こんにちは。
今回はいつもの中華イヤホンではなく、米国AUSOUNDS(オーサウンズ)ブランドのワイヤレスイヤホン、AU-FLEX ANCのレビューをまとめたいと思います。
今回代理店であるコペックジャパン様よりお声がけいただきました。
AU-FLEX ANCは国内のイヤホン専門店や家電量販店、楽天市場等の国内販売サイトやメーカー直販サイトで購入することができます。
※メーカー直販サイト
- 1. AUSOUNDS AU-FLEX ANCについて
- 2. AUSOUNDS AU-FLEX ANC実機について
- 3. AUSOUNDS AU-FLEX ANC音質について
- 4. AUSOUNDS AU-FLEX ANCの総評
1. AUSOUNDS AU-FLEX ANCについて
AUSOUNDS AU-FLEX ANCはその名前の通りアクティブノイズキャンセリングを搭載したネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンです。この商品は他にも特徴がありますが後述するとして、先ずはAUSOUNDSブランドについてです。
AUSOUNDSは最先端の技術と優れたサウンドを備えた米国のオーディオブランドで、欧米有名メーカー各社の研究開発で培った経験をもった開発チームが造った、プレミアムオーディオブランドです。その製品はオーディオ製品としてのパフォーマンスとデザインに優れており数々の賞を受賞している注目株のブランドです。(HP抜粋)
また、同社の企業理念、「こだわり」の一つに品質管理が挙げられ、それと同時にオーディオとしてのサウンドに絶対の自信を窺わせます。
かくいう私もAUSOUNDSブランドを知らず、このAU-FLEX ANCのようなネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンは国内有名メーカーぐらいしか試していませんので、今回の商品は非常に楽しみです。
AU-FLEX ANCは先述の通りネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンです。最近はワイヤレスイヤホンでもイヤホンの左右がケーブルで繋がっていない左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の人気が高く、同社でもAU-Stream ANCがラインナップにありますし、しっかりとユーザーニーズに対応しています。
そんな中で敢えてネックバンドタイプのAU-FLEX ANCを選んだのには三つ理由があるのです。それは無線コーデックにLDACが採用されていることと、イヤホンにドライバを二基搭載する片側デュアルドライバもさることながら、その内一基が平面駆動型ドライバを採用。もう一基にはダイナミックドライバというデュアルハイブリッドドライバ採用モデルとして珍しい構成となっていたからです。
現在販売されているデュアルハイブリッドモデルでポピュラーなのはバランスドアーマーチュア型(BA)ドライバとダイナミックドライバ(DD)を搭載する1BA+1DDハイブリッドモデルですが、AU-FLEX ANCでは平面駆動型ドライバ(PD)とダイナミックドライバの1PD+1DDハイブリッドモデルとなります。
これまでに平面駆動型ドライバを採用した有線イヤホンのレビューをしておりますが、それは1PDモデルです。PDはその特性から非常に中高音域の解像感の高い音数が多い曲でも破綻せずに粒立ちの良いシャープな音色を聴かせてくれます。しかし、イヤホン用の小径PDでは音の帯域幅は狭く、PDのみのシングルドライバではやはり高音域を重視すれば低音域がもの足りない。低音域を重視すれば高音域がもの足りずという音作りの難しさがありました。
それを片側デュアルドライバとし、もう一基のダイナミックドライバが補うことで妥協の無い音を目指したAUSOUNDSブランドの「こだわり」が感じられます。
次に、個人的に一番気に入っているのはBluetooth(無線)コーデックにLDACが採用されていることです。
LDACとは難しいことを抜きにして簡単にいえば、無線接続でもハイレゾ相当で音楽を楽しめる、Sonyが開発した無線コーデックで、従来のSBC、AAC、apt-Xでは再現しきれなかった音を聴くことができます。スマホでは同社Xperiaシリーズ(全ての機種ではありません)やウォークマン(デジタルオーディオプレイヤー)が対応しています。
同様にワイヤレスでハイレゾ相当の音楽を楽しめる無線コーデックにapt-X HDもありますが、AU-FLEX ANCでは非対応となっており、androidスマホユーザーはLDAC非対応の機種の場合、SBCでの接続となります。一方iPhoneユーザーはSBCよりも高音質のAACでの接続が可能です。こちらはLDACのハイレゾ相当には敵いませんが、iPhoneの端末性能としてBluetooth接続はかなり優秀なので接続品質に困ることはないと思います。
尤も私は普段からSonyのデジタルオーディオプレイヤー(DAP:Digtal Audio Playerの略)、ウォークマンNW-ZX507を愛用しており、これは勿論LDACに対応していますので、非常に相性が良いですね。
そして最後の三つ目。皆さんが一番気になるであろうアクティブノイズキャンセル(ANC)が搭載されています。
これはもう昨今のトレンドみたいなもので、ワイヤレスイヤホン自体が数年前に比べ低価格化と高機能化が進みガジェットへシフトしている向きがあります。その流れに沿って行けば高機能化の一つにアクティブノイズキャンセリングは欠かせない機能の一つといえ、ヘッドホンやネックバンドタイプのイヤホンに加えTWSの高級機で採用が進んでいます。
つまり、今人気のTWSとの優位性としてLDAC対応の商品は無いこと。平面駆動型を搭載するデュアルハイブリッドモデルが無いこと。アクティブノイズキャンセリングを搭載していること。この三つの内、二つまではTWSでも備えている商品がありますが、AU-FLEX ANCはネックバンドタイプのモデルとなりますが、全てを備えており、TWSよりも頭一つ、いや二つ抜けていてイヤホンとして最も重要な音楽を高音質で楽しむことができるという優位性をもっており、AUSOUNDSの企業理念を具現化した先進技術を投入し、求める音質に妥協をしていない商品と云えますね。
※平面駆動の音が気になる方は以前の記事も併せてご参考ください
※apt-X HDの音が気になる方は以前の記事も併せえてご参考ください
さて、先述の通りAU-FLEX ANCはTWSの利便性には敵わないものの、本来の高音質で音楽を楽しめて且つDAPとの有線接続の煩わしさがないワイヤレスイヤホンです。
そして、apt-Xには非対応ながらもスマホで音楽を楽しむユーザーに対応しています。特にiPhoneには相性が良く、LDAC対応androidスマホもあります。より高音質で音楽を楽しみたい方にはSonyを始めとするLDAC対応DAPがお勧めとなります。
尤も私はiPhoneユーザーですので、困ることはありませんが、古いandroidスマホユーザーにとっては少々残念なところになります。
前置きはこのぐらいにして、それではAU-FLEX ANCのスペックを詳しく見ていきます。
■主要スペック(AUSOUNDS商品ページ抜粋)
AU-FLEX ANC | 国内S社 | |
---|---|---|
低音域ドライバ | 10mmダイナミックドライバ 1基 | - |
中音低音域ドライバ | - | 9mmダイナミックドライバ 1基 |
高音中音域ドライバ | 8mm平面駆動型ドライバ 1基 | - |
高音域ドライバ | - | バランスドアーマチュア 1基 |
再生周波数帯域 | 20Hz-20kHz | 3Hz-40kH |
Bluetoothバージョン | 5.0 | 5.0 |
コーデック | SBC、AAC、LDAC | SBC、AAC、LDAC |
ノイズキャンセル | 〇 | 〇 |
ヒアスルー | 〇 | 〇 |
連続再生時間 | 15時間/ANC 10時間 | 15時間/ANC 10時間 |
防水 | IPX5 | - |
満充電時間 | 約1.5時間 | 約3.5時間 |
充電時間 | 15分充電で90分使用可能 | 10分充電で80分使用可能 |
イヤホン重量 | 約38g | 約58g |
参考に国内メーカーS社のネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンのスペックを併記してみました。
二つの機種はスペック上、搭載するドライバの内、主に高音域を担当するドライバが異なります。国内S社は1BA+1DDハイブリッドモデル。AU-FLEX ANCは1PD+1DDハイブリッドモデルとなりますが、それ以外は非常に似ています。
実売価格では国内S社の31,000円に対し、AU-FLEX ANCの24,000円と2割以上安価になります。この価格帯では本当に安価で希少価値のある機種と云え、それを考慮すると圧倒的なコストパフォーマンスと云えると思います。
ただAU-FLEX ANCは国内S社商品に対し後発商品ですのでスペックが同等なのであれば、もう少し安価な方がインパクトがありますしジェネリック医薬品のようにお勧めしやすいですね。
AU-FLEX ANCはBluetoothバージョン5.0を採用し省電力と接続安定性が高く、NW-ZX507でLDAC音質優先(990kbps)で接続した場合に稀にプチノイズがありますが、通信は安定していてリビングにZX507を置きイヤホンを装着したまま家事を行ったり壁を隔てた部屋間の移動でも途切れることはありませんでした。屋外での使用では流石に都内駅構内等で途切れることがありましたが、接続優先(330kbps)であれば殆ど途切れることはありませんでした。同様にiPhoneでも試しましたが、こちらはAAC接続ということもあり接続は安定し殆ど途切れはありません。iPhone端末のBluetooth接続性能の高さの恩恵を受けれらます。余談ですが、国内S社のノイキャンTWSとZX507のAAC接続でも殆ど途切れることはなく、通信品質は安定しています。
また、連続再生時間は特にこれはTWSと違いネックバンドタイプの強みである搭載バッテリー容量を大きくできることからその恩恵を十分に感じられます。まあ公称よりはやや短めとなりますが、TWSと比較になりません。尤もこれは使用環境、条件により変わりますので参考程度にお願いします。
次に待機時間や充電時間ですが実際に使ってみた印象として充電時間はほぼスペック通りと感じましたが、私の環境では待機時間は兎も角、音楽再生はやや短く感じました。スペックの8割程度ですね。とは言え、家で映画を観たり通勤往復でも十分ですし、会社についたら充電してしまえば実用上問題ないです。実際のところメーカー公称時間とユーザーの実行時間として、これは他のメーカーでも云えることですので有効使用時間として問題なく満足できると云えます。
次に他のDAPでも試してみました。
Shanling Q1でもAAC接続の他、実はLDAC接続を使用できます。ただし経験上少々難がある認識で、やはり先述の条件では屋内は途切れは問題ないのものの、屋外では結構途切れることがありました。ですが、Q1の独自OSがワイヤレスとの使い勝手が良く、本体の音量調節ボリュームとは別に「Bluetoothヘッドセット」の音量調整が可能です。AU-FLEX ANCとDAP本体の音量調整は連動しており機種によっては1メモリの調整幅で大きくなり過ぎたり、小さくなり過ぎたりと音量調整で困ることがあります。これに対応できるのが前述の「Bluetoothヘッドセット」の音量調整です。残念ながらandroid OSのZX507にはこの機能はありませんでした。
AU-FLEX ANCの充電はUSB タイプC端子を接続し市販のUSB-A充電器で行います。
惜しいのはイヤホン本体の充電残量を確認できないところです。
ただし、iPhone等のiOSと接続した際に画面右上の充電残量の左にある接続ステータスでヘッドホンマークの隣に充電残量バーが表示されますし、iPhoneのウィジェットで充電残量を確認できます。
充電状態はネックアーム部右側の操作スイッチがあるケースの上側LEDにより充電ステータスが分かります。
※充電中は緑色点滅します。緑色点灯で充電完了。
充電が完了しいよいよDAPやiPhoneとのペアリングです。基本的に取説通りで問題なくペアリングを行えますが、言語は英語です。しかし英語かぁと心配することなかれ、日本語のクイックスタートガイドが付属していますので困ることはありません。嬉しい配慮ですね。
■LDACでのペアリング方法(ZX507 android9 Ver3.00.07で検証済)
- 最初にandroid OSの開発者向けオプションを有効にする。
- Bluetooth接続をLDAC音質優先を選択する。
- ZX507のBluetoothを有効にする。
- AU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッ♪と鳴るまで長押しする(ペアリング開始)。※初めに電源ONのピポッ♪と鳴りますので、そのまま押し続けてください。
- ZX507の設定-接続済みの端末-新しいデバイスとペア設定する、を選択する。
- リストに「AU-FLEX ANC」が表示されるのでそれを選択する。
- ZX507の画面右上バッテリー残量表示の左のBluetoothマークの両サイドに小さな点が付けば完了。
※最初に開発者向けオプションでBluetoothオーディオコーデックをLDACを選択
※ペアリング済みの画面表示
一度ペアリングすると以前接続されたデバイスに表示されますので次回以降はAU-FLEX ANCの電源を入れると自動的に接続します。
自動的に接続できない場合は前述のリストから選択してください。
※LDAC接続ならお気に入りのハイレゾ音源をハイレゾ相当で楽しめます
■初回ペアリング方法(iPhone iOS14.0.1で検証済)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- AU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッ♪と鳴るまで長押しする(ペアリング開始)。※初めに電源ONのピポッ♪と鳴りますので、そのまま押し続けてください。
- iPhoneの設定メニューでBluetooth機器の画面に「AU-FLEX ANC」が表示されるのでそれを選択する。
- iPhoneの画面右上バッテリー残量表示の左にヘッドホンマークがでれば完了。
※ペアリングが成功している画面表示
※ミュージックプレイヤーアプリにAU-FLEX ANCと表示されます。
これだけです。
注意点としては、
初めにプレイヤー側、ZX507(DAP)又はiPhoneのBluetoothを有効にしてください。
そのあとAU-FLEX ANCの電源スイッチをピピッと鳴るまで長押ししてペアリングモードにしてください。
この手順が重要です。
上手くいかない場合、一度ZX507(DAP)及び、iPhoneからAU-FLEX ANCの接続の登録を削除して再度初めから実施してみてください。ペアリングが完了している場合、2回目以降はiPhoneのBluetoothをONにしてからAU-FLEX ANCの電源を入れてペアリングモードにすれば自動的に接続します。上手く接続しない場合はZX507(DAP)及び、iPhoneのBluetooth設定画面から「AU-FLEX ANC」を選択してください。
■イヤホン本体の操作方法(初回ペアリング済で検証)
- iPhoneのBluetoothを有効にする。
- AU-FLEX ANCの電源を入れペアリングモードにすると接続開始。
- iPhoneの画面右上にヘッドホンマークがでれば接続完了。
- iPhone標準のミュージックアプリを起動し聴きたい曲を選択し再生する。
- ネックアーム右側操作スイッチ(以下操作スイッチ)の「・」を1回押すと再生/停止する。
- 再生停止中に操作スイッチの「-」を長押しすると前の曲に戻る。
- 再生停止中に操作スイッチの「+」を長押しすると次の曲に進む。
- 再生中に操作スイッチの「-」を長押しすると再生中の曲の頭に戻る。これを繰り返すと前の曲に戻る。
- 再生中に操作スイッチの「+」を長押しすると次の曲に進む。
- 再生中/停止中に操作スイッチの「+」を1回押すと音量Up。
- 再生中/停止中に操作スイッチの「-」を1回押すと音量Down。
- 再生中/停止中に操作スイッチの「ANC」を1回押すとノイズキャンセル(以下ノイキャン)ON。1回押すたびに「ノイキャンON」→「ヒアスルーON」→「ノイキャンOFF」変化します。※毎回電源ON時はノイキャンOFFになります。
- 再生中/停止中に操作スイッチの「・」を2回押すとSriを呼び出し。
- 着信中に操作スイッチの「・」を1回押すと通話開始。通話中に操作スイッチの「・」を1回押すと通話終了。
- 着信中に操作スイッチの「・」を1秒長押しすると着信拒否。
- (電源OFFの状態で)「・」を3秒ほど長押しすると電源ON(ピポッ♪)。
- (電源ONの状態で)「・」を5秒ほど長押しすると電源OFF(ポピッ♪)。
- (電源ONの状態で)「・」を3秒ほど長押しするとペアリングモード(ピピッ♪)。
- 使い終わったら電源OFFにする。
- iPhoneとの接続が解除される(iPhone画面の接続ステータスが消える)。
- AU-FLEX ANCのバッテリー残量をあらかじめiPhone画面で確認しておくこと。充電が少なければAU-FLEX ANCの充電をする。充電が20%以下にならないように管理する。※過放電はバッテリーの寿命を短くします。
プレイヤーをiPhoneとした場合の音楽再生にかかわる主な操作方法を抜粋し検証した方法をまとめてみました。基本的に他のDAPやandroidスマホでも操作方法は同じです。
ネックバンドタイプの強みとして音楽再生等の機能操作を全てコントロールできることが挙げられます。TWSでは音量調整ができない、曲送り、曲戻しができない等の機能操作制限があったりしますし、物理ボタンではなくタッチ操作の場合、感度(反応)が悪い、そのくせにリダイヤルなんていらない機能もあったり・・・。その点、AU-FLEX ANCは完璧ですね。
初めて使う方でも自然に使えるレベルですので、これはかなりポイントが高いです。
もちろんTWSと云えばやはりケースから取り出すと自動でイヤホンの電源が入り接続が完了することと、ケースに戻すとイヤホンの電源が切れて接続が解除され充電開始されるという使う/仕舞うの一連の流れがケースから出す/戻す事で完了する手軽さがあります。そこはネックバンドタイプは手動で電源ON/OFFの操作が必要となりますからね。
さて、ここまでアクティブノイズキャンセルにはあまり触れていませんが、メーカーサイトにあるノイキャンONとOFFのf特比較をみるとほぼ差がない。どこかの帯域が極端に上がったり下がったりしていません。そしてやや低音が盛り上がっているようにみえますが、フラットな特性といえます。
実際に再生中にノイキャンをONとOFFで切り替えてみましたが確かに違いを感じられず、強いて云うならば中音域がやや籠る感じです。本当に聴感上僅かな違いです。イヤピ交換の方が分かりやすいレベルです。もっと云えばリケーブルした時の違い程度です。流石にこれは例えが悪いですけど。
実際国内S社と比べた場合には国内S社の方が効きが良いと感じますが、必要十分な実用レベルですし国内S社のTWSのノイキャンと同等以上と感じます。
失礼ながら思っていた以上にAU-FLEX ANCの良さを感じています。
まとめるとAU-FLEX ANCの接続はトニカク簡単でスムース。すべての機能操作も行え、違和感なく使えます。
そして、外音をシャットダウンするアクティブノイズキャンセルや外音を取り込めるヒアスルー機能もある優れモノということです。
2. AUSOUNDS AU-FLEX ANC実機について
それでは、早速AU-FLEX ANCの実機レビューを以下、まとめていきます。
※国内販売用のスリーブはもちろん日本語表記。ANCが目を引きます。
※裏面にはイヤホンのメカニズム解説が。そしてLDAC対応を示すマーク。
※世界共通の内箱です。世界マーケットを意識したパッケージングに無駄はなし。
※考え抜かれた無駄のないパッケージ。
※付属品ごとに小箱に収納
トニカク無駄のないパッケージングは外側を白箱で統一し内箱の中を黒箱と隙の無い収納方法はレベルの違いを感じます。高級品を手にした実感が湧きますね。
次にパッケージの中身を。
※充電用USBケーブルは卓上では必要十分の長さ
※布製ポーチが付属。実売価格からは専用ハードケースを付属して欲しいかな。
付属品はイヤーピースがS、M、Lの3種1セットで更にMサイズが本体取付け済み。Mサイズが都合2セットです。他にはUSBタイプC-タイプA充電ケーブルとイヤホン収納ポーチです。必要十分の付属品ですね。
特徴的だったのはイヤーピースが最近のTWSの付属品同様に軸が短く傘が長い特殊なタイプが付属。所謂TWSタイプですね。
取扱説明書が付属していますが英語表記となります。まあ何となく読めますし問題は無いのですが、親切なのはクイックスタートガイドが日本語です。個人的に家電さえもWEB取説がスタンダードになっている昨今では商品に付属する紙はクイックスタートガイドとPL法対策の注意ガイド、サポートへ誘導するQRコードで十分だと思いますので、この辺りも上手いなぁと感心しました。
それでも万が一の際は国内代理店のサポートがありますので問題ないと思います。
それでは実際にイヤホンを見てみましょう。
ビルドクオリティは文句のつけようがなく、最早粗探しですのでやめました。この辺りも企業理念に沿っていると思います。以前購入した中華ネックバンドタイプの商品ではUSB充電口と端子にズレがある不良品に当たりましたがそんな心配は不要ですね。カラーバリエーションは銀色の単色です。
イヤホン本体はカスタムIEM風の造形でケーブルはシュア掛けです。そのため他のTWS同様に耳へはイヤーピースで保持し収めるタイプとなりますので、イヤーピース合わせは重要になります。
※フェイスプレートにマグネットを内蔵
これが地味に便利。ちょっとイヤホンを外してもネックバンドタイプではそのままぶら下げられる両手がふさがらないメリットがありますが、更にイヤホン左右をくっつけておくことで落下防止と絡まり防止に一役あります。
そして実はこれ、もっと便利な機能が隠されていました。再生中に不意にイヤホン左右を外すケースってあると思います。その時イヤホン左右をくっつけると再生が停止します。そして離すと再生が再開します。
凄くないですかコレ。
TWSでは耳から外すと再生が停止するという良くある機能ですが、もう一度耳に装着しても再生再開しませんよね?
ユーザーニーズを良く理解していると思います。見事です(拍手)。
シェル本体はアルミニウム金属製で軽量に仕上げており、高級感があります。もちろんステムノズルにはメッシュフィルターがあり異物の混入による故障を防げます。
シェル本体の形状もカスタムIEM風で丸みを帯びており装着感は悪くありませんが、耳への装着は付属品イヤーピースでは音質的に抜けてくる感じがありましたので最近発売されたFinal タイプE 完全ワイヤレス用 Mサイズを使用し耳に浅めに蓋をする装着がしっくりきました。個人的にのタイプE TWS用は耳が痛くならない、装着感が最高です。
しかしAU-FLEX ANCの特徴でもあるPDの解像感が少し丸くなる気がしたので、再度変更。最終的にSedna Earfit Mサイズを選択し耳に浅めに蓋をするように装着すると解像感を損なわず、寧ろよりクリアに聴こえるようになりました。ですが、この辺りは個人差があるかもしれませんね。SednaEarfitは傘の柔らかいLightやTWS用の軸の短いshortもありますが、今回はノーマルでOKです。
この音が抜けてくる感覚は付属イヤピではどうしようもなく、フィット感はさておき音質が本来のものと異なると感じる場合がありますので、是非自身に合ったモノをご使用ください。
3. AUSOUNDS AU-FLEX ANC音質について
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はSony NW-ZX507、Bluetooth コーデックLDAC接続です。
実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピはSedna Earfit Mサイズを使用しています。
箱出しで聴いてみた第一印象は「低音がしっかりとしていながらも高中音域の解像感が良くボーカルが聴きやすい」でした。
音場は普通から曲によってやや広めで音の分離感は良好。
低音は量感こそそれ程多くは無いが強さがあり締りとキレは良好。音の強弱も感じられる。ベースラインも追いやすい。重低音の沈み込みの深さがあり、ワイヤレスとしてはかなりしっかりとした強さのある低音域です。
高音は煌びやかさがあり華やかさも十分。中低音に埋もれることもなく伸びやかでしっかりと主張しますが尖りはなく刺さりも感じません。
中音は凹みを感じず、広さを感じ見通しの良さとクリアさの中に華やかさもあります。特に解像感が良好ですっきりと聴きやすい。
ボーカルは自然な位置から曲によってやや近くクリアに聴こえます。
一言で云えばやや中低音寄りのボーカルが聴きやすいほぼフラットです。
もう少し補足すると、高中音域特に中音域は解像感が良く粒立ちの良いシャープでキレの良さがあり、演奏が映えます。高音も十分な解像感がありますが中音域のそれとは違い僅かに控えめ。それでもシンバルなどの音はシャーーンと伸び、音の強弱も効き分けることができます。音が立体的に感じられるとはこういうことなのでしょうね。
そして低音は専用にDDを積んだ甲斐があったということ。やはり音楽は低音域が上の音域を支えることでリズムというか全体の風景を俯瞰できるようになります。もちろんただ量感があるとか重低音がドーーンとくるとかではなく、欲しいだけの低音をしっかりと強弱として再現してくれる。バンド音楽でドラムの音が弱かったら寂しいでしょ?これはそれがありません。ボーカルやギターが主役ではなく全員が主役です。これでバンド内の格差も生まれませんね(笑)。
特に電子音の楽曲との相性が良いですが、バンドサウンドにも相性が良いですし、何でもこなせる万能タイプですね。
尤もこれはLDAC接続でのお話。
SHANLING Q1のLDACも試しましたが、DAPの差でしょうか少し平面的に聴こえます。
またiPhoneのAACでは中高音の繊細さや重低音及び低音の表現力は一段以上下がります。それでもワイヤレスの音の薄さは抑えられており、ハイレゾにこだわりの無い方が聴く分にはいつもの音楽で「聴こえ無かった音が聴こえる!」という新たな発見を楽しめるのではないでしょうか。
また、国内S社のネックバンドタイプと比較した場合にはあちらの方が高音は高いところまで聴こえ華やかさは上手です。中音はすっきりとさせるために少しボーカルの後ろで鳴る印象。低音はこちらよりも強めに感じ、所謂ドンシャリです。それでもそれらの違いはあくまでも聴感上の感覚であり嗜好の類です。それらの音色の違いは人によって受ける印象が異なるのは当然ですし、どちらも良い音がするのは間違いありませんので、誤解なきようお願いします。
で、何方が好きかって?
私はWI-1000XM2を所有しています。
だからこそ言えます。
WI-1000XM2を所有していなかったら先にAU-FLEX ANCを買っていたと思います。
これじゃだめですか?
…出会った順番が恋愛において重要になると聞いたことがあります。それと一緒です。
この人と決めたら添い遂げましょうよ。…余程の理由がない限り。
まあ、これダメな思考ですね。…反省します。
まとめは真面目に。
AU-FLEX ANCは中音≧低音≧高音と国内S社の低音≧高音≧中音の関係とはやはり違うと云えそうです。それは流石に国内S社の1BA+1DDとAU-FLEX ANCの1PD+1DDのドライバ構成では奏でる音が異なるのは当然と云えばそれまでですが。
4. AUSOUNDS AU-FLEX ANCの総評
AUSOUNDS AU-FLEX ANCはスマホで音楽を楽しんでいる、特にiPhoneユーザーに話題のANC搭載機の選択肢を広げられ、有力な候補となる商品とまとめました。
最後に、今回は高価格帯20,000円以上の高機能で実力派ワイヤレスイヤホンの紹介となりました。現在(2020年10月24日)は24,000円でイヤホン専門店等、有名家電量販店通販サイトなどでも販売しています。ワイヤレスイヤホンの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なイヤホン専門店での視聴を是非よろしくお願いします。聴いたら欲しくなりますけど、ね。
以下、イヤピSedna Earfit Mサイズ、DAP ZX507、LDAC音質優先
高音★★★★☆
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (LDAC環境ある方★5)
※☆0.5、★1.0
国内S社
以下、イヤピSedna Earfit short MSサイズ、DAP ZX507、LDAC音質優先
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★★
音場★★★★
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (S〇nyの音が好きな方★5)
※☆0.5、★1.0
※2020/11/1追記
余談ですが、AU-FLEX ANCには収納ポーチが付属しています。ですが、やはりハードケースで安心して持ち運びたいと思うのは人の常。
そこでamazonで購入してみました。
Slim Fablicのタイプです。内側が柔らかいファブリック素材で外側がハードケースですので、鞄の中で重なってもイヤホンを守ってくれます。
※蓋部内側面に充電用ケーブル等を収納可能。
※固定用バンドが便利。イヤホンは中央部に収納できます。
※厚さ外寸30mm少し軸が長めのイヤーピースを装着しても問題ありません。
これで安心して持ち運べるようになりました。
あとがきとして、今回はネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンをレビューしてみました。これまで知らなかった世界を知ることができ、また広がりました。この機会を与えてくださったコペックジャパン様にこの場をお借りしお礼を申し上げます。
今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ
※2020/11/1追記