みぃねこの備忘録

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Kinboofi KB EAR OPALレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編を一休みし、番外編として先日発売されたのKinboofi KB EAR OPALについてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonマーケットプレイス扱いとして販売をしているNex Audio(@NexAudio)様よりご提供いただきました。

もちろん国内amazonでKinboofi(@kinboofi)でも取り扱いがあります。(2019年5月17日現在)

 

 

 

KB EAR OPALは国内amazonマーケットプレイス扱いで中華イヤホン販売を展開しているKinboofi社のセラーオリジナルモデルで先日レビューした中価格帯KBF MX2や高価格帯のKBF MK4に続き低価格帯に満を持して投入された1DDドライバ構成のモデルです。このモデルのKinboofi社での販売と同時に国内amazonで中華イヤホン販売を展開していたNex Audio社でも取り扱いを始めています。併売を始めた経緯等は不明ですが、購入先の選択肢が増えるということは競争にも繋がり結果、ユーザーメリットに繋がる訳で喜ばしいことと一中華イヤホンのファンとして嬉しい限りです。

Nex Audioでは他にもKZ社のイヤホン等多数の取り扱いがり、twiter上での担当者のフォロワーとの気さくなやり取りは好感が持てるセラーという印象です。この辺りはKinboofiのtwiter担当者も同様で両者共に日本語が非常に上手で世界でもかなり難解な日本語を理解できるというのが大げさな話ではないと感じる部分が多々あり、恐れ入りますね。

KB EAR OPALは同時発売でKB EAR F1という1BAドライバ構成のモデルもあり、低価格帯に1DDと1BAモデルの新製品を2つ同時に投入するという非常に戦略的な販売計画を展開しており、これまで中価格帯及び高価格帯の中でもセラーオリジナルモデルとして評価が高かったKinboofiブランドがいよいよ低価格にも進出するという非常に意義があるモデルです。余計なお世話ですがここでコケたらこれまでのKinboofiは大丈夫という神話(大袈裟)が崩れかねませんからね。

 

KB EAR OPALは先述の通り1DDドライバのモデルですがNex Audioのtweetではバイオセルロースを採用しているとの情報もあり、それがどのような音を聴かせてくれるのか非常に楽しみですね。

そしてOPALは以前レビューしたFinal E1000等とバッティングする価格帯であり少し上を見れはTFZという壁が存在し、最近ではLZ社のZ04Aが同じバイオセルロースを採用し低音が特徴的なモデルとして人気があるようです。しかしTFZのT2Gで国内amazon正規品が8,000円台(執筆時)のU10Kと高めの設定。LZ-Z04Aが同じバイオセルロースを採用し4,980円となり比較的近い価格設定ですがやや高いことを考えるとこのKB EAR OPALは驚異の3,000円切りと云えそうです。

つまりまだまだ珍しいバイオセルロースのドライバを試してみたい、聴いてみたい方には手が届きやすくお求めやすい価格であり低価格帯で更に3,000円を切った価格での販売戦略にはそういう角度から捉えたときに納得でき、寧ろ中華の恐ろしさを感じますね。だって、Final E1000もあの価格であの音質を実現したことに意味があるのですから。(Final E1000を気になる方は以前のレビューを是非ご覧ください)

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

KB EAR OPALのスペックはU3Kの低価格帯中華イヤホンでは珍しい1DDのみとシンプルなドライバ構成です。これまでレビューした3K前後の低価格帯では1BA+1DDのハイブリッドが多くKZ ZSN Pro等以前レビューしていますが、このOPALではバイオセルロースという珍しいドライバを採用し差別化を図っています。

実際1BA+1DDのハイブリッド方式ではカバーできる帯域も広くすることができますし、ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させることで高音域と低音域を疎かにすることがなく有利となりますが、高音低音の間の中音域で各ドライバの守備範囲をクロスオーバーさせるため何処を重視するかによって音質に影響がでやすくこの点では2ドライバが不利となりますが、1DDではそのシンプルな構成故に各音域のつながりは自然で且つなめらかさを持たせられ多ドラで感じる各音域のつながりの不自然さが発生しにくい利点があります。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり高音と低音が逆に疎かにならないような各音域のチューニングがポイントになり、極端に云えばどの音域を重視するのか、はたまた全音域をバランスよく鳴らすのかチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でOPALが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、未だ見ぬバイオセルロースDDにこれは期待したくなりますよね。

 

それでは、早速KB EAR OPALのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは黒を基調としたスリーブタイプで表にイヤホンのイラストが。裏面にはスペック等が記載された化粧箱です。

 

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スリーブを外すと黒地の内装にイヤホンとイヤーピースが収納され白地の内箱とのコントラストが特徴的です。

内箱下部に付属品が収納された小箱がありその中にはケーブルとイヤーピースがもう1セットあります。

 

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イヤーピースはシリコングレーと白のS、M、Lの3種各2セット。内、グレーMサイズが本体取付け済みで、ケーブルです。他の低価格帯と同様の付属品の構成ですがイヤーピースが開口部の大きいタイプと小さいタイプの2種付属し好みで選べるのは嬉しいですよね。まあ低価格帯では化粧箱や付属品にコストかけないという潔さは個人的に嫌いではありませんけど。


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ビルドクオリティですが、このOPALは低価格帯で心配される雑な部分を感じない丁寧な仕上りです。

特徴的なフェイスプレートのデザインは光に反射し非常に綺麗です。個人的に好きなデザインですがこの辺りは好みがありますよね。 

カラーバリエーションは選択できず黒色のみとなっています。


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付属ケーブルは最近のKZに似た茶色の編込みタイプでmmcxコネクタを採用しリケーブルが可能となっています。この付属ケーブルでちょっと感心したのがスライダー付きなこと。他の低価格帯で例えば最近はKZの付属ケーブルは質が向上したとはいえスライダーはありませんので、よくわかっていらっしゃるなぁ(笑)と思いました。

またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯の交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できるのが嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通り特徴的なデザインのフェイスプレートとなります。形状は比較用にKZ ZSN ProとTFZ T2GとならべてみるとOPALはそれらよりややコンパクトになっていますがZSN Proより厚めとなります。

シェル本体は樹脂製でステムが金属となりますがそれらより比較的重量は軽く装着感も同様に良好です。ただし付属イヤピでも装着感は良好ですが低音が軽く感じられバイオセルロースのDDってこんな訳ないという思いがあり、付属品の使用を諦め手持ちのイヤピを色々と試しましたが最終的に七福神商事の丸七長楽青を使用し耳奥で装着する形で納得がいく音になりました。浅めに蓋をする装着よりも耳奥で装着する方がより良い印象を受けると思います。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、アンバランス直挿しです。

以前のKZ ZSN Pro等同様に低価格帯イヤホンではスマホ直挿しでの使用も想定して相応のDAPということでShanling M0を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sでも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音寄りで中音域が聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや狭い印象で音の分離感は普通からやや良好です。特に中音域は複数いる弦楽器の音を大小それぞれのパートの音をちゃんと聴き分けられます。箱出しでは感じ難かったのですが鳴らし込み後はそれが顕著で独特の空気感を感じますね。
ボーカルはやや遠く感じますが中音域の楽器が左右に存在していて不自然さはありません。
低音は量感は十分で広がりはやや控えめですが締りとキレがあります。重低音の表現力として沈み込みも良好でベースラインも追いやすく感じます。
高音は煌びやかさが十分ありますが1BA+1DD機のような主張はなく控えめ。伸びも今一つで中低音にやや埋もれる印象で一歩下がったバランスです。

中音は特に分離感が良く左右の音がクリアに聴こえ高音と低音域の自然なつながりを感じます。これは1DDの最大のメリットですよね。

傾向として一言で云えば中低音寄りのややドンシャリと感じます。

中低音寄りといっても誇張された低音ということではなく、先述のように低価格帯の中でも質の高い低音を表現できていますし、なんといってもOPALの最大の特徴は中音域の分離感だと思います。これはこれまでにレビューした低価格1BA+1DDハイブリッドでは殆ど例を見ない感じですね。

 

この様にOPALの音作りは低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、DDで高音中音低音域の全てをカバーさせるためBA搭載機のような高音域ではありません。また国産低価格帯の1DD機にありがちな低音域だけ強調させ重低音を売りにしたりせずに1DDの利点を活かした各音域の自然なつながりに加えバイオセルロースの特徴的な質の高い低音域や中音域の分離感の良さが低価格1BA+1DD機とは違う自然で心地よいリスニング環境を提供してくれるのではないでしょうか。

 

 

まとめとしてKB EAR OPALは同じ低価格帯の1BA+1DDのモデルとは異なるリスニングモデルとして他にはない特徴を持つ仕上がりと云え、同価格に近い国産1DD、もっと云えばFinal E1000とは異なり家の外に持ち出した場合でも聴きやすさがあるモデルでありとにかく音楽をいつでもどこでも楽しく聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方Final E1000のように音楽をクリアに聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてKB EAR OPALは最近の低価格帯中華イヤホンの中でも珍しい1DDモデルで音楽を心地よくリスニングできるイヤホンですが、イヤピ選びと鳴らし込みが必要です。最近は低価格でも箱出し直後から付属品を使用しても安定した音質を提供できるモデルが多い中で少しだけマニア寄りな側面もありますが、バイオセルロースを試してみたい方や1DDの音作りが好きという方には選択肢としてアリかもとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになり最早お蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はU3K、3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで2,000円後半と1BA+1DDモデルが購入できる価格帯ですが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて1DDモデルが少しでも気になった方は安心確実の国内amazonにて購入を検討してみてくださいね。

 

OPAL

以下、付属ケーブル、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M0
高音★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★☆ (1DDの音作りが好きな方★4)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1DDの低価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。次回は同時発売のアレをレビューしてみたいと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

TIN HIFI T3レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のKinboofi KBF MX2やPaiaudio DM1同様に中価格帯で発売されたTIN HIFI T3についてレビューをまとめたいと思います。

今回はMassdropから購入しています。

AliExpressや国内amazonでも取り扱いがあります。(2019年5月3日現在)

 

 

TIN HIFI T3は同社のT2、T2 Proに続くモデルで1BA+1DDドライバ構成のモデルです。同社は以前TIN Audioという社名(ブランド?)としてT2、T2 Proを販売していましたがこのT3を発売する頃に現在のTIN HIFIに変更し販売しているようです。

T3の前のT2、T2 Proは2DDのドライバ構成で低音強調と思いきや中高音重視の音質傾向でT2を以前所有していてボーカルの表現力が素晴らしいイヤホンで女性ボーカル曲を好んで聴くみぃねこも好きな音質傾向でしたがそのシェルの形状からストレートで使用するにもシュア掛けするにも装着感に難があり、フォームタイプのイヤピ一択でそれによって耳に固定する個人的にかなり難儀なモデルでなかなか手が伸びず使わないコレクションアイテム化していたため、思うこともありT3購入をきっかけに手放してしまいました。

そしてT2 ProですがT2の改良型としてネットの評価も高そうでしたが購入には至りませんでした。理由は単純にT2と同じシェル形状だったからです。こちらもその装着感に苦労することが目に見えていたからですね。上級者の方々はシェルを左右入れ替えて使用することでシュア掛けしやすくする工夫をしているようですので、もしもT2、T2 Proをお使いで装着感に苦労されている方はお試しくださいね。

そんな音は良いが初心者を寄せ付けない玄人限定と云わんばかりのT2、T2 Proから進化したT3が登場し、先代のT2系と異なる仕様となっています。違いは先述の通り搭載されるドライバが2DDから1BA+1DDとなりBAにはKnowlesが採用されています。加えてシュア掛けしにくかったシェル形状が(漸く)変更となりT2で左右入れ替えて使用していた苦労が嘘のようにそれがデフォルトとなりました。

音作りに不安が無く、装着感も改善されたとなれば1BA+1DDコレクターとしては購入しない選択は「ナシ」ですからね。

そんな訳で晴れてTIN HIFIの1BA+1DDモデルとしてT3を入手しレビューを書いている次第ですが、Paiaudio DM1同様にレビュー公開順が入手した順番と違くね?というご指摘は、、(以下略)。

 

T3は以前レビューしたKBF MX2やPaiaudio DM1同様に中価格帯ですが、特にDM1とは価格帯がA5K~U10Kとなるため直接の競合相手と云えます。そのため今回はA10KのMX2や競合するDM1との音質傾向にどのような違いがあるのか気になるところですね。

 

T3の納期としては1月末頃にオーダーし3月上旬の発送予定より数日早く発送されました。発送されてからは2週間ほどで届きましたが何せこれより先にオーダーしていたT2Gの発送予定が遅れに遅れて頼んだ事を忘れていたくらいだったため、当初T3の発送通知をT2Gの発送と勘違いしていて届いたT3をみて「???」となったくらいです。個人的には懲り懲りでもう使わないかなってレベルですが、無事に届いて一安心したところでまた何かdropしようかなと考えているところです(アホ)。

 

そんな訳で、Massdropは一般的にAliExpressよりも安く購入できる場合があり更に国内で購入するよりもかなり安いが届くのにもかなり日数が掛かることです。一方AliExpressで購入すると心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)ですが、幸いMassdropでは不良品はメーカーの品質に依存する訳でその心配は少ないもののなにより届くのがAliExpress以上に日数がかかるということです。それでもMassdropやAliExpressでは国内で発売前の商品を入手できたり国内より(物によりますがかなり)安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
TIN HIFI T3のスペックはA5K~U10Kの中価格帯中華イヤホンでは珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。先日のPaiaudio DM1のレビューの際にも触れていますが昨年夏頃はA5000前後の中価格帯では2BA+2DDのKZ ZS6オマージュモデルに勢いがありましたが昨年末以降このドライバ構成の新商品は殆ど発売されず、4BA+1DDや5BAのモデルが中心となってきています。そんな中での1BA+1DDとドライバ数では見劣りするモデルですからメーカーの自信が窺えますよね。

実際ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させ3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなる傾向がありどの音域を重視するかによって音質に影響がでやすく2ドライバが不利となります。3ドライバ以上の構成なら中音域専用にドライバを一つ担当させることができますからね。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でT3が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、BAにKnowlesを採用する構成がMX2と同様です。これは期待したくなりますよね。

 

それでは、早速TIN HIFI T3のレビューを以下、まとめていきます。



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パッケージングは白箱を基調とし天面に中身が見える小窓付きの化粧箱です。

 

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外箱を開けて内箱を取り出すと外箱の白と異なり青い内箱で中心に小窓がありイヤホン本体が見えるブックケース?の様な凝った造りです。

 

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その内箱を本を開くように開けようとすると上蓋が一体化されていて、開いた内箱の内装が白地ベースにイヤホン本体をしっかりと固定し収納されています。

開封しながらこれイヤホンの箱だよね?と疑うほどの一見してイヤホンの箱とは思いつかないようなお洒落な化粧箱です。この辺りはT2でも同様の化粧箱でしたが低価格帯とは違い所有欲を満たしてくれますね。

 

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付属品はイヤホンが収納された内装を取り出すと箱の底にあります。

 

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イヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セットとフォームタイプMサイズが本体取付け済みともう1セット、ケーブル、ケーブル取付済みのケーブルバンドです。ケースやケーブルクリップ等はありません。化粧箱にコストかけすぎかなと邪推しながらも音質に関係しない余計な付属品はいらないとう潔さとも受け取れますが、中価格帯なのでロゴ入りケース等を付属させて充実させた方が購買層に訴えかけやすいような気もします。


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ビルドクオリティですが、このT3は非常に綺麗な仕上りで金属切削技術の高さを感じます。工作機械、もっと云えばNC旋盤のプログラムさえ一度組んでしまえば誰がオペレーターでも変わらない時代なんでしょうね。尤もそれを支えたのが日本の技術者というお話は有名ですが機会があれば書きたいですね(需要無い?)。

 

閑話休題。特徴的なデザインですがT2同様に現物は中国製を感じさせない丁寧な造りです。最近は本当に品質が上がっているんだなと実感しますし流石の中価格帯でしょうか、安心して購入できるのではと思います。

カラーバリエーションは選択できず1カラーのみとなっています。


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付属ケーブルはT2に付属する4芯の細いタイプと異なり採用されたプラグやmmcxコネクタ及び8芯等、コストがかかっていることが分かります。これだけでもかなりの音質向上が見込めますよね。凡そ中価格帯でも付属ケーブルはコストカットの対象になりやすく最低限のものが付属していたりしますがT3では寧ろここにコストを掛けてきたかと感心します。ケーブルは白(銀?)と黄色(金?)の線材色のミックス線で取り回しも良い編込みタイプで先述した通りmmcxコネクタ仕様です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは中価格帯でも交換前提の質感の悪いケーブルが付属する他の商品とは異なりそのまま使用できますし少し派手目ではありますが本体の金属感と相まって質感が高く嬉しいですね。


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シェル本体は先述の通りT2とは異なりケーブルを接続するコネクタ部の位置が変更になりシュア掛けがT2よりしやすくなっています。T2ではストレートでも使用できるようにチューブ加工は無くユーザーに委ねる形でしたがT3はシュア掛け前提となります。

シェルの中に収められるドライバは基本的に円筒型内部にBAとDDを収められその金属製ボディにはベントが数か所設けられていて籠りを抑える効果が期待できます。

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シェル本体は金属のため比較的重量はありますがDM1等と比較してもほぼ同じくらいです。ただしT2からはシュア掛けしやすくなり装着感が改善されたとはいえそのウィークポイントは相変わらずでイヤピでしっかりと固定させるためには付属のシリコンタイプではフィット感も音質的にもしっくりこないため手持ちのイヤピを色々試しましたが結局困ったときのAET06でしっかりと耳に収めるられ音質的にも納得することができました。個人的に付属のフォームタイプ及び手持ちのフォームタイプは低音域に量感が増しますが高音域の良さをスポイルすると感じている為に使いたくなかったのでホッとしています。(みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。)

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回のMX2、DM1同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET06 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音がすっきりクリアでT2ほど高音域に癖がなく聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)はい。これがT2を手放した最大の理由です。
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや広めで音の分離感は普通からやや良好です。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で曲によってやや遠く感じます。
低音は量感は少なめで広がりも控えめですが締りとキレがあり芯を感じます。重低音の表現力として沈み込みはそれ程ありませんが十分に感じられます。ベースラインはやや弱めですがしかっりと追えます。
高音は煌びやかさと伸びを感じますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありませんが、前に出すぎる程ではない絶妙のバランスです。シンバルは低価格帯のシャンではなくシャ~ンとちゃんと聴こえます。左右でパンした際の音の響きも十分に感じることができます。

中音はすっきりクリアで凹みは感じず特にボーカルは音の中心にいて自然ななめらかさと伸びやかさに加え艶があります。

傾向として一言で云えば中高音寄りのややドンシャリと感じます。

これは先日レビューしたMX2やDM1のややドンシャリとは異なる傾向です。MX2は中低音寄りのややドンシャリでDM1は高音低音が主張する分かりやすい音作りのややドンシャリでした。

この様にT3の音作りはMX2のような最近の低価格帯1BA+1DDモデルと同様の音作りではなく、DDで高音中音低音域の全てをカバーさせBAには超高音~高音に専念させ主張を控えめにしつながりを良くしたうえで低音域を相対的に強調させ特徴を持たせるチューニングでしたが、これらとは少し異なる印象です。やはり最近の中価格帯同様にバランスを重視したチューニングというのを感じられます(もちろんMX2はそれを高いレベルで実現しており低価格帯のそれとはレベルが違いますので誤解なきようお願いします)。

それ故にMX2やDM1より低音の主張は少ない反面、広がりすぎて中音域をマスクするようなことのない質感の高い低音に感じられます。一方中高音域はBAのみではなくDDでもカバーしているようで自然なつながりとボーカルのなめらかさがあり高音の煌びやかさをBAで持たせた中高音域寄りでありながら刺さりを抑えたすっきりクリアで心地よく聴きやすくなっていて女性ボーカル曲を聴くのにぴったりな感じがします。(出逢った頃のように/高木さん)

そのため先日レビューしたMX2やDM1とは音質傾向が異なり特にDM1とはその狙いが異なると云えます。そしてMX2も中高音がクリアではありますが派手さがあり女性ボーカル曲との相性はT3程ではなくリスニング寄りと云えますね。

 

まとめとしてT3は同じ1BA+1DDのモデルの中価格帯のA5000~U10000の中でも上位の仕上がりと云えそうなモデルでありとにかく女性ボーカルをすっきりクリアに聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方中高音域の派手さや低音の主張を求める方からは評価が分かれることになりそうです。


さてTIN HIFI T3は最近の中価格帯中華イヤホンの中でもの高中低音域をバランス良く女性ボーカルを雰囲気良く表現できるイヤホンでその装着感に問題が無ければ現時点で最もお勧めとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになりお蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA5K-U10K以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで7,000円半ばでAliExpressでも6,000円半ば程度で購入できるようですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格帯と違い少々価格が上がり中価格帯の実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実の国内amazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressや届くまでに日数がかかりますがMassdropでの購入も検討してみてくださいね。

 

T3

以下、付属ケーブル、イヤピAET06 M使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (装着感OKで女性Vo中心に聴くなら★5)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。1BA+1DDの中価格中華イヤホンとしてはこれが3個目となります。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

KZ ZS10 Proレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編ではなく、多ドラハイブリッド編として先日発売されたKZ ZS10 Proについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

 

国内amazonでも取り扱いが始まっているようです。(2019年4月29日現在)

 

 

KZ ZS10 Proは昨年KZ社から発売されたZS10の後継モデルです。ZS10は4BA+1DDのドライバ構成モデルで昨年の発売と同時に話題になったモデルです。それまでの同社の製品はZS6のような高音と低音が派手なドンシャリモデルに定評がありユーザーから一定の評価を得ていましたが、このZS10では全く異なるベクトルのチューニングで派手さを抑えつつ音場の広さや分離性の良さが特徴的なモデルとしてラインナップに追加され、同時にそのドライバ構成が高級機さながらでありながら販売価格が5,000円程度と暴力的なコストパフォーマンスの高さで他社を圧倒したことが拍車をかけていました。

そのZS10の後継モデルとして以前レビューした同じ4BA+1DDドライバ構成(※採用しているドライバが同じという意味ではありません)のCCA C10に遅れること数か月、満を持して登場したのがZS10 Proとなります。

C10はZS10と異なり高音中音低音域、全ての音域のつながりの良さが特徴的で良くも悪くもZS10の各音域の分離感の高さとは対極的な存在で完成度としてはC10の方が上と云えそうですが、後発のZS10 Proがどのようなチューニングで音質を仕上げてきたのか非常に気になるところです。

また同じ中価格帯になりますがA10000では以前レビューしたYinyoo Topazが同じドライバ構成(※略)となりこちらはC10の上位互換と云える音質傾向でしたので、KZ社の本気をこのZS10 Proで見せてくれるのか届くのが楽しみで仕方がなかったですね。

 

ZS10 Proの納期としては4月上旬にオーダーし2週間ほどで届きましたが発送がオーダーの5日後でしたので実質10日程度ですね。最近は本当にAliExpressで購入しても発送さえされれば1週間から10日程度で届きますので利便性が上がり買いやすくなったと思います。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
ZS10 Proのスペックは5,000円前後の中価格帯中華イヤホンでは最近では珍しくない4BA+1DDのハイブリッドです。KZでは他にZS7もありA5000の中価格帯で昨年末頃から4BA+1DDのハイブリッドモデルが複数発売されており、4BA+1DDや5BAのモデルが中心となってきていてZS6系の2BA+2DDモデル新型を見かけなくなりましたね。

 

そしてZS10 Proは5ドライバのハイブリッドモデルですが、それぞれのドライバは役割がはっきりしており低価格帯の2ドライバ構成ではBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当しているドライバの分担では中音域が弱くなりがちでどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり4BAで中高音域を。DDが低音域を担うことができ中音域の弱さの心配はありませんがそれぞれ各音域毎は兎も角、その音域のつながりを意識したチューニングがポイントになり、各音域が重なるクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でZS10 Proが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。個人的にはこの構成でC10が良かったのでZS10 ProがC10と音質傾向をどのように違っているのか。若しくは同じなのかが気になって仕方がないんですよね。

 

それでは、早速KZ ZS10 Proのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはいつものKZの白箱のスリーブタイプです。スリーブを外すと白地の内装にイヤホンが収納されているこれまで同様の化粧箱です。

内装を取り出すと付属品がその下、箱の中にあります。


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付属品はイヤーピースがいつものKZ付属シリコンS、M、Lの3種各1セットとC10で付属しているシリコンの別タイプMサイズ(本体取付け済)イヤピとケーブルです。いつも通り中価格帯のようにケース等はありません。余計な付属品はいらないとう潔さは好感が持てます。


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ビルドクオリティですが、このZS10 Proは従来のKZ低価格帯とは異なる丁寧な造りです。最近は低価格帯でも各所の仕上りに雑なところが無くなってきましたが流石の中価格帯でしょうか、安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションはみぃねこは青色を選択しましたが他に紫色と黒色が選択できます。


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付属ケーブルはZSN Pro等に付属するものと似ている暗い茶色の編込みタイプでZSN Pro同様のqdcコネクタ2ピン仕様です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯で交換前提の質感の悪いケーブルとは異なりそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。


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シェル本体はZSN(無印)に似ていてフェイスプレートのデザインがそっくりですが、寧ろCCA C10と同じといって良さそうです。C10と異なるのはフェイスプレートのデザインとステムノズルがZS10 Proでは金属というところが明らかな違いですが、ステムノズルの角度と長さが微妙に違うようですね。

ZS10と比較した場合には全然違い一回り以上コンパクトになりデザインも洗練された印象を受けます。

 

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それらを比較した場合、重量はZS10が一番重くZS10 Pro及びC10がほぼ同じですね。ただしステムがC10と微妙に異なっている影響かC10ではイヤピを定番のAET07でその装着感は良好でしたがZS10 Proでは最初から付属していたイヤピでも装着感は良好も低音が少し弱く感じたためAET07へ交換。これも最初は良好でしたが少し長い間(アルバム1枚程度)つけていると耳が痛くなり少し迷走しました。結局最近発売された七福神商事の丸七長楽青Mサイズで装着感及び音質が本来のものと感じられたのでそれに交換しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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ではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿し。ケーブルは多ドラハイブリッドということもありC10同様に音質傾向が極端に変わらずに情報量を上げるタイプとしてYYX4733にリケーブルしています。これは先述したイヤピ同様に本来の性能を発揮させるためとなります。(これにより見た目もかなり青で統一感がでてきましたので結果満足しています。)

 

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加えて以前のKZ AS06、ZS7、C10(及びAS10)レビュー同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズ、リケーブルはYYX4733を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音の主張がしっかり感じられながら締まりのある低音が心地よい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや広めで音の分離感も普通からやや良好です。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で曲によってやや近く感じます。
低音は量感は十分で広がりは控えめながら締りとキレもあり芯を感じます。バスドラムの強さと沈み込みを感じられベースラインもしかっりと追えます。
高音は煌びやかさと伸びを感じますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありません。シンバルは音の響きを十分感じることができます。

中音は明快にギターの音を捉えボーカルは音の中心にいて存在感を示し高音低音に埋もれることがないバランスです。

傾向として一言で云えばややドンシャリと感じます。

一言で云えば以前レビューしたC10のなめらかですっきりクリアな中高音域とは方向性が異なる傾向でZS7の中高音域の派手さとも異なります。

もっと云えばZS10無印と比較してみるとやはりこちらの改良版としての認識を強く持たざるを得ないこと。これはZS10の各音域の分離の良さや音場の広さを感じられる音作りを踏襲し物足りなかった高音域は主張を増し、中音域はZS10で感じた良く云えば分離感。悪く云えば好き勝手に鳴っていた高音域と低音域のつながりの不自然さがなくなり、ZS10のやや乾いたボーカルより自然になりなめらかさがあります。低音域はZS10の量感よりややあり広がりもありますが沈み込みも感じられる質の高さがあります。

次にC10との比較では先述の通り中高音域の明快さが最も違い、高音域、中音域、低音域全音域の自然なつながりの良さはC10に一歩譲る感じで低音はC10と同傾向ですがC10の方がやや良感がありやや広がりがあります。

 

上記の通りこのZS10 ProはこれまでのKZが突き詰めたドンシャリの爽快感や心地よさを備え聴きやすく進化した一つの完成形と云えるかもしれませんね。

 

ということで折角なのでC10、ZS10 Pro、ZS10の3機種の比較を項目ごとに以下まとめてみます。

 

高音

 ZS10 Pro > C10 > ZS10

 ZS10から進化したKZサウンドのPro。

 C10はベクトルが違うまとめ方。

 ZS10は好き勝手に鳴らしてる感が否めない

中音

 C10 ≧ ZS10 Pro > ZS10

 高中低音域のつながりとなめらかさのC10。

 Proの明快さが好きという意見も分かります。

 粗さというか不自然さが目立つ。

低音

 C10 ≧ ZS10 Pro > ZS10

 C10はベースラインが優秀

 C10同様に強く芯がある低音のPro

 DDの低音として優秀も分が悪い。

ボーカル

 C10 > ZS10 Pro > ZS10

 クリアでなめらかなC10。

 ZS10から進化したPro

音場

 ZS10 Pro ≧ C10 ≧ ZS10

 左右に広さを感じるPro

 クリアですっきりとなめらかさのあるC10も悪くない

 悪くないが相対的に不自然さを感じるZS10

分離

 ZS10 Pro ≧ ZS10 ≧ C10

 強いて云えば音数が多く主張が強い順に。

音量

 ZS10 Pro > C10 > ZS10 

 ZS10はアンプが必要という評価の通りですね

総合評価

 C10 ≧ ZS10 Pro > ZS10

 C10の高中低音域のつながりはレベルが高くなめらかな中音域。

 Proの無印から進化したKZサウンドのレベルは高い。

 今となってはZS10の優位性もProの登場によって終焉に向かう。

 

まとめとして、総合評価の項でも触れましたがCCA C10とKZ ZS10 Proはこの価格帯の多ドラハイブリッドとしてかなりレベルが高く、恐らく殆どの方が満足していただける音質と云えそうですね。実際みぃねこはどちらも好きですし使い分けられるこの2つに関しては聴く人の嗜好によって評価が分かれるのではないでしょうか。

そしてZS10ですが、みぃねこが沼にハマるきっかけの一つとなったお気に入りの1本でしたがProの登場によりそのポジションが奪われたという印象です。いつの時代も生きの良い若手が中心選手のベテランをベンチに追いやり世代交代を続ける、、そんな光景をイヤホンで感じることになるとは思いもよりませんでしたが。

このあたりの比較は以前レビューしたAS06、ZS7やC10(及びAS10)との比較レビューも併せてご参考ください

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

さてKZ ZS10 Proは最近の中価格帯中華多ドラハイブリッドイヤホンの中でも高中低音域がバランス良くZS10の後継モデルとして完成度の高いイヤホンとまとめました。

手持ちでは相変わらず先に届いているのにどんどん後回しになりお蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも低価格帯の中華1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA5,000円前後で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まりAliExpressでは3,000円後半~4,000円半ば程度で購入できるようですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格帯と違い中価格中華イヤホンの実売価格では、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実のamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

ZS10 Pro

以下、イヤピ丸七長楽青 M、リケーブルYYX4733、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (C10とお好みで) 

※☆0.51.0

 

C10

以下、イヤピAET07 M、リケーブルKBF4736、DAP M9
高音★★★☆ 
中音★★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★★ (ZS10 Proとお好みで) 

※☆0.51.0

DAP FiiO M9で再評価

 

ZS10

以下、イヤピAET06 M、リケーブルYYX4743、DAP M9
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★☆ (積極的に購入はお勧めしません) 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は4BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。以前レビューした4BA+1DDや3BA、5BAの中価格帯中華イヤホンとも比較として併せてご参考ください。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。

平成最後の日に更新できた事にホッとしていますが令和になっても挑戦していきたいと思います。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

 

 

 

 

 

Paiaudio DM1レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のKBF MX2同様に中価格帯で発売されたPaiaudio DM1についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのShenzhen Paiaudio Technology(@PaiaudioSZ)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでは取り扱いが無いようです。(2019年4月28日現在)

 

Paiaudio DM1は以前からtwiterのTLで見かけていたメーカーの1BA+1DDドライバ構成のモデルです。同社の製品は先述の通りtwiterで見かけ興味を持っていましたがAliでも取り扱いが無く、他の販売サイトでは販売しているようでした。その為なかなか購入することができず今年になってAliに直販ショップを確認し先日の328セールでついに購入することができました。今回Paiaudioの製品でDM1を選択した理由は単純で1BA+1DDだったからということになりますが、実はこのメーカーは他にも魅力的なラインナップがあり特に2BA+1DDモデルがすごく気になっていますが流石にレビューも無く人柱するには価格がネックです。まあ消極的な理由ですね(チキン)。セールの前に1DDモデルを購入されていた方もいらっしゃったので、このセールで何か購入しようと画策していた訳ですね。

そんな訳で晴れてPaiaudioの正体不明(失礼)の1BA+1DDモデルとしてDM1を入手しご機嫌でレビューを書いている次第ですが、レビュー公開順が入手した順番と違くね?というツッコミはスルーしていきますよっと。

 

DM1は最近発売された低価格帯のKZ ZSN ProやCCA CA4との違いが気になりますが何せそれらとは価格が違い簡単に云えば倍違うので中価格帯に入ってきます。そのため低価格帯との比較では先日の中価格帯であるKinboofi KBF MX2は仕上がりが良く低価格帯とは格の違いを見せつけられる結果となりましたので流石に分が悪いですよね。とはいえ現時点では比較対象もないので上はMX2、下はCA4との比較で進めてみたいと思います。

余談ですが今回Paiaudioからのご厚意で購入特典がありました。マイク付きリケーブルかケースの何れかを発送時に付属するよとのことでしたのでリケーブルを選択して遠慮なく頂きました。Aliに新規展開しているということもあるのでしょうね。こうなるとやはり2BA+1DDモデルが気になってきますよね(思うつぼ)。

 

DM1の納期としては4月初めにオーダーし10日間ほどで届きました。輸送がチャイナポストだったことを考慮すれば早いレベルといえます。これまでの経験上チャイナポストだった時は2週間前後は掛かっていますので今回のショップではチャイナポストが標準でしたので変更しませんでしたが思っていたよりも早く無事に届いていますので一安心です。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
Paiaudio DM1のスペックは5,000円以上の中価格帯中華イヤホンで最近では珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。A5000の中価格帯で昨年は2BA+2DDのKZ ZS6オマージュモデルが挙って発売されており、またかと思うほどでしたが昨年末以降このドライバ構成の新商品は殆ど発売されなくなり、4BA+1DDや5BAのモデルが中心となってきています。そんな中での1BA+1DDモデルですからその仕上がりがとても気になります。

実際ドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でDM1が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますが、この構成でMX2も良かっただけに敢えて勝負してきたような気がしてならないんですよね。

 

それでは、早速Paiaudio DM1のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは樹脂の透明ケースに固定用のスポンジでイヤホンが収納されケースの外からその姿が見えるこれまで見たことないような化粧箱です。パッと見てイヤホンのケースとは思いつかないようなお洒落なケースです。
ケースの側面内部に帯が入っており4面中2面がイヤホンカラー画像と正面にメーカーロゴ(πと3.14)。その対面にはスペックが記載されています。ケースの裏を覗くと付属品が見える他の中華イヤホンと一線を画す化粧ケースですね。

 

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ケースの蓋を開けると内装に黒地のスポンジでイヤホンが2個が収納されしっかりと固定されています(蓋の内側の傷はご愛敬)。付属品はイヤホンが収納された内装を取り出すと箱の底にあります。

 

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付属品はイヤーピースが内径の大きいシリコンS、M、Lの3種各1セットと内径の小さいMサイズが本体取付け済みで、本体取り付け済みのケーブルです(画像で気づかれた方もいると思いますがイヤピがMサイズだけ本体取り付け済み含み6個(内径大4、内径小2)。LとSが各1個と流石に梱包ミスでしょうね)。中価格帯のようにケース等はありません。ですが、考え方を変えるとこの化粧ケースがそのままケースとして使えますね(実用的かどうかは別)。余計な付属品はいらないとう潔さは好感が持てますが、中価格帯なので付属のイヤピも交換前提でしょうしもうちょっと充実した方が購買層に訴えかけやすいような気もします。

とはいえ私が知らないだけかもしれませんが斬新な化粧ケースを含め低価格帯の化粧箱と異なり質の良さを感じますね。


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ビルドクオリティですが、このDM1は特徴的なデザインとなっており少々不安がありましたが現物は全然そんなことを感じさせない丁寧な造りです。最近は低価格帯でも各所の仕上りに雑なところが無くなってきましたが流石の中価格帯でしょうか、安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは選択できず1カラーのみとなっています。

 

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付属ケーブルはZSN Pro等に付属するものと似ている暗い茶色の編込みタイプでmmcxコネクタ仕様です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。肝心の使用感も悪くなくシュア掛け部にはワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これは低価格帯で交換前提の質感の悪いケーブルとは異なりそのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。


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シェル本体は先述の通り特徴的なデザインとなっておりますが基本的に円筒型内部にBAとDDを収めその金属製円筒型ボディに特徴的な樹脂デザイン部分がついています。これは装着した際に邪魔になるわけではなく実はイヤーフックとしてみぃねこにはしっくりはまり装着感が良好という嬉しい誤算がありました。


シェル本体が金属のため比較的重量はありますがZSN Pro等と比較してもほぼ同じ。ただしステムがZSN系等比較し細くなっていて普段より耳奥に収める又は、普段より大きめのイヤピでしっかりと耳に収める必要があります。これにより特徴的なデザインの所為というよりは最近のステムノズルが太い前提のイヤピ選びを変える必要があり少し戸惑いながら結局AET06で耳への装着感及び音質が本来のものにできました。

みぃねこは付属品イヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたので上記の通り交換し使用しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回のMX2同様に中価格帯イヤホン相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出し中高音の解像度を感じるためには相応のDAPを使用することをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET06 Mサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音の主張が強めで軽快で爽快ながら聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が少し弱く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

音場は普通からやや広めで音の分離感は普通からやや良好です。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で曲によってやや遠く感じます。
低音は量感は十分で広がりは控えめながら締りとキレもあり芯を感じます。バスドラムの強さと深い沈み込みを感じられベースラインはやや弱めですがしかっりと追えます。
高音は煌びやかさと伸びを感じますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありません。シンバルは低価格帯のシャンではなくシャ~ンとちゃんと聴こえます。特に左右でパンした際の音の響きを感じることができます。

中音は相対的に弱く感じますが極端な凹みではなく特にボーカルは音の中心にいて存在感を示し高音低音に埋もれることがないバランスです。

傾向として一言で云えばややドンシャリと感じます。

これは前回レビューしたCA4と同じ傾向で最近の低価格帯1BA+1DDモデルのDDで高音中音低音域の全てをカバーしBAには高音~超高音に専念させているチューニングとは少し異なる印象で以前の低価格帯のチューニングに近い感じと云えば伝わるでしょうか。

ただしCA4と異なりより質の高い低音に感じられます。一方中高音域はBAにより煌びやかさを持たせたやや高音域寄りの印象ですが刺さりをギリギリ抑えた感じで心地よく聴きやすくなっています。それ故に中音域が印象に残りにくく実際弱めに調整されているようにも感じますが、オーケストラの演奏の雰囲気を心地よく聴かせてくれそうな気がして一青窈/ハナミズキを聴いてみましたがサビの壮大な雰囲気を上手く再現できているように感じました。

このDM1は少し前のKZのドンシャリをただのドンシャリ(失礼)ではなく心地よさを備え聴きやすくし進化した一つの形と云えるかもしれませんね。

そのため先日レビューしたMX2とは音質傾向も異なることもありますがやはり分が悪く、低価格帯との比較であれば(恐らく)使用しているドライバーの質の違いによる音質の仕上がりの違いを感じる結果となりますね。

 

 

最後に、正直付属ケーブルの質はあまり高いとは云えないのでリケーブルによってよりその実力を発揮できるような気がしてなりません。手持ちのリケーブルで云えばYYX4769辺りが良さそうですが生憎mmcxは2.5バランスしか持ち合わせがなく追加購入しようか悩み中ですが取り急ぎ2.5-3.5変換で使ってみるのもアリかなと。この結果を今後追記していきたいと思います。

まとめとしてDM1は同じ1BA+1DDのモデルの中では中価格帯のA5000~U10000の中でも上位の仕上がりと云えそうなモデルであり高音の派手さや低音を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方中音域の派手さやボーカル中心に聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてPaiaudio DM1は最近の中価格帯中華イヤホンの中でもの高中低音域をバランス良く雰囲気を上手く表現できるイヤホンでリケーブルによる効果がありそうで実力の一部しか見せていないかもとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになりお蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回はA5K-U10K以下で買える中価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでは取り扱いが無くAliExpressでのみ6,000円半ば程度で購入できるようですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格帯と違い中価格中華イヤホンの実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

DM1

以下、付属ケーブル、イヤピAET06 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★  
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★ 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DDの中価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。1BA+1DDの中価格中華イヤホンとしてはこれが2個目となります。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

CCA CA4レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたCCA CA4についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのCCA Global Store(@StoreCca)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取り扱いが始まっているようです。(2019年4月24日現在)

 

 

CCA CA4は以前レビューした同社C04と同じ1BA+1DDのドライバ構成です(ドライバのモデルが同じという意味ではない)。同社はその後C10やC16と多ドラハイブリッドや複数BAモデルを販売しその販売価格の安さと安定した音質によって低価格中華イヤホンと云えばKZ社というポジションを脅かす存在となっています(CCA社はKZ社と関係性が高いらしく競合他社というわけではないそうですが)。

そんな訳でCCAの新作IBA+1DDモデルとしてCA4が発売され最初に発売されたC04との違いも気になるところですが特に気になるのはKZ ZSN無印及びProとの違いですよね。

それらの違いとして先ず目につくのがフェイスプレートのデザインです。ZSN系が凹凸凹の溝やラインがあるのに対しフラットな金属プレートを採用し見た目が違います。本体シェルも似ていますが異なるデザインを採用しています。非常に似ているそれらのイヤホンは音質傾向がどのように違いがあるのか。最新のZSN Proとの音質に違いがあるのか。はたまた単にOEM版なのかが気になるところです。

 

CA4は最近発売されたZSN Proとの違いが注目されない訳もなくCCA Global Store公式twiterによるツイートをTLで見かけるや否や脊髄反射でポチるという相変わらずのポチり芸をしておりますが今回CCA Global Storeでの購入特典がZSNCCA Pro発売時同様にKZ銀メッキアップグレードケーブルで目出度く3本目をゲットしました(いらんけど)。CA4もZSN(無印)及びZSN Pro同様に2ピン仕様ですが所謂qdc仕様のコネクタカバータイプのため選択肢が少なく一応普通の2ピンも使えますが構造上ピンで固定する形となり強度に不安があります。そういう意味でこの純正アップグレードケーブル付属は嬉しいものの早くサードパーティー製で安価に販売してもらえないか首を長くして待っております。

 

CA4の納期としては4月初めにオーダーし2週間ほどで届きました。輸送がシンガポールポストだったことを考慮すれば普通レベルといえます。これまでの経験上シンガポールポストだった時の3週間以上は掛かっていましたので追跡番号にSGには注意が必要で変更できるならチャイナポスト(CN)に変更するようにしていましたが、今回のショップではスタンダードシッピング一択のため変更できませんでしたが思っていたよりも早く無事に届いていますので一安心です。これまでのAliExpressのSGで2週間でしたので以前より早く届きましたね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
CCA CA4のスペックは3,000円前後及び以下の低価格中華イヤホンで採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯ではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でCCA CA4が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速CCA CA4のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは最近のKZ社同様の白箱を基調としたスリーブタイプです。
箱の表にはイヤホンイラストが印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の低価格中華イヤホンと同様の化粧箱ですね。

 

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スリーブを外すと内箱の中は白地でイヤホンが2個が収納されしっかりと固定されています。付属品はイヤホンが収納された台座を取り出すと箱の底にあります。

 

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付属品はイヤーピースがいつものKZシリコンS、M、Lの3種各1セットとMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に中価格帯のようにケース等はありません。低価格帯の余計な付属品はいらないとう潔さは好感が持てますが、付属のKZイヤピは交換前提なのでちょっと思うことはありますね。

とはいえ1年ほど前の低価格帯の化粧箱と異なり内箱が黒いプラの成型ケースから質感の向上を感じるほどですので全体的に低価格帯の質感の向上が窺えますね。


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ビルドクオリティですが、このCCA CA4はKZ ZSN Pro同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。1年ほど前はZST等でシェルの隙間等雑な部分を感じられるところがありましたが現在の低価格帯の製品も安心して購入できるのではと感じています。みぃねこは黒色を選択しましたがカラーバリエーションは他に青色と紫色があり、ZSNが紫色、ZSN Proが青色だったので黒色を選択しました。

 

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付属ケーブルはZSNでは2種のカラーがあり本体シェルの色によって付属するカラーが異なりましたがZSN Pro同様に暗い茶色のみとなるようです。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。

 

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シェル本体は先述の通りZSN系とフェイスプレートのデザイン及び形状が異なること。ステムノズルの色が本体色ごとで異なること。シェル本体の樹脂パーツの形状が異なりますが基本的に同じ形状のため装着感は良さそうです。

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最も異なるのは搭載されたDDがZSNより前のモデルで多く採用された多穴タイプですね。

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そしてそれらの1BA+1DDイヤホンと比較するとZSN系とほぼ同じで重量もほぼ同じ。ただしステムの太さはほぼ一緒ですが角度がZSN系とCA4では異なっています。これにより耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピースMサイズで良好でしたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

みぃねこは付属品のいつものKZイヤピではフィット感及び音質も本来のものと異なると感じましたのでFinal Eタイプ Mサイズに変更し使用しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)


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付属ケーブルはZSN ProやZSAやAS10と同じ暗い茶色の編込みタイプです。使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがありますがワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはZST等の旧LOTで長らく採用されていたゴムゴムとは大違い(最新ロットではZSA等のタイプに変わったようです)で、そのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはFinal EタイプMサイズ、ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音低音の主張が結構ありながら聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
箱出し直後は低音域が強く感じたため今回も先に鳴らし込みを行い低音が落ち着きバランスが良くなったと感じました。

鳴らし込み後に聴いてみた感想として音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通からやや良好です。
ボーカルは近くも遠くも無く普通で曲によってやや近く感じます。
低音は量感は十分で広がりがありながら締りとキレもあり芯を感じます。バスドラムの強さと沈み込みを感じられベースラインも追いやすいです。
高音は煌びやかさがありますが刺さりは感じませんし低音に埋もれることはありません。傾向として高音低音強調のややドンシャリと感じますが中音域は凹み過ぎずボーカルが高音低音に埋もれることがないバランスです。これは最近の低価格帯1BA+1DDモデルのDDで高音中音低音域の全てをカバーしBAには高音~超高音に専念させているチューニングとは少し異なる印象です。CA4ではDDを中低音域をメインに担当させている様子で質の高い低音に感じられます。一方中高音域はBAにより煌びやかさを持たせたやや高音域寄りの印象も刺さりは感じられず聴きやすい反面、超高音域の伸びは今ひとつと感じます。

このCCA CA4ZSN(無印)や先日発売されたZSN ProOEMではなく別のチューニングが施された全く別の音質傾向を狙ったモデルと云えそうです。

改めてCA4とそれらを聴き比べると高音域は無印よりも主張が有りProに近い印象です。中音域は明快さやボーカルは無印の方が自然でなめらかさを感じPro の中音域に近く感じますが高音域と低音域に比べ相対的に少し凹みを感じます。低音域はProも質の高さで魅せてくれましたがこれについてはProの方がCA4よりも量感と広がりが少ないためCA4の方が一般ウケし易い印象です

これらの音質傾向を纏めると以下の様な関係が浮かんできます。

 

高音   CA4 ≧ ZSN Pro  > ZSN(無印)

中音   ZSN(無印) ≧  ZSN Pro ≧ CA4

低音   CA4 ≧ ZSN Pro  ZSN(無印)

ボーカル ZSN(無印)  ≧ ZSN Pro ≧ CA4

 

CA4は高音域の派手さと低音域の質感が増していて、無印とは傾向が異なりその物足りなさを改良したProに近いもののそれと比較した場合にはやはり異なる印象を持つ結果となりました。尤もZSN(無印)ZSN Proとは採用されたDDが異なっているが故の違いと言ってしまえばそれまでのような気もしますが、一言で云えばCA4ZSN(無印)ZSN Proの音質傾向の異なるモデルとしてライバルに相応しい高音低音の印象が強いややドンシャリとなりますので、最早どれが上で下という明らかな音質の優劣では表わしにくく使う方の嗜好の違いによって選択するのが最適解なのかもしれませんね。

 

そのためCA4は同じ1BA+1DDのモデルの中では高音の派手さや低音を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方中音域の派手さやボーカル中心に聴きたい方からは評価が分かれることになりそうです。


さてCCA CA4は最近の低価格中華1BA+1DDイヤホン同様の高中低音域のバランスの良い表現力を持ったイヤホンとまとめました。

手持ちでは相変わらず後回しになりお蔵入りしそうなイヤホンもありますが、いつかこれらのイヤホンも1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は3,000円以下で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まり2,000円半ば程度で購入できるようです。一方AliExpressでは2,000円以下で購入できそうですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンと同様の実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

CA4

以下、付属ケーブル、イヤピFinal EタイプM使用、DAP M0
高音★★★★ 
中音★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (ZSN Proとお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD低価格中華イヤホンとしてこれが22個目となりますが僅か1年でこれほどの進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

Kinboofi KBF MX2レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたKinboofi KBF MX2についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのKinboofi(@kinboofi)から購入しています。

 

 

 

Kinboofi KBF MX2は中華イヤホンセラーオリジナルモデルで同社のKBF MKシリーズは評判が良く昨年MK3とMK4を購入し特にMK4がお気に入りとなっています。MK4は中価格帯の4BAドライバ構成のモデルですが同価格帯でも2万円を超えるモデルでありながら発売当初からその評価が高く売り切れが続き入手するのに苦労した思い出があります。そして特徴的なのは同価格帯では比較的搭載ドライバ数が少なめですがその音質は他の6BAや8BAを凌ぐ評価であったこと。音質変更可能なディップスイッチを搭載する等綺麗なシェルと併せ意欲的なモデルでかなり話題に挙がりました。その後同社は6BAドライバ搭載のMK6、5BAのMK5と発売しMK6がMK4より高音域を強化しMK5は低音域を強化したモデルでそれぞれ好評を得ているようです。

そして今回このMKシリーズから新シリーズとして1BA+1DDドライバ搭載のMX2が登場しMKシリーズ同様の美しいシェルを受け継ぐモデルが新発売されました。このKBF MX2は搭載ドライバが全てBAのMKシリーズと異なりDDを搭載しています。BAにはKnowlesが採用されているというこもあり高音域のチューニングに期待ができそうです。そういう意味では高級BA採用、MKシリーズ同様に美しい樹脂シェルを採用している為、コスト的にはやや高めとなることから販売価格も国内amazonで11,900円と中価格帯となります。A10Kには前回レビューしたYinyoo Topazや同社D2B4。NiceHCK M6等が鎬を削る激戦区です。流石にこれらよりは安価な価格設定とはなりますが、実際購入を検討した場合に敢えて2ドライバのハイブリッドモデルを1万円以上出すのか?もう少し足せば多ドラハイブリッドに手が届くのに?と冷静に考えればU10Kで出すことに意味があったのではないかと邪推してしまいます。まあ、、みぃねこは発売直後に購入しているのですからセラーの戦略通りではある訳ですね。。。(良い子の皆さんは真似してはいけません)

なのになぜ今?このタイミングで?というツッコミは御尤もで単に他の商品のレビューを優先してしまいお蔵入りさせるのもアレなので機を逃した感はありますがお付き合いいただけますと幸いです。

 

KBF MX2は以前レビューしたKZ ZSN等の低価格帯の1BA+1DDハイブリッドと同様のドライバ構成です(ドライバのモデルが同じという意味ではない)。そして同社のBA多ドラMKシリーズの末弟モデルとも云えそうですね。

 

KBF MX2の納期は流石の国内amazonですのでオーダーした翌日には届いています。この辺りはAliExpressでの購入と比べ直ぐ届く及び、輸送中のみならず品質不具合があった時も安心感が違うというのはやはり大きなアドバンテージと云えそうです。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
KBF MX2のスペックは最近のA10,000円の中価格中華イヤホンでは珍しい1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯では最早スタンダードといっても過言ではない感じがしますが、中価格では複数BAや多ドラハイブリッドが主流となっています。

そして低価格同様にドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でKBF MX2が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速KBF MX2のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはKinboofiの高級ラインと同様に青箱を基調とした白のスリーブタイプです。

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スリーブを外すと青箱がジュエリーケースの様な開き方をし中はし白地でイヤホンケースが収納されています。(Kinboofiのこの化粧箱は個人的に気に入っていてメーカーロゴ等もないことから小物を入れて収納するのに活用しています。)付属品やイヤホンはこのイヤホンケースの中に収納されています。

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セット、ケーブル、イヤホンケースです。低価格帯の質素な化粧箱とは異なりますね。

 

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ビルドクオリティですが、このKBF MX2は同社MKシリーズ同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。低価格帯と比べても同社の製品は安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは黒色のみとなります。


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シェル本体は先述の通りMKシリーズ同様に樹脂シェルで形状は手持ちのMK4と酷似しています。特徴的なのがフェイスプレートで金色の縁取りがシェルの黒地とマッチしていますが、一つだけ気になるのはシェルにベントがありこれが非常に不自然に見えるところですね。


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そして改めてMK4と比較するとMX2の方が少しだけ大きいですが重量はほぼ変わらずその装着感の良さにより違いをほとんど感じることはありません。ただしステムの太さはほぼ一緒ですが長さがそれぞれ異なっていますので耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピース白Mサイズで良好でしたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

みぃねこは付属品イヤーピース白Mサイズを使用して耳へのフィット感及び音質も本来のものと感じましたのでそのまま使用しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

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付属ケーブルは黒色の8芯編込みタイプで非常に柔らかく取り回しは良好です。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。
これは低価格帯のリケーブル前提の付属品とは大違いで、そのまま使用できますしシェルの色と同じ黒色も普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、アンバランス直挿しです。

前回同様に中価格帯中華イヤホンの相応のDAPということでFiiO M9を基準としてレビューを行いますのでご容赦ください。尤もiPhone6sやShanling M0でも十分鳴らすことができましたが特に低音の良さを引き出すためには相応のDAPを使用されることをお勧めします。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧いただきご参考ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp


では実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
イヤピとケーブルは先述の通り付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中低音寄りながら高音も疎かにしていな絶妙なバランス」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)

そして今回も先に鳴らし込みを実施し聴き込んでみました。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は良好です。
ボーカルは普通からやや近めで曲によってやや近く感じます。
低音は量感十分で広がりもありながら適度な締りとキレも悪くなく非常に小気味よく感じます。沈み込みは普通からややあるように感じベースラインも追いやすいです。
高音は煌びやかさと伸びがありながら刺さりは感じませんし低音にも負けていません。傾向としてやや中低音寄りですが高音域の煌びやかさと低音域の質の高いややドンシャリと感じるもののボーカルや凹むことのない中音域を中心に高音低音が存在するようなバランスです。低価格帯の雄、ZSNでは同じ中低音域寄りで量感があり広がりの感じる低音や明快な中音域としながらも高音がしっかり存在感を示す聴きやすいバランスの音質でしたが、KZの高音としては少し物足りなさを感じるところがありました。

このKBF MX2では低価格帯で何かを立てれば何かが立たないような物足りないところが生まれてしまいますが、それがない非常にバランスが良い音質傾向と云えます。

実際低価格帯で評判の良い1BA+1DDイヤホンZSNと聴き比べると高音域はMX2の方が煌びやかさと分離感の良さを感じます。中音域でも明快さ、ボーカルの艶はMX2の方がより自然でなめらかさを感じます。低音もZSNの量感と広がりは近く感じますが締まりとキレを含めた質感は敵いません。これについてはMX2は中価格帯でありZSNが4個買える販売価格を考えれば当然といえる結果であり致し方無いですね。

MX2はセラーオリジナルモデルでの中でも安心して購入することができる中価格帯中華1BA+1DDイヤホンで上位に入る仕上がりなのではないでしょうか。

 

そのためMX2はどこかの音域を特徴的にしていない万人にお勧めできるモデルのため、特異性を求める方からは評価が分かれることになりそうです。

 

ではKinboofi KBF MX2は当たりなの?外れなの?と問われたら「全音域バランスの良いイヤホン」なので「中価格帯の入口としてお勧めできるイヤホン」というのが個人的な評価です(相変わらず答えになってない)。Kinboofiオリジナルモデルでこれ程気に入るとは。正直日本メーカーももう少し頑張ってほしい(だって日本人ですから)。


さてKinboofi KBF MX2はこれまでレビューしたの低価格中華1BA+1DDイヤホンと比較した場合価格帯の相応の実力を持った高中低音域のバランスの良い表現力を持ったイヤホンとまとめました。

相変わらず手持ちではすでにお蔵入りしそうなイヤホンもあり折角なのでこれらのイヤホンもいつかは低価格中華1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますが気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回はA10,000円で買える中価格1BA+1DD中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonで10,000円強程度で購入できるようです。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンよりその音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますので中価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonからの購入を検討してみてくださいね。

 

MX2

以下、付属ケーブル、イヤピ白M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★★
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ 

※☆0.5、★1.0

 

 

ZSN

以下、付属ケーブル、イヤピM使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★☆ 
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆

※☆0.5、★1.0

 
あとがきとして、今回は1BA+1DD中価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD中価格中華イヤホンとしてこれが初めてとなりますが金属シェルの中価格帯1BA+1DDの機種も入手済みですのでこちらも近いうちに公開できればと考えています。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※誤字修正 2019/4/28

 

Yinyoo Topazレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編をお休みし先日発売されたYinyoo Topazについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

今回は国内amazonでも早々に取り扱いが始まっているようです。(2019年4月10日現在)

 

 

Yinyoo Topazは以前レビューしたYinyoo D2B4と同じセラーのオリジナルモデルで4BA+1DDのドライバ構成です。D2B4は2月の春節の福袋扱いでしたが、今回のAliExpressの春のセール328でまたもや同様の福袋?の中身として販売も予定数50を早々に販売後改めて「Topaz」として公開し新発売されています。実際福袋予定数の50個は初日に30個以上のオーダーを超え前回の春節福袋と違い好調だったと云えそうです。実はみぃねこは前回の教訓から中身の外観等、詳細が判るまでポチるのを耐えていました。そして同社のtwiterで外観画像、ドライバ構成詳細を知るや否や堪らずポチった毎度ながらのアホさ加減に自身が一番呆れています。。。

Topazは同社の先に発売されたD2B4やNICEHCK M6と競合するモデルとなるようですがそれらのドライバ構成は4BA+2DDと異なり、DDが一つ少ない構成となります。M6の沈み込む締まった低音はリズムを奏で聴いていて心地よさがありました。一方D2B4はそれとは異なり広がりやベースラインがリラックスしたいリスニングで非常に聴きやすくどちらも仕上がりの良さが光るモデルでした。今回Topazがドライバ構成を変更し一見スペックダウンとなりそうなところを後発の有利を生かしその牙城に食い込んでいけるのか非常に楽しみなところです。

そしてこのTopazは音質は然ることながらそのシェル本体、もっと云えばフェイスプレートのデザインが特徴的となっていて、その名の通り宝石の様な造形をしています。これは画像ではなかなか伝わりにくいのが残念なのですが光の加減によりフェイスプレートのカラーが変化し、まるで宝石を手にしたような美しさを感じるほどです。これだけでも所有欲を満たされそうなそんな気分になります。

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Topazの納期としては3月末のセール中にオーダーし8日ほどで届きました。今回も早い方ですね。輸送がチャイナポスト(CN)だったということを考慮しても結構早いといえます。これまでの経験上チャイナポストでも2週間以上は掛かっていましたのでこれまでのAliExpressのCNでは最短の部類ですので以前同様通常届くまでに14日~21日程度は掛かりますが良い意味でのイレギュラーもあるよと今回も備忘録として残します。個人的に11.11、BF以降今年に入ってからのオーダー全てが輸送が早くAliExpressの使い勝手の向上を感じますね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
Topazのスペックは15,000円前後の中価格中華イヤホンで採用されている複数BAではなく4BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯では1BA+1DDのドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり特に中音域を担うドライバの配置が可能となります。それ故中音域のチューニングが特にポイントとなり、複数のドライバがそれぞれ担う音域と重なる音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でTopazが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速Yinyoo Topazのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはこれまでのセラーオリジナルYinyooモデル同様に青箱を基調としていてD2B4の箱より一回り上大きくなっています。
箱の表には銀色でブランドロゴが印刷され、光の加減で金色にも見える高級感のある化粧箱です。箱の側面にはスペックが記載されたラベルが貼られていてこの箱自体の汎用性も高くなっています。みぃねこは化粧箱の豪華さには特に感情は持たない方なのですが国産や中華高価格ではやはりそれなりにコストがかかった化粧箱が使用されております。これは一般的に各社が下位モデルと差別化をはかるためでありそういった意見もあるわけで致し方がないのかなと。

 

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箱の上蓋を開けると内箱の中は黒地でイヤホンが2個が収納されしっかりと固定されていて更にイヤホンケースが収められています。付属品はイヤホンケースに収納されています。D2B4の箱の中に収められたイヤホンケースの中にイヤホン本体やケーブル付属品全てが入っている化粧箱の梱包方法とは異なり、上蓋を開けた際にイヤホン本体が目に飛び込んでくるのは好印象ですね。

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各2セット(1種Mサイズ本体取付け済み)、ケーブル、ケーブルストッパ、イヤホンケースです。流石の中価格帯といったところでしょうか。


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ビルドクオリティですが、流石に中価格帯ともなると低価格帯の中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。他の中価格帯と比べても同社の製品は安心して購入できるのではと感じています。みぃねこの手元には黒色が届きましたがカラーバリエーションは他に茶色がありましたが福袋扱いなので選択できませんでした。これは毎度思うのですが「色くらい選択させてくれても良いのにな」と。

 

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シェル本体は4BA+1DDドライバを収めている割にはコンパクトで比較的装着感は良好と云えそうです。

そして特筆すべきは先述の通りフェイスプレートのデザインとシェルのカラーです。
宝石の様な多角形のデザインはまるで宝飾用のカットデザインを思わせ更にシェルのカラーが光の加減で本来黒色のシェルが茶色や紫のラメ入りの様に見える非常に妖艶さや煌びやかさを演出しています。

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D2B4やM6と比較すると一番コンパクトなのがTopazで一回り大きく厚いD2B4とTopazよりもコンパクトに感じますがD2B4よりも厚みのあるM6となりますが重量はほぼ同じです。ただしステムの太さはほぼ一緒ですが角度がそれぞれ異なっていますので耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピースMサイズで良好でしたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

みぃねこは付属品イヤーピースでは低音が本気を出していないという物足りなさを感じたためイヤピをAET07に交換して耳へのフィット感及び音質も本来のものと感じられました。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)


付属ケーブルはD2B4で付属したタイプと同様の少し被膜がゴムぽっさがあり、イヤホン側コネクタ形状がZSN等と同様のqdcタイプです。色はD2B4同様に黒色です。また使用感も悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがあります。そして全体的に少し絡まり易いものとなりますのでみぃねこは早々にリケーブルすることにしました。

リケーブルに選んだのは同社の16芯リケーブルYYX4745です。

YYX4745は16芯による情報量が増える傾向となりますが音質的にどこかの音域を強調するタイプではないため最初に交換するリケーブルでよく使用しています。 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、バランス直挿しです。

これまでの中価格中華イヤホンではiBasso DX150、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはFiiO M9を基準としてレビューを行うことにしました。前回の記事で触れましたがDAPの集約を行い、更に上位機種更新としてDX150は手放し現在のエースは同社DX200としています。もちろんDX200でレビューすることも可能でしたが、この価格帯ならM9が相応と考えたためです。


では実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
イヤピとケーブルは先述の通り付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音はすっきりクリアで低音の量感が多くバランスが良く音質も透明度の高い名は体を表すとはこのことだな」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)

そのため今回も先に鳴らし込みを実施し聴き込んでみました。
音場は普通からやや広めで音の分離感は良好です。
ボーカルは近くも遠くもなく普通で曲によってやや近く感じます。
低音は鳴らし込み後は量感十分で広がりがありますが沈み込みは普通からやや浅め。締りとキレも普通に感じますがベースラインが追いやすいです。
高音は煌びやかさがありますが伸びは普通かやや少なく刺さりは感じませんが低音に負けていません。傾向としてやや中低音寄りですが中高音域の分離は良く高音域の煌びやかさと低音域の量感のあるややドンシャリと感じます。これは中音域のクリアさやボーカルがクリアに聴こえその周りに高音低音が存在するようなバランスです。D2B4でも同様の音質傾向でしたがTopazではD2B4よりも中高音域がクリアに聴こえます。M6では標準ノズルにおいて高音低音の主張がはっきりしているため同じクリアでもそれらとは質の違うクリアでした。

このTopazではD2B4をより中高音をすっきりクリアにした音質傾向と云えます。

改めて聴き比べると高音域はD2B4の方が煌びやかさを感じます。中音域はTopazの方がよりクリアさがありボーカルはどちらもなめらかさがありますがD2B4の方が艶やを感じます。TopazのボーカルはD2B4と比較した場合になめらかさがありクリアに聴こえますがその息遣いというか自然さが薄れて聴こえます。これについてはTopazもD2B4もレベルが高いところでその違いを強いてあげればという話であり仮にD2B4を聴いたことが無い方がTopazのみを聴いた場合には十分といえるレベルだと思います。

TopazとM6で最も異なるのは高音と低音域で低音はM6の量感と締まりと深さのある主張の強い低音に対しTopazは量感こそ十分ですがM6より比較的少なく質感が劣るように感じます。そして高音はなにより標準ノズルでも主張がはっきりとしているドンシャリのため、これこそがM6の真骨頂でありTopazやD2B4とは違う音質傾向と云えます。そしてこれら3つを比較した場合をまとめると以下の通りとなりますが、先述の通り高いレベルでまとまっていて中価格帯の中華多ドラハイブリッドイヤホンの中でも上位に入る仕上がりなのではないでしょうか。

もはやどれが上で下という明らかな優劣のレベルではなく嗜好の違いで選択するべきなのかもしれませんね。

 

高音   M6 > D2B4 ≧ Topaz 

中音   D2B4 ≧ Topaz > M6

低音   M6 > D2B4 ≧ Topaz

音場   Topaz ≧ D2B4 ≧ M6

分離   M6 ≧ Topaz ≧ D2B4

ボーカル D2B4 ≧ Topaz > M6

※Topaz リケーブルYYX4745、イヤピAET07

※D2B4 リケーブルYYX4807、イオピAET07

※M6は標準ノズル、リケーブルTDY3、イヤピAET07

 

Topazは万能選手でありそれ故にD2B4の優等生な高音質やM6の良い意味でのステレオタイプな高音質とは違う万人受けする高音質という狙う方向が違うと感じました。
一言で云えばTopazは良い意味でのD2B4の量産型なのかもしれませんね。

 

そのためTopazはD2B4と基本的に同じ音質傾向のため高音低音の主張が強すぎないクリアな音質を求める方には好評となるのではないでしょうか。一方M6の高音低音の主張が強い音質傾向が好きな方からは評価が分かれることになりそうです。


ではTopazは当たりなの?外れなの?と問われたら「すっきりクリアな全音域でバランスの良い聴きやすいイヤホン」なので「一軍でリラックスしてリスニングを気軽に楽しみたいときに使うイヤホン」というのが個人的な評価です(相変わらず答えになってない)。正直価格帯が違いますがCCA C10と音質傾向が近く同じポジションで困りますね。まあ新しい方を家で。古い方が外に持ち出すという新しい方を偏重する悪い癖がでてしまいますね(だって人間だもの)。


さてYinyoo Topazはこれまでの中価格帯中華多ドラハイブリッドイヤホンの中でも十分に戦えるバランスの良い表現力を持つ名は体を表すイヤホンとまとめました。

相変わらず手持ちではすでにお蔵入りしそうなイヤホンもあり折角なのでこれらのイヤホンもいつかは1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますが気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は15,000円前後で買える中価格帯中華多ドラハイブリッドイヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まり16,000円程度で購入できるようです。一方AliExpressでも15,000円程度の価格とその差は小さく入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンよりその音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますので中価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は今なら価格差の小さい安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

Topaz

以下、リケーブルYYX4745、イヤピAET07、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★★ 
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★☆ 

※☆0.5、★1.0

 

D2B4(DAPをM9で再評価)

以下、リケーブルYYX4807、イヤピAET07、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★★ 
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★ (ドンシャリ好きはM6を。ボーカルに艶を求める方)

※☆0.5、★1.0

 

M6

以下、リケーブルTDY3、イヤピAET07、DAP M9
高音★★★★★ 
中音★★★★ 
低音★★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★☆

お勧め度★★★★☆

※☆0.5、★1.0

 
あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンではなく中価格帯の新商品である多ドラハイブリッドイヤホンをレビューをしてみました。今年の新たなチャレンジとして定期的に取り組んでみたいと考えています。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ