こんにちは。
今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたYinyoo Ashについてレビューをまとめたいと思います。
今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。
国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)にて取り扱いも始まりました(2019年6月1日現在)※2019/6/2更新
Yinyoo ASH イヤモニ型 イヤホン 高解像度 高遮音性を追求 1DD+1BA搭載 ハイブリッドイヤホン リケーブルが可能 (ブラック)
- 出版社/メーカー: Yinyoo
- メディア: エレクトロニクス
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Yinyoo Ashは以前レビューした同社Yinyoo Proと同じ1BA+1DDのドライバ構成で(ドライバのモデルが同じという意味ではない)同社のセラーオリジナルモデルでは久しぶりの1BA+1DDハイブリッドモデルとなります。
Ashは先日のAliExpressのラマダンセールで福袋として発売されています。
ええ。もちろん何も考えずにポチりました。だってポチり芸の見せどころですからね。
この詳細も分からないままオーダーしたAshですが、twiter上でセラーの発売開始ツイート後少しして同セラーから画像付きでツイートされていてシェルのデザインが結構カッコ良くて同社の複数BAハイエンドモデルの様な趣が期待できそうな感じでしたが、限定200個の販売数は余り振るわなかったようですね。
そんな訳でレアモデルになりそうなYinyooの新作1BA+1DDハイブリッドモデルとしてAshを入手し最近発売されたKZ ZSN ProやRevoNext QT5との違いが気になるところですよね。
Ashとそれらの違いとして先ず目につくのがシェルの材質です。QT5の金属シェル(ステムノズルは樹脂)やZSN Proのシェル本体は樹脂でステムノズルとフェイスプレートが金属とは異なりAshではステムノズルのみ金属でシェル本体は樹脂となります。
デザインはざっくり言えば全体的にコンパクトにまとめたQT5、平面的なフェイスプレートと平べったいZSN Pro、よりカスタムIEMっぽいAshです。このデザインは好みがありますので一概には云えませんが見た目カスタムIEMっぽさが醸し出されているAshは個人的にカッコ良いと思いますし結構ハマりますね。
そして大事なのは音質ですが材質の違いは無視できません。
これまでレビューした本体が金属製のモデルでは本体が樹脂製と比べ高音域の響きに好印象のものが多く、本体が樹脂製の場合はステムノズルやフェイスプレートを金属製にすることで適度な響きを確保するような各社の苦労が窺えました。もちろんデザイン優先で選択する場合もあると思いますが、その場合BAの高音域が強すぎて刺さりを感じたり低音域の広がりが少なかったりと無関係とは云えないと考えています。
それを考慮し今回は敢えてYinyoo Proは比較対象とせず、本体の材質を中心に最近発売されたモデルの中から好印象だった先述の2機種を選び比較をしたいと思います。
Ashの納期としては5月10日にオーダーし2週間掛からずに届きました。輸送は安定のチャイナポストでしたのでやや早い~普通レベルといえます。これまでの経験上スタンダードシッピングでシンガポールポストだった時は3週間以上は掛かっていましたので変更できるならチャイナポスト(CN)に変更すると良いかもしれません。今回のセラーはチャイナポストがデフォルトのため変更しませんでしたし通常程度の日数で無事に届いていますので一安心です。
そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
Yinyoo Ashのスペックは3,000円以下の低価格中華イヤホンで多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯ではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でYinyoo Ashが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。
それでは、早速Yinyoo Ashのレビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは以前のYinyoo Proとは異なり最近のKZ社同様の白箱を基調としたスリーブタイプです。
箱の表にはイヤホンイラストが印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の低価格中華イヤホンと同様の化粧箱ですね。
スリーブを外すと内箱の中は黒字のスポンジでイヤホンとイヤーピースが収納されしっかりと固定されています。その他付属品はイヤホンが収納された台座に面した白地の小箱の中にあります。
付属品はイヤーピースが軸の色違い及びシリコン材質違いの2種類がそれぞれS、M、Lの3種セットと黒軸Mサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に以前のProのように付属品は豪華ではありませんが、イヤピが2種類付属する等音質への訴求性には抜かりがありません。Yinyooモデルは低価格帯では珍しい付属品で差別化をはかり好感が持てますが、付属のイヤピは結局交換することが多いのでちょっと思うことはありますね。
とはいえ以前のProの化粧箱と異なり内箱が黒いプラの成型ケースから質感の向上を感じるほどですので全体的に低価格帯の質感の向上が窺えますね。
ビルドクオリティですが、このYinyoo AshはKZ ZSN Pro同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。この1年ほどで低価格帯の製品も安心して購入できるようになったのではと感じています(某メーカーはいまだに不安がありますが敢えて書きません)。今回福袋販売のため黒色が届きました。カラーバリエーションは他にもあるようなツイートでしたがまだ販売はしていない様子で実質黒のみですね。
付属ケーブルは黒色のツイストタイプです。耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがありますがワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。
シェル本体は先述の通り樹脂製でステムノズルが金属です。ステムノズルにはメッシュフィルターはなくBAとDDそれぞれに繋がる音道管が2つあります。
シェル本体の形状から比較的装着感は良さそうです。
次に先述の1BA+1DDイヤホンと比較するとQT5より大きくZSN Proより本体の厚みがありますコンパクトに見えます。重量はQT5が一番重くZSN Proとほぼ同じかやや軽い。ただしAshはステムノズルがそれらよりも細くなっていて角度もそれぞれ異なっています。これにより耳への装着は割と奥の方入れるようにする形となりみぃねこは付属イヤーピースMサイズでは抜けてくる感じがありました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。
この抜けてくる感覚は付属イヤピではどうしようもなく、加えて付属品のイヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので七福神商事 丸七 長楽赤に変更し使用しています。他にはFinal Eタイプ Mサイズも好印象でした。
これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。
これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七 長楽赤 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象は「高音低音の主張が強いのに聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音が膨らみすぎて中音に重なりを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通もやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感多めで広がりがあり弾むような感じ。その分締りはやや緩くキレもやや弱く感じます。重低音の沈み込み十分でやや余韻もありベースラインも追いやすいです。
高音は煌びやかさは十分でやや伸びもありますが曲によってやや刺さりを感じられる場合がありますが低音に埋もれることはありません。
中音は高音低音に比べ音がやや重なり音数の多い曲では見通しが悪くボーカルの陰に隠れる感じます。
ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなく、曲によってやや近く感じます。
一言で云えば分かりやすく聴きやすいドンシャリです。
低音は主張が強めが好きな方にはハマりそうで高音もキラキラして刺さるか刺さらないかのギリギリを上手くまとめている印象です。
その分中音が相対的に弱くなり凹みを感じそうですが極端な凹みは感じませんしボーカルは聴きやすいため中音域が聴きにくいことはありません。
傾向として高音低音がしっかりしたドンシャリでありながら中音域は凹み過ぎずボーカルが高音低音に埋もれることがない上手いバランスです。
これはこれでアリな音質傾向ではないでしょうか。
このYinyoo Ashは最近の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルではあまり見かけない原点回帰ともいえるドンシャリイヤホンという印象で、RevoNext QT5やKZ ZSN Proとは違うこれぞ低価格中華イヤホンという音質傾向でありながら従来よりも聴きやすさを備えたモデルと云えそうです。
改めてAshとそれらを聴き比べると高音域はQT5と同様に主張が有り、中音域は明快さやボーカルはそれらに一歩譲る形。低音域はProも質の高さで魅せてくれましたがこれについてはAshの方がZSN Proよりも量感と広がりがあるため分かりやすく一般ウケし易い印象です。
これらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。
高音 Ash ≧ QT5 > ZSN Pro
中音 ZSN Pro ≧ QT5 > Ash
低音 Ash ≧ ZSN Pro ≧ QT5
ボーカル QT5 ≧ ZSN Pro ≧ Ash
上記の通りAshはZSN ProやQT5とは音質傾向が異なりますが、これは採用されたドライバに加えシェル本体の材質によってアレンジが加えられた結果とも云えそうですね。
そしてこれらのモデルは強弱あるもののドンシャリ傾向となりますので、明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解と云えそうですね。
そのためAshは同じ1BA+1DDのモデルの中では高音の派手さや低音の主張を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方中音域の派手さやボーカル中心に聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。
さてYinyoo Ashは最近の低価格中華1BA+1DDイヤホン同様の高中低音域をバランス良く表現するタイプとは異なり高音低音を重視しながら中音域を疎かにしない高バランスのドンシャリイヤホンとまとめました。
手持ちでのお蔵入りイヤホンはさておき、最近オーダーした商品もありながら、ネタ的なレビューも書きかけであるという状態ではありますが、いつかこれらの商品も1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますのでそれらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。執筆時amazonでは取り扱いがありませんでしたが、現在(2019年6月1日)はamazonは取り扱いが始まり3,000円半ば。AliExpressでは2,000円半ばで購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
Ash
以下、付属ケーブル、イヤピ丸七 長楽赤 M使用、DAP M0
高音★★★☆
中音★★★
低音★★★★
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (QT5、ZSN Proとお好みで)
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD低価格中華イヤホンとしてこれが23個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。
今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
※2019年6月1日更新。amazon取扱いを追記修正。