こんにちは。
今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を予定していましたが、予定を変更して先日発売されたYinyoo V6についてレビューをまとめたいと思います。
今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から先日のamazonプライムセールの際に購入しています。
AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)でも取り扱いがあります。
Yinyoo V6は昨年発売された同社V2の上位モデルとして開発中の情報がありましたが、V2発売から遅れること半年、ついに登場した2BA+1DDの多ドラハイブリッドモデルです。当時の情報では同じシリーズで1BA+1DDのV4というモデルもありましたが、そちらは未だのようですね。
このV6は同シリーズV2と同じ米国製ダイナミックドライバ1基に加え2BAを搭載していて、V2の音質傾向がかなり中低音寄りでしたが、BAによって高音域を補いそのバランスを改良しているモデルと云えそうです。
V2の音質傾向も個人的には好みではありましたが、もう少し高音も欲しいと感じていてV2にBAが1基搭載されたV4の発売を密かに心待ちにしておりました。そんな時にこのV6が発売されましたが中華イヤホンファンからはあまり食いつきが良くない様子で、みぃねこもBA搭載は興味がありましたが2BAで且つ、予想より高価だったために手をだせずにいました。
そんな折に年に一度のamazonプライムセールが開催されお手頃価格となっていたこともあり、「ブルーの媒体ってかっこいいよね」、「しかもセールで安いし」と意味不明な言い訳を自身にしながらポチっています。
最早病気としか言いようのない我ながら呆れる次第です。
とはいえ折角手に入れた待望のモデルです。V2との違いを交えながら、V6のレビューを纏めていきたいと思います。
さてV2とV6の違いとして先ず目につくのがシェル本体のカラーです。V2は素材色の銀色でV6は鮮やかな青色。これだけでもインパクトのある違いですが付属するケーブルもV6の方が上質な銀メッキケーブルを採用されているようです。加えてV2のストレートでも使用できる仕様からV6はシュア掛けが前提の耳掛け部にチューブ有の仕様です。
スペックはV2が米国製ダイナミックドライバを1基のみ搭載しているのに対し、V6はV2と同じダイナミックドライバ1基に加えKnowles製BAを2基搭載しています。このKnowles 30017はデュアルBAのため、2基というカウントのようです。そして搭載しているドライバをみても結構なコストが掛かっているモデルと云えそうですね。
そのためV2のDD1基とは異なりV6は2BA+1DDとこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でV2に対しV6がどのように進化したのか。また「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。
Yinyoo V6の納期としてはプライムセール中ということもありいつもなら翌日配送のところオーダーして中1日かかりました。まあAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すれば気にならないレベルですね。
そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
それでは、早速Yinyoo V6のレビューを以下、まとめていきます。
パッケージングはYinyooのセラーオリジナルデザインの青箱で質感の高い化粧箱です。
箱の表にはセラーロゴが銀色で高級感を演出しています。
上蓋を外すと黒地の内装の台座にイヤホンケースが収納され固定されています。このイヤホンケースを開けるとイヤホン本体とケーブル、その他付属品が収納されています。
付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種2セットと白イヤピSサイズが本体取付け済みで、他にはケーブル、イヤホンケースです。A15K-U20Kの中価格帯としては簡素な、でも必要十分な付属品となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでこの潔さは好感を持ちますね。
ビルドクオリティですが、V6はV2と同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石に中価格帯ともなれば安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは青色のみです。
付属ケーブルは銀色のツイストタイプでV2の細めのより線よりしっかりした線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとは異なりそのまま使用できますし銀色ケーブルが丁度良いアクセントになりそうですね。
シェル本体は先述の通りV2とV6は全く同じでモデルによってカラーが異なる差別化がはかられています。残根なのは青色が欲しいと思ったらV6しか選択肢がないことですかね。シェルはオール金属製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。
シェル本体の形状はV2とは異なりシュア掛け前提となりますので、ストレートで使用したい場合はリケーブルで対応できますがシェル形状は以前レビューしたTIN HIFI T3等に近く独特の形状のため装着感は個人差がありそうですね。
※左からV2、V6
V2とV6は何から何まで同じですね。ステムノズルは太さがあるため、耳へはやや浅めに蓋をするように装着する形となりますがみぃねこは前回同様に付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じましたのでイヤピをいつものAET07に交換して装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。
これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。
これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。
低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象はV2とは異なり「各音域のバランスが良くボーカルが聴きやすく不自然に強調した音域が無い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音はやや控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。
中音域の分離が良く解像感が良い。特に低音域のキレは優秀。
音場は横にやや広め。
低音の量感は普通からやや多めで適度な響きがあり、締まりを感じキレは優秀で重低音も沈み込み十分で適度に響き強さも感じベースラインは追いやすい。
高音は煌びやかさ華やかさ伸びが十分で存在感がありますが、刺さりは感じずすっきりしています。
中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで存在感があり、ボーカルは自然でやや近め。曲によって近く感じます。特筆すべきはボーカルの雰囲気の良さですね。
一言で云えばフラットからやや中低音寄りの弱ドンシャリでしょうか。
率直にかなり良いと思います。
テンポがいい曲では低音の締まりとキレの良さがその実力を発揮しバラードでは中音のクリアさがボーカルを雰囲気良く聴かせてくれる。どんな曲にも対応できる懐の深さを感じます。
これはV2の1DDが同じドライバを使用しその初期型が結構中低音寄りでした。個人的にこれにBAがあれば良いのにと感じていたので2BAを追加したV6がここまでバランスが良くなるのかと驚きを隠せないですね。
更に云えば高音域は出しゃばらず存在感を示し華やかに花を添えていて、低音域は素性の良い米国製ドライバが必要以上に前にでず中高音域をしっかりと下支えをし、中音域は解像感が良く高音低音に埋もれずその名の通り音の中心を描き聴かせてくれる。
聴いていて心地よく再生する曲を選ばない優等生と云えるのではないでしょうか。
これまでの中華イヤホンは多ドラ化による足し算で解像感を演出してきましたが、このV6ではついに必要最小限の2BA+1DDで実現できています。
それはV6の搭載ドライバが2BAはknowlesのデュアルBA。DDは米国製DDとそれぞれのドライバの素性の良さもさることながらチューニングの上手さも要因の一つと感じますね。
まとめるとYinyoo V6は必要以上に主張しない高音と低音がクリアで見通しの良い中音域を支えることで中価格帯以下の中華イヤホンではあまり例をみないバランスの良さを実現した画期的なモデルと云えるのではないでしょうか。
惜しむらくはV2の登場後、矢継ぎ早にこのV6を展開することができていればもっと話題になりその実力で現在の勢力図が変わっていたかもしれませんね。
尤もこのバランスの良さは中華イヤホンには強ドンシャリを求めるという方には少しもの足りなく感じるかも知れません。
最後に、今回は15,000円前後から20,000円以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年7月21日)はamazonで10%OFFクーポンがあり15,000円台で。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも高価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
V6
以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (D2B4、TOPAZとお好みで)
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は予定を変更して多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。
今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ