みぃねこの備忘録

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NICEHCK X49レビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンの中から先日発売されたNICEHCK X49についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのNiceHCK Audio Store(@hckexin, @NiceHCK_Audio)から購入しています。

国内amazonでは記事公開当時(2020年7月4日)取り扱いがありませんでしたが、NiceHCK(@hckexin, @NiceHCK_Audio)で取り扱いが始まっています。(2020年8月7日現在)

 

ja.aliexpress.com

 

 

 

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1. NiceHCK X49について

NICEHCK X49は以前レビューしたKBEAR F1と同様の1BAモデルとなります。こちらのモデルは発売当初AliExpressの6.18サマーセールでNiceHCK Audio Storeの5周年記念福袋として販売されました。

NiceHCKの1BAモデルと云えば数年前にもDT100が福袋として発売され物議を醸しました。

そんなこともあり福袋販売には慎重にならざるを得ないという風潮をよそにオーダーしています。だって、販売価格が15ドルです。そのくらいならといういつもの病気とセラーの煽りを実際と比較して楽しむエンターテイメントとして興味がありました。

 

NiceHCK X49は先述の通り1BAドライバモデルで搭載するドライバは不明ですが、フルレンジの中華32257あたりでしょうか。一般的に1BAのフルレンジでは低音域に弱々しさを感じやすくDDのような低音は望めません。

ですがこちらもKBEAR F1同様にシングルドライバ故の各音域の自然なつながりの良さを期待できますし中高音域の繊細さはシングルダイナミックドライバモデルの中価格帯や高価格帯にどれだけ迫っていけるのかと期待が高まりますね。

今回X49との比較には同じ1BAのKBEAR F1と同じシングルドライバでも種類が異なりますが1DDのfinal E500を選択しました。

F1は言わずもがな。何故E500なのかと云えば販売価格が2Kと近いこと。中音中心の音であること。イヤホンの形状が近いことが理由です。

そういう意味でこのX49は非常に安価に1BAモデルを購入できる驚異のコストパフォーマンスと云えそうですね。

逆に云えばE500は低価格中華イヤホンと張り合うことができる存在といえます。尤もE500の場合はバイノーラル音源特化という特徴がありますので、音楽鑑賞としてはE1000又は、通称有線ピヤホンことHSE-A1000PNあたりでしょうか。そもそも1BAモデルはその音作りが難しく、あちらを立てればこちらが立たずと国内メーカー製であってもその傾向は変わりません。数万円の高級機であれば変わってくるようですが土俵が違いすぎます。そんな訳で今や国内メーカーも殆ど手を出さない低価格1BAモデルを試してみたい、聴いてみたい方には手が届きやすくお求めやすい価格ですので無試聴で取敢えず1本買っとくかというノリで楽しむのも沼のそれとしてアリかもしれませんよね。

 

NiceHCK X49のスペックはU3Kの低価格帯中華イヤホンでも珍しい1BAのみとシンプルなドライバ構成です。これまでレビューした3K前後の低価格帯では1BA+1DDのハイブリッドが多くKBEAR KS2等を以前レビューしています。それらの中でKBEAR F1はBlessing製フルレンジBAを搭載したシングルドライバ構成による自然な中音域が好評のモデルで他との差別化がはっきりしたモデルとなっています。

実際1BA+1DDのハイブリッド方式ではカバーできる帯域も広くすることができますし、ドライバ構成からBAが中高音域を、DDに中低音域を主に担当させることで高音域と低音域を疎かにすることがなく有利となりますが、高音低音の間の中音域で各ドライバの守備範囲をクロスオーバーさせるため何処を重視するかによって音質に影響がでやすくこの点では2ドライバが不利となりますが、1DD同様に1BAでもそのシンプルな構成故に各音域のつながりは自然で且つなめらかさを持たせられ多ドラで感じる各音域のつながりの不自然さが発生しにくい利点があります。

そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホンとは異なり特に1BAのみでは高音と低音が疎かになりやすいため、この高音と低音域のチューニングがポイントになります。端的に云えば中音域はもとより高音と低音のどちらの音域を重視するのか、はたまた多少中音域を犠牲にしてでも全音域をバランスよく鳴らすのかがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でX49が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

NiceHCK X49の納期は昨今のコロナショックを象徴する1か月以上待ちとなりました。以前よりは回復したとはいえ、AliExpressの中国本土からの発送は未だ中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約2週間。平時は10日から2週間。遅いと3週間でしたが、それなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

2. NiceHCK X49実機レビュー

それでは、早速NiceHCK X49の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調としたスリーブタイプで表にはメーカーロゴが。裏面にはスペック等が記載されたシンプルな化粧箱です。

 

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スリーブを外すと白地の内装にイヤホンが収納され、その下側の白地のカバーを外すと内側にイヤホン本体から伸びるイヤホンケーブルと付属品が収納されています。

 

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付属品はイヤーピースはシリコンのS、M、Lの3種各2セット。Mサイズが本体取り付け済み。他はケーブルバンド、ケーブルストッパです。他の低価格帯と同様の付属品の構成ですが、1,500円で販売される商品として必要十分と云えますね。


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ビルドクオリティですが、このX49は中華イヤホンの低価格帯で心配されるようなこともなく国産同価格帯と同等と云えます。それもその筈、国内メーカーでもそのあたりの価格帯はもれなく中国等アジア各国での生産となっていますので。

シェル形状は金属製でフェイスプレートという概念が無い一般的な所謂「イヤホン」という円筒型のデザインです。音楽を携帯プレイヤー等で楽しんでいる(イヤホンマニアを除く)多くの方は親しみのある形状と云えます。

カラーバリエーションは無く、銀色の金属カラーのみですが、マイク付きと無しが選べます。


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ケーブルは交換不可の黒色ストレートタイプです。このケーブルはタッチノイズを感じます。そして開封時ちょっと困ったのがイヤホン左右が判りにくいこと。イヤホンとケーブルの付け根部に一応LRのマークがありますが見にくいです。一番わかりやすいのがケーブルにOリングが挿入されている方が左側のイヤホンですので、これで見分ける方が便利ですね。

またイヤホンの装着はストレート使用でもシュア掛けでも使用できるようにチューブ加工はありませんので好みに応じて使い分けができます。

本体の形状から耳への装着性はイヤーピースに依存していますが付属のイヤピでも悪くありません。肝心の使用感もストレートで使用しても悪くなくタッチノイズが前述の通り感じますが、これは国内メーカーの低価格帯も同じ様なものですので、コスト的に難しいのかもしれませんね。

ケーブル自体は全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますので、惜しいと云えばそれまでですね。


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シェル本体は先述の通りシンプルな円筒形のデザインとなります。形状は比較用にKBEAR F1とfinal E500をそれぞれ用意しならべてみるとF1やE500もかなりコンパクトでしたが、X49はそれよりも圧倒的にコンパクトになっています。

シェル本体は金属製ですが本体がコンパクトという事もあり重量は軽く装着感は良好です。ただし付属イヤピでも装着感は良好でしたが高音と低音が少し実力を発揮されていないような印象があり手持ちのAET07で浅めに蓋をする装着で納得がいく音になりました。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. NiceHCK X49音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling M0やFiiO X3markIII(以下X3III)を基準としてレビューを行ってきましたが、Q1にて行います。これまでにShanling M0とFiiO M5の比較や、M0とiPhone6sの比較を行っており、X3IIIへ移行も考えましたが、初心に帰り低価格帯はiPhoneスマホからちょっと良い音を聴くためにDAPを導入しようとしている方向けにSHANLING Q1で比較しますので、ご容赦ください。

M0とQ1はDACやアンプ等の主要のスペックには変わりがありませんが、聴き比べるとQ1はM0よりも低音が豊かに感じます。どちらもバッテリー駆動なのでM0よりもQ1の方がバッテリー容量が増え電源供給に余裕があるからなのかもしれません。

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。同様の小型DAPとしてFiiO M5がありますが、そちらとの比較もご参考ください。

 

Shanling M0とiPhone 6sの比較はコチラ↓ 
miineco106.hatenadiary.jp

 

Shanling M0とFiiO M5の比較はコチラ↓ 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、ケーブルは耳から下にに垂らす装着です。

箱出しで聴いてみた第一印象は「1BAらしい中音域がすっきりした聴きやすい音」でした。(中音域はスマホ付属品とはかなり違います。)
箱出しの試聴もそこそこに今回も先に鳴らし込みを行い聴き込んでみました。

鳴らし込み後、高音のややザラつきを感じたところが滑らかに。低音が落ち着き締まった印象です。

音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感も普通です。ですが箱出しから十分にBAの音らしいクリア感と相まって特に中音域の透明感を感じます。

高音は控えめながらも煌びやかさがある。刺さりは感じない。

低音は控えめ。広がるような量感もありませんが、十分に芯を感じられ適度な締りがある。ベースラインは追えますが控えめです。

重低音は沈み込みは浅く少々軽く感じます。

中音はすっきりしていてボーカルもクリアで自然な位置から聴かせてくれややドライな印象。曲によって近く感じます。

一言で云えば中音中心のかまぼこ型。フラットに近いメーカーF特が公開されていますが、低音の低いところはそれほど感じないというのが正直なところです。

高音域は主張はしっかりとしていますが前に出るような押し出しはありません。

低音域も主張は強くなく重低音も苦手だけど締まりのある鳴り方です。

中音域はやや凸を感じ、演奏よりもボーカルが前に出ているので聴きやすい。そのボーカルはクリアで聴きやすく高音低音に埋もれません。

1BAのシングルドライバモデルとして、やはり低音の量感が物足りなく感じますが、この中音域を中心としたすっきりクリアな高音と適度な低音が支えることでバランス良く聴かせてくれている印象です。

 
これは以前レビューしたKBEAR F1の音とも違い、メリハリはF1の方があります。1DDのE500と比べるとE500は中低音寄りのためFPS等のゲームで敵の足音を感じやすく、試しにスプラトゥーン2でサーモンランをプレイしましたが、モグラの音が聴こえにくかったです。

いずれにしてもX49は何処かを誇張しない聴きやすいかまぼこ型が、従来の低価格帯でポピュラーなドンシャリとは一味違う音でありボーカル曲を中心に聴く方には印象が良いかもしれませんね。

 

X49はボーカルを聴くのに向いているということで、例のDAPを使ってみました。

そうです、Astell&Kren SR15です。先日SR25が発売されたため中古も値落ち傾向です。新品でも今ならお得に購入できます。

 

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supercell君の知らない物語では、ぐっとボーカル近づき中音域によりフォーカスされたように感じます。演奏はボーカルのやや後且つ周りにいてボーカルを引き立て中音域の音も邪魔をすることはありませんし不自然さも感じません。

LiSAの紅蓮華ではLiSAの力強く繊細なボーカルが一層引き立ちます。もう声DAPの通り名に偽りなしですね。
それもその筈、高音と低音はDAPのお蔭で激変。高音は華やかさを増し、響きと伸びの良さがあります。低音は量感というよりも強さが出てきて、重低音もQ1よりも芯の強さを感じます。

まあ、DDほどではないのは事実ですが。

それでもBAとして適度な締りとキレがあり、重低音の表現力は流石に分が悪く沈み込みも浅めと限界はありますが、1BAとしては良好でベースラインは追いやすなったと感じます。
高音も元々のクリアさに加え煌びやかさに華やかさも加わりますが1BA+1DD機のような主張は流石にありません。それでも伸びはや響きは良くなり中音域の音に埋もれることはなくなります。

DAPを変えることでメーカーのフラットなF特に近い音質傾向に変化したと云えます。これはX49はスマホやQ1でも音量は取りやすいものの、結構再生環境を選ぶと云えそうですね。

 

この様にX49の音作りは中華イヤホンの低価格帯1BA+1DDモデルのようなドンシャリをベースにメーカー毎に味付けをする様な音作りではなく、国産低価格低の1DD機にありがちな低音域だけ強調させ重低音を売りにしたものとも違い、国内メーカーの1BA機同様に中音域を中心とした音作りと云えそうですね。

このX49はそれら国内メーカーのモデルにも負けず劣らずの音質傾向と云えそうで、これでリケーブルが可能であれば…という個人的な評価となります。

 

まとめとしてNiceHCK X49は同じ低価格帯の1BA+1DDのモデルとは異なるベクトルの異なる、寧ろ競合というよりニッチなニーズをボーカル特化モデルとして国内メーカーが事実上の撤退を余儀なくされており、他にはない特徴を持つ商品と云え、強いて云えば国産1DDのfinal E1000に方向性が近いと感じ音楽を中音域やボーカル中心に聴きたい方にはお勧めできますし好評となるのではないでしょうか。一方ドンシャリ好きで1BA+1DDの音が好きな方からは評価が分かれることになりそうです。

 
さてNiceHCK X49は最近の低価格帯中華イヤホン、もっと云えば国内メーカーを含めても珍しい1BAモデルでBAの空気感が好きな方には堪らない音楽をクリアに心地よくリスニング向けイヤホンで1BAの音作りが好きという方にはお勧めとまとめました。

手持ちではTrnの多ドラのアイツがありますがKZの一世を風靡した1BA+1DDの後継機のアイツもオーダー中です。これらのイヤホンもいつもの1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思います。それらも気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は1,000円台半ばで買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでは取り扱いがありませんが、セラーのことですからそろそろamazonに入荷するのではないでしょうか。その際はきっと2,000円を切る価格で販売してくれると期待しています。尤もこの価格帯は1BA+1DDモデルが購入できる価格帯ですが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格帯の中華イヤホンの購入を考えていて1BAモデルが少しでも気になった方は安心確実の国内amazonの取り扱いを待って購入を検討してみてくださいね。

 

X49

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (1500円ですよコレ)

※☆0.51.0

 

F1

以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (1BA+1DDの音作りが好きな方★2)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は1BAの低価格中華イヤホンの商品をレビューをしてみました。次回は中価格帯で発売したCCA CA16との比較用にのアイツをレビューしてみたいと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2020/8/8 amazon取り扱い開始に伴い記事修正及び、amazonリンク追加