こんにちは。
今回はいつもの低価格中華イヤホンレビュー編ではなく、中価格A5000帯で発売された2DDモデルのQKZ x HBB Khanについてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonのLinsoul Audio(@Luke32344614)で取り扱いがあります。
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1. QKZ x HBB Khanについて
QKZと云えば、これまで中華イヤホンのオマージュ製品を安価に発売している異色のメーカーという認知度でしたが、数年前に登場した同社のVK4が1,000円以下で買えるのに音は良いと評判となりました。それは見た目が某中華K社のイヤホンなのに中身が某中華T社のドライバと同じでは?と話題となったことが記憶に新しいです。尤も、同社の商品ラインナップには中華オマージュ性質上やはり音質的には当たり外れがありまして、そういう意味でも同社のVK4は中華イヤホンファンにインパクトを与えてくれました。
そんなQKZも昨今の中華イヤホンのレベルアップと歩調を合わせ従来のイメージから脱却すべく、昨年末に発売したQKZ x HBBは海外レビュワーのHBBとのコラボモデルとして注目され、販売価格2,000円台という低価格帯1DDモデルとして音質評価も高いモデルとして注目されています。特に低音好きには評価が高いようです。
そのQKZが次の一手としてコラボモデル第二弾の2DDモデル QKZ x HBB Khanを今年2023年1月に発売しました。Khanでは先ず注目されるのが、前作の1DDに対し2DDというデュアルダイナミックドライバ構成となっていることです。中華イヤホンの低価格帯でよくある1BA+1DDハイブリッド構成とは異なり、大小径のサイズの違う二つのダイナミックドライバ(DD)がそれぞれの音域を担当し、二つのドライバのクロスオーバーチューニングを含めHBBの監修によってどのような音を聴かせてくれるのか?楽しみで仕方がありません。
それではQKZ x HBB Khanのスペックを詳しく見ていきます。先述の通り1BA+1DDハイブリッドモデルではなく異なる直径のDDを二基採用したデュアルダイナミックドライバです。7.8mm径の小径ダイナミックドライバは高音域~中音高域を担います。中低音~低音域は10mm径の大径ダイナミックドライバを採用し、振動膜には液晶ポリマー(LCP)を採用しています。このLCP振動膜は非常に薄膜であり音の立ち上がりの良さによるキレの良いサウンド特性を実現しています。これを大小径の二種とすることでそれぞれの特性を活かした音色をHBBのチューニングにより得ています。更にダイナミックドライバの応答性を高めるために、強力な磁気コイルを組合わせることで、力感と質感を生み出します。実際にKhanを聴いてみればキレの良さと繊細さを感じる高音に、厚みある中音域。豊かさを感じられ情感のある低音が好印象です。
LCPダイヤフラム(=振動膜)採用のドライバは昨年のトレンドであり、キレの良い解像感の高い音を実現しやすいのが特徴です。しかし低価格帯に採用されるドライバではLCPに拘らずフルレンジを担うには荷が重く低価格帯のコスト制約の中では一定の水準の音を追求するのは難しいのが現状です。例えば中高音の解像感を重視すれば、反面低音が軽くなるという欠点があります。そのため1BA+1DDハイブリッドの様な互いに補い合うドライバ構成が必要となったり、最近ではLCP/PUの複合ダイヤフラムによってそれを対応する等、各社の技術の研鑽が我々中華イヤホンファンを楽しませてくれています。
次にシェル本体は樹脂製。フェイスプレートにはCNC切削のアルミニウム合金製と樹脂の複合材です。注目はシェル内部の樹脂製音導管、音響キャビティ構造を採用し、それを3Dプリンタで造形しています。音質を突き詰めればシェルの材質による音への影響は無視できません。金属製シェルは高音域の響き、反響が樹脂に比べて大きくなります。響きの美しさは金属が一枚上手ですが、良い事だけではなく、反響が強くなることで不自然な残響音となる場合があります。一方樹脂製シェルでは高音域の響きが吸収されてしまう傾向があり、金属シェルと同じ音圧をにするために高音域の減衰を考慮しやや強めに鳴らす必要があります。加えて、音導管の有無も重要でこのバランスが難しいのは言うまでもありません。Khanでは単純な樹脂シェルに留めずに内部樹脂キャビティ構造としての音導管を用いて音響チューニングを実現しています。
そして複数ドライバ機で最も大事なことですが、異なる種類や複数のドライバを搭載するモデルでは各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングが重要です。低価格帯はもとより、中価格帯のモデルでも曲によってつながりにやや不自然さを感じる場合があります。前述の通りQKZ x HBB Khanでは7.8mm小径と10mm大径のLCPダイヤフラムダイナミックドライバを採用しておりますが、一聴した限りつながりの不自然さは抑えられておりQKZ x HBBのチューニング技術の巧さを感じられます。
最後に付属ケーブルです。高純度無酸素銅(OFC)を編込み線を採用。中華イヤホンメーカーでは付属ケーブルはリケーブル前提で質を落としコストカットしているところもありますが、付属として必要十分な高品質線材を採用しています。
※宜しければ以前のレビューもご参考ください
QKZ x HBB Khanの納期としては現在(2023/1/13)国内amazonでprime扱いですので当日発送、翌日配達で直ぐに届く安心感があります。AliExpressでオーダーした場合でも感染症の影響は回復傾向であり国内で佐川急便に委託される輸送の場合はかなり安定してきました。尤も平時であればAliExpressならば早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。
そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かるのが気になるところでしたが、最近は円安の影響で国内amazonとの価格差が殆どなく、そのメリットは殆ど感じません。
まあ海外ネットショッピングで心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. QKZ x HBB Khan実機レビュー
それでは、早速実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは黒を基調としたスリーブタイプ。スリーブ表面にはメーカー名やイヤホンイラストなどが賑やかに印字され、裏面にはスペックなどが記載されています。
スリーブを外すと内箱が。こちらも黒を基調とし、中央部にQKZロゴが描かれています。
内箱の上蓋を開けると黒地の内装にイヤホンが収められています。その下側には金色のHBBロゴのメダルが収められています。
メダルの収納された内装を開けると、その下にイヤホンケースが収められています。
イヤホンケースには付属品が収納されています。
付属品はシリコンイヤーピースのS、M、Lの白色黒軸タイプ3種が1セット。他にはケーブル、イヤホンケース、メダルです。中価格A5,000帯として必要最低限の付属品となります。
樹脂製イヤホンケースはQKZロゴ入り。
謎のメダルが付属します。500円硬貨よりも大きく重い。片面にHBBとQKZロゴが刻印されています。用途はわかりませんが記念メダルとして飾ろうかな。
次に本体を見ていきます。
樹脂シェルの艶消し黒に対し、金属製フェイスプレート中央樹脂部には片側にQKZとHBBのロゴがあり、コラボモデルを前面に出したデザインと云えます。比較的シェルの造形はオーソドックスなものでシェルの角は丸みがあり装着感は悪くありません。
肝心のビルドクオリティは、中華イヤホンの中価格A5,000帯として綺麗な仕上りでシェルの合わせ面も綺麗に揃っています。
カラーバリエーションは黒色のみ。落ち着いた色調は普段使いにも問題なさそうです。
付属ケーブルは先述の通り高品質OFC線を採用しています。プレイヤー側コネクタはI字タイプ。イヤホン側はQDC、KZ-Cタイプ2ピン仕様の極性はKZ系と同様に上側がプラスです。この付属ケーブルは被膜に引っ掛かりは少なく、タッチノイズも抑えられています。肝心の耳への装着性や使用感は悪くなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。全体的にしなやかなさはありますので取り回しは悪くありません。
参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しくださいね。
※画像左からTruthear x crinacle ZERO、QKZ x HBB Khan、TiNHiFi C3
KhanとC3、ZEROとの外観の比較として、サイズ感はKhanとZEROはほぼ同じ。C3は横に大きく厚みがなく僅かに体積は小さい印象。造形はKhanとZEROはオーソドックスで似ていて、C3は耳甲介艇の突起があります。
ステムノズルの長さと太さ、角度はKhanとZEROがほぼ同じ。僅かにZEROが長い。C3は角度と太さはほぼ同じですが、短くなっています。
Khanはこの中では比較的オーソドックスな造形ですが、三機種共に耳への収まりが良く装着感は悪くありませんし、C3はその中では最も良好です。
イヤホンとケーブルを接続するコネクタにはKhanがKZ-Cタイプを採用し、他がフラット2ピンコネクタ仕様。KhanはQDC、KZ-Cタイプのためリケーブルの際は注意が必要です。
シェルの材質は、Khanは樹脂と金属のハイブリッドに対し、ZEROとC3はオール樹脂製です。
重量はKhan含め全て比較的軽量。Khanは耳への装着感の良さからは殆ど重さを感じないレベルです。寧ろ耳への装着感はステムノズルの太さに影響を受けやすく三機種共にやや太めと云えますのでイヤピ選びは重要です。
ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり穴が大きめのタイプです。音質への影響のあるタイプと云うよりは異物混入による故障を防ぐタイプの様です。
三機種共にシェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
なお、先述の通り三機種全てステムノズルが比較的太めなものの、実際の装着感は悪くなく、寧ろ付属イヤーピースの形状からは耳に密着させ装着する想定の様子。付属のシリコンイヤーピースで上手くフィットする事ができれば音質的にも必要十分だと思います。
最後にイヤーピースを見てみます。
付属のシリコンイヤーピースは白傘黒軸の一般的な形状の丸穴径、傘の裾野が弾丸タイプ。他社製含むサードパーティー商品との互換性の高い一般的な形状は選択肢が増えますので安心です。
付属白傘黒軸は中高音のクリアさに加え、開口部が小さめでステム開口部からイヤピ開口部までの軸管内部が長めになる構造の為のため、低音はしっかりと感じられる印象です。耳への装着時はイヤピを耳奥へ挿入し栓をすることを想定している様です。付属イヤピで装着感に問題ない場合を除き、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティングを重視し他社製も含めて選択してください。
幸い私は付属イヤーピースでフィッティングに問題なく、音質的にも十分と感じられた為、Mサイズで耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。
低、中価格帯に付属するイヤーピースは装着感が悪く、音質的にも実力を発揮できないと感じますが、今回は付属のシリコンイヤピで上手くフィットできました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれません。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. QKZ x HBB Khan音質レビュー
いよいよ音質についてまとめていきます。
昨年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホはSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。
UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音に脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。
昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。
Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。
より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。
USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。
Shanling UA2は以下を参考ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属Mサイズ、付属ケーブルです。
箱出しで聴いてみた第一印象は「高音は控えめ。中音は下の方に厚みがありますが上の方は見通しが良いすっきりした音。低音は雰囲気が良くしっかりと鳴る音。中低音寄りのドンシャリバランス」です。
箱出しではやや高音域に強調感と低音にボワつきを感じましたが、鳴らし込み後は低音は締まり、雰囲気の良い音という印象です。
音場
空間は普通。前後はそれほど奥行を感じませんが、左右はやや広さを感じられます。立体感はそれほど感じられず、空間の広さもそれ程感じません。狭くはありませんが広さを感じる程ではない普通程度という印象です。
高音域
やや抑え気味に感じられ煌めきは諄さもしつこさもなく響きも適度。上までの伸びやかさもそれほど感じません。その分尖りや刺さりとは無縁です。抑え気味の印象のある高音ですが存在感は必要十分に華やかに鳴りますが、常に前に出るような出しゃばった感じの無い音。
中音域
高音同様に比較的にお淑やかな印象を持ちますが、空間に響き見通しの良い中高音に対し、厚みある中低音が華やな部分を引き立てます。音が集まる団子感や音が重なるゴチャつきは抑えられており、音の立ち上がりの良さから分離や解像感は高い印象です。ボーカルはクリアでやや近め。自然で暖かさのある声色は息遣いを感じられ生々しさも感じ易くなっています。
低音域
量感は多くありませんが十分で響きや広がりを感じます。音階や強弱といった低音域の解像感の高い雰囲気の良さは情感を感じられる鳴り方ですが、決して高音や中音域をマスクすることはなく見通しの良い空間を得られています。ベースラインは追いやすい。重低音は沈み込みは深さがあり、強さもあり中々のものです。
出音のバランス
一言で云えば中低音寄りのドンシャリ。高音域は相対的に控えめですが、主張の強い音ではなく、必要な音を必要なだけ誇張せずに自然に鳴らします。中音域は低音のバランスが強い印象なのにそれにマスクされずクリア。見通し良く整理された音。低音域が魅力的で情感を感じられる鳴り方がKhanの特徴です。
高音の煌めきや響きの良さは前に出るような主張ではなく、必要なだけ鳴る自然な印象。超高音までの伸びはそれ程感じませんがなめらか。その分不快に感じる刺さりや尖りとは無縁です。低価格帯で採用されているようなBAでは強く大きな音で強調されシャリ付く演出感のある不自然な鳴り方ではありません。全体を相対的に見れば控えめのバランスという印象です。
中音は僅かに凹みを感じます。ボーカルと楽器の音はボーカルの周りから少し離れた横や後ろ辺りに位置し奥行はそれほど感じません。低音が強めのイヤホンでは中音が曇ってマスクされたような音に感じる事が多いのですが、Khanでは見通しの良い中音域は分離が良く統制されています。
ボーカルは近めの位置からクリアで聴きやすく、周りの音や高音や低音にも埋もれません。声色は暖かく息遣いを感じられ生々しさも感じられます。女性ボーカルのバラードなどでしっとりとした艶のある声を楽しめます。
低音は量感は十分で響きや広がり、音階や強弱を情感豊かに描いてくれます。それでも低音が強調された強く大きく鳴る音というよりは解像感の高い雰囲気の良さを感じられる質の高い音です。音階や音の強弱の掴みやすさを重視した解像感の高い鳴り方は雰囲気の良い曲との相性は良好ですし、ベースラインが気持ちよく聴こえます。
重低音は沈み込みは深く強さを感じられます。低価格帯の様なただ強く大きく鳴らす音ではなく、情感を感じられます。低音域が高音や中音域をマスクせずに雰囲気良く鳴らす音は音楽を楽しく聴く事ができます。
箱出し一聴した時点でTiNHiFi C3に近しい出音と感じました。C3はもう少し高音域が強めに感じますし、低音域はKhanの方が重厚感があります。一方でC3との大きな違いは高音と中音域です。どちらも自然な高音中音域ですがKhanの方が見通しの良い音であり、華やかさはC3の方が感じられます。この辺りは好みの差と云えるでしょう。両方共に同じような価格帯となりどちらもリスニング寄りですので、分析的にも聴きたい場合はKhanでしょう。しかし、音楽的に聴きたい場合はC3をお勧めします。
次に興味深いのはTruthear x crinacle ZEROとの比較です。ZEROもLCPダイヤフラムの2DDモデルですが、音の傾向が違います。Khanの中低音寄りに対し、ZEROは中高音寄りです。ZEROのレビューを公開できていませんが、下書きの状態の記事を読み返すとこちらも別の海外レビュワーとのコラボモデルでチューニングを監修しており、二人の音に対する嗜好の違いを感じられます。何れ公開する予定ですので、気長にお待ちいただければと思います。
まとめるとQKZ x HBB Khanは中低音寄りのドンシャリです。低音が描く情感はよくある低音強めホンで感じられる中高音域をマスクしていますが、Khanでは見通しの良さが特徴です。低音の方が出音が多めに聴こえるために低音重視と誤解されるかもしれませんが、実はKhanの高音中音域の見通しの良いリスニングサウンドは全体の出音のインパクトを低音に印象付けながらも分離と解像感の高い音は、音楽を楽しく聴く事ができるイヤホンです。
一方でモニター用途としては分が悪く、聴いていて楽しいドンシャリバランスと云えるため低音域以外は不向き。そして高音域のシャリつく刺激的な強さや低音のドンの量が多い強ドンシャリを求め、演奏メインで聴きたい方はもの足りなさを感じ評価が分かれてしまうかもしれません。
高音 ZERO ≧ C3 ≧ Khan
中音 ZERO ≧ Khan ≧ C3
低音 Khan ≧ C3 ≧ ZERO
ボーカル Khan ≧ C3 ≧ ZERO
4. QKZ x HBB Khanの総評
QKZ x HBB Khanは同社が海外の有名レビュワーとコラボしたモデルの一つとなりますが、HBBの嗜好を反映したモデルと云えそうです。そのサウンドはクリアな高音中音域に雰囲気の良い低音域により音楽を楽しく聴く事ができます。ちょっと良いイヤホンが欲しいという、約5,000円で良い音を聴きたいというニーズに応えてくれるモデルと云えます。
最後に、今回は中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2023年1月13日)は国内amazonやAliExpress等で発売されておりますが、国内amazonでは国内amazon倉庫発送となったことと昨今の円安のため、国内amazonでの購入がお勧めです。AliExpressでは少し安価に購入できますが本国発送のため、納期が掛かりますしその入手性には少々難があります。それでも、中華イヤホンの中でもその音質を含めクオリティの高さは十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンに挑戦してみようと検討中の方や間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実な国内正規品取り扱いを待って。少しでも新製品を早く安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
Khan
以下、付属ケーブル、付属イヤピ M、DAC UP5
高音★★★★☆
中音★★★★☆
低音★★★★★
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
C3
以下、付属ケーブル、付属イヤピ M、DAC UP5
高音★★★★☆
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
ZERO
以下、付属ケーブル、付属イヤピ白 M、DAC UP5
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★☆
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがき
今回はいつもの低価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンではなく、中価格A5K帯中華2DDイヤホンの商品のレビューとなりました。日々進化を見せる中華イヤホンはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ