みぃねこの備忘録

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Trn V90レビュー ※CCA C12 KZ ZSX 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの多ドラハイブリッドレビュー編として中価格帯で発売されているTrn V90についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

 

AliExpressでも有名どころのストアであれば取り扱いがありますし、その中でもNiceHCK Audio Store(@hckexin,@NiceHCK_Audio)は安心して購入できます。

 

ja.aliexpress.com

 

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Trn V90はTrn社のハイブリッドイヤホンの最新モデルです。同時期に発売されたKZ ZSXやCCA C12が5BA+1DDのドライバ構成で話題になり4BA+1DDのドライバ構成だった本機は少々陰に隠れてしまった印象があります。

V90はZSXやC12よりも少しだけ安価な販売価格が設定されていて国内amazonでは5,000円台後半でセラーによってクーポンで5,000円とちょっとで購入できますがそのドライバ構成やシェル本体が金属製と十分に安価な販売価格です。最近ではZSXやC12が国内amazonのセールで5,000円切りの4,000円台となることがありますのでV90は未だ中価格帯に留まっていると云えますね。

何故にV90を購入したのかと云えば、前回までにC12とZSXを比較していたこともあり今回のV90はやはり「それらの比較には外せない商品と考えたから」となりますが、あの時散々悩んでC12を選択したくせに「結局全部買うんかい」と自身の弱さに呆れるよりも探求心が勝ったというポジティブシンキングによってみぃねこが成り立っているとご理解ください(笑)。

そして、なによりも巷の評価ではV90は好意的な評価が多くハズレは無いだろうと思っておりますが、そこはTrnですから、ね? 以前のC12レビュー時には「ZSXとC12はドライバ構成やスペック、販売がKZとCCAという関係からもどちらかを購入すれば事が済む商品」としていましたが、前回のZSXレビューで「C12とZSXは違う」とまとめており、そうなるとV90が気になってしまい、こちらもやはり自分の耳で確認したくなったわけです。さてさてさて。今回もどんな結果がでるのか。やっぱりTrnは買わなくてもよかったよねとなるのかどうか(笑)。

 

※CCA C12やKZ ZSXの過去記事もよろしければご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳で何かと比較され話題となる中価格帯の多ドラハイブリッドモデル、Trn V90を手に入れましたので、今回も前回同様にCCA C12とKZ ZSXとの違いを交えながら、Trn V90のレビューを纏めていきたいと思います。

 

さてTrn V90はオール金属製のシェルを採用しステムノズルとフェイスプレートが金属で他は樹脂というZSXやC12とは異なる構成です。C12は比較的オーソドックスなデザインでZSXは特徴的なフェイスプレートのデザインが採用されていますが、V90ではシンプル イズ ベストと云わんばかりのデザインを採用しています。まあ三者三様とは真にこのことで角らしい角がない丸みを帯びたデザインは愛らしさというか優しさを感じこれまでのTrn社のデザインとは全く異なる印象を持ちますね。

 

V90のスペックはZSXやC12と異なり寧ろKZ ZS10Pro同様の中価格帯では標準的な4BA+1DDのハイブリッドです。最近では全く見なくなった2BA+2DDのハイブリッドモデルは絶滅危惧種と云えそうですね。1年前はZS6系としてこの種のモデルがたくさん発売されていたのが最早遠い昔のようです。。

V90は片側に5ドライバが搭載されていて、その4BAドライバはTrnオリジナル30019デュアル(2BA)が高音域を。50060デュアル(2BA)が中音域を担当しており、低音域をダイナミックドライバ(1DD)が担うことで3way方式を採用しています。そのためZSXやC12では高音域1BA+中音域4BA+低音域1DDと中音域に厚みを持たせていて、実際中音域の表現力は高いものでした。V90はそういう意味ではシンプルな3way方式ではありますが、実績がある方式とも云え安定した音を奏でられるのではと期待が持てます。それはこれまで世の中に送り出された中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンで培った各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングポイントを活用できるかが重要となります。このチューニングポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

Trn V90の納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。AliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

それでは、早速Trn V90の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調としたシンプルなスリーブタイプの白箱化粧箱です。
スリーブの表にはイヤホンイラストが。裏面にはスペック等が記載されている中低価格帯で一般的なタイプです。


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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座を取り外すと、ケーブル等の付属品が箱の底に入っています。この辺りはいつも通りの中低価格帯の化粧箱ですね。

 

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付属品はTrnのいつものシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セットが付属します。その内、シリコンイヤピMサイズが本体取付け済みで、他にはケーブルです。A5K-U10Kの中価格帯としては少々さみしい付属品ですが、個人的にいつもの割切感は嫌いではないです。


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ビルドクオリティですが、Trn V90は中華イヤホン、特にTrnで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。以前のV30では一月程で結局ステムノズルのメッシュが剥がれ、自分で接着剤で直そうと試みるも、手とシェルが接着剤だらけになって捨てた苦い経験がありますが、今回のV90では今のことろ問題ありません(笑)。勿論みぃねこが不器用すぎるだけで他の方は簡単に直せるレベルです。

しかし現在のKZやCCA等と比べると安心して購入でき、お勧めできるとは言い難いのがTrnの少し残念なところですね。

カラーバリエーションは黒色と青色(紺色)の2種類あり、みぃねこは青色を選択しています。

 

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付属ケーブルはいつものTrnに付属する黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は埋め込み式ではない通常の2ピンでKZ極性と同じ仕様です(上がプラス)。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり中価格帯に付属するケーブルとして力不足の印象がありますが、そのまま使用できますし落ち着いた色合いのケーブルが本体色との一体感がありますね。

 

※画像左からC12、V90、ZSX 
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V90とZSXやC12の外観の比較として、先述の通りV90だけオール金属製シェルが採用されています。金属と云ってもアルミニウム材のため金属の同一質量比で軽量な素材となります。シェル本体の大きさはZSXが一番大きく、V90が一番小さいです。これはデザインがZSXだけ大柄なフェイズプレートを採用していることとカスタムIEM風の立体的な形状から視覚的に感じられます。カスタムIEM風と云えばV90もどちらかと云えばそれに近いですがZSX程ではなく、C12と比較すればそっち寄りとなります。

これらのデザインは3者3様といえますが、V90の最大の特徴は角らしい角がなく丸みを帯びたデザインで且つ、コンパクトなフェイスプレートも相まって一層小さく見えます。そしてそれらが功を奏し耳への装着感はかなり良好です。ただしシェル自体はコンパクトですが厚みがありますがそれを感じさせない装着感の良さは好感が持てますね。次にステムノズルはC12やZSXよりも細めで角度もZSXと同じく寝ています。尤も装着感だけで云えば、ドライバを複数搭載している割に比較的コンパクトでシェルもカスタムIEM風寄りが功を奏しているものの、この3機種の中ではZSXが個人的に一番装着感が良好ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

また、この3機種ともにステムノズルに先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状からは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

先述の通りV90はステムノズルは他のハイブリッドモデルと比べ比較的細めのため、耳へは付属の本体装着済みイヤーピースでは少々抜け気味となるため、いつものAET07に交換しやや奥の方に蓋をするように装着ではなく、細めのステムノズルを活かし丸七長楽青で耳奥に栓をするように装着した形がみぃねこは一番しっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くありますので手持ちのイヤピと交換しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは丸七長楽青 Mサイズへ。イヤホンの本領を発揮させる為に付属ケーブルからYYX4733にリケーブルしています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「クリアな中高音と低音は不自然に強調されずにバランスが良く聴きやすい」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音が少なめでボワつきも感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は左右の音に広がりがあり空間が広めに感じます。

分離は良好で解像感も良好ですが音数の多い曲では中高音域にやや重なりを感じます。

低音の量感は控えめですが少ない訳ではなく十分で広がりも適度に感じ、締まりとキレは普通からやや良好。

重低音は沈み込みはそれ程深さを感じませんが十分な強さがあり、ベースラインは追いやすい。

高音は煌びやかさがあり華やかさもありながら適度にまとめられ、刺さりも感じずクリアに聴こえ伸びも普通です。

中音は凹みを感じずクリアで、ボーカルの周りで華やかさがあり存在感は十分。

ボーカルは自然な位置にあり、中音に埋もれずに聴きやすい。

一言で云えばやや中高音寄りの弱ドンシャリ

C12やZSXとは異なる印象ですが、どちらかと云えばZSXの音づくりに近くC12とは違います。

V90はZSXの特徴である音場の広さを感じられます。

その音場も中/高音域の音の広がりは感じられますが、ZSX程の広さでは無いという違いがあります。ZSXのレビューでも書きましたが、中音域では特にボーカルの聴こえ方、感じ方に違いがでてきます。ZSXのボーカルは空間の広さも相まって自然な位置にありその少し離れた場所で演奏されているように感じられ、V90もこの傾向があります。これはC12のような音場は広くないもののボーカルが近くに感じる傾向とは異なります。

次に低音域はZSXやC12のようなDDの深く強い、そしてキレのある音とまではいきませんがBAの低音とは違うDDの低音を十分感じることができます。単純に低音を比較した場合、C12の方が強く感じ、ZSX、V90の順となりますがV90が弱いわけではなくZSX同様に音場の広さを感じられる音の広がりによって相対的に弱く感じられる為です。そして同様に高音域は音場の広さからC12よりもマイルドに感じられ、ZSX、V90の順になります。

 

この様にV90ではC12やZSXのようなどこかにフォーカスさせた音づくりではなく、兎に角高音中音低音全ての音域をバランス良くまとめられた音質傾向と云えそうです。

そのため、低音域はDDを採用しながらもつながりを重視し主張を控えめにすることで中高音域をマスクせずに自然な音場感を狙って作っていると感じます。

そしてV90では音場の広さとバランスの良い弱ドンシャリにより、楽しくリスニングができる音質傾向が、Trnの進化を感じられるモデルと云えるのではないでしょうか。

 

まとめとして、Trn V90はTrnのハイブリッドモデルにおけるフラッグシップとして十分満足できるモデルと云える仕上がりで、正直Trnの本気に魅せられたような気がしています。

ですが、この価格帯にはKZやCCAという競合他社が存在し、それらの中でも同じドライバ構成ではKZ ZS10Proが代表的な存在であり、CCA C10もモデルこそ約1年前と古くなりますが初めて挑戦する方にはそれを購入しておけば間違いないと云えるモデルもあります。そして、これらは何といっても価格がこなれてきていてTrn V90よりも安価に購入できるメリットがあります。一方、今回の比較対象としたCCA C12はボーカルをフォーカスしたリスニング用途にお勧めで、みぃねこはKZ ZSXの音場の広さや雰囲気の良さを聴いた今でもC12の方を推していますが、購入価格が上がってしまいます。

では、もしも中価格帯のハイブリッドモデルの中から最初の1本を選ぶとなれば?

もちろん、今回のTrn V90は有力な候補として是非検討していただきたいと考えます。

尤もV90やZSXとC12のリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方には物足りないと感じ評価が分かれてしまうかも知れません。

 

以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

  

高音   C12 ≧ ZSX ≧ V90

中音   C12 ≧ ZSX ≧ V90

低音   C12 ≧ ZSX ≧ V90

ボーカル C12 ≧ ZSX ≧ V90

音場   ZSX ≧ V90 ≧ C12

 

最後に、今回は国内amazonのセールなどで実売5,000円前後で購入できる中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年10月26日)もamazonで取り扱いがありますし、AliExpressではフォロワー割で4,000円台前半とお求め易い価格ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。新商品を少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

V90
以下、ケーブルYYX4733、イヤピ丸七長楽青 M使用、DAP M9
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ 
※☆0.5、★1.0

 

ZSX

以下、ケーブルYYX4732、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 

※☆0.51.0

 

C12

以下、ケーブルYYX4761、イヤピAET07 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は4BA+1DD中価格中華イヤホンの新商品のレビューをライバルモデルの兄弟機と併せて比較をまとめてみました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ