みぃねこの備忘録

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GK GSTレビュー ※KZ ZSN pro X、KBEAR LARKとの比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルのGK GSTについてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのGK Official Storeで取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもGK Official Storeで取扱があります。

 

 

 

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1. GK GSTについて 

GK GSTは昨年半ばに低価格帯中華1BA+1DDハイブリッドモデルとして発売されています。そもそもGKって?という話ですが、以前GK GS10のレビューの際に触れた通り「よくわからない」ままなのですが、某セラーの商品ページにKZのサブブランドとして2015年に創立とあり(※1)同じ工場ということは間違いないさそうです。そのためKZの低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルの何れかの「リモデル」と云えそうです。

GK GSTはKZのそれらよりも安価に購入できることが最大の魅力です。そもそもKZでも2,000円で1BA+1DDハイブリッドモデルが購入できますが、GK GSTは1,000円半ばです。もしも中華イヤホン、もっと云えばKZの低価格1BA+1DDハイブリッドモデルを聴いてみたいと検討している方で、何を買えばよいのかわからないと思っている方にお勧めしやすい価格で、KZと遜色のない音質を手に入れられるGK GSTは最適と云えるのかもしれません。

というのもGK GSTは1BA+1DDハイブリッドモデルとして登場しましたが、KZやTrnに続くCCA、KBEAR等が数年前よりも価格帯が上がり今では3,000円前後。1,000円ちょっとで購入できた初期のKZ ZSTからはもちろん音質も良くなっている訳ですが、気軽に手を出すのは(私を含め)その頃からのマニアだけとなり、良くも悪くも言うなればジリ貧状態。そして今の1,000円以下は1DDシングルダイナミックモデルのみと、以前の1DDトレンドモデル群のレビューでも触れた通り、値段なりの音質です。市場の成長を鑑みれば、単純な販売価格UPではなく新技術の新製品投入により価格帯UPとするのが定石で、実際にBAに代わりESM(Electro Static Magnetic。以下EST省電力タイプをESMと表記)を積み、昨年KZ ZEXやCCA NRAという1ESM+1DDハイブリッドモデルが投入され販売価格も4,000円に迫る所まできています。こうなると一般の方は手を出し難く、我々の様なポータブルオーディオの中でも中華イヤホンの目新しさが好きなマニアは興味を持ちますが、一気に市場が狭まります。だって、一般の方はイヤホンに4,000円も出すなら国内有名メーカーの手頃でそこそこ良い音のイヤホンを量販店で試聴して購入できますから。

つまり、市場の拡大や活性化として価格レンジを上げたい場合、そこには必然的に新技術投入の新製品と従来の価格帯への新型の投入が必要です。新技術は価格帯を上げる理由に。従来の価格帯にはコストダウンモデルとして一見新型の中身そのままの型遅れ製品をリモデルした製品等でその隙間を埋める事でラインナップの強化が必要です。それがGK GSTだとしたら?…腑に落ちますよね。

 

さて、今回GKの2機種目として低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデル、GSTをレビューします。昨年はGKの多ドラハイブリッドモデル、GS10を試しましたが、こちらは4BA+1DDでありKZ ZS10 Proのリモデルだった様です。今回のGSTも昨年発売のモデルであり、ZSN Proあたりかなと予想していますが、実際はわかりません。KZの1BA+1DDハイブリッドモデル最新は2020年に発売されたZSN pro XやZST Xがありますが、一聴した限りではそれらとはちょっと異なる味付けがされているような気がします。どちらかではなくその二つを掛け合わせたものなのかもしれませんし、詳細は不明です。

 

GK GSTは昨年夏ごろに発売され、低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルで高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担い、ダイナミックドライバ(DD)1基が中音から低音域を担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ですが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、レンジが狭く音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りもあるというもどかしさがあります。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となります。

中華のチューニング技術は数年前に比べ進化しており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも負けず劣らずに良い勝負をすると思います。

このGSTがそれらの中華イヤホン低価格1BA+1DDモデル、KZ ZSN pro XやKBEAR LARKに対しどこまで迫っているのか、その違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

GK GSTのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルです。

BAには中華BA定番の30095をステムノズル内に配置。

ダイナミックドライバは直径10mmの二重磁気ドライバを採用しています。

イヤホン本体にはシェル本体が樹脂製。ステムノズルとフェイスプレートが金属製を採用しています。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要です。加えてステムノズル部にBAを配置する場合、その素材も高音域への影響があると個人的に経験則として感じていて、金属製の方に響きの良さを感じます。

GSTではBAとDDを搭載しBAが金属製のステムノズル部に配置されていること。二つのドライバが担う音域のクロスオーバーチューニングが重要です。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

※宜しければ過去記事もご参考ください

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GK GSTの納期として今回AliExpressで購入し中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきません。今回もオーダーから2週間強で届きました。昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向でありますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. GK GST実機レビュー 

それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはKZ同様の白を基調としたシンプルな小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。

 

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付属品はKZ系の溝有シリコンイヤーピースの白色タイプ、S、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U2K、実売1,500円以下の低価格帯として必要最低限の付属品となります。

 

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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられます。カラーバリエーションはクリアのみ。そのため今回はクリアを選択しています。

 

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付属ケーブルはGS10に付属した黒色被膜ケーブルとは異なり以前のKZ系で付属した茶色被膜の4芯銅線の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ、イヤホン側はKZの2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的にやや絡まりやすいものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも高品質の印象。とはいえそのまま使用できますし茶色ケーブルは落ち着きがあり、シェル本体の色が今回クリアな為、それと相まって綺麗な印象を持ちます。個人的にはケーブルの被膜は黒色の方が合わせやすくて好きですね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKZ ZSN pro X、GK GST、KBEAR LARK 

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GK GSTとKZ ZSN pro Xはシェルが同じ。三種の外観の比較として、サイズ感は同じ。造形はLARKが若干異なります。三種共にオーソドックスな造形で耳への収まり、装着感は良好です。

GSTのみKZの2ピンタイプで他はKZ-Cタイプのコネクタとなっています。

シェルの材質は、GSTがオール樹脂製。ZSN pro XとLARKはステムノズルとフェイスプレートが金属で本体が樹脂製です。

重量はGSTがオール樹脂製という事もあり一番軽量ですが、他の二種も特別重いことは無く、耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感は悪くありませんが、ステムノズルの太さは三機種の中で僅かにGSTが細いものの太め。ZSN pro XとLARKは金属製ステムノズルの影響で太め。三機種共にステムノズル内にBAを配置することもあり太めです。角度も三機種共にほぼ同じ、長さもほぼ同じです。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防ぐと同時に、音への効果もあるタイプもあります。三機種の内、一番変化をつけているのはLARKで目が細かいタイプ。そしてGST、ZSN pro Xのフィルターは同じ長穴タイプで粗目となります。

シェル本体の形状からは三機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りGSTはステムノズルは比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすく、GSTではその影響が感じやすいため、イヤーピースのタイプで上手く調節する必要があります。今回は付属のイヤーピースMサイズを耳奥に栓をするように装着する形で音質的にもしっくりきました。

 

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この付属イヤーピースは最近のKZ系にも付属する溝有タイプの白色タイプです。個人的に従来のKZ系付属の溝有黒色イヤピは傘がパサパサしていて装着感がイマイチに感じる事が多いのですが、こちらは色の違いだけでなく傘に粘りがあってしっくりきます。

音質的にはやや高音中音がしっかりとするタイプに感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸いこの付属イヤーピースでも私は上手く合わせられ、耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は同じ付属のイヤピ白色で十分と感じられそれを使用しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. GK GST音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

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低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色Mサイズ、付属銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「やや膨らみを感じる低音としっかりと鳴る高音域のドンシャリバランス」です。

箱出しではやや低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着き相対的に高音中音がクリアに感じます。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は十分な煌びやかさと華やかさがあり存在感がありますが、刺さりは抑えられています。

低音は十分な量感があり芯も感じられ締りとキレは適度。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みは深く強さも有る。

中音は適度な華やかさがありますが、前に出るような主張は少なくゴチャつきも抑えられています。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によってやや近く感じます。

一言で云えば中高音寄りのドンシャリ

高音は煌びやかさがあり伸びも感じられ全体のバランスでみれば華やかさはやや前に出るような主張がありますが、嫌な感じでは無く、やや演出感は感じますが諄さはありません。超高音までの伸びはそれほどありません。逆に云えば不快に感じる尖りはなく、ボーカルを邪魔しないものの主張のハッキリとした音。これは以前のKZで感じた今となっては懐かしいKZの旧世代の傾向とも云えます。KZの「折角BAがあるんだから」の存在意義を再認識します。

中音は凹みを感じ楽器の音はボーカルの周りに位置し華やかに鳴ります。ボーカルはクリアで聴きやすく、高音や低音に埋もれ難く上手く調整されています。特に低音が強く出ていてもボーカルがクリアに聴こえるのは個人的に出来が良い証拠だと考えています。

ボーカルはドライ気味なものの息遣いを感じられ不自然さを感じ難いですが、しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性というか部の悪さは感じられます。

低音は十分に広がり量感を感じられますが、ボワつき締まりの無い音ではありません。広がりや響きは程よく感じられ雰囲気の良さがある印象です。中高音寄りのイヤホンとしては低音も十分に効かせていて、最近のTrnの音に慣れた方には膨らんだり多すぎると感じるかもしれませんが、KZのドンシャリっていえばこれだよねと個人的には感じます。とはいえKZの低音の小気味良さは真骨頂と云えますのでこれはこれで良いのではと思います。

重低音は沈み込みは深さがあり強さもあります。この低音が高音中音を邪魔せずに高音中音の煌びやかさ華やかさのある分かり易いドンシャリは、最近のKZでは感じられなくなってきていますので貴重な音を聴かせてくれます。

全体的にみれば高音や低音域がしっかりとしていて音楽をノリ良く楽しめる音で、音数が多いハードな曲では高音域や中音域が音の重なりによる団子感があったりしますが、それでもボーカルをしっかりと聴くことができます。

 

次に、KZ ZSN pro XやKBEAR LARKとの違いですが、ZSN pro XもLARKも同じ中高音寄りですが、GSTはそれらよりもドンシャリ感はやや強め。高音の美麗さや中音域のクリアさのあるそれらとは違う傾向を感じます。特にLARKのフラット寄りとは大きく異なります。

やはり二世代前のZSN Proと同じ傾向でありほぼ同じ音と云え、一番の違いは高音域です。LARKは言うまでもなくZSN pro Xも中高音重視ではありますが、演出感を抑えつつもしっかりと主張させ鳴らす音は絶妙な音を奏でていることが分かります。それでいて、中音を犠牲にしていません。GSTはどちらかと言えば中音は抑え気味で、決して過不足はありませんが、最新がKZ ZEXとした場合、少なくても一世代前のKZ ZSN pro Xには及ばない出来であると云えます。

そしてKZ ZEXと比較した場合、悪く云えば高音低音はただ派手に鳴っているだけの荒い音。高音低音をしっかりと鳴らすドンシャリ加減が強すぎて中音域が凹みを感じ、真ん中に集まる団子感が音が統制されていない印象を受けます。そういう意味ではGSTは明るく元気なKZの音を感じる事ができ、楽しい音で音楽を楽しめます。

 

※以前のTrn TAのレビューもご参考ください

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※以前のKZ ZEXのレビューもご参考ください 

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まとめるとGK GSTは中高音重視ながら低音もきっちりと鳴らす音楽を小気味よく聴かせてくれるイヤホンとなります。高音中音は華やかで見通し良く、低音は芯があり強さのある音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを感じますが、クリアでボーカルは聴きやすさのある音質傾向はKZの二世代前の音と云え従来の1BA+1DDハイブリッドモデルの良さのある良い意味の懐古モデルと云えそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求める方には好評となり、最新のKZの音やTrnの音が好きな方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   GST ≧ ZSN pro X ≧ LARK (出音の強さ)

中音   LARK ≧ ZSN pro X ≧ GST (質感の順)

低音   ZSN pro X ≧ GST ≧ LARK (出音の強さ)

ボーカル LARK ≧ ZSN pro X ≧ GST (質感の順)

 

 

4. GK GSTの総評

さて、GK GSTはやはりKZの音を踏襲していましたが、最新の音ではなく明るく元気で派手なドンシャリという以前のKZの音でした。最新のKZやTrnといったトップランナーが、普通に良い音にシフトしている今、数年前の中華イヤホンの良き時代を振り返ることのできる懐古モデルとまとめました。

低価格帯モデルの中でも以前のKZの音を聴いてみたいという方やこれぞ中華イヤホンという音を体験してみるのも一興かもしれません。

そういう意味では中華イヤホンは「コスパ重視」の方へお勧めできますが、最新の中華イヤホンの普通に良い音を求め検討されている方には注意が必要な商品ですね。

 

最後に、今回はAliExpressで昨年発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2022年2月22日)はAliExpressや国内amazonでも発売されており、AliExpressでは1,000円半ば価格で入手可能です。一方amazonでも1,500円と、AliExpressとの価格差ありませんので、amazonでの購入が安心です。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでprimeでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

GST

以下、付属ケーブル、付属溝無白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★☆ (ドンシャリ好き★5)  

※☆0.51.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

  

LARK

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (重低音重視の方★4)

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの通算38個目の新商品のレビューとなります。前回に引き続き今回も2021年の残件となりました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※1:2022/2/23更新 GKがKZのサブブランドの旨追記