みぃねこの備忘録

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CCA C12レビュー

こんにちは。

今回は中華イヤホンの多ドラハイブリッドレビュー編として中価格帯で発売されたCCA C12についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのCCA Global Store(@StoreCca)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取り扱いが始まっています。(2019/09/08現在)

 

 

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CCA C12はCCA社の最新モデルで先日AliExpressにて先行販売されています。国内amazonでもやや遅れて販売開始となっていますが、このC12の発売開始前にKZ社の最新モデルZSXが登場していたため、そちらの方を購入された方が多い様子で静かな滑り出しとなっています。

このC12は販売価格が5,000円前後と低価格帯U5Kとも云えそうですが、低価格帯としてみれば高価で、中価格帯としてみれば安価な部類となります。以前レビューしたCCA C10やKZ ZS10Pro等と比較して初値が少々安めですが、それでもあまり話題に挙がらないのは先行して発売されたZSXに持っていかれている感が否めませんね。実際それとはドライバ構成やスペック、販売がKZとCCAという関係からもどちらかを購入すれば事が済む商品とも考えられます。ですが、C12もZSXも現在の販売価格からは低価格帯となっているC10やZS10Proの後継機と云え、特にそれらはこれを買っておけば間違いがないという評判の機種であり、新旧の違いが気になるところです。

CCA社はこれまでにもKZ社との一見デザイン違いとしたモデルをほぼ同時期に販売していますが、実際には音質傾向を変えており、両社の特徴を表しています。そのため中華イヤホンファンの中には両方押さえて比べて楽しむという猛者もいらっしゃるようですが、一般的にはご自身の好みに合った方を選択する方がお財布には優しいですよね。そんな訳で今回みぃねこは先行販売されたZSXとやや遅れて発売となったC12を迷いに迷ってC10とZS10Proの例に則りC12の方を選択しています。これが吉と出るか凶と出るか結果が気になりますよね(笑)。

 

そんな訳で待望の中価格帯の多ドラハイブリッドモデルを手に入れましたので、これまでに同価格帯で評価の良かったCCA C10やKZ ZS10Proとの違いを交えながら、CCA C12のレビューを纏めていきたいと思います。

 

さてC12はZS10Proと同様に樹脂製のシェルを採用しステムノズルとフェイスプレートが金属という構成です。C10ではステムノズルと本体が一体成形でしたので、ステムノズルの素材が変わったことで音質に違いがあるのかも気になりますよね。

 

C12のスペックは中価格帯でも珍しい5BA+1DDのハイブリッドです。同じ中価格帯ではもう少し上の価格となり先日レビューしたNICEHCK NX7が4BA+2DD+1CTと片側7ドライバのモデルがありますが、片側に5BAドライバを積んでも5K前後の価格で買えるのが本当に中華って恐ろしいですよね(褒めてます)。そして注目はダイナミックドライバには新型が採用されているようで、これまでのモデルとは違うそんな期待が持たせてくれます。そのためC12はこれまでレビューした中価格中華多ドラハイブリッドイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

CCA C12の納期としては8月23日にオーダーしその6日後に発送。9月5日に届きましたので発送後約1週間掛かっていますが、今回は新製品の先行販売ですし輸送がスタンダードシッピング一択でしたので結構早いと云えそうですね。シンガポール経由となるスタンダードシッピングではタイミングによって数日から1週間ほど余分に見積もる必要がありますので、今回はラッキーでしたね。流石に国内amazonの当日発送、翌日配達とは比較してはいけませんし、AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速CCA C12の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはこれまでの白箱を基調としたものからがらりと変わりシックなデザインでスリーブタイプの黒箱化粧箱です。
スリーブの表にはモノクロのイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

 

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スリーブを外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座を取り外すと、ケーブル等の付属品が箱の底に入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セットとKZ ZSN等に付属したシリコンイヤピMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。A5K-U10Kの中価格帯としては少々さみしい付属品ですが、個人的にいつもの割切感は嫌いではないです。


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ビルドクオリティですが、CCA C12は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。数年ほど前のKZの製品は当たり外れ感を楽しむくらいの気持ちで購入する心構えが必要でしたが、現在のKZやCCA等は安心して購入できますし中価格帯として安心の仕上がりですね。カラーバリエーションは黒色(金)と青色(青)の2種類あり、みぃねこはリケーブル前提でしたので黒色(金)を選択しています。

 

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付属ケーブルは最近のKZのモデルと同様に茶色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はQDCタイプの2ピンでKZ極性仕様です(上がプラス)。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとしてそのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルが本体色との一体感がありますね。

 

※画像左からKB10、ZS10Pro、C12、C10 
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C12とC10、ZS10Pro、KB10の外観の比較として、シェル本体の大きさはもちろんKB10が一番大きく、その他はほぼ同じです。C12はC10同様のシェルを採用していると予想していましたが違うようですね。それに伴いフェイスプレートの形状も少し異なります。加えてステムノズルはKB10やZS10Pro同様に太めですがステムノズルの角度はC10やZS10Proより起きています。尤も装着感だけで云えば、ドライバを複数搭載している割に(KB10を除き)比較的コンパクトでシェルもカスタムIEM風なため良好ですが、この4機種の中ではC12はステムノズルの根本付近にシェルの厚みがありますのでそのあたりで多少装着感に個人差はあるかもしれませんね。

またC12はC10を除き、他と同様にステムノズルが金属です。この4機種ともにメッシュフィルターがあります。

そしてシェル本体の形状は4機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

先述の通りC12はステムノズルは比較的太めのため、耳へは付属の本体装着済みイヤーピースでは抜け気味となるため、いつものAET07に交換しやや奥の方に蓋をするように装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはAET07 Mサイズ、YYX4761にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「クリアな中音で高音低音もバランスが良くボーカルが聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音にボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は広くも狭くもなく普通ですがボーカルが近く感じる曲ではやや狭く感じる場合があります。

分離は良好で解像感も良好ですが音数の多い曲では低音域と高音域に比べ中音域がやや重なりを感じます。

低音の量感は十分で適度な広がりがあり、締まりとキレは良好。

重低音は沈み込みが十分で力強さがあり、ベースラインは追いやすい。

高音は煌びやかさが十分で華やかさがありながら刺さりを感じずクリアに聴こえますが伸びは普通です。

中音はクリアで見通しが良くボーカルの周りで華やかさがあり存在感は十分。

ボーカルは自然な位置にあり曲によってやや近く感じ、中音に埋もれず聴きやすい。

一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ

ですが、C12の特徴はやはり中音域です。

中音域のクリアさはややもすると味気ない音になりがちですがそんなことはなくボーカルが聴きやすくその周りで華やかに彩りを加え支えています。C10もクリアな中音域でしたが悪く云えば暗い音、つまらない音として評価される方も居りました。C12ではその中音域は先述の通り改良されていると感じます。

低音域はBAの低音とは違いDDの深く強い、そしてキレのある音を楽しめます。低音の比較ではC10の方が強く感じますが、C12が弱いわけではなく中音域の明快さが増した為に相対的に弱く感じるようです。

高音域はC10より華やかさがありますがしつこさは無く嫌味がありません。ZS10Proに近いですがそれとも異なりもっとシャープに聴こえます。

C12はC10で評判の良かった音質傾向を踏襲しながらもC10で物足りなかった高音域を改善し中音域の表現力に磨きをかけたモデルと云えそうです。

今回もCCAの上手いチューニングバランスをC12で十分堪能できました。これは中価格帯でも十分に上位と争える仕上がりですし、高音中音低音の音域の何処かを不自然に強調していないので心地よく聴くことができるのではないでしょうか。

 

まとめとして、C12はリスニング用途にC10では物足りなかった方に一度聴いてみてほしい。個人的にそんな願いを強く持ったお勧めしたい商品だと思います。

尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方には物足りないと感じ評価が分かれてしまうかも知れません。

そして今回は比較対象としてKZ ZS10Pro。同じCCA C10を選びましたが、これらはそれぞれに良さがある評価が高いイヤホンです。C12はそれらよりBAドライバが1つ増えていて単純にみればワンランク上が当たり前と思われるかもしれません。しかし後継モデルや改良Verが常に最良とならないのも事実です。以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

  

高音   C12 ≧ ZS10Pro ≧ C10

中音   C12 ≧ C10 ≧ ZS10Pro

低音   C12 ≧ C10 ≧ ZS10Pro

ボーカル C12 ≧ C10 ≧ ZS10Pro

 

最後に、今回は5,000円前後で購入できる中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年9月8日)はamazonでも取り扱いが始まっていて、AliExpressではフォロワー割でも3,000円台後半とお求め易い価格ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でもやや安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。新商品を少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

C12

以下、ケーブルYYX4761、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ (C10が好きだけど少し物足りない方)

※☆0.51.0

 

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あとがきとして、今回は5BA+1DD中価格中華イヤホンの新商品のレビューまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ