みぃねこの備忘録

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Trn TA1 Maxレビュー ※Trn TA KZ ZES との比較含む

こんにちは。

今回はいつもの中華イヤホンレビュー編として、中価格帯で発売された1BA+1DDハイブリッドモデルのTrn TA1 Maxについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのTRN Promo Discount Store(@TrnDiscount)から購入しました。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもHiFiGo等にて取扱があります。

 

 

 

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1. Trn TA1 Maxについて 

Trn TA1 Maxは以前レビューした同社TA1の後継機で今年4月に発売開始されました。TAシリーズにはバリエーションモデルとして金属シェルのTA1と樹脂シェルのTAという兄弟機があり、搭載ドライバは共通です。このTAシリーズは低価格帯の中華イヤホンではポピュラーな1BA+1DDハイブリッドモデルで、TA1は昨年前半に登場。TAは昨年後半に登場し、どちらもKnowles製BA採用を謳ったモデルでした。そのTAシリーズ最新モデルとして登場したのがTA1 Maxです。

最近のTrnは低価格中華イヤホンのトップランナー、KZのライバルブランドに留まらず、Trnの音を確立するほどまでに成長し今では高価格A30000帯にBAXという新旗艦モデルをラインナップ。中価格A20000帯にはBAX登場まで同社旗艦モデルだったBA15をラインナップ。更に中価格A10000帯に前回レビューしたKirinが登場する等、低価格帯のメーカーというイメージから脱却しつつあります。

それはただ単に低価格から高価格帯のイヤホンをラインナップすれば良いわけではなく、近年Trnが発売するイヤホンは普通に良い音がしバランスが破綻していません。中華イヤホンでよくあるマニアが好むような一点特化で評判が良いわけでもありません。普通に高音質と言って差し支えないレベルで次々と新商品を登場させています。失礼な話、正直なところTrnを2万や3万という価格で買うのかと云われれば、懐疑的になってしまいそこまで手を出せていませんが、ネット上の購入者の評判は良好のようで、前回Kirinを入手し実際に聴いてみたところ、やはり最近のTrnの音でありその高音質に驚かされお気に入りの1本になりました。そんな訳で、これまでのTrnと云えばKZと並ぶ低価格のドンシャリイヤホンという従来のイメージとは違う新しいTrnが、中華イヤホンファンに浸透しつつあるのは間違いないと実感しています。

その最近の「Trnの音」とは、クリアで解像感のある中高音とタイトで強さのある低音の出音に音質特性を流行りのハーマンターゲットカーブとしています。音質特性については当初からそれを狙ったものなのかは判りませんが、間違いの無い音であり高音質と云えます。

 

さて、今回は今勢いのあるTrnの中価格A5000帯1BA+1DDハイブリッドモデルを取り上げます。TA1 Maxは前作TA1の後継機となりますが、先ずは前作からの進化を確認していきます。

Trn TA1 Maxのスペックですが先述の通り中華イヤホンの低価格帯で多く採用されている高音域用のバランスドアーマチュアドライバ(BA)を1基と中・低音域用のダイナミックドライバ(DD)を1基搭載した片側デュアルドライバ構成のハイブリッドモデルで、BAはステムノズル内に配置しています。

ドライバ構成はBAには前作TA1同様にKnowles製33518を採用し、中華BAを採用している他の低価格1BA+1DDハイブリッドモデルとの差別化と高音域の質の改善を狙っていることが窺えます。

ダイナミックドライバには直径10mmのベリリウムコート振動膜を採用。前作TA1では直径8mmの二重磁気ドライバを採用しており、ダイナミックドライバが進化しています。

次に、TA1 MaxではケーブルコネクタがKZ-Cタイプを採用。前作TA1のmmcxコネクタから変更されています。また、シェル本体の形状は前作TA1を踏襲した造形ですが、デザインが異なるもののTA1の後継モデルと云える意匠で、シェル本体はオール金属製と前作と同様です。

スペックからは中価格帯のモデルとして搭載ドライバにもコストを掛けていることが分かります。

 

※宜しければ過去記事もご参考ください

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Trn TA1 Maxの納期として今回AliExpressでオーダーしたため国内amazonの様に当日発送、翌日配達とはいきません。昨今はかなり回復していますが、AliExpressで購入した際は早くて約1週間。通常10日から2週間。遅いと3週間から1か月以上。万が一の不良の際には返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く(現在は円安の影響でほぼ価格のメリット無し)入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2. Trn TA1 Max実機レビュー 

それでは、実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調とし表面が黒色のアクセントがあるTrnの箱で、スリーブタイプの化粧箱です。
箱の表にはイヤホンイラストのプリントと機種名が印字されています。

 

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スリーブを外すと白地の内箱が。表面にメーカーロゴが印字されています。


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内箱の上蓋を開けると黒地の内装の台座にイヤホンが収納され、台座の下側にイヤホンケースが収納されています。


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イヤホンケースを開けるとイヤーピース、ケーブル等の付属品が収納されています。

 

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付属品はシリコンイヤーピースが白色タイプのS、M、Lの3種と黒色タイプのS、M、Lの3種の計2セットに加え、フォームタイプが1組とイヤホン本体に取付済みのTrnで以前付属していた黒傘赤軸イヤピの白色白軸タイプMサイズが1組。他にはケーブルとケーブルバンド、6.35mm-3.5mm変換プラグ、イヤホンケースです。発売当時6,000円台、現在(2022/8/13)は5,000円台の中価格帯として実用的な付属品となります。

つぎにイヤホン本体を見てみます。

 

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ビルドクオリティですが、中華イヤホンで心配されるような雑なところを感じない、綺麗な仕上がりです。

カラーバリエーションは銀色と黒色の二色。今回は銀色を購入しました。

続いてケーブルを見てみます。

 

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付属ケーブルは4芯銀メッキOFC銅線、白(銀)色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプでTrnロゴ入り、イヤホン側はKZ-Cタイプ、2ピン仕様、KZ極性(上がプラス)です。この付属ケーブルは耳への装着性や使用感は特別良くも悪くもなくシュア掛け用にチューブで癖付けされています。最近のTrnに付属するケーブルと同等でやや絡まり易いものの、しなやかなものとなり低価格帯に付属するケーブルの中ではそれ程悪い印象はありません。そのためそのまま使用できます。この白色ケーブルは綺麗な色味をしていて、シェル本体の銀色にも合っていますので普段使いでは気になりません。

参考までにこのシュア掛け用のチューブでの癖付けがどうしても耳に合わない場合には、みぃねこはこのチューブをライターで焙り(チューブに火を直接当てる=炙る。誤解しないように!)、自分の耳に合うように癖付けを手直しています。これによって良い塩梅に調整し装着感を改善することができますので自己責任となりますが、興味のある方はお試しください。

 

※画像左からTrn TA、Trn TA1 Max、TiNHiFi T3 

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Trn TA1 MaxとTrn TA、TiNHiFi T3との外観の比較として、TAが一般的なサイズ感でありますが、三機種のサイズ感としては一番大きく、TA1 MaxとT3はほぼ同じ。

TA1 MaxとT3は円筒型の造形で、TAはシェルの造形はカスタムIEM風のオーソドックスな横に広いタイプ。T3は円筒部が長く、TA1 Maxは円筒部の直径がやや大きめの造形です。

ステムノズルはTrn TAが一般的な長さとすればTA1 Maxは少し短く、T3は一番短い。太さは三機種共やや太め。角度はT3は円筒に対し垂直、TAがやや寝ていて、TA1 MaxはTAよりもやや起きています。

また、ステムノズル部には全てにメッシュフィルターがあり異物混入による故障を防げます。そしてT3のフィルターはTA1 MaxやTAの丸穴と違い、音質に影響がありそうな所謂細目フィルタータイプ。TAの丸穴の数はTA1 Maxよりも多くなります。

重量はTAが一番軽量ですが、TA1 MaxよりもT3の方が僅かに重さを感じます。それでも装着時には殆ど差が分からないレベルで、三機種共に耳への装着感は悪くありません。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからは3機種共にシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

なお、先述の通りTrn TA1 Maxのステムノズルは太目であり、太いステムノズルは装着感に影響があり、イヤーピースによって圧迫感を感じやすくなりますので、イヤーピースのフィッティングは重要です。


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付属イヤーピースはTrn Kirinに付属するタイプと同じです。発売はTA1 Maxの方が早いので、そのあたりから標準添付化したのかもしれません。個人的に従来のTrn付属の赤軸黒傘イヤーピースでは傘のコシは良いのですが若干パサつきを感じました。このTA1 Maxに付属するイヤーピースの白色タイプは適度なしっとり感があり遮音性も十分に感じます。特にイヤホン初期装着の白色白軸タイプは背がやや低めで傘の広がりが早い形状のため私の耳にはフィットしやすいです。

音質的には付属黒色タイプは従来のTrn付属赤軸黒傘イヤピと同様に中低音に厚みを持たせるタイプ。白色は中高音がクリアに聴こえるタイプのようです。白色の方がやや開口部が大きく高音がダイレクトに届くタイプです。

この付属初期装着白色イヤーピースで私は耳の奥に栓をするように装着しフィットしています。

低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じます。今回は付属のイヤピで上手くフィットした為、そのまま使用しました。この辺りは個人差があるかもしれません。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えない他メーカー、サードパーティー製へ交換する事をお勧めします。

 

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3. Trn TA1 Max音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今年から再生環境を更新し、スマホとUSB-DACの組合せを基準としてレビューを行います。スマホSony Xperia 5 IIを。USB-DACにはShanling UP5の組み合わせです。Xperia 5 IIは音質にも拘ったandroidスマホの代表として。Shanling UP5は同社のエントリーハイDAPであるM3X相当の音質と云えます。

UP5の音質傾向ですが、高音は演出感が少なく自然に鳴らし綺麗に聴こえます。低音脚色は無くしっかりと鳴り量感に不足はありません。中音は特に違いを感じ、音場が左右に広がり解像感と分離感は良好です。ボーカルはクリアですが淡々と聴こえ、艶とかリアルさはそれ程感じませんが、エントリーハイDAPと比較してもレベルの高い音質と云えます。

昨年はSony NW-ZX507を使用していましたが、やや演出感のあるドンシャリはメリハリがありグルーブ感のある音はSonyの音で音楽を楽しく聴く事が出来ました。しかし、音質レビューという役割にはM3X相当のUP5の方がモニターライクながらも、決してつまらない音ではなくリスニングでも使えて万能と考えたからです。

Shanling UP5をUSB-DACで使用した音質が気になる方は以前の「Shanling UP5レビュー【USB-DAC編】」をご覧ください。

 

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より上位のUSB-DACとしてShanling UA5もご参考ください。

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USB-DACのエントリークラスでも十分な音質変化が楽しめます。

Shanling UA2は以下を参考ください。

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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピは付属のイヤホン初期装着白色Mサイズ、付属ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「低音がボワつき気味。高音にシャリつきは無く、中・高音はすっきりとしてクリア。ボーカルはクリアで聴きやすい」でした。

箱だしでは低音の主張が強く膨らみ緩さを感じたので先に鳴らし込み。低音は落ち着き、締まりのあるタイトな音に。箱出しで低音過多に感じた部分は無くなり高音中音と低音のバランスが良くなりました。

 

音場

広くも狭くもない普通からやや広め。奥行も感じられますが、左右の空間の方に広さを感じられます。

 

高音域

高音は煌びやかさがあり伸びやかで華やかさは適度、刺さりは感じません。響きは良く上までの伸びやかさも感じられます。華やかに鳴りますが、常に前に出るような主張はなく尖りも感じません。

 

中音域

中音は適度な華やかさがあり、分離感は良好。音数の多い曲でもゴチャつきを感じ難く、低価格帯でよくある音が中心に集まる団子感や音が重なるゴチャつきを感じません。キレの良い音は立ち上がりも良く解像感は良好。ボーカルはクリアでやや近い位置から聴かせてくれ、僅かにドライ気味です。

 

低音域

量感は抑えられ、芯のある低音はキレは良好。ベースラインも追いやすい。重低音の沈み込みはそれほど深さを感じませんが、芯の強さがある音。

 

出音のバランス

一言で云えば明るい中高音寄りの弱ドンシャリ。出音は高音と低音が強くなく、ボーカルが聴きやすいバランスです。

 

高音は他の音域に埋もれずに煌びやかで華やかさは十分。超高音までの伸びも感じられます。小さな音も他の音域に消されずに表現し、余韻も感じられる。これは中華BAの不快に感じる尖りを感じない上品な印象です。その一方で鋭さは抑え気味のため地味に感じられるかもしれません。

中音は凹みをほとんど感じられず、高音域同様に華やかにキレの良い音を鳴らします。演奏はボーカルの周りやや後ろに位置し決してボーカルを邪魔しません。音の広がりや余韻を感じられ、高音同様に小さな音も聴き分け易く解像感は良好です。

ボーカルはやや近く感じ、クリアではっきりとした声を聴くことができますが、しっとりとした雰囲気を楽しみたい場合には相性を感じる場合があるかもしれません。ドライ気味ながらはっきりした声は空気感や息遣いを感じられます。

低音は量感は抑えられており、広がりはそれ程ありませんが全体的に締まった音を鳴らします。その量感は少ないものの不足を感じるほどではなく、ゆったりとした曲では余韻も感じられますし、アップテンポでスピード感のある曲ではキレの良いタイトで強さのある芯を感じられますが、相性が良いのはアップテンポな曲という印象です。

重低音は沈み込みはそれ程ありませんが、十分に強さを感じます。それは高音や中音をマスクする様な主張の強い低音では無く、過不足ない低音という印象です。

全体的にみて高音や中音域は華やかさがありますが、余韻を感じられ前面に出るような鳴らし方ではなく、ボーカルを中心に必要な音を必要なだけ鳴らし音数が多いハードな曲でも音の重なりを感じ難く、団子感を感じない分離の良さがをあります。出音も過度な華やかさの無い鳴り方は演出感が少なく、解像感は良好。ボーカルを支えその周りで過不足なく聴くことができます。

 

これらのバランスは以前レビューしたTrn TAに近いものの、低音はTA1 Maxの方がしっかりと鳴らしてくれます。前作TA1の中低音が濃い暖かさのある音とも異なります。低価格帯で評価の高いKZ ZSN pro Xのドンシャリとも異なります。KZ ZSN pro Xでは中・高音が派手に鳴り、低音は強さがありますので、それとは出音の傾向が違います。強いて云えばTA1 MaxはTAとTA1の中間に位置し中高音寄りで、それらと比べると最も最新のTrnらしさのある音を聴かせてくれます。

また、TAでは全体的にやや音の薄さを感じますが、TA1 Maxでは音に厚みがありながらもTA1の様に濃すぎず統制された中音域を聴かせてくれます。加えてボーカルはTA1が暖かさのある声を聴かせてくれましたが、TA1 Maxではニュートラルに近いもののTAの傾向と同じドライ気味。これは好みが分かれるかもしれません。

KZ ZESとの比較では、高音はZESの方が伸びやかで繊細さがあり、特に中高音はZESの本領発揮と云えます。加えて低音も力強さがあります。中音は僅かに凹みを感じますが、分離や解像感はZESの方が一枚上手。ボーカルが聴きやすいのはTA1 Maxです。

同じ中価格帯のTiNHiFi T3と比較すれば、T3の中高音域の見通しの良いクリアな音には一歩敵いませんが、解像感は良い勝負。T3はそのクリアさが音を薄く感じさせる部分もあり、好みによります。特に違うのは低音です。T3は再生環境をそれなりに用意しないと1BAの低音の様に軽く物足りない音になってしまいますので。

 

さて、他機種との比較をしてみましたが、Trnの最新の音らしい「中高音寄り」の音をTA1 Maxでも完成度を高く聴かせてくれます。数年前のTrnの印象からは現在は全く異なり、新しいTrnの音を確立したと云えるのかもしれません。

いずれにせよTA1 Maxの音質傾向はこれまでの低価格帯のポピュラーなドンシャリとは一線を画す整った音と云えます。

 

※以前のKZ ZESのレビューもご参考ください

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※以前のKZ ZSN pro Xのレビューもご参考ください

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miineco106.hatenadiary.jp

 

まとめるとTrn TA1 Maxは前作TA1の後継機ながら、その音質傾向はTAに近いものの、それらの中間に位置するところ。それは新型ダイナミックドライバによって中音域を質感の高いものに変更したモデルと云えそうです。Trnの音をレベルの高いところで実現するためには一定のドライバの品質も重要と云え、その結果、同社の中価格1BA+1DDハイブリッドモデル最高音質と云え、万人が普通に良い音と感じられる音は他の中華イヤホン中価格帯と比較しても抜け出している印象です。

なお、TA1 Maxは低価格帯にはリスニング用途としての聴いていて楽しいドンシャリバランスを求める方には評価が分かれてしまうかもしれません。

 

高音   ZES ≧ TA1 Max ≧ ZSN pro X (質感の順。出音の強さはZSN pro X)

中音   ZES ≧ TA1 Max ≧ ZSN pro X (整っている順)

低音   ZES ≧ TA1 Max ≧ ZSN pro X (質感の順。出音の強さはZSN pro X)

ボーカル TA1 Max ≧ ZES ≧ ZSN pro X (質感の順)

 

 

4. Trn TA1 Maxの総評

Trn TA1 Maxは同社の最近のTrnの音であり同社の1BA+1DDハイブリッドモデルの中で最高峰の音質と云えます。一方でKZの明るい派手な音とは異なりますので、嗜好によりその評価は分かれるかもしれません。とはいえ、5,000円で購入できる中華イヤホン中価格帯の中でお勧めできるトップに位置する出来と考えます。

 

最後に、今回は今年4月に発売された低価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2022年8月13日)はAliExpressで5,000円台の価格で販売し、セールでは5,000円を切ります。国内amazonでも5,000円台の価格で販売しています。一方AliExpressでオーダーした場合の入手性は一時期よりも改善しておりますが、国内amazonよりも時間が掛かりますし、昨今の円安がネックです。とはいえこれまでの中価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressやHiFiGoでの購入も検討してみてください。

 

TA1 Max

以下、付属ケーブル、付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★

※☆0.51.0

 

ZES

以下、付属ケーブル、Trn付属白イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★
分離★★★★
お勧め度★★★★★  

※☆0.5、★1.0

 

ZSN pro X

以下、付属ケーブル、付属溝無黒イヤピ M使用、DAC UP5
高音★★★★ 
中音★★★☆  
低音★★★★ 
音場★★★☆
分離★★★
お勧め度★★★★★ (演奏重視の方に)

※☆0.5、★1.0

 

 

あとがき

今回は中価格中華1BA+1DDハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、中華据え置き機器や複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ