みぃねこの備忘録

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CCZ Coffee Bean DC-1レビュー ※KZ EDX、CCA CA2との比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルではなく1DD、シングルダイナミックモデルのCCZ Coffee Bean DC-1についてレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのWTSUN Audio(@Naruto88814)で取り扱いがあります。

 

 

AliExpressでは未だ取扱がないようです。(2021/07/10現在)

AliExpressではWooeasy Earphones Store(@hulang9078)で取り扱いがあります。※2021/07/21更新

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. CCZ Coffee Bean DC-1について 

CCZ Coffee Bean DC-1は今年7月に昨年のKZ EDXを始めとするシングルダイナミックドライバのトレンドモデルとして新発売されました。

CCZをAliExpressで検索してみましたところ有益な情報は見つからず詳細は不明ですが、まあトレンドモデルの一つとして扱っていきます。

販売は現在国内amazonのWTSUN Audioのみ。そのWTSUN Audioといえばtwiterアカウント@Naruto88814に変更になっております。従来のtwiterアカウントの方は別カテゴリの商品を取り扱っているようです。

CCZですが、現在分かっているのはAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)の国内amazon販売WTSUN Audio(@Naruto88814)の専売。easy系では以前Yinyooというオリジナルブランドでイヤホン販売を手掛けており、複数BA機のHQシリーズ等を手掛け、片側12BA機のHQ12が記憶に残っています。個人的にはHQ6と多ドラハイブリッドのHX5を所有していました。同ブランドは手広く展開していて低価格帯では1BA+1DDハイブリッドのYinyoo ProやAshを購入し本ブログでレビューをしています。現在は高価格機が中心に展開しているようで、中々縁がありませんね。

ということで、恐らくeasy系の新ブランドではないかと。まあ、中華イヤホンファンにはYinyooは馴染みのあるブランドだと思いますし、販社オリジナルブランドの展開はeasy系に限らずありますので、中華イヤホンの新しいブランドと理解していただければと思います。

因みに中価格帯でもCCZ Plumeという商品がWTSUN Audioで本国発送ですが取り扱いがあります(2021/07/10現在)。こちらは4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルとなり販売価格20,000円強と「0」が一つ多いです。

 

さて、前回までに1DDトレンドモデルのレビューをまとめていましたが、順にKZ EDX、KBEAR KS1、Trn MT1、CCA CA2、Trn CS1と5機種を行い一言で云えば「BAが欲しいな」です。EDXやMT1はBA無でもメーカーの音として楽しめるモデルとなっていますが、それ以外は前述の感想が正直なところです。そのEDXもドンシャリに頼った粗さを感じますし、MT1では高音中音に力を入れ過ぎて低音を何処かに忘れてきたみたいです。勿論、それらは1,000円未満の販売価格ですので、酷な話をしていると思いますし、低価格帯で使用するドライバの質の限界なのでしょうから仕方がありません。十分に良い音なんですけど、何かしっくりこない気がするんですよね。

はい、そうなんです。ここが中華に期待を寄せるところ。これがユーザーニーズと云え「この価格でこんな良い音が聴けるんだ!?」という驚きを感じたい訳です。

 

そんな時に国内amazonで見つけたCCZ Coffee Bean DC-1はノリノリであの曲の様に「もう1回」とつい手に入れてしまう。

これはもう仕方がありませんよね(笑)

 

そんな訳で、今回は昨年のKZ EDXから続く低価格帯のエントリーモデルとして、トレンドになっているシングルダイナミックモデルのCCZ Coffee Bean DC-1をこれまでレビューしたライバル達との違いが気になります。

CCZ Coffee Bean DC-1は7月に発売され、片側に一つのダイナミックドライバを搭載する各社一連のトレンドモデルでは後発となります。低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルでは高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担いましたが、DC-1ではダイナミックドライバ(DD)1基が高音から低音域までをフルレンジで担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となりますが、今回はダイナミック1基となりますのでその心配は不要です。

とはいえ、それらチューニング技術は数年前に比べればかなり良くなってきており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。

ですが、初期ZSTの頃の1,000円ちょっとという圧倒的コスパからはやや高価になり、現在は2,000~3,000円と国内メーカーのエントリーモデルと同等となってきていています。それでも十分にコスパは良いのですが、これらトレンドモデルでは敢えてシングルダイナミックドライバ1基とすることで原点回帰の「鬼コスパ再び」と注目度が増しています。

それらは昨今の中華イヤホンのレベルアップを感じさせ、中華本来のコスパを忘れないトレンドモデルとして、KZ EDXやCCA CA2との違いを交えながらレビューを泣きの一回としてまとめていきたいと思います。

 

CCZ Coffee Bean DC-1のスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルとは異なり、一つの大径ダイナミックドライバを搭載し、高音域から低音域の全域を担当しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの二重磁気ドライバを採用。イヤホン本体はシェル本体が樹脂製。ステムノズルが金属製となりKZ EDXやCCA CA2のオール樹脂製とは異なり、Trn MT1が同様になります。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となりますが、CS1ではシングルダイナミックドライバであることから音域毎のチューニングが重要です。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCZ Coffee Bean DC-1の納期として今回は国内amazonですので当日発送、翌日配達です。AliExpressではこのようにはいきません。昨今、AliExpressで購入した際は感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCZ Coffee Bean DC-1実機レビュー 

それでは、早速CCZ Coffee Bean DC-1の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調とした縁に茶色のアクセントがある小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、その下側に小箱が。

台座を取り外すと箱の底にイヤーピースが収納されています。

 

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小箱にはケーブルが収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが黒色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U3K、実売2,000円を少し超える低価格帯として必要最低限の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられ、寧ろKZ EDXよりもシェルの合わせ面等が綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションは茶色と黒色があり、今回はCoffee Bean(コーヒー豆)という事で茶色を選択しています。

 

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付属ケーブルは4芯4N無酸素銅線(OFC)、黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでCCZロゴ入り、イヤホン側はTFZタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。最近のKZ等に付属するケーブルと同等でやや絡まり易いものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中ではそれ程悪い印象はありません。そのためそのまま使用できますし黒色ケーブルは落ち着いた色味からは、シェル本体に囚われずに普段使いでは気になりません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

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※画像左からKZ EDX、CCZ Coffee Bean DC-1、CCA CA2 f:id:miineco106:20210710095437j:image
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CCZ Coffee Bean DC-1とCCA CA2、KZ EDXの外観の比較として、サイズ感はほぼ同じ。

三機種共にシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。

DC-1のみステムノズルが金属製。EDXとCA2はオール樹脂製です。

重量はDC-1が僅かに重さを感じますが、その造形から耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感は悪くありません。ステムノズルの太さも三機種共にほぼ同じで太くも細くもなく。DC-1が金属製でありますが、面白いことにそれらと造形が同じ。折角の金属製ですからその加工性の有利さからイヤピの抜け防止の返し部は細めにできたのでは。CA2とEDXは一体成形の都合上、強度を持たせる為に太さがあります。

余談ですし邪推ですが、国内amazonの商品ページ画像にステムノズルとシェル内部にBAらしき画像があるものが使われています。本来若しくは次の商品展開、はたまた元々の製品からBAを取り除いたものがDC-1なのかもしれません。だから太めの金属製ステムノズルが採用されているのかも。

次に、ステムノズル角度については三機種共にほぼ同じ。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてDC-1のフィルターはEDXやCA2の長穴と違い、音質に影響がありそうな所謂フィルタータイプ。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りDC-1はステムノズルは太くも細くもなく、太いステムノズルでは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすいですが、DC-1ではイヤーピースの大きさでシンプルに調節可能です。


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この付属イヤーピースは初見です。傘の頂点開口部に段差があります。個人的にこのイヤーピースは傘がパサパサ、ペラフニャしていて遮音性がイマイチに感じます。

音質的には低音がしっかりするタイプのようですが、耳に合わないので何ともいえません。要交換又は交換推奨です。あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

この付属イヤーピースでも私は上手く合わず、手持ちのKZ系付属溝無黒色Mサイズで耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回も付属のイヤピで上手くフィットしなかった為、手持ちを使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

※KZ系付属溝無黒イヤーピース装着

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3. CCZ Coffee Bean DC-1音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※2021/06/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはKZ系付属溝無黒色Mサイズ、付属銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「膨らみを感じる低音と控えめな高音域、ボーカルが聴きやすいドンシャリ」でした。

箱出しでは低音に膨らみと、高音域の物足りなさを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が落ち着き相対的に高音がややでできたように感じられます。

音場は広くも狭くもなく普通。

高音は煌びやかさと華やかさは感じられますが、主張は控えめ。その分刺さりは感じません。

低音は量感があり広がりと響き感じられその分締りとキレは程々。ベースラインが目立ち追いやすい。重低音は沈み込みは深く強さも有る。

中音は適度な華やかさがありますが、主張は強くなく多少ゴチャつきを感じます。ボーカルはクリアでやや近い位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によって近く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

高音は煌びやかさと華やかさはとにかく前に出るような主張は無く控えめに感じ、超高音までの伸びはあまり感じない。良く云えば不快に感じる尖りはなく、ボーカルを邪魔することなく誇張の無い高音。これはCCA CA2の傾向と同じですが、KZを始めとする低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると、やはり弱く物足りなさを感じることもあります。

中音は凹みを感じ難く、楽器の音はボーカルの周りからやや後ろ、近くに位置し華やかに鳴り、多少の重なりを感じますが、ボーカルをマスクする程ではありません。寧ろボーカルはクリアで聴きやすさがあり、高音、低音に負けていません。

全体的に中低音域がしっかりとしていて聴きやすい音です。音数が多いハードな曲では中音の音が重なり、ごちゃつく感じがありますが、ボーカルを中心に聴くことができます。

そのボーカルは自然な暖かみを感じられ、熱量を感じます。しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性の良さを感じられます。

低音は量感があり多少の演出感がありますが、適度に広がり響きがある音。そして強さがあります。代わりに締りとキレは程々で、ドコドコドコがドドドと強弱が見え難く感じ、CA2やEDXの方がキレを感じます。重低音は沈み込みは深く強さがあり、音楽を雰囲気良く聴くことができます。

雰囲気のある低音と中高音の必要以上に前に出ない華やかさ、ボーカルの聴きやすさはこれまでにレビューした1DDトレンドモデルの中でも特筆できます。


さて、CCZ Coffee Bean DC-1はこれまでレビューしたトレンドモデルの音の傾向ではCA2が近く、Trn CS1も似ていますが、中音域の性質が異なりCS1の解像感の方が良好です。そしてEDXのドンシャリとは違いますし、KS1の同じ中低音寄りではありますが、その音とも違います。

補足すれば、EDXの元気で派手な音はKZの音であり、KS1の中低音寄りながらも聴かせ所をわきまえたバランスはKBEARの音。CA2の誇張の無い大人の音はCCAの音ですし、MT1ではそれらと異なり中高音をクリアに聴かせる音で最近のTrnの音です。

それらと比較した場合に一番近いのがCCA CA2と云えますが、CA2でもCCZ Coffee Bean DC-1程の個性を出していませんし、CA2の低音はキレがありますので、小気味良い音と雰囲気のDC-1という違いがそこに存在します。

Trnの様に低価格帯でTrnの音を踏襲しようとすると、高級機の様にドライバにコストを掛けられない制約から、中高音を聴かせる為に低音が犠牲になってしまい、バランス的にどうなの?と思う場合があります。CCZ Coffee Bean DC-1でもオーソドックスな音をではなく、後発として個性を求めた結果だったのかもしれません。まあ、邪推ですね。

 

CCZ Coffee Bean DC-1を含め1DDトレンドモデルをここまで6機種聴き比べました。前回と結論は変わらず、一連の1DDトレンドモデルはやはり高音は伸びや華やかさが1BA+1DDハイブリッドモデルに比べるともの足りなさがあり最新1DDモデルの聴き比べからは、1BA+1DDハイブリッドを再評価できます。もちろん1DDには1BA+1DDハイブリッドと違い高音域と中低音域の繋がりに不自然なところを感じず、それを高音の音数や音圧で誤魔化すことによる高音域の過度な演出による不自然さはなく、あくまでも自然な音を楽しめる、何方も違って何方も良いと云えます。

 

次に、代表してKZ EDXやCCA CA2との違いをピックアップ。

EDXとCA2は同じ中低音寄りで、CCZ Coffee Bean DC-1も中低音寄りです。ではEDXとCA2と同じ音かと云えばそれは違い、それらはちゃんと各社の音を造っています。CCZ Coffee Bean DC-1は低音を重視し雰囲気のある音。CA2はどちらかと言えばCCZ Coffee Bean DC-1に近いもののそれよりもドンシャリ感があります。EDXはやはりKZのドンシャリを踏襲しているものの上手く高音と低音の強さを整えています。

またCCZ Coffee Bean DC-1はKZ EDXやCA2同様にベースラインがしっかり感じられますが、CCZ Coffee Bean DC-1の方がよりしっかりしていて存在感は強め。CA2やEDXも低音はしっかりしていますが、CCZ Coffee Bean DC-1の方がより強めに感じ、CA2、EDXと続きます。

CCZ Coffee Bean DC-1の中音域はごちゃ付を感じやすい。CA2同様に暖かみがあり熱量をより感じます。EDXではそれらに比べるとドライですが、CCZ Coffee Bean DC-1やCA2では低音域が多少重なると云えます。CCZ Coffee Bean DC-1やCA2は中低音に豊かさを感じられ、EDXよりもボーカルの粗さが目立たず。すっきりクリアの度合いはEDX>CA2>DC-1ですが、明朗さクリア度合いはCA2>DC-1>EDXと感じます。

 

※以前のKZ EDXのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のCCA CA2のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとCCZ Coffee Bean DC-1は低音の響きとボーカルの熱量により雰囲気の良さがある中低音重視のイヤホンです。高音は相対的に控えめ、低音は強さがある音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを多少感じるものの、自然で熱量を感じるボーカルは聴きやすくジャズなどでは相性の良さを感じられそうです。そして従来の1BA+1DDハイブリッドモデルでは高音が派手すぎると感じる方にシンプルな1DDモデルとして選択肢が増えたと云えます。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求め、演奏メインで聴きたい方には、もの足りなさを感じ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   EDX ≧ CA2 ≧ DC-1 

中音   CA2 ≧ DC-1 ≧ EDX

低音   DC-1 ≧ CA2 ≧ EDX

ボーカル DC-1 ≧ CA2 ≧ EDX

 

 

4. CCZ Coffee Bean DC-1の総評

CCZ Coffee Bean DC-1は最近の1DDトレンドモデルの中でも低音域の響きとボーカルの熱量を感じられ雰囲気の良さがある中低音寄りの音とまとめました。

一連の1DDトレンドモデルと同じ1BA+1DDハイブリッドモデルからBAを取ったバランスではなく、1DDのみで十分良い音を造る各社の音に感心しするとともに、やはり高音の物足りなさを感じます。しかし各社の音はそれぞれ特色がありその音色を体験することができ、従来のハイブリッドモデルではその不自然さを嫌う方に試して欲しい音と考えています。

そういう意味で中華イヤホンを「コスパ重視」で検討される方へお勧めできますが、中華イヤホンの強ドンシャリを求め検討されている方には注意が必要な商品ですね。

 

最後に、今回は国内amazonで今月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年7月10日)はAliExpressでは見当たらず 現在(2021/7/21)AliExpressでは2,000円を切る価格で販売していますが、国内amazonのみ発売されておりクポーン(2021年7月10日現在500円off)により1,000円台の価格で入手可能です。一方AliExpressの方が通常は安価に入手できますが、取り扱いもなくその入手性にも現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

※2021/07/21更新

 

DC-1

以下、付属ケーブル、何かの付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (低音重視の方に)  

※☆0.51.0

 

CA2

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★  

※☆0.51.0

 

EDX

以下、付属ケーブル、付属溝無白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★ 

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく同じ低価格帯の1DDモデルの新商品のレビューをまとめました。取り合えずこれで1DDトレンドモデルのレビューは終えたいと思います。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。溜まってきている多ドラハイブリッドモデルにもそろそろ手を付けていきますが、順番は入手順ではないかもしれません。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2021/07/21 AliExpressでの取り扱いを確認できましたので修正し更新。