みぃねこの備忘録

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BLON BL-01レビュー

こんにちは。

今回は中華イヤホンのシングルドライバモデルのレビュー編として低価格帯で発売されているBLON BL-01についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのHiFiHear(@Qianqian_HRcase)から購入しています。

 

  

AliExpressでも有名どころのセラーで取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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1.  BLON BL-01について 

BLON BL-01は以前レビューしたBL-03やBL-05の兄弟機ですが、どうもこのBLシリーズはそのデザイン故に好き嫌いが分かれ手を出しにくいモデルとなっています。そんなBLシリーズに今回末弟モデルとしてBL-01が追加されました。

BLON BL-01は以前レビューした(食わず嫌いの)そのデザインもBL-03で認識が変わり寧ろ装着感の良さを感じており、BL-01がBL-03やBL-05と異なるドライバを採用していると知り、購入してみました。

個人的にはBL-05もBL-03も価格以上の良い商品でしたので、今回のBL-01も期待値の高い商品です。BL-03とBL-05はカーボンナノチューブ(以下CNT)振動板を採用したシングルダイナミックドライバモデルでしたが、BLシリーズ末弟のBL-01では新しい素材としてbio-fiberを振動膜に採用しています。この珍しい振動膜をドライバに採用したBL-01がどんな音を聴かせてくれるのか興味がありますよね。

 

  

さて、このBLON BL-01はBL-03の価格3,000円台よりも安価でBL-05の価格5,000円台の約半額とかなり安価な販売価格となっています。一方BL-03はAliExpressでは3,000円前後。国内amazonで3,000円台(2021/1/31現在)前後と比較的安価であり、CNTドライバ搭載モデルのエントリー機として非常に手が出しやすい価格と云えますので、ここは少し悩みどころではあります。

BL-01のbio-fiber振動膜ドライバはやはりCNTドライバの解像感はありませんが、音のメリハリの良さを感じられます。それは一聴してドンシャリではありますがBLON BL-01は分りやすく楽しく音楽を聴かせてくれます。勿論、音質は嗜好による好き嫌いが良し悪しとなるのが現実であり、理想は数値化による可視化ですが、どうしても味覚と一緒で「甘い・辛い・苦い」という主要素は説明しやすく伝えやすいですが「どれくらい」という絶対評価に繋がる客観的要素が乏しく個人の主観によるものになってしまいます。

音質の良し悪しは味覚同様に極端に「美味しい」or「不味い」同様の括りでは差異が出にくいものの「もっと○○だったら良いのに」という個人の嗜好による主観的要素が反映されます。もっと云えばその主観もこれまでに聴いたことがある音を基準に相対評価で認識されてしまいますので、可能であれば試聴でも良いので色々な音を聴いてみてご自身の好みを確定させ、ご自分の嗜好に近い方のレビューを参考にされるようにすることで、ハズレを引く確率を下げるリスクマネジメントも大切だと考えます。

元々この備忘録は一般的な国内及び海外有名メーカーではないけど良い音を聴かせてくれる(らしい?)商品を試聴ができなくて二の足を踏んでいる方の背中を押してあげることができるように始めていますので、万人受けするものをお探しの方には特にご参考頂けるのではと自負しております。

そして、なによりも国内及び海外有名メーカーに勝るとも劣らない(かもしれない?)中華イヤホンの楽しさを伝えていけたら幸いです。まあ、いつもの言い訳ですね。はい、なんやかんやで沼の住民の一人ということでございます(笑)。

 

※BLON BL-05、BL03の過去記事もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

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そんな訳でbio-fiber振動膜ドライバを搭載したBLON BL-01とCNTドライバを採用している同社BL-03やBL-05との違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

BLON BL-01もBL-03やBL-05同様にオール金属製のシェルが採用されています。デザインはBL-03やBL-05とも異なる造形ですが、それらよりも耳にフィットしシュア掛けしやすいシェル形状で耳への収まりも良好です。ステムノズルは細め。そのため、使用するイヤーピースで困ることはなさそうですし装着感はBL-05よりも比較的良好でBL-03とは好みの違いとなりそうです。

 

BL-01のスペックは先述の通りBL-03やBL-05の10mmCNTドライバではないbio-fiber振動膜ドライバとなりますが、サイズは同じ10mmドライバを搭載しています。付属するケーブルは4芯銅線を使用し、3.5mmプラグには金メッキ処理のものを採用しています。

そして、このBL-01でもBL-05やBL-03同様に片側に1ドライバとシングルダイナミックドライバの特徴を活かし、多ドラの様な複雑なクロスオーバーはありません。シンプルで実績があるドライバ構成は安定した音を奏でられるアドバンテージがあります。それはこれまでレビューしてきた低価格中華ハイブリッドイヤホンとは異なりシングルドライバ故の自然なつながりのある音が期待できるからです。複数のドライバを搭載すれば各ドライバの音域が重なるクロスオーバーが重要であり、低価格帯ではこの辺りを派手な音づくりで誤魔化した商品も多くあります。勿論シングルドライバといえども音のチューニングがありますので、それ次第では「当たり」か「外れ」といった評価につなっがてくると云えます。

 

BLON BL-01の納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。現在もAliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約2週間。平時なら1週間から2週間程度。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2.BLON BL-01実機レビュー 

それでは、早速BLON BL-01の実機レビューを以下、まとめていきます。


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パッケージングは白を基調としたシンプルな白箱化粧箱です。

表にイヤホンイラストが。裏面にスペックが記載されています。


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箱の上蓋を外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されていて、イヤホン台座の下側に小箱があります。

その小箱にはイヤーピース、ケーブル、イヤホンポーチが収納されています。

 

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低価格帯U3,000としてはしっかりとした化粧箱で、付属品もイヤーピースが複数とポーチがあり必要十分と云ったところです。

 

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付属品のイヤーピースはシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種1セットと形状の違うシリコンタイプのSとM?が1セットの計2セットが付属します。シリコンイヤピは口径と傘の材質、形状が異なりそれぞれフィッティングを好みで選択が可能です。

ケーブルは耐久性が高いのものが付属しており、U3,000円の低価格帯として十分な付属品ですが、元々イヤピ交換とリケーブルはした方が良さそうですので、気になりませんね。


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ビルドクオリティですが、BLON BL-03は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。安心して購入できると思います。

なお、カラーバリエーションはガンメタと、銀色及び、追加された紫色の三種類です。


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付属ケーブルはBL-03同様の4芯銅線材を使用した黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はカバー付き2ピンコネクタで極性はTFZっぽい形状で上がプラスです。この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。気になるのはイヤホン側が凸2ピンメスでケーブル側が凹2ピンオスと専用設計です。専用設計は勘合性が高く強度も増しますがリケーブルの選択肢が少なくなりますので、良し悪しですね。また、耳への装着性はシュア掛けの癖付けのアールがイヤホンを耳から抜けやすくさせている為、個人的にはイマイチです。そのため、いつもの炙りでチューブの耳掛けの癖付けを修正しました。

個人的に低価格帯U3Kの商品に付属するケーブルとしてはまずまずの感は否めず、そのまま使用することもできますが、個人的にはリケーブルをしようと思います。

 

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※大きさ、形状の参考として。

 左からKZ ZSN pro X、BLON BL-01、KZ EDX

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先述の通りBL-01のシェルデザインはBL-03やBL-05とは異なる造形、デザインですが、丸みを帯びたBL-01とBL-03に対し、平面的なBL-05となります。また、装着感はステムノズルも細めのため、余程のことがない限り問題なく装着できそうな印象ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

勿論ステムノズルの先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますが、シュア掛けが苦手な方は注意が必要ですね。

上記の通りBL-01は耳への装着感は比較的良好も、付属のシリコンイヤーピースでは軸が短く付属ケーブルの耳掛け癖付けも影響して抜けやすく、更に傘の材質が音質的に低音が抜ける感じとなり今一つだったことから、軸の長いSedna EarFitのMSサイズで耳の奥へ栓をする感じで装着し音質的にもしっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くあり、手持ちのイヤピに頼りましたが、まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

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3.  BLON BL-01音質レビュー 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

いつもの低価格帯通りにSHANLING Q1にてレビューを行います。

もちろんiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や特に低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

特に低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。

ソースは宇多田ヒカル/First Love、平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSedna EarFit MSサイズ。付属ケーブルを使用しています。

箱出して聴いてみた第一印象は「低音の量感があるのに中音高音がクリアに聴こえる。」でした。

こちらも箱出し直後は低音にややボワつきを感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場の広さは普通程度。

高音は十分な煌びやかさがあり華やかさを感じられます。尖るような刺さりは感じません。

低音は量感十分でしっかりしています。ベースラインも追いやすく心地よさを感じられます。

重低音は沈み込みも十分で強さを感じられます。

中音はやや凹みを感じますが、クリアで見通しも良く演奏がボーカルを邪魔していません。そのボーカルはややドライもクリアで、演奏が一歩下がった周りにいて聴きやすさがあります。

一言で云えばやや中低音寄りのドンシャリ

もっと云えば、高音は存在感があり見通しの良さがあるがでしゃばらず、適度な華やかさを感じられます。

中音はボーカルを中心に演奏が脇に構え前に出すぎない華やかさがボーカルを邪魔しない。ボーカルはクリアで聴きやすく低音のリズムに乗せてスッと入ってきます。低音が強いとぼーかるが埋も気味に感じられますが、これはボーカルを中心に聴きやすいバランスです。

低音はすべての音域で一番感じられ量感十分ですが、高音中音を邪魔しない。重低音は十分な強さがあり、沈み込みも十分な深さがあるので高音中音との強さのバランスが良く感じます。

この中低音寄りのバランスは同社のBLシリーズ比較すると同じように感じますが、一番の違いは音づくりの方向性です。

BL-01が典型的なドンシャリタイプとすれば、BL-03は低音域をやや抑え中高音域の解像感をより感じられる様なややドンシャリのバランス重視タイプ。そして同社BL-05は中高音寄りのフラットバランスタイプです。

特にBL-05は中高音の繊細さがあり低音の強弱も感じられる、シリーズでは一番の解像感のある音でした。BL-03も中高音寄りで中高音の繊細さはBL-05に一歩譲るもののボーカルは聴きやすく、BL-05よりも低音にしっかりとした強さがありました。

このBL-01ではポピュラーなドンシャリとすることでシンプルに一聴して「良い音」を狙っているのかもしれませんね。だって良い音って音楽を聴いていて「あ、楽しいな」って思えることが大事ですから。

そのため解像感を重視して中高音をすっきりとそして繊細さを感じたい方はBL-05の方が好印象かもしれません。中高音の解像感も欲しいけど低音がしっかりした方が良いかたはBL-03を。BL-01は一聴して分りやすい音質の良さを感じられる、中低音寄りの低音域をしっかりとした音にすることによって、スマホ付属イヤホン等からのステップアップとしても違いを感じやすくなっています。

とはいえ、BL-01はBL-05は勿論ですがBL03よりも更に安価でありBLONラインナップの中で兄弟機の末弟機として手にし易い商品と云え、音の細かいことはよく分からないけどシンプルに良い音を聴きたい方にお勧めしたいモデルと云えそうです。尤もこれはBL-01やBL-03、BL-05の音作りの傾向が好みかどうかによって評価が分かれると思います。

  

 

最後に、以前のレビューでも何度か触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

以下は参考。価格帯が異なりますので。

  

高音   BL-05 ≧ BL-01 ≧ BL-03    

中音   BL-05 ≧ BL-03 ≧ BL-01

低音   BL-01 ≧ BL-03 ≧ BL-05

ボーカル BL-03 ≧ BL-01 ≧ BL-05 

音場   BL-05 ≧ BL-03 ≧ BL-01

 

 

4. BLON BL-01の総評

BLON BL-01は低価格帯U3Kの中華イヤホンでは希少な1DDモデルとシンプルな構成でありながらbio-fiber振動膜ドライバを採用し音楽を楽しく聴くことができる音質傾向は安価な販売価格でありますが、十分満足できるモデルと云えそうです。そして、これまでの中華イヤホン低価格帯のポピュラーなハイブリッドモデルとは異なり自然な音色の音高音質イヤホンとまとめました。

また、付属品のチープさは低価格帯のそれであり、特に付属のイヤーピースではBL-01実力を発揮できず、本来のしっかりとした低音域を体験できそうにありませんので、交換推奨と云えます。

 

さて、今回は国内amazonで3,000円以下で購入できる低価格帯U3K中華イヤホンの紹介となりました。現在(2021年1月31日)amazonで2,000円台で販売されております。AliExpressでは有名セラーのフォロワー割で2,000円前後と安価ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でもお手頃な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものを購入したいと考えていて気になった方は安心確実なamazon。新商品を国内発売前に少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

以下、付属ケーブル、EarFit MS使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★  
低音★★★★ 
音場★★★
分離★★★
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

  

あとがきとして、個人的な印象として1DDの中華イヤホンはオーソドックスに良い音を聴かせてくれる機種が多くコスパが良いと感じています。

日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみです。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ