS10の中低音寄りとA10及びTP10の中高音寄りと異なる音質傾向のため後継機としては少し異なる印象でした。

そんな時にこのKB10が発売されましたがセラーのツイートからF特はA10、TP10と一緒のため正直スルーするつもりでしたが、セラー曰く「低音を強化した」とのことでしたので三度目の正直として突撃した次第です。

 

その為、今回は前回のCCA A10とTRIPOWIN TP10の比較レビューの続編としてKB EAR KB10のレビューとしてまとめ、完結編としてまとめたいと思います。

※気になる方は以下、比較レビューも併せてご参考ください

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

今回も比較対象として外せない同じ複数BAドライバを搭載するKZ AS10を用意しました。AS10からのA10、TP10そしてKB10への進化とその違いが気になるところですよね。

 

さてAS10とKB10の違いとして先ず目につくのがシェル本体の材質です。AS10のすべて樹脂シェルと異なりKB10は、前回のA10とTP10同様に先述の通りフェイスプレートとステムノズルが金属製です。加えてKB10のフェイスプレートは前回のA10、TP10とそのデザインが異なり、唯一TP10にはベント穴が設けられています。(AS10含めシェル本体の樹脂部には全てベント穴が同じ位置に設けられています)

 

AS10はフェイスプレートにクリア樹脂を採用し内部のネットワークボードをアクセントに魅せるデザインを採用していますが、ステムノズルにはイヤーピースの抜け防止の返しが小さいなどやや残念な一面もありました。KB10ではA10とTP10同様に金属製のフェイスプレートとしステムノズルは金属製の抜け防止の返しありへ変更しています。これには賛否あると思いますが特にフェイスプレートを金属製の単体パーツとして簡単に交換することでOEM製造のしやすさと販売各社のオリジナルデザインが採用可能で、製造コストを抑えやすくできると云えます。もっと云えばAS10のようなクリア樹脂は大量生産するには金型を製作し成型を行うことになりますが販売数とのコストバランスが悪くなり商品単価に跳ね返ります。これを金属切削とすることでそれら製造コストをペイしやすくなるという訳ですね。つまり我々ユーザーが製造側のスケールメリットによるコストダウンの恩恵を受けやすくなることになりますよね。

(この説明必要?と、メーカー勤務の人間が無駄に熱くなったところで意味もないw)

そして大事なのはKB10の音質ですがAS10以降採用された内部の樹脂ケースによって各BAからの音道管の役割を持たせ、且つ決められたところに決められたものを組み付けるだけという組み立て製造品質安定性向上の仕組みは継承され、AS10のオール樹脂製シェルから、A10とTP10に引き続きKB10でも先述の通りステムノズルとフェイスプレートが金属製となり高音域の響き等にどのような影響があるのか気になりますよね。

この辺りは以前Ashのレビュー時にもシェル等の材質の違いによる音質傾向への影響を少しだけ考察しています。よろしければ併せてご参考ください。

※気になる方は以下、Ashレビューをご参照ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

KB10の納期としてはAliExpressにて6月中旬にオーダーし約1週間で届きました。オーダーから8日後、輸送自体は7日となりますので結構早いですよね。輸送は安定のチャイナポストでしたのでかなり早いレベルといえます。これまでの経験上スタンダードシッピングでシンガポールポスト経由だった時は3週間以上は掛かっていましたので変更できるならチャイナポスト(CN)に変更すると良いかもしれません。今回のセラーはチャイナポストがデフォルトのため変更しませんでした。発送も翌日と早くこれまでの最速と同等の日数で無事に届いていますので一安心です。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
KB EAR KB10とCCA A10及びTRIPOWIN TP10のスペックはKZ AS10同様にA5000の価格帯にもかかわらず、5つのBAドライバを搭載しています。AS10ではこのドライバ構成を低音域用BA22955が1基。中音域用BA29689と中高音域用BA31005をそれぞれ1基。高音域用BA30095を2基で担当していてAS10では中高音域と中音域をそれぞれ専用で配置し音の厚みを演出していましたが、KB10とA10及びTP10ではドライバ構成を低音域用BA22955が1基。中音域用BA29689が2基。高音域用BA30095を2基とシンプルな3way構成としています。余談ですがAS06では低音域BA22955が1基。中音域用BA29689が1基。高音域用BA31005を1基の構成としていて高音域をすっきりとさせたい意図がうかがえますね。

 

※KB10の低音域用ドライバ刻印右 A22955X、左 A22955。画像上が右側

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また、前回気になったのがTP10とA10のドライバ構成は同じはずが現物の刻印が少し違う件はKB10では左右で違いました(これに意味があるのかないのか真意は不明)。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でAS10に対しKB10がA10及びTP10と比べて「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速KB EAR KB10のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはKB10はA10とTP10同様に白箱を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホン画像が印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の中価格帯A5K中華イヤホンと同等の化粧箱ですね。

(KB10、A10は中文でTP10は英文にて基本的に記載されています)

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され固定されています。この内装を取り出すとその他付属品が箱の底にあります。

 

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付属品はどちらもKZ社のイヤホンにに付属するシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種セットとMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に中価格帯でも必要最低限となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでこの潔さは好感を持ちますね。


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ビルドクオリティですが、KB10はA10及びTP10と同じ製造工場ということもあり中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。この1年ほどで中価格帯A5Kの製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは他に黒色もありますが青を選択しています。


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付属ケーブルは茶色の編込みタイプでTP10同様にI字タイプです(A10はL字タイプでした)。耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとしてそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。


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シェル本体は先述の通りKB10はA10、TP10と全く同じですね。シェルは樹脂製でステムノズルとフェイスプレートが金属製です。ステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状はKZ AS10とほぼ一緒ですので比較的大柄となります。そのため装着感は個人差がありそうですね。

 

※左からAS10、KB10、TP10
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次に先述のAS10とTP10との比較をしてみます。

前回同様に何から何まで同じですね。AS10よりKB10とTP10のフェイスプレートが厚く感じますがAS10のフェイスプレートが端面に行くにつれてラウンドしていて薄く見えますが中に入るドライバの大きさなどは同じため実際はその分で内容積を稼いでいる考えられますね。ステムノズルの角度はほぼ同じで太さがAS10がやや太い。こうして画像で比べてみると本当に同じです。

耳への装着も全て同じで割と奥の方入れて蓋をするように装着する形となりますがみぃねこは前回同様に付属ケーブルと付属イヤーピースでは音質的に実力を発揮できないと感じましたのでA10とTP10と同じくイヤピをいつものAET07に。KB10をYYX4732にリケーブル(TP10には前回と変更しYYX4733にリケーブル)して装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、YYX4732にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象はTP10同様に「中高音の解像感は高く低音は量感は控えめながら中高音を支えていて聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音は控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は良好です。
低音は量感は控えめながらもやや芯を感じA10より量感がありTP10よりやや強く感じます。締りはBAとして普通でキレも普通に感じます。重低音の沈み込みはやや浅く感じられますが、ベースラインは十分追えます。
高音は煌びやかさは十分で存在感も十分に示しA10より伸びがありますがTP10よりはやや劣る印象。刺さりは感じられず中低音に埋もれることはありません。

中音はA10、TP10に比べやや凹みを感じますが高音や低音に負けていませんし分離も悪くなく明快でA10よりすっきり聴こえますがTP10よりやや劣る印象。

ボーカルはクリアに聴こえ自然な位置で近くも遠くもなく普通で、曲によってやや近く感じクールに聴こえます。

一言で云えば中高音寄りのややドンシャリですが、A10より強くドンを感じられます。その分TP10やこのKB10の方がバランス良く全体としてより聴きやすく感じられますしA10同様に中高音域の分離の良いややすっきりとした印象です。

このバランスはA10とは似て非なる印象で、TP10も同じ中高音寄りではあるものの低音域が少しだけ存在感があるためより聴きやすいバランスでしたが、それをより強化したと云えそうです。F特では全く同じカーブを描いていましたがKB10はA10からは低音を強化したチューニングの音質傾向と云えそうですね。

それ故にA10同様に複数BAの良さである音数の多さや分離や解像感の高さは感じられ、TP10でやや控えめながらも低音域が存在感を示し、このKB10では物足りなかった低音域を強化したモデルと云えそうで、中高音寄りのややドンシャリ好きの方からTP10同様に好評を得られるかもしれません。

また、A10で感じた高音域と中音域の間の中高音域が少しだけ音が重なったごちゃつきはTP10では感じずすっきりとしていましたが、KB10では高音域と中音域の間の中高音域で少しだけ感じる印象です。これは低音を強化したするために高音中音低音のバランスを少しだけ低音寄りに寄せた結果、中音域が少し凹みが感じられるようになり相対的に高音域がその下の中高音域に寄ったように感じるせいかもしれません。

とはいえ聴き比べると僅かにという程度でもありますので、それほど気にならないレベルかもしれませんね。

A10とTP10で感じた音質の違いは高音域の伸びと高音と中音の間の中高音域のすっきり感と低音域の存在感でしたが、KB10とTP10の違いは僅かで低音域が存在感を増し高音域と中音域の間の中高音域が僅かに音が重なるくらいのため個人的にAS10の後継改良型としてはKB10.次点でTP10と感じています。尤もセラーのツィートではA10も改良版をリリースしているそうですのでこちらも低音の存在感があるモデルなのかもしれませんね。

 

改めてKB10とTP10をAS10聴き比べてみましたが中高音寄りと中低音寄りという音質傾向に違いはなく、高音域はTP10やKB10が。中音域は明快さはTP10やKB10。ボーカルはAS10。低音域はAS10という印象ですこれについては量感と広がりがあるため分かりやすく一般ウケし易いという評価です。

そしてこれらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   TP10 ≧ KB10 > AS10 

中音   TP10 ≧ KB10 ≧ AS10 

低音   AS10 > KB10 ≧ TP10 

ボーカル AS10 ≧ KB10 ≧ TP10 

 

上記の通りKB10はAS10の弱点を改良した音質傾向と云え、TP10はAS10よりとは異なる位置にいるモデルと云えそうです。

しかしこれらのモデルは求めている音質傾向によって選択ができるとも言い換えられますし、聴きやすさで選べば最新のKB10やTP10の方が一歩進んでおりAS10からの進化版と云えそうです。ですが、これらはやはり明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。

 

さてKB EAR KB10はCCA A10とTRIPOWIN TP10という三兄弟は最近のトレンドである複数BA搭載中価格中華イヤホン同様の高中低音域をバランス良く表現するタイプといえ低音を控えめに中高音を重視したバランスの良いイヤホンとまとめました。

そして三兄弟で見ればTP10の最もバランス型に対し、A10の中高音特化型とKB10のドンシャリ強化モデルと云え、それらすべてに特徴のあるモデルとなりそうですね。

 

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最後に、今回は5,000円前後から10,000円以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年6月28日)はamazonでも取り扱いが始まり各セラーで6,000円台半ば。AliExpressでは5,000円台で購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

KB10

以下、YYX4732ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (AS10とお好みで)

※☆0.51.0

 

TP10

以下、YYX4733ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (KB10とお好みで)

※☆0.51.0

 

A10

以下、YYX4733ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (TP10とお好みで)

※☆0.51.0

 

AS10

以下、YYX4762ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (KB10とお好みで)

※☆0.51.0

 

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あとがきとして、今回も複数BA中価格中華イヤホンの新商品の比較レビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ