みぃねこの備忘録

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NICEHCK DB3レビュー

こんにちは。

今回は先日発売されたNICEHCK DB3についてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのNiceHCK Audio Store(@NiceHCK_Audio,@hckexin)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonのNICEHCK(@NiceHCK_Audio,@hckexin)では未だ取り扱いがありません。(2019年9月20日現在)

国内amazonのNICEHCK(@NiceHCK_Audio,@hckexin)でも取り扱いが始まりました。(2019年9月30日現在)

 

 

https://www.amazon.co.jp/NICEHCK-DB3-ダイナミックドライバー2基%EF%BC%8Bバランスドアーマチュア型ドライバー1基-亜鉛合金フェイスプレート-錫メッキ銅ケーブル/dp/B07Y47CXP4/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=nicehck+db3&qid=1569834552&s=gateway&smid=A3CMWQJ7L7K7OQ&sr=8-1

 

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NICEHCK DB3はU5000の低価格帯で新発売された1BA+2DDの多ドラハイブリッドモデルです。しかもこの3ドライバ構成で新発売にもかかわらず実売2,000円という低価格で購入できる魅力的なモデルです。

搭載ドライバ構成は先述の通りですが2DDは10mmのダイナミックドライバをデュアル搭載し、グラフェンダイヤフラムとチタンコートされたダイナミックドライバの2種を使用しています。1BAは型番不明なもののお馴染みの中華製バランスドアーマーチュアドライバが搭載されていますがDB3のドライバ構成からは高音域の補助としてツィータに特化したチューニングがされているようです。

DB3はドライバ構成が似たモデルとして同社のセラーオリジナルモデルN3がありますがN3は高音域用にBAではなくセラミックツィーターが搭載されています。また同じドライバ構成ではRevoNext社のQT2やTrn社のV60がありますが、何れも昨年のモデルでありリリースサイクルの短い中華イヤホン界隈では久しぶりに1BA+2DDモデルが発売され話題に挙がりそうなものですが、中華イヤホンファンの間では少し前に発売されたKZ ZSXやCCA C12等の5BA+1DD多ドラハイブリッドが5,000円前後で購入でき、その音質も上々の評価の為にあまり話題には挙がらないもののその価格の安さから順調にセールスを伸ばしているようで、即ポチしていたみぃねことしては一安心しています。(アホ)

 

このDB3はドライバ構成こそ違えど数多ある中華イヤホン低価格帯のスタンダードと云える1BA+1DDハイブリッドモデルと競合するモデルと云えそうで、DDが1つ多いことによるアドバンテージがあるはずですので音質傾向にどのように違いがでるのかとても気になります。

勝手な予想では低音が強くそして自然なでなめらかな中音域と思っていましたが、ネットの評判はその価格もあり好意的なものが多く、いざ届いて聴いてみると予想通りの低音と刺さりを感じない高音。特に中音はDDの自然でなめらかさのある音で、これは低価格1BA+1DDモデルでは採用されるドライバの質ではなかなか難しく、特に凹みを感じてしまう部分がありません。もちろんDB3はDDが2基ですし、そもそもDD1基に低音域と中音域を任せ、BA1基に高音域と中音域を任せるために生まれる中音域のクロスオーバーでは仕方がないことなのかもしれませんね。

  

さてDB3はドライバ構成から多ドラハイブリッドに分類されますので比較対象はKBEAR KB06とRevoNext RX8Sの2BA+1DDドライバモデルにて比較したいと思います。

その理由としてDB3はKB06やRX8Sと同じドライバ数でありながら2BAと2DDと厚みを持たせたドライバが異なる構成をメーカーの目指す方向性に対しての答えがあるような気がしたからです。そしてこれまでの後追いの競争から後出しじゃんけんではない、メーカーの独自性からフェアに次世代スタンダードを狙う各メーカーの覇権争いも気になるところです。

 

DB3のスペックは冒頭触れた通り1BA+2DDの多ドラハイブリッドモデルです。搭載した各ドライバのメーカー等型番も不明ですが肝心なのは音質ですので、今回はいつも通り細かい話は抜きで進めます。それにしても片側3ドライバを搭載して2,000円とは、、中華イヤホン恐るべし。

そして1BAが高音を2DDが中音から低音を担当しこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でDB3が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

NICEHCK DB3の納期としては8/末にオーダーし9/4に発送、9/15に届いています。流石に国内amazonの翌日配達とはいきませんが、プレセールとスタンダードシッピング(シンガポール経由)だったことを考えれば普通と云えそうですね。AliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますので、お急ぎの方は国内amazonを選択というところでしょうか。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速NICEHCK DB3の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはNICEHCKのセラーオリジナルデザインの白箱でスリーブタイプの化粧箱です。
スリーブの表にはイヤホンがプリントされ、裏にはスペック等が記載されています。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納され固定されています。下側のこの小箱にケーブルやその他付属品が収納されています。

 

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付属品はポーチに収納されていてシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種1セットとダブルフランジタイプが1セット付属しMサイズが本体取付け済み。他にはケーブル、ケーブルバンド、(付属品が収納されていた)イヤホンポーチです。U5Kの低価格帯としては十分な付属品となります。個人的に付属のイヤピは結局交換することが多いのでシンプルな付属品には好感を持ちますね。


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ビルドクオリティですが、DB3は低価格帯の中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。本当にこの1年で低価格帯でも安心して購入できるようになったと感じています。カラーバリエーションは黒と青色があり、今回は青色を選択しています。


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付属ケーブルは茶色の編込みタイプで同社NX7に付属するものが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様です。個人的にケーブルバンドも付属しているのがちょっと嬉しいですね。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなりますが付属ケーブルとして機能は必要十分でそのまま使用できますし目立たず普段使いには丁度良さそうですね。

 

※左がDB3、右がNX7 

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シェル本体の造形フェイスプレートのデザインが異なる以外は同社NX7同じ様子で恐らく製造工場が一緒なのかなと推測しますが真偽は不明です。

そしてステムノズルにはメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状はシュア掛け前提となりますが、ステムノズルが少し短い?ため装着感には個人差がありそうですね。

 

※左からKB KB06、NICEHCK DB3、RevoNext RX8S

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次に今回の比較対象であるKB06やRX8Sとの比較ですが一見してその大きさの違いに気がつきます。DB3もコンパクトな方ですがKB06が相手では分が悪い。そしてRX8Sの大きさが際立ちます。次にステムノズルは3機種ともに太さがありま若干DB3が細め。長さは同程度ですが角度がそれぞれ異なります。DB3は先述の通りNX7と同形状のため耳へは普段より小さめのイヤーピースを奥で栓をするように装着すると高音域の減衰も少なく良好でした。みぃねこは以前レビューしたNX7同様に付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じたこと。耳奥への装着が本来の音と感じましたのでイヤピを丸七長楽青に交換して装着感と音質的に十分と感じました。この辺りは個人差があるかもしれませんね。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はSHANLING M0、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんFiiO M9ではより低音域と中音域が本領を発揮します。そしてiPhone6sでも十分に鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力では本来の実力を発揮できないと感じるのも事実です。しかしながらいつも通りスマホ直挿しを想定しておりますのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「ボーカルが自然で低音も十分の中低音寄りのバランス」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音はややボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

鳴らし込み後は、自然な中音はそのままに低音の締まりが増し高音も十分に主張する箱出しより好印象となりました。

音場は狭くも広くもなく普通。

低音の量感は十分で、締まりを感じキレもある。重低音も沈み込みを感じベースラインは追いやすく、何より低音域の音の強弱が感じられ解像感が高い印象です。

高音は煌びやかさが十分で存在感はありますが刺さりは感じず出しゃばらない印象です。

中音は高音低音と自然なつながりで見通しも良くクリアです。決してボーカルを邪魔せずにその周りで存在感を示します。

ボーカルは自然でなめらかさがあり近くも遠くもない普通に位置し曲によってやや近く感じます。

一言で云えば中低音寄りの弱ドンシャリでしょうか。

中低音域を明朗さを好む方には印象が良さそうですね。

特に中音と低音の間の中低音は表現力が良くベースラインが心地よく聴くことができます。このあたりは流石の2DDの中低音域と云えそうですね。アップテンポな曲では低音の締まりとキレの良さと量感が十分なこともあり聴いていて楽しくなります。それでいて低音が中音に被り邪魔しない分離感も良好ですね。そしてバラードなどのスローな曲では中音よりも必要以上に前に出すぎず、その役割をこなし中音を支えます。

この低音は同じNICEHCKのNX7やM6も2DDでしたが、採用されたドライバも異なりますがチューニングも異なる印象です。単純な量感ではM6>DB3>NX7の関係と云えそうですがNX7の低音もリケーブルによって改善することを確認しておりますので、あくまでも付属のケーブルで、ということでお願いします。

そして低音は先述の通り強弱が掴みやすくイヤホンでこの解像感は中々の出来と云えそうです。

反面高音は流石にKB06やRX8Sの2BAの様な高音域の華やかさや解像感はありませんが、それでも分離は悪くなく、同社のCT搭載モデルN3よりも自然な印象があります。

更に云えばKB06やRX8Sは1DDでも十分な低音域を備えていましたが、DB3の低音を聴いてしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれません。一方DB3の高音は2BAの両モデルにはやはり敵いませんが、中音域はDB3が上手です。この辺りは中華BAの現状の限界なのかDDの方が自然な音が聴こえます。そのため中低価格の中華イヤホンではBAを複数搭載して補っていくチューニングスタイルが主流なのかもしれませんね。

さて、DB3は高音域の主張は控えめながらも十分に存在感を示し、中音域は自然でなめらかな音を奏で、低音域十二分に存在感と解像感を示しながらも決して極端な中低音寄りのバランスではない、寧ろ敢えて大袈裟に云えばリスニング用のヘッドホンのチューニングのようなそんな印象を持ちました。

つまりKB06やRX8Sとは目指した方向が異なり、あくまでもN3の低価格版モデルとして生み出されたと考えると合点がいきますし、個人的にそう理解すれば納得できます。

 

まとめるとNICEHCK DB3は表現力の高い低音域と自然でなめらかな中音域を高音域が花を添えることでU5Kの低価格帯の中華イヤホンの中であまり例をみない挑戦的なモデルと云えるのではないでしょうか。

尤も価格が一番挑戦的ですが(笑)

ただし、このバランスは中華イヤホンの高音の華やかさを含む強ドンシャリを求める方からは評価が分かれることになるかも知れませんね。


最後に、今回は5,000円以下で買える低価格中華イヤホンの実売2,000円ちょっとで購入できる商品の紹介となりました。現在(2019年9月20日)はamazonで取り扱いが無く現在(2019年9月30日)はamazonでも取り扱いがありセールで2,000円と少しで購入できますし、もちろんAliExpressでも購入可能です。普段AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

※2019/9/30 amazon取り扱い開始を加筆修正

 

DB3

以下、付属ケーブル、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★    (解像感は特筆もの) 
音場★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は多ドラハイブリッド低価格中華イヤホンの新商品のレビューをしてみました。複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンも今後も挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019/9/30 Amazon取り扱い開始を加筆修正