みぃねこの備忘録

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KBEAR KS2レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として低価格帯で発売予定のKBEAR KS2についてレビューをまとめたいと思います。

KS2は発売前のサンプルとしてKeephifi Official(@KeephifiO)より提供いただきました。

新しいイヤホンブランドのKeephifi Officialは元々製造メーカーを生業としており、Wooeasy Earphones Storeで販売する商品の製造をするなどのビジネスパートナーにあたるそうです。そのKeephifi Officialがこの度事業拡大として販売も展開することになり、前述のサンプルレビューのお話を頂いたというのが事の始まりです。

 

※同社HPはコチラ↓

keephifi.com

 

※同社商品ページはコチラ↓ 

2020 KBEAR KS2 Hybrid DD+BA In ear earphone With 0.78mm pin earbud Hifi Sport Running game headphone KBEAR KB06 KB04 TRI I3keephifi.com

 

AliExpressにはKeephifiのStoreは未だ無いようですが、KBEAR Official Storeには新製品として取り扱いがある様子も画像や商品説明が無く、真偽不明です。(2020/06/28現在)

 

ja.aliexpress.com

 

 

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1. KBEAR KS2について 

KS2はKBEARブランドの1BA+1DDハイブリッドの最新モデルです。KBEARはこれまでに低価格帯で発売した1BA+1DDハイブリッドモデルKB04や2BA+1DDハイブリッドモデルKB06等、安定した音質傾向に定評のある人気のブランドと云えます。

このKS2は以前レビューしたKBEAR KB04やTrn ST1と同様の中華イヤホン低価格モデルの1BA+1DDハイブリッドモデルで販売価格が3,000円以下の低価格帯U5Kの中で激戦区と云えるプライスゾーンとなります。

中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンと云えば忘れてはいけないのはKZ社の製品です。それは言うまでもなく同社ZSNやZSN Proで、この価格帯を牽引してきたメーカーです。しかし最近は有線イヤホンよりも無線イヤホンである完全ワイヤレスイヤホン(以下TWS)に力を入れていてTWSの新作は発売されていますが、代名詞とも云える低価格有線イヤホンの発信がありません。少し寂しい気がしますが、それだけライバル各社も力をつけてきていて「高コスパ」だけでは差別化が難しくなってきているのかもしれませんね。

 

以前のKB04レビューでも触れましたが、KBEARはこれが2作目の低価格帯1BA+1DDハイブリッドモデルです。ちょっと意外な感じはしますよね。

そのKB04はKBEAR初の低価格1BA+1DDハイブリッドの金属シェルでしたが、今回のKS2はKZ ZSN Pro同様の金属のステムノズルとフェイスプレートにシェル本体が樹脂とハイブリッド素材(モノは言いよう)です。低価格帯の多くのモデルはこのタイプが多いので、安定した実績の多い構成と云えますね。

 

というわけで今年3つ目の低価格1BA+1DDハイブリッドモデルを手に入れましたので、これまでに評価の良かったKZ ZSN Proや同価格帯Trn ST1との違いを交えながら、KS2のレビューを纏めていきたいと思います。

 

KS2のスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。2つのドライバの内、ダイナミックドライバにはPUとbiologicalとの複合素材を採用し中低音域用として搭載。BAは型番不明なものの高音域用として搭載さています。

イヤホン本体は先述の通り、フェイスプレートとステムノズルが金属製でシェル本体は樹脂製のハイブリッド素材で、ZSN ProやST1もこの構成です。ドライバのハイブリッド構成と共に最早低価格帯のスタンダードとも云える構成と云えますね。特にステムノズルの素材が金属製と樹脂製との違いから音質傾向への影響をこれまでレビューした経験から感じています。それは高音域に現れます。多くの低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンでは高音域を担当するBAドライバがステムノズルの中に配置されておりますが、音道管を使用していない為、高音域の伸びや響きに影響があると経験則で捉えているからです。

とはいえ最も大切なのはこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

KS2の納期としては中国本土からの発送という事もあり、国内amazonのようにはいきませんでしたが、発送の連絡をいただいてから一週間も経たずに届きました。昨今、感染症の影響で中国からの輸送は平時の様にはいきませんが、それも徐々に回復傾向であり最近はシンガポール経由も再開し動き始めていますので、もう少しというところですね。平時であればAliExpressならば早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

2. KBEAR KS2実機レビュー 

それでは、早速KBEAR KS2の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは従来のKBEARブランドで採用されていた黒地の緑色のラインが入っているデザインから、白を基調とし側面を黒色と配色したスリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストが。裏にはスペックが記載されています。

また今回のモデルはパッケージに日本語もあります。もしかして日本国内での販売も意識しているのかもしれませんね。

 

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スリーブを外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されています。またイヤホンが収納された台座の下側の白い小箱が収められ、その小箱の中にイヤーピースやケーブルなどの付属品が入っています。

 

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付属品はCCA等に付属する溝無シリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各1セット。そのシリコン黒色イヤピMサイズが本体取付け済みのため、都合Mサイズは2セット、他にはケーブルです。U5Kの低価格帯としては必要十分の付属品となります。また特筆すべきは取扱説明書です。先述した化粧箱への日本語に加え取説にも日本語の説明ページがあります。これは本当に日本国内での正規代理店経由での販売を計画しているのかもしれません。


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ビルドクオリティですが、数年前の低価格帯と比べるとレベルアップを感じられ、綺麗に仕上がっています。カラーバリエーションは黒色と緑色があるようですが、今回黒色が届いています。

 

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付属ケーブルはいつものKBEARで採用されている茶色の撚り線タイプでしっかりした線材が採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はTFZタイプ2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中でも質感が高くそのまま使用できますし茶色ケーブルが悪目立ちせず普段使いでも気にならないですね。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けは結構Rがきつめです。どうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

  

※画像左からZSN Pro、KS2、ST1 

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KS2とZSN Pro、ST1の外観の比較として、サイズ感はほぼ同じ。シェルの造形もほぼ同様で金属製フェイスプレートの厚みやデザインは異なりますが、ラインはほぼ一緒です。シェル本体の造形は3機種共に多少異なっておりますが、耳への装着時には殆ど気になりません。3機種共に綺麗な造形ですね。ステムノズルでは太さはST1を除きやや太め。角度ではZSN Proに近くなります。

そのため耳への装着時にはステムノズルの角度が寝ているKS2とZSN Proの装着感は良好ですね。

また、KS2を始め全てステムノズルが金属でこの3機種ともにメッシュフィルターがあります。

そして、シェル本体の形状は3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りKS2はステムノズルは比較的太めですが、耳へは付属の黒イヤーピースで奥の方で栓をするように装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じるので手持ちのイヤピと交換していますが、今回はその必要はありませんでした。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3. KBEAR KS2音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

これまで低価格帯はShanling M0やFiiO X3markIII(以下X3III)を基準としてレビューを行ってきましたが、今回からQ1にて行います。これまでにShanling M0とFiiO M5の比較や、M0とiPhone6sの比較を行っており、X3IIIへ移行も考えましたが、初心に帰りSHANLING Q1で比較しますので、ご容赦ください。

M0とQ1はDACやアンプ等の主要のスペックには変わりがありませんが、聴き比べるとQ1はM0よりも低音が豊かに感じます。どちらもバッテリー駆動なのでM0よりもQ1の方が容量が増え電源供給に余裕があるからなのかもしれません。

低価格帯のイヤホンの場合でそれらの違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

※FiiO M5とShanling M0の比較もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属品 黒Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「KBEARらしくバランスが破綻していないすっきりした聴きやすい音。」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)

ただし、箱だし低音にやや膨らみを感じたので今回も先に鳴らし込みを行っています。

鳴らし込み後は低音は量感はやや落ち着き締まった印象です。

 

音場は広くも狭くもない普通です。

高音は煌びやかさがあり華やかさがあるが、刺さりは感じない。

低音は十分な量感があり芯が感じられ締りとキレがある。ベースラインは追いやすい。

重低音は沈み込みは深く強さがある。

中音はすっきりしながらも華やかさは十分。ボーカルはクリアでやや近い位置から聴かせてくれてややドライ。曲によって近く感じますが、聴きやすいです。

一言で云えば中低音寄りのややドンシャリ

高音はしっかりとした低音域に埋もれない存在感のある煌びやかさと華やかさがありますが尖りはありません。同じ中低音寄りのZSNとは異なり中高音域にやや華やかさがあります。

中音は曲によってやや凹を感じますがボーカルがクリアで聴きやすく高音低音に埋もれません。

中音域は音に華やかさがあり心地良いですが、音数が多いハードな曲ではやや音が重なり真ん中に集まる印象です。

ボーカルはバラード等では近く感じ、アップテンポの曲では楽しく聴くことができますが、ややドライの為しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性の悪さを感じる曲もあります。個人的に宇多田ヒカルは雰囲気がありますね。

低音は量感がしっかりしていますが、支配的ではありません。不足のない十分な量と芯のある音で締りとキレがあり強さがあります。重低音は強さはあり深く沈み込む低音を疎かにしていません。この低音がクリアな高音中音を適度な強さで支えることでバランス良く聴かせてくれている印象です。

これはこれまでレビューしたKBEARの音と云え、何処かを誇張しない聴きやすいドンシャリ寄りの音ではありますが、従来の低価格帯でポピュラーなドンシャリとは一味違う音であり同じ低価格帯のKZ ZSNの中低音中心の音とも異なるバランスです。そして同社KB04も中高音と中低音が重視された良くまとまった音質傾向でしたが、KS2よりも高音の響きが良く重低音はそれ程ではない為、それとは違うと云えTrn ST1に近い音ですが、ST1もZSN Proほどの明確なドンシャリではありません。

特にST1は低音がTrnの弾むような音でややふわっとした感じがありますが、KS2は締まった低音という違いがあります。

KS2は個人的に欲を言えば中音の質感で、こちらは歌モノ、特にバラードを聴く場合には少し物足りなさ感じますが、これは好みがありますので、演奏やメロディラインをメインで聴かれる方とは評価が分かれてしまうかもしれません。

 

まとめるとKS2は高音域は煌びやかさ華やかさがあり十分な存在感を示しますが尖りは無く、低音域は強さがあり締まりのある存在感は決して出しゃばらず、中音域はややドライ気味なボーカルは息遣いをを感じ聴きやすいクリアさがある兎に角完成度の高いリスニング用途の低価格中華イヤホン1BA+1DDハイブリッドイヤホンと云えそうです。

尤もこの完成度の高いリスニング用途としてのバランスの良さは中華イヤホンには高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求めるという方には、少しもの足りないと感じ評価が分かれてしまいそうです。

 

高音   ZSN Pro ≧ ST1 ≧ KS2

中音   ZSN Pro ≧ KS2 ≧ST1

低音   KS2 ≧ ZSN Pro ≧ ST1 (量はZSN Proが一番多い)

ボーカル KS2 ≧ ST1 ≧ ZSN Pro

 

最後に、今回はAliExpressで今月末にプレオーダー開始予定の低価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年6月28日)はAliExpressやamazonではセラーの個別ページもなく、今後順次展開される予定ですが、一足先にAliExpressでは2,000円前半で販売予定となります。そのAliExpressではフォロワー割によって2,000円を切る価格を予想しますが、その入手性には特に現在少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

KS2

以下、付属ケーブル、付属黒イヤピ M使用、DAP Q1
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回はいつもの中華低価格1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。これで通算27個目となります。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2020/6/30 リンクを更新。価格情報修正。誤記修正。