こんにちは。
今回も中華イヤホンレビュー編をお休みし、先日発売されたUSB-DACアンプケーブルアダプターについてレビューをまとめたいと思います。
2021/5/28に発売されたばかりのShanling UA2の紹介です。
先日のShanlingの日本ユーザー向けtwiterアカウント開設記念キャンペーンに当選しレビューさせていただくことになりました。この場を借りて株式会社MUSIN並びにご担当者様へお礼を申し上げます。ありがとうございました!
さて、Shanling UA2は国内代理店(株)MUSINの直販サイトを始め、国内amazonではイヤホン&ヘッドホン専門店のeイヤホンや同社WEB本店、有名家電量販店等で取扱があります。国内の有名どころの販売サイト及び店頭で普通に購入できるのは国内代理店の販売力の高さと云えますよね。
- 1. Shanling UA2とは
- 1.1. Shanlingとは
- 1.2. Shanling UA2って何?
- 1.3. Shanling UA2の仕様
- 2. Shanling UA2の実機レビュー
- 2.1. UA2の実機&パッケージ
- 2.2. UA2とiPad Air第四世代の接続
- 2.3. UA2とSony NW-ZX507の接続
- 2.4. UA2とiPhoneの接続
- 2.5. Eddict Playerアプリとの連携
- 3. Shanling UA2の音質レビュー
- 4. Shanling UA2【導入編】のまとめ
- あとがき
1. Shanling UA2とは
1.1. Shanlingとは
始めに簡単ではありますが、Shanling(シャンリン)というメーカーとは何ぞや?という方のために説明すると、日本ではSonyやPanasonic、Victor等のヘッドホンやイヤホンを販売しているメーカーというのはご存じと思います。それらは多くの方が生まれてから一度は触れたことがある老舗オーディオメーカーと云えますが、それと同じくらいShanlingは中国では歴史のあるメーカーです。少しマニアな話をすれば、初めはアンプの製造委託やOEM供給というところから始まり、近年はDAP(デジタルオーディオプレイヤー)等を販売する中国のオーディオメーカーです。最近では小型DAPのShanling Q1やエントリーモデルのM3X。ミドルハイクラスながらも評価の高いM6 Pro。ShanlingハイエンドのM8。そして最新ミドルモデルのM6 Ver21等、ポータブルオーディオファンにとっては知らない人はいない有名メーカーであり、何よりも音質に定評があります。
1.2. Shanling UA2って何?
Shanling UA2は簡単に云えば、スマホやタブレットにイヤホンを直挿しして音楽を聴くときにその間に差し込むアダプターとなります。
それが何の役に立つのかと云えば、スマホやタブレットで音楽をより高音質で聴くことができます。
「それだけ?」と思われたかもしれませんが、近年スマホの高性能化が進み、ディスプレイの高画質化とカメラ撮影機能強化に加え、操作感のもたつきや、アプリの高速化が顕著で、それに合わせて価格も正比例していますが、実は「音」という事に関しては御座なりと云えます。もちろん音質にも拘ったモデルとしてSony XPERIA 1 II等もありますが、XPERIA 1 IIは実売10万円弱とかなり高価(最近XPERIA 1 IIIが発表され今年7月発売)になります。尤もiPhoneでも最新12では10万超ですし、同じiPhoneユーザーでも私はSE2が精一杯ですので。
そんな庶民の味方として、スマホ本体に依存せずに良い音を手軽に聴きたいというニーズをこのShanling UA2が満たしてくれます。
1.3. Shanling UA2の仕様
Shanling UA2の機能詳細は後述するとして、先ずは仕様をチェックしてみます。
メーカーは
- ミニマムサイズ/Hi-Fiクオリティ
- バランス接続対応 ポータブルDACアンプケーブル
と説明しており、主なポイントは以下の通りです(メーカーHP抜粋)。
高品質DACを核としたハードウェア設計
DACチップ「ES9038Q2M」を搭載し、豊富なファイル形式に対応。このチップを採用することでUA2はミニマムサイズの外観でありながら、最大121dBのS/N比と高解像度・低歪みの音を実現しています。
768kHz/32bit|DSD512 対応
強力な出力レベル
ミニマムサイズの筐体の中に独立したオペアンプ「RT6863」を搭載。これにより強力な出力レベルと更なる低歪化を両立しています。
最大出力レベル195mW@32Ω
限界まで排除されたバックグラウンドノイズ
同社UA1と同じく内部回路にLDOレギュレータを用いることで、バックグラウンドノイズを効果的に抑制しています。これにより聞こえる音はより鮮明に、無音の間もより静謐(せいひつ)に感じられます。
深い没入感
音楽以外の映画やゲームでも優れたパフォーマンスを発揮します。例えば群衆一人一人の声、風に揺れる草葉、忍び寄る足音等。普段は感じることない細かな音があなたを新たな世界へ導いてくれます。
二つの音声出力端子
シングルエンド接続用の3.5mm端子とバランス接続用の2.5mm端子を備え、一般的な有線イヤホンからハイエンドのIEMに対応可能です。
用途に応じたマルチ・コネクション
UA2の接続ケーブルは交換可能であり、これ1台を様々なデバイスと接続し使用することが可能。製品にはロスの少ない信号伝送を可能とする「18-Core / 7 本撚り 高純度無酸素銅USB Type-C to Cケーブル」が標準で付属します。
また本体側面の「USBモードボタン」を押したままデバイスと接続すれば、『UAC(USB Audio Class)1.0』の機器として使用することも可能です。
※2021/05/21現在、先着購入特典としてiPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブルも付属
アプリとの連携でパーソナライズが可能
Shanlingが提供する「Eddict Player」アプリをスマホ等にインストールし、UA2を接続することで、イコライザーや7種類のデジタルフィルター、細かな音量やゲインの調節が可能です。
※2021/05/29現在、android OS 向け「Eddict Player」アプリで可能
サンプリングレートのLED表示
動作中は再生するファイルのサンプリングレートをLEDランプの点灯色で確認が可能です。
青色・・・44.1/48kHz
緑色・・・88.2/96kHz
黄色・・・176.4/192kHz
青緑・・・352/384/705/768kHz
白色・・・DSD64/128/256/512
赤色・・・44.1/48kHz(USB1.0接続時)
※画像赤丸内がサンプリングレート識別LED。
かなり多機能と云えます。小さな媒体にこれだけの機能が詰まっているというのは凄いですよね。
次に、Shanling UA2の主なスペックは以下の通り(メーカーHP抜粋)。
- 本体サイズ:54 x 18 x 9mm
- 重量:約 12.6g
- シングルエンド出力特性値
- 出力レベル:2V @ 32Ω (125mW@32Ω)
- 周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
- THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
- ダイナミックレンジ:122dB @ 32Ω (A特性)
- S/N 比:121dB @ 32Ω (A特性)
- クロストーク:76dB @ 32Ω
- 出力インピーダンス:<0.8Ω
- バランス出力特性値
- 出力レベル:2.5V @ 32Ω (195mW@32Ω)
- 周波数特性:20Hz-50kHz (-0.5dB)
- THD+N:0.0008% @ 32Ω (A特性 @ 0.5V)
- ダイナミックレンジ:120dB @ 32Ω (A特性)
- S/N 比:116dB @ 32Ω (A特性)
- クロストーク:109dB @ 32Ω
- 出力インピーダンス:<1.6Ω
これをみる限りエントリークラス、いやミドルクラスDAPと遜色のない性能を持っていると云えそうです。
さて、少し技術的な話になりますが、UA2は32bit/768kHzまでの再生に対応しており、手持ちのハイレゾ音楽ファイルを再生可能で、更にDSDファイルも再生可能です。また、昨今のサブスクリプション、音楽配信サービスのamazon music HDのハイレゾ音楽データ24bit/96kHz等の再生にも対応しています。もちろん手持ちのCDからリッピングした曲も16bit/44.1kHzの音楽ファイルとして圧縮(データを削る)することなく再生可能なことは言うまでもありません。
簡単に云うと殆ど全ての音楽ファイル再生が可能であり、iTunesで購入したiPhone等で再生可能なAAC-LC(圧縮した320kbps、16bit/44.1kHz)ファイルや、mora等で購入したAAC-LCファイルやFLAC等のハイレゾ音楽ファイル(24bit/48kHz以上)に対応していますので、今ある音楽ファイル財産をそれらが持つ本来の性能でそのまま再生することができます。
尤も、iPhone等のiOSモバイル機器単体では標準再生アプリApple Musicでは現在(2021/05/29)はAAC-LCまでに留まります。もしハイレゾ音楽ファイルを24bit/48kHzを超えて再生したい場合には別途NePLAYER等の音楽再生アプリを使い、UA2を接続することで可能になります。
※ハイレゾ楽曲24bit/96kHzが端末の性能に制限されて再生されている
※端末の性能は24bit/48kHzだが楽曲が標準音質のため標準音質で再生されている
なお、iPhone自体は端末性能が24bit/48kHzまで対応しています。付属のLightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを接続することでamazon music HDを24bit/48kHzまでのハイレゾ音楽データ再生が可能です。しかし、端末性能に依存していますので例えば24bit/96kHzハイレゾ音楽データは24bit/48kHzに変換されて再生します。
「言っている意味がよくわからない」、「いや、それは面倒…」という方は、今年6月に標準アプリ、Apple Musicでもロスレス配信サービスが始まりますので、その際に単純にUA2を接続すればiPhone等でもサブスクで所謂ハイレゾの音を楽しむことができます。
2. Shanling UA2の実機レビュー
それではShanling UA2の実機レビューをしていきます。
2.1. UA2の実機&パッケージ
黒を基調としたパッケージは落ち着いた色合いからも中国メーカーの安物感は無く、寧ろ高級感を感じられる化粧箱です。
箱の裏には中国語と英語、そして日本語があり、日本のマーケットを意識したパッケージングです。
箱を開けると黒スポンジの内装がUA2をしっかりと固定していて輸送中の傷や破損を防ぐ配慮を感じられます。内装を取り出し、その下の仕切りを外すと付属品のUSB C-USB Cケーブルが収納されています。USBコネクタのハウジングにも保護フィルムが巻かれ徹底した商品保護を感じます。
他には取説類とハイレゾラベルです(予備かな?)。
付属品はUA2本体、USB C-USB Cケーブル、USB A変換コネクタ、取説類とハイレゾラベル2枚です。取説には中国語、英語、日本語の記載があります。
※メーカーロゴとHi-Resロゴラベル、モデル名、スペックが印字されています。
※USBメモリーと同等のサイズ感。
※入力側ケーブルはUSB C端子接続を採用。ケーブル交換が可能です。
※左側端子が3.5mmフォンアウト。右側が2.5mmバランスアウトです。
※USB1.0に切り替えるMODEボタンが側面にあります
UA2本体の材質はアルミ材で表面に黒シボ塗装が施されており、傷のつきにくい仕上げとなっていてクオリティの高さを感じます。本体のサイズ感は少し前に主流だったUSBメモリーとほぼ同じです。
※付属USB CをUSB A変換するコネクタ。PCとの接続等に使用します。
メーカーロゴが印字されています。
※付属のUSB C-USB Cケーブル。片側にメーカーロゴが印字されています。
丁度良い長さのケーブルです。短すぎず、長すぎず、使い勝手は良いです。
※iPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブル。先着購入で付属します。
※付属USB Cケーブルよりもやや短く、ケーブルも編込み仕様です。
余談ですが、MUSINの中の人曰く、すぐに無くなることはないくらいの量を確保しているとのこと。とはいえiPhoneで使用することを想定している方は早めに購入した方が精神衛生上、安心できると思います。
私が試した限りApple純正のLightning-USB CケーブルではUA2は認識されず、もちろんUA2からは音が聞こえませんでした。このことからもなんでも良いわけではなさそうなので、前述の「お早めに」という事に繋がっています。
※以下、2021/11/7追記
ちなみにiPhoneとの接続用Lightning-USB Cケーブルは代理店在庫もなくなり、店頭在庫も無くなったようですが、代わりのものを紹介します。
それはddHiFi MFi06 Lightning to USB Type C データケーブルです。amazonから購入しUA2とiPhoneとの接続も問題なく認識しました。ところがこの追記中に確認したところ、残念ながら現在は販売していないようですが、AliExpressではまだ販売していますので最近入手した方はチェックしてみてください。ちなみに販売価格3K円程度という事と、コネクタがL字タイプなので使いやすいです。
2.2. UA2とiPad Air第四世代の接続
先ずはiPadからです。以前使っていたiPad Air第二世代ではLightning端子でしたが、第四世代はUSB C端子に変わりProシリーズと同様になりました。
始めにUA2に付属のUSB C-USB Cケーブルの一端をUA2本体のUSB C端子に接続し、もう一端をiPadのUSB C端子に接続します。
次にイヤホンを接続します。今回は以前入手したfinal E3000PROTOを使用します。ただし、こちらは通常の3.5mmステレオミニプラグを2.5バランスプラグに換装済みですので、UA2の2.5バランスジャックに接続します。手持ちのイヤホンが3.5mmステレオミニプラグの場合はUA2の3.5mmステレオミニジャックの方に接続してください。
最後にiPadのamazon musicアプリ(Ver10.9.1)を起動します。ちなみにamazon musicの会員種別が「HD」の場合を想定しており「prime」や「Unlimited」ではハイレゾ対応ではありません。あくまでもHD会員を想定していますので、ご容赦ください。
接続自体は難しいことは無く、順番を守っていれば問題なく認識されます。こういうところでストレスフリーというのは良いことです。amazon等で数多ある同様の商品ではそもそも認識しない。認識するけどコツが有る。そのコツを見つけるのに試行錯誤が必要等があったりしますので、UA2は安心して購入できる商品と云えます。
amazon music HDで聴きたい音楽を選択した際に曲名の上に黄色い文字で「ULTRA HD」と表示がありますので、そこをタップすると現在の音質が分かります。
楽曲の最大音質・・・ここが24bit/48kHz以上であればハイレゾ音質
端末の性能・・・ここが当該端末の再生可能なファイルの音質の最大値
再生中の音質・・・ここが実際に再生できている音質
Codec・・・ここが再生中のデータ形式
通常は端末の性能が配信されている楽曲の最大音質よりも高くなります(あくまでも端末の性能に依存)。例えばハイレゾ音楽データ24bit/96kHzであれば端末の性能の数値と再生中の音質の数値が同じであれば、「ちゃんと」ハイレゾ音質で聴くことができています。
なお、そもそも先述の「ULTRA HD」表示ではない、「HD」表示される配信楽曲はCD音質(16bit/44.1kHz)となりますので、誤解の無いようにお願いします。
そして一つだけ注意点があります。
アプリ起動後、最初の曲を再生する時は「再生中の音質」が「標準」となります。実際に標準音質なのかは分かりませんが、「標準」と表示されます。これの対処方法として、最初に曲を一度数秒再生した後、違う曲を選択して再生してください。この曲から「再生中の音質」が正しく表示されるようになります。
2.3. UA2とSony NW-ZX507の接続
次に、androidスマホを試したいところですが、生憎iPhoneユーザーの私は所有しておりません。
代わりにandroid9.0を搭載したSony製DAP、NW-ZX507で試してみます。
手順はiPad同様です。
始めにUA2に付属のUSB C-USB Cケーブルの一端をUA2本体のUSB C端子に接続し、もう一端をZX507のUSB C端子に接続します。
次にイヤホンを接続します。iPad同様にfinal E3000PROTO 2.5改を使用し、UA2の2.5バランスジャックに接続します。
最後にZX507のamazon musicアプリ(Ver17.3.6)を起動します。
iPad同様に接続自体に難しいことはありません。UA2をZX507に接続するだけで認識してくれます。
amazon music HDアプリの画面もiPadと大きく変わったところはありません。
そしてアプリ画面の中央左、曲名の上に「ULTRA HD」と黄色文字で表示がありますので、そこをタップし音質のチェックをします。
音質の確認画面が表示されます。
※アプリ画面拡大
iOSアプリと表記が少し違います。具体的には以下の通り。
楽曲の最大音質(iOS)・・・ここがandoridでは「音質」
端末の性能(iOS)・・・ここはandoridでも同じ
再生中の音質(iOS)・・・ここがandoridでは「現在」
Codec(iOS)・・・ここはandoridでも同じ
表記等アプリの仕様はアプリのバージョンによって異なる可能性があります。
というのもamazon musicアプリはバージョンにより不具合があり、「最新が最良と限らない」という問題があります。実際私はVer17.3.6のまま使用しています。Ver17.4.1は「端末の性能」が本来「24bit/96kHz」に対し「24bit/48kHz」と表示され、正しくありませんでした。
そしてZX507で使用する場合の注意点を以下記載します。
通常の音量調整が機能しない
ZX507にUA2を接続した場合、通常の音量調整が機能しません。音量出力が固定され、直前の音量が維持されます。
その代わり、
設定メニュー>音>メディアの音量
から音量機能が反映できます。これを使って音量調整を行ってください。
※一見すると音量調整できないようにみえます。音量バーがグレーアウトしています。
※音メニューの「メディアの音量」機能します。
音量を示す「音量バー」は通常の音量調整ボタンを押しても動きません。
その代わり「メディアの音量バー」が通常の音量調整ボタンに連動するようになります。
UA2接続時の挙動
※インストールしているアプリによってUA2をZX507に接続した直後に表示されます
インストールしているアプリによってUA2を連動するかどうかを確認するメッセージが表示されます。表示されているアプリでお使いになるかどうかで判断されると良いと思いますが、基本的には「キャンセル」を選択しておけば問題ないと思います。
2.4. UA2とiPhoneの接続
最後にiPhoneとの接続です。
私のiPhoneはSE2ですのでLightning端子です。一時期Lightning端子を廃止し、USB C端子に変わるような噂がありましたが、しぶとく継続されています。
このLightning端子が厄介で前述しましたがMFI認証という壁に加え、他にも制限が存在している為にサードパーティー製品は使ってみないと分からないというのが現状です。
そこを今回UA2の先着購入でLightning-USB Cケーブルが貰えますので、お得感が高くなっています。勿論、これはあくまでも「おまけ」であって、(動作)保証や(交換)補償はありませんので、ご注意ください。
それでは接続の手順を以下説明します。基本的にiPadと一緒ですが接続するケーブルが変わります。
始めにUA2購入時におまけで付属したLightning-USB CケーブルのUSB C側をUA2本体のUSB C端子に接続し、Lightning側をiPhoneのLightning端子に接続します。
次にイヤホンを接続します。iPad同様にfinal E3000PROTO 2.5改を使用し、UA2の2.5バランスジャックに接続します。
最後にiPhoneのamazon musicアプリ(Ver10.9.1)を起動します。
トニカク接続に難しいところはありませんし、心配したLightning-USB Cケーブルで問題なくUA2を認識してくれます。
前述しましたがApple純正のLightning-USB Cケーブルでは認識しませんでした。
amazon music HDアプリはiPadと同じです。
そしてアプリ画面のアルバムアート下、左側。曲名の上に「ULTRA HD」と黄色文字で表示がありますので、そこをタップし音質のチェックをします。
現在の音質を確認できる画面が開きます。
楽曲の最大音質・・・ここが24bit/48kHz以上であればハイレゾ音質
端末の性能・・・ここが当該端末の再生可能なファイルの音質の最大値
再生中の音質・・・ここが実際に再生できている音質
Codec・・・ここが再生中のデータ形式
iPadと同様ですね。
通常は端末の性能が配信されている楽曲の最大音質よりも高くなります(あくまでも端末の性能に依存)。例えばハイレゾ音楽データ24bit/96kHzであれば端末の性能の数値と再生中の音質の数値が同じであれば、「ちゃんと」ハイレゾ音質で聴くことができています。
なお、iPadの項でも触れましたが、そもそも先述の「ULTRA HD」表示ではない、「HD」表示される配信楽曲はCD音質(16bit/44.1kHz)となりますし、「SD」表示される配信楽曲は標準音質(圧縮)なので、誤解の無いようにお願いします。
そしてiPad同様に一つだけ注意点があります。
アプリ起動後、最初の曲を再生する時は「再生中の音質」が「標準」となります。実際に標準音質なのかは分かりませんが、「標準」と表示されます。これの対処方法として、最初に曲を一度数秒再生した後、違う曲を選択して再生してください。この曲から「再生中の音質」が正しく表示されるようになります。
2.5. Eddict Playerアプリとの連携
Shanling UA2の設定を管理できる「Eddict Player」アプリと連携することで、アンプのゲイン設定やDACのデジタルフィルターを選択することができます。この設定は一度設定してしまえばUA2に設定が記憶されます。
ただし、現在(2021/05/29)はandroid用のみUA2と連携が可能となっています。iOS用も配布されていますがUA2と連携できず、UA2の設定変更はできません。幸い私はZX507がandroid OSを搭載したDAPですので、それを使用することができます。iPhoneのみのユーザーにはちょっと残念です。
UA2購入時のデフォルト設定はゲイン「High」、DACフィルターは「Linear phase fast roll-off」が選択されています。
特に不満が無ければアプリを使わず、UA2をそのまま使用することもできますので、UA2の設定を変更してみたい方はお試しください。
先ず、google play storeから「Eddict Player」アプリをインストールします。
インストール後、アプリを起動します。
起動したアプリは初期状態が中国語なので、言語設定を変更します。
アプリ左上の「三」をタップします。
メニューが表示されます。
歯車のマーク「设置」をタップします。
设置メニューが開きます。
メニューの一番上「语言」をタップします。
语言メニューが開きます。
「English」をタップします。
「日本語」をタップしたくなりますが、アプリVer1.0.17では対応していません。
一旦アプリが終了しますので、アプリを起動します。
アプリ初期画面が英語表記に変わっています。
これで言語設定完了です。
次は、いよいよUA2の設定についてです。
先程同様にアプリ初期画面左上の「三」をタップします。
メニューが開きますので、「USB Control」をタップします。
接続可能機器の一覧が表示されます。
「UA2」をタップします。
アプリがUA2へのアクセス許可を求める画面がでますので、「OK」をタップします。
これで連携完了です。
連携したUA2の設定画面が表示されます。
ZX507のディスプレイが小さいので右上の画面表示が崩れていますが大勢に影響がないので気にしません。また、上下にスクロールしないと全てのメニューが見られません。
先述したアンプ出力の強さ「ゲイン」設定とDACデジタルフィルターの設定メニューがありますので、それぞれ必要に応じて変更が可能です。
試しに「Digital Filter」をタップし開きます。
7種のフィルター設定が可能です。
好みで選択してください。
最後はEddict Playerアプリのバージョン等は初期画面「三」を開き、設定メニューの一番下の「about」で確認できます。
UA2の機能を使い倒すのにこのアプリは活躍してくれそうですし、UA2という商品の価値を高めてくれると思います。
欲を言えば、先述の通りiOSでも使えれば良かったです。
まあ、UA2がそもそもandroid向け製品なのかもしれませんし、アプリバージョンアップに期待です。
それでは次項ではいよいよUA2の音質を確認してみます。
3. Shanling UA2の音質レビュー
前項までにUA2とiPadとZX507(androidスマホの代わり)及び、本命のiPhoneとの接続テストと、アプリによるUA2の設定を行いました。
ここからは実際にUA2を使って音質がどのように変化するのかを試してみたいと思います。
今回は【導入編】という事でiPhoneのみを簡単に試します。次回【運用編】として音質比較と、Apple Musicのロスレス配信とamazon music HDとの比較等で紹介予定ですので、ご容赦ください。
先ずは、iPhoneに付属のLightning-3.5mmUSB Cケーブルを使用しamazon music HDのハイレゾ音楽データを聴いてみます。イヤホンはUA2接続テストで使用したfinal E3000PROTO 2.5改に2.5mmバランスプラグを3.5mmステレオミニプラグへの変換ケーブルを使用しています。
前述の通り、iPhoneの端末性能は24bit/48kHzまで対応しておりますので、iPhoneに付属したLightning-3.5mmヘッドフォンジャックアダプターを使用することでamazon music HDのハイレゾ音楽データ24bit/48kHzまではそのまま再生可能です。
比較には「DISH//の猫 TFTver」や「Uruのあなたがいることで」、「石原夏織のPlastic Smile」等を使用しました。
テスト前は正直、対応している再生データ上はiPhone付属アダプターの24bit/48kHzに対し、UA2の32bit/768kHz(実質24bit/96kHz迄)ですので、大きな差を感じないかも…。と、思っていました。
しかし、それは見事に杞憂に終わります。
iPhone付属アダプターでは中音域にフォーカスを当てたボーカルを重視したような音質傾向でしたが、UA2で同じ曲を聴いた際には、音場が広い良い意味で中音域がすっきりとしたフラットな音に聴こえます。その分、ボーカルはやや遠くなったように感じますが、UA2のボーカルの位置が自然な場所と云えますので、付属アダプターが近く感じていたという事になります。
使用したイヤホンがE3000ですのでドンシャリとは異なるやや低音寄りのフラットな音質傾向なので、UA2を通して聴いた場合にはイヤホンの本来の音を引き出してくれている印象です。
高音や低音はiPhone付属アダプターよりも高音は繊細で伸びやかに。低音は量感がやや抑えられすっきりとしながらも強弱をより感じられ、高音や低音の解像感が高く感じます。
一言で云えば「音場の広さを感じられる自然な解像感の高い音」です。
尤も、iPhone付属アダプターではiPhone独自の多少音に色付けがあることに加えてamazon music HDでは先述の通り24bit/48kHzまでですのでそれより高いサンプリングレートはダウンサンプリングされていることになりますので、UA2のDACチップ、ES9038Q2Mの繊細なHiFiサウンドとはやはり違うと感じます。
今までUA2の様なUSB-DACは使ったことはありませんでした。BluetoothレシーバーのShanling UP4は常用していましたが、有線と無線の違いこそあれどやはりUA2は侮れないと感じました。
4. Shanling UA2【導入編】のまとめ
さて、Shanling UA2はコンパクトなUSB-DACでありながら、ミドルクラスDAPの性能と遜色のない音をサブスクリプション、音楽配信サービスを良い音で手軽に楽しめことができると【導入編】のまとめとしました。
次回は更に音質について深堀するとともに、来るロスレス配信、Apple Musicでも試し使い勝手等の【運用編】としてまとめたいと思います。
また、今回試せなかったノートPCとの接続も個人的に試してみたいとも考えています。
最後に、今回はいつもとは違う趣で商品レビューをまとめてみました。しかも、導入編と運用編という2部構成。そしてなによりも中華USB-DACアンプというDAP要らずのスマホで十分音楽を楽しむことができるという魅力的な商品の紹介となりました。
現在(2021年5月29日)は代理店直販サイトやamazon等ECサイト、国内家電量販店店頭等でも発売されており、12,000円台で購入可能です。安価な実売価格でありながら、その機能を含めクオリティは十分満足できる内容となっておりますので、この商品を検討している方は保障の面からも安心確実な国内正規代理店取扱品の購入を検討してみてくださいね。
あとがき
あとがきとして、今回は中華製のUSB-DACアンプをiPadやiPhoneで使うことで何ができるのか。その中でもサブスクに活用できるのか。それをどの様に使うのかを導入編レビューとしてまとめてみました。そして新たな挑戦としての二部構成とし、次回は運用編でレビュー予定です。今までのレビューとは違い構成を考えてみました。これを読んでくださる方が何故このサイトにたどり着いたのか?を重視してまとめています。確かにこの記事も自己満足の域を出るものではありませんが、達成感は従来より得られている気がしますし、皆さんに少しでも参考になれば幸いです。
一方、日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみです。今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンや、中華DAC及びヘッドホンアンプにも挑戦していきたいと考えていて、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
※2021/06/11 誤字修正
※2021/06/13 【運用編】リンク追加
※2021/11/7 Lightning-USB Cケーブルの紹介追記