みぃねこの備忘録

いろいろなこと、主に趣味の備忘録として活用。アフィリエイトやってません。お気軽にリンクからどうぞ。

Trn MT1 MAX レビュー

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、低価格U5000帯で発売されたシングルダイナミックドライバモデルのTrn MT1 MAXについてレビューをまとめたいと思います。

 

Trn MT1 MAX

 

AliExpressで取扱があります。

 

ja.aliexpress.com

 

HiFiGoサイトはコチラ

TRN MT1 MAX 10mm Dual Magnet Dynamic Driver In-Ear Monitorshifigo.com

 

 

f:id:miineco106:20230429110347j:image

 

 

 

 

1. Trn MT1 MAXについて 

Trn MT1 MAXは低価格U5000帯中華イヤホンのシングルダイナミックドライバモデルとして今年4月に新発売されました。

TrnのMT1と云えば、以前レビューしており、A1000の低価格ながらも音質も侮れないモデルであり当時のトレンドだった低価格1DDモデルの一つでした。

そのMT1はMT1 Proを経て今回のMT1 MAXに進化しました。進化の過程を大雑把に振り返ると、初代のMT1は当時から現在のTrnへの変化の始まりを印象付ける「Trnの音」を体現する中高音寄りの音質です。それは何処かの音域を極端に強調せずに全音域をクリアに聴かせる音。やや高音域を強めにすることで解像感を得る音作りは、中華イヤホンの低価格帯にある「イロモノ」メーカー群からの脱却を感じさせました。後継機のMT1 ProはMT1のフラット寄りの中高音寄りの音に対し、明らかな音質変更をしており、中低音寄りのドンシャリ。一昨年A1000の1DDモデルがトレンドになった際にMT1の音作りは少数派で他メーカーは中低音寄りのドンシャリが多く、それらの方が一般受けが良かったという事と、MT1の音作りでは低価格帯で採用するダイナミックドライバでは限界があり、音が薄い印象があったのは否めませんでした。マニアに刺さる音から分かり易く一般的に受け入れられやすい音に変わったと云えます。その分当時Trnが展開していたTrnの音からは離れてしまい高音域の解像感やクリア感は今一つとなりました。これはMT1無印とProの何方が優れているという事ではなく、何方が好みかというユーザーの選択肢が増えたことは販売展開として間違ってはいないと考えます。そして今回TrnはMT1シリーズの最新作としてMT1 MAXを登場させました。MT1 MAXでは最近流行りの音質調整SWを搭載しており、SW設定がデフォルトの場合、初代MT1の音質傾向に近いものとなっています。

 

それでは、Trn MT1 MAXのスペックを確認していきます。片側に1基のダイナミックドライバ(1DD)を搭載したシングルドライバ構成のモデルです。このDDには新型10mm径の二重磁気ドライバを搭載。第四世代に進化したドライバにはナノコンポジット複合素材を採用。N52マグネットを二重に重ね合わせています。前世代よりも優れたパフォーマンスを発揮するように特別に開発された第四世代ダイナミックドライバは強力なN52マグネットとナノコンポジットダイヤフラムにより、優れた解像度、バランスの取れた周波数スペクトル、正確なHiFiサウンドを提供します。

 

f:id:miineco106:20230422111609j:image

次に、先述の通りMT1 MAXには音質調整用のディップスイッチが3基搭載されています。3つのディップスイッチ(SW)をシェル側面に並列配置しています。

ディップスイッチ1(SW1)、ディップスイッチ2(SW2)、ディップスイッチ3(SW3)は以下のようにon/offすることで音質傾向を調整できます。

 

パターン SW1 SW2 SW3 音質傾向
1 on off off Bass Enhanced
2 off on off Treble Enhanced
3 on on off Balanced
4 off off on Xtra Bass

 

箱出し(デフォルト)は各SWはパターン3のBalancedに設定されていました。

後述しますが、上表の通り音質傾向調整SWにより4種の音質へ調整することができ、デフォルトのBalanced含む好みの音質傾向に調整することができます。

以下、HP引用です。

 

f:id:miineco106:20230422111130j:image
ディップスイッチをBalancedにセットしたときのf特が黄色のグラフです。

各ディップスイッチによる変化をf特で示していますが、主に低音域が変化することが分かります。青のグラフ、Xtra-bass設定では高音域が全体的に下がりますが、低音域が盛られるというよりは高音域を減衰させているという印象です。音質レビュー項では実際に4種の音質を聴き比べてみたいと思います。

 

次にイヤホン本体にはステムノズルとシェル本体は一体型の樹脂製。フェイスプレートには金属プレートを嵌め込んだセミオープン仕様です。

最後に付属ケーブルです。詳細不明の4芯銅線のフラットケーブルを採用。元々中華ケーブルメーカーとしては少し寂しいものとなっております。Trnでは珍しく付属ケーブルをリケーブル前提で質を落としコストカットしている印象です。

 

※宜しければ過去記事もご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

Trn MT1 MAXの納期として今回HiFiGoでオーダー、1週間強で届きました。現在(2023/4/29)は国内amazonでもProme扱いとなっていますが、HiFiGoやAliExpressで購入し本国発送の場合でも以前の様な遅延はなく、10日配送補償等、ほぼ回復したと云えます。尤も、万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかるのが、海外通販のリスクです。

そんな訳で一般的に海外通販での購入は国内通販で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが偶に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットがありましたが、最近では円安でその恩恵も受け難く、国内では入手できない商品を早く手に入れる事がメリットと云えます。それらを天秤にかけた場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. Trn MT1 MAX実機レビュー 

それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。


f:id:miineco106:20230429110439j:image
パッケージングは白を基調とした商品名とイヤホンイラストがプリントされたスリーブタイプの化粧箱です。

 

f:id:miineco106:20230429110501j:image
f:id:miineco106:20230429110458j:image

スリーブを外すと内箱の白地の台座にイヤホンが収納されています。

内装を取り外すと箱の底には付属品が収納されています。

 

f:id:miineco106:20230429110516j:image

f:id:miineco106:20230429110842j:image

付属品はシリコンイヤーピースS、M、Lの1セットの内、MサイズのみTrn新型イヤーピースT-earのMサイズ黒軸の組合せ。その他はケーブル、SW調整用のピンです。低価格U5000帯として必要最低限の付属品となります。

 

次にイヤホン本体を見ていきます。

 

f:id:miineco106:20230429110607j:image
f:id:miineco106:20230429110601j:image
f:id:miineco106:20230429110610j:image
f:id:miineco106:20230429110546j:image
f:id:miineco106:20230429110555j:image
f:id:miineco106:20230429110549j:image
f:id:miineco106:20230429110604j:image
f:id:miineco106:20230429110552j:image
f:id:miineco106:20230429110558j:image

ビルドクオリティですが、全体的にシェルの合わせ面等のズレや隙間は無く綺麗に仕上がっています。一つ気になるのはステムノズル部に金型のゲートのバリが残っていました。ニッパーかカッターで除去すれば良いので問題はありませんが、気になる方は居ると思います。

カラーバリエーションはクリアと黒色のみ。

 

次にケーブルをみていきます。

 

f:id:miineco106:20230429110639j:image

付属ケーブルは詳細不明。4芯銅線並列フラットケーブルです。被覆がゴムっぽい線材です。プレイヤー側コネクタはL字タイプ3.5mmステレオミニ。イヤホン側はKZ-Cタイプ2ピン仕様。極性はKZと同じ上側がプラスです。この付属ケーブルは被覆の見た目に反して取り回しは良好です。被覆表面のゴムっぽさにより引っ掛かりがありますが、肝心の耳への装着性や使用感は見た目から想像されるほど悪くありませんが、例えるなら3000円くらいで販売している国内メーカーの有線イヤホンのケーブルと同程度。まあ、リケーブルした方が使いやすいのは間違いないです。

そして、イヤホン側コネクタ付近にはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、私はこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。

 

続いて他機種とのサイズ感や造形の比較です。

 

※画像左からTrn MT4、Trn MT1 MAX、Trn TA

f:id:miineco106:20230429110730j:image
f:id:miineco106:20230429110738j:image
f:id:miineco106:20230429110735j:image
f:id:miineco106:20230429110727j:image
f:id:miineco106:20230429110721j:image
f:id:miineco106:20230429110715j:image
f:id:miineco106:20230429110724j:image
f:id:miineco106:20230429110732j:image
f:id:miineco106:20230429110718j:image

MT1 MAXとTAが一番近しい造形で、MT4は少し異なる造形です。そのMAXとTAもシェルの耳甲介艇の突起のあるTAと異なりMAXにはそれがありません。何れも一般的な造形となりオーソドックス造形と云えます。サイズ感はほぼ同じで比較的軽量となり、装着時には殆ど重量を感じません。

MAXのステムノズルはシェル本体と一体型の樹脂で、MT4とTAはステムノズルが金属です。フェイスプレートはMAXには金属が嵌め込まれた樹脂製。MT4が金属。TAは樹脂です。

ステムノズルの長さや太さと角度はMAXとMT4が長さ、角度がほぼ同じ。MAXが僅かに太くなります。TAが一番長く僅かに寝ています。

また、ステムノズル部には三機種全てにフィルターがあり異物混入による故障を防げます。MAXは繊維フィルタを採用し音質に影響があるタイプ。その他は金属フィルタとなり、それほど音質に影響があるタイプではありません。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからは三機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、装着感はステムノズルの長さや太さに影響がありますので、イヤーピースのフィッティングは重要となります。

 

最後に付属イヤーピースです。

 

f:id:miineco106:20230429110807j:image
f:id:miineco106:20230429110810j:image

付属イヤーピースは最近のTrnに付属する白傘タイプS、Lサイズと、Mサイズのみ新型T-ear Tipsイヤピが付属しています。T-ear Tipsは某メーカーのイヤピによく似ていて傘はしっとりと柔らかい中にコシもありフィット感は良好です。音質的には高音域をやや減衰させるタイプです。

一方、白傘は開口部が大きく、中高音域をクリアにするタイプです。個人的に使い勝手はこちらが上なので、S、M、Lサイズ全部付属して欲しいくらいです。寧ろT-ear Tipsは要らないです。

音質的には好みにもよると思いますが、T-ear Tipsはやや小さめのため、個人的に耳に合わずスカスカになります。そのため、手持ちの別のTrnに付属していた白傘タイプ、Mサイズが個人的にはしっくりきました。このイヤーピースを私は耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感はもとより音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えない他社製へ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

f:id:miineco106:20230429110910j:image

 

 

3. Trn MT1 MAX音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

f:id:miineco106:20230429110927j:image

昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

そのため、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5はモニターライクながらも決してつまらない音ではなく、リスニングでも使えて万能と考えています。

Shanling UP5をUSB-DACとして使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

Shanling UP5やUA5の対抗としてFiiO BTR7もご参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは他のTrn付属白 Mサイズ、付属ケーブルです。

SW設定はデフォルトのBalanced(SW1:on、SW2:on、SW3:off)です。

箱出しで聴いてみた第一印象は「しっかりと鳴る高音域。不足なく鳴る低音域のドンシャリ」でした。

箱だしでは高音域がやや粗い印象と低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音は締り高音域は落ち着きました。

 

音場

普通の空間。狭くも広くもない普通。前後の奥行はそれほど感じませんが、左右も適度な広さを感じられます。

 

高音域

華やかに鳴りますが、必要以上に華やかさを感じるような鳴り方ではなく、適度な強さで鳴る音。音の立ち上がりはまずまず。刺さりを感じるような強さはありません。僅かに誇張された強さで、響きや余韻を楽しむというよりは、瞬発的なキレを楽しむタイプ。超高音域までの伸びはそれ程ありません。高音域はやや強めに鳴らす事で描写を重視していますが、解像感としては価格成り。音圧もそこまで強くありませんが、高音域が抑えられているような印象ではありません。どちらかと云えば大雑把に鳴らし、出音の強さで存在感を示します。

 

中音域

空間にそれほど広さは感じられませんが、窮屈な感じはありません。普通の広さの空間に華やかに鳴る音は、やや凹みを感じますが、必要十分。音が重なり中心に集まる団子感はそれほど感じず、音のごちゃつきは抑えられています。解像感は高音域同様に価格成り。それでもごちゃつきを抑えられておりクリアな音場が聴きやすい。ボーカルはクリアで自然な位置から聴かせてくれ、ややドライ気味で余韻は抑えられています。

 

低音域

量感は適度に抑えられていますが、強さがあります。余韻を楽しむような広がりは抑えられており、締まりのある音。不足を感じない適度な強さと芯のある締まった音はキレも良い。ベースラインは追いやすいですが、前に出すぎる事はありません。重低音の沈み込みは深さを感じ、芯の強さもあります。

 

出音のバランス

一言で云えばMT1の系譜の音。華やかな中高音寄りの弱ドンシャリ。出音のバランスは整っており極端に強調した音域はありません。

 

MT1でもクリアな空間に適度な強さの音のフラット寄りの出音でしたが、MT1で感じた音の薄さ、かさつきが改善されている。また、低音域もMT1では軽い印象でしたが、MAXではしっかりと鳴り、強さがあります。中音域の質感は価格成りではありますが、MT1の薄さを感じる音ではない適度な音の厚みは無印、Pro、MAXと三代目のMAXの進化を確実に感じられます。
デフォルトのSW設定、Balancedの音でも十分完成度は高く国産3Kの1DDモデルと比べても遜色ありません。MAXの方にSWがある分遊べますし、リケーブルもできるので断線も安心です。

次に、音質調整SWの設定変更を試してみます。

 

Bass-enhanced(SW1:on、SW2:off、SW3:off)
Balancedよりも音量が下がる。音量を2メモリあげて同じくらい。
高音が大人しく控えめになり、中低音寄りの音に。ベースラインが前に出る。とはいえ響きが良く鳴ったりするわけではなく抜けは良くない印象。
重低音はBalancedよりも膨らみを感じるが、ぼやけた印象もある。
Voに暖かさがでる。音にやや曇りを感じる。Proに近い音

 

Treble-enhanced(SW1:off、SW2:on、SW3:off)
MT1無印に一番近い。低音のアタック感が弱まりBalancedよりも薄味になるがMT1無印の様に音の線の細い軽い音ではなく適度に太く強さがある低音。
重低音も強さはあるが沈み込みはやや浅くなる。
全体としてやや高音が強調されている様に感じるが、その効果は僅か。

 

Xtra-bass(SW1:off、SW2:off、SW3:on)
中低音域が厚みがでてきて最もドンシャリバランスになります。高音と低音の強さのバランスが一番良く、音楽的には一番心地良く聴く事ができる。
僅かに曇りを感じるが、通常は気にならない。Balancedと比較して感じる程度です。Balancedよりも中音に凹みを感じます。
Voは一番艶やかに感じます。

 

SWによる音質調整の傾向として、割とはっきりと変化します。Balancedが一番最近のTrnらしさを感じられますが、Xtra-bassも個人的には好きな音でした。Treble-enhancedやBass-enhancedは確かにその通りに高音域重視と低音域重視に変化しますが、音のバランスに良い印象を持つ事ができませんでした。

MT1 MAXは第四世代ダイナミックドライバによりMT1無印の惜しかった部分とMT1 Proの受け入れやすい音をブラッシュアップし、SW設定により気分によって音質を変化させて楽しめます。上位のモデルとは異なり解像感の高さよりも音楽性を感じ、それを愉しむ音という印象です。

 

TAとの比較では音作りの意図は似ているのだと思いますますが、流石に高音域はBAのあるTAの方が一枚上手です。BAによる煌びやかな音を聴かせてくれます。それに対し、MT1 MAXでは全音域の音の厚みを持たせやや華やかさがあります。薄味のTAと普通の味のMT1 MAXは良い勝負。とはいえ、個人的には最新モデルのSW付のMT1 MAXの方を推したいです。

一方、数年前よりもドライバの質は確実に上がっているものの、やはり価格成りの部分も感じます。そういう意味で今はU5Kクラスではシングルドライバモデルの方が間違いがないのかもしれません。

 

※以前のレビューもご参考ください

miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとTrn MT1 MAXはMT1シリーズ最新作として初代MT1無印の音を踏襲したバランスの良い音ながらも音質調整SWにより無印とProの音をブラッシュアップした音質で楽しめるモデルです。その音質はリスニングに寄せており、解像感やモニターライクという音を聴くのではなく、音楽を愉しむ事ができる音質傾向です。

また、新しい第四世代ダイナミックドライバの進化にも今後も注目したいところです。なお、MT1 MAXはリスニング用途としてのバランスであり音楽を分析的に聴きたい方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   TA ≧ MT1 MAX ≧ MT1 

中音   MT1 MAX ≧ TA ≧ MT1 

低音   MT1 MAX ≧ TA ≧ MT1 

ボーカル TA ≧ MT1 MAX ≧ MT1 

 

 

4. Trn MT1 MAXの総評

Trn MT1 MAXは新しい第四世代ダイナミックドライバを搭載採用し、音質調整SWを搭載する等のイロモノモデルではなく、堅実な音質を感じられる高音質モデルです。流石に価格なりの部分を感じられることもありますが、同価格帯では高音質と云えそうです。リスニング寄りの音質傾向は聴きやすく心地良さがありお勧めできます。尤も、イヤピとケーブルは交換推奨ですので、実質A3Kモデルとなりそうなのが珠に瑕。

 

最後に、今回は今年4月に発売された低価格U5000帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年4月29日)はHiFiGoで1,000円台で販売し、国内amazonでも取り扱いがあります。海外通販でもHiFiGoの発送は早く届くのも早い印象があります。これまでの中華イヤホンの中では安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは十分満足できる内容となっておりますので、低価格帯中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、新製品を少しでも早く(安く)手に入れたい方はHiFiGoでの購入も検討してみてくださいね。

 

MT1 MAX

以下、付属ケーブル、他のTrn付属白イヤピ M使用、DAC UP5、SW:デフォルト
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

 

MT1

以下、付属ケーブル、付属イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★  

※☆0.51.0

 

TA

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

 

 

あとがき

今回は中華イヤホンの低価格帯の新商品レビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後は低価格だけではなく、中価格の中華イヤホンも扱っていきます。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ