こんにちは。
今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし先日発売されたNex Q70についてレビューをまとめたいと思います。
今回は国内amazonのマーケットプレイス扱いにて中華イヤホン販売を展開しているNex Audio(@NexAudio)から購入しました。
Nex Q70は以前レビューしたTWS X19と同様のイヤホン本体とプレイヤーを無線電波によってケーブルを介さずにワイヤレスで接続し、更にイヤホンの左右がケーブルで繋がれていない左右完全独立タイプのワイヤレスイヤホンとなります。
左右独立タイプの完全ワイヤレスイヤホンはこれまでにも発売されていましたが今年に入り安価でありながら実用性能が十分なモデルが発売され前回レビューしたX19もその一例と云えます。
実際、昨年くらいまでは安価なものは使用時間や無線性能等の実用性能で不十分なものが多く、やはり実用性能に比例して高価になることと、種類も少なく選択肢が少ないのが現状で、比較的安価に手に入るのが左右がケーブルで繋がったネックバンドタイプでした。こちらは価格も2,000円台程度から実用性能も十分なものを選択することができますが、その価格差は小さく最早完全ワイヤレスタイプの時代と云っても過言ではありませんね。
かくいうみぃねこは前回レビューしたX19を平日は通勤時に使用し、更に休日には取敢えず鞄にいれて持ち出すというお気に入りぶりで、もうイヤホン左右が繋がったネックバンドタイプには戻れそうもありません。
※気になる方は以前の記事も併せてご参考ください
そんなとき、このNex Q70がX19よりも高性能チップを搭載し発売されたことを知り、X19よりも価格帯は少し上になりますが完全ワイヤレスの進化を試してみたくなるいつもの悪い癖がでちゃうのも仕方がないですよね(笑)。
Nex Q70の納期は国内amazon倉庫からの発送でしたのでオーダーから数日で届きました。このあたりは安心確実の国内amazonというところですね。
そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
それではNex Q70のスペックを詳しく見ていきます。
■主要スペック(amazon当該ページ抜粋)
- ダイナミックドライバ 1基(左右各1基)
- Bluetoothバージョン 5.0
- プロファイル HSP/HFP/A2DP/AVRCP
- 通信距離 約10m
- QCC3020チップ搭載
- コーデック apt-X、AAC、SBC
- IPX7防水仕様
- 本体バッテリー容量 55mAh
- ケースバッテリー容量 360mAh
- 待機時間 約15時間
- 音楽再生 約8時間
- イヤホン本体重量 片側約4.5g
- ケース重量 約60g
- イヤホンサイズ 約50x17x25mm
- ケースサイズ 約75x36x36mm
Nex Q70は5,000円以上10,000円未満の中価格完全ワイヤレス中華イヤホンの殆どで採用されている1DDのシンプルなドライバ構成です。
Bluetoothはバージョン5.0を採用し通信安定性の向上や省電力化によりリビングにiPhoneを置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることなく、屋外での使用では駅構内等でも殆ど途切れることなく6、7時間程度の連続使用ができましたが公証よりはやや短め。これは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。
尤もiPhoneとの無線接続の際にはAACで接続することができますのでSBC接続時より高音質で音楽を聴くことができましたが、他のBluetoothイヤホンはShanling M0等でaptX接続を使用していますが、経験上先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありますのでAACで接続できるiPhoneとの親和性は高いですね。
加えて実用的で嬉しいのは少々の雨の日でも全く気にせず、そしてスペック上はシャワーを浴びながらでも使用できる防水仕様です。
使用時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象としてはほぼスペック通りといえますが、私の環境では音楽再生は少し短く7時間程度といったところでした。家で映画を観たり通勤往復でも十分ですが、会社についたらケースに入れれば自動的に充電されますので問題ないです。実際のところメーカー公証時間とユーザーの実行時間としてこれは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えますね。
イヤホンの充電はケースに入れると始まります。Q70ではX19よりバッテリー容量が増えていますが、こちらは使用した時間にもよりますが数分から数十分程度で完了します。
ケースの充電は残量によりますが1時間から3時間かからない程度で完了しますし、一度フル充電しておけばイヤホン本体をバッテリローから3回充電できました。そしてX19では少し残念だったケースの充電残量はQ70ではケースのLEDにより残量が分かります。これはQ70のメリットの一つですね。
更にもう一つ。ケースの充電はUSBタイプCが採用されていますので、利便性が向上しています。充電は一般的なUSBタイプの5V1A仕様が適合していますので、携帯用の充電器やPC等で充電可能です。
イヤホン本体はりんごマークのメーカー同様に本体から棒状に伸びていますが比較的コンパクトになっておりX19の様に耳の中に収めるというよりは耳に引っ掛けるタイプのため耳の小さな女性やお子様にもイヤーピースを合わせられれば使用することができそうです。もちろん複数BAドライバ搭載のイヤホン等よりコンパクトになっていますので、それほど問題に感じないと思います。
■初回ペアリング方法(iPhone iOS12.2で検証済)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- (充電済みの)イヤホン右をケースから取り出す。(右がホストです)
- 続いて(充電済みの)イヤホン左をケースから取り出す。
- iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「Q70 R」と「Q70 L」が表示されるので「Q70 R」を選択する。
- iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。
これだけです。
初めにiPhoneのBluetoothを有効にしてください。
イヤホン右が親機(ホスト)です。
この2つが重要です。
上手くいかない場合、一度iPhoneからQ70の接続を設定を削除して再度初めから実施してみてください。2回目以降は自動的に接続します。
■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- ケースから取り出すとペアリング開始。
- iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでればペアリング完了。
- iPhone標準のミュージックアプリで聴きたい曲を選択し再生する。
- イヤホン本体を2回タップすると再生停止する。(左右どちらでも)
- 再生停止中に本体を2タップすると再生開始。(左右どちらでも)
- 再生中に本体を2回タップすると再生停止。(左右どちらでも)
- 再生中に右本体を連続3回タップすると曲の頭に戻る
- 再生中/停止中に左本体を連続3回タップすると次の曲に進む
- 再生停止中に右本体を連続3回タップすると前の曲に戻る
- 聴き終わったらイヤホンをケースに戻す。
- ペアリングが解除される。
- ケースのバッテリー残量がある場合イヤホン充電開始。
音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。
少し惜しいのは音量調整がイヤホン本体からできないことですね。X19ではこれが可能でしたので少し残念です。
またX19では物理スイッチでしたがQ70はよくあるタッチ式のもので操作感に慣れが必要です。スマホの様にタッチするところを見ながら操作できる場合は良いのですが見えない場所をタップする操作方法では誤動作が心配です。特にリダイヤル機能があるモデルは本当にこれが心配ですね。
操作の反応は少々ラグがありますので一呼吸置くくらいでOKです。これも他のモデルと同じレベルですので最初は戸惑うかもしれませんが慣れれば問題ないですね。
特筆すべきはやはりケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入りペアリングが完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れてペアリング解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻すで完了する手軽さですね。ネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要ですからね。
イヤホンの充電中はイヤホンが赤点灯
イヤホン充電完了後、消灯
イヤホン充電中のケースは一番外側の左右がそれぞれを示し赤点灯。その際真ん中の3つも点灯し、ケースの充電残量を示します。
イヤホン充電完了後は消灯します。
※画像は左用イヤホンは充電完了。右イヤホンが充電中。(ケースの位置が向かって左が右イヤホンです)
ケース充電中は左右を除く真ん中の3つが点灯し充電状態を示します。
充電完了すると全て消灯します。
※以下追加修正
当初amazonの販売ページでは無線コーデックはAAC、SBC対応とされていましたが何気なくFiiO M9に接続したところapt-X対応を確認できましたので追記しておきます。(遅くなりました)
現在は販売ページもapt-X対応と修正されています。
それでは、早速Nex Q70の実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは白箱を基調としたシンプルなタイプです。
箱の表にはQ70の文字が。裏にはスペックが記載されています。無駄な装飾のない化粧箱ですね。
付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットでMサイズが本体取付け済みで、他にはUSBタイプC-タイプA充電ケーブルです。流石に必要最低限の付属品ですね。
もちろん取扱説明書が付属していますが英語表記と中国語のみで日本語はありません。図解もありますしamazon当該ページに使用方法の説明もありますので余程のことがない限り困ることはないと思いますし、万が一の際はセラーのサポートがありますので問題ないと思います。
※イヤーピースはSpinFit C360 Sサイズ装着
ビルドクオリティですが、このNex Q70は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前購入したネックバンドタイプの商品では残念ながら不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。カラーバリエーションは黒のみですが、屋外使用を考えると落ち着いた色となりますので、どのような服にでも合わせやすいですね。
付属の充電用ケーブルは短めなので充電のみで使用する場合、手持ちのUSBC-タイプAケーブルを使用した方が便利かもしれません。尤も使用されるシーンで付属の短いケーブルを使用される等使い分けもできますしね。
X19と同様にシェル本体は樹脂製でステムノズルにはメッシュフィルターがあります。
シェル本体の形状も丸みを帯びており棒状が気にはなりますが角がある訳ではないので装着感は悪くありません。
次に耳への装着は付属品イヤーピースMサイズ(一般的なものよりかなり小さい)では音質的に抜けてくる感じがありましたのでSpinFit C360 Sサイズを使用し、いつもより小さめのイヤーピースで奥の方に入れるようにするとみぃねこはしっくりきましたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。
この音が抜けてくる感覚は付属イヤピをLサイズにしてみたりしましたがどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じました。
加えて、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの難点に付属のイヤピが特殊サイズでアフターマーケットのイヤピで音質やフィット感が良くなっても肝心のケースに入らないことがあり使用を諦めてしまう方がいるようです。
諦める前に一度SpinFit C360を試してみてください。同社が完全ワイヤレスイヤホン用として販売しているだけのことはあり試す価値はあります。
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はiPhone8、Bluetooth コーデックAAC接続です。
実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはSpinFitC360 Sサイズを使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域がクリアでボーカルが聴きやすく低音の解像感が高い」でした。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通も高音域ではやや音の重なりを感じることがあります。
低音は量感は十分にあり締りとキレは普通でベースラインは追えます。重低音の沈み込みはやや浅めから普通で余韻も控えめですが、先述した低音の強弱や高低の音が聴き分けられる分離感の良さが特徴的です。聴いていて心地よさを感じます。
高音は煌びやかさは控えめで曲によって中低音にやや埋もれるように感じることがありますが必要十分。
中音はとにかく見通しが良く高音や低音に埋もれることはありません。
ボーカルは自然な位置から聴こえ近くも遠くもなくクリアに聴こえます。
一言で云えばやや中低音寄りで聴き疲れのない弱ドンシャリです。
低音は比較的主張がありますが強くはなく寧ろ全体のバランスでみると丁度良い感じ。高音は控えめで十分煌びやかさはありますが刺さりとは無縁で聴きやすく上手くまとめている印象です。
その分中音が相対的に強いかというとそうでもなく寧ろボーカルは自然な位置からクリアで聴きやすいため中音域がメインと云えます。
傾向として中音≧低音>高音の関係で弱ドンシャリでありながら中音域はとても聴きやすく、そして心地よく音楽を聴くことができるバランスです。
5,000円以上10,000円未満の中価格ワイヤレスイヤホンとしてこれは上位に入る音質ではないでしょうか。
如何しても無線接続ではその性質上高音低音域の超高音や重低音がカットされてしまいますし、上を見れば10,000円を超えるモデルで音質が良いのは当たり前。でも先述した性質上の問題は変わりません。
つまり、接続するコーデックと味付けの問題とした場合、必要十分と感じられるのであれば安価に越したことはありませんよね。
もちろんDAPやイヤホンでaptX HDやLDACで接続できる数万円の高価格モデルであれば音質的に先述の性質もクリアできベストな選択ですが、高価ですのでなかなか手が出にくいですし、そもそも比べてはいけないですよね。
そのため、このNex Q70は低中価格帯の完全ワイヤレスモデルの中でも音質を謳い文句にすることも可能な実力を持ち、中低音寄りの心地よい聴きやすさを備えたコスパの良いモデルと云えそうですね。
さてNex Q70は最新の低中価格帯の中華完全ワイヤレスイヤホンの中でも特にコスパが良くiPhoneユーザー最もお勧めできる商品とまとめました。
手持ちのお蔵入りイヤホンはさておき、次回こそは1BA+1DDイヤホンをレビューしたいですが、来週はまた別のイヤホンが届く予定です(かなりのアホ)。これらの商品を1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は5,000円以上10,000円未満で買える中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2019年7月26日)amazonで取り扱いがあり5,000円半ば程度で購入できるようです。AliExpressでは取り扱いを確認できていませんがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となり、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
Q70
以下、イヤピSpinFit C360 Sサイズ使用、DAP iPhone8
高音★★☆
中音★★★☆
低音★★★☆
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (完全ワイヤレスの利便性でと音質の総合力で)
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は中価格中華完全ワイヤレスイヤホンの新商品をレビューをしてみました。完全ワイヤレスの中華イヤホンは2つ目となります。最新技術を低価格で投入し日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。
今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
※2019年9月23日追記修正…無線コーデックapt-X対応とその旨追記