みぃねこの備忘録

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Kinboofi TRI-i4レビュー

こんにちは。

今回はいつもの1BA+1DD中華イヤホンレビュー編、番外編として先日のPaiaudio PLIISEN121同様に中価格帯で発売されたKinboofi TRI i4についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から購入しています。

  

 

AliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)でも取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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TRI i4はKinboofi社のセラーオリジナルモデルですが国内amazonでの販売は複数社で行っており、WTSUN Audioが先行販売し最近Kinboofiでも販売を開始しています。

このTRI i4は販売価格が7,000円台半ばと中価格帯A5K-U10Kとなり、以前レビューしたTIN HIFI T3やPaiaudio PLIISEN121と価格が近く、ドライバ構成も同じとスペックも似ていることから競合する商品と云え、それらとの違いが気になるところです。

TRI i4の売り文句にknowles製バランスドアーマーチュアドライバを採用しており、これはTIN HIFI T3と同じです。実際に搭載されている型番までは不明ですが低価格帯の中華オリジナルBAを搭載する1BA+1DDよりも中高音域で繊細な音を聴かせてくれるのではと予想し気になる商品でしたがPLIISEN121を気に入っていましたので、見ないふりをしていました。

しかしここで病気が再発。(そもそも治ってないけど)

しばらく見ないふり(我慢)を続けていましたが世間は丁度年に一度のamazonプライムセールの時期。それまでの我慢を忘れ特にセール対象でもないし、お手頃価格でもないのにポチっています。(本当に病気)

とはいえ折角手に入れた気になるモデルです。T3やPLIISEN121との違いを交えながら、TRI i4のレビューを纏めていきたいと思います。

 

さてTRI i4はT3と同様に金属製のシェルですがT3のシェル形状は円柱寄りの形状です。一方PLIISEN121は樹脂製シェルですがTRI i4同様にカスタムIEM風の耳への装着時に馴染み易い形状です。そして先述したi4とT3はBAにknowles製を採用している等、それぞれに共通点と違いがあります。

TRI i4のスペックは冒頭触れた通りダイナミックドライバ1基に加えKnowles製BAを1基搭載しています。また、金属製シェルを採用していることから結構コストが掛かっているモデルと云え、実際に商品を見るとイヤホン本体の仕上がりも良く高級感がありクオリティの高さを感じられます。

そしてTRI i4はこれまでレビューした低価格中華1BA+1DDイヤホン同様に各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

TRI i4の納期としてはプライムセール中にもかかわらず当日発送、翌日配達でした。流石の国内amazonです。尤もAliExpressにてオーダーした場合は早くても約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間かかることを考慮すればその保証からも少々の価格差は気にならないレベルかもしれません。

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

それでは、早速TRI i4の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングはKinboofiのセラーオリジナルデザインの黒箱で質感の高い化粧箱です。
箱の表にはブランドロゴのみとシンプルさが高級感を演出しています。


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上蓋を外すと黒地の内装の台座にイヤホンケースとイヤホンが収納されています。また台座を取り外すと、その他付属品が箱の底に入っています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種2セットと黒イヤピMサイズが本体取付け済みに加えフォームタイプが1セット。他にはケーブル、ケーブルバンド、イヤホンケースです。A5K-U10Kの中価格帯としては必要十分な付属品となります。


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ビルドクオリティですが、TRI i4は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石に中価格帯ともなれば安心して購入できるのではと感じています。カラーバリエーションは青色と金色(実物は茶色に近い)の2種あり、みぃねこは金色を選択しています。


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付属ケーブルは黒色のツイストタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はmmcx仕様です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的に絡まりにくくしなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルとは異なりそのまま使用できますし黒色ケーブルが普段使いに丁度良いですね。

 

※画像左からPLIISEN121、TRI i4、T3 

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TRI i4とPLIISEN121、T3の外観の比較として、シェル本体は先述の通りTRI i4とT3は金属製シェルで重厚感があります。それぞれ比較的軽量な金属を採用しており耳への装着時にそれほど重さを感じませんが実際に耳への装着時には装着感の所為なのかT3の方がやや重さを感じます。一方、PLIISEN121はこの3つの中で唯一樹脂製シェルを採用していますが少し大きめとなっています。それでもTRI i4同様にカスタムIEM風のデザインのため耳への装着感は良く、大きさの割に重さを感じませんし寧ろ一番軽く感じます。まあ樹脂と金属の質量が違いますので当然と云えばそうなりますね。

また、PLIISEN121は本体が樹脂ですがステムノズルが金属で3機種ともにメッシュフィルターがあります。

シェル本体の形状は3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要ですね。ちなにみT3に限ってはストレートで使用したい場合はリケーブルで対応できますがシェル形状は独特なのでその場合の装着感は個人差がありそうですね。

いずれの機種も低価格帯とは異なり仕上がりの綺麗さや高級感は流石の中価格帯と云ったところでしょうか。

そしてTRI i4はステムノズルは比較的細めで(T3が一番太い)、小さめのイヤーピースで耳へは奥の方にやや深めに装着する形がみぃねこは一番しっくりきました。そして前回同様に付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じましたのでイヤピを丸七長楽赤に交換して装着感と音質的に十分と感じました。実は最初にいつものAET07に交換し浅めに蓋をする形で装着してみましたがどうにもバランスが悪く先述のイヤピを選択しています。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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それではいよいよ音質についてまとめていきます。

今回の再生環境はFiiO M9、直挿しアンバランス接続です。

これまで通り中価格帯はM9を基準としてレビューを行います。もちろんShanling M0やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは丸七長楽赤軸 Mサイズ、付属ケーブルを使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中高音に刺々しさがなくボーカルが聴きやすくバランスが良い」でした。(もちろんスマホ付属品とは大違いです)
こちらも箱出し直後は低音はやや控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は狭くも広くもなく普通からやや横に広め。

低音の量感は十分で締まりとキレは良好。重低音も沈み込み十分で強さも感じベースラインは追いやすい。

高音は煌びやかさ華やかさ十分で存在感がありますが派手過ぎず、刺さりも感じなくすっきりしています。

中音はクリアでボーカルの周りで存在感があり、ボーカルは自然な位置に感じます。

ボーカルはクール寄りで明快さがあります。

一言で云えばフラットに近いやや中低音寄りの弱ドンシャリでしょうか。

個人的にバランスが良い聴きやすさはかなり良いと思います。ただ少し前に入手したPLIISEN121が思いのほか好みであったためにそこまでの思い入れを持てずにいました。(これが公開が遅れた最大の原因です)

TRI i4はアップテンポの曲では高音の華やかさと低音の締まりとキレの良さが心地よく、バラードでは中音のクリアさがボーカルを引き立たせており、恐らく殆ど様々な曲にも破綻することなく対応できる様に感じます。

このことからTRI i4の中/高音のクリアさと低音の質感の良さが最近ハマっているアニソンやロック、リズム等の曲には使い勝手が良く、PLIISEN121のバラードやボーカル曲が映える心地よいタイプとは異なるため使い分けが可能と云えます。

そのためTRI i4は聴いていて心地よく再生する曲を選ばない優等生タイプのリスニング機と云えそうですね。

 

少しだけ脱線しますのでこの章は読み飛ばしていただいても構いません。

(以前のレビューでも触れた、これまでのA5K-10K中価格帯中華イヤホンは多ドラ化による足し算で解像感を演出してきました。例えば5BA、6BAや4BA+1DD。更に最近では4BA+2DD+1CTと多ドラ化の最たるものでしょう。しかし、このTRI i4はそれとは異なるアプローチであり、PLIISEN121やT3も同様です。どちらが優れている劣っているという簡単に切り捨てるのではなく、寧ろどちらも良いところがありそれを使う方が、どちらが好みに合うのかが一番重要であって、前提を意外と忘れられているが故に「あれはダメ。これはダメ。」という嗜好の違う方々によって交わることのない一方的な議論が展開され何も生まない結果を残念に思うことがあります。中華イヤホンファンの一人として悲しく思いますしこれも現実です。

忘れてはいけないのは音質評価というものに数値化された客観的な正解がないというものを伝えようとしている方々がいて、それらを自分の好みに合うかどうかの目安としていただき、本レビューをご参考頂ければ幸いです。)

 

まとめるとTRI i4は必要以上の派手さや多ドラの様に音数を増やさずにクリアでバランスの良い高/中/低音域を持った多ドラとはアプローチの違う中価格帯の中華イヤホンと云えるのではないでしょうか。

尤もこのバランスの良さは中価格帯の中華イヤホンには多ドラの様な音数の多く派手さや強ドンシャリを求めるという方には物足りなく感じるかも知れませんね。


最後に、今回は5,000円以上、10,000円以下で購入できる中価格帯中華イヤホンの紹介となりました。現在(2019年8月12日)はamazonで1,000円OFFクーポンがあり6,000円台半ばで。AliExpressではフォロワー割でamazonより安価に購入できそうですがその入手性に少々難があります。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも高価な実売価格となりますが、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低価格中華イヤホンからのステップアップとしてその辺りの購入を考えていて少しでも気になった方は安心確実なamazon。少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

i4

以下、付属ケーブル、イヤピ長楽赤軸 M使用、DAP M9
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (PLIISEN121とお好みで)

※☆0.51.0

 

あとがきとして、今回は記事を公開後に記事後半が古い状態となりご心配をおかけしましたが、なんとか思い出しながら1BA+1DD中価格中華イヤホンの新商品のレビューまとめあげました。今後も複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンに挑戦していきたいと考えています。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2019/08/15 誤記修正