みぃねこの備忘録

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CCA CKXレビュー JSHiFi Hi8にリケーブル ※KZ ZAX Trn V90s 比較含む

こんにちは。

今回は中華イヤホンの中から多ドラハイブリッドモデルのレビュー編として中価格帯で発売されたCCA CKXについてレビューをまとめたいと思います。

今回はAliExpressのWooeasy Earphones Store(@hulang9078)から購入しています。

 

ja.aliexpress.com

 

国内amazonでもWTSUN Audio(@Zhuo520x)で取扱があります。

 

 

 

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1. CCA CKXについて 

CCA CKXは片側7ドライバ、6BA+1DD構成で昨年末に発表され今年初めに発売された同社の中価格帯U10000、多ドラハイブリッドモデルの新商品です。

同価格帯ではCCA CA16やKZ ZAXの7BA+1DDの片側8ドライバを搭載する多ドラハイブリッドモデルが既にありますので、目新しさはがなく、インパクトが弱かったせいか購入者が少ない様子です。その結果かなり値下がりのペースが速く、実はお買い得な商品となっているかもしれません。

その理由としては、昨年後半にKZ系ブランドからCCA CA16やKZ ZAXの7BA+1DDの多ドラハイブリッドの旗艦モデルが登場しレビューしています。加えてTrn社からもVXを同時期に発売し、このVXは6BA+1DDの多ドラハイブリッドで同社の旗艦モデルでした。

その後、Trn社が発売したV90Sは5BA+1DD多ドラハイブリッドのミドルクラスモデルとして登場し、勿論本ブログでレビューをしています。このV90Sは発売直後一時AliExpress公式ショップで2,000円というおかしな値段で販売し祭りとなったのは記憶に新しいですね。

そのTrnのミドルクラスV90sに続き、CCA社のミドルクラスモデルとしてCKXが6BA+1DDのドライバ構成で登場したと云えます。

しかし、Trn V90sの登場時もそうでしたが、先に7BA+1DDのCA16やZAXを購入した方達は同社の下位スペックの多ドラハイブリモデルに興味を示さないのも仕方がありませんよね。

発売当初は8,000円台の価格も早々に6,000円前後の価格となり、1月下旬のAliExpressセールでは5,000円台という下がり幅はプレセールで購入した私も少々ウンザリしていますが、逆に云えば今から購入する方にとってこれほどおいしい状況はありませんよね?ということです。

 

それはさておき、昨年は中華多ドラハイブリッドモデルの豊作となりました。これは以前も触れましたが、エントリークラスには片側4BA+1DDのCCA C10 proが。ミドルクラスとして片側5BA+1DDのCVJ CSNとTrn V90Sが。ハイクラスとして片側6BA+1DDのTrn VXと、片側7BA+1DDのCCA CA16とZAXが発売されています。また、オールBAの複数BAモデルも片側5BAのKZ ASFや片側10BAのKZ ASXに加え、片側8BAのCCA CS16が発売されています。後半怒涛の新製品ラッシュで個人的にはかなり楽しませてもらえました。

 

ですが昨年前半はCOVID-19によって経済が停滞。後半回復の兆しが見えたところで、国内は二度目の緊急事態宣言へ。そして世界の工場、中国が止まった影響は本業にもかなりの影響がでました。よく言われる「カンバン」とか「ジャストインタイム」とかいう世界的に有名な超優良企業があって、お手本にする企業、経営者が多いのですが、こういう危機的状態で本性が出るんでしょうね(あそこの調達はエゲツナイ。横から割り込むし囲い込むし。兎に角フェアじゃない)。取引先の「順番じゃない、そこへの納入が最優先」という対応には本当に困らせられました。しかし、中国がそれを救ってくれました。あの回復スピードは本当に凄い。逆に云えば凄い脅威。

改めて感じたことですが、トップの決断力や指導力(実行力)と先見の明は本当に選ばれしものが持つ能力なのだなと。それをあの国は13億の人口もありながらまとめている。尤も一方で切り捨てる部分は悲しいことですが存在するのも事実です。それでも、多くの人たちが幸せに暮らせる国として守っている。やり方には思うことがあるけれど認めるところは認めるべきなんだと考えさせられました。まあ、その10分の一以下しかいない国のトップはいったい何をしているのかわかりませんけど。

それでも私は日本に生まれ、日本人で良かったと思っています。

和を以て貴しとなす。

仲良しこよしってことではなく。

はるか昔のこの国でもそれが唱えられていて、実践されていたのに。

この国の議員先生の皆様。いや国民の代表の皆様。どうかお忘れなく。

 

閑話休題

このCKXは一聴して従来のKZ系とは異なる音づくりと感じます。

KZは王道のドンシャリ。CCAはそれとは異なる派手さを抑えた音。このCKXでもそれは踏襲されておりCCAの音と云えそうです。もちろん同社C12やC10 proのようにKZ寄りのモデルもありますが。

個人的にCKXは同社のモデルのなかでも完成度の高さはトップクラス。いや一番の出来かもしれません。

具体的には「中低音域を豊かにしながら僅かに高音を抑えたバランス」です。KZは良くも悪くも高音と低音の強さを感じるバランスで整えています。そのため聴いていてノリの良さのあるドンシャリです。一方CCAは中低音域を重視し高音をやや抑える傾向があるため聴き疲れをし難く聴いていて心地よさがある印象です。

また、もう一つのライバル、Trnは最近は中高音を重視しており高音の方が明らかに強く、これは高音を強めにして高解像感を演出しているように感じます。低、中価格帯では個人的にこれは逆効果だと感じています。高価格帯では採用しているドライバの質が高く、上手くバランスを取ることができていますが、この価格帯のドライバでは単純にしつこい高音の印象で、それはしつこい低音よりも人を選ぶと思います。何事もバランスというお話ですね。

 

とはいえ、個人的には昨年の中価格U10000の多ドラハイブリッドモデルのベストバイをKZ ZAXと評価していますし、個人的にはCCA CA16の音が好きですが、このCCA CKXがそれらにどの様に食い込むのか。とても楽しみにしています。

 

※KZ ZAXやTrn V90s、CCA CA16の過去記事もよろしければご参考ください

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いつも通り前置きが長くなりましたが、期待の中価格帯U10000多ドラハイブリッドモデル、CCA CKXを入手しましたので、昨年評価の高かったモデルで7BA+1DDモデルのKZ ZAXとそれとは異なる音の5BA+1DDモデルのTrn V90sとの違いを含めながら、レビューを纏めていきたいと思います。

 

CCA CKXは一見してかなりコンパクトなシェル本体となります。オーソドックスなデザインが採用されていて、KZ ZAXやTrn V90sのデザインとも少し異なります。そのシェル本体はオール金属製とV90sと同様。ZAXフェイスプレートとステムノズルが金属でシェル本体は樹脂製とは異なります。CKXのサイズ感はトニカクコンパクト。V90Sがフェイスプレートが大きいためにやや大きく見えますが、ほぼZAXと同じ。それらよりも一回り以上小さく感じます。肝心の耳への収まりはオーソドックスなカスタムIEM風デザインにより良好でZAXやV90sで問題ない方は苦労することは無いと思います。そしてオール金属製シェルが特にZAXとの音質傾向とどのような違いがあるのか気になります。

 

CCA CKXのスペックは先述の通り6BA+1DDと実はTrn VXとドライバ数が同じ(構成は異なります)。V90sよりもBAが1基多く、ZAXよりはBAが1基少なくなります。搭載ドライバは中低音域用のダイナミックドライバにZAXと同様の10mm径ではありますが、異なる同軸複合材のダイナミックドライバを。BAは30095シングル2基が高音域を担当しその内1基がステムノズル部に配置。30017デュアル(2BA)2基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置しており、これまでのKZやCCAで採用例の無い組合せとなります。

ZAXの搭載ドライバは低域用ドライバに10mmデュアルマグネティックを採用した新型ダイナミックドライバです。BAは30095シングル1基が高音域を担当しZSX同様にステムノズル部に配置。新開発50024デュアル(2BA)2基が中高音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置。更に中音域用に30019シングル(1BA)2基がダイナミックドライバに並列配置され、低音域を前述のDD1基が担います。

V90sの片側5BA+1DDドライバ構成は低域用ドライバを10mmデュアルマグネティックドライバを採用しています。BAには定評がある30019シングル2基が高音域を担当しステムノズル部に配置。こちらも定評のある50060シングル3基が中音域を担当しダイナミックドライバに並列に配置。V90Sの高音域30019シングル2基に中音域50060シングル3基とDD1基の構成からはV90Sが高音域をより重視していると推察できます。

特にそれぞれの高音域に採用したBAが30095と30019という違いと配置も見逃せません。

この辺りは実際に聴いてみない事には判りませんが、CKXへの期待感が高まります。

 

次に、先述の通りCKXはステムノズル内に高音域用BAを1基配置し、同じ高音域用BA1基をダイナミックドライバに並列に配置。中高音域用BA4基も同じく並列配置し、スペックでは中音域をBAとダイナミックドライバでオーバーラップさせた変則的な3way方式を採用しています。

これに対し、KZ ZAXは片側8ドライバ、7BA+1DDモデルで搭載するBAの種類が増え、一部異なるとともに、更に搭載位置も工夫されています。ZAXではCCA C12の様にステムノズル内に1基配置しています。V90Sが、高、中、低音域を2BA+3BA+1DDの3way方式。CCA C12が高、中、低音域を1BA+4BA+1DDの3way方式としていたものをZAXでは1BA+4BA+2BA+1DDの高、中高、中、低音域の4way方式と更にスペック上理想的なドライバ構成です。

とはいえ、3wayや4wayとこれまで世の中に送り出された中価格多ドラハイブリッド中イヤホンのように各ドライバが担当する音域が重なるクロスオーバーチューニングのポイントを活用できるかが重要となります。このチューニングポイント、経験則を活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくると云えますね。

 

CCA CKXの納期は流石の国内amazonのようにはいきません。AliExpressのプレセールという事もありオーダーから発送まで2週間待ち。発送からは約2週間と従来同様です。それでもまだAliExpressの中国本土からの発送は中国からの航空便減便による輸送への影響が大きく、AliExpressにてオーダーした場合はそれなりに時間が掛かる覚悟は必要です。加えて万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

  

2. CCA CKX実機レビュー

それでは、早速CCA CKXの実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングはいつものCCAのシンプルな白を基調とした化粧箱です。

側面にはスペックシートが張り付けられていて、他モデルとの共通化がされています。

こういう合理化は嫌いではありません。


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上箱を開けると白地の内装に取説等の収納カードケースが。それを取り外すといつものように白地の台座にイヤホンが収納され、その台座下側に小箱が収納されています。

 

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小箱にはケーブル等の付属品が入っています。


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付属品はKZ系に付属する黒色イヤーピースの白色タイプ。黒色タイプよりは傘がソフトになっています。そのシリコンイヤーピースがS、M、L、3種各1セットが付属します。その内、シリコンイヤピMサイズがイヤホン本体取付け済みで、他にはケーブルです。A5K-U10Kの中価格帯としては少々寂しい付属品ですが、個人的にこれまで同様本体にコスト全振りは嫌いではありません。


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ビルドクオリティですが、CCAは中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに問題はありませんでした。まあ中華製品では偶に何かしらやらかしますが、今回はアタリでした。綺麗に仕上げられていると思います。

カラーバリエーションは銀色と黒色の2種で、今回は銀色にしました。


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付属ケーブルはCCAに付属する白色の編込みタイプで、4芯無酸素銅(OFC)タイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプ。イヤホン側はKZ-Cタイプ(2ピン)、もちろんKZ極性(上がプラス)です。最近の中華イヤホンはKZ-Cタイプが多く採用されていますのでリケーブルの際には注意が必要です。私は気にせず2ピン仕様を使っています。

この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けがあり耳への装着性、使用感はそれほど悪くはありませんし、全体的に絡まりにくくしなやかなものとなります。また、中価格帯に付属するケーブルとして力不足ではありますが、そのまま使用できますし綺麗な色合いのケーブルは一体感があり普段使いも可能ですね。

 

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※画像左からTrn V90S、CCA CKX、KZ ZAX
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CKXはZAXやV90sもそれ程大柄ではないシェルよりも更にコンパクトで丸みがある造形で、ZAXやV90sはシェルの造形がシンプルなものの本体の厚みがあり、CKXのコンパクトさが際立ちます。

CKXのフェイスプレートZAXやV90s同様に平面的。装着感はそのコンパクトさが好影響を与えていますし、実際装着感は良好です。ZAXではステムノズルとフェイスプレートが金属でシェル本体が樹脂製ですが、CKXとV90sはオール金属製のため重量は比較的重めとなります。それでもCKXはコンパクトなシェルのお陰でV90sのオール金属製シェルよりも軽く、ZAXとほぼ変わらない程度で耳への装着感は軽く、金属製シェルの重量の影響は殆ど感じません。

次にステムノズルはCKXはZAX同様にやや長く太め。V90sは短く細く感じますが、CKXのそれは中華イヤホンでは一般的なサイズと云えます。そのため太さに影響するイヤーピースの圧迫感はやや感じます。また、コンパクトなシェルが災いし、耳にはイヤーピースで固定する形となってしまい、人によってはイヤーピースの選択がシビアになってしまうかもしれません。逆に云えばイヤーピース選択をしっかりできれば問題なく使えそうです。尤も耳の小さな女性や子供を除き、殆どの方で不満を感じることはないのではと思います。

また、これらにはステムノズル先端端面にメッシュフィルターが装備されていてシェル内部への異物混入が防げますので、長期の使用にも耐えることができますね。

そして、シェル本体の形状や付属ケーブルからは3機種ともにシュア掛け前提となりますので、シュア掛けが苦手な方は注意が必要です。

最後にCKXはステムノズルがやや長く太めのため、耳へは付属のイヤーピースでは軸が短く耳に本体を収め耳穴奥に栓をする装着となりますが、私の耳ではどうしても耳から抜けてしまい、音が軽く抜け気味となったため、いつものAET07も試しましたが上手くいかず、ディープマウントやフォームタイプも試しました。そして最終的にSedna EarFit MSに交換し耳奥に栓をするように装着した形が一番バランスが良くしっくりきました。Sedna EarFit(shortではない)は軸が長めで傘がやや硬めなこともあり、最近一周回ってなかなかフィットしない場合に重用しています。

この様に低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

2.1. JSHiFi Hi8ケーブルレビュー

なお片側7ドライバ、6BA+1DDの性能を活かすために付属ケーブルからJSHiFi Hi8ケーブル、8芯銀メッキ線へリケーブルしています。

 

 

このJSHiFi Hi8ケーブルですが、amazonのJSHiFi(@xiaoxia76571098)で取扱いがあります。中華リケーブルとして価格が2,000円を切る、今なら1,000円半ばと安価でありながらもその価格帯の中で高級感がある外観と豊富なバリエーションが特徴です。

先ずケーブルの被膜カラーが黒色、銀色、灰色の3種。その各色それぞれにイヤホン側コネクタも2ピン、mmcx、QDC(KZ-C)の3種を用意。更にプレイヤー(DAP)側プラグも3.5アンバランス、2.5バランス、4.4バランスの3種と現在主流のタイプを網羅したラインナップです。

低価格帯はもとより、中価格帯U10000の中華イヤホンでは付属ケーブルでコストダウンする傾向にありリケーブルしてから本領発揮となっている現状では、このHi8ケーブルは十分な質感を持ちながらも安価でありそのラインナップからも気軽に選択できるのは非常にありがたいですね。

 

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低価格ケーブルは他社製品も同様ですが、流石にパッケージは簡素です。まあ箱がついてきても捨てるだけなので私はこの潔さは好きですね。


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スライダー付きです。被膜は僅かに硬さがありますが、十分なしなやかさを備えており取り回しは良好です。安価なケーブルにありがちなタッチノイズも殆ど気になりません。CKXの付属ケーブルとは比較になりませんね。

 

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そんなわけで早速CKXに灰色のQDC-4.4タイプをリケーブルしてみました。

この一体感は中々のものだと思いますし、見た目オーディオ的にも満足感が高いですね。

音質傾向は極端に味付けを行うタイプではなく、イヤホン本体の性能を発揮させるタイプ。付属ケーブルと比較し僅かに低音域の厚みが増す傾向はありますが、全域を伸ばしてくれますので、付属ケーブルではその性能を発揮できない多ドラハイブリッドや複数BAモデル等に使用することで本来の音を楽しめると思います。

 

 

3. CCA CKX音質レビュー

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSONY NW-ZX507、直挿し4.4バランス接続です。

いつも通り中価格帯はZX507を基準としてレビューを行います。もちろん3.5アンバランス接続のShanling Q1やiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

以前、低価格帯のイヤホンを使いDAPの違いを比較しました。気になる方は「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
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それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳を閉じて、倖田來未/Moon Crying。高音低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSedna EraFit MSサイズ、JSHiFi Hi8ケーブルです。

箱出しで聴いてみた第一印象は「澄んだ高音とクリアな中音。そして豊かな低音の中低音寄りのドンシャリバランス。」でした。

箱だしではやや低音に緩さを感じたので先に鳴らし込み。鳴らし込み後は低音が締まり落ち着きました。

音場は普通からやや広め。曲によって広く感じます。

高音は煌びやかさ華やかさがあり響きの良さありますが、刺さるような尖りを感じることはありません。

低音の量感は十分で強さもあり、キレや締まりは適度、ベースラインは追いやすいです。

重低音は沈み込みの深さを感じ十分な強さがある。

中音は適度な華やかさがありますが、ボーカルの周りやや後に位置し邪魔することはありません。

そのボーカルはクリアで自然から僅かにドライ寄りですが、自然な位置に感じます。

一言で云えば中低音寄りのややドンシャリのバランス。

高音域は一聴すると主張が控えめに感じますが、中低音域が相対的に豊かなために控えめな印象を受けます。それでも高音域は実はしっかりしていて中音域よりも前に出るような主張はありませんが、伸びやかさのある高音で存在感はあるのにしつこさはありません。

もっと云えば、高音はシャリつくような華やかさはなく欲しい時にしっかりと存在感を示し、伸びと響きのある音を感じられます。

中音は高音よりも華やかさを感じますが、ボーカルが埋もれずにその周りで引き立たせてくれます。音数が多い曲でもボーカルは演奏と重なりを殆ど感じずにクリアに聴こえます。

そのボーカルは自然でクリアな聴きやすさを感じ、特に女性ボーカルのバラードでは相性の良さを感じられます。

低音は十分な量感で強さがありますが、音の強弱、表現力の良さを感じます。

特に中音と低音の間、中低音域に凹みを感じず、それが豊かな低音域を表現している印象です。KZの低音には強さというか芯が感じられますが、このあたりは嗜好の違いもあります。

CKXは高音は前に出るような主張は控えめながらも曲に十分なアクセントを加えており心地良さを感じます。それ故に曲によっては中音低音の印象が強く華やかさが控えめで地味な印象を受けそうです。それでも高音は所謂喧しさがなく、シャリシャリする様な音数や量感でお茶を濁してはいませんので、一聴するとつまらない音に感じピラミッド型の印象となってしまいそうですが、音数や量感で誤魔化そうとしない実は誇張のない自然な音なのかもしれません。自然な誇張の少ない音色は聴きやすく上手くまとめていると思います。

 
このバランスは以前レビューしたV90sの5BA+1DDと比較した時に音の傾向はその真逆と云えそうです。V90sはトニカク高音の主張させた解像感を演出した音。CKXの暖かさを感じる雰囲気の良い自然な心地良さとは違います。

そして7BA+1DDのZAXと比較した場合、最も異なるのは高音域で特に暖かさを感じる音のCKXとはやはり違います。ZAXもどちらかと云えばV90s寄りですが、それよりバランスが良く音の広がりとシャープさ、解像感のある楽しい音です。

次に7BA+1DDの同社CA16と比較した場合、近い音と云えますが、もっと近い音がありました。同社のC10です。'19年発売のモデルでCCAの名を世間に知らしめた同社の代表作ですが、未だに人気もあるモデルです。もちろんCKXはそれよりも高音の伸びやかさと中音域の分離感が優れますので上位互換と云えますが、見事にC10の不満点を解消したモデルと云えます。それと比べればC12は高音が尖りすぎ。C10 proはZS10 pro寄りの派手な音と云え、CA16に至っては高音が地味過ぎて中低音が濃厚過ぎる印象です。

もちろんそれぞれに良さはあるのであくまでも音の傾向として、です。

個人的にはC10の音が好きなので、やっと巡り合えました。

また、今回の比較対象であるV90sやZAXと最も異なるのは解像感です。CKXが劣るというよりは音の傾向からそれらが良い印象を持ちやすいという事です。CKXはあくまでも、解像感よりも透き通る高音と厚みのある中音とクリアなボーカル。そして豊かな低音域という音楽を雰囲気良く聴くことができるモデルと云えそうですね。

 

そのためCA16よりもZAXの音の傾向が好きという方にはもの足りないつまらない音と。その代わりC10の音が好きだけどもう少しだけ解像感が欲しい方。CA16の音の傾向が好きだけど中低音をもう少し抑えたい方には好評となるのではないでしょうか。

もっと云えば、CCAの系譜が好きな方に試して欲しいお勧めできるモデルと云えそうですね。

 

次に、ケーブルをいつものTrn T4へ交換してみました。8芯OCC線、3.5アンバランスです。DAPには同じくZX507を使用しました。

結果、高音域の煌びやかさはやや増えたかなという感じ。低音の量感がやや減り締まった印象ですが、コレジャナイ感があります。まあバランスとアンバランスの違いもありますし、JSHiFiのHi8ケーブルがCKXの中低音寄りとの相性の良さを感じます。

尤も、ZX507はZX300からアンバランスが強化されたと云っても、やはりバランス接続の方が音が良いということも影響していると考えます。

 

まとめとして、CCA CKXはCCAの系譜の音と云え、KZとは異なる音づくりで楽しませてくれる、そんな存在であり続けて欲しいと考えさせられました。その理由としてやはり低中価格帯では明るく元気な音づくりが好まれますし、中華に大人しい音は求めていないと淘汰される、そんな寂しい市場にはなって欲しくないですので。

 

蛇足ですが、以前のレビューでも触れていますが中華イヤホンの単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいですね。

 

高音   V90S ≧ ZAX ≧ CKX (単純な強さの順)

中音   CKX ≧ ZAX > V90S

低音   ZAX ≧ CKX > V90S (単純な強さの順)

ボーカル CKX ≧ ZAX > V90S

音場   ZAX ≧ V90S ≧ CKS

 

 

4. CCA CKXの総評

さて、CCA CKXは雰囲気の良い音で聴きやすさのある中高音寄りのバランスの良いイヤホンとまとめました。

そしてKZとは異なる音づくりで従来からの中華イヤホンファンにも音の違いを楽しめる一本としてお勧めできる商品と云えます。

もっと云えばKZ ZAXとこのCCA CKXを押さえておけば現在の中華中価格帯U10000多ドラハイブリッドイヤホンでは満足できる商品であり、今年の初めから飛ばし過ぎだろうと個人的に思う次第です。だって今年も沢山発売するんですよね…。きっと…。

 

最後に、今回はAliExpressで先月発売された中価格帯の中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年2月13日)はAliExpressやamazon(prime)で発売されており、AliExpressでは6,000円台。フォロワー割では5,000円台で購入可能。一方amazonではprime扱いの8,000円台と少々差があります。そのためAliExpressの方が安価に入手できますが、その入手性には現在特に難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でも安価な実売価格でありながら、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっておりますので、中価格中華イヤホンの中で間違いのないものの購入を考えていて少しでも気になる方は安心確実なamazonでの取り扱いを待って。少しでも早く入手したい、少しでも安く手に入れたい方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。 

 

CKX
以下、ケーブルHi8、イヤピSedna EarFit MS使用、DAP ZX507バランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★
分離★★★★☆
お勧め度★★★★★  
※☆0.5、★1.0

 

V90S
以下、ケーブルT4、イヤピSedna EarFit M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★★ 
音場★★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 高音好きの方(低音好き★4)
※☆0.5、★1.0

 

 

ZAX
以下、ケーブルT4、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507アンバランス接続
高音★★★★☆ 
中音★★★★☆  
低音★★★★☆ 
音場★★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★★ 
※☆0.5、★1.0 

 

 

あとがきとして、今回はいつもの中価格中華多ドラハイブリッドイヤホンの新商品のレビューをまとめました。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですが、今後も低価格?を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ