みぃねこの備忘録

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BLON BL-03レビュー

こんにちは。

今回は中華イヤホンのシングルドライバモデルのレビュー編として低価格帯で発売されているBLON BL-03についてレビューをまとめたいと思います。

今回は国内amazonのWTSUN Audio(@Zhuo520x)から購入しています。

 

www.amazon.co.jp

 

AliExpressではWooeasy Earphones Store(@hulang9078)に取り扱いがあります。

 

ja.aliexpress.com

 

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1.  BLON BL-03について 

BLON BL-03は以前レビューしたBL-05の兄弟機ですが、そのデザイン故に好き嫌いが分かれるモデルとなっていました。そのBL-03に新色として今回紫色が追加されました。

BLON BL-03はそのデザインから購入を見送っていましたが、BL-05が好きな音だったためいつか購入しようと考えておりました。

個人的にはBL-05が好きな音だったためにBL-03は期待値の高い商品です。BL-03はBL-05のカーボンナノチューブ(以下CNT)振動板と同様にCNTドライバを採用したシングルダイナミックドライバモデルです。他にCNTドライバ採用モデルは以前TIN HiFi T4をレビューしていますが、販売価格がA10,000円とその半額以下で購入できるBL-05はCNTドライバを試したい方に。そして更に安価にCNTドライバを試したい方にはBL-03はお求めやすい価格と云えそうです。

最近は比較的安価にCNTドライバを採用している製品が増えており、以前BL-05のレビューでも触れましたが、素材の特徴としてなのか低価格帯としてチューニングの限界なのか判りませんが、低音は控えめとしながらも中高音の解像感は良好なものが多い印象です。それでもA10000で販売されているT4は中高音の解像感に加え低音は量感こそ控えめでもしっかりとした芯がある全域のバランスが良い音質傾向でしたので、やはりチューニング次第なのかもしれません。

CNTドライバは振動板がナノレベルで非常に薄く反応の良さが売りですが、カーボンダイヤフラムはそれよりも厚みがあるドライバとなります。とはいえ、カーボン素材の反応の良さや硬質でキレのある音が期待できます。

そして、これまで同じ素材のカーボンが主となるCNTドライバを搭載した機種のレビューではCNTドライバが軽量でイヤホンには最適且つ、剛性の高さから硬質でシャープな、そして反応が良いドライバという傾向があります。

その素性の良いCNTドライバに採用することでどうしても販売価格は高価となってしまいますが、それを中価格帯A5,000-U10,000で。もっと云えばこのBL-03、5,000円以下の商品に採用するという国内外有名メーカーでは真似できない価格破壊的な商品であり流石の中華イヤホンといえますね。

 

※CNTやDLC及び、平面磁気型ドライバの技術的な解説は以前同様にどうしても知りたい方はgoogle先生で検索してみてくださいね。だってそれを長々と書いても興味がない方はつまらなくて読む気にならないと思いますし結局音は如何なんだよって方が殆どではないかと思いますので。

 

さて、このBLON BL-03はBL-05の価格5,000円台よりも安価な販売価格となっています。BL-03がAliExpressでは3,000円前後。国内amazonで4,000円前後と比較的安価であり、CNTドライバ搭載モデルのエントリー機として非常に手が出しやすい価格と云えます。

一聴してBL-03はやはりCNTドライバの素性の良さを感じられ「良い商品は誰かに伝えたい」という想いが募ります。それぐらいBLON BL-03はBL-05同様に潜在能力の高さを魅せてくれています。勿論、音質は嗜好による好き嫌いが良し悪しとなるのが現実であり、理想は数値化による可視化ですが、どうしても味覚と一緒で「甘い・辛い・苦い」という主要素は説明しやすく伝えやすいですが「どれくらい」という絶対評価に繋がる客観的要素が乏しく個人の主観によるものになってしまいます。

音質の良し悪しは味覚同様に極端に「美味しい」or「不味い」同様の括りでは差異が出にくいものの「もっと○○だったら良いのに」という個人の嗜好による主観的要素が反映されます。もっと云えばその主観もこれまでに聴いたことがある音を基準に相対評価で認識されてしまいますので、可能であれば試聴でも良いので色々な音を聴いてみてご自身の好みを確定させ、ご自分の嗜好に近い方のレビューを参考にされるようにすることで、ハズレを引く確率を下げるリスクマネジメントも大切だと考えます。

元々この備忘録は一般的な国内及び海外有名メーカーではないけど良い音を聴かせてくれるらしい商品を試聴ができなくて二の足を踏んでいる方の背中を押してあげることができるように始めていますので、万人受けするものをお探しの方には特にご参考頂けるのではと自負しております。

そして、なによりも国内及び海外有名メーカーに勝るとも劣らない(かもしれない)中華イヤホンの楽しさを伝えていけたら幸いです。まあ、いつもの言い訳ですね。はい、なんやかんやで沼の住民の一人ということでございます(笑)。

 

※BLON BL-05の過去記事もよろしければご参考ください。 

miineco106.hatenadiary.jp

 

そんな訳でCNTドライバを搭載したBLON BL-03と同社BL-05との違いを交えながらレビューを纏めていきたいと思います。

 

BLON BL-03もBL-05同様にオール金属製のシェルが採用されています。デザインはBL-05とは異なる造形ですが、よりシュア掛けしやすくそれよりもコンパクトなシェルは耳への収まりも良好です。ステムノズルは細め。そのため、使用するイヤーピースで困ることはなさそうですし装着感はBL-05よりも比較的良好となりそうです。

 

BL-03のスペックは先述の通りBL-05の第二世代10mmCNTドライバではない第一世代?CNTドライバとなりますが、同じ10mmサイズのドライバを搭載しています。付属するケーブルは4芯銅線を使用し、3.5mmプラグには金メッキ処理のものを採用しています。

そして、BL-03は片側に1ドライバとシングルダイナミックドライバの特徴を活かし、多ドラの様な複雑なクロスオーバーはありません。シンプルで実績があるドライバ構成は安定した音を奏でられるアドバンテージがあります。それはこれまでレビューしてきた低価格中華ハイブリッドイヤホンとは異なり1ドライバ故の自然なつながりのある音が期待できるからです。複数のドライバを搭載した場合、各ドライバの担当する音域が重なるクロスオーバーのチューニングという難題があり低価格帯では特にこの辺りを派手な音づくりにすることで誤魔化した商品も多くあります。もちろんBL-03は1ドライバとはいえCNTドライバの持つ素性の良さを活かしたチューニング次第で「当り」か「外れ」という評価に繋がってくるといえますね。

 

BLON BL-03の納期としては流石の国内amazonの当日発送、翌日配達です。現在もAliExpressにてオーダーした場合はチャイナポストを選択しても早くても約2週間。平時なら1週間から2週間程度。遅いと3週間かかりますし、万が一の不良の際に返品交換に結構な手間と時間がかかります。

そんな訳で一般的にAliExpressでの購入は国内で購入した場合より安いが届くの少し日数が掛かることと、心配なのが「届かない、不良品だった、頼んだものと違うものが届いた」というような今や国内ネットショッピング大手ではあり得ないことが稀(?)に起こるデメリット(リスク)です。それでも国内で発売前の商品を入手できたり国内より安く入手できるメリットを比較した場合に止められない魅力があり、みぃねこは活用しています。なおこのリスクに不安がある方には全くお勧めできませんので国内amazon等での購入及び取り扱いを待って購入をお勧めします。

 

 

2.BLON BL-03実機レビュー 

それでは、早速BLON BL-03の実機レビューを以下、まとめていきます。

 

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パッケージングは白を基調としたどこかのブランドに似ているシンプルな白箱化粧箱です。


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箱の透明な上蓋箱を外すと白地の内装の台座にイヤホンが収納されていて、イヤホン台座の下側に小箱があります。

 

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その小箱にはイヤーピース、ケーブル、イヤホンポーチが収納されています。

 

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低価格帯U5,000としては凝った化粧箱で、付属品もイヤーピースが複数とポーチがあり必要十分と云ったところです。

 

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付属品のイヤーピースはシリコンイヤーピースがS、M、Lの3種1セットと形状の違うシリコンタイプのSとM?が1セットの計2セットが付属します。シリコンイヤピは口径と傘の材質、形状が異なりそれぞれフィッティングを好みで選択が可能です。

ケーブルは耐久性が高いのものが付属しており、U5,000円の低価格帯として十分な付属品ですが、イヤピ交換とリケーブルはした方が良さそうですので、気になりませんね。


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ビルドクオリティですが、BLON BL-03は中華イヤホンで心配されるような各所の仕上りに雑なところを感じません。安心して購入できると思います。

なお、カラーバリエーションはガンメタと、銀色及び、追加された紫色の三種類です。


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付属ケーブルは4芯銅線材を使用した黒色の編込みタイプが採用されています。プレイヤー側コネクタはL字タイプで、イヤホン側はカバー付き2ピンコネクタで極性はTFZっぽい形状で上がプラスです。この付属ケーブルはシュア掛け用にチューブで癖付けされています。気になるのはイヤホン側が凸2ピンメスでケーブル側が凹2ピンオスと専用設計は勘合性も良く強度も増しますがリケーブルの選択が悩みどころです。また、耳への装着性はシュア掛けの癖付けのアールが大きく個人的にはイマイチです。

個人的に低価格帯U5Kの商品に付属するケーブルとしてはまずまずの感は否めず、そのまま使用することもできますが、個人的にはリケーブルをしようと思います。

 

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先述の通りBL-03のシェルデザインはBL-05とは異なる造形、デザインですが、丸みを帯びたBL-03に対し、平面的なBL-05となります。また、装着感は良好でステムノズルも細めのため、余程のことがない限り問題なく装着できそうな印象ですね(装着感に個人差はあることをご了承ください)。

勿論ステムノズルの先端端面にメッシュフィルターが装備されています。

そして、シェル本体の形状と付属ケーブルからはシュア掛け前提となりますが、シュア掛けが苦手な方は注意が必要ですね。

上記の通りBL-03は耳への装着感は良好も、付属のシリコンイヤーピースでは音質的に低音が抜ける感じとなり今一つだったことから、SEDNA EarfitのMサイズで耳へは浅めに蓋をする感じで装着し音質的にもみぃねこはしっくりきました。低~中価格帯では毎度付属イヤーピースでは装着感と音質的に実力を発揮できないと感じることが多くあり、手持ちのイヤピに頼りましたが、まあ、この辺りは個人差があるかもしれませんね。

このことからも低~中価格の中華イヤホンでは付属のイヤピでは装着感は基より音質面でも本来の実力を発揮できない場合がありますので、個人的な意見となりますが装着感を優先し音質の傾向を変えないタイプへ交換する事をお勧めします。(この辺りは個人差やステムの太さや角度等も関係していると思いますのであくまでも参考程度にお願いします)

 

 

3.  BLON BL-03音質レビュー 

それではいよいよ音質についてまとめていきます。

 

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今回の再生環境はSHANLING Q1、直挿しアンバランス接続です。

いつもの低価格帯通りにSHANLING Q1にてレビューを行います。

もちろんiPhone6sでも鳴らすことができましたが、中高音域の解像感や特に低音域の表現力で本来の性能を発揮できないと感じましたのでご容赦ください。

特に低価格帯のイヤホンの場合でその違いが気になる方は以前の「Shanling M0とiPhone 6sをDAPとして比較」や「FiiO M5とSHANLING M0を比較」をご覧ください。

 
miineco106.hatenadiary.jp

 

miineco106.hatenadiary.jp

 

それでは実際に聴いてみます。
ソースは宇多田ヒカル/First Love平井堅/瞳をとじて倖田來未/Moon Crying。高音/低音域の確認用に松岡充/SURPRISE-DRIVEです。

先述の通りイヤピはSEDNA Earfit Mサイズ。ケーブルは付属品を使用しています。

箱出しで聴いてみた第一印象は「中音高音の音に繊細さを感じられ低音は量感こそ控えめだがしっかりとしている。」でした。
こちらも箱出し直後は低音が控えめに感じたため今回も先に鳴らし込みを行っています。

音場は普通で横にやや広め。

高音は適度な煌びやかさがあり小さな音も聴き分けられ繊細さを感じます。尖りや刺さりは感じません。

低音は量感は控えめながらも芯があり音がしっかりしています。ベースラインも追いやすく心地よさを感じられます。

重低音はそれほど沈み込みを感じ無いが十分な強さは感じられる。

中音は高音同様に小さな音や強弱を掴み易く解像感は良好。ボーカルはややドライもクリアでやや前に位置するが、演奏がそれよりも一歩下がっていて聴きやすさがあります。

一言で云えばやや中高音寄りのドンシャリ

もっと云えば、高音は存在感があり見通しの良さがあるがでしゃばらず、繊細で強弱を感じられます。

中音は高音よりも描写が良く解像感は良好でボーカルを邪魔しない。そのボーカルはクリアで聴きやすく高音低音や中音の演奏に埋もれない、ボーカルを中心に聴きやすいバランスです。

低音は量感こそ控えめですが、芯があり音がしっかりしています。重低音は十分な強さがありますが、沈み込みはそれ程深さは無いように感じます。

この中高音に繊細さがありやや中高音寄りのバランスはBL-05とも通じる部分がありますが、一番の違いは低音域の印象です。

BL-05は中高音寄りで中高音に繊細さがあり低音の強弱も感じられる音でしたが、BL-03は中低音寄りで中高音の繊細さはBL-05に一歩譲りますがボーカルは聴きやすく、低音のしっかりとした強さはBL-05よりも良好です。

そのため解像感を重視して中高音をすっきりとそして繊細さを感じたい方はBL-05の方が好印象かもしれません。一方このBL-03は分りやすい音質の良さを感じやすく、中高音寄りでありながらも低音域をしっかりとした音にすることによって、スマホ付属イヤホン等からのステップアップとしても違いを感じやすくなっています。

とはいえ、BL-03はBL-05よりも安価でありBLONラインナップの中で兄弟機の弟機として分かりやすい設定の商品と云え、シンプルに良い音を聴くことができるモデルと云えそうです。尤もBL-03の音作りの傾向が好みかどうかによって評価が分かれると思いますが、どこかを強調し破綻させずに整えられた中高音寄りの一聴してバランスの良い音と感じられると思います。

 

まとめとして、BLON BL-03は低価格帯U5Kの中華イヤホンでは珍しい1DDモデルとシンプルな構成でありながらCNTドライバを採用し価格を抑えた同社の代表作で、繊細な中高音としっかりとした低音は大きく外すことのない、十分満足できるモデルと云えそうです。

 

折角なのでDAPSONY NW-ZX507に変更して聴いてみます。 

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その結果、平面的だった音場に立体感を感じられるようになり、低音の量感が増え音の強弱が掴み易くなり解像感も良好になりました。加えて中高音の響きも良くなった印象です。これは単純にDAPの差ともいえますが、逆に云えばそれだけ伸びしろがあるとも云えるのではないでしょうか。

個人的にはそれなりのDAPを使用する又は、ポタアンを挟む等、再生環境に左右されやすい面は初心者向けとしては少々敷居が高いかもしれません。

 

最後に、以前のレビューでも何度か触れていますが単純にドライバ数を増やす足し算では未だ限界があります。残念ながらそれをBAオンリーの低~中価格帯複数ドライバ搭載モデルが証明しています。それでも次々と投入される中華の新モデルが我々を楽しませてくれており、今後も期待していきたいと思います。

以下は参考。価格帯が異なりますので。

  

高音   BL-05 ≧ BL-03    

中音   BL-05 ≧ BL-03  

低音   BL-03 ≧ BL-05  

ボーカル BL-03 ≧ BL-05 

音場   BL-05 ≧ BL-03

 

今回は国内amazonで5,000円以下で購入できる低価格帯U5K中華イヤホンの紹介となりました。現在(2020年10月10日)amazonで4,000円前後で絶賛取り扱い中。AliExpressでは有名セラーのフォロワー割で2,000円半ばと安価ですが、その入手性に少々難があります。とはいえこれまでの低価格中華イヤホンの中でもお手頃な実売価格となりますし、その音質を含めクオリティは日々進化を感じられ十分満足できる内容となっていますので低~中価格中華イヤホンの中で間違いのないものを購入したいと考えていて気になった方は安心確実なamazon。新商品を国内発売前に少しでも早く入手したい、少しでも安い方が良い方はAliExpressでの購入も検討してみてくださいね。

 

以下、付属ケーブル、Earfit M使用、DAP Q1
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

以下、付属ケーブル、Earfit M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★☆  
低音★★★★    
音場★★★☆
分離★★★☆
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

 

BL-05
以下、付属ケーブル、イヤピAET07 M使用、DAP ZX507
高音★★★☆ 
中音★★★★  
低音★★★☆ 
音場★★★☆
分離★★★★
お勧め度★★★★☆ (中華に特徴を求める方★4)
※☆0.5、★1.0

  

あとがきとして、個人的に1DDの中華イヤホンはオーソドックスに良い音を聴かせてくれるという興味深い結果でした。日々進化を見せる中華イヤホンにはこれからも非常に楽しみですね。今後も低価格を中心に、複数BA及び多ドラハイブリッド中価格中華イヤホンにも挑戦していきたいと考えています。

また、気になる商品や1BA+1DDイヤホンの新商品が出れば追加でチェックしていきますのでよろしくお願いいたします。
沼にハマった者の戯言に最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
みぃねこ