こんにちは。
今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として低価格帯で発売されたRevoNext NEX202についてレビューをまとめたいと思います。
今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。
国内amazonでは未だ取り扱いが無いようです。(201908/14現在)
NEX202はRevoNext社の最新モデルで先日AliExpressにて先行販売されています。国内amazonは最近では珍しくほぼ同時期での販売開始となっていませんので比較的静かな滑り出しとなっています。
このNEX202は販売価格が4,000円台と低価格帯U5Kとなりますが、比較的高価な部類となります。以前レビューしたTrn IM2やKZ ZSN Pro等と比較して初値が少々高めですが、それらとはドライバ構成やスペックからも競合する商品と云え、それらとの違いが気になるところです。
RevoNext社はこれまでに1BA+1DDモデルのRX8やQT5を発売しており、それらは樹脂製シェルのRX8、金属製シェルのQT5とシェル本体の材質でシリーズ展開していて、今回のNEX202は金属シェルということでQTシリーズと思いきや、新しくNEXシリーズとして登場しました。
NEXシリーズは他に同時発売されたNEX602があり、こちらは金属シェルの3BA+1DDモデルと価格も10,000円とお高め。残念ながらみぃねこは先行販売を見送っています。(欲しかったけどなぁ)
とはいえRevoNextの低価格モデルはハズレがないと信じてNEX202には突撃している様は、傍から見れば滑稽でありその自覚もありますのでご心配なく(笑)。
これが沼というものなのですよ(アホ)。
それはさておき待望の低価格1BA+1DDモデルを手に入れましたので、これまでに評価の良かったKZ ZSN ProやTrn IM2、並びに同社から代表として同じ金属シェルのQT5との違いを交えながら、NEX202のレビューを纏めていきたいと思います。
さてNEX202はQT5と同様に金属製のシェルを採用もQT5ではステムノズルが樹脂と珍しい構成でしたが、NEX202はステムノズル含めオール金属です。この辺りがQT5との違いをどの様にまとめているのか気になりますよね。
一方同価格帯で評判の良かったKZ ZSN ProやTrn IM2はそれぞれフェイスプレートとステムノズルが金属製とその他が樹脂製のZSN Proやステムノズルが金属製で本体が樹脂製のIM2とはNEX202は毛色が違いますが、この辺りとの違いも気になるところですよね。
NEX202のスペックは低価格帯で多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。ダイナミックドライバにはチタニウム合金の12mmドライバが採用されていてこれまでのモデルとはひと味違うそんな期待が持てます。加えて先述の通り、オール金属製シェルを採用していることや、フェイスプレートにはベントが設けられ、更に全体的に凝ったデザインが採用されており一枚板の金属切削加工としては結構コストが掛けられています。実際に商品を見るとイヤホン本体接合面及び、特にフェイスプレートは造形美があり綺麗ですので高級感がありクオリティの高さを感じられますね。
そしてNEX202はこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。
NEX202の納期としては7月24日にオーダーしその1週間後に発送。8月8日に届きましたので発送後約1週間掛かっていますが、今回は新製品ですし普通レベルと云えそうですね。流石に国内amazonの当日発送、翌日配達とは比較してはいけませんし、AliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。
そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
それでは、早速RevoNext NEX202の実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングはRevoNext社のQT5以降で採用されているオリジナルデザインの黒箱化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。
上蓋を外すと黒地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座の下のカバーを取り外すと、その他付属品が箱の底に入っています。
付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セットとシリコンイヤピMサイズが本体取付け済みに加えフォームタイプがL、Mが各1セット。他にはケーブル、ケーブルバンドです。U5Kの低価格帯としては必要十分以上の付属品となります。
ビルドクオリティですが、NEX202は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。RevoNextの製品は非常に安心して購入できますし低価格帯と思えないほどの仕上がりですね。カラーバリエーションは黒色と灰色(ガンメタ)の2種類あり、みぃねこは灰色を選択しています。
付属ケーブルはシェルの色と同様に灰色(ガンメタ)のツイストタイプで細めのしっかりした線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも質感が高くそのまま使用できますし灰色ケーブルが本体色と同色で一体感がありますね。
※画像左からIM2、ZSN Pro、NEX202、QT5
NEX202とQT5、ZSN Pro、IM2の外観の比較として、シェル本体はNEX202が一番コンパクトですがQT5同様に金属製シェルのため重厚感があります。加えてステムノズルが太めですが比較的軽量な金属を採用しているようで耳への装着時にそれほど重さを感じません。寧ろ耳への装着時にはZSN Proの方がやや重さを感じます。尤も装着感だけで云えば、IM2がステムノズルも比較的細めでシェルもカスタムIEM風で更に樹脂シェルでコンパクトなため一番良好ですね。
またNEX202はQT5を除き、他と同様にステムノズルが金属です。この4機種ともにメッシュフィルターがあります。
そしてシェル本体の形状は4機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
4機種の中でもNEX202は同じ金属製シェルでもQT5の雰囲気とは異なる近代的な造形とカラーであり低価格帯の中でも仕上がりの綺麗さや高級感があります。
先述の通りNEX202はステムノズルは比較的太めのため、耳へは付属のイヤーピースでやや奥の方にやや深めに装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じるので手持ちのイヤピと交換していますが、今回はその必要はありませんでした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はShanling M0、直挿しアンバランス接続です。
これまで通り低価格帯はM0を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0ではなくiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。
低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは丸七長楽赤軸 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象は「高音中音低音のバランスが良くボーカルが聴きやすく不自然に強調した音域を感じない」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音にボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。
音場は広くも狭くもなく普通で曲によって横にやや広く感じ分離は普通です。
低音の量感は十分で適度な広がりがあり、締まりとキレは良好。
重低音は沈み込みが普通からやや浅く感じるが力強さはあり、ベースラインは追いやすい。
高音は煌びやかさが十分で存在感がありながら刺さりを感じずすっきりしている。
中音はクリアですっきりと見通しが良くボーカルの周りで控えめながらも華やかさがあり存在感は十分。
ボーカルはクール寄りで自然な位置にあり曲によってやや近く感じ、中音に埋もれず聴きやすい。
一言で云えばやや中低音寄りの弱ドンシャリ。
RevoNextはいつもながらの非常に上手いチューニングバランスが低価格帯では間違いなく上位に入る仕上がりで、高音中音低音の何処かを不自然に強調していないので心地よく聴くことができます。
比較対象としてKZ ZSN Pro、Trn IM2。同じRevoNext QT5を挙げているが、これらはそれぞれに良さがある評価が高いイヤホンでした。しかしNEX202は強いて云えばZSN Proの中高音寄りに対しやや中低音寄り。QT5よりも高音を抑えたと云えば伝わりやすいでしょうか。
近いところではIM2を挙げたい。
そのIM2よりももう少し華やかさを控えめに中音をすっきりさせた寧ろIM2のバージョンアップ版という印象です。
もっと云えば、前回レビューしたTRI i4のようなバランス良くまとめた感じですね。
NEX202は高音域は出しゃばらず控えめながら存在感を示し花を添え、低音域は存在感があり低音強調の曲でも破綻する事なく、中音域はすっきりクリアながら華やかさも感じ高音低音に埋もれない。
聴き疲れのない心地よさがリスニング用途の低価格中華イヤホン1BA+1DDの本命と云えるかもしれませんね。
尤もこのリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域の刺激的な強さや低音の量が多い強ドンシャリを求めるという方には少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまうかも知れません。
高音 ZSN Pro ≧ NEX202 ≧ IM2 ≧ QT5
中音 NEX202 ≧ IM2 ≧ ZSN Pro ≧ QT5
低音 NEX202 ≧ ZSN Pro ≧ IM2 ≧ QT5
ボーカル NEX202 ≧ IM2 ≧ ZSN Pro ≧ QT5
最後に、今回は3,000円台で購入できる低価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年8月14日)はamazonでは取り扱い無く、AliExpressでのみの販売となります。そのAliExpressではフォロワー割でも3,000円台後半と初動はやや高値をキープしていますし、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でもやや高価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
NEX202
以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAP M0
高音★★★☆
中音★★★★
低音★★★★
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は久しぶりに1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品のレビューまとめました。これで通算25個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ