みぃねこの備忘録

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JSHiFi RB8 ケーブルレビュー ※TRI Starseaをリケーブル

こんにちは。

最近は中華低価格イヤホンレビューをさぼっています。それなのに今回もイヤホンではない中華ケーブルレビューをしていきます。

今回は先日発売されたJSHiFi RB8ケーブルのレビューをまとめたいと思います。

国内amazonのJSHiFi(@xiaoxia76571098)から購入しています。

 

 

 

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1. RB8ケーブルについて 

JSHiFi社は以前レビューした同社Hi8ケーブル、GYT8ケーブル、D4Gケーブル同様に数多ある中華ケーブルの中でも品質の高い線材を使用した後発メーカーの強みとしてコストパフォーマンスに優れたモデルを販売しています。そのJSHiFiが従来他社よりも安価なエントリー帯のHi8に続き、これまた従来より安価なミドルレンジで組合わせやすく使いやすいGYT8を。より高級線材を採用しながらもそのクラスに収めたD4G。そしてD4Gで終わらずに同社のハイクラスとして今回RB8ケーブルがラインナップに追加、新発売となりました。

これまでの中華ケーブルは3年ほど前の16芯銀メッキOFC(無酸素銅)ケーブルが6,000円?安い!8芯銀メッキOFCケーブルが4,000円?安い!!から、現在の16芯銀メッキOFCケーブルが3,000円??8芯銀メッキOFCケーブルが2,000円と3年前の半値という市場に変化しております。販売価格の変化は単にものの値段の下落、所謂デフレという事ではなく、競業他社との価格競争という事だけではなく、そもそもの製造原価が、という方がしっくりくる部分もありますが、そこは純粋にメーカー各社の努力と考えるようにしています。

また、その販売価格の変化は同時に一時期の銀メッキOFC主義から、線材そのものの高品質化と高価な線材が注目されるようになり、単結晶銅(OCC)をベース線材とする3年ほど前はン万円の超高級ケーブルでしか見たことがないものが、僅か数千円で手に入れることができるようになりました。

数年でここまでの価格破壊のあった中華ケーブル市場にJSHiFiは先述の通り、更に後発メーカーの強みをセオリー通りに従来の中華ケーブルの価格帯から更に下げた価格のラインアップ展開でオーディオファンの間で注目度が高まっています。

 

さて、以前のケーブルレビューでも触れましたが、中華ケーブルは国内外有名メーカーの何分の一の価格で提供しており、リケーブル効果を安価に楽しみたい方や、その効果を試してみたいけど、国内外有名メーカー製は高価で手が出せない方(含む筆者)の味方としてそのポジションを確立してきました。

数年前までの中華ケーブルは品質の高い線材を採用した多芯タイプが主流でしたが、現在は当時の約半値で購入できる圧倒的なコスパで猛威を奮う、そんな市場の状況です。

そして現在は他社で24芯タイプという更なる多芯化や新たな線材としてグラフェンを採用した線材が発売されるなど、新たな展開が始まっています。確かに数年前までは多芯化は正義でありステータスでしたが、現在は多芯モデルはイヤホンとの相性が敏感という事が定着し、ケーブルとしての品質・性能が高くても使いどころに難さを感じる事が分かってきています。

そして新たな価値観が生まれます。

「スペックを追求せずに用途に合わせて中華ケーブルを選択する」というもの。

それは、4芯や8芯タイプであっても「品質の高い線材」を採用し、「線材の特徴を活かす」ことができる中華ケーブル。それが「安価で購入できる」のであればユーザーとしては「何よりも助かる」訳です。

低価格化の進む中華ケーブルの中で16芯等の多芯タイプは低価格化に伴い採用する線材のグレードが下がっている訳ではなく、寧ろ従来の16芯タイプと同等以上の高品質な線材を採用されているようです。そのため音の変化を十分に感じ音質変化を楽しめるモデルとなっています。とはいえその線材は流石に中華ケーブルの高級ラインナップと比べるとそこまでハイグレードなものでは無いようですので過度な期待は禁物です。

なお、近年の中華ケーブルは低価格化が進む一方で高級化という二極化が進んでいると云えます。これにより従来の付属品ケーブルから低価格帯のケーブルにリケーブルするお試し層(含む筆者)と高価格帯イヤホンを高級中華ケーブルにリケーブルすることで更なる高みを望む層(羨ましい)がそれぞれの楽しみ方で満喫できるのがこの中華ケーブルの楽しみ方だと考えています。

 

業界は違えどメーカー側の余談と聞き流していただいて構いませんが、「製品」としての中華ケーブルの高級化は「輸入線材」や「単結晶銅線(OCC)」採用等、「6N」、「7N」という純度を売りにした高品質で上質な線材の使用を謳っており、マニアの心を掴んでいます。とはいえ、気になるのが価格です。もちろんそこは中華ケーブルですので国内メーカーでは1本数万円、上をみれば10万円なんていうケーブルもあります。それらと使用している線材が同じ(という話らしい)にも拘らず1万円程度で購入できるという価格破壊ぶり。 過去には某国内有名メーカーが採用するキ〇バーケーブルと同じ線材を使用した中華キン〇ー風ケーブルが話題になりましたが、その時も2万円が5千円という価格で発売されています。使用している線材の真偽はさておき、製造原価の占める割合の内、材料費もさることながら人件費でも吸収できる中華に対抗するのは容易ではないのが現状です。尤も「品質」という考え方は文化の違いがその取り組みに対して大きなギャップがあります。これがもしも日本に寄せてきた場合、その時は日本が降参するしかなくなるかも知れません。

 

閑話休題。そんな低価格化と高級化の二極化が進む中で、中華ケーブル中価格帯でありながら同社のハイクラスモデルとして新発売されたのがJSHiFi RB8ケーブルです。

これらは以前レビューした同社Hi8が同社の中で1,000円台のエントリーモデルとなるものの従来の他社3,000円前後のケーブルと同等の品質の銅線(OFC)に銀メッキを施した線材を採用し芯線を8本とすることで安物感が無く、初めてのリケーブルに。

次にそしてGYT8では金メッキ銅線と銀メッキ銅線と銅線の三種混合線の8芯としそれぞれの線材の良いとこどりしたミドルグレード線材を採用する得手不得手の少ない合わせやすいケーブルで3,000円を切る価格。

また、同クラスの異種、D4Gでは単結晶銅線(OCC)に金メッキを施した高品質線材を4芯とすることでハイグレード線材を採用し、ラインナップの中でも音質変化を最も楽しめ3,000円を僅かに超える価格。

それらの上位モデルとしてこのRB8ケーブルには単結晶銅線材に金メッキと銀メッキを施した混合線材というハイグレード線材を採用し販売価格も6,000円台と一気に上がっていますが、現在(2021/06/05)amazonでセラー割引?があり650円の引の5,000円台半ばで購入できるようです。

技術者目線で考察すれば線材の素材は重要です。電流が流れやすい素材として金銀銅の中では銅よりも銀です。実は金はそうでもありません。金は銅よりも低くなります。では世間では何故機器接続に用いられるケーブル端子類に金メッキ端子を採用するのかと云えば、銅や銀は酸化による電気特性の変化が大きく、その点金はそれらよりも電気特性が安定し維持されるため接点には金メッキが採用されている訳です。つまり線材にもより電気特性の優れた線材を採用することで長期にわたり安定した性能を維持できる方が有利と一般的には考えられています。

話はそれましたが、ユーザーにとっては理屈はどうでも良くて、価格が高くて良いものは当たり前であり、国内有名メーカーだろうが中華だろうが関係なく安くて良いものが喜ばれます。

 

そんな訳で庶民の味方JSHiFi RB8ケーブルを入手しました。D4Gは分かりやすく高級OCC線材を採用し安価に収めるために4芯でしたが、RB8ではOCC線材を金メッキ、銀メッキをそれぞれ4芯の計8芯とスペックは申し分無く、楽しみで仕方がありません。

 

 

2. RB8ケーブルの実機について

それでは実際にケーブル実機をみていこうと思います。

 

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パッケージはお世辞にも豪華とは言えませんが、他社の低価格帯と同様に簡素なもの。

JSHiFiでは「商品にコストを注力」しているとのこと。個人的にその潔さは嫌いではありません(賛辞)。

 

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今回購入したのは4.4バランス、2ピン仕様です。2ピン極性はイヤホン上側がプラスになるKZ系と同様の仕様です。

一見すると派手な線材が編込まれたネタ商品に見えますが、その中身、つまり線材には一本一本の太さのある高価価格帯のケーブルと遜色ない高品質な単結晶銅線(OCC)に金メッキと銀メッキを施した線材を採用しています。端子等の外観ではプラグやスプリッター及びコネクタ部にカーボン調のデザインが採用されており、特にプラグやスプリッターはその大きさから重厚感を演出。インパクトのある線材とプラグ類に安っぽさを感じさせない部品がそう感じさせるのかもしれません。惜しいのは線材の被膜はビニル素材を採用しているためやや引っ掛かりを感じますが、十分使いやすく取り回しは良好といえます。


参考としてRB8ケーブルを以前レビューした同社D4G及びGYT8ケーブルと外観の比較をしてみました。

 

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D4Gは4芯のため一番細め。GYT8とRB8は同じ8芯ですが線材1本の太さがRB8の方が太く、編込みもしっかりとしていて、特にプラグとスプリッターもそれらよりも一回り大きいことから重厚感を感じます。

 

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そして今回RB8はTRI Starseaに使用してみました。

Starseaのフェイスプレートのデザインと意外とマッチしていると思います。夜の深い海とそれを見守る漆黒の空をイメージした静かで穏やかな夜の海を思い浮かべます(自己満足)。

…まあ、そのイメージについては異論を認めます(笑)。

 

ちなみに、今回RB8にリケーブルするまでStarseaには他社製の16芯銀メッキOFCケーブルを使用していました。

 

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所謂3年ほど前に同価格帯で販売されていたモデルですが、現在との志向の違いを感じさせられます。当時は多芯化競争の真っ最中で、細めの線材を多数化することで売り文句にしていた訳です。

尤も線材は兎も角、RB8のプラグとスプリッターはもう少し細くても良かったんじゃ…と思わなくもないですね。実際RB8はかなりの重量級です。シュア掛け前提の耳掛けチューブ形状からも、しっかりとシュア掛けで使うことでその重量感を感じ難くしてくれます。

 

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ZX507のバランスジャックに接続してみるとそのプラグの太さが際立ちますよね。 

 

JSHiFi RB8ケーブルの納期ですが、流石の国内amazon、当日発送、翌日配達です。もしAliExpressで購入した場合、スタンダードシッピングでは早くても約2週間。通常2週間から1か月程度待つことになります。尤も、RB8ケーブルは国内amazonの取り扱いのみとなります。※2021/06/06 修正

そんな訳で、一般的にAliExpressでの購入では国内で購入するより安いが届くのに少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

3. RB8ケーブルの音質変化について 

それでは、いよいよJSHiFi RB8ケーブルの音質変化レビューです。

 

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先述の通り今回はRB8をTRI Starseaにリケーブルして音質の変化についてまとめていきます。

再生環境はいつものSONY ZX507に4.4バランス接続です。

 

※よろしければ以前のTRI Starseaレビューもご参考ください。

miineco106.hatenadiary.jp

 

それではリケーブルして実際に聴いてみます。 

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

Starseaはレビュー時同様にスパイラルドット MSサイズ。付属ケーブルを使用し、SWはデフォルト(全off)です。

始めにレビュー時のStarseaをおさらいします。

高音域はシャリつくような華やかさではありませんが、十分な存在感を示し伸びの良さと響きの良さを感じます。

中音域は凹みを感じず、高音域や低音域は主張が強くない為に中音域の音の濃さを楽しめます。また、音の濃さを感じられ響きが良く分離の良さが感じられ解像感も良好ですが、音数が多い曲ではボーカルと演奏が僅かに埋もれることがあります。そのボーカルはクリアで聴きやすく滑らかさがありますが音数が多い曲ではその良さがやや失われます。ただしバラードでは女性ボーカルとの相性は良くすっきりクリアに聴こえます。

低音域は適度な量感ですが、芯がある強さが曲を下支えし心地良さを感じます。それ故に曲によっては中高音の華やかさが目立ち、物足りなく感じてしまうかもしれません。低音の解像感は良好で音の強弱は十分に掴め、質は良く所謂量感でお茶を濁してはいません。一聴すると低音のメリハリから低音域重視に感じますが、フラットに近いややドンシャリは、煌びやかで華やかな中高音域とリズミカルながらも低音域を強調させずにバランス良く表現し上手くまとめているというものです。これが16芯銀メッキOFCケーブルにリケーブルすることで、高音域の華やかさが増してややドンシャリ感が強く感じますが、嫌な感じに強調された訳ではなく聴いていて楽しいリスニング調に変化しました。

これをRB8にリケーブルすると一聴して音のなめらかさに気が付きます。特に中音域のなめらかさはStarseaの特徴を更に進化させた音色であり、落ち着いた大人の音質に変化した印象です。

また、主張が強くなく大人しく聴こえていた高音域は透き通るような空間の中にはっきりと表れ、元々伸びやかだった高音域が更に良い印象に変化します。具体的にはシンバル等の金属音がここというときにくっきりとして存在を示す。伸びやかさではシャーンという伸びながらやがてゆっくりと消え入る様を感じられます。低価格帯の尖りを感じるギリギリを攻めた解像感や躍動感とはレベルの違う音であり、真骨頂と云えます。

中音では高音同様に伸びやかに音の消えていく様が掴みやすく、これは付属ケーブルや16芯銀メッキOFCケーブルでも十分だと感じられたなめらかさが、実はざらつきがある音であり、そのレベルを一段上げた感覚をその透き通る空間から感じられます。この辺りは個人的に単結晶銅にリケーブルした時の感覚をより感じらます。

低音域は量感は抑えられ締まりのある音に。強さをより感じられ音の輪郭が見えやすくなります。そして中音と低音の間、中低音に厚みがでてきます。中高音寄りだったStarseaが中音に寄ることでよりフラットで僅かに中低音に寄った音が全音域でのなめらかさを増し、Starseaの中高音域の余計な音を鳴らさない澄んだ音へ変化させ、高音の煌びやかさを必要な時にしっかりとさせることで、平淡な音ではない奥行きの感じられる音になった印象です。

そのため、基本的に中・高音域寄りのStarseaが好きな方はちょっと異なる方向性に感じられるかもしれません。その場合には同社D4Gの方が良い印象を持たれるかもしれません。

そして、見通しの良い澄んだ音が好きという方にはRB8はお勧めしやすいですね。

 

まとめるとJSHiFi RB8ケーブルは同社のD4G同様にラインナップの中でもより変化を感じやすく、D4Gケーブルでは高音域を伸ばす変化を。全体のなめらかさと中低音を充実させたいときはRB8ケーブルを試して欲しいケーブルと云えます。

加えて、GYT8ケーブルではイヤホン本来の性能を付属品ケーブルでは発揮できていない場合にその傾向を大きく変えずに全音域を少しずつ強さをだす変化させる意図に合いそうです。

 

 

4. RB8ケーブルの総評 

さて、JSHiFi RB8ケーブルは同社D4GやGYT8ケーブル同様に中華ケーブルのハイコスパケーブルであり、特にRB8やD4Gではリケーブルによる変化も十分に感じられ、他社製品よりも後発の有利さを活かし安価でお勧めしやすいケーブルとまとめました。

そしてその価格からは流石に高級帯のケーブルには届かない、限界を感じる部分もありますが、手持ちのイヤホンに安価に変化をつけたい。変化をさせて楽しみたい場合にお勧めできる商品だと思います。

 

最後に、今回は国内amazonで6,000円以下で購入できる低価格帯の中華ケーブルの紹介となりました。現在(2021年6月5日)はamazonでのみ発売されており、AliExpressでの取り扱いはなさそうです。そのAliExpressでは入手性には現在も難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、低価格中華ケーブルの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの購入をした方が良さそうです。

 

 

あとがき

今回は中価格帯中華ケーブルの新商品のレビューをしてみました。今後もヘッドホンアンプや従来通り複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホン同様にケーブルにも挑戦してみようと思います。

今後も気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ

 

※2021/06/06 現在販売は国内amazonのみ。