みぃねこの備忘録

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CCA A10 TRIPOWIN TP10 比較レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みして先日発売されたCCA A10とTRIPOWIN TP10についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのNiceHCK Audio Store(@hckexin)からCCA A10を。国内amazonマーケットプレイス扱いで中華イヤホンを販売しているGeek Audio(@AudioGeek1)からTRIPOWIN TP10を購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

CCA A10は国内amazonでも取り扱いが始まっています(2019年6月21日現在)

 

 

TRIPOWIN TP10は国内amazonで購入できます。 

 

 

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CCA A10及びTRIPOWIN TP10は以前比較レビューした4BA+1DD多ドラハイブリッドのCCA C10とKZ ZS7や通常レビューしたKZ ZS10Proとは異なり複数BA搭載の5BAドライバ構成です。比較レビューの際に3BAのKZ AS06や同じ5BAのAS10を引き合いに出しましたが、端的に云えばDDを搭載したC10やZS7の方に低音の良さがあり、中高音の良さは5BA搭載のAS10に軍配が上がっています。

昨年夏以降、それまでのKZ ZS6系2BA+2DD搭載機はまるで祭りの後のように影を潜め4BA+1DD多ドラハイブリッドや複数BA搭載モデルが現在の中価格中華イヤホンA5000の主流となっています。ほんとに1年前はZS6系がトレンドだったとは思えないほど移り変わりが激しい市場と云えそうです。

もちろんその先駆けはいつものKZ社であり同社のAS10(BA10)が新たな扉を開けていることは周知の事実であり今年に入りCCAという新たな販売戦略の下にA10000で購入できる8BA機のCCA C16を投入し満を持してKZ社からも同8BA機AS16をリリースし相変わらず市場をリードしているトップブランドといっても過言ではないでしょう。

現在KZ社からはAS10の後継モデルは発表されておらず、今回レビューするCCA A10がCCAブランドで5BA機を先行し発売しています。そんな中、KZ社からは先日6BA機のAS12が発表され「そうきましたか!?」と相変わらず我々を楽しませてくれていますね。でも実はこれ、既にTrn社からX6という6BA機が発売されており、KZらしくなく後追いになってしまったんですよね。最近のKZ社はハズレのない音質でまとめられていましたのでAS12を慌てて出してコケるようなことは一ファンとして避けてほしいなぁと思っているところですし、今後も各社が競い合い新たな商品を開発し我々ユーザーを飽きさせない製品展開に期待したいですね。

さて、今回のCCA A10とTRIPOWIN TP10ですがCCA A10はそのKZ社との関係性からはKZ AS10の系譜としての新型と考えて間違いなさそうです。ところがTRIPOWIN TP10はA10とそっくりそのままの外観で異なるのはフェイスプレートのデザインというTRIPOWINとは何者?状態です。音質的にもセラーが公開しているF特は全く同じカーブを描いており、もう何が何だかわかりませんね。調べてみて分ったのはCCA A10とTRIPOWIN TP10は製造工場が同じらしいということくらいです。よくあるOEMということなのかもしれませんね。

 

その為、今回はいつもとは趣を変えてそっくりな2つを同時に比較レビューとしてまとめていきたいと思いますが、更に比較対象として同じ複数BAドライバを搭載するKZ AS10を用意しました。AS10からのCCA A10への進化の度合いとA10とTRIPOWIN TP10との違いが気になるところですよね。

 

さてAS10とA10、TP10の違いとして先ず目につくのがシェル本体の材質です。AS10のすべて樹脂シェルと異なりA10とTP10は先述の通りフェイスプレートとステムノズルが金属製です。加えてA10とTP10のフェイスプレートはそのデザインが異なり、更にTP10にはベント穴が設けられています。

 

AS10ではフェイスプレートをクリア樹脂とすることで内部のネットワークボードが見える魅せるデザインを採用しオリジナリティがありましたが、ステムノズルはイヤーピースの抜け防止の返しが小さいなどやや残念な一面もありました。それをA10とTP10では魅せる良さをあっさり捨て去り金属製のフェイスプレートとしステムノズルは金属製の抜け防止の返しありへ変更しています。この辺りは賛否あると思いますが特にフェイスプレートを金属製にすることでそのデザインの自由度は上がりOEM製造のしやすさと販売各社のオリジナルティを演出できますので、製造コストを抑えやすくできると云えます。これは逆を言えば我々ユーザーが製造側のスケールメリットによるコストダウンの恩恵を受けやすくなりますよね。

そして大事なのは音質ですがAS10でも採用された内部の樹脂ケースによって各BAからの音道管の役割を持たせ、且つ決められたところに決められたものを組み付けるだけという組み立て製造品質安定性向上の仕組みは継承されているようです。加えてAS10のオール樹脂製シェルから、A10とTP10では先述の通りステムノズルとフェイスプレートが金属製となり高音域の響き等にどのような影響があるのか気になりますよね。

この辺りは以前Ashのレビュー時にもシェル等の材質の違いによる音質傾向への影響を少しだけ考察しています。よろしければ併せてご参考ください。

※気になる方は以下レビューをご参照ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

A10の納期としてはAliExpressにて5月下旬にオーダーし約2週間で届きました。実はこの前日にTrn IM2もオーダーしており、何方か待ちの状態で発送が両方まとめてとなったようでオーダーから7日後、輸送自体は7日となりますので結構早いですよね。輸送は安定のチャイナポストでしたのでかなり早いレベルといえます。これまでの経験上スタンダードシッピングでシンガポールポスト経由だった時は3週間以上は掛かっていましたので変更できるならチャイナポスト(CN)に変更すると良いかもしれません。今回のセラーはチャイナポストがデフォルトのため変更しませんでしたしプレセールということで発送までに時間はかかりましたがトータルで見れば通常程度の日数で無事に届いていますので一安心です。

一方TP10は国内amazon倉庫からの発送でしたので、もちろんオーダーから数日で届いています。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
CCA A10とTRIPOWIN TP10のスペックはKZ AS10同様にA5000の価格帯にもかかわらず、5つのBAドライバを搭載しています。AS10ではこのドライバ構成を低音域用BA22955が1基。中音域用BA29689と中高音域用BA31005をそれぞれ1基。高音域用BA30095を2基で担当していてAS10では中高音域と中音域をそれぞれ専用で配置し音の厚みを演出していましたが、A10とTP10ではドライバ構成を低音域用BA22955が1基。中音域用BA29689が2基。高音域用BA30095を2基とシンプルな3way構成としています。余談ですがAS06では低音域BA22955が1基。中音域用BA29689が1基。高音域用BA31005を1基の構成としていて高音域をすっきりとさせたい意図がうかがえますね。

※TP10の低音域用ドライバ刻印 A22955

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※A10の低音域用ドライバ刻印 A22955X
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また、少し気になったのがTP10とA10のドライバ構成はメーカー発表では同じはずですが現物の刻印が少し違いました(これに意味があるのかないのか真意は不明)。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でAS10に対しA10とTP10が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速CCA A10とTRIPOWIN TP10のレビューを以下、まとめていきます。

※A10
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※TP10
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パッケージングはA10とTP10は同様で白箱を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホン画像が印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の中価格帯A5K中華イヤホンと同等の化粧箱ですね。

唯一異なるのはA10は中文でTP10は英文にて基本的に記載されています。

※A10 

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※TP10

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され固定されています。この内装を取り出すとその他付属品が箱の底にあります。

※A10 

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※TP10
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付属品はどちらもKZ社のイヤホンにに付属するシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種セットとMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に中価格帯でも必要最低限となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでこの潔さは好感を持ちますね。


※A10
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※TP10

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ビルドクオリティですが、A10とTP10は同じ製造工場ということもありどちらも中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。それでもこの1年ほどで中価格帯A5Kの製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは他に黒色もありますがどちらも青を選択しています。

※A10
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※TP10
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付属ケーブルは茶色の編込みタイプでDAP側コネクタがA10はL字タイプ。TP10はI字タイプと異なってなっています。耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとしてそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

 

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シェル本体は先述の通り全く同じですね。シェルは樹脂製でステムノズルとフェイスプレートが金属製です。ステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状はKZ AS10とほぼ一緒ですので比較的大柄となります。そのため装着感は個人差がありそうですね。

※左からAS10、TP10、A10
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次に先述のAS10と比較するとA10とTP10を比較してみます。

まあ、何から何まで同じですね。AS10よりA10とTP10のフェイスプレートが厚く感じますがAS10のフェイスプレートが端面に行くにつれてラウンドしているために薄く見えますが中に入るドライバの大きさなどは同じでしょうから実際はその分で内容積を稼いでいる考えられますね。ステムノズルの角度はほぼ同じで太さがAS10がやや太い。こうして画像で比べてみると本当に同じです。

耳への装着全て同じで割と奥の方入れて蓋をするように装着する形となりますがみぃねこは付属ケーブルでは付属イヤーピースでは音質的に実力を発揮できないと感じましたのでA10とTP10のイヤピをいつものAET07に。A10をYYX4733に。TP10をYYX4732にリケーブルして装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じますのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先ずはA10から。

先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、YYX4733にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音の解像感は高く低音が控えめながら中高音を支えていて聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
箱出し直後は低音がかなり控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は良好です。
低音は量感は少なくこれまでのCCAと比較して控えめ。締りはBAとして普通からやや緩めながらもキレは普通に感じます。重低音の沈み込みはやや浅く感じられますが、ベースラインは追えます。
高音は煌びやかさは十分で存在感も十分に示しますが刺さりは感じられず中低音に埋もれることはありません。

中音は凹みを感じず高音や低音に負けていませんし分離も悪くなく明快に聴こえます。

ボーカルはクリアに聴こえ近くも遠くもなく普通からやや近めで、曲によって近く感じます。

一言で云えば中高音寄りのややドンシャリですが、ドンは控えめでその分ボーカルは聴きやすく中高音域の分離の良いやや派手な印象です。

このバランスはAS10は中低音寄りで高音域が控えめでしたが真逆と云えそうです。AS10の改良版というよりは高音に寄せすぎた異なる音質傾向という印象です。

それ故に複数BAの良さである音数の多さや分離や解像感の高さは感じられますが、低音域が控えめなためドンシャリ好きの方からは評価が分かれるかもしれません。

また、AS10で感じた高音域と中音域の間の中高音域が少しだけ音が重なりごちゃつきを感じます。

 

次にTP10です。

こちらも先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、YYX4732にリケーブルしています。このリケーブルはA10で使用したYYX4733と芯線が同一の被膜違いという認識です(聴き比べても殆ど変わらない印象)。

箱出しで聴いてみた第一印象はA10同様に「中高音の解像感は高く低音が控えめながら中高音を支えていて聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音がかなり控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は良好です。
低音は量感は控えめながらもやや芯を感じA10と比較してやや量感があります。締りはBAとして普通でキレも普通に感じます。重低音の沈み込みはやや浅く感じられますが、ベースラインは十分追えます。
高音は煌びやかさは十分で存在感も十分に示しA10より伸びがあり、刺さりは感じられず中低音に埋もれることはありません。

中音は凹みを感じず高音や低音に負けていませんし分離も悪くなく明快でA10よりすっきり聴こえます。

ボーカルはクリアに聴こえ近くも遠くもなく普通からやや近めで、曲によって近く感じクールに聴こえますが、A10のボーカルの方がより自然な印象です。

一言で云えば中高音寄りのややドンシャリですが、A10よりドンを感じられます。その分TP10の方がバランス良く全体としてより聴きやすく感じられますしA10同様に中高音域の分離の良いややすっきりとした印象です。

このバランスはA10とは似て非なる印象で、同じ中高音寄りではあるものの低音域が少しだけ存在感があるためより聴きやすいバランスと云えそうです。F特では全く同じカーブを描いていましたが少しだけチューニングが異なる音質傾向と云えそうですね。

それ故にA10同様に複数BAの良さである音数の多さや分離や解像感の高さは感じられ、TP10ではやや控えめながらも低音域が存在感を示しており中高音寄りのややドンシャリ好きの方から「これはこれでアリ」という評価が得られるかもしれません。

また、A10の高音域と中音域の間の中高音域が少しだけ音が重なったごちゃつきは感じずTP10の方はすっきりとしています。

A10とTP10の音質の違いは特に高音域の伸びと高音と中音の間の中高音域のすっきり感と低音域の存在感となりますが、この違いは恐らくフェイスプレートのベント穴と低音域用ドライバのチューニング違い?かもしれませんね。個人的にはAS10の改良型としては現時点ではTP10と感じています。尤も低音はもう少し欲しいなとも思っていますが。

 

改めてA10とTP10はAS10聴き比べてみましたが中高音寄りと中低音寄りという音質傾向であり、高音域はTP10やA10が。中音域は明快さはTP10やA10。ボーカルはAS10。低音域はAS10という印象ですこれについては量感と広がりがあるため分かりやすく一般ウケし易いという評価です。

そしてこれらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   TP10 ≧ A10 > AS10 

中音   TP10 ≧ A10 ≧ AS10 

低音   AS10 > TP10 ≧ A10 

ボーカル AS10 ≧ A10 ≧ TP10 

 

上記の通りTP10はAS10をアップグレードさせた音質傾向と云え、A10のどっちつかず感が少しもったいない気がします。

しかしこれらのモデルは求めている音質傾向によって選択ができるとも言い換えられますし、聴きやすさで選べば最新のA10やTP10の方がAS10からの進化版として最適と云えそうです。ですが、これらはやはり明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。

 


さてCCA A10とTRIPOWIN TP10は最近のトレンドである複数BA搭載中価格中華イヤホン同様の高中低音域をバランス良く表現するタイプといえ低音を控えめに中高音を重視したバランスの良いイヤホンとまとめました。

更に最近発売された兄弟機が次に控えておりますが、ネタ的なレビューも書きかけですし、いつかこれらの商品も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますのでそれらも気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は5,000円前後から10,000円以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年6月22日)はamazonでも取り扱いが始まり各セラーで5,000円台半ば。AliExpressでは4,000円半ばから後半で購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

A10

以下、YYX4733ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (TP10とお好みで)

※☆0.51.0

 

TP10

以下、YYX4732ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (AS10とお好みで)

※☆0.51.0

 

AS10

以下、YYX4762ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (TP10とお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は複数BA中価格中華イヤホンの新商品の比較レビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019/6/29誤字修正 

Trn IM2レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたTrn IM2についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのNiceHCK Audio Store(@hckexin)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取り扱いが始まっていて有名どころではWTSUN Audio(@Zhuo520x)が安価に購入できそうですね(2019年6月8日現在)

 

 

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Trn IM2は以前レビューした同社IM1と同じ1BA+1DDのドライバ構成で(ドライバのモデルが同じという意味ではない)そのネームのナンバリングからは後継機種としての新型と考えて間違いなさそうです。

IM2はセラー各社のツィートにてプレオーダー獲得戦略が繰り広げられておりいつものEasyとHCKではHCKの方が安価でしたので今回はそちらから購入しています。

流石に今回はTrnということで一寸だけ躊躇しましたが結局ポチる始末。何でも買えばいいってもんじゃないよな~と最近は気づき始めていますが止められない。だってポチり芸人ですからね。

 

自虐から始まった今回ですが、相変わらず1BA+1DDハイブリッドということだけ確認し詳細も分からないままオーダーしたIM2ですが、届いてから気が付きましたのは先述の通り同社IM1の後継新型機ということと先日レビューしたYinyoo Ashと似ているということ。両方発売時期が近かったのでなにやら不穏な雰囲気が漂いましたが、実際には異なるようで安心した次第です。

 

さて、今回はTrnの新作1BA+1DDハイブリッドモデル、IM2を入手しましたので先代の同社IM1や最近発売されたYinyoo Ashと最新定番機ZSN Proとの違いが気になるところですよね。

IM2とそれらの違いとして先ず目につくのがシェル本体のデザインです。Ashの樹脂シェル(ステムノズルは金属)はIM2と同様の組み合わせ。ZSN Proのシェル本体は樹脂でステムノズルとフェイスプレートが金属。先代のIM1はフェイスプレートが金属板を透明なクリア樹脂で覆うもののシェルはステムノズル含む樹脂となります。

デザインを大雑把にイメージで言えば全体的に立体的でありながらコンパクトでカスタムIEMっぽいAsh、IM2、IM1と平面的なフェイスプレートが特徴的な平べったいZSN Proです。このデザインは好みがありますので一概には云えませんが見た目カスタムIEMっぽさが醸し出されているIM2やAshは個人的に好きなデザインで結構ツボですね。

そして大事なのは音質ですが以前Ashのレビュー時にもシェル等の材質の違いによる音質傾向への影響を少しだけ考察しています。よろしければ併せてご参考ください。

※気になる方は以下レビューをご参照ください。

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

ですがそれらの肝心のシェル本体の材質はZSN Proを除けばほぼ同じため、今回は同社IM1からIM2への進化とAshとの比較をしたいと思います。

 

IM2の納期としては5月20日にオーダーし約2週間で届きました。実際には発送がオーダーから7日後でしたので、輸送自体は7日となりますので結構早いですよね。輸送は安定のチャイナポストでしたのでかなり早いレベルといえます。これまでの経験上スタンダードシッピングでシンガポールポスト経由だった時は3週間以上は掛かっていましたので変更できるならチャイナポスト(CN)に変更すると良いかもしれません。今回のセラーはチャイナポストがデフォルトのため変更しませんでしたしプレセールということで発送までに時間はかかりましたがトータルで見れば通常程度の日数で無事に届いていますので一安心です。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
Trn IM2のスペックは3,000円以下の低価格中華イヤホンで多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯ではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でTrn IM2が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速Trn IM2のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは従来のTrn同様の白箱を基調とした化粧箱です。
箱の表にはイヤホン画像がプリントされ、裏にはスペックが記載されています。他の低価格中華イヤホンと同等の化粧箱ですね。

 

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上蓋を開けると白地の内装の台座にイヤホンが収納され固定されています。この内装が本来下箱との仕切りと固定されている筈ですが綺麗に剥がれていたのはご愛敬ですね。その他付属品はイヤホンが収納された台座のを取り出すと箱の底にあります。

 

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付属品はいつものTrnに付属するシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種セットとMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に低価格帯の必要最低限となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでこの潔さは好感を持ちますね。とはいえ他の低価格帯同様に質感の向上を窺えますね。


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ビルドクオリティですが、このTrn IM2はYinyoo Ash同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。重箱の隅をつつくようで恐縮ですが気になるのはフェイスプレートが個体差なのか座りが悪く右側が支えないと横に倒れてしまうこと。これはAshでも左側が同様でしたが音質に関係ないので気にしないことにします(画像撮影時に下に紙を敷いてバランスを取っています)。それでもこの1年ほどで低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは他に黒色もありますがAshが黒でした(福袋販売)ので青を選択しています。


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付属ケーブルは黒色の編込みタイプでいつものTrn付属と同じです。耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。実はこの癖付けがみぃねこには結構厄介で特にTrnの場合に装着時に耳に上手く掛けられず、結果装着したイヤホンが抜けてくることがあるのが玉に瑕。それ以外は全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとして先述の個人差があると思いますがそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

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シェル本体は先述の通り先代のIM1とは異なり樹脂製でステムノズルが金属です。ステムノズルにはAsh同様にメッシュフィルターは確認できずBAとDDそれぞれに繋がる音道管の穴が2つあります。

なによりシェル本体の形状から比較的装着感は良さそうですね。


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次に先述の1BA+1DDイヤホンと比較するとIM2とAshよりIM1が一回り大きく、ZSN Proより本体の厚みがありますがフェイスプレートの面積が小さくシェルが立体的なためコンパクトに見えます。重量はZSN Proがやや重く次いでIM1でIM2はAshとほぼ同じ。ただしIM2とAshはステムノズルがそれらよりも細くなっていて角度もほぼ同じ。こうして比べてみるて本当にAshと似ています(製造元が同じなのかもしれないですよね)。

IM2も耳への装着は割と奥の方入れるようにする形となりますが先述の通りみぃねこは付属ケーブルでは付属イヤーピースMサイズでは抜けてくる事がありました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この抜けてくる感覚は結局耳奥に押し込む形で付属ケーブルとイヤピでも何とか使用できるようになりました。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属品 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音中音低音がバランスよく聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
箱出し直後は低音が膨らみすぎて中音に重なりを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感も普通です。
低音は量感十分で広がりがあり弾むような余韻があります。その分締りは普通でキレも普通に感じます。重低音の沈み込みもやや深く十分に感じられ適度に響きベースラインも追えます。
高音は煌びやかさはやや控えめながらも十分に存在感を示しますが刺さりは感じられず低音に埋もれることはありません。

中音は凹みを感じず高音や低音に負けていませんし分離も悪くなく明快に聴こえます。

ボーカルはクリアで自然な位置から聴こえ近くも遠くもなく、曲によってやや近く感じます。

一言で云えば強調した音域の無いバランス型で聴きやすい。強いて云えば中低音寄り。

このバランスはかなり絶妙でややドンシャリに分類されると思いますが中音域が犠牲になっていないため聴きやすさは上位に入る実力ではないでしょうか。

それ故に典型的なドンシャリ好きや特異性を求める方からは評価が分かれるかもしれません。

また、そのバランスの良さが仇となりやや音が中心に集まって聴こえる印象も僅かにありますがクリアな中音域がそれを感じ難くしていると感じます。

このIM2は傾向として高音が相対的に控えめながら存在感がありクリアな中音域にしっかりした低音が良いバランスと云えそうです。これまでのTrnの低価格帯の中で個人的に最上位と感じています。

 

改めてIM2とIM1やAsh聴き比べると高音域はIM1やAshほどの主張はなく、中音域は明快さやボーカルは一歩リード。低音域はIM2も質の高さを魅せてくれましたがこれについてはIM1やAshの方が量感と広がりがあるため分かりやすく一般ウケし易い印象です。

そしてこれらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   Ash ≧ IM1 > IM2 (IM2は控えめだが十分な存在感)

中音   IM2 > Ash ≧ IM1 (IM2は殆ど凹みを感じない)

低音   Ash ≧ IM2 ≧ IM1 (IM1は量感あるがやや緩い)

ボーカル IM2 ≧ Ash ≧ IM1 (聴きやすさはIM2)

 

上記の通りIM2はIM1をアップグレードさせた音質傾向と云えAshやIM1の分かりやすいドンシャリとは音質傾向が異なります。

そしてこれらのモデルは強弱あるもののドンシャリ傾向となりますが、聴きやすさで選べばIM1からの正統進化といえるIM2となりそうです。ですが、明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。

 


さてTrn IM2は最近の低価格中華1BA+1DDイヤホン同様の高中低音域をバランス良く表現するタイプといえ高音を控えめに中低音を重視しながら高バランスのややドンシャリのイヤホンとまとめました。

最近届いた商品が次に控えておりますが、ネタ的なレビューも書きかけですし、いつかこれらの商品も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますのでそれらも気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年6月8日)はamazonは取り扱いが始まり各セラーで2,000円半ば。AliExpressでは1,000円後半で購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

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IM2

以下、付属ケーブル、イヤピ M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (ZSN Proとお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD低価格中華イヤホンとしてこれが24個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

 

Nex Audio TWS X19レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし先日発売されたTWS X19についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いにて中華イヤホン販売を展開しているNex Audio(@NexAudio)様から提供いただいております。

 

 

TWS X19は以前レビューしたKZ BTE Bluetoothや無線接続リケーブルのKZ AP2を用いたワイヤレス化と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続するイヤホンですが、それらとの最大の違いはイヤホンの左右がケーブルで繋がれておらず左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。

これまでにも左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンは発売されていましたが昨年くらいまでは安価なものは使用時間や無線性能等の実用性能で不十分なものが多く、やはり実用性能に比例して高価になることと、種類も少なく選択肢が少ないのが現状で、比較的安価に手に入るのが左右がケーブルで繋がったネックバンドタイプでした。こちらは価格も3,000円程度から実用性能も十分なものを選択することができ、まだまだ完全ワイヤレスタイプが普及するのは先の話と考えていました。

ところが昨年末から今年に入り俄かに各社活発になり新製品を発表し、特に完全ワイヤレスタイプが無線規格であるBluetooth 4.xに代わり5.0を採用することで無線接続性能及び省電力化をはかりイヤホン本体の小型化と利便性にさらに磨きをかけてきたことで俄然注目度が高くなってきているのを実感し気になる存在となっておりました。

とはいえ、実用性能を満足するモデルはやはり価格的には10,000円を超えているものが多く、その商品コンセプトとは裏腹に気軽に購入できるようなものではないため今一つ触手が伸びずにいました。

そんな中、このTWS X19が待望の完全ワイヤレスで実用性能を満足するにもかかわらず、なんと半額の5,000円台で購入できるとなれば試してみたくなるのはいつもの悪い癖がでちゃうのも仕方がないですよね(笑)。 

 

 

TWS X19の納期は国内amazon倉庫からの発送でしたのでオーダーから数日で届きました。このあたりは安心確実の国内amazonというところですね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
それではTWS X19のスペックを詳しく見ていきます。

 

■主要スペック(amazon当該ページ抜粋)

  • ダイナミックドライバ 1基(左右各1基)
  • Bluetoothバージョン 5.0
  • プロファイル HSP/HFP/A2DP/AVRCP
  • 通信距離 約10m
  • コーデック AAC、SBC
  • IPX5防水仕様
  • 本体バッテリー容量 50mAh
  • ケースバッテリー容量 450mAh
  • 待機時間 約180時間
  • 音楽再生 約5時間
  • イヤホン本体重量 片側約4.5g
  • ケース重量 約41g
  • イヤホンサイズ 約31x17.5x22mm
  • ケースサイズ 約92x36x30mm

 

TWS X19は3,000円以上5,000円台の低価格完全ワイヤレス中華イヤホンの殆どで採用されている1DDのシンプルなドライバ構成です。

Bluetoothはバージョン5.0を採用し通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用では駅構内等でも殆ど途切れることなく3、4時間程度の連続使用ができました。

特にiPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができますのでSBCより高音質で音楽を聴くことができました。そして経験上他のBluetoothイヤホンはShanling M0等でaptX接続を使用していますが、先述の条件では屋内は兎も角、屋外では結構途切れることがありますのでiPhoneとの親和性は高いといえそうですね。

個人的に嬉しいのは少々の雨の日でも気にせずに使用できる防水仕様です。

使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた実力値としてはほぼスペック通りといえますが、私の環境では音楽再生は少し短く4時間ちょっとといったところのようです。家で映画を観たり通勤片道では十分ですし、会社についたらケースに入れれば充電されますからね。実際のところメーカー公証時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として十分満足できると考えます。

イヤホンの充電はケースに入れると始まります。こちらは使用した時間にもよりますが数分から数十分程度で完了します。

ケースの充電は残量によりますが1時間から2時間かからない程度で完了しますし、一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから3回充電できました。少し残念だったのはこのケースの充電残量が分かりにくいことです。

イヤホン本体は比較的コンパクトになっており耳の小さな女性やお子様には少し大きいと感じるかもしれませんが複数BAドライバ搭載のイヤホン等よりコンパクトになっていますので、それほど問題に感じないと思います。

 

■初回ペアリング方法(iPhone iOS12.2で検証済)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • (充電済みの)イヤホン左をケースから取り出す。
  • 続いて(充電済みの)イヤホン右をケースから取り出す。
  • iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「X19 V5.0」表示されるので選択する。
  • iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。

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これだけです。

初めにiPhoneBluetoothを有効にしてください。

イヤホン左が親機です。

この2つが重要です。

上手くいかない場合、一度iPhoneからX19の接続を設定を削除して再度初めから実施してみてください。2回目以降は自動的に接続します。

 

■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)

  • iPhoneBluetoothを有効にする。
  • ケースから取り出すとペアリング開始。
  • iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
  • iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
  • イヤホン本体のスイッチを1回押すと再生停止する。左右どちらでも同じ
  • 再生停止中に1回押すと再生開始。左右どちらでも同じ
  • 再生中に1回押すと再生停止。左右どちらでも同じ
  • 再生中に右イヤホンスイッチを連続2回押すと次の曲に進む
  • 再生中に左イヤホンスイッチを連続2回押すと曲の頭に戻る
  • 再生停止中に右イヤホンスイッチを連続2回押すと次の曲に進む
  • 再生停止中に左イヤホンスイッチを連続2回押すと前の曲に戻る
  • 再生中/停止にかかわらず右イヤホンスイッチを連続3回で音量上がる
  • 再生中/停止にかかわらず左イヤホンスイッチを連続3回で音量下がる
  • 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
  • ペアリングが解除される。
  • ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。

音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。

他社製品では物理スイッチではなくタッチ式のものもありますが、スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配です。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配です。

個人的に何度失敗したことか(うんざり)。

なので、この物理キーを採用しているのは個人的に高評価ですね。

操作の反応は少々ラグがありますので一呼吸置くくらいでOKです。これも他のモデルと同じレベルですので問題ないですね。

特筆すべきはケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。ネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。

 

イヤホンの充電中はイヤホンが赤点灯

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イヤホンの充電完了は青点灯
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イヤホン充電完了後、消灯
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イヤホン充電中のケースは右側が緑点灯。

完了後、消灯。
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ケース充電中は左側が赤点灯
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それでは、早速TWS X19のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは黒箱を基調としたシックなタイプです。
箱の表にはTWSの文字が。裏にはスペックが記載されています。無駄な装飾のない化粧箱ですね。

 

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上蓋を開けると内箱の中は黒字のプラ製内装にイヤホンとイヤホンケースが収納されしっかりと固定されています。その他付属品はイヤホンが収納された内装を取り外した箱の中にあります。

 

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付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはmicroUSB-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。

もちろん取扱説明書が付属していますが英語表記のみで日本語はありません。図解もありますしamazon当該ページに使用方法の説明もありますので余程のことがない限り困ることはないと思いますし、万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。


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ビルドクオリティですが、このTWS X19は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品ではmicroUSB端子が開口部とずれていて真っ直ぐ挿入できず斜めに無理やり挿入しないといけない不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。この1年ほどで低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは黒のみですが、屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。


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付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのmicroUSB-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けできますしね。


シェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

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シェル本体の形状も丸みを帯びており角がある訳ではないので装着感は良さそうですが、先述の通り耳の小さな女性やお子様には難がある可能性があります。


次に耳への装着は奥の方で蓋をするように入れるようにするとみぃねこはしっくりきましたが、付属イヤーピースMサイズでは音質的に抜けてくる感じがありました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この音が抜けてくる感覚は付属イヤピをLサイズにしてみたりしましたがどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じましたのでJVC スパイラルドット MLサイズに交換し使用しています。これにより少し曇りを感じた中音域がクリアに聴こえるようになりました。

加えて、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズでアフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう方がいるようです。

諦める前に一度スパイラルドットを試してみてください。スパイラルドットは傘の背が低く軸が短めですのでこのX19では問題なく使用できました。

 

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。

実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはJVC スパイラルドット MLサイズを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「思っていたより低音の主張があり聴きやすい」でした。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通もやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感十分で広がりがあり締りとキレは普通でベースラインは追えます。重低音の沈み込みはやや浅めから普通で余韻も控えめ。
高音は煌びやかさは控えめで曲によって中低音にやや埋もれることがあります。

中音は高音より見通しが良く低音に音がやや重なり低音過多の曲では見通しが悪く感じます。

ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなくクリアに聴こえます。

一言で云えば中低音寄りで聴き疲れのない弱ドンシャリです。

低音は比較的主張がありますが強めというほどでもなく寧ろ丁度良い感じ。高音は控えめで十分キラキラしていますが刺さりとは無縁です聴きやすく上手くまとめている印象です。

その分中音が相対的に強いかというとそうでもなく寧ろボーカルは自然な位置から聴きやすいため総じて中音域も聴きにくいことはありません。

傾向として低音≧中音>高音の関係で弱ドンシャリでありながら中音域は聴きやすく丁度良いバランスです。

5,000円のワイヤレスイヤホンとしてこれは十分な音質ではないでしょうか。

如何しても無線接続ではその性質上高音低音域の超高音や重低音がカットされてしまいます。

価格帯の上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いといわれている商品もありますが、先述した性質上の問題は変わりません。

つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、コストパフォーマンスに優れているのはどちらかというお話です。

もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか難しいですよね。

そのため、このTWS X19は低価格帯の完全ワイヤレスモデルの中でも中低音寄りの聴きやすさを備えたコスパの良いモデルと云えそうですね。

 


さてTWS X19は最新の低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの中でもコスパが良い特にiPhoneユーザーにお勧めできるイヤホンとまとめました。

手持ちのお蔵入りイヤホンはさておき、次回は先月オーダーした商品が届いていますのでこれらの商品を1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は5,000円台で買える低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2019年6月8日)amazonでの取り扱いがあり10%offクーポン(2019年6月8日執筆時)で5,000円程度で購入できるようです。AliExpressでは取り扱いを確認できていませんがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

X19

以下、イヤピJVCスパイラルドット ML使用、DAP iPhone8
高音★★☆ 
中音★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (完全ワイヤレスの利便性)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は低価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは初めての試みですね。最新技術を低価格で投入でき日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

 

Nex Audio NEX N3レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし先日発売されたNEX N3についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いにて中華イヤホン販売を展開しているNex Audio(@NexAudio)様から提供いただいております。

 

 

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NEX N3はグラフェン振動膜を採用したダイナミックドライバを3基搭載する3DDのドライバ構成で同社のセラーオリジナルモデルとなります。

これまでの低価格帯複数ドライバ搭載機は1BA+1DDや2DDを初め2BA+1DDや1BA+2DDというモデルはありましたがダイナミックドライバを3基搭載するモデルは希少で他にKinboofi KBF F60やbboooll BOT1があり発売当初こそ物珍しさから話題に挙がったものの殆ど見かけることのないマニア向けという趣が強いモデルでした。

何れも昨年夏ごろに発売されており久しぶりにマニア向けと云える3DDモデルの新作登場を期待を胸にこの記事を書いております。

 

さて間違いなくレアモデルと云えるNEX N3は3DDモデルとして注目度も高く他のKBF F60やBOT1との違いも気になるところですよね。

 

N3とそれらを比べたときに先ず目につくのがシェルの形状がF60と似ているということです。F60はそのフェイスプレートのデザインからネット上ではでんでん太鼓というニックネームを早々に冠しセラー自らもそれに呼応しでんでん太鼓と呼ぶなど特に男性受けし話題になりました。一方BOT1はシェルの形状がハートの形であることから女子受けするデザインとして贈答用に重宝された方もいらっしゃったのではないでしょうか。

それらのモデルはデザインの話題が先行する形となりましたが音質面でも実はその実力は高くF60の低音域の響きの心地よさやBOT1の3DDを感じさせないクリアで自然な音質はなかなかどうしてマニアを唸らせており特異性という面で高評価を得ていました。

今回NEX N3がF60に似たシェルのデザインでありながらフェイスプレートのデザインをがらりと変えてシックなデザインで発売されそのでんでん太鼓という男性寄りを捨て去り女性にも十分に満足できるユニセックスなデザインとなったことで改めて万人受けするモデルとして期待が持てますね。

 

N3はF60同様にmmcxコネクタが採用されていてリケーブル可能となっています。万が一の断線の際などはケーブル交換により修理が可能というのは長く使う1本としてコスパが良いですが、BOT1はリケーブル不可のためそういう面では少々不利と言わざるを得ませんね。

 

そして大事なのは音質ですがN3は特にF60と非常に酷似したシェル本体であり明らかに違うであろうBOT1とそれぞれどの様な個性を聴かせてくれるのか今回は昨年発売された3DDモデルの先述の2機種と比較をしながらまとめていきたいと思います。

 

NEX N3の納期は今回は国内amazon倉庫からの発送のため数日で届きました。やはりこういうところはamazonの強さですね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
NEX N3のスペックは3,000円以下の低価格中華イヤホンでは珍しいダイナミックドライバ3基を搭載する複数ドライバモデルです。一般的に1BA+1DDの低価格ハイブリッドモデルではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向がありました。しかし異なるドライバを複数搭載するこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは違い同じダイナミックドライバを3基並列とすることで小型のダイナミックドライバでは不利になる低音域を補うことができますし高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーもそれぞれのダイナミックドライバが全音域を鳴らすわけですので有利と云えます。それ故重要なのは並列の小型ダイナミックドライバがそれぞれの各音域のどこを重視するのかというチューニングが肝となりそうです。このチューニング次第でNEX N3が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速NEX N3のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは低価格帯のそれとは異なり装飾品の化粧箱のような青箱を基調としたケースタイプです。

 

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ケースを開けると内装は黒地でシックにな印象がありそれこそ生地も装飾品を彷彿させる肌触りでイヤホンとイヤーピース等が小袋に収納されています。

 

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付属品はイヤーピースがシリコンの材質違いの2種類の内、S、M、Lの3種セットと同Mサイズが本体取付け済みと材質違いで開口部の小さめMサイズが1セットで、他にはケーブルです。流石に低価格帯ののそれと同様の付属品となり決して豪華ではありませんが、個人的にはこの潔さは好感が持てますね。

とはいえこれまでの低価格帯とは一線を画す化粧箱となりセラーオリジナルモデルとしての力の入れようが窺えますね。


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ビルドクオリティですが、このNEX N3は他の低価格帯中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。最近では低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています。カラーバリエーションは黒のみですね。


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付属ケーブルは黒色のツイストタイプです。イヤホン側コネクタもシュア掛け前提のコネクタが採用されていますし耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがありますがワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

唯一の難点はイヤホン本体とコネクタの勘合が少し緩く、くるくる回ってしまうところですが私の個体だけかもしれませんし、音が途切れることはありませんので問題ないですね。


シェル本体はF60同様に樹脂製です。ステムノズルには金属製のメッシュフィルターがあります。

F60もそうでしたがシェル本体の形状からは想像できない程の無難な装着感で使い勝手は良さそうです。


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次に先述の3DDイヤホンとN3を比較すると全体的にBOT1よりやや小さく若干本体の厚みがありますがデザインのせいなのかコンパクトに見えます。重量はほぼ同じですが僅かにBOT1が一番重くなりますが誤差範囲ですね。ただしBOT1はステムノズルの角度がきつくこれにより耳への装着は結構個人差を感じるかもしれません。N3とF60は本当にそっくりなこともありみぃねこは付属の開口部大きめイヤピMサイズで割としっかり蓋をする形で装着感も良好です。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このように低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属品 開口部大きめのMサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音低音が主張する典型的なドンシャリ」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音が膨らみすぎて中音に重なりを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は普通からやや左右に広く感じ音の分離感は普通もやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感十分で広がりがあり締りとキレも良好でベースラインも追えます。重低音の沈み込みは深く強さと響きもあり低音の質の高さを感じます。
高音は主張があり煌びやかさは十分ですが曲によって少し重なりを感じられる場合がありますが低音に埋もれることはありません。

中音は高音低音より相対的に弱く感じるものの分離は良くボーカルを中心にその周りで存在感を示します。

ボーカルは近くも遠くもない自然な位置から聴こえクールな印象です。

一言で云えば分かりやすい典型的なドンシャリです。

高音や低音は分かりやすく感じノリの良い曲との相性は良く特に低音の表現力はかなり好印象です。

一方で中音域は相対的にやや弱く感じますが分離感は悪くなく高音域や低音域とのつながりは自然で聴きやすさがあります。

ボーカルはそのクールな感じから曲によってややかすれを感じることがあり、バラードのボーカルでは少し物足りなさを感じるかもしれません。

ですが、このN3の特徴は質感の高い低音域の表現力であり低価格帯では注目すべき存在と云えます。

それは締まりとキレを求めれば響きが抑えられる相反するものを3DDという荒業によって実現したといえ大袈裟に言えばイヤホンでヘッドホンのような低音を再現したと云えば伝わりやすいでしょうか。

F60やBOT1との比較で云えば先述の通りBOT1はN3やF60とは異なり3DDを感じさせない聴きやすさが魅力がありドンシャリ感はそれほどでもありません。F60もN3と同様に低音域の響きが心地よい音質でしたが僅かに中音域の粗さを感じます。

結果としてN3が後発としての面目躍如となりそうな印象は拭えませんが、F60の方がやや低音の主張が強めに感じますのでどれが良くて悪いということよりも度の音質傾向が好みに合うかという基準で選ぶ方が良さそうですね。

 

そして改めてN3とそれら聴き比べると高音域はF60と同様に主張が有り、中音域は明快さやボーカルはBOT1一歩譲る形。低音域はF60の方がやや響きがあり質の高さを魅せてくれます

これらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   N3 ≧ F60 ≧ BOT1

中音   BOT1 > F60 ≧ N3

低音   F60 ≧ N3 ≧ BOT1

ボーカル BOT1 > N3 ≧ F60

 

上記の通りN3はF60とほぼ同じ音質傾向でBOT1とは異なりますが、これは各メーカーのどこを狙ったのかという結果とも云えそうですね。

そしてこれらのモデルは強弱あるもののドンシャリ傾向となりますので、明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。

 

そのためN3は同じ低価格帯のなかでも高音の派手さや低音の主張を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方中音域の派手さやボーカル中心に聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてNEX N3は最近の低価格中華1BA+1DDイヤホンの高中低音域をバランス良く表現するタイプとは異なり分かりやすいドンシャリで特に低音の表現力が独特のイヤホンとまとめました。

手持ちのお蔵入りイヤホンや先月末にオーダーした商品が届きつつある中、相変わらずネタ的なレビューは書きかけで放置という状態ではありますが、いつかこれらの商品も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますのでそれらも気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。amazonではもちろんNexAudio専売で、現在(2019年6月6日)2,000円後半と3,000円を切る価格で販売されています。またAliExpressでは取り扱いを確認できていませんがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

 

N3

以下、付属ケーブル、イヤピ付属開口部大きめM使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (低音の質の高さを求める方★4)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は3DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。低価格中華イヤホンもその搭載ドライバのバリエーションが増え日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

 

Yinyoo Ashレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたYinyoo Ashについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)にて取り扱いも始まりました(2019年6月1日現在)※2019/6/2更新

 

 

 

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Yinyoo Ashは以前レビューした同社Yinyoo Proと同じ1BA+1DDのドライバ構成で(ドライバのモデルが同じという意味ではない)同社のセラーオリジナルモデルでは久しぶりの1BA+1DDハイブリッドモデルとなります。

Ashは先日のAliExpressのラマダンセールで福袋として発売されています。

ええ。もちろん何も考えずにポチりました。だってポチり芸の見せどころですからね。

 

この詳細も分からないままオーダーしたAshですが、twiter上でセラーの発売開始ツイート後少しして同セラーから画像付きでツイートされていてシェルのデザインが結構カッコ良くて同社の複数BAハイエンドモデルの様な趣が期待できそうな感じでしたが、限定200個の販売数は余り振るわなかったようですね。

 

そんな訳でレアモデルになりそうなYinyooの新作1BA+1DDハイブリッドモデルとしてAshを入手し最近発売されたKZ ZSN ProやRevoNext QT5との違いが気になるところですよね。

Ashとそれらの違いとして先ず目につくのがシェルの材質です。QT5の金属シェル(ステムノズルは樹脂)やZSN Proのシェル本体は樹脂でステムノズルとフェイスプレートが金属とは異なりAshではステムノズルのみ金属でシェル本体は樹脂となります。

デザインはざっくり言えば全体的にコンパクトにまとめたQT5、平面的なフェイスプレートと平べったいZSN Pro、よりカスタムIEMっぽいAshです。このデザインは好みがありますので一概には云えませんが見た目カスタムIEMっぽさが醸し出されているAshは個人的にカッコ良いと思いますし結構ハマりますね。

そして大事なのは音質ですが材質の違いは無視できません。

これまでレビューした本体が金属製のモデルでは本体が樹脂製と比べ高音域の響きに好印象のものが多く、本体が樹脂製の場合はステムノズルやフェイスプレートを金属製にすることで適度な響きを確保するような各社の苦労が窺えました。もちろんデザイン優先で選択する場合もあると思いますが、その場合BAの高音域が強すぎて刺さりを感じたり低音域の広がりが少なかったりと無関係とは云えないと考えています。

それを考慮し今回は敢えてYinyoo Proは比較対象とせず、本体の材質を中心に最近発売されたモデルの中から好印象だった先述の2機種を選び比較をしたいと思います。

 

Ashの納期としては5月10日にオーダーし2週間掛からずに届きました。輸送は安定のチャイナポストでしたのでやや早い~普通レベルといえます。これまでの経験上スタンダードシッピングでシンガポールポストだった時は3週間以上は掛かっていましたので変更できるならチャイナポスト(CN)に変更すると良いかもしれません。今回のセラーはチャイナポストがデフォルトのため変更しませんでしたし通常程度の日数で無事に届いていますので一安心です。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
Yinyoo Ashのスペックは3,000円以下の低価格中華イヤホンで多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯ではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でYinyoo Ashが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速Yinyoo Ashのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは以前のYinyoo Proとは異なり最近のKZ社同様の白箱を基調としたスリーブタイプです。
箱の表にはイヤホンイラストが印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の低価格中華イヤホンと同様の化粧箱ですね。

 

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スリーブを外すと内箱の中は黒字のスポンジでイヤホンとイヤーピースが収納されしっかりと固定されています。その他付属品はイヤホンが収納された台座に面した白地の小箱の中にあります。

 

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付属品はイヤーピースが軸の色違い及びシリコン材質違いの2種類がそれぞれS、M、Lの3種セットと黒軸Mサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に以前のProのように付属品は豪華ではありませんが、イヤピが2種類付属する等音質への訴求性には抜かりがありません。Yinyooモデルは低価格帯では珍しい付属品で差別化をはかり好感が持てますが、付属のイヤピは結局交換することが多いのでちょっと思うことはありますね。

とはいえ以前のProの化粧箱と異なり内箱が黒いプラの成型ケースから質感の向上を感じるほどですので全体的に低価格帯の質感の向上が窺えますね。


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ビルドクオリティですが、このYinyoo AshはKZ ZSN Pro同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。この1年ほどで低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています(某メーカーはいまだに不安がありますが敢えて書きません)。今回福袋販売のため黒色が届きました。カラーバリエーションは他にもあるようなツイートでしたがまだ販売はしていない様子で実質黒のみですね。

 

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付属ケーブルは黒色のツイストタイプです。耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがありますがワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。


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シェル本体は先述の通り樹脂製でステムノズルが金属です。ステムノズルにはメッシュフィルターはなくBAとDDそれぞれに繋がる音道管が2つあります。

シェル本体の形状から比較的装着感は良さそうです。

 

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次に先述の1BA+1DDイヤホンと比較するとQT5より大きくZSN Proより本体の厚みがありますコンパクトに見えます。重量はQT5が一番重くZSN Proとほぼ同じかやや軽い。ただしAshはステムノズルがそれらよりも細くなっていて角度もそれぞれ異なっています。これにより耳への装着は割と奥の方入れるようにする形となりみぃねこは付属イヤーピースMサイズでは抜けてくる感じがありました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

この抜けてくる感覚は付属イヤピではどうしようもなく、加えて付属品のイヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので七福神商事 丸七 長楽赤に変更し使用しています。他にはFinal Eタイプ Mサイズも好印象でした。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七 長楽赤 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音低音の主張が強いのに聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音が膨らみすぎて中音に重なりを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通もやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感多めで広がりがあり弾むような感じ。その分締りはやや緩くキレもやや弱く感じます。重低音の沈み込み十分でやや余韻もありベースラインも追いやすいです。
高音は煌びやかさは十分でやや伸びもありますが曲によってやや刺さりを感じられる場合がありますが低音に埋もれることはありません。

中音は高音低音に比べ音がやや重なり音数の多い曲では見通しが悪くボーカルの陰に隠れる感じます。

ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなく、曲によってやや近く感じます。

一言で云えば分かりやすく聴きやすいドンシャリです。

低音は主張が強めが好きな方にはハマりそうで高音もキラキラして刺さるか刺さらないかのギリギリを上手くまとめている印象です。

その分中音が相対的に弱くなり凹みを感じそうですが極端な凹みは感じませんしボーカルは聴きやすいため中音域が聴きにくいことはありません。

傾向として高音低音がしっかりしたドンシャリでありながら中音域は凹み過ぎずボーカルが高音低音に埋もれることがない上手いバランスです。

これはこれでアリな音質傾向ではないでしょうか。

このYinyoo Ashは最近の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルではあまり見かけない原点回帰ともいえるドンシャリイヤホンという印象で、RevoNext QT5やKZ ZSN Proとは違うこれぞ低価格中華イヤホンという音質傾向でありながら従来よりも聴きやすさを備えたモデルと云えそうです。

 

改めてAshとそれらを聴き比べると高音域はQT5と同様に主張が有り、中音域は明快さやボーカルはそれらに一歩譲る形。低音域はProも質の高さで魅せてくれましたがこれについてはAshの方がZSN Proよりも量感と広がりがあるため分かりやすく一般ウケし易い印象です

これらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   Ash ≧ QT5 > ZSN Pro

中音   ZSN Pro ≧ QT5 > Ash

低音   Ash ≧ ZSN Pro ≧ QT5

ボーカル QT5 ≧ ZSN Pro ≧ Ash

 

上記の通りAshはZSN ProやQT5とは音質傾向が異なりますが、これは採用されたドライバに加えシェル本体の材質によってアレンジが加えられた結果とも云えそうですね。

そしてこれらのモデルは強弱あるもののドンシャリ傾向となりますので、明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。

 

そのためAshは同じ1BA+1DDのモデルの中では高音の派手さや低音の主張を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方中音域の派手さやボーカル中心に聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてYinyoo Ashは最近の低価格中華1BA+1DDイヤホン同様の高中低音域をバランス良く表現するタイプとは異なり高音低音を重視しながら中音域を疎かにしない高バランスのドンシャリイヤホンとまとめました。

手持ちでのお蔵入りイヤホンはさておき、最近オーダーした商品もありながら、ネタ的なレビューも書きかけであるという状態ではありますが、いつかこれらの商品も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますのでそれらも気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。執筆時amazonでは取り扱いがありませんでしたが、現在(2019年6月1日)はamazonは取り扱いが始まり3,000円半ば。AliExpressでは2,000円半ばで購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

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Ash

以下、付属ケーブル、イヤピ丸七 長楽赤 M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (QT5、ZSN Proとお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD低価格中華イヤホンとしてこれが23個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019年6月1日更新。amazon取扱いを追記修正。

 

SIMGOT EM2レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のKinboofi KBF MX2やTIN HIFI T3同様に中価格帯で発売されたSIMGOT EM2についてレビューをまとめたいと思います。

今回はSIMGOT JAPAN(@SIMGOT_JAPAN)様の巡回試聴の企画に参加させていただき発売前に試聴機をお借りしました。

国内amazonでも取り扱いがあり予約を開始しています。(2019年5月18日現在)

発売は5/22を予定しているそうです。

 

https://www.amazon.co.jp/SIMGOT-Hi-Res-ハイブリッドイヤホン-ダイナミックドライバー1基%EF%BC%8BKnowles社製バランスド・アーマチュア型ドライバ1基搭載-ハイレゾ音源対応/dp/B07R4S5LW5/ref=sr_1_fkmrnull_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=SIMGOT+EM2&qid=1558172963&s=gateway&sr=8-1-fkmrnull

 

 

 

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SIMGOT EM2は同社が久しぶりに日本で正規販売するモデルで過去にはEN700 Proが記憶に新しいのではないでしょうか。このEN700 Pro発売後しばらくの間日本での正規販売は行われず、その音質の評価の高さから人気機種となり国内正規品を購入できなかった方は直接中国からAliExpress等で購入するしかなく、或いは出物の中古を狙うなど入手性に難がありました。

そして暫しの沈黙を破り満を持して日本での正規販売を再開するにあたり新製品のEM2を引っ提げて登場するという演出も往年の(失礼)ポタオデファンの中で期待に満ちている訳ですね。

このEM2は以前レビューした中価格帯のTIN HIFI T3やKinboofi KBF MX2と同様の1BA+1DDのドライバ構成です。特にKBF MX2はEM2同様にKnowlesのBAを採用しているとのことで期待が膨らみます。ただしEM2のBAはKnowlesのフルレンジらしくDDとカバーする音域がどのように異なっているのかその役割分担に興味がありますし聴いてみたかったんですよね。

 

そんな訳で今回SIMGOT JAPANの巡回試聴の企画に参加することで国内発売前のモデルを試聴できたことを光栄に思いますしこの場を借りてお礼を申し上げます。

 

さてEM2ですが先述の通り中価格帯の手持ちで直接バッティングするのはKBF MX2となりますが価格帯は少し下のTIN HIFI T3も比較対象として相応と考えています。特にKBF MX2とは価格帯がA10,000となるため直接の競合相手と云えます。そのため今回はA10KのMX2やT3との音質傾向にどのような違いがあるのか気になるところですね。

 

EM2の納期としては国内amazonマーケットプレイス扱いではありますが国内amazon倉庫からの発送ということもありプライム会員であればほぼ翌日には手元に届きますし、何よりamazonの手厚い返品保証制度によりユーザーファーストが保たれているのは心強いですよね。尤もSIMGOT社の製品ではそのような心配も稀有となりそうですが(笑)。

 

 
EM2のスペックはA10Kの中価格帯中華イヤホンでは珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。それもその筈、昨年夏頃まではA10K以上のモデルでは3ドライバ以上の多ドラハイブリッドや複数BAモデルが主流でありそもそも少し安価なモデルでもA15K以上が殆どでした。

それが昨年秋からA10Kの。もっと云えばU15Kで評価の高い多ドラハイブリッドモデルを各社が販売し中心となっています(4BA+2DDとかね)。寧ろこの価格帯では複数BAモデルの限界なのか新製品を見かけなくなりましたね。

EM2はそんな中で1BA+1DDとドライバ数では見劣りするモデルとなってしまいますが、それを敢えて投入する訳ですからメーカーの自信が窺えますし実際ドライバ数よりもチューニングが肝要ということは周知の事実でもありますので、、。

2ドライバハイブリッドの場合、一般的にはその構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させ3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなる傾向がありどの音域を重視するかによって音質に影響がでやすく2ドライバが不利となりますが、3ドライバ以上の構成なら中音域専用にドライバを一つ担当させることで補うことが可能となります。しかし先述の通りEM2はKnowlesのフルレンジBAを採用しDDとのクロスオーバーの谷を感じさせないようにすることでその弱点をつぶしてきました。

これは比較的性能が高く高価なKnowlesのBAによって安定した高音中音低音域のつながりを得るために必要なコストだったのかもしれませんね。

そしてこのチューニング次第でEM2が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、BAにKnowlesを採用する構成はMX2やT3も同様ですので、これは否が応でも期待したくなりますよね。

 

それでは、早速SIMGOT EM2のレビューを以下、まとめていきます。


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※画像のバーコード部は白塗りしています

パッケージングは黒箱を基調としたシックな化粧箱です。

表にはイヤホンイラストがプリントされ日本で正規販売するならコレはマストなHi-ResマークとさりげないKnowlesの文字が。

裏にはスペック等が記載されています。

 

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内箱を取り出すと表面にシボ加工された黒を基調とする高級感漂う箱にロゴとEMシリーズの文字が。到底イヤホンの箱とは想像がつかない雰囲気があります。

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内箱の蓋を開けると内装がこれまた黒を基調としイヤホンとイヤホンケースが収納されています。これの何がすごいって蓋の内側にも内装が貼ってありちゃんと保護しているところです。中価格帯でも中々無いですよ、これ。

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真っ先に飛び込んでくるのがシェルの綺麗さですが、なかなかどうしてイヤホンケースの存在感もかなりのものです。

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イヤホンを固定していた内装を取りだすとケーブルとマニュアル、シュア掛け解説、オーナー登録カードがあります。

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イヤーピースはイヤホンケースの中に収納されています。

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このイヤホンケース、、レザーですよ。ロゴ入りで。PUじゃないです。コストかかっていますしレザーって使い込むことで味が出るというか持主に馴染むところがあって所有欲が満たされるんですよね。(ウォレットは革を使っています)

 

開封しながら既に格の違いを見せつけられた形になりましたが、これイヤホンの箱だよね?と疑うほどの一見してイヤホンの箱とは思いつかないようなお洒落な化粧箱です。この辺りは流石SIMGOT、低価格帯とは違い所有欲を満たしてくれますね。

 

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セット。開口部が大きめと小さめのタイプがあり、開口部大きめが中高音寄りに。小さめが低音寄りにできるようです。他にケーブル、ケーブル取付済みのケーブルバンド、レザーケースです。化粧箱や付属品も使用を想定し意図したものを付属させるなど豪華でコストかけすぎかなと受け取れますが、SIMGOT社の音質へのこだわりとユーザーファーストを感じられ好意的に受け取れます。中価格帯ともなればやはり付属品を豪華に充実させた方が購買層に訴えかけやすいというマーケティングの結果のような気もします。


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ビルドクオリティですが、このEM2は非常に綺麗な仕上りで特に特徴的なフェイスプレートは金属と樹脂の複合体で加工技術の高さを感じます。どちらかのサイズが少しでも違えば隙間ができたり嵌らなかったりと製造現場は結構苦労するものですが、敢えてこの形にすることで求める音質に妥協しない姿には感服します。正直日本ならだれでも簡単に組み立てられるような造形を重視し妥協をしてしまう価格帯でもありますので(日本の製造業の強さでもある)。

 

閑話休題

フェイスプレートのデザインは特徴的ではありますが全体のシェルの造形を見ればいたってシンプルな装着感の良さそうなデザインです。こういうところの遊び心は個人的にツボでございます。そして現物は中国製を感じさせない丁寧な造りで品質にもコストをかけているんだなと実感しますし流石の中価格帯です。安心して購入できるのではと思います。

カラーバリエーションは5色展開で薄紫、ピンク、薄緑、透明クリア、黒クリアです。今回試聴機でお借りしたのは薄緑となっています。


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付属ケーブルは4芯の細いタイプとなりますが上質な線材を使用しているようで採用された3.5mmプラグや2ピンコネクタ、スライダー等、コストがかかっていることが分かります。低価格帯のリケーブル前提とは違いますし付属品で十分満足できますよというメーカーの自信が伝わりますよね。凡そ中価格帯でも付属ケーブルはコストカットの対象になりやすく最低限のものが付属していたりしますがEM2ではここにもコストを掛けていることが分かります。ただし2ピンコネクタがカバーで覆われて且つ凹凸による嵌め合いの特殊形状のためリケーブルの際には少し注意が必要ですね。

また2ピンコネクタ付近にはシュア掛け用のチューブ加工がされているため耳への装着性は個人差があるかもしれません。実際みぃねこはこのチューブ加工が耳に合わず装着したイヤホンが浮いてきて外れるという少し残念な結果となっていますが、多くの方は使用感も悪くないのではないでしょうか。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは中価格帯でも交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できますし本体色のクリアカラーとも相まって質感が高く嬉しいですね。

 

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シェルの大きさはMX2やT3と比較した場合にMX2よりも小さく、T3より大きくなります。
シェルの重量は樹脂がベースとなりフェイスプレートに一部金属が使用されているため比較的重量はありますがMX2やT3と比較してもやや軽いくらいです。ただし先述の通り付属ケーブルのシュア掛けチューブ加工により装着感今一つで付属イヤピでその装着感や音質的にも十分のはずが借り物にリケーブルのリスクは取りたくないので今回はイヤピでしっかりと固定させるために手持ちのイヤピを色々試し最終的にAET06でしっかりと耳に収められ音質的にも納得することができました。個人的に付属のイヤピの開口部小さめが気に入っておりましたが残念です。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じる場合、手持ちのイヤピに交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

※今回は付属ケーブルがネックでしたが

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回のMX2、T3同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET06 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音がクリアで低音もしっかりしていて聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや広めで音の分離感は良好で中音域の小さの音が埋もれずに聴こえます。
低音は量感は十分で適度な広がりもあり締りとキレがあり芯を感じます。重低音の表現力として深く沈み込みベースラインも追いやすい質の高さを感じます。
高音は煌びやかさと伸びを感じますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありませんが、前に出すぎない絶妙のバランスです。シンバルも低価格帯のシャンではなくシャ~ンとちゃんと聴こえます。左右でパンした際のそれぞれの音の響きも十分に感じることができます。

中音はクリアでありながら存在感を示しボーカルを邪魔しません。

そのボーカルは近くも遠くもなく適度な距離感で聴きやすく音の中心にいて自然ななめらかさと伸びやかさがあります。

傾向を一言で云えばややドンシャリですが質の高い低音に支えられたクリアな中高音が心地よいバランスの音質であり音楽を楽しく聴くという目的に対し最適解を提示された

と感じます。

これは先日レビューしたMX2の全音域を明快に鳴らす中低音寄りのややドンシャリやT3のすっきりクリアな中高音域の中高音寄りのややドンシャリとは異なり一聴して非常にわかりやすく聴きやすい音質傾向です。これはそれらの様に特にこの音域を重視し誇張した音作りではなく音楽そのものを楽しく聴くってこういうことだよねと、ユーザーと共有しようとしている、そんな印象を持ちました。

EM2の音作りはMX2やT3とは違っていてそれらが良い悪いではなく、聴く方の嗜好を寧ろ万人向けにしたような音というと伝わりやすいでしょうか。

この様に低価格帯と異なり中価格帯ではバランスを重視したチューニングというのを感じられます。それ故に同じリスニング向けのイヤホンとしてMX2やT3では突き抜けてはいないながらも個性を感じることができましたがEM2では無個性と云えるようなチューニングと感じます。しかしながらこの無個性は聴いてみてつまらない音ということではなく、実は相当難しい、オールラウンドに使えるという最大の個性と云えるのではないでしょうか。

 

 

まとめとしてEM21BA+1DDのモデルでありながら多ドラハイブリッドを含めたA10000-U15000の中でも上位の仕上がりと云えそうなモデルでありとにかく音楽を楽しく聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方とにかく音の派手さや強い個性を求める方からは評価が分かれることになりそうです。


さてSIMGOT EM2は最近の中価格帯中華イヤホンの中で音楽を楽しく聴くことができるイヤホンなのでお勧めできるとまとめました。

手持ちではお蔵入りしたイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA10K-U15K以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonにて12,800円で予約受付中です。これまでの低価格帯と違い少々価格が上がり中価格帯の実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますのでちょっと良いイヤホンを中価格帯の中華イヤホンから購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実の国内amazonでの購入も検討してみてくださいね。

 

EM2

以下、付属ケーブル、イヤピAET06 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。1BA+1DDの中価格中華イヤホンとしてはこれが4個目となります。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Kinboofi KB EAR F1レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし、番外編として前回予告通り先日発売されたのKinboofi KB EAR F1についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いとして販売をしているNex Audio(@NexAudio)様よりご提供いただきました。

もちろん国内amazonでKinboofi(@kinboofi)でも取り扱いがありますがどちらも在庫切れのようです。(2019年5月18日現在)

 

 

 

https://www.amazon.co.jp/バランスド・アーマチュア1基搭載-カナル型イヤホン-細部表現重視-バランス良い-天然樹脂ハウジング/dp/B07RHM9PCS/ref=sr_1_fkmrnull_8?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=kb+ear+f1&qid=1558246888&s=gateway&sr=8-8-fkmrnull

 

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※在庫復活時にリンク修正等をおこないます 

 

KB EAR F1は前回レビューしたKB EAR OPALと同時発売されたKB EARシリーズで国内amazonマーケットプレイス扱いで中華イヤホン販売を展開しているKinboofi社のセラーオリジナルモデルです。Kinboofi社といえば先日レビューした中価格帯KBF MX2や高価格帯のKBF MK4という評価の高いモデルに続き低価格帯に満を持して投入された1DDドライバ構成のモデルOPALとは異なるドライバ構成で1BAモデルとなります。こちらのモデルもKinboofi社での販売と同時に国内amazonで中華イヤホン販売を展開していたNex Audio社でも取り扱いを始めています。OPAL同様に併売を始めた経緯等は不明ですが、購入先の選択肢が増えるということは競争にも繋がり結果、ユーザーメリットに繋がる訳で喜ばしいことと一中華イヤホンのファンとして嬉しい限りですね。

国内amazonマーケットプレイス扱いとして中華イヤホン販売を手掛けるNex Audioでは他にもKZ社のイヤホン等多数の取り扱いがり、twiter上での担当者のフォロワーとの気さくなやり取りは時に日本文化への理解を感じられ好感を持ちます。販売としてはまだまだこれからというセラーという印象ですが、KZ ZSN ProやCCA CA4等の手堅いラインナップが日本での成功を得るために戦略的に知名度を上げる作戦が功を奏していると感じます。なによりKinboofiのtwiter担当者も同様ですが両者共に日本語が非常に上手で世界でもかなり難解な日本語を理解できるというのは日本の文化を理解していなければ成しえない話で、その努力には個人的に敬意を表してしまいます。

KB EAR F1と同時発売で前回レビューしたKB EAR OPALという1DDドライバ構成のモデルがあり、低価格帯に1DDと1BAモデルの新製品を2つ同時に投入するという非常に戦略的な販売計画を展開しており、特にこれまで中価格帯及び高価格帯の中でもセラーオリジナルモデルとして評価が高かったKinboofiブランド製品をその一手に選んだNex AudioがKinboofiとの協業のような形でKinboofi社の低価格帯への進出とマーケットの拡大を意図するNex Audio社との利害が一致したのではないかと邪推しておりますが、真意は不明ですのでその辺りはご了承ください。

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KB EAR F1は先述の通り1BAドライバのモデルで搭載するドライバはBlessing製32257となり一般的に1BAのフルレンジでは低音域に弱々しさを感じやすくDDのような低音は望むべくもありません。

ですがこちらも同シリーズのOPAL同様に1BAのみ故の各音域のつながりの良さを期待できますし中高音域のクリアさはDDの高級機に匹敵するのではと期待が高まりますね。

手持ちではElecom AQUAやEARNiNE EN120がありこちらは購入時価格がA5Kと少々高めの価格帯ではありますがどちらも評価の高いモデルとなります。対してF1の方が3.5Kと安価となりそれらと比較し音質にどのような違いがあるのか気になりますよね。

尤も他に手持ちでSONY XBA-C10やオーディオテクニカ ATH-CKB50もありますが、今となっては古いモデルとなり失礼ながら投げ売りの入手時の価格ではこちらとほぼ同じ価格のため比較対象に少し悩みましたが、やはりそれらの発売当時の価格がA5Kだったことを考慮し特に評価の高い先の2つのモデルとしたいと思います。

そういう意味ではこのKB EAR F1は国内amazonで3,500円と非常に安価に1BAモデルを購入できるため驚異のコストパフォーマンスと云えそうです。

逆に云えば低価格中華イヤホンとして1BAモデルが3.5Kと高価とも云えますが、そもそも1BAモデルはその音作りが先述の通り難しく、あちらを立てればこちらが立たずと国内メーカー製でっあってもその傾向は変わりません。数万円の高級機であれば変わってくるようですが土俵が違いすぎます。そんな訳で今や国内メーカーも殆ど手を出さない低価格1BAモデルを試してみたい、聴いてみたい方には手が届きやすくお求めやすい価格ですので無試聴で取敢えず1本買っとくかというノリでお買い物もアリではないでしょうか。

 

 

KB EAR F1のスペックはA3Kの低価格帯中華イヤホンでは珍しい1BAのみとシンプルなドライバ構成です。これまでレビューした3K前後の低価格帯では1BA+1DDのハイブリッドが多くKZ ZSN Pro等を以前レビューしていますが、前回のOPALでは1DDを。このF1ではBlessing製フルレンジBAのドライバを採用し差別化を図っています。

実際1BA+1DDのハイブリッド方式ではカバーできる帯域も広くすることができますし、ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させることで高音域と低音域を疎かにすることがなく有利となりますが、高音低音の間の中音域で各ドライバの守備範囲をクロスオーバーさせるため何処を重視するかによって音質に影響がでやすくこの点では2ドライバが不利となりますが、1DD同様に1BAでもそのシンプルな構成故に各音域のつながりは自然で且つなめらかさを持たせられ多ドラで感じる各音域のつながりの不自然さが発生しにくい利点があります。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり特に1BAのみでは高音と低音が疎かになりやすいため、この高音と低音域のチューニングがポイントになります。端的に云えば中音域はもとより高音と低音のどちらの音域を重視するのか、はたまた多少中音域を犠牲にしてでも全音域をバランスよく鳴らすのかがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でF1が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、中華1BAモデルの可能性に期待したくなるというのが私のミーハーたるところですね。

 

それでは、早速KB EAR F1のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは黒を基調としたスリーブタイプで表にイヤホンのイラストが。裏面にはスペック等が記載された化粧箱です。

 

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スリーブを外すと黒地の内装にイヤホンとイヤーピースが収納され白地の内箱とのコントラストが特徴的です。

内箱下部に付属品が収納された小箱がありその中にはケーブルとイヤーピースがもう1セットあります。

 

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イヤーピースはシリコンのS、M、Lの3種各2セット。Mサイズが本体取り付け済みで内、1セットはKZで付属するタイプで、他はケーブルです。他の低価格帯と同様の付属品の構成ですがOPALとは異なるタイプのケーブルが付属しています。イヤーピースが素材の違うタイプが2種付属し好みで選べるのは嬉しいですよね。まあ低価格帯では化粧箱や付属品にコストかけないという潔さは個人的に嫌いではありませんけど。


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ビルドクオリティですが、このF1は低価格帯で心配される雑な部分を多少感じるところもありますが何れも音質には影響のない部分ですので私は気にならないですね。

そして特徴的なシェル形状は樹脂製でフェイスプレートという概念が無い一般的な所謂「イヤホン」というデザインです。とは云え円筒型ではなく四角く角張ったデザインのためにやはり特徴的と云えそうですね。黒色のシェルは意外に透明度が高く上の方でドライバ刻印画像を添付しているとおり中が透けて見えたり光に反射したりと非常に綺麗です。個人的に好きなデザインですがこの辺りは好みがありますよね。 

カラーバリエーションは2種あり茶色(というかあめ色というか)と黒色です。


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付属ケーブルは銀色の編込みタイプでmmcxコネクタを採用しリケーブルが可能となっています。この付属ケーブルでちょっと困ったのが左右が判りにくいこと。コネクタ部に一応LRのマークがありますがコネクタ部に右とわかりやすく赤色のワンポイントがあっても良かったかなぁと。また本体も左右が判らない。取り合えずロゴが正面から見えるように左右を分けて使用しています。(誰か正解教えてください)

 

またストレート使用でもシュア掛けでも使用できるようにチューブ加工はありませんので好みに応じて使い分けができますね。

本体の形状から耳への装着性はイヤーピースに依存していますが付属のイヤピでも悪くありません。肝心の使用感もストレートで使用しても悪くなく少し左右イヤホンへの分岐からが長いように感じますが個人的には問題ないですし全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯の交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できるのが嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通り特徴的なデザインとなります。形状は比較用にElecom AQUAとEARNiNE EN120を用意しならべてみるとF1はそれらより圧倒的にコンパクトになっています。

シェル本体は樹脂製でステムが金属となりますがそれらが金属シェルを採用していることもあり圧倒的に重量は軽く装着感はそれらよりも良好です。ただし付属イヤピでも装着感は良好でしたが高音と低音が少し実力を発揮されていないような印象があり手持ちのAET07で浅めに蓋をする装着で納得がいく音になりました。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、アンバランス直挿しです。

以前のKZ ZSN Pro等同様に低価格帯イヤホンではスマホ直挿しでの使用も想定して相応のDAPということでShanling M0を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sでも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域がすっきりクリアで聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感も普通です。ですが箱出しから十分にBAの音のクリア感と相まって特に中音域の透明感を感じますね。
ボーカルはやや遠く感じることがありますが普通程度で中音域の音が邪魔をすることはありませんし不自然さも感じません。
低音は量感は少なく広がりも少なめですがBAとして適度な締りとキレがあります。重低音の表現力は流石に分が悪く沈み込みもそれほどありませんが1BAとしては良好でベースラインは追いやすく感じます。
高音は中音同様にクリアで煌びやかさが十分ありますが1BA+1DD機のような主張はなく控えめ。伸びは普通も中低音に埋もれることはありません。

中音は特にクリアでボーカルを中心に左右の音も埋もれることなく聴こえ高音と低音域の自然なつながりを感じます。これはフルレンジ1BAの最大のメリットですよね。

傾向として一言で云えばやや中低音寄りのフラットと感じます。

中低音寄りといっても誇張された低音ということではなく、1BA機としては低音も疎かにしていないといった方が伝わりやすいでしょうか。1BA機として十分に質の高い低音を表現できていますし、なんといってもF1の最大の特徴は中音域のクリア感だと思います。これは前回レビューした1DD機のOPALやこれまでにレビューした低価格1BA+1DDハイブリッドでは勝るものがない感じですね。

 

この様にF1の音作りは低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、国産低価格低の1DD機にありがちな低音域だけ強調させ重低音を売りにしたものとも違います。

やはり国内メーカーの1BA機同様に中音域を中心とした音作りと云えそうです。一方AQUAの様にKnowlesを採用し低音を捨て中高音寄りでその透き通る中高音域を極めるもよし。EN120の様にオリジナルBAで低音を諦めず結果1BA機の名機という評価を得るなどメーカー各社の個性がありますのでどれが一番というのは異なると考えています。そのため一つ言えるのはこのKB EAR F1はその名機たちに肩を並べることができるほどの実力を見せてくれているということです。

このF1はそれらのモデルの音質傾向と比べると丁度中間と云えそうでリケーブルが可能という最大のアドバンテージがありますので、もしどちらもお持ちの方は購入して比較してみるのも一興ではないでしょうか。そのぐらいインパクトがあるモデルが低価格帯で登場したと云えそうですね。

 

 

まとめとしてKB EAR F1は同じ低価格帯の1BA+1DDのモデルとは異なるベクトルの寧ろ競合というよりニッチなリスニングモデルとして他にはない特徴を持つ仕上がりと云え、強いて云えば国産1DDのFinal E1000に方向性が近いと感じ音楽を中音域やボーカル中心に聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方ドンシャリ好きで1BA+1DDの音が好きな方からは評価が分かれることになりそうです。

 

 


さてKB EAR F1は最近の低価格帯中華イヤホン、もっと云えば国内メーカーを含めても珍しい1BAモデルでBAの空気感が好きな方には堪らない音楽をクリアに心地よくリスニングできるイヤホンで1BAの音作りが好きという方にはお勧めとまとめました。

手持ちでは相変わらずお蔵入りしたイヤホンがありますが、まあ、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA3K、3,000円半ばで買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで3,000円半ばと1BA+1DDモデルが購入できる価格帯ですが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて1BAモデルが少しでも気になった方は安心確実の国内amazonにて購入を検討してみてくださいね。

 

F1

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (1BA+1DDの音作りが好きな方★2)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BAの低価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。次回は中価格帯で発売前のアレをレビューしてみたいと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ