みぃねこの備忘録

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Kinboofi KB EAR OPALレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし、番外編として先日発売されたのKinboofi KB EAR OPALについてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いとして販売をしているNex Audio(@NexAudio)様よりご提供いただきました。

もちろん国内amazonでKinboofi(@kinboofi)でも取り扱いがあります。(2019年5月17日現在)

 

 

 

KB EAR OPALは国内amazonマーケットプレイス扱いで中華イヤホン販売を展開しているKinboofi社のセラーオリジナルモデルで先日レビューした中価格帯KBF MX2や高価格帯のKBF MK4に続き低価格帯に満を持して投入された1DDドライバ構成のモデルです。このモデルのKinboofi社での販売と同時に国内amazonで中華イヤホン販売を展開していたNex Audio社でも取り扱いを始めています。併売を始めた経緯等は不明ですが、購入先の選択肢が増えるということは競争にも繋がり結果、ユーザーメリットに繋がる訳で喜ばしいことと一中華イヤホンのファンとして嬉しい限りです。

Nex Audioでは他にもKZ社のイヤホン等多数の取り扱いがり、twiter上での担当者のフォロワーとの気さくなやり取りは好感が持てるセラーという印象です。この辺りはKinboofiのtwiter担当者も同様で両者共に日本語が非常に上手で世界でもかなり難解な日本語を理解できるというのが大げさな話ではないと感じる部分が多々あり、恐れ入りますね。

KB EAR OPALは同時発売でKB EAR F1という1BAドライバ構成のモデルもあり、低価格帯に1DDと1BAモデルの新製品を2つ同時に投入するという非常に戦略的な販売計画を展開しており、これまで中価格帯及び高価格帯の中でもセラーオリジナルモデルとして評価が高かったKinboofiブランドがいよいよ低価格にも進出するという非常に意義があるモデルです。余計なお世話ですがここでコケたらこれまでのKinboofiは大丈夫という神話(大袈裟)が崩れかねませんからね。

 

KB EAR OPALは先述の通り1DDドライバのモデルですがNex Audioのtweetではバイオセルロースを採用しているとの情報もあり、それがどのような音を聴かせてくれるのか非常に楽しみですね。

そしてOPALは以前レビューしたFinal E1000等とバッティングする価格帯であり少し上を見れはTFZという壁が存在し、最近ではLZ社のZ04Aが同じバイオセルロースを採用し低音が特徴的なモデルとして人気があるようです。しかしTFZのT2Gで国内amazon正規品が8,000円台(執筆時)のU10Kと高めの設定。LZ-Z04Aが同じバイオセルロースを採用し4,980円となり比較的近い価格設定ですがやや高いことを考えるとこのKB EAR OPALは驚異の3,000円切りと云えそうです。

つまりまだまだ珍しいバイオセルロースのドライバを試してみたい、聴いてみたい方には手が届きやすくお求めやすい価格であり低価格帯で更に3,000円を切った価格での販売戦略にはそういう角度から捉えたときに納得でき、寧ろ中華の恐ろしさを感じますね。だって、Final E1000もあの価格であの音質を実現したことに意味があるのですから。(Final E1000を気になる方は以前のレビューを是非ご覧ください)

 

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KB EAR OPALのスペックはU3Kの低価格帯中華イヤホンでは珍しい1DDのみとシンプルなドライバ構成です。これまでレビューした3K前後の低価格帯では1BA+1DDのハイブリッドが多くKZ ZSN Pro等以前レビューしていますが、このOPALではバイオセルロースという珍しいドライバを採用し差別化を図っています。

実際1BA+1DDのハイブリッド方式ではカバーできる帯域も広くすることができますし、ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させることで高音域と低音域を疎かにすることがなく有利となりますが、高音低音の間の中音域で各ドライバの守備範囲をクロスオーバーさせるため何処を重視するかによって音質に影響がでやすくこの点では2ドライバが不利となりますが、1DDではそのシンプルな構成故に各音域のつながりは自然で且つなめらかさを持たせられ多ドラで感じる各音域のつながりの不自然さが発生しにくい利点があります。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり高音と低音が逆に疎かにならないような各音域のチューニングがポイントになり、極端に云えばどの音域を重視するのか、はたまた全音域をバランスよく鳴らすのかチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でOPALが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、未だ見ぬバイオセルロースDDにこれは期待したくなりますよね。

 

それでは、早速KB EAR OPALのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは黒を基調としたスリーブタイプで表にイヤホンのイラストが。裏面にはスペック等が記載された化粧箱です。

 

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スリーブを外すと黒地の内装にイヤホンとイヤーピースが収納され白地の内箱とのコントラストが特徴的です。

内箱下部に付属品が収納された小箱がありその中にはケーブルとイヤーピースがもう1セットあります。

 

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イヤーピースはシリコングレーと白のS、M、Lの3種各2セット。内、グレーMサイズが本体取付け済みで、ケーブルです。他の低価格帯と同様の付属品の構成ですがイヤーピースが開口部の大きいタイプと小さいタイプの2種付属し好みで選べるのは嬉しいですよね。まあ低価格帯では化粧箱や付属品にコストかけないという潔さは個人的に嫌いではありませんけど。


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ビルドクオリティですが、このOPALは低価格帯で心配される雑な部分を感じない丁寧な仕上りです。

特徴的なフェイスプレートのデザインは光に反射し非常に綺麗です。個人的に好きなデザインですがこの辺りは好みがありますよね。 

カラーバリエーションは選択できず黒色のみとなっています。


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付属ケーブルは最近のKZに似た茶色の編込みタイプでmmcxコネクタを採用しリケーブルが可能となっています。この付属ケーブルでちょっと感心したのがスライダー付きなこと。他の低価格帯で例えば最近はKZの付属ケーブルは質が向上したとはいえスライダーはありませんので、よくわかっていらっしゃるなぁ(笑)と思いました。

またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯の交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できるのが嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通り特徴的なデザインのフェイスプレートとなります。形状は比較用にKZ ZSN ProとTFZ T2GとならべてみるとOPALはそれらよりややコンパクトになっていますがZSN Proより厚めとなります。

シェル本体は樹脂製でステムが金属となりますがそれらより比較的重量は軽く装着感も同様に良好です。ただし付属イヤピでも装着感は良好ですが低音が軽く感じられバイオセルロースのDDってこんな訳ないという思いがあり、付属品の使用を諦め手持ちのイヤピを色々と試しましたが最終的に七福神商事の丸七長楽青を使用し耳奥で装着する形で納得がいく音になりました。浅めに蓋をする装着よりも耳奥で装着する方がより良い印象を受けると思います。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、アンバランス直挿しです。

以前のKZ ZSN Pro等同様に低価格帯イヤホンではスマホ直挿しでの使用も想定して相応のDAPということでShanling M0を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sでも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音寄りで中音域が聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや狭い印象で音の分離感は普通からやや良好です。特に中音域は複数いる弦楽器の音を大小それぞれのパートの音をちゃんと聴き分けられます。箱出しでは感じ難かったのですが鳴らし込み後はそれが顕著で独特の空気感を感じますね。
ボーカルはやや遠く感じますが中音域の楽器が左右に存在していて不自然さはありません。
低音は量感は十分で広がりはやや控えめですが締りとキレがあります。重低音の表現力として沈み込みも良好でベースラインも追いやすく感じます。
高音は煌びやかさが十分ありますが1BA+1DD機のような主張はなく控えめ。伸びも今一つで中低音にやや埋もれる印象で一歩下がったバランスです。

中音は特に分離感が良く左右の音がクリアに聴こえ高音と低音域の自然なつながりを感じます。これは1DDの最大のメリットですよね。

傾向として一言で云えば中低音寄りのややドンシャリと感じます。

中低音寄りといっても誇張された低音ということではなく、先述のように低価格帯の中でも質の高い低音を表現できていますし、なんといってもOPALの最大の特徴は中音域の分離感だと思います。これはこれまでにレビューした低価格1BA+1DDハイブリッドでは殆ど例を見ない感じですね。

 

この様にOPALの音作りは低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、DDで高音中音低音域の全てをカバーさせるためBA搭載機のような高音域ではありません。また国産低価格帯の1DD機にありがちな低音域だけ強調させ重低音を売りにしたりせずに1DDの利点を活かした各音域の自然なつながりに加えバイオセルロースの特徴的な質の高い低音域や中音域の分離感の良さが低価格1BA+1DD機とは違う自然で心地よいリスニング環境を提供してくれるのではないでしょうか。

 

 

まとめとしてKB EAR OPALは同じ低価格帯の1BA+1DDのモデルとは異なるリスニングモデルとして他にはない特徴を持つ仕上がりと云え、同価格に近い国産1DD、もっと云えばFinal E1000とは異なり家の外に持ち出した場合でも聴きやすさがあるモデルでありとにかく音楽をいつでもどこでも楽しく聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方Final E1000のように音楽をクリアに聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてKB EAR OPALは最近の低価格帯中華イヤホンの中でも珍しい1DDモデルで音楽を心地よくリスニングできるイヤホンですが、イヤピ選びと鳴らし込みが必要です。最近は低価格でも箱出し直後から付属品を使用しても安定した音質を提供できるモデルが多い中で少しだけマニア寄りな側面もありますが、バイオセルロースを試してみたい方や1DDの音作りが好きという方には選択肢としてアリかもとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになり最早お蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はU3K、3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで2,000円後半と1BA+1DDモデルが購入できる価格帯ですが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて1DDモデルが少しでも気になった方は安心確実の国内amazonにて購入を検討してみてくださいね。

 

OPAL

以下、付属ケーブル、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M0
高音★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★☆ (1DDの音作りが好きな方★4)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1DDの低価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。次回は同時発売のアレをレビューしてみたいと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ