こんにちは。
今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし先日発売されたTWS X19についてレビューをまとめたいと思います。
今回は国内amazonのマーケットプレイス扱いにて中華イヤホン販売を展開しているNex Audio(@NexAudio)様から提供いただいております。
TWS X19は以前レビューしたKZ BTE Bluetoothや無線接続リケーブルのKZ AP2を用いたワイヤレス化と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続するイヤホンですが、それらとの最大の違いはイヤホンの左右がケーブルで繋がれておらず左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。
これまでにも左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンは発売されていましたが昨年くらいまでは安価なものは使用時間や無線性能等の実用性能で不十分なものが多く、やはり実用性能に比例して高価になることと、種類も少なく選択肢が少ないのが現状で、比較的安価に手に入るのが左右がケーブルで繋がったネックバンドタイプでした。こちらは価格も3,000円程度から実用性能も十分なものを選択することができ、まだまだ完全ワイヤレスタイプが普及するのは先の話と考えていました。
ところが昨年末から今年に入り俄かに各社活発になり新製品を発表し、特に完全ワイヤレスタイプが無線規格であるBluetooth 4.xに代わり5.0を採用することで無線接続性能及び省電力化をはかりイヤホン本体の小型化と利便性にさらに磨きをかけてきたことで俄然注目度が高くなってきているのを実感し気になる存在となっておりました。
とはいえ、実用性能を満足するモデルはやはり価格的には10,000円を超えているものが多く、その商品コンセプトとは裏腹に気軽に購入できるようなものではないため今一つ触手が伸びずにいました。
そんな中、このTWS X19が待望の完全ワイヤレスで実用性能を満足するにもかかわらず、なんと半額の5,000円台で購入できるとなれば試してみたくなるのはいつもの悪い癖がでちゃうのも仕方がないですよね(笑)。
TWS X19の納期は国内amazon倉庫からの発送でしたのでオーダーから数日で届きました。このあたりは安心確実の国内amazonというところですね。
そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
それではTWS X19のスペックを詳しく見ていきます。
■主要スペック(amazon当該ページ抜粋)
- ダイナミックドライバ 1基(左右各1基)
- Bluetoothバージョン 5.0
- プロファイル HSP/HFP/A2DP/AVRCP
- 通信距離 約10m
- コーデック AAC、SBC
- IPX5防水仕様
- 本体バッテリー容量 50mAh
- ケースバッテリー容量 450mAh
- 待機時間 約180時間
- 音楽再生 約5時間
- イヤホン本体重量 片側約4.5g
- ケース重量 約41g
- イヤホンサイズ 約31x17.5x22mm
- ケースサイズ 約92x36x30mm
TWS X19は3,000円以上5,000円台の低価格完全ワイヤレス中華イヤホンの殆どで採用されている1DDのシンプルなドライバ構成です。
Bluetoothはバージョン5.0を採用し通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用では駅構内等でも殆ど途切れることなく3、4時間程度の連続使用ができました。
特にiPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができますのでSBCより高音質で音楽を聴くことができました。そして経験上他のBluetoothイヤホンはShanling M0等でaptX接続を使用していますが、先述の条件では屋内は兎も角、屋外では結構途切れることがありますのでiPhoneとの親和性は高いといえそうですね。
個人的に嬉しいのは少々の雨の日でも気にせずに使用できる防水仕様です。
使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた実力値としてはほぼスペック通りといえますが、私の環境では音楽再生は少し短く4時間ちょっとといったところのようです。家で映画を観たり通勤片道では十分ですし、会社についたらケースに入れれば充電されますからね。実際のところメーカー公証時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として十分満足できると考えます。
イヤホンの充電はケースに入れると始まります。こちらは使用した時間にもよりますが数分から数十分程度で完了します。
ケースの充電は残量によりますが1時間から2時間かからない程度で完了しますし、一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから3回充電できました。少し残念だったのはこのケースの充電残量が分かりにくいことです。
イヤホン本体は比較的コンパクトになっており耳の小さな女性やお子様には少し大きいと感じるかもしれませんが複数BAドライバ搭載のイヤホン等よりコンパクトになっていますので、それほど問題に感じないと思います。
■初回ペアリング方法(iPhone iOS12.2で検証済)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- (充電済みの)イヤホン左をケースから取り出す。
- 続いて(充電済みの)イヤホン右をケースから取り出す。
- iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「X19 V5.0」表示されるので選択する。
- iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。
これだけです。
初めにiPhoneのBluetoothを有効にしてください。
イヤホン左が親機です。
この2つが重要です。
上手くいかない場合、一度iPhoneからX19の接続を設定を削除して再度初めから実施してみてください。2回目以降は自動的に接続します。
■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- ケースから取り出すとペアリング開始。
- iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
- iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
- イヤホン本体のスイッチを1回押すと再生停止する。左右どちらでも同じ
- 再生停止中に1回押すと再生開始。左右どちらでも同じ
- 再生中に1回押すと再生停止。左右どちらでも同じ
- 再生中に右イヤホンスイッチを連続2回押すと次の曲に進む
- 再生中に左イヤホンスイッチを連続2回押すと曲の頭に戻る
- 再生停止中に右イヤホンスイッチを連続2回押すと次の曲に進む
- 再生停止中に左イヤホンスイッチを連続2回押すと前の曲に戻る
- 再生中/停止にかかわらず右イヤホンスイッチを連続3回で音量上がる
- 再生中/停止にかかわらず左イヤホンスイッチを連続3回で音量下がる
- 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
- ペアリングが解除される。
- ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。
音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。
他社製品では物理スイッチではなくタッチ式のものもありますが、スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配です。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配です。
個人的に何度失敗したことか(うんざり)。
なので、この物理キーを採用しているのは個人的に高評価ですね。
操作の反応は少々ラグがありますので一呼吸置くくらいでOKです。これも他のモデルと同じレベルですので問題ないですね。
特筆すべきはケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。ネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。
イヤホンの充電中はイヤホンが赤点灯
イヤホンの充電完了は青点灯
イヤホン充電完了後、消灯
イヤホン充電中のケースは右側が緑点灯。
完了後、消灯。
ケース充電中は左側が赤点灯
それでは、早速TWS X19のレビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは黒箱を基調としたシックなタイプです。
箱の表にはTWSの文字が。裏にはスペックが記載されています。無駄な装飾のない化粧箱ですね。
上蓋を開けると内箱の中は黒字のプラ製内装にイヤホンとイヤホンケースが収納されしっかりと固定されています。その他付属品はイヤホンが収納された内装を取り外した箱の中にあります。
付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはmicroUSB-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。
もちろん取扱説明書が付属していますが英語表記のみで日本語はありません。図解もありますしamazon当該ページに使用方法の説明もありますので余程のことがない限り困ることはないと思いますし、万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。
ビルドクオリティですが、このTWS X19は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品ではmicroUSB端子が開口部とずれていて真っ直ぐ挿入できず斜めに無理やり挿入しないといけない不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。この1年ほどで低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは黒のみですが、屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。
付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのmicroUSB-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けできますしね。
シェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。
シェル本体の形状も丸みを帯びており角がある訳ではないので装着感は良さそうですが、先述の通り耳の小さな女性やお子様には難がある可能性があります。
次に耳への装着は奥の方で蓋をするように入れるようにするとみぃねこはしっくりきましたが、付属イヤーピースMサイズでは音質的に抜けてくる感じがありました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。
この音が抜けてくる感覚は付属イヤピをLサイズにしてみたりしましたがどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じましたのでJVC スパイラルドット MLサイズに交換し使用しています。これにより少し曇りを感じた中音域がクリアに聴こえるようになりました。
加えて、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズでアフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう方がいるようです。
諦める前に一度スパイラルドットを試してみてください。スパイラルドットは傘の背が低く軸が短めですのでこのX19では問題なく使用できました。
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。
実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはJVC スパイラルドット MLサイズを使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象は「思っていたより低音の主張があり聴きやすい」でした。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通もやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感十分で広がりがあり締りとキレは普通でベースラインは追えます。重低音の沈み込みはやや浅めから普通で余韻も控えめ。
高音は煌びやかさは控えめで曲によって中低音にやや埋もれることがあります。
中音は高音より見通しが良く低音に音がやや重なり低音過多の曲では見通しが悪く感じます。
ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなくクリアに聴こえます。
一言で云えば中低音寄りで聴き疲れのない弱ドンシャリです。
低音は比較的主張がありますが強めというほどでもなく寧ろ丁度良い感じ。高音は控えめで十分キラキラしていますが刺さりとは無縁です聴きやすく上手くまとめている印象です。
その分中音が相対的に強いかというとそうでもなく寧ろボーカルは自然な位置から聴きやすいため総じて中音域も聴きにくいことはありません。
傾向として低音≧中音>高音の関係で弱ドンシャリでありながら中音域は聴きやすく丁度良いバランスです。
5,000円のワイヤレスイヤホンとしてこれは十分な音質ではないでしょうか。
如何しても無線接続ではその性質上高音低音域の超高音や重低音がカットされてしまいます。
価格帯の上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いといわれている商品もありますが、先述した性質上の問題は変わりません。
つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、コストパフォーマンスに優れているのはどちらかというお話です。
もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか難しいですよね。
そのため、このTWS X19は低価格帯の完全ワイヤレスモデルの中でも中低音寄りの聴きやすさを備えたコスパの良いモデルと云えそうですね。
さてTWS X19は最新の低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの中でもコスパが良い特にiPhoneユーザーにお勧めできるイヤホンとまとめました。
手持ちのお蔵入りイヤホンはさておき、次回は先月オーダーした商品が届いていますのでこれらの商品を1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は5,000円台で買える低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2019年6月8日)amazonでの取り扱いがあり10%offクーポン(2019年6月8日執筆時)で5,000円程度で購入できるようです。AliExpressでは取り扱いを確認できていませんがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
X19
以下、イヤピJVCスパイラルドット ML使用、DAP iPhone8
高音★★☆
中音★★★
低音★★★
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (完全ワイヤレスの利便性で)
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは初めての試みですね。最新技術を低価格で投入でき日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。
今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ