みぃねこの備忘録

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KZ ZSN Proレビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編として先日発売されたKZ ZSN Proについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのKZ Global Store(@KEarphones)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでも取り扱いが始まっているようです。(2019年4月5日現在)

 

 

KZ ZSN Proは以前レビューしお気に入りとなった1BA+1DDイヤホンRevoNext QT5と同じドライバ構成です(ドライバのモデルが同じという意味ではない)。そして同社のKZ ZSNの後継モデルとして「Pro」の名が冠されました。ZSN(無印)との違いとして先ず目につくのがフェイスプレートのデザインが凹の溝から凸のラインに変更されていて見た目もデザインチェンジを果たしています。本体シェル自体は変わりがないようですが音質がどのように変わったのか。改良版として相応しい商品と云えるのかが気になるところです。

ZSN(無印)は昨年秋の発売と同時に入手し以前レビューをしていますが中低音寄りの音質傾向でそれまでに発売されたKZ社のイヤホンとは異なり万人受けする音質傾向であったためネット上でもかなり話題となりました。そのお陰か現在も当ブログへのアクセスは多く現在でも注目度の高い商品と云えそうです。

ZSN(無印)はこれまでにレビューした1BA+1DD中華イヤホンの中で今でもお気に入りの一つで好んで使用しているイヤホンです。それは数多ある1BA+1DD中華イヤホンの中でも単純なドンシャリ(相変わらず失礼)ではなく中低音寄りで高音域は出しゃばらず低音は量感十分で広がりがあって聴きやすく中音域特にボーカルは中々のレベルにまとまっていてボーカル中心のリスニング用として愛用していますが、仮にブラインドテストを行った場合にはKZ社のイヤホンとは考えつかないだろうという仕上がりでした。

その改良版後継機種という看板を引っ提げて登場したZSN Proが注目されない訳もなくKZ Global Store公式twiterによるツイートをTLで見かけるや否や脊髄反射でポチるというこれまでも何度かあったようなアホさ加減を発揮しております。

今回KZ Global Storeでの購入特典がZSN発売時同様に純正銀メッキアップグレードケーブルで目出度く2本目をゲットしました。ZSN(無印)及びZSN Proは2ピン仕様ですが所謂qdc仕様のコネクタカバータイプのため、選択肢が少ないです。一応普通の2ピンも使えますが構造上ピンで固定する形となり強度に不安があります。そういう意味でこの純正アップグレードケーブル付属は嬉しい誤算でした。

 

ZSN Proの納期としては3月末にオーダーし8日ほどで届きました。輸送がシンガポールポストだったことを考慮すればとても早いといえます。これまでの経験上シンガポールポストだった時の3週間以上は掛かっていましたので追跡番号にSGには注意が必要で変更できるならチャイナポスト(CN)に変更するようにしていましたが、今回のショップではスタンダードシッピング一択なんですよねぇ。まぁ思っていたよりも早く無事に届いていますので一安心です。これまでのAliExpressのSGでは最短でしたので以前同様に通常届くまでに21日程度は掛かりますが良い意味でのイレギュラーもあるよと備忘録として残しますね。

 

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 
ZSN Proのスペックは3,000円前後及び以下の低価格中華イヤホンで採用されている1BA+1DDのハイブリッドです。低価格帯ではドライバ構成からBAが中高音域を、DDが中低音域を主に担当していて3ドライバ以上の構成よりも中音域が薄くなりどの音域を重視するかによって音質が大きく変わる傾向があります。そのためこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に中音域のチューニングがポイントになり、高音域と低音域が重なる中音域のクロスオーバーがチューニング技術の見せどころとなります。このチューニング次第でKZ ZSN Proが「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえます。

 

それでは、早速KZ ZSN Proのレビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはこれまでのKZ社同様に白箱を基調としたスリーブタイプです。
箱の表にはイヤホンイラストが印刷され、裏にはスペックが記載されています。他の低価格中華イヤホンと同様の化粧箱ですね。

 

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スリーブを外すと内箱の中は白地でイヤホンが2個が収納されしっかりと固定されています。付属品はイヤホンが収納された台座を取り出すと箱の底にあります。

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付属品はイヤーピースがシリコンS、M、Lの3種各1セットといつものKZイヤピと異なるタイプが本体取付け済みで、他にはケーブルです。流石に中価格帯のようにケース等はありません。低価格帯の余計な付属品はいらないとう潔さは好感が持てますね。

とはいえ以前のKZの化粧箱と異なり内箱が黒いプラの成型ケースから質感の向上を窺え低価格帯の質素な化粧箱とは異なりますね。


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ビルドクオリティですが、このKZ ZSN Proは同社ZSN同様に中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。1年ほど前はZST等でシェルの隙間等雑な部分を感じられるところがありましたが他の低価格帯と比べても現在は同社の製品も安心して購入できるのではと感じています。みぃねこは青色を選択しましたがカラーバリエーションは他に黒色と紫色があり、このZSNが紫色だったのでZSN Proは青色を選択しました。

 

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付属ケーブルはZSNでは2種のカラーがあり本体シェルの色によって付属するカラーが異なりましたがZSN Proでは暗い茶色のみとなるようです。またシュア掛け用のチューブ加工がされており耳への装着性も悪くありません。


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シェル本体は先述の通りZSNとフェイスプレートのデザインが異なること。ステムノズルの色が本体色に合わせて異なるだけで同じ形状のため装着感は良さそうです。


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そして他の1BA+1DDイヤホンと比較すると当然ですがKZ ZSNと同じでRX8よりやや大きくQT5からは結構大きく感じます。その代わりシェルは樹脂とフェイスプレートが金属のためやや重量がありますがQT5よりもやや軽くRX8よりやや重くなりますがその装着感の良さによりあまり感じることはありません。ただしステムの太さはほぼ一緒ですが角度がそれぞれ異なっていますので耳への装着感はみぃねこは付属イヤーピースMサイズで良好でしたが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

みぃねこは付属品イヤーピースのいつものKZイヤピではない方の本体装着済みイヤピ、(恐らく)Mサイズを使用して耳へのフィット感及び音質も本来のものと感じましたのでそのまま使用しています。

これは低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)


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付属ケーブルはZSNやZSAやAS10と同じ暗い茶色の編込みタイプです。使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けがありますがワイヤーはありませんので、ワイヤーが苦手な方には朗報ですね。そして全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。これはZST等の旧LOTで長らく採用されていたゴムゴムとは大違い(最新ロットではZSA等のタイプに変わったようです)で、そのまま使用できますし落ち着いた色合いも普段使いするには目立たず嬉しいですよね。

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はShanling M0、直挿しです。

これまでの低価格中華イヤホンではiPhone6s、直挿しでレビューをしてきましたが今回からはShanling M0を基準としてレビューを行うことにしました。もちろんiPhone6sでも十分鳴らすことができましたし、音質傾向が高価格DAPを使用した時ほど極端な差が出るわけではありませんので、ご容赦ください。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp


では実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
イヤピとケーブルは先述の通り付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音寄りで低音が少なめながらバランスが良い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです。)

そのため今回は先に鳴らし込みを実施し聴き込んでみました。
音場は広くも狭くもなく普通で音の分離感は普通です。
ボーカルは普通からやや近めで曲によってやや近く感じます。
低音は量感十分ですが広がりはそれほどありません。ただし締りとキレが良いため小気味よく感じます。沈み込みは普通からややあるように感じベースラインも追いやすいです。
高音は煌びやかさがありますが伸びは普通かやや少なく刺さりは感じませんが低音に負けていません。傾向としてやや中高音寄りから中音を中心に高音域の煌びやかさと低音域の質感の高いややドンシャリと感じます。これはボーカルがやや近めのためにその周りに中音域を中心に高音低音が存在するようなバランスです。ZSNでは中低音域寄りで量感があり広がりの感じる低音や明快な中音域としながらも高音がしっかり存在感を示す聴きやすいバランスの音質でしたが、KZの高音としては少し物足りなさを感じるところがありました。

このZSN ProではZSN(無印)の物足りないところを改良した音質傾向と云えます。

改めて聴き比べると高音域はProの方が煌びやかさを感じますが中音域の明快さやボーカルは無印の方が自然でなめらかさを感じます。Proの中音域の方が無印と比較した場合にクリアに聴こえますが少しだけ乾いたように感じボーカルが少しだけ粗く聴こえます。これについては無印もProもレベルが高いところでまとまっており仮に無印を聴いたことが無い方がProのみを聴いた場合には十分といえるレベルだと思います。

Proと無印で最も異なるのは低音域で無印の量感と広がりのある分かりやすい低音に対しProは量感こそ比較的少なく感じますが十分に存在感があり、なによりこの締まりとキレの良さが低音の質感を高めていてテンポの良い曲などでその真価を発揮しそうです。そしてこれら2つを比較した場合をまとめると以下の通りとなりますが、先述の通り高いレベルでまとまっていて低価格中華1BA+1DDイヤホンの中でも上位に入る仕上がりなのではないでしょうか。

もはやどちらが上で下という明らかな優劣のレベルではなく嗜好の違いということなのかもしれませんね。

 

高音   ZSN Pro > ZSN(無印)

中音   ZSN Pro ≦ ZSN(無印)

低音   ZSN Pro ≧ ZSN(無印)

ボーカル ZSN Pro ≦ ZSN(無印)

 

Proは高音域の派手さと低音域の質感が増していて、無印の聴きやすいバランスとProの聴きやすいバランスではその狙う方向が違うと感じました。
一言で云えばKZ ZSN ProZSNのアップデート版として相応しく高音低音が改良されたややドンシャリとなるのですが、KZ社はZSN以降完全に万人受けする傾向のチューニングのコツを掴んだのかもしれませんね。

 

そのためZSN ProはZSN無印と基本的に同じ音質傾向でありながらアプローチが異なり中高音の派手さを求める方には好評となるのではないでしょうか。一方ZSN無印の中低音寄りの音質傾向が好きな方からは評価が分かれることになりそうです。

 

そして今回は先日入手したDAP、FiiO M9に交換して再度聴きこんでみます。

M9は昨年秋に発売されたFiiO社のDAPで通常の3.5アンバランスに加え2.5バランス端子を装備しBluetooth接続やストリーミング再生に対応するコンパクトな万能モデルです。これまで同じ端子構成で同社のX3 mkIIIを気軽に使える機種として使用していましたが、ほぼ有線接続機としての役割で、他にもストリーミング用専用機等を保有しており流石に増えすぎたためこれらを1機種に集約し整理することを目的とした導入です。この購入経緯も選定から色々ありましたが一言でまとめると「日尼〇ね」です。キャンセルするなら売るな。販売側のキャンセルがノーリスクなのはおかしいと心底思いました。結局イーグルスでおなじみの通販サイトでポイント使ってほぼ同じ価格で購入しています。

閑話休題。結果、Shanling M0の時とは異なり低音は量感が増し締まりとキレの良さと沈み込みを更に感じる等元々高かった質感の向上をはっきりと感じます。高音は煌びやかさが増しその分主張を強く感じられ分離も良くなりました。中音域は明快になり明らかに分離も良くなっています。特にボーカルはM0で感じた乾いた粗さが影を潜め艶を感じます。最早M0で聴いたときのネガティブな印象は全く感じません。DAPが変わることで同じイヤホンでも印象が変わりますね。

リケーブルやイヤピースを追い込むともっと上を見ることができるかもしれない。そんな実力の片りんを見せられたような気がします。今後そのあたりを追い込んで機会があればまた記事にしたいと思います。


ではKZ ZSN Proは当たりなの?外れなの?と問われたら「ZSNの正統進化モデルで全音域バランスの良い聴きやすいイヤホン」なので「一軍で気軽に外に連れ出せるイヤホン」というのが個人的な評価です(相変わらず答えになってない)。正直これ程までに以前レビューしたお気に入りのRevoNext RX8を脅かす存在が短期間で幾つも発売されると新しい方に目が行ってしまいますよね(だって人間だもの)。


さてKZ ZSN Proはこれまでの低価格中華1BA+1DDイヤホンの雄KZの強ドンシャリとは異なり高中低音域のバランスの良い表現力を持ったイヤホンとまとめました。

相変わらず手持ちではすでにお蔵入りしそうなイヤホンもあり折角なのでこれらのイヤホンもいつかは1BA+1DDイヤホン同様にレビューしてみたいと思いますが気長にお待ちいただけますと幸いです。


最後に、今回は3,000円以下で買える低価格1BA+1DD中華イヤホンの紹介となりました。現在amazonでも取り扱いが始まり2,000円半ば程度で購入できるようです。一方AliExpressでは2,000円を下回る価格で購入できそうですが入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンよりその音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazonを。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

ZSN Pro

以下、付属ケーブル、イヤピM使用、DAP M0
高音★★★★ 
中音★★★☆ 
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (ボーカルのクリアさ。低音の質感を求める方)

※☆0.5、★1.0

 

ZSN(DAPをM0で再評価)

以下、付属ケーブル、イヤピM使用、DAP M0
高音★★★☆ 
中音★★★★ 
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★ (低音の自然な広がり。ボーカルに艶を求める方)

※☆0.5、★1.0

 

ZSN Pro

以下、付属ケーブル、イヤピM使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆ 
低音★★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆

※☆0.5、★1.0

 
あとがきとして、今回は1BA+1DD低価格中華イヤホンの新商品をレビューをしてみました。1BA+1DD低価格中華イヤホンとしてこれが21個目となりますが新作情報もキャッチしていますので非常に楽しみにしています。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

*本文中の無印とProの説明に誤りがあり修正(2019-04-25