こんにちは。
今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されているBQEYZ Summerについてレビューをまとめたいと思います。
国内amazonのBQEYZ Audio Japan(@BqeyzA)、kukaka(販売店名)から購入しています。
AliExpressのBQEYZ Official Store(@Elle_Zhou163)でも販売しています。
1. BQEYZ Summerについて
BQEYZ Summerは中価格帯A10000-U20000の多ドラハイブリッドモデルです。BQEYZブランドと云えば一昨年発売されたSpring1や昨年のSpring2の評価が高く、中価格帯のお勧め機種と云える商品です。
そのBQEYZブランドの最新モデルとしてこのSummerが発売されましたが、先述のSpringシリーズの金属シェルに対し、Summerは樹脂シェルとなり価格も抑えられていることからラインナップとしてはその下位モデルと云えそうです。
また、Summerでも上位モデルのSpringシリーズでも搭載されているピエゾ(Piez)ドライバは踏襲されており、そういう意味では上位下位というよりもシェルの素材違いのバリエーションモデルと云えるのかもしれません。
尤も詳細は後述するとして、搭載しているドライバはそれらモデルによって異なり最適化されていてBQEYZの音づくりのこだわりも感じられます。思い返せばSpring1登場の際、多層ピエゾドライバ搭載が話題になりましたが、これまでもBQEYZは話題先行というよりも高音質を追い求めた「結果」であり、奇を衒った訳ではなさそうです。そして肝心の音質は評判も良く、BQEYZブランドの安定した音質傾向はKZ系のようなインパクトは無いかもしれませんがその良さは口コミで広がる、そんな質実剛健な製品を世に送り出しているメーカーですね。
さて、BQEYZ Summerは1BA+1DD+1Piezのドライバ構成で販売価格が14,000円と、中価格帯の中華多ドラハイブリッドモデルの他モデルと比較すればやはりピエゾドライバが目を引くモデルです。もちろんそのピエゾドライバはSpringシリーズ同様に多層型。最初のSpring1では7層ピエゾ。次のSpring2では9層ピエゾ。このSummerでは5層ピエゾと、そういう意味では積層数は一番少ないため従来モデルよりもインパクトに欠けます。何よりも中華イヤホンはこのスペックがこの値段で?という層には刺さり難い地味な商品と云えるのかもしれません。
先述の通りBQEYZブランドのイヤホンの音質には定評があり以前レビューしたSpring1ではなめらかで解像感の高さも感じるフラットで美音系の音質傾向は、個人的に好みで今でもお気に入りの一つです。以前も触れましたが低価格帯の多ドラや複数BA機にはまだまだ結構な差があるように感じていて、低価格帯の足し算と中価格帯の引き算の音のつくり込みが違うと認識しています。昨年くらいから低価格帯もかなり良くなってきていますが、それでもまだ考え方が違うのだろうなとは感じます。
実際一聴してBQEYZ Summerは低価格帯のモデルとはやはりレベルの違う音を聴かせてくれますし、聴いてみなければ判らないのが中華イヤホンの醍醐味でもあり、これが沼という事なのでしょうね。
そのため今回の比較にはやはり同社のBQEYZ spring1が適切と考えています。
※中価格帯BQEYZ spring1の過去記事もよろしければご参考ください
いつも通り前置きが長くなりましたが、中価格帯A10000-U20000の多ドラハイブリッドモデル、BQEYZ Summerと同社のBQEYZ spring1との違いを中心にレビューを纏めていきたいと思います。
BQEYZ SummerはカスタムIEM風デザインが採用されていて、BQEYZ spring1のオーソドックスなデザインとはやや異なります。シェルは先述の通りSummerは樹脂製。spring1は金属製となっており、両方ステムノズルには金属が採用されていて、ステムノズルを除くSummerの樹脂製シェルがSpring1と比べ音質傾向にどのように違いがあるのか気になります。Summer本体のサイズ感はspring1よりも僅かに大きくなりますが、カスタムIEM風の造形であり樹脂製シェルは軽量のため肝心の耳への収まりは悪くなく、装着感は悪くありません。いや寧ろ良い方だと思います。女性や子供の様に耳が普通より小さいなどの余程のことがない限り苦労することは無いと思います。
Summerのスペックは先述の通り、片側1BA+1DD+1Piezドライバ構成ですが、BAにはSpring1/2で搭載したBQEYZのカスタマイズBAの改良型2nd Verを採用。DDにはSpring1/2のDDではなく13mm径とサイズこそ同じですが、PUとLCPの複合素材振動板の新型ダイナミックドライバを採用。そしてPiezには5層ピエゾドライバが採用されています。
それぞれ3種のドライバは超高音域から高音域を2nd VerカスタマイズBAが担当しステムノズル内部に配置。高音域から中音域を5層ピエゾが担当。中低音域から低音域を新型DDが担当しPiezと同軸にシェル内部に配置。シェルには音の籠りを防ぐために抜け穴が設けられています。
この辺りは実際に聴いてみたところ、多ドラハイブリッドモデルとしてすっきりとしながらも十分な音の濃さと音場の広さが感じられ、低価格帯の直接的なそれとは異なり上品な華やかさを感じられます。
そして何よりもBQEYZブランドの堅実な音質は1BA+1DD+1Piezの超高音、高中音、低音の全域をなめらかにつながる3way方式といえるスペック上、理想的なドライバ構成としています。
とは云え、通常の3way多ドラハイブリッドでも難しい各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングを上手くできるのかが重要となります。このチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。
BQEYZ Summerの納期ですが、今回は流石国内amazon。当日発送、翌日配達です。AliExpressにてオーダーした場合はスタンダードシッピングで早くても約2週間。平時は10日から2週間。遅いと3週間でしたが、まあそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。この辺りは当日発送、翌日配達に加えprime扱いなら保証も安心の国内amazonとは勝手が違います。
そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。
2. BQEYZ Summer実機レビュー
それでは、早速BQEYZ Summerの実機レビューを以下、まとめていきます。
パッケージングは流石中価格帯、低価格帯のそれとは異なり薄青(紫?)を基調としたスリーブタイプの化粧箱です。
スリーブを外すと黒色の箱が。その黒箱を開けると黒地の内装カバーの小窓からイヤホンが見えます。内装カバーを外すと黒地の台座にイヤホンが収納され、下側にイヤホンケースが収納されています。そしてイヤホンの台座を外すとその下にイヤーピースが収納されている凝った作りです。
中価格帯ともなれば付属品が豊富でこれだけで完結できるセットですし、購入し手にした時の喜びが増しますね。
イヤホンケースにはケーブルとクリーニングブラシが入っています。
付属品は豊富です。シリコンイヤーピースがS、M、Lの3種各2セットが付属します。他にはケーブル、ケーブルバンド、クリーニングブラシ、イヤホンケースです。A10K-U20Kの中価格帯として十分な付属品です。
ビルドクオリティですが、BQEYZ Summerは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。流石の中価格帯ともなれば安心して購入できます。
カラーバリエーションは青色、黒色の二種ですが、透き通る青も綺麗ですが黒が実はお勧め。黒にも紫にも角度によって違う表情を見せてくれるSummerは夏の夜空を思わせるその名の通り綺麗なシェルです。
余談ですがBQEYZのシェルはSpring1も塗装が綺麗でちょっと他とは違う映えがあります。このSummerも樹脂シェルではありますが、なかなか良いですね。
付属イヤーピースですが、中華イヤホンでは珍しい「使える」タイプです。黒色とクリア色(青軸)によって音質が変わります。
クリアは高音中音に華やかさを感じボーカルはクリア。低音が適度で芯のある音。黒は低音の強さがそのままに量感が増す。やや中低音域が強く聴こえ、その分高音中音の華やかさは抑えられます。ボーカルは艶を感じられる様になる一方で高音中音のクリアさが失われる印象です。
付属イヤーピースは音質的にはやや変化はあるものの、あくまでも耳への装着感がどうかというフィッティング重視で選択されると良いと思います。
今回は何方のイヤーピースでも耳の奥に栓をするように装着してしっくりきましたが、高音中音のクリアさを重視し付属のクリア色イヤーピースMサイズ選択しました。
付属ケーブルは白(銀?)色の8芯の編込み銀メッキ単結晶銅線タイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはI字タイプで、イヤホン側は2ピン仕様のKZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていますがこちらは通常の2ピンでリケーブルが可能ですね。そしてケーブルの線材が単結晶銅(OCC)に銀メッキを施した高品質のタイプですので、ケーブルにも十分コストを掛けていることが分かります。
この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感は悪くありませんし、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。また、中価格帯に付属するケーブルとして高品質ですので、そのまま使用できますし黒色のシェルとケーブルの組み合わせがその綺麗さを増しますので普段使いでも問題ないですね。
※画像左からBQEYZ Summer、BQEYZ spring1
Summerは先述の通りspring1より僅かに大きくなりますが、どちらも十分コンパクトなシェルと云えます。尤もSummerは本体に厚みがあり、カスタムIEMの耳甲の上側(耳甲介艇)に引っ掛かりを持たせるように盛り上がっていますが、どちらも耳甲にすっぽりと収まる為、体感ではほぼ変わらないと思います。
Summerはフェイスプレートが流線美の様であり夏の夜空を想像するような造形美を持っています。しかし、デザインの優劣は個人の嗜好によるところが大きいので、それは皆さんにお任せします。個人的にはそのフェイスプレートのデザインが音質も手堅く真面目なBQEYZの遊び心を表していると考えています。
Summerはシェル本体が樹脂製のため重量が軽いというのが大きく、カスタムIEM風のシェルの造形から耳への装着感は多少個人差を感じる場合があるかもしれません。特に耳の小さな女性や子供では、それに不満を感じるかもしれません。
次にステムノズルはSpring1同様にSummerは太め。太めのステムノズルに影響するイヤーピースの圧迫感は感じるため、普段のイヤーピースとのサイズ調整は必要かもしれません。
また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていてシェル内部への異物混入が防げますので、予期せぬトラブル防止にも繋がります。
最後に、シェル本体の形状や付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。
イヤーピース選択は先述の通り付属の二種は「使える」タイプです。普段は付属を一応試してすぐに手持ちに変更しますが、特にクリア色のは普通に使えます。これも中華の進化かもしれません。
ですが、通常はあくまでも耳への装着感がどうかというフィッティング重視で普段お使いの者に交換したほうが、結果として音質に対しても納得感が出る場合が多いです。
低価格帯ではいつも付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じ手持ちのイヤーピースと交換することが多いのですが、今回は付属のクリア色で耳の奥に栓をするように装着し十分と感じられました。まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。個人的には中高音をクリアにするスパイラルドットや、低音が締まるSedna EarFit。その中間のAET07等も良く使っています。
このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)
3. BQEYZ Summer音質レビュー
それではいよいよ音質についてまとめていきます。
今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿しアンバランス接続です。
前回同様に中価格帯はZX507を基準としてレビューを行います。もちろんShanling Q1やiPhone6sでも鳴らすことができますし楽しく聴くことができますが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。
低価格帯のイヤホンの場合でDAPの違いを比較しました。気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。
それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて、倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。
先述の通りイヤピは付属クリア色 Mサイズ。付属ケーブルを使用しています。
箱出して聴いてみた第一印象は「高音と低音をしっかり聴かせてくれる元気系。音のなめらかさのある整った中音域と誇張のない高音域。適度な低音域が心地よい。」でした。
箱出し直後は低音にややボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。
音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。
高音は華やかさと煌びやかさがあり響きも良好です。強弱や小さな音も聴き分けられ、刺さりは感じない。
低音は量感は適度で強さがありキレも良く締まりがある。ベースラインは追いやすい。
重低音の沈み込みの深さはそれ程ではありませんが十分な強さがあります。
中音はクリアで音のなめらかさを感じますが高音同様に小さな音や強弱を掴み易く解像感は良好。
ボーカルはクリアで滑らか。僅かにドライ気味ですが、自然な位置に感じます。
一言で云えば中高音寄りでややドンシャリに近いバランス。
補足すると、中音域は凹みを感じず、高音域や低音域は主張が強くはありません。フラットに近いながらも明るく元気な音を楽しめます。
もっと云えば、高音は音の強弱が前に出るような華やかさではありませんが、欲しい時に煌びやかで適度な存在感を示し伸びの良さと響きの良さを感じます。
中音はクリアで響きの良さ、分離の良さが感じられ解像感も良好で、音数が多い曲ではボーカルに演奏が僅かに被ることがありますが、それでもボーカルが埋もれるようなことはありません。そのボーカルはクリアで聴きやすく滑らかさがあります。しかし音数が多い曲ではボーカルの横に演奏がでてきてその良さがやや失われます。ただしバラードではボーカルとの相性は良くすっきりクリアに聴こえます。
低音は適度な量感ですが、芯がある強さが曲を下支えし心地良さを感じます。低音好きの方以外は物足りなく感じることはないと思います。その低音の解像感は中音域に比べるとやや見劣りしますが、音の強弱は掴めますし質は悪くない。寧ろ量感でお茶を濁すことはなく良好と云えます。一聴するとメリハリのある低音から低音域重視にも感じますが、フラットに近いややドンシャリは、クリアな高音中音域とリズミカルながらも低音域を強調させずに表現し上手くまとめていると思います。
このバランスは以前レビューしたBQEYZ Spring1の分離が良く解像感の高い高音・中音をしっかりとした低音が支える音とその音づくりの方向性は似ていると云えそうです。特に高音中音はSummerやSpring1の積層ピエゾドライバによる滑らかで解像感の高い音を実現しており、Spring1の7層、Summerでは5層ピエゾとはなりますがその恩恵を十分に活用しなめらかさや分離、解像感を実現しています。
ではSummerとSpring1の違いは何か?それは目指すところが異なったように感じます。Spring1のフラットで解像感を重視した音と元気で楽しく聴くことできる音。Summerは基礎となるところは踏襲し、Spring1で物足りなさを感じたユーザーへの答えとして、それを実現したのではないかと考えています。ではSummerは何に似ているのか?強いて言えば、TRI Starseaが近くなりますが、中音域のなめらかさ、解像感はSummerに分がありそうです。低音域はStarseaに分がありますが。
SummerとSpring1はピエゾドライバの中音域は非常にレベルが高く、中音域だけ見れば7層ピエゾのSpring1が優勢と云えますが、そもそも音質傾向がフラットとSummerのドンシャリではどちらか優劣を決めるのは違い、そもそも比較対象が違うとなりますね。
それでもどっちが良いの?という方のためにこの二機種を比較してみます。
高音はSummerの方がはっきりとしています。Spring1は欲しい時にしっかりと鳴らすタイプ。どちらも分離が良く解像感も高いですが、Spring1がやや優勢。
中音はどちらもなめらかで高音同様に分離も良く解像感は高いですが、Spring1が優勢。
低音はSummerの方が量感があります。高音同様にSpring1は欲しい時にしっかりと出してくれますが、キレと解像感重視です。重低音はSpring1の方がより深く沈み込みます。
ボーカルはどちらもなめらかですが、Summerは僅かにドライ。Spring1の方が艶やかさがあります。
定位もSpring1の方が自然です。Summerは音数が多い曲で僅かに不自然に感じるときがあります。
音場はSummerも広さ感じますが、Spring1の方が空間を感じるというか広く感じます。
上記の通り総じてSpring1の方が良く見えるかもしれませんが、これは音質の好みによると思います。何を重視されるのか?モニターな分析的に聴きたいのか、音楽的に聴きたいのか、です。
そういう意味では甲乙つけがたいのではないでしょうか。
今回はSpring1との比較になりましたが、Spring2はボーカル表現が良いという評判ですので、そちらと比べた場合にはまた違った印象になるのかもしれませんね。
BQEYZ Summerは明るく元気に音楽を楽しく聴くことができる音質傾向ですが、低価格帯のようなトニカク派手なドンシャリではなく、聴かせ所をわきまえた優等生として中音域のなめらかな音と分離と解像感のある高音をノリ良く低音が下支えする音質傾向は中華イヤホンとして尖がった個性は無いかもしれません。ですが、中価格帯の中でお勧めしたいモデルと云えそうですね。
尤も、粗を探せば「定位」にやや不自然さを感じたりする場合がありますが、それでもこの価格帯やこのクラスのモデルにそれを厳密に求める方は野暮ってもんです。お持ちの国内外の有名老舗メーカー商品でお楽しみくださいますと幸いです。
まとめとして、BQEYZ Summerは好評だった同社Spring1とは狙う音質が異なるモデルと云えますが、ピエゾドライバにより自然でなめらかな音は解像感の高さも相まって高音質と云え、間違いの無い音を聴かせてくれる中華多ドラハイブリッドモデルの、価格帯A10000-U20000の中でもお勧めのモデルと云えますね。
蛇足ですが、以前のレビューでも触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。
高音 Summer ≧ Spring1 (量感の順)
中音 Spring1 ≧ Summer
低音 Summer ≧ Spring1 (量感の順)
ボーカル Spring1 ≧ Summer
音場 spring1 ≧ Summer
4. BQEYZ Summerの総評
さて、BQEYZ Summerは中音域の音なめらかさと高音中音域の解像感の高い明るく元気に音楽を楽しませてくれるややドンシャリにまとめられた高音質イヤホンとまとめました。
そして付属品は充実していてこれだけで完結できますし、中価格帯の中華イヤホンを初めて選ぶ際に是非選択肢に入れて欲しい一本としてお勧めできますし、ポピュラーなドンシャリイヤホンからの買い替えにもお勧めできます。
最後に、今回はAliExpressで今年1Qに発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年4月24日)はAliExpressやamazonで発売されており、AliExpressで14,000円程度で購入可能。フォロワー割やセールでは12,000円程度で入手可能です。一方amazonでも14,000円前後ですが、現在(2021年4月24日)クーポンで12,000円程度で購入可能なようで国内amazonの方が安価ですね。一般的にはAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。
Summer
以下、付属ケーブル、付属クリアイヤピM、DAP ZX507
高音★★★★★
中音★★★★☆
低音★★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
Spring1
以下、HiF4834ケーブル、イヤピ スパイラルドットMS使用、DAP ZX507
高音★★★★★
中音★★★★★
低音★★★★★
音場★★★★☆
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★
※☆0.5、★1.0
あとがきとして、今回は中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンのレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。
また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ