みぃねこの備忘録

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Kinboofi KB EAR F1レビュー

こんにちは。

今回もいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし、番外編として前回予告通り先日発売されたのKinboofi KB EAR F1についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いとして販売をしているNex Audio(@NexAudio)様よりご提供いただきました。

もちろん国内amazonでKinboofi(@kinboofi)でも取り扱いがありますがどちらも在庫切れのようです。(2019年5月18日現在)

 

 

 

https://www.amazon.co.jp/バランスド・アーマチュア1基搭載-カナル型イヤホン-細部表現重視-バランス良い-天然樹脂ハウジング/dp/B07RHM9PCS/ref=sr_1_fkmrnull_8?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=kb+ear+f1&qid=1558246888&s=gateway&sr=8-8-fkmrnull

 

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※在庫復活時にリンク修正等をおこないます 

 

KB EAR F1は前回レビューしたKB EAR OPALと同時発売されたKB EARシリーズで国内amazonマーケットプレイス扱いで中華イヤホン販売を展開しているKinboofi社のセラーオリジナルモデルです。Kinboofi社といえば先日レビューした中価格帯KBF MX2や高価格帯のKBF MK4という評価の高いモデルに続き低価格帯に満を持して投入された1DDドライバ構成のモデルOPALとは異なるドライバ構成で1BAモデルとなります。こちらのモデルもKinboofi社での販売と同時に国内amazonで中華イヤホン販売を展開していたNex Audio社でも取り扱いを始めています。OPAL同様に併売を始めた経緯等は不明ですが、購入先の選択肢が増えるということは競争にも繋がり結果、ユーザーメリットに繋がる訳で喜ばしいことと一中華イヤホンのファンとして嬉しい限りですね。

国内amazonマーケットプレイス扱いとして中華イヤホン販売を手掛けるNex Audioでは他にもKZ社のイヤホン等多数の取り扱いがり、twiter上での担当者のフォロワーとの気さくなやり取りは時に日本文化への理解を感じられ好感を持ちます。販売としてはまだまだこれからというセラーという印象ですが、KZ ZSN ProやCCA CA4等の手堅いラインナップが日本での成功を得るために戦略的に知名度を上げる作戦が功を奏していると感じます。なによりKinboofiのtwiter担当者も同様ですが両者共に日本語が非常に上手で世界でもかなり難解な日本語を理解できるというのは日本の文化を理解していなければ成しえない話で、その努力には個人的に敬意を表してしまいます。

KB EAR F1と同時発売で前回レビューしたKB EAR OPALという1DDドライバ構成のモデルがあり、低価格帯に1DDと1BAモデルの新製品を2つ同時に投入するという非常に戦略的な販売計画を展開しており、特にこれまで中価格帯及び高価格帯の中でもセラーオリジナルモデルとして評価が高かったKinboofiブランド製品をその一手に選んだNex AudioがKinboofiとの協業のような形でKinboofi社の低価格帯への進出とマーケットの拡大を意図するNex Audio社との利害が一致したのではないかと邪推しておりますが、真意は不明ですのでその辺りはご了承ください。

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KB EAR F1は先述の通り1BAドライバのモデルで搭載するドライバはBlessing製32257となり一般的に1BAのフルレンジでは低音域に弱々しさを感じやすくDDのような低音は望むべくもありません。

ですがこちらも同シリーズのOPAL同様に1BAのみ故の各音域のつながりの良さを期待できますし中高音域のクリアさはDDの高級機に匹敵するのではと期待が高まりますね。

手持ちではElecom AQUAやEARNiNE EN120がありこちらは購入時価格がA5Kと少々高めの価格帯ではありますがどちらも評価の高いモデルとなります。対してF1の方が3.5Kと安価となりそれらと比較し音質にどのような違いがあるのか気になりますよね。

尤も他に手持ちでSONY XBA-C10やオーディオテクニカ ATH-CKB50もありますが、今となっては古いモデルとなり失礼ながら投げ売りの入手時の価格ではこちらとほぼ同じ価格のため比較対象に少し悩みましたが、やはりそれらの発売当時の価格がA5Kだったことを考慮し特に評価の高い先の2つのモデルとしたいと思います。

そういう意味ではこのKB EAR F1は国内amazonで3,500円と非常に安価に1BAモデルを購入できるため驚異のコストパフォーマンスと云えそうです。

逆に云えば低価格中華イヤホンとして1BAモデルが3.5Kと高価とも云えますが、そもそも1BAモデルはその音作りが先述の通り難しく、あちらを立てればこちらが立たずと国内メーカー製でっあってもその傾向は変わりません。数万円の高級機であれば変わってくるようですが土俵が違いすぎます。そんな訳で今や国内メーカーも殆ど手を出さない低価格1BAモデルを試してみたい、聴いてみたい方には手が届きやすくお求めやすい価格ですので無試聴で取敢えず1本買っとくかというノリでお買い物もアリではないでしょうか。

 

 

KB EAR F1のスペックはA3Kの低価格帯中華イヤホンでは珍しい1BAのみとシンプルなドライバ構成です。これまでレビューした3K前後の低価格帯では1BA+1DDのハイブリッドが多くKZ ZSN Pro等を以前レビューしていますが、前回のOPALでは1DDを。このF1ではBlessing製フルレンジBAのドライバを採用し差別化を図っています。

実際1BA+1DDのハイブリッド方式ではカバーできる帯域も広くすることができますし、ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させることで高音域と低音域を疎かにすることがなく有利となりますが、高音低音の間の中音域で各ドライバの守備範囲をクロスオーバーさせるため何処を重視するかによって音質に影響がでやすくこの点では2ドライバが不利となりますが、1DD同様に1BAでもそのシンプルな構成故に各音域のつながりは自然で且つなめらかさを持たせられ多ドラで感じる各音域のつながりの不自然さが発生しにくい利点があります。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり特に1BAのみでは高音と低音が疎かになりやすいため、この高音と低音域のチューニングがポイントになります。端的に云えば中音域はもとより高音と低音のどちらの音域を重視するのか、はたまた多少中音域を犠牲にしてでも全音域をバランスよく鳴らすのかがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でF1が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、中華1BAモデルの可能性に期待したくなるというのが私のミーハーたるところですね。

 

それでは、早速KB EAR F1のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは黒を基調としたスリーブタイプで表にイヤホンのイラストが。裏面にはスペック等が記載された化粧箱です。

 

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スリーブを外すと黒地の内装にイヤホンとイヤーピースが収納され白地の内箱とのコントラストが特徴的です。

内箱下部に付属品が収納された小箱がありその中にはケーブルとイヤーピースがもう1セットあります。

 

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イヤーピースはシリコンのS、M、Lの3種各2セット。Mサイズが本体取り付け済みで内、1セットはKZで付属するタイプで、他はケーブルです。他の低価格帯と同様の付属品の構成ですがOPALとは異なるタイプのケーブルが付属しています。イヤーピースが素材の違うタイプが2種付属し好みで選べるのは嬉しいですよね。まあ低価格帯では化粧箱や付属品にコストかけないという潔さは個人的に嫌いではありませんけど。


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ビルドクオリティですが、このF1は低価格帯で心配される雑な部分を多少感じるところもありますが何れも音質には影響のない部分ですので私は気にならないですね。

そして特徴的なシェル形状は樹脂製でフェイスプレートという概念が無い一般的な所謂「イヤホン」というデザインです。とは云え円筒型ではなく四角く角張ったデザインのためにやはり特徴的と云えそうですね。黒色のシェルは意外に透明度が高く上の方でドライバ刻印画像を添付しているとおり中が透けて見えたり光に反射したりと非常に綺麗です。個人的に好きなデザインですがこの辺りは好みがありますよね。 

カラーバリエーションは2種あり茶色(というかあめ色というか)と黒色です。


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付属ケーブルは銀色の編込みタイプでmmcxコネクタを採用しリケーブルが可能となっています。この付属ケーブルでちょっと困ったのが左右が判りにくいこと。コネクタ部に一応LRのマークがありますがコネクタ部に右とわかりやすく赤色のワンポイントがあっても良かったかなぁと。また本体も左右が判らない。取り合えずロゴが正面から見えるように左右を分けて使用しています。(誰か正解教えてください)

 

またストレート使用でもシュア掛けでも使用できるようにチューブ加工はありませんので好みに応じて使い分けができますね。

本体の形状から耳への装着性はイヤーピースに依存していますが付属のイヤピでも悪くありません。肝心の使用感もストレートで使用しても悪くなく少し左右イヤホンへの分岐からが長いように感じますが個人的には問題ないですし全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯の交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できるのが嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通り特徴的なデザインとなります。形状は比較用にElecom AQUAとEARNiNE EN120を用意しならべてみるとF1はそれらより圧倒的にコンパクトになっています。

シェル本体は樹脂製でステムが金属となりますがそれらが金属シェルを採用していることもあり圧倒的に重量は軽く装着感はそれらよりも良好です。ただし付属イヤピでも装着感は良好でしたが高音と低音が少し実力を発揮されていないような印象があり手持ちのAET07で浅めに蓋をする装着で納得がいく音になりました。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、アンバランス直挿しです。

以前のKZ ZSN Pro等同様に低価格帯イヤホンではスマホ直挿しでの使用も想定して相応のDAPということでShanling M0を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sでも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音域がすっきりクリアで聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感も普通です。ですが箱出しから十分にBAの音のクリア感と相まって特に中音域の透明感を感じますね。
ボーカルはやや遠く感じることがありますが普通程度で中音域の音が邪魔をすることはありませんし不自然さも感じません。
低音は量感は少なく広がりも少なめですがBAとして適度な締りとキレがあります。重低音の表現力は流石に分が悪く沈み込みもそれほどありませんが1BAとしては良好でベースラインは追いやすく感じます。
高音は中音同様にクリアで煌びやかさが十分ありますが1BA+1DD機のような主張はなく控えめ。伸びは普通も中低音に埋もれることはありません。

中音は特にクリアでボーカルを中心に左右の音も埋もれることなく聴こえ高音と低音域の自然なつながりを感じます。これはフルレンジ1BAの最大のメリットですよね。

傾向として一言で云えばやや中低音寄りのフラットと感じます。

中低音寄りといっても誇張された低音ということではなく、1BA機としては低音も疎かにしていないといった方が伝わりやすいでしょうか。1BA機として十分に質の高い低音を表現できていますし、なんといってもF1の最大の特徴は中音域のクリア感だと思います。これは前回レビューした1DD機のOPALやこれまでにレビューした低価格1BA+1DDハイブリッドでは勝るものがない感じですね。

 

この様にF1の音作りは低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、国産低価格低の1DD機にありがちな低音域だけ強調させ重低音を売りにしたものとも違います。

やはり国内メーカーの1BA機同様に中音域を中心とした音作りと云えそうです。一方AQUAの様にKnowlesを採用し低音を捨て中高音寄りでその透き通る中高音域を極めるもよし。EN120の様にオリジナルBAで低音を諦めず結果1BA機の名機という評価を得るなどメーカー各社の個性がありますのでどれが一番というのは異なると考えています。そのため一つ言えるのはこのKB EAR F1はその名機たちに肩を並べることができるほどの実力を見せてくれているということです。

このF1はそれらのモデルの音質傾向と比べると丁度中間と云えそうでリケーブルが可能という最大のアドバンテージがありますので、もしどちらもお持ちの方は購入して比較してみるのも一興ではないでしょうか。そのぐらいインパクトがあるモデルが低価格帯で登場したと云えそうですね。

 

 

まとめとしてKB EAR F1は同じ低価格帯の1BA+1DDのモデルとは異なるベクトルの寧ろ競合というよりニッチなリスニングモデルとして他にはない特徴を持つ仕上がりと云え、強いて云えば国産1DDのFinal E1000に方向性が近いと感じ音楽を中音域やボーカル中心に聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方ドンシャリ好きで1BA+1DDの音が好きな方からは評価が分かれることになりそうです。

 

 


さてKB EAR F1は最近の低価格帯中華イヤホン、もっと云えば国内メーカーを含めても珍しい1BAモデルでBAの空気感が好きな方には堪らない音楽をクリアに心地よくリスニングできるイヤホンで1BAの音作りが好きという方にはお勧めとまとめました。

手持ちでは相変わらずお蔵入りしたイヤホンがありますが、まあ、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA3K、3,000円半ばで買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで3,000円半ばと1BA+1DDモデルが購入できる価格帯ですが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて1BAモデルが少しでも気になった方は安心確実の国内amazonにて購入を検討してみてくださいね。

 

F1

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (1BA+1DDの音作りが好きな方★2)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BAの低価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。次回は中価格帯で発売前のアレをレビューしてみたいと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ