みぃねこの備忘録

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KBEAR ST1レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編ではなく低価格帯で発売されたKBEAR ST1についてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

 

AliExpressの有名どころのストアで取扱がありますが、個人的にWooeasy Earphones Store(@hulang9078)はこれまでにも色々なイヤホンを購入しており安心感があります。

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. KBEAR ST1について 

KBEAR ST1は前回レビューした同社KS1同様に低価格帯ラインナップの中でシングルダイナミックドライバのみのモデルです。前回のKS1はオーソドックスなIEM風の造形でしたが、ST1は世間でイヤホンと云えばこの形をイメージする方が多いと云える円筒形のモデルです。

それもその筈、円筒形のイヤホンは国内メーカーの5,000円前後及び、以下で販売されている商品では定番のデザインであり、ポータブルオーディオを嗜むイヤホンファンでもない限り、iPhoneの付属イヤホン、EarPodsの様な形か円筒型のイヤホンを思い浮かべると思います。

また国内メーカーもそのあたりをよく理解しており、この価格帯はスマホ付属イヤホンの代替需要として奇を衒わないシンプルデザインを採用しています。

とはいえ近年はスマホで音楽を聴くユーザーには左右独立型完全ワイヤレス(TWS)の無線イヤホンの需要が高く、この辺りの価格帯で有線イヤホンを代替で購入する方は少なくなったように感じます。

それでも無線イヤホンではその音に満足できないユーザー層もそう多くはありませんが私を含め一定数は居る訳です。近い将来有線イヤホンが完全に無くなるのかと云えば、そうかもしれません。でも、それはまだ先のことと云えそうです。個人的にはTWSイヤホン等が現状のBluetooth接続の2.4GHz帯を使わずに別の帯域に変わったり、そもそもBluetooth接続に変わるものが開発されたりすることで無線接続品質の向上や、バッテリーの小型大容量化が進み条件が整うことでスマホ付属イヤホン代替え需要の低価格帯の有線イヤホンはその役目を終えると考えていて、高級有線イヤホンか中価格や低価格の無線イヤホンとの二極化となっていくと予想しています。まあ、でも、それはまだ先の話であと数年は低価格有線イヤホンを楽しめると思っています。

 

さて、KBEAR ST1は冒頭触れた通り所謂世間一般の「イヤホン」という佇まいをしていますが、実は本体をアルミ合金を採用する等、メーカーのこだわりが詰まった一本となっています。

振動膜にはpolymer PETという応答性の良い素材を採用することで高音質化を図っています。これについては実際に聴いてみないと何とも言えませんが期待感は高くなりますし、これまで音質に定評のあるKBEARが1,500円という低価格のモデルであっても妥協をしないという姿勢を感じられます。

 

そのKBEARのオーソドックスな1DDモデルのST1をやはり前回の同社KS1同様にまたしても購入してしまうのは、やはり中華イヤホンファンの性というものでしょうか。

 

KBEAR ST1のスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルとは異なり、一つのダイナミックドライバを搭載しています。円筒型の本体には中径ダイナミックドライバ(DD)1基が搭載され高音域から低音域までの全域を担当しています。

ダイナミックドライバには直径8.7mmのPolymer PET素材振動膜を採用。メーカー曰く、応答性の良さを得ているとのこと。

イヤホン本体はアルミ合金製円筒型シェルが採用。合金素材とすることで耐腐食性と軽量化を両立しています。

とはいえST1ではこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンの様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーは不要。どのような音色にするか各音域のチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

KBEAR ST1の納期として今回国内amazonでのオーダーですので、当日発送、翌日配達と安心安定の物流網です。AliExpressではスタンダードシッピングの場合、オーダーから約2週間と少々時間が掛かります。更に昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. KBEAR ST1実機レビュー 

それでは、早速KBEAR ST1の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはいつものKBEARの黒色小箱ではなく、正四角形の黒色小箱のスリーブタイプ化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと同社のリケーブルでお馴染みの黒色小箱が。箱を開けるとこれまたリケーブルでお馴染みのポーチにイヤホンと付属品が収納されています。


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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプのS、M、Lの3種が計1セットと、そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済み。他にはイヤホン等が収納されていたポーチです。U2K、実売1,500円の低価格帯としては一般的な付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところはなく、近年のレベルアップを感じられ綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションはシルバーのみですが、マイク付きとマイク無しが選べます。今回はマイク無しを選択しています。

そして地味に便利なのが、イヤホン本体の左右の見分けがつきやすい様に赤(右)と青(左)のラインが入っています。これは本当に便利。一応イヤホン本体とケーブルの付け根あたりに「L」、「R」表記もありますが、これは見え難いです。


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ケーブルはややゴム系素材のため昔のKZのゴム系素材の付属ケーブルを思い出します。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、リケーブル不可です。このケーブルはややゴム系素材のため耳への装着時にタッチノイズをやや感じますが、シュア掛けによって多少軽減することができます。また全体的に絡まり易くしなやかさはありますが、国内メーカー低価格帯でもこのレベルのケーブルが多く、価格なりといったところです。

個人的にはストレートに垂らす形で使用するので、タッチノイズ対策は別途クリップ等を用意した方が良さそうです。

 

※画像左からfinal E1000、KBEAR ST1、EZAUDIO D4 
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ST1はDDが8.7mm径とやや大きめのためそれを収めるために円筒形もやや太くなっています。まあE1000の細く長めの円筒形と比べればという事です。そもそもE1000のDDは6.4mmと小径ですので。

ST1とD4はシェル本体が金属製でE1000は樹脂製となり、重量はE1000が有利。とはいえST1も片側5gと意外に軽量です。その造形から耳への装着感はイヤーピースで固定する形となります。ST1はステムノズルが一番太さがありE1000が細め。

また、ステムノズルには全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げますので安心です。

そして、シェル本体の形状から3機種共にケーブルを下に垂らすストレートでもシュア掛けでもどちらでも使用可能です。

なお、先述の通りST1はステムノズルは比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすいですが、ST1では付属イヤーピースの大きさでシンプルに調節可能です。付属の黒色イヤーピースMサイズを耳奥に栓をするように装着する形が良さそうです。

 

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この付属イヤーピースは開口部が大きく高音域をありのまま伝えてくれそうです。

音質的にも耳への装着感がどうかというフィッティングで選択されると良いと思います。

私は付属イヤーピースMサイズで耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は同じ中華イヤホン付属のイヤピ白色で十分と感じられそれを使用しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. KBEAR ST1音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

これまで同様に低価格帯はShanling Q1をメインに基準としてレビューを行っていきますので、ご容赦ください。

従来のShanling M0とQ1はDACやアンプ等の主要のスペックには変わりがありませんが、聴き比べるとQ1はM0よりも低音が豊かに感じます。どちらもバッテリー駆動なのでM0よりもQ1の方が容量が増え電源供給に余裕があるからなのかもしれませんね。

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは何かの中華イヤホン付属白色Mサイズ、付属銀メッキ銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音の主張とシャッキリとした高音域のドンシャリバランス」でした。

箱だしでは低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が落ち着き高音とのバランスが取れたように感じます。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は煌びやかさがあり華やかさがあるが、刺さりは抑えられています。

低音は十分な量感があり締りとキレは程々。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みはそれほど深さを感じないが強さはある。

中音は適度な華やかさがあり、音数の多い曲では多少のゴチャつきを感じますが、ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ、曲によってやや遠く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

高音は低音域に埋もれない存在感のある煌びやかさと華やかさがありますが、超高音までの伸びは感じず、不快に感じる尖りはありません。これは同社KS1よりもややはっきりしてるものの、同価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルに比べそれらよりは抑えられている印象です。

中音はやや凹みを感じますが、楽器の音がボーカルのやや後ろ周り辺りに位置し華やかに鳴ります。ボーカルはクリアで聴きやすいですが、低音過多の曲ではやや埋もれを感じます。

全体的にみて高音は派手な音で、低音は量感がある分かりやすいドンシャリと云えます。中音は音数が多いハードな曲では音の重なりを感じ団子感があります。それでもちゃんとボーカルは聴くことができる印象です。

ボーカルは普通からやや遠く、バラード等ではドライ気味のため、しっとりとした雰囲気は感じ難くやや相性の悪さを感じます。その代わりアップテンポの曲ではややドライ気味のボーカルも楽しく聴くことができます。

低音は十分な量感がありますが、決して支配的という訳ではなくしっかりと主張するタイプです。重低音は十分な強さがあるものの深く沈み込む程ではありません。それでもこの低音が高音中音をしっかりとした強さで支えることでバランスの破綻していないドンシャリの音を楽しく聴かせてくれている印象です。

 
これは以前レビューしたfinal E1000とは異なる音ではありますが、そういう意味では中華イヤホンにfinal E1000のような音を求めている訳ではありませんので、中華イヤホン「らしさ」である高音と低音を疎かにしない音色は好感が持てます。

いずれにせよST1の音質傾向は以前の分かりやすい低価格帯のポピュラーなドンシャリと言う印象です。

 

※以前のfinal E1000のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとST1は高音域は煌びやかさ華やかさは存在感を示し、低音域は低音は量感がる雰囲気の良さが心地良い。中音域は音の華やかさがあり、ボーカルは多少の粗さを感じるものの聴きやすい音質傾向は、何故低価格中華イヤホンが人気となったのか?ドンシャリイヤホンの原点を忘れないKBEARの意欲作かもしれません。

尤もリスニング用途として聴いていて楽しいドンシャリバランスではありますが、1BA+1DDハイブリッドイヤホンには敵わないものの、その販売価格からは十分に楽しめます。それでも高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求める演奏メインで聴きたい方には、もの足りないと感じられ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ST1 ≧ E1000 

中音   E1000 ≧ ST1

低音   ST1 ≧ E1000

ボーカル E1000 ≧ ST1

※単純な音の強さ比

 

 

 

4. KBEAR ST1の総評

さて、KBEAR ST1は中華イヤホン「らしさ」に原点回帰したイヤホンであり、ドンシャリイヤホンとまとめました。

そしてその価格からは流石に限界を感じる部分もありますが、音楽を楽しく聴くことのできるイヤホンです。

そういう意味ではスマホ付属イヤホンの代替えで兎に角安価に済ませたいという方にはお勧めできる商品だと思います。

 

最後に、今回は国内amazonで1,500円以下で購入でき、AliExpressでは2,000円と国内amazonの方が安く入手できる低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年3月20日)はAliExpressやamazonで発売されており、AliExpressの方がやや高い2,000円という逆転現象が起きています。そしてAliExpressの方はその入手性には現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの購入をした方が良さそうです。

 

ST1

以下、付属ケーブル、中華白イヤピ M使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★  (1,500円なら)

※☆0.51.0

  

あとがきとして、今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく同じ低価格帯の1DDモデルの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ