みぃねこの備忘録

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Trn V30レビュー

こんにちは。

前回の予告通り今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンではなく複数ドライバ中華イヤホンレビュー編として先日発売されたTrn V30についてレビューをまとめたいと思います。

前回のQT5と同じタイミングで届いていて先にオーダーしたのはV30でしたが後からオーダーしたQT5を気に入ってしまいテンションが上がったままノリで先にまとめてしまい遅ればせながら公開に至ります。
今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

  

国内amazonでも取り扱いが始まっているようです。(2019年3月16日現在)

 

 

Trn V30は以前レビューした2BA+1DDイヤホンRevoNext RX8Sと同じドライバ構成です(ドライバのモデルが同じという意味ではない)。同社の商品は1BA+1DDドライバ構成のIM1やV20を以前レビューしていて他に手持ちでは2BA+2DDのV80があります。以前1BA+2DDのV60を持っておりましたがこちらは音質は悪くなかったのですが装着感がどうにも合わず手放しています(あくまでも個人差です。気に入っている方は寧ろ羨ましいです)。

V30は片側3ドライバで同社の片側複数ドライバラインナップの中では丁度V20、V80の間を埋めるモデルであるV60とのドライバ構成違いの兄弟機と云えそうです。

V30とV60の違いとしてV60の1BA+2DDドライバ構成に対しV30は2BA+1DDとBAを一つ増やしDDを一つ減らしたドライバ構成となっています。またシェルの形状も全く違うデザインとなっておりこれらによって音質傾向の異なる全く別の商品として期待が高まります。

特にV30ではネットワークボードが採用されており複数ドライバの複雑な内部配線のミスを防ぐ意味で製造品質が安定し且つメーカーの狙う音質の再現性も高くなったと云えますが、違う意味で製造品質に不安があった様子でみぃねこに届いたものは幸い大丈夫でしたがステムのメッシュがイヤーピースを外す際に剥がれるという報告がtwiter上で多数あり届く前に盛り上がっていましたがそりゃあもう不安で不安で仕方がなかったのは内緒です。

V30の納期としては2月末にオーダーし2週間ほどで届きました。AliExpressでは普通の範囲で通常通りですね。ただ前回レビューしたQT5が最短を記録し且つ同時に届いたため(これは本当に稀なことだと思います)少し遅く感じるという自身の愚かさを感じました。AliExpressでは通常届くまでに14日~21日程度は掛かりますのでやはり気長に待てる方には安く購入できて良いのでしょうね。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

さてV30のスペックは3,000円以上5,000円前後の低価格中華イヤホンで多く採用されている2BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯では2ドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当しているために3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華2BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でTrn V30が「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速Trn V30のレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはこれまでのTrn社のと同様に白箱を基調としたスリーブタイプで以前レビューしたIM1と同じものです。
スリーブの表にはイヤホン画像がプリントされています。他の低価格中華イヤホンとは一線を画す中価格帯以上の化粧箱に近い印象で販売価格の割に安価な雰囲気はありません。このあたりは前回のQT5もそうですが高級感を演出しています。

 

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スリーブを外すと中箱があり、その中箱の蓋を開けると白地にイヤホンが2個収納されています。イヤホンは表面に化粧紙が貼りつけられたウレタン製の内装に固定され輸送時の傷の心配もなさそうですが、化粧紙の文字とイヤホン本体のロゴが逆さまになるのはご愛敬ですね。内装を取り外すと仕切り紙がありそれの下に付属品が入っています。まるで化粧品が入っているかのような化粧箱です(共感していただけます?)。

 

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各1セット(Mサイズは本体取付け済み)とケーブルです。

Trn社は実売価格が安価となっていますが化粧箱が同価格帯のそれらとは異なり安物感を見せないようなパッケージングをすることでユーザーに他社製品、特にKZとの差別化を意識させることを狙っているのかもしれませんね。


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ビルドクオリティですが、このTrn V30は幸いみぃねこの手元にあるものは低価格帯の中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じないものの、先述の通り届くまではステムメッシュが剥がれ易いという評判がありましたのでイヤーピースの交換等取り外しの際に気を遣っています。まあ他のイヤホンでも雑にすれば同じ可能性はありますのでみぃねこは考えることを止めました(悟り)。


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唯一もう少し何とかする方法はあるよねと思ったのは本体内部のネットワークボードとケーブル接続部の2ピンコネクタ内部配線とを絶縁しているシートが目立つこと。目的がはっきりしていて必要なものなら仕方がないのかもしれませんがせめて基板と同色にするとか、ねぇ。これもクリアシェルを選択した際に気になる方は気になる些細なレベルなので国産メーカーでも内部はこんなもんだと思います(電気機器メーカー勤務)。

みぃねこは先述の通り白(クリア)色を選択しましたがカラーバリエーションは他に黒色があり、黒色の方が質感が良さそうな評価のようでしたが個人的にはクリアシェルと白のイヤピが気に入っています。

 

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そして付属するケーブルはシュア掛け用のチューブ加工がされておりこれが少し災いしてもう少し内側(頭より)に癖付けされていれば耳への装着性はもっと良くなるような気がします。これはチューブの癖付けを加工すれば対処可能で、ドライヤー等で温風を当て癖付けを修正できますので気になる方は自己責任となりますがお試しください。


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シェル本体は樹脂製でフェイスプレートのデザインを見たときはKZ AS06やAS10と同じASシリーズ系の形状と思いましたが実際届いたものは似てはいますが異なる形状です。そしてそれらより一回りコンパクトなこともあり耳への装着感は付属ケーブルのシュア掛けの癖付けがイマイチ合いませんのでリケーブルをすれば良好になると思います。背面のフェイスプレートはカラーにかかわらずスケルトン仕様のためネットワークボードが電子機器のそれっぽさがあり個人的に好感が持てますが評価が分かれるかもしれませんね。


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他の3ドライバのイヤホンと比較するとその形状からやはりKZ AS06に似ていてAS06がやや大きく形状は違いますがRevoNext RX8SやNICEHCK P3とほぼ一緒のように感じます。そして重量もほぼ一緒ですがそれらの中で装着感はAS06より良好に感じました。ただしステムの太さはほぼ一緒ですが角度がそれぞれ異なっていますので耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピースMサイズで良好でしたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

みぃねこは付属品イヤーピースのMサイズを使用して耳へのフィット感及び音質も本来のものと感じましたのでそのまま使用しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)


付属ケーブルはTrn IM1と同じタイプの黒色の編込みタイプです。取り回しは悪くないのですが先述の通りシュア掛け用のチューブの癖付けがイヤホンを装着した際に耳へのカーブが合わずこれならワイヤーがあった方がマシという状態です(気になる方はリケーブルをするかチューブを加工する等お試しください)。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはZST等のゴムゴムとは大違い(最新ロットではZSA等のタイプに変わったようです)で、そのまま使用できますしシェルのカラーを黒色を選択した場合はお揃いとなりファッションのワンポイントアイテムとしても嬉しいですよね。

 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまで同様に低価格とはいえ片側3ドライバのイヤホンのため相応のDAPとしてShanling M0を基準としてレビューを行います。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp


それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
イヤピとケーブルは先述の通り付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「高音低音を過不足なく鳴らし中音域もバランスが良い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通です。
ボーカルは近くも遠くもなく普通です。
低音は量感が十分で締りがありキレもありますが沈み込みはやや浅めに感じ、ベースラインも追えます。
高音はキラキラ感があり刺さりは感じませんし低音に埋もれることなく分離は良好です。傾向として中高音寄りのややドンシャリと感じますが低音も弱いわけではなくボーカルもクリアに埋もれさせないようなバランスです。これはRX8Sの中音域がすっきりしていてボーカルがクリアでありながら高音低音がしっかり存在感を示す聴きやすいバランスの良い音質でしたが、中高音の主張に派手さが無くもう少し主張というか量感がほしいと感じるところがありました。V30では中高音域の派手さがありバラードよりロック等ノリの良い曲では寧ろ心地よく聴こえるのではないでしょうか。

V30はRX8Sでは曲によって感じた物足りなさを補った音質傾向と云えます。

ですがRX8Sと聴き比べると高音域はV30の方が煌びやかさを感じますが中音域の特にボーカルはRX8Sの方がなめらかさを感じます。V30の中音域はRX8Sと比較した場合に少しだけ凹みを感じボーカルが少しだけ粗く聴こえます。これについてはV30がRX8Sと異なり中高音域の派手さがあるが故に感じてしまいます。同じドライバ構成で更に比較すればKZ ZSRやKinboofi MK3がありますが、流石にZSRはKZのザ・ドンシャリイヤホンのため発売当時はその中高音域の派手さの中にある表現力の高さが高評価を得ていました。V30はそれのブラッシュアップ版として派手さを少し抑えることで中高音域を整え粗さをなくしたような音質のように感じます。

このようにZSRを優等生に寄せた音作りはMK3も同様で、万人ウケという意味で歓迎される一方で物足りなさを感じてしまう等、どちらが上で下という明らかな優劣で済ませる話ではないのかもしれませんね。

 

さてV30は中高音域の派手さがありながらRX8Sのすっきりクリアとは異なりますが十分にすっきりしていてクリアさもあります。それは恐らく目指した方向は一緒でも異なったアプローチによってチューニングされた結果だったのではと感じました。
一言で云えばTrn V30は中高音寄りのややドンシャリとなるのですが、低音がおろそかなわけではなく十分に量感があり中高音の派手さがありながらボーカルも聴きやすいバランスよいイヤホンと感じました。

そのためV30は同じ2BA+1DDのMK3と同じ音質傾向でありRX8SやP3とは異なる音質傾向と云えそうです。結果、中高音の派手さを求める方からは評価が分かれることになりそうです。

そして、箱出しインプレッションの後、エージングとして鳴らしこみを実施し、再度聴きこんでみました。
結果、箱出しの傾向はそのままに低音の量感や高音の伸びも少し増したように感じますが特に中音域の粗さが少し和らぎ前に出てきたように感じ、中高音の派手さや低音の存在感にも負けない中音域の特にボーカルのクリアさが損なわれずに高中低音のバランスは良いと感じました。
ではTrn V30は当たりなの?外れなの?と問われたら「中高音域寄りのややドンシャリイヤホン」なので「一軍のスーパーサブとして使い分けするつもり」というのが個人的な評価です(相変わらず答えになってない)。これはあくまでも個人の嗜好による評価なので中高音域の派手さを求められる方にはお勧めできるイヤホンではないでしょうか。


Trn V30はこれまでの低価格中華2BA+1DDイヤホンの強ドンシャリとは違い中高音寄りの派手さのあるのバランスの良い表現力を持ったイヤホンとまとめました。

手持ちでのイヤホン等折角なのでレビューをしてみたいと思いますが気長にお待ちいただけますと幸いです。
最後に、今回は3,000円以上5,000円前後で買える低価格中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まり3,000円前半程度で購入できるようです。一方AliExpressでは2,000円前半で購入できそうですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンより少し実売価格が上となりますが、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

V30

以下、付属ケーブル、イヤピM使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★☆ 
低音★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★☆ (中高音の派手さが好きな方★4)

※☆0.5、★1.0

 


あとがきとして、今回は2BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。そして2019年の新しいチャレンジも継続して取り組んでいきたいと考えています。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ