みぃねこの備忘録

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CCA CA2レビュー ※KZ EDX、Trn MT1との比較含む

こんにちは。

今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編として、1BA+1DDハイブリッドモデルではなく1DD、シングルダイナミックモデルのCCA CA2についてレビューをまとめたいと思います。

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)等で取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取扱がありますが、本国発送となります。また、他の商品との混合になっていますのでご注意ください。

 

 

 

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1. CCA CA2について 

CCA CA2は今年5月にシングルダイナミックドライバのモデルとして新発売されました。CCAはKZとは言わば兄弟のような関係であり、例えるならやんちゃでノリの良い元気な長男のKZとどこか冷めていて大人びた要領の良い次男というそれぞれのメーカーの音づくりになっていると個人的に感じています。

CCAと云えば、1BA+1DDハイブリッドモデルのC04を2018年11月に発売。これが同社の最初のラインナップという認識です。そして同年12月に当時のトレンドであった4BA+1DD多ドラハイブリッドモデルのC10を発売しました。当時のKZは同年夏にAS10、BA10という5BAの複数BAモデルがU10000という破格の値段で話題となりましたが、音質評価はいま一つ。また同社の4BA+1DDモデルとしてZS10を発売し久しく、シェルが大柄で人を選ぶというラインナップでした。

その為、KZの良く云えば突き抜けた音とは違う適度なバランスの音のC10が、当時CCAの評価を高めたのは言うまでもなく、その後発売されたイヤホンでもKZとCCAが良い意味で対になる関係は維持され、稀にCCAがKZに寄ったりその逆もあったりすることもありましたが、現在に至ります。

 

個人的にKZとCCAは一部の複数BA機を除き入手しレビューをしています。そこで改めて調べてみると、CCAもKZも2018年後半から現在までイメージ程1BA+1DDハイブリッドモデルを発売していません。先日レビューしたCSNは最初のC04との間にCA4があるだけで、CCAの三作目となるモデルです。KZでもZS4以降ZSN、ZSN Pro、ZST X、ZSN pro Xの5機種のみ。実はKZ対抗としてはTrnが本命で、IM1(Pro)、IM2、ST1、STMと先日発売したST2の5機種となります。

そういう意味でもCCAはKZのブランド違いとして冒頭の兄弟関係と捉えています。

 

さて、今回CCAからKZ EDXに続く低価格帯のエントリーモデルとして1DDモデル、CCA CA2が登場しました。以前レビューしたEDXは高音と中高音域は適度な華やかさで十分な存在感がありますが、尖りは無く、低音域は不足なく鳴らし出しゃばらず、中音域は適度な華やかさでボーカルを聴きやすく感じられるバランスの良い音質傾向とまとめています。それに対してCCAはどの様にまとめてくるのか非常に気になります。

というのもEDXがKZらしさを残しながら1BA+1DDハイブリッドモデルで感じる各音域のつながりの不自然さを感じず自然な音でありながら、高音と低音に過不足を感じさせない音はまるでCCAの音を想わせました。

対するCCAはお家芸ともいうバランスの良い音をKZが先行しており、1DDというシングルダイナミックドライバのみ且つ、低価格帯という制約の中でのチューニングに期待しています。

 

近年、成熟しつつある低価格中華イヤホンの代名詞であった1BA+1DDハイブリッドではなく、敢えてBAを搭載しないシングルドライバの1DDモデルを中華低価格イヤホンの雄KZを皮切りに、対抗Trnからは前回レビューしたMT1と(入手済み未レビューの)CS1を立て続けに投入済。その間、注目株のKBEARからもKS1も登場する活況さ。一方兄弟機CCAも今回CA2を発売し、俄かに注目度が上がっています。

毎度のことながら中華イヤホンのトレンドはKZ次第と感じる事があり、それはやはりEDXがトニカク安価で音質も良く「圧倒的なコスパ」であったことからもTrnは当然としても、KBEARやCCAがKZらしさとは対になるバランス型の音質傾向で楽しませてくれるそんな選択できる楽しさが、中華イヤホンの醍醐味と云えますね。

 

CCA CA2は5月に発売され、片側に一つのダイナミックドライバを搭載する各社一連のトレンドモデルとして後発となります。低価格帯の中華イヤホンでポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルでは高音域をバランスドアーマチュア(BA)ドライバ1基がそれを担いましたが、CA2ではダイナミックドライバ(DD)1基が高音から低音域までをフルレンジで担っています。音を繊細に高い解像感で表現するのにBAは最適ではありますが、中華イヤホンの低価格帯で採用されているBAの質は残念ながら高いとは言えず、音に粗さがあり解像感を重視した結果、シャープさはあるが故に尖りも兼ね備えてしまう痛し痒し。もちろんドライバの質だけでなくチューニングも重要です。高音域のBAと中・低音域のDDの各音域のクロスオーバーはメーカーの腕の見せ所となりますが、今回はダイナミック1基となりますのでその心配は不要です。

加えて、それらチューニング技術は数年前に比べればかなり良くなってきており、実際KZ ZSN pro XやKBEAR LARKは国内有名メーカーのU5K辺りとも良い勝負をすると思います。

ですが、初期ZSTの頃は1,000円ちょっとという圧倒的コスパによる人気からも分かるように現在は2,000~3,000円と国内メーカーのエントリーモデルと同等となってきていています。今でも十分にコスパは良いのですが、これらのトレンドモデルでは敢えてシングルダイナミックドライバ1基とし原点回帰とも云える「鬼コスパを再び」の一手と考えています。

 

昨今の中華イヤホンのレベルアップを感じつつ、原点回帰の鬼コスパトレンドモデル群に登場したCA2を他の中華イヤホン低価格1DDモデル、KZ EDXやTrn MT1との違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

本レビュー後はいよいよ1DDモデルレビュー編、最終章に続きます。

 

CCA CA2のスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルとは異なり、一つの大径ダイナミックドライバを搭載し、高音域から低音域の全域を担当しています。

ダイナミックドライバには直径10mmの磁気ドライバには4層ボイスコイルを採用。メーカー説明では従来よりも中音域はクリアに、高音域はより伸びやかに、低音域は豊かになっているとのこと。

イヤホン本体はシェル本体とフェイスプレート及び、ステムノズルが樹脂製。KZ EDXと同様にオール樹脂製です。

そして大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンでは各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となりますが、CA2ではシングルダイナミックドライバであることから音域毎のチューニングが重要です。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCA CA2の納期として今回AliExpressで購入し中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきません。今回もオーダーから2週間強で届きました。昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由ではなく台湾経由等で動き始めていますので、物流の安定化までもう少しというところですね。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. CCA CA2実機レビュー 

それでは、早速CCA CA2の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはいつものシンプルなCCAの小箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座を取り外すと箱の底に付属品が収納されています。


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付属品はシリコンイヤーピースが白色タイプのS、M、Lの3種が計1セット。そのシリコンイヤピMサイズが本体取付け済。他にはケーブルです。U1K、実売1,000円以下の低価格帯として必要最低限の付属品となります。


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次にビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところ感じさせない、近年のレベルアップを感じられ、寧ろKZ EDXよりもシェルの合わせ面等が綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションはクリアとレッド、イエローがあり、今回はクリアを選択しています。


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付属ケーブルは最近のタイプではない初期のCCAの4芯銅線、茶色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側は従来のKZ-Bタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感はお世辞にも褒められませんが、特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的にやや絡まりやすいものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも最低限の印象。とはいえそのまま使用できますし茶色ケーブルは落ち着いた色味からは、シェル本体の色と相まって普段使いでは気になりませんね。個人的には銅線ならば最近の明るい茶色の方が良いですけど。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

※画像左からKZ EDX、CCA CA2、Trn MT1 

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CCA CA2とTrn MT1、KZ EDXの外観の比較として、サイズ感や体積はほぼ同じ造形です。MT1のみKZ-Cタイプのコネクタとなっています。

三機種共にシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。

MT1は樹脂製シェルにステムノズルが金属製でCA2とEDXはオール樹脂製です。

重量は三機種共にほぼ同じですが、その造形から耳への装着時には殆ど差が分からないレベルです。三機種共に耳への装着感は悪くありませんが、ステムノズルの太さはMT1が僅かにやや太め。CA2とEDXは一体成形の都合上、強度を持たせる為に太さがありますが、MT1よりはやや細くなっています。角度は三機種共にほぼ同じ。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてMT1のフィルターは他の長穴と違い丸型。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りCA2はステムノズルは比較的太めです。太いステムノズルは装着感に影響があり、圧迫感を感じやすいですが、CA2ではイヤーピースの大きさでシンプルに調節可能です。付属の白色イヤーピースMサイズを耳奥に栓をするように装着する形が音質的にもしっくりきました。


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この付属イヤーピースはKZ EDXにも付属するKZ溝有白色タイプです。個人的にKZ付属の溝有黒は傘がパサパサしていて遮音性がイマイチに感じる事が多いのですが、こちらは色の違いだけでなく傘に粘りがあってしっくりきます。

音質的にはやや高音中音がしっかりとするタイプに感じますが、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択した方が良いと思います。

幸いこの付属イヤーピースでも私は上手く合わせられ、耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じますが、今回は同じ付属のイヤピ白色で十分と感じられそれを使用しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. CCA CA2音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今後は価格帯関係なくSony NW-ZX507を基準としてレビューを行います。ずっとスマホ同等かやや良いくらいという基準を持ってきましたが、ご容赦ください。

ZX507については他の方のサイトでも詳しく解説していますので、SONYのまあまあの価格帯のサブスク対応android機です。従来のShanling Q1は3.5アンバランス接続のみですが、ZX507は4.4バランス接続にも対応しています。DACには独自開発のS-Master、フルデジタルアンプが採用されています。

Shanling Q1とZX507の音質の違いは音場がやや平面的に感じられるQ1に対し、ZX507は奥行きのある立体的な印象。具体的にはボーカルの位置に対し、高音や中音の演奏音がその周りやや離れた後ろ側に位置し自然な位置関係に感じられます。

次に、音質傾向ですが、音楽を正確に淡々と鳴らそうとするQ1に対し、ZX507は高音域と低音域をしっかりと鳴らすやや派手な音ながらも、ボーカルを邪魔せずにそれを引き立てています。所謂ドンシャリ傾向と云えますが、過剰なほどではなくて若干の演出という感じ。そして中音はボーカルに対し相対的に控えめに感じられますが、その分ボーカルはクリアです。特徴としては低音に厚みがありますので音楽を雰囲気良く聴くことができるSONYの音といえます。

個人的には音楽を楽しく聴くという本来の目的を達成するために必要十分なDAPと考えており、今年6月からは音楽配信サービス、Apple Musicがロスレス対応しましたが、android搭載DAPとして勿論対応(※)しています。そして、何よりもBluetooth接続は安定していますので、強いて云えば電池持ちが悪い位しか不満はないです。

※2021/06/19現在 android版Ver3.6.0ベータ版

 

 

 

低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属白色Mサイズ、付属銅線ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「やや低音に膨らみを感じる低音と過不足ない高音域のドンシャリバランス」でEDXに似た印象です。

箱出しではやや低音に膨らみを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着き相対的に高音中音がクリアに感じます。

音場は広くも狭くもない普通。

高音は適度な煌びやかさがと華やかさはありますが、主張は控えめ。その分刺さりは感じません。

低音はやや量感があり芯が感じられ締りとキレがある。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みは深く強さも有る。

中音は適度な華やかさがありますが、主張は少なくゴチャつきも少なく感じます。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ聴きやすく、曲によってやや近く感じます。

一言で云えば中低音寄りのドンシャリ

高音は適度な煌びやかさと華やかさは常に前に出るような主張は無くやや控えめに感じ、超高音までの伸びもそれほど感じない。逆に云えば不快に感じる尖りはなく、ボーカルを邪魔しない、良く云えば自然な高音。これはCCAの傾向とも云えますが、KZを始めとする低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルと比べると、弱さとも捉えることができます。低価格帯の1BA+1DDハイブリッドモデルが人気のある理由と云え、BAの存在意義を再認識します。

中音は凹みを感じ難く、楽器の音はボーカルの周りやや後ろ辺りに位置し華やかに鳴ります。ボーカルはクリアで聴きやすく、高音というか低音に埋もれません。特に低音がしっかりしているのにボーカルがクリアに聴こえるのは個人的に出来が良い証拠だと考えています。

全体的にみれば中低音域がしっかりとしていて音楽を楽しむという意味で非常に聴きやすい音で、音数が多いハードな曲でも高音域や中音域の音の重なりによる団子感をあまり感じずにボーカルをしっかりと聴くことができます。

ボーカルは自然で熱気や憂いを感じられ、不自然さを感じません。しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性の良さを感じられます。

低音はやや量感がありますが、不自然で下品な量ではなく、広がりや響きに重きを置いた音。そして芯のある音で締りとキレがあり強さがありますので、中高音寄りのイヤホンの低音に慣れた方には多く感じるかもしれません。重低音は沈み込みは深く強さがあります。この低音の高音中音を邪魔しない適度なバランスと中高音の自然な華やかさを加えたバランスの良いドンシャリがCCAらしさ、例えるなら同社C10の様な耳に馴染み易く聴きやすいバランスの音を聴かせてくれます。


これらは以前レビューしたCCAのドンシャリと傾向は同じです。EDXのドンシャリとは一味違う、CCAとKZの音の違いと言い換えられます。一方Trnはそれらとは違い中高音を聴かせる為に低音が犠牲になっている感がありますが、それはそれでそういう音は高級機に多くありますので、行きつくところはそうなのかもしれませんが、何せドライバの性能が追い付かないためなんちゃって感があります。

そして一連の1DDトレンドモデルはやはり高音は伸びや華やかさが1BA+1DDハイブリッドモデルに比べると足りず、全音域をどの様にバランスを取るかを各メーカーが自社の音を造っており、聴き比べるのが楽しいです。

そして聴き比べたからこそ1BA+1DDハイブリッドの良さを感じます。もちろん1DDには1BA+1DDハイブリッドと違い繋がりに不自然なところを感じられず、それを音圧で誤魔化す必要がありませんので、これはこれで良いのだと思いますし、それを考えると国内メーカー5,000円前後及び、以下のモデルfinal Eシリーズは本当に良い音なんだなと感心します。売れているのにはちゃんと訳がありますよね。

次に、KZ EDXやMT1との違いはEDXはCA2と同じ中低音寄りに対し、MT1が中高音寄りという事。MT1はドンシャリ感は控えめも高音や中音域のクリアさを重視した結果、低音が犠牲になっています。EDXはどちらかと言えばMT1に近いもののやはりドンシャリで中音域に凹みを感じます。MT1は中音域の凹みを感じさせずに上手く高音と低音とバランスを整えていますが、逆に高音と低音が弱いとも云えます。

またKZ EDXはCA2同様にベースラインがしっかり感じられますが、MT1は存在感は薄め。CA2やEDXは低音もしっかりしていますが、CA2の方がよりしっかり感じ、MT1とはかなり違いを感じる部分です。

CA2の中音域もクリアですが、それはEDXに近くMT1それとは違います。MT1の中音域はすっきりクリアに聴かせる音色ですが、CA2やEDXでは低音域が多少重なっていると云えます。それでもCA2は中低音に豊かさを感じられるのに、EDXよりもボーカルのクリアさが特徴的。すっきりクリアの度合いはMT1>EDX>CA2ですが、明朗さクリア度合いはMT1>CA2>EDXと感じます。

 

※以前のKZ EDXのレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

※以前のTrn MT1のレビューもご参考ください

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとCCA CA2は中低音重視のボーカルが楽しめるイヤホン。高音は相対的に控えめ、低音は芯のあるキレの良い音。中音域は低価格帯でよくあるごちゃ付きを抑えたクリア。自然なボーカルが聴きやすい音質傾向はCCAの音と云えます。そして従来の1BA+1DDハイブリッドモデルとは趣向の違う音と云うのが、それら1DDトレンドモデルと云えそうです。

尤もリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求め、演奏メインで聴きたい方には、もの足りなさを感じ評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   EDX ≧ MT1 ≧ CA2 

中音   CA2 ≧ MT1 ≧ EDX

低音   CA2 ≧ EDX ≧ MT1

ボーカル CA2 ≧ MT1 ≧ EDX

 

 

4. CCA CA2の総評

さて、CCA CA2はやはりCCAの音でありKZやTrnとは違うとまとめました。

一連の1DDトレンドモデルと同じ1BA+1DDハイブリッドモデルからBAを取ったバランスではなく、1DDでも十分良い音に。そして各社の音を体験できる、各社の音を楽しめるイヤホンとして従来のハイブリッドの不自然さを嫌う方に試して欲しい音と考えています。

そういう意味では中華イヤホンは「コスパ重視」の方へお勧めできますが、中華イヤホンの強ドンシャリを求め検討されている方には注意が必要な商品ですね。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年6月26日)はAliExpressやamazonで発売されており、AliExpressでは1,000円以下の価格で入手可能です。一方amazonでは本国発送の1,000円台の価格と、AliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

CA2

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★  

※☆0.51.0

 

MT1

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★

※☆0.51.0

  

EDX

以下、付属ケーブル、付属溝有白イヤピ M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★ 

※☆0.51.0

  

あとがきとして、今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく同じ低価格帯の1DDモデルの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ